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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030457
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】農業用フィルム用防曇剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20240229BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240229BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240229BHJP
   C08K 5/1545 20060101ALI20240229BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C09K3/00 R
C08L101/00
C08L91/00
C08K5/1545
C08J5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133378
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000221797
【氏名又は名称】東邦化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】辻田 耕作
【テーマコード(参考)】
4F071
4J002
【Fターム(参考)】
4F071AA16
4F071AA18
4F071AA19
4F071AA20
4F071AA24
4F071AA51
4F071AC10
4F071AC15
4F071AE04
4F071AE22
4F071AF53
4F071AF56
4F071AF57
4F071AH01
4F071BB06
4F071BB09
4F071BC01
4J002AE05X
4J002BB02W
4J002BB03W
4J002BB04W
4J002BB05W
4J002BB06W
4J002BB07W
4J002BB08W
4J002BB09W
4J002BB11W
4J002BB12W
4J002BB14W
4J002BB23W
4J002BC05W
4J002BD03W
4J002BG03W
4J002BG04W
4J002BG05W
4J002BN12W
4J002BN15W
4J002BN16W
4J002CF06W
4J002CF07W
4J002CG01W
4J002CK02W
4J002CL00W
4J002EL086
4J002FD206
4J002FD20X
4J002GA01
(57)【要約】
【課題】農業用防曇性樹脂フィルムに要求される、冬場(低温時)の防曇性(低温濡れ性)、夏場(高温時)の防曇性の持続性(高温持続性)、展張直後の防曇性(初期濡れ性)、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性のすべてを満足する防曇剤及びそれを含有する農業用防曇性樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】
(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物、及び
(B)硬化ひまし油
を含有する、農業用フィルム用防曇剤。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物、及び
(B)硬化ひまし油
を含有する、農業用フィルム用防曇剤。
【請求項2】
前記(A)成分と、(B)成分の質量比が、(A)/(B)=90/10~10/90である、請求項1に記載の農業用フィルム用防曇剤。
【請求項3】
樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の農業用フィルム用防曇剤を0.01~5.0質量部含有する樹脂組成物を成形してなる農業用樹脂フィルム。
【請求項4】
(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物、及び
(B)硬化ひまし油
を含有する樹脂組成物を成形してなる農業用樹脂フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用フィルム用防曇剤及びそれを含有する農業用樹脂フィルムに関するものであり、更に詳しくは低温時の防曇性、高温での防曇持続性、耐候性、耐汚れ性、及び耐ベタつき性に優れた農業用フィルム用防曇剤及びそれを含有する農業用樹脂フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来野菜類を栽培するに当たりポリエチレンやポリ塩化ビニルといった樹脂フィルムを被覆材として使用することによって気温の低い時期でも栽培を可能にする方法が採られている。この場合使用する樹脂フィルムは太陽光線を常時透過させる必要があることから樹脂フィルム表面に水分による曇りの発生を防止するためにあらかじめ防曇剤を練り込む方法が採られている。この防曇剤としては、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ソルビトール等の高級脂肪酸エステル、及びこれらの高級脂肪酸エステルにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した非イオン界面活性剤が用いられてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、無滴性付与剤としてソルビタン脂肪酸エステルにプロピレンオキサイドを付加させた化合物が提案されている。又、特許文献2には、アルキルジ(ポリオキシアルキレン)アミンのエステル化合物Aと融点35℃以下の化合物Bが防曇剤として用いられている。又、特許文献3にはアルキルジエタノールアミドとソルビタン(又はソルビトール)の脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物からなる防曇剤混合成分が用いられている。特許文献4には、ジグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを混合した防曇性付与剤と帯電防止剤組成物としてアルキルジエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル等を配合した配合物が防曇剤として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3840654号公報
【特許文献2】特開平11-263887号公報
【特許文献3】特許3868893号公報
【特許文献4】特開2006-161012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの従来技術では防曇剤のブリードアウト過多に起因するベタつきや、夏場に防曇性が十分に持続しないといった問題があり、この点を改良しようとすると低温下での防曇性等が損なわれてしまうため、これらの諸性能の全てにおいてバランスのとれた農業用樹脂フィルムは未だに得られていないのが現状である。
【0006】
本発明の目的は農業用防曇性樹脂フィルムに要求される、冬場(低温時)の防曇性(低温濡れ性)、夏場(高温時)の防曇性の持続性(高温持続性)、展張直後の防曇性(初期濡れ性)、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性のすべてを満足する防曇性付与剤及びそれを含有する農業用防曇性樹脂フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物及び(B)硬化ひまし油からなる防曇剤を農業用樹脂フィルムに対して使用したところ、得られた樹脂フィルムは前述の防曇性、防曇持続性、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性に優れることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0008】
即ち本発明は、
[1](A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物、及び(B)硬化ひまし油を含有する、農業用フィルム用防曇剤であって
[2]前記(A)成分と、(B)成分の質量比が、(A)/(B)=90/10~10/90である、[1]に記載の農業用フィルム用防曇剤。
[3]樹脂100質量部に対し、[1]又は[2]に記載の農業用フィルム用防曇剤を0.01~5.0質量部含有する樹脂組成物を成形してなる配合してなる農業用樹脂フィルム。
[4](A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の化合物、及び
(B)硬化ひまし油
を含有する樹脂組成物を成形してなる農業用樹脂フィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わる防曇剤を使用すると、得られた農業用樹脂フィルムは低温濡れ性、高温持続性、初期濡れ性、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いる(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、例えば、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸との部分エステル、またはソルビタン脂肪酸エステルにアルキレンオキシドを付加することにより得られるが、特にそれに限定されるものではなく、ソルビトール又はソルビタンにアルキレンオキシドを付加したものと、脂肪酸とをエステル化した反応物であって、好ましくはソルビトール又はソルビタンと脂肪酸とから得られるソルビタンモノ脂肪酸エステル化合物であるが、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステルが存在していても良い。これらは蒸留したものであってもよいし、未蒸留のまま使用してもよい。
また、本発明に用いる(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、1種類での使用でも効果があるが、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの併用であるほうが初期の濡れ性に関して効果があるため好ましい。
【0012】
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルを構成するオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられるが、初期の濡れ性付与の観点から、オキシエチレン基を含むものが好ましい。ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの1分子中に存在するオキシアルキレン基の総数は、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、さらに好ましくは3以上である。また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、さらに好ましくは4以下である。
【0013】
(A)ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、適度なブリード性を付与する観点から、炭素数が10以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましい。また、当該炭素数は22以下が好ましく、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは18以下である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、中でもラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びミリスチン酸から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
【0014】
また、前記(A)成分の融点は40℃以上が好ましい。融点が40℃に満たないと、これを使用した農業用樹脂フィルムの高温持続性、耐ベタつき性を損なうからである。
【0015】
本発明に用いる(B)硬化ひまし油は、リシノール酸が主成分である不飽和脂肪酸と少量のパルミチン酸のような飽和脂肪酸が含まれる脂肪酸のトリグリセリドであるひまし油の不飽和部分に水素を付加したものであり、農業用樹脂フィルムに高温時の防曇持続性を付与できるとともに、融点が80~90℃であるため耐ベタつき性や耐汚れ性も優れる。
【0016】
本発明の農業用フィルム用防曇剤において、前記(A)成分と(B)成分の質量比は、好ましくは、(A)/(B)=90/10~10/90であるが、本願発明の所望の効果を付与する点では、より好ましくは85/15~15/85、さらに好ましくは70/30~30/70である。
【0017】
かくして得られた農業用フィルム用防曇剤の樹脂に対する含有量は、0.01~5.0質量%が好ましいが、1.0~3.0質量%であればより好ましい。含有量が少なすぎると所望の効果は得られず、多すぎると透明性、耐ベタつき性を損なうからである。
なお、(A)成分と(B)成分は、それぞれ別々樹脂に添加してもよいが、予め混合してから樹脂に添加した方が防曇効果を得られやすくなるため好ましい。
【0018】
本発明に用いる樹脂としては、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が使用することができる。
ポリエチレン系としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)、メタロセンポリエチレン、また塩素化ポリエチレン(CPE)、シラン架橋性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、酸化ポリエチレンなどが挙げられ、ポリプロピレン系としては、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(syn-PP)、アタクチックポリプロピレン(aPP)、超高分子量ポリプロピンレン(UHMW-PP)、メタロセンポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、シラン架橋ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、酸化ポリプロピレン等が挙げられる。その他ポリオレフィンとしてポリイソブチレン(PIB)、ポリブチレン(ポリブテン-1、PB-1)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)等のオレフィン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA、EAA)、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー樹脂、ION)、エチレン-無水マレイン酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体等のオレフィン系共重合体、その他オレフィン系エラストマー(TPO)、オレフィン系プラストマー(POP)が挙げられる。
【0019】
また、ポリ塩化ビニルとしては、クロロエチレンのみで重合したPVC-S(ストレートPVC)と、ほかの物質との共重合体であるPVC-Mがあり、PVC-Sとしては添加する可塑剤の量の違いにより軟質PVCと硬質PVCがあり、PVC-Mには塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-塩化ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-イタコン酸共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-フマル酸共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アルキルビニルエーテル共重合体、塩化ビニル-プロピオン酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体、その他として塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)が挙げられる。
【0020】
またアクリル樹脂としては透明性の高いポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)のような(メタ)アクリル酸エステル樹脂の他に、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート-スチレン共重合体(MS)などが挙げられる。その他樹脂としてビスフェノールAとホスゲンとの反応でできるビスフェノールAポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)のようなポリエステル樹脂、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、アクリロニトリル-スチレン樹脂(AS)、スチレン-ブタジエン樹脂(SB)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルゴム樹脂(ASA)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンジエン-スチレン樹脂(AES)、シリコン-アクリロニトリル-スチレン樹脂(SAS)、スチレン系エラストマー(TPS)、ナイロン6(PA6)、ナイロン6,6(PA66)、ナイロン6,10(PA610)、ナイロン4,6(PA46)、ナイロン11(PA11)、ナイロン12(PA12)、ナイロンMXD6(PAMXD6)のようなポリアミド樹脂、ポリウレタン系エラストマー(TPU)等を例示することが出来るが、特にポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂に有用であり、前記熱可塑性樹脂を2種類以上ブレンドして使用しても良い。
【0021】
また、本発明にかかる農業用樹脂フィルムにおいては、前記熱可塑性樹脂の他に、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、粘着防止剤、顔料、充填剤、防霧剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0022】
前記可塑剤としては、例えばフタル酸系、アジピン酸系、リン酸系、トリメリット酸系エポキシ系などが挙げられ、フタル酸系としてはフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DOP)、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、テレフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DOTP)などが挙げられ、アジピン酸系としてはアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジn-アルキル、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジトリデシル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、リン酸系としてはトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。またトリメット酸系ではトリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)が挙げられる。またエポキシ系としてはエポキシ化大豆油(ESBO)、エポキシ化アマニ油(ELSO)、エポキシ化脂肪酸イソブチル、エポキシ化脂肪酸2-エチルヘキシル、エポキシ化脂肪酸オクチルエステルが挙げられる。このような可塑剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、このような可塑剤の添加量としては、可塑剤の種類によっても異なるものではあるが、一般に、熱可塑性樹脂100質量部に対して1~60質量部が好ましい。
【0023】
前記熱安定剤としては、バリウム-亜鉛系、カルシウム-亜鉛系、錫系、鉛系などがあり、バリウム-亜鉛系、カルシウム-亜鉛系としては、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の複合体が挙げられる。 錫系としてはジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ビス(エステルマレート)、ジブチルメチル錫メルカプタイド系等が挙げられ、鉛系では三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜りん酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸鉛、塩基性炭酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛、サリチル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛等が挙げられる。また安定化助剤としては有機系ホスファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等があげられる。β-ジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン等があげられる。また、このような安定剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、このような安定剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5~10質量部が好ましく、更に好ましくは1~5質量部である。
【0024】
前記光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)=3,4-ビス{[(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)オキシ]カルボニル}ヘキサンジオアート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)=ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシラート、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸・3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパナール・ペンタエリトリトール重合物の1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル=エステル、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)=デカンジオアート、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)=デカンジオアート、ビス[2,2,6,6-テトラメチル-1-(ウンデシルオキシ)ピペリジン-4-イル]=カルボナート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル=メタクリラート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル=メタクリラート、脂肪酸(C=12~21および不飽和C=18)の2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルエステル、[N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサン-1,6-ジアミン・2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン重合物]と2,4,4-トリメチルペンタン-2-アミンの反応生成物、α-アルケン(C=20~24)・無水マレイン酸重合物と2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-アミンの反応生成物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)=デカンジオアートと2-ヒドロペルオキシ-2-メチルプロパンとオクタンの反応生成物が挙げられ、添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01~0.3質量部であることが好ましい。
【0025】
前記酸化防止剤としては、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系などが挙げられ、フェノール系としては1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、ブチリデンビス(メチル-ブチルフェノール)、3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸-n-オクタデシル、ペンタエリトリトール=テトラキス[3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2’-ジメチル-2,2’-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ジプロパン-1,1’-ジイル=ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノアート]、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。ホスファイト系としては、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-6-[(2-エチルヘキサン-1-イル)オキシ]-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスフィト、テトラアルキル(C=12~15)=[プロパン-2,2-ジイルビス(4,1-フェニレン)]=ビス(ホスフィット)、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。またチオエーテル系としては、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアートなどが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.03~5質量部が好ましく、更に好ましくは0.05~3質量部である。
【0026】
前記紫外線吸収剤としては、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フエニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フエニル]ベンゾトリアゾール、6,6’-ビス(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,4’-ビス(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-2,2’-メチレンジフェノール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、6,6’,6’’-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス[3-(ヘキシルオキシ)-2-メチルフェノール]、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられ、添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05~5質量部が好ましく、更に好ましくは0.1~3質量部である。
【0027】
前記滑剤又は前記粘着防止剤としては、脂肪酸エステル系としてブチルステアレート、ステアリルステアレート、アルコール系としてステアリルアルコール、グリセリンエステル系としてステアリン酸モノグリセライド、多価アルコール系としてマンニトール、脂肪酸系としてステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸塩系として、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アマイド系としてステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、炭化水素系として流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル系架橋物の微粒子等が挙げられる。このような滑剤又は粘着防止剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5~5質量部が好ましく、更に好ましくは1~3質量部である。
【0028】
前記顔料としては、無機顔料と有機顔料が挙げられ無機顔料としては、チタン白(二酸化チタン)、炭酸カルシウム、クレー、タルク、沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉、
ホワイトカーボン、パール系顔料(オキシ塩化ビスマス、塩基性炭酸鉛、酸化チタン被覆雲母等)、金属粉顔料(アルミニウム粉、銅粉、真鍮粉、金粉、鉛粉、錫粉、亜鉛粉、ニッケル粉、ステンレス粉等)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カドミウム系顔料、黄鉛、鉛系顔料、リン酸系顔料、クロメート系顔料、モリブデート系顔料、雲母状酸化鉄、亜鉛末、亜酸化銅、カーボンブラック、酸化鉄(鉄黒)、黄色酸化鉄、べんがら(合成系または天然系)、褐色酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、複合酸化物顔料(チタン・アンチモン・ニッケルの複合酸化物、鉄・亜鉛の複合酸化物、チタン・バリウム・ニッケルの複合酸化物、コバルト・アルミニウム・クロムの複合酸化物等)、有機顔料としては、その化学構造から大きくアゾ顔料と多環顔料に分けられ、アゾ顔料としては溶性アゾ顔料のレーキレッドC、リソールレッドBA、リソールレッドCA、リソールレッドSR、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド2B、ボンレッド、ボルドー10B、ピグメントルビンGが挙げられ、不溶性アゾ顔料としてはパラレッド、ナフトールオレンジ、ブリリアントファストスカーレット、ナフトールレッドFRR、ナフトールレッドM、ファストイエローG、ベンズイミダゾロンイエローH3G、ジスアゾイエローHR、バルカンオレンジ、縮合型アゾ顔料としては、縮合アゾイエロー166、縮合アゾレッドBRなどが挙げられる。多環顔料としてはフタロシアニン顔料として、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー(α型)、高塩素化フタロシアニングリーン、縮合多環系顔料としてアンザンスロンオレンジ、インジゴブルー、ペリノンオレンジ、キノフタロンイエロー、ジオキサジンバイオレット37、無置換キナクリドンレッド(γ型)、キナクリドンマゼンタ、イソインドリノンイエローG、ニッケル錯体オレンジ、イソインドリンイエロー139、ジケトピロロピロールレッド255などが挙げられる。また、その他顔料として蛍光顔料、アニリンブラック、アルカリブルートナー等が挙げられ、添加量としては、樹脂の強度を低下させない程度で熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05~10質量部が好ましく、更に好ましくは0.1~3質量部である。
【0029】
前記充填剤としては、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム、各種磁性材料、各種フェライト系、磁性酸化鉄、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化ベリリウム、マイカ、フェライト、硫酸バリウム、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルク、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、酸化アンチモン、水酸化アルミウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等が挙げられ、添加量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1~60質量部が好ましく、更に好ましくは3~10質量部である。
【0030】
前記防霧剤としては、パーフルオロアルキル基含有化合物が挙げられ、いわゆるPFOS(パーフルオロアルキルスルホン酸)やPFOA(パーフルオロアルキルカルボン酸)、長鎖PFCAs(パーフルオロカルボキシックアシッド)ベースのPFSs(perfluorinated surfactants)が使用できる。ただし、PFSsは化学的に安定なため、環境、生体に蓄積することから短直鎖(C6以下)のパーフルオロアルキル基、分岐したフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基などの疎水基に代替されており、そちらを使用してもよい。例えば、短直鎖のPFSsとしてはPFBS(パーフルオロブタンスルホン酸)、PFCA(パーフルオロヘキサン酸)など、またこれらのリン酸エステル化合物、アルキレンオキサイド付加物などが挙げられ、このようなPFSsの添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01~1質量部が好ましく、更に好ましくは0.05~0.5質量部程度である。
【0031】
また、他の添加剤としてはハロゲン化水素捕捉剤として、またフィルムの強度向上のためエポキシ樹脂を添加することが出来る。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型、ビスフェノールE型、ビスフェノールF型、ノボラック型、脂肪族型、グリシジルアミン型などが挙げられ液状でも固体でもよい。また、その他グリシジル基を含有した樹脂例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールEジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、アミン変性ビスフェノールAタイプグリシジル(メタ)アクリレート、脂肪酸変性グリシジル(メタ)アクリレート、ノボラックグリシジル(メタ)アクリレート、りん酸変性グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン-グリシジル(メタ)アクリレート-g-アクリロニトリルスチレン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、などが挙げられ、添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1~10重量部であり、好ましくは0.5~5重量部である。
【0032】
本発明にかかる農業用樹脂フィルムを成形する方法としては特に制限されず、カレンダー法、押出法、インフレーション法等の適宜公知の成形方法を採用することができる。また、熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂やオレフィン系樹脂を用いる場合には加工性や、得られる製品の幅(幅12m程度とする場合)等の観点から、インフレーション法を採用することが好ましい。
【0033】
本発明の農業用フィルム用防曇剤は、前記2成分の相乗効果により、冬場(低温時)の防曇性(低温濡れ性)、夏場(高温時)の防曇性の持続性(高温持続性)、展張直後の防曇性(初期濡れ性)、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性のバランスをとることが可能になった。
【0034】
また、本発明の農業用樹脂フィルムは単層で使用しても2種以上の樹脂を積層で使用しても良い。
【実施例0035】
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
<評価フィルムの作製>
実施例1
ポリ塩化ビニル樹脂(株式会社カネカ製、製品名 カネビニール(登録商標) S1004) 100質量部、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(新日本理化株式会社製、製品名 サンソサイザー(登録商標) DOP)30質量部、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(新日本理化株式会社製、製品名 サンソサイザー(登録商標) DOA)10質量部、トリクレジルホスフェート(大八化学工業株式会社製、製品名 TCP)5質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、製品名 jER(登録商標)828)4質量部、カルシウム-亜鉛系液状安定剤3質量部、カルシウム-亜鉛系粉末安定剤2質量部、農業用フィルム用防曇剤として(A)ポリオキシエチレン(3)ソルビタンモノパルミテート1.54質量部、(B)硬化ひまし油(小倉合成工業株式会社製)0.66質量部を加え、バンバリーミキサーを用いて180℃、5分間混錬後、造粒機により造粒し樹脂ペレットを得た。次にこの樹脂ペレットをインフレーションフィルム成型機によって厚さ0.1mmの農業用樹脂フィルムを得た。
【0037】
〔実施例2~8、比較例1~6〕
実施例1で用いた農業用フィルム用防曇剤を下記表1に示すものに変更し、実施例7、実施例8、比較例6においては熱可塑性樹脂をポリエチレンに変更した以外は同様にして実施例2~8、比較例1~6の農業用樹脂フィルムを作製した。なお、実施例、比較例の各評価は下記の方法により行った。結果を表1に示す。
【0038】
<防曇性の評価>
1.低温初期:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:5℃、水温:15℃、傾斜角10度で12時間後のフィルムの濡れ状態を評価。
2.高温持続:上部傾斜箱にフィルムを張り、外気温:20℃、水温:50℃、傾斜角10度で5日後のフィルムの濡れ状態を評価。
3.屋外初期:ハウス展張後5時間後の濡れ状態を評価。
4.屋外持続:令和3年11月1日展張、令和4年2月1日の濡れ状態を評価。

・評価基準
◎ :一面に均一に濡れ透明
○ :ほぼ一面に均一に濡れ透明
× :一部透明部分もあるが全体に不透明
××:完全に不透明
【0039】
<耐候性の評価>
得られた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを間口4.5mの単棟パイプハウスに展張し、17ヶ月後のフィルムの状態を目視により5段階評価をした。

・評価基準
◎:全く変化なし
○:若干の変色がみられる
□:若干の変色がみられ、クラックが入っている
△:変色が強くみられ、クラックが入っている
×:変色しており、破れている
【0040】
<耐汚れ性の評価>
得られた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを間口4.5mの単棟パイプハウスに展張し、12ヶ月後の汚れ方を目視により5段階評価をした。

・評価基準
◎:全く汚れていない
○:若干汚れている
□:汚れているが、ハウス内を見ることができる
△:汚れており、ハウス内が見えにくい
×:汚れており、ハウス内が全く見えない
【0041】
<耐ベタつき性の評価>
各フィルム表面上の耐ベタつき性を触手により評価した。

・評価基準
◎:無添加フィルムと同様でフィルムが全くベタつかない。
〇:フィルムが若干ベタついているが、使用には問題ない。
△:使用不可能な程フィルムがベタついている。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すように、本発明による農業用樹脂フィルム1~8は、添加したフィルムの低温濡れ性、高温持続性、初期濡れ性、耐候性、耐汚れ性及び耐ベタつき性において非常に優れている性能を発揮することができる。