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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030460
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】足場台
(51)【国際特許分類】
   E04G 1/34 20060101AFI20240229BHJP
   E04G 1/24 20060101ALI20240229BHJP
   E04G 1/30 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E04G1/34 A
E04G1/24 301A
E04G1/30 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133383
(22)【出願日】2022-08-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 交付日 令和3年11月10日 交付先 株式会社アクティオ 名古屋営業所(愛知県名古屋市中川区大畑町2-54-1) 販売日 令和4年5月19日 販売先 株式会社アクティオ 名古屋営業所(愛知県名古屋市中川区大畑町2-54-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新 幸斗
【テーマコード(参考)】
2E003
【Fターム(参考)】
2E003CC01
(57)【要約】
【課題】 連結板の回動を阻止した状態で隣接の天場板に連結できるようにする。
【解決手段】 天場板3の第1対角部位S1に密接する天場板3の第2対角部位S2と連結する連結具25を設ける。連結具25は、第1対角部位S1に設けられた枢支軸26と、この枢支軸に水平回動可能に枢支されている連結板27と、この連結板に枢支軸からの距離が等しい位置に設けられた縦係合部28及び横係合部29とを有する。連結板は、縦係合部及び横係合部の両方が第1対角部位に重合する退避位置R1から、縦係合部又は横係合部の一方を第1対角部位の外方へ突出させる連結位置R2まで位置変更可能に形成されており、2枚の天場板を縦方向又は横方向に隣接配置したときに第1対角部位に隣接することになる第2対角部位には、連結板が連結位置に位置するときに第1対角部位から外方へ突出した縦係合部又は横係合部が係合する連結係止部33を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天場板(3)と、この天場板(3)の下面に上部が折り畳み可能に連結された一対の支柱枠(4)とを備えた足場台であって、
前記天場板(3)の縦辺又は横辺が、隣接配置される天場板(3)の縦辺又は横辺と密接する形状に形成され、かつ1組の第1対角部位(S1)及びこれと対角方向が交差する1組の第2対角部位(S2)が形成されており、
前記天場板(3)の第1対角部位(S1)には密接する天場板(3)の第2対角部位(S2)と連結する連結具(25)が設けられており、
前記連結具(25)は、前記第1対角部位(S1)に設けられた枢支軸(26)と、この枢支軸(26)に水平回動可能に枢支されている連結板(27)と、この連結板(27)に枢支軸(26)からの距離が等しい位置に設けられた縦係合部(28)及び横係合部(29)とを有しており、
前記連結板(27)は、縦係合部(28)及び横係合部(29)の両方が第1対角部位(S1)に重合する退避位置(R1)から、縦係合部(28)又は横係合部(29)の一方を第1対角部位(S1)の外方へ突出させる連結位置(R2)まで位置変更可能に形成されており、
2枚の天場板(3)を縦方向又は横方向に隣接配置したときに第1対角部位(S1)に隣接することになる第2対角部位(S2)には、連結板(27)が連結位置(R2)に位置するときに第1対角部位(S1)から外方へ突出した縦係合部(28)又は横係合部(29)が係合する連結係止部(33)が形成されていることを特徴とする足場台。
【請求項2】
前記天場板(3)は縦辺が横辺より長い長方形であり、各横辺の近傍に支柱枠(4)が配置されており、
前記縦係合部(28)と横係合部(29)とを被係合部(31)に係脱するべく、枢支軸(26)は天場板(3)に上下移動可能に支持されていて、連結板(27)を天場板(3)の表面に近接させる付勢部材(40)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の足場台。
【請求項3】
前記連結板(27)は平面視略三角形に形成され、第1頂部に枢支軸(26)に嵌合する嵌合孔(41)が形成され、第2頂部の下面に縦係合部(28)を形成するピンが下方突出され、第3頂部の下面に横係合部(29)を形成するピンが下方突出されており、
前記第2頂部と第3頂部との間には、天場板(3)の表面との間に人指を挿入するための指掛け部(27b)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の足場台。
【請求項4】
前記第1対角部位(S1)には、前記連結板(27)が退避位置(R1)に位置するときに縦係合部(28)及び横係合部(29)が係合する縦係止部(34)及び横係止部(35)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の足場台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内天井の施工作業等に作業台として使用する足場台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された従来の足場台は、天場板と、この天場板の下面に上部が折り畳み可能に連結された一対の支柱枠と、支柱枠を折り畳み姿勢から立ち姿勢に変更して立ち姿勢に保持するべく天場板の下面と各支柱枠の上下方向中途部との間に架設された回動規制具と、隣接配置される天場板を連結する連結具とを備えている。
【0003】
前記連結具は天場板の4隅に形成された連結孔と、2つの連結孔に挿入されるピン部を有する正面視略コ字状の連結部材とを有し、この連結部材のひとつのピン部をひとつの天場板の連結孔に挿入し、連結部材の他のピン部を隣接配置される天場板の連結孔に挿入することにより、2枚の天場板が隣接配置から離れないように連結できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-44575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術は、連結部材の2つのピン部を2枚の天場板のそれぞれの連結孔に挿入することにより、2枚の天場板を隣接配置状態に連結できるが、連結部材は各天場板に対して1つのピン部が係合しているだけであるため、連結部材は各天場板に対して回動することが許容されており、天場板を隣接配置しても両者間には製作誤差があり、天場板は接触面に沿ってズレ動くことがあり、複数の足場台の隣接配置を安定化することが困難になっている。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした足場台を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、連結板に枢支軸からの距離が等しい位置に縦係合部及び横係合部を設けて、縦係合部と横係合部の一方を天場板上に残したまま他方を突出させて隣接配置の天場板の連結係止部に係合させることにより、連結板の回動を阻止した状態で隣接の天場板に連結できるようにした足場台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における課題解決のための具体的手段は、天場板3と、この天場板3の下面に上部が折り畳み可能に連結された一対の支柱枠4とを備えた足場台であって、前記天場板3の縦辺又は横辺が、隣接配置される天場板3の縦辺又は横辺と密接する形状に形成され、かつ1組の第1対角部位S1及びこれと対角方向が交差する1組の第2対角部位S2が形成されており、前記天場板3の第1対角部位S1には密接する天場板3の第2対角部位S2と連結する連結具25が設けられており、前記連結具25は、前記第1対角部位S1に設けられた枢支軸26と、この枢支軸26に水平回動可能に枢支されている連結板27と、この連結板27に枢支軸26からの距離が等しい位置に設けられた縦係合部28及び横係合部29とを有しており、前記連結板27は、縦係合部28及び横係合部29の両方が第1対角部位S1に重合する退避位置R1から、縦係合部28又は横係合部29の一方を第1対角部位S1の外方へ突出させる連結位置R2まで位置変更可能に形成されており、2枚の天場板3を縦方向又は横方向に隣接配置したときに第1対角部位S1に隣接することになる第2対角部位S2には、連結板27が連結位置R2に位置するときに第1対角部位S1から外方へ突出した縦係合部28又は横係合部29が係合する連結係止部33が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連結板の回動を阻止した状態で隣接の天場板に連結できる。
【0010】
即ち、本発明は、連結具25の連結板27は、縦係合部28と横係合部29の一方を天場板3上に残したまま他方を突出させて隣接配置の天場板3の連結係止部33に係合させることにより、連結板27の回動を阻止した状態で隣接の天場板3に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
図2】同正面図である。
図3】同平面図である。
図4】同側面図である。
図5】要部の拡大側面図である。
図6】折り畳み姿勢の底面斜視図である。
図7】回動規制具の係合時の正面図である。
図8】回動規制具の離脱時の断面正面図である。
図9】足場台の要部の正面図である。
図10】回動規制具の係合前の正面図である。
図11】連結具の拡大平面図である。
図12図11のX-X線断面図である。
図13】一対の連結板の斜視図である。
図14】足場台縦方向隣接配置の要部の平面図である。
図15】足場台縦方向隣接配置の斜視図である。
図16】足場台横方向隣接配置の要部の平面図である。
図17】足場台横方向隣接配置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1、2、4、5において、立ち姿勢Qの1台の足場台1を示し、図3,6において折り畳み姿勢Pの足場台1を示している。
【0014】
足場台1は大別して、天場板3と、この天場板3の下面に上部が折り畳み可能に連結された一対の支柱枠4と、天場板3の下面と各支柱枠4の上下方向中途部との間に連結解除可能に架設された回動規制具5と、天場板3の表面の1組の第1対角部位S1に配置された連結具25とを備えている。
【0015】
天場板3は、アルミ製の長い型板材3aを複数枚並列し、その外周を型板材3aの長手方向に沿う縦枠材3b及び直交する方向の横枠材3cで覆い、縦枠材3b及び横枠材3cが交差するコーナをコーナ部材3dで連結して組み立てており、平面視で矩形状(長方形)になっている。前記横枠材3cには多数の水抜き穴3caが形成されている。
【0016】
天場板3は長方形であるので、一対の縦枠材3bは天場板3の縦長辺を形成し、一対の横枠材3cは天場板3の横短辺を形成し、上面(表面)に1組の第1対角部位S1と、これと対角方向が交差する1組の第2対角部位S2とを形成している。
【0017】
天場板3の4つの対角部位S(S1、S2)の下面には支柱ブラケット14が下方突出状に固着され、各横枠材3cの両端側に位置する2つの支柱ブラケット14によってひとつの支柱枠4の上部が枢支され、支柱枠4は2つで一対となっている。
【0018】
また、天場板3の中央側の下面には4つの枢支ブラケット17が固着され、この各枢支ブラケット17に回動規制具5の基部が枢支連結されている。
【0019】
前記各支柱枠4は、四角中空材で形成された一対の支持脚4Aと、この一対の支持脚4Aの、上下中途部を連結する断面コ字状材の横棒4Bと、上部を連結する断面コ字状材の上連結杆18と、下部を連結する断面コ字状材の下連結杆19と、キャスタ車輪16付きの伸縮枠体20と、上連結杆18に配置された回動ロック具21と、下連結杆19に配置された伸縮ロック具22とを備えている。
【0020】
前記支持脚4Aの上部は支柱ブラケット14に横軸15を介して連結されていて、支柱ブラケット14から下方に延びる立ち姿勢Qから天場板3の下面に沿う折り畳み姿勢Pまで折り畳み回動自在になっている。支柱ブラケット14には支持脚4Aを立ち姿勢Qに設定するためのストッパ14aが設けられている。
【0021】
一方の支柱枠4と他方の支柱枠4とは前記横軸15の高さが支持脚4Aの幅寸法だけ上下にズレており、折り畳み姿勢Pで一方の支柱枠4の上に他方の支柱枠4が平行に重なるようになっている。
【0022】
前記回動ロック具21は、上連結杆18の内部に収納されていて、その先端が上連結杆18の両端から出退する一対のロック棒21aと、このロック棒21aを突出方向に付勢するスプリング21bとを有している。各ロック棒21aは突出する先端が支柱ブラケット14と支持脚4Aとに貫通可能になっており、その基部は折り曲げられて指掛け部21cとなっている。
【0023】
回動ロック具21は、ロック棒21aの先端を支柱ブラケット14と立ち姿勢Qの支持脚4Aとに貫通することにより、支柱枠4の立ち姿勢Qを保持し、指掛け部21cを介してロック棒21aの先端を支柱ブラケット14から引き抜くことにより、支柱枠4を立ち姿勢Qから折り畳み姿勢Pへ姿勢変更するための回動を許容する。
【0024】
前記伸縮枠体20は、図4に示すように、下面側にキャスタ車輪16を取り付けた基材37の両端に挿入材38を立設しており、この一対の挿入材38が支持脚4Aの下部に伸縮可能に挿入されており、この挿入材38の伸縮量(支持脚4Aから下方への突出量)を調整することにより、キャスタ車輪16から天場板3までの高さを調整できる。
【0025】
下連結杆19に配置された伸縮ロック具22は、回動ロック具21と同様な構成であって、下連結杆19の内部に収納されていて、その先端が下連結杆19の両端から出退する一対のロック棒22aと、このロック棒22aを突出方向に付勢するスプリング22bとを有している。各ロック棒22aは突出する先端が支持脚4Aと伸縮枠体20の挿入材38に貫通可能になっており、その基部は折り曲げて指掛け部22cにしている。
【0026】
挿入材38にはロック棒22aが貫通する孔が長手方向に複数形成されており、その孔を選択してロック棒22aを貫通することにより、伸縮枠体20の伸縮量を変更することができる。図4仮想線で示す伸縮枠体20は、支持脚4Aから下方へ突出した状態であり、天場板3を高位置に変更する。
【0027】
各支柱枠4の上下中途部の横棒4Bには、一対のフック係合部6が設けられている。この各フック係合部6は、短い丸パイプの両端に板材を固着し、この板材を横棒4Bに固着して構成されている。
【0028】
一方の支柱枠4の一対のフック係合部6と他方の支柱枠4の一対のフック係合部6とは横棒4Bの長手方向に位置がずらされており、各フック係合部6に対応して天場板3の下面の4つの枢支ブラケット17も配置されている。
【0029】
これにより、両支柱枠4を折り畳み姿勢Pにして、4本の回動規制具5が天場板3の下面に沿う姿勢にしたとき、図3に示すように、対向する回動規制具5は互いに干渉することなく、横並びに収納配置されるようになる。
【0030】
図1~10において、前記回動規制具5は、天場板3の下面に基部が枢支された連携材8と、この連携材8の先端に前記フック係合部6と係合するフック部材9と、このフック部材9がフック係合部6に係合した状態からの抜けを規制するロック部材10と、連携材8に長手方向摺動可能に嵌合してロック部材10を覆う位置から露出する位置まで位置変更可能な保護部材11とを有している。
【0031】
連携材8はパイプ材(四角パイプ材)で形成され、基部が天場板3の下面の枢支ブラケット17に回動自在に枢支され、先端にフック部材9の取付部9aが挿入固定されている。
【0032】
フック部材9は、連携材8の先端に挿入固定された取付部9aから円弧状のフック部9bが突出しており、フック部9bがフック係合部6の短い丸パイプに係合する。前記取付部9aにロック部材10が出退可能に挿入されている。
【0033】
前記ロック部材10は側面視略円弧形状であり、取付部9aに形成された円弧孔9cに挿入され、付勢部材9dによって突出方向に付勢されている。このロック部材10は円弧孔9cから突出している部分がフック部9bの凹みの前側に突出して、フック部9bの凹みに係合したフック係合部6の短い丸パイプがその凹みから抜け出るのを阻止(ロック)する。ロック部材10のロック解除は、ロック部材10を付勢部材9dに抗して円弧孔9c内に押し込むことによって行われる。
【0034】
なお、前記ロック部材10は側面視直線形状に形成し、取付部9aの孔9cも直線形状に形成してもよい。
【0035】
前記保護部材11には、四角パイプ材で形成された連携材8の3面に摺動可能に嵌合する断面コ字形状の嵌合部11aと、この嵌合部11aから突出していてロック部材10及びフック部9bを覆う覆い部11bとが形成されている。
【0036】
この保護部材11の覆い部11bは、ロック部材10、フック部9bとフック係合部6との係合部等を覆うことにより、それらへ泥土、塵埃等が浸入するのを防止するものである。
【0037】
また、覆い部11bはロック部材10、フック部9bとフック係合部6との係合部等を覆うので、何らかの原因、例えばフック係合部6からの圧力によりロック部材10が押し動かされたとき、フック係合部6がフック部9bから離脱するのを阻止することができ、フック係合部6とフック部9bとの係合をロックするのに補助的役割もする。
【0038】
断面コ字形状の嵌合部11aは中央部が連携材8の外面に載置され、左右側部が連携材8の左右側面に沿っており、この左右側部に長孔11cが形成され、連携材8の左右側面に設けた2本のガイドピン51に長孔11cが嵌合されている。
【0039】
連携材8の左右側面に設けた2本のガイドピン51は連携材8の長手方向と平行に配置されており、保護部材11は長孔11cの範囲内で連携材8の長手方向に摺動可能であり、2本のガイドピン51によって、保護部材11が連携材8から離脱するのが規制されている。
【0040】
保護部材11の摺動は人手で行うこともできるが、自重でも行うことができ、図1~5に示す支柱枠4が立ち姿勢Qのとき、保護部材11は自重で下降していて、平板形状の覆い部11bがロック部材10及びフック部9bを覆う位置となっている。
【0041】
覆い部11bがロック部材10及びフック部9bを覆う位置からの退避は、人手で保護部材11を持って引き上げるようにして行われ、覆い部11bを退避すれば、ロック部材10を円弧孔9cに押し込んで、フック係合部6からロック部材10を離脱することが可能になる。
【0042】
前記動作は支柱枠4が立ち姿勢Qの場合であり、支柱枠4を折り畳み姿勢Pへ姿勢変更するときは、足場台1を運送、保管するので、足場台1を上下反転して支柱枠4の姿勢変更が行われることが多い。
【0043】
図6、10は足場台1を上下反転しており、支柱枠4と回動規制具5とを上下反転すると、保護部材11は自重で下降していて、覆い部11bがロック部材10及びフック部9bを覆う位置からずれ下がり、ロック部材10を露出する位置まで位置変更され、ロック部材10を押込み操作容易な状態になり、その状態からロック部材10を押込み、フック部材9をフック係合部6から離脱させることができる。
【0044】
フック部材9をフック係合部6から離脱させると、回動規制具5を回動して天場板3の下面に沿わせ、また、支柱枠4も横軸15回りに回動して天場板3の下面に沿うな折り畳み姿勢Pへ姿勢変更される。
【0045】
なお、足場台1は上下反転して支柱枠4を折り畳んだ状態のまま野外で保管されると、雨が天場板3の裏面に降ることがあるが、横枠材3cに形成した多数の水抜き穴3caで水抜きがおこなわれ、雨水の溜まりを防止する。
【0046】
足場台1を図6の折り畳み姿勢Pの状態から立ち姿勢Qに変更する場合、天場板3を上下反転したまま、支柱枠4を横軸15回りに回動して支持脚4Aをストッパ14aに当接させ、回動規制具5を天場板3の下面から立ち上がるように回動し、保護部材11が自重で下降したまま、フック部材9をフック係合部6に係合し、ロック部材10でその係合をロックする。この状態で足場台1を吊り上げて上下反転すると、支柱枠4が立ち姿勢Qの
足場台1となり、保護部材11は自重で下降して覆い部11bがロック部材10及びフック部9bを覆う位置となる。
【0047】
前記足場台1は立ち姿勢Qの状態で複数台を隣接配置できる。その並べ方としては、横枠材3c同士を面接して長方形の天場板3を長手方向に沿って隣接する縦隣接(図14、15に示す。)と、縦枠材3b同士を面接して長方形の天場板3を長手方向と直交する方向に隣接する横隣接(図16、17に示す。)とがあり、これらの隣接配置時に天場板3同士を連結するのに連結具25が使用される。
【0048】
図1、3において、前記天場板3は縦辺が横辺より長い長方形であり、各横辺の近傍に支柱枠4が配置されており、天場板3の縦辺又は横辺が、隣接配置される天場板3の縦辺又は横辺と密接する形状に形成されているので、天場板3の表面には、1組の第1対角部位S1と、これと対角方向が交差する1組の第2対角部位S2が形成されており、2枚の天場板3を隣接配置すると、一方の天場板3の第1対角部位S1には密接する他方の天場板3の第2対角部位S2が隣接することになる。
【0049】
図1、3、11、14、16において、前記連結具25は、一方の天場板3の第1対角部位S1に設けられた枢支軸26と、この枢支軸26に水平回動可能に枢支されている連結板27と、この連結板27に枢支軸26から距離が等しい位置に設けられた縦係合部28及び横係合部29とを有している。枢支軸26に対して縦係合部28と横係合部29とは、正三角形又は二等辺三角形の配置となる。
【0050】
前記連結板27は、縦係合部28及び横係合部29の両方が第1対角部位S1に重合する退避位置R1から、縦係合部28又は横係合部29の一方を第1対角部位S1の外方へ突出させる連結位置R2まで位置変更可能に形成されている。
【0051】
前記連結板27は平面視略三角形に形成され、第1頂部に枢支軸26に嵌合する嵌合孔27aが形成され、第2頂部の下面に縦係合部28を形成するピンが下方突出され、第3頂部の下面に横係合部29を形成するピンが下方突出されている。また、前記第2頂部と第3頂部との間には、天場板3の表面との間に人指を挿入するための指掛け部27bが形成されている。
【0052】
前記第1対角部位S1には、前記連結板27が退避位置R1に位置するときに縦係合部28及び横係合部29が係合する第1係止部34及び第2係止部35が形成されている。また、他方の天場板3の第2対角部位S2に連結係止部33が形成されている。
【0053】
前記枢支軸26は、天場板3に上下移動可能に支持されていて、連結板27を天場板3の表面に近接(密着)させるべく枢支軸26を下向きに付勢する付勢部材40が設けられており、連結板27の縦係合部28と横係合部29とを第1係止部34及び第2係止部35に係脱することができる。
【0054】
前記連結係止部33は、2枚の天場板3を縦方向(又は横方向)に隣接配置したときに第1対角部位S1に隣接することになる第2対角部位S2に形成されており、連結板27が連結位置R2に位置するときに第1対角部位S1から外方へ突出した縦係合部28(又は横係合部29)が係合可能な位置となっている。
【0055】
前記第1係止部34及び第2係止部35は、連結板27を退避位置R1に保持する目的では、縦係合部28及び横係合部29の外方への移動を阻止できる貫通孔であり、連結板27を連結位置R2に保持する目的では、縦係合部28又は横係合部29が外方への移動するのを阻止でき壁のようなものでもよい。
【0056】
連結係止部33は貫通孔であり、連結板27が連結位置R2にあるときに縦係合部28(又は横係合部29)が係合する。前記連結係止部33は縦係合部28(又は横係合部29)と相対移動を余りしない貫通孔であることが好ましい。
【0057】
図11実線は、第1対角部位S1にある連結板27を退避位置R1に保持した状態を示しており、この状態から指掛け部27bに指を掛けて付勢部材40に抗して連結板27を引き上げ、第1係止部34及び第2係止部35から縦係合部28及び横係合部29を上方離脱させかつ枢支軸26回りに一方向に回動させる。
【0058】
足場台1が縦方向に隣接配置されている場合は、図11、14、15に示すように、連結板27を時計回り90度回動して、連結板27を連結位置R2まで回動し、縦係合部28を第2係止部35に対応させ、横係合部29を連結係止部33に対応させ、そして係合させる。
【0059】
これにより、三角形状の連結板27は、枢支軸26と縦係合部28とによって天場板3上に確実に保持され、横係合部29と連結係止部33とによって縦方向隣接配置の足場台1と遊びの少ない状態で連結される。
【0060】
また、足場台1が横方向に隣接配置されている場合は、図11、16、17に示すように、連結板27を反時計方向90度回動して、連結板27を連結位置R2まで回動し、横係合部29を第1係止部34に対応させ、縦係合部28を連結係止部33に対応させ、そして係合させる。
【0061】
これにより、三角形状の連結板27は、枢支軸26と横係合部29とのよって天場板3上に確実に保持され、縦係合部28と連結係止部33とによって横方向隣接配置の足場台1と遊びの少ない状態で連結される。
【0062】
前記足場台1の隣接配置連結は、隣接する一方の天場板3上の1組の連結具25と、他方の天場板3上の1組の連結具25との合計2組で行われるので、2台の足場台1の相対的なズレ動きが少ない強固な連結状態になる。
【0063】
前述した実施形態においては、天場板3と、この天場板3の下面に上部が折り畳み可能に連結された一対の支柱枠4と、支柱枠4を折り畳み姿勢Pから立ち姿勢Qに変更して立ち姿勢Qに保持するべく天場板3の下面と各支柱枠4の上下方向中途部との間に架設された回動規制具5とを備えた足場台であって、前記天場板3の縦辺又は横辺が、隣接配置される天場板3の縦辺又は横辺と密接する形状に形成され、かつ1組の第1対角部位S1及びこれと対角方向が交差する1組の第2対角部位S2が形成されており、前記天場板3の第1対角部位S1には密接する天場板3の第2対角部位S2と連結する連結具25が設けられており、前記連結具25は、前記第1対角部位S1に設けられた枢支軸26と、この枢支軸26に水平回動可能に枢支されている連結板27と、この連結板27に枢支軸26からの距離が等しい位置に設けられた縦係合部28及び横係合部29とを有しており、前記連結板27は、縦係合部28及び横係合部29の両方が第1対角部位S1に重合する退避位置R1から、縦係合部28又は横係合部29の一方を第1対角部位S1の外方へ突出させる連結位置R2まで位置変更可能に形成されており、2枚の天場板3を縦方向又は横方向に隣接配置したときに第1対角部位S1に隣接することになる第2対角部位S2には、連結板27が連結位置R2に位置するときに第1対角部位S1から外方へ突出した縦係合部28又は横係合部29が係合する連結係止部33が形成されている。
【0064】
この構成によって、連結具25の連結板27は、縦係合部28と横係合部29の一方を天場板3上に残したまま他方を突出させて隣接配置の天場板3の連結係止部33に係合させることにより、連結板27を一方の天場板3上に回動阻止した状態で隣接の天場板3に連結できる。
【0065】
また、前記実施形態においては、前記枢支軸26は天場板3に上下移動可能に支持されていて、連結板27を天場板3の表面に近接させる付勢部材40が設けられている。
【0066】
この構成によって、連結板27を天場板3の上面に密着配置しておける。
【0067】
さらに、前記実施形態においては、前記連結板27は平面視略三角形に形成され、第1頂部に枢支軸26に嵌合する嵌合孔41が形成され、第2頂部の下面に縦係合部28を形成するピンが下方突出され、第3頂部の下面に横係合部29を形成するピンが下方突出されており、前記第2頂部と第3頂部との間には、天場板3の表面との間に人指を挿入するための指掛け部27bが形成されている。
【0068】
この構成によって、連結具25を簡単に形成でき、連結板27を位置変更のために持ち上げたり回動したりする操作が容易にできる。
【0069】
さらにまた、前記実施形態においては、前記第1対角部位S1には、前記連結板27が退避位置R1に位置するときに縦係合部28及び横係合部29が係合する第1係止部34及び第2係止部35が形成されている。
【0070】
この構成によって、連結板27を回動阻止状態で安定的に配置しておける。
【0071】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0072】
例えば、連結具25の連結板27は三角形の他の多角形でもよく、枢支軸26から等距離の位置に、縦係合部28及び横係合部29が設けられ、かつ連結係止部33が配置されればよい。
【0073】
連結具25は天場板3の上面から大きく突出しないように、連結板27を天場板3の上面に密着させ、かつ指掛け部27bも低く形成しているが、連結板27の上面又は枢支軸26の上端に人指で摘まみ上げるための摘まみ部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 足場台
3 天場板
4 支柱枠
4A 支持脚
4B 横棒
5 回動規制具
6 フック係合部
8 連携材
9 フック部材
9a 取付部
9b フック部
10 ロック部材
11 保護部材
11a 嵌合部
11b 覆い部
11c 長孔
14 支柱ブラケット
15 横軸
16 キャスタ車輪
17 枢支ブラケット
18 上連結杆
19 下連結杆
20 伸縮枠体
21 回動ロック具
22 伸縮ロック具
23 横軸
25 連結具
26 枢支軸
27 連結板
27a 嵌合孔
27b 指掛け部
28 縦係合部
29 横係合部
33 連結係止部
34 第1係止部
35 第2係止部
40 付勢部材
51 ガイドピン
P 折り畳み姿勢
Q 立ち姿勢
R1 退避位置
R2 連結位置
S1 第1対角部位
S2 第2対角部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17