(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030468
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】3次元仮想空間物品管理システム、3次元仮想空間物品管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133394
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(72)【発明者】
【氏名】青山 綾七
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】物品を一元管理しながら、使用されなくなった物品について物品の状態を確認してもらった上で貸出または提供を行うこと。
【解決手段】3次元仮想空間物品管理システムは、第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録部と、登録された物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、生成された3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当部と、管理場所に割り当てられた物品のうち第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理部と、使用状態が使用停止へと変更された物品の3次元モデルを3次元仮想空間内において表示する表示部と、表示された物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録部と、
前記物品登録部によって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、
前記3次元モデル生成部によって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当部と、
前記割当部によって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理部と、
前記使用管理部によって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示部と、
前記表示部によって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付部と
を備える3次元仮想空間物品管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記3次元仮想空間内において複数の物品それぞれの前記3次元モデルを組み合わせて前記第2ユーザに表示する
請求項1に記載の3次元仮想空間物品管理システム。
【請求項3】
前記物品登録部によって登録された前記物品の状態は定期的に更新され、
前記3次元モデル生成部は、更新された前記物品の状態に基づいて前記3次元モデルを更新する
請求項1に記載の3次元仮想空間物品管理システム。
【請求項4】
前記物品の状態に基づいて前記物品の劣化についての予測を行う劣化予測部をさらに備える
請求項1に記載の3次元仮想空間物品管理システム。
【請求項5】
前記物品の状態と、前記第2ユーザによって指定される前記物品の状態についての条件とを照合する照合部をさらに備え、
前記表示部は、前記照合部による照合結果に基づいて前記物品の前記3次元モデルを表示する
請求項1に記載の3次元仮想空間物品管理システム。
【請求項6】
第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録ステップと、
前記物品登録ステップによって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成ステップと、
前記3次元モデル生成ステップによって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当ステップと、
前記割当ステップによって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理ステップと、
前記使用管理ステップによって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示ステップと、
前記表示ステップによって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付ステップと
を有する3次元仮想空間物品管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録ステップと、
前記物品登録ステップによって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成ステップと、
前記3次元モデル生成ステップによって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当ステップと、
前記割当ステップによって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理ステップと、
前記使用管理ステップによって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示ステップと、
前記表示ステップによって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元仮想空間物品管理システム、3次元仮想空間物品管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人または会社が保有している物品のなかには、倉庫などに保管されたまま長期間使用されていないものがある。物品が倉庫などに長期間保管されたままである場合、当該物品が倉庫に保管されていること自体を忘れてしまうこともある。新品を購入する必要がないにもかかわらず、新品が購入されることも多い。このように、世の中に流通している物品は、全体的に余剰である。
【0003】
一方、長期間使用されていない物品を使用したいという要望がある。近年、インターネットの普及、とりわけスマートフォンなどの携帯端末の普及によって、個人または会社間の取引のサービスを利用する場所や時間の制約が緩和され、ソーシャルメディアを利用することによって個人間のニーズのマッチングが可能となっている。例えば、レンタル品の貸主の端末と、管理者のサーバと、レンタル品の借主の端末とをネットワークを介して接続するレンタルシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、近年、コンピュータまたはコンピュータネットワークの中に構築された3次元仮想空間であるメタバースが知られている。メタバースでは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service:SNS)、及びオンラインショッピングなどのサービスが3次元仮想空間内において提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、インターネットを介したレンタルシステム、及びメタバースなどのサービスが普及しつつある。しかしながら、個人または会社が管理しているさまざまな物品を一元管理し、長期間使用されていない物品を使用したいという個人または会社間のニーズをマッチングする仕組みは十分ではない。物品を一元管理しながら、使用されなくなった物品について物品の状態を確認してもらった上で貸出または提供を行うことができることが求められている。物品が使用されなくなることには、当該物品が一時的に使用されなくなること(使用が休止されること)、または当該物品が恒久的に使用されなくなる(使用が終了する)ことが含まれる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、物品を一元管理しながら、使用されなくなった物品について物品の状態を確認してもらった上で貸出または提供を行うことができる3次元仮想空間物品管理システム、3次元仮想空間物品管理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録部と、前記物品登録部によって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、前記3次元モデル生成部によって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当部と、前記割当部によって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理部と、前記使用管理部によって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示部と、前記表示部によって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付部とを備える3次元仮想空間物品管理システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録ステップと、前記物品登録ステップによって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成ステップと、前記3次元モデル生成ステップによって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当ステップと、前記割当ステップによって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理ステップと、前記使用管理ステップによって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示ステップと、前記表示ステップによって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付ステップとを有する3次元仮想空間物品管理方法である。
【0010】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、第1ユーザが所有している物品を登録する物品登録ステップと、前記物品登録ステップによって登録された前記物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する3次元モデル生成ステップと、前記3次元モデル生成ステップによって生成された前記3次元モデルを3次元仮想空間内の所定の管理場所に割り当てる割当ステップと、前記割当ステップによって前記管理場所に割り当てられた前記物品のうち前記第1ユーザによって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する使用管理ステップと、前記使用管理ステップによって使用状態が使用停止へと変更された前記物品の前記3次元モデルを前記3次元仮想空間内において表示する表示ステップと、前記表示ステップによって表示された前記物品に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザから受け付ける依頼受付ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物品を一元管理しながら、使用されなくなった物品について物品の状態を確認してもらった上で貸出または提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る仮想倉庫内に配置された物品の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る3次元仮想空間内の仮想店舗の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る複数組み合わせて表示されたレンタル用物品の3次元モデルの一例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る情報管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る3次元仮想空間管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る物品登録処理の流れの一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る物品状態更新処理の流れの一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る利用状態変更処理の流れの一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る貸出処理の流れの一例を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る情報管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る物品状態更新処理の流れの一例を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る貸出処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1の構成の一例を示す図である。3次元仮想空間物品管理システム1では、貸主が所有している物品の情報が3次元仮想空間6に生成された仮想倉庫において一元管理される。3次元仮想空間6は、オンラインのネットワーク上に3次元のコンピュータグラフィックス(CG)で構築された仮想空間である。物品の情報が仮想倉庫において一元管理されるとは、物品の情報が当該仮想倉庫に割り当てられて統一的に管理されることをいう。
【0014】
3次元仮想空間物品管理システム1は、一例として、商用のレンタルシステムである。仮想倉庫において物品の情報が管理される物品が貸主によって使用されなくなると、当該物品は、3次元仮想空間6に生成された仮想店舗において貸出(レンタル)のための物品であるレンタル用物品として管理される。物品が使用されなくなることには、当該物品が一時的に使用されなくなること(使用が休止されること)、または当該物品が恒久的に使用されなくなる(使用が終了する)こと、もしくは貸主によって当該物品の貸出が許可されることが含まれる。3次元仮想空間6内において、レンタル用物品が貸主からか借主へと貸し出される。借主は、貸出の際に、レンタル用物品を、3次元仮想空間6内において表示される3次元モデルとして確認する。当該3次元モデルには、レンタル用物品の劣化の状態が反映されている。したがって、借主は、レンタル用物品の劣化の状態を3次元仮想空間6内の3次元モデルとして確認できる。
【0015】
貸主、及び借主はそれぞれ、例えば、個人、または企業などの団体である。以下の説明において、貸主、及び借主はそれぞれ、ユーザともいう。なお、貸主は第1ユーザの一例であり、借主は第2ユーザの一例である。
【0016】
3次元仮想空間物品管理システム1は、情報管理サーバ2と、3次元仮想空間管理サーバ3と、1以上の貸主端末4と、1以上の借主端末5とを備える。情報管理サーバ2は、ユーザ情報、及び物品情報などの登録情報の管理、並びに貸出の管理などを行う。3次元仮想空間管理サーバ3は、3次元仮想空間6を生成し、3次元仮想空間6において物品の3次元モデルを表示する。
【0017】
1以上の貸主端末4はそれぞれ、貸主によって使用される端末装置である。
図1では、一例として1以上の貸主端末4のうち貸主端末41、貸主端末42、及び貸主端末43の3つが示されている。貸主端末41、貸主端末42、及び貸主端末43の機能は互いに同様であるため、以下では1以上の貸主端末4を貸主端末41に代表させて説明する場合がある。貸主端末41には、登録アプリケーション8がインストールされている。登録アプリケーション8は、貸主が物品の登録を行うためのアプリケーションである。登録アプリケーション8は、貸主に利用される前に当該貸主の認証を行う。
【0018】
1以上の借主端末5はそれぞれ、借主によって使用される端末装置である。
図1では、一例として1以上の借主端末5のうち借主端末51、借主端末52、及び借主端末53の3つが示されている。借主端末51、借主端末52、及び借主端末53の機能は互いに同様であるため、以下では1以上の借主端末5を借主端末51に代表させて説明する場合がある。借主端末51には、貸出アプリケーション9がインストールされている。貸出アプリケーション9は、借主がレンタル用物品を貸主から借りるためのアプリケーションである。貸出アプリケーション9は、借主に利用される前に、当該借主の認証を行う。また、貸出アプリケーション9は、貸主に利用される前に当該貸主の認証を行う。
貸出アプリケーション9、及び上述した登録アプリケーション8はそれぞれ、仮想倉庫レンタルサービスアプリケーション7に含まれる。
【0019】
1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5はそれぞれ、例えば、スマートフォンである。なお、1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5はそれぞれ、タブレット端末、またはパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)などであってもよい。
【0020】
貸主は、貸主の情報を示すユーザ情報を登録アプリケーション8から登録する。情報管理サーバ2は、ユーザ情報が登録されると、登録された貸主のための仮想倉庫を3次元仮想空間6内に生成する。ここで情報管理サーバ2は、3次元仮想空間管理サーバ3に仮想倉庫を生成させる。
【0021】
情報管理サーバ2は、新たにユーザ情報が登録される度に、3次元仮想空間管理サーバ3を介して仮想倉庫を3次元仮想空間6内に生成する。その結果、3次元仮想空間6には、1以上の仮想倉庫10が生成される。情報管理サーバ2は、1人の貸主に対して1つ仮想倉庫を生成する。
図1に示す一例では、1以上の仮想倉庫10のうち3人の貸主に対してそれぞれ生成された仮想倉庫101、仮想倉庫102、及び仮想倉庫103の3つの仮想倉庫が示されている。なお、情報管理サーバ2は、1人の貸主に対して複数の仮想倉庫を生成してもよい。
【0022】
なお、3次元仮想空間6に既に生成されている建物、または店舗などの場所が仮想倉庫として利用されてもよい。その場合、情報管理サーバ2は、仮想倉庫として3次元仮想空間6に既に生成されている場所が指定されることによって仮想倉庫を生成する。
【0023】
貸主は、貸主が所有する物品を定期的に登録アプリケーション8から登録する。貸主が所有する物品は、貸主が購入した物品、または譲り受けた物品である。貸主は、物品を新たに購入、または譲り受けると、当該物品を登録アプリケーション8から登録する。新たに購入、または譲り受けた物品でなくとも、以前から所有している物品が登録されてもよい。以前から所有している物品には、例えば、収納、物置、または倉庫などに保管されている物品が含まれる。
【0024】
貸主は、物品を登録アプリケーション8から登録する際、当該物品の外観を貸主端末41に備えられるカメラによって撮影する。撮影された物品の外観の画像は、物品の状態を示す情報として情報管理サーバ2に送信される。物品の外観の画像は、動画、または静止画のうち1以上である。
【0025】
また、物品を登録アプリケーション8から登録する際、3次元モデル生成データが情報管理サーバ2に送信される。3次元モデル生成データは、例えば、物品の形状の3次元情報である。貸主端末41には、TOF(Time-of-Flight)センサが備えられている。貸主が物品の外観を撮影する際、貸主端末41に備えられるTOFセンサによって当該物品の形状の3次元情報が3次元モデル生成データとして取得される。貸主端末41にTOFセンサが備えられていない場合、貸主端末41に備えられるカメラによる撮影とともに、貸主端末41とは別体のTOFセンサによって3次元情報が3次元モデル生成データとして取得されることが好ましい。
【0026】
なお、貸主端末41にTOFセンサが備えられていない場合など、TOFセンサによる物品の形状の3次元情報が得られない場合には、物品が複数の方向から撮像された2次元の画像から物品の形状の3次元情報が推定された結果が、3次元モデル生成データとされてもよい。3次元モデル生成データは、例えば、物品が複数の方向から撮像された2次元の画像である。2次元の画像は、動画、または静止画のうち1以上である。
【0027】
なお、物品の状態を示すテキスト(コメント)、及びスコア(5段階のスコアなど)などの補足情報が、3次元モデル生成データとともに貸主によって登録アプリケーション8から登録されてもよい。補足情報は、例えば、外観からはわからない物品を使用した場合の使用感によって示される。使用感は、例えば、アウトドア用品である折り畳み式チェアについて、折り畳みの動作が購入時に比べて滑らかでないなどとして示される。
【0028】
情報管理サーバ2は、物品が登録されると、当該物品の3次元モデル生成データに基づいて当該物品の3次元モデルを生成する。物品の3次元モデルとは、当該物品の形状、並びに色及び柄などの表面の情報を3次元画像として示す情報である。3次元モデルは、例えば、ポリゴンによって構成される。また、物品の3次元モデルには、当該物品の状態が反映されている。物品の状態には、例えば、傷、欠損、及び破損など、並びに汚れ、染み、及び色褪せなどの劣化の状態が含まれる。傷、欠損、破損などは、3次元モデルの形状に反映される。汚れ、染み、及び色褪せなどは、3次元モデルのマテリアル(色、及びテクスチャ)に反映される。
【0029】
情報管理サーバ2は、物品が登録されると、3次元仮想空間管理サーバ3に、当該物品の3次元モデルを仮想倉庫内に配置させる。情報管理サーバ2は、所定の分類(カテゴリ)に基づいて物品の3次元モデルを仮想倉庫に配置してもよい。所定の分類とは、例えば、物品の種類、及び物品の販売された年代などのうち1以上である。分類は、情報管理サーバ2によって自動で行われる。なお、分類は、ユーザによって指定されてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態に係る仮想倉庫内に配置された物品の一例を示す図である。
図2では、仮想倉庫P1内に、物品P11、物品P12、物品P13、及び物品P14が配置されている。物品P11は衣類である。物品P12、及び物品P13はアウトドア用品である。物品P14は、オフィス用品である。仮想倉庫P1では、物品の種類に基づいて物品が分類されており、物品の種類に応じて区分けされて配置されている。物品P11は、衣類のエリアに区分けされて配置されている。物品P12、及び物品P13はアウトドア用品のエリアに区分けされて配置されている。物品P14は、オフィス用品のエリアに区分けされて配置されている。
【0031】
図1に戻って3次元仮想空間物品管理システム1の説明を続ける。
貸主は、既に登録済みの物品について、定期的に当該物品の状態を登録アプリケーション8から更新する。貸主は、登録済みの物品の状態を更新する際においても、登録時と同様に、当該物品の外観を貸主端末41に備えられるカメラによって撮影する。例えば、貸主は、物品を使用する度に、当該物品を使用し終えた際に、当該物品の最新の状態を登録アプリケーション8から登録する。別の一例では、所定の日にちまたは曜日に、貸主は、物品の最新の状態を登録アプリケーション8から登録してもよい。別の一例では、所定の日にちまたは曜日に、登録アプリケーション8から物品の状態を更新するための報知が貸主に行われて、貸主は、物品の最新の状態を登録アプリケーション8から登録してもよい。
【0032】
なお、初回の登録時には、情報管理サーバ2または登録アプリケーション8は、物品のメーカから3次元のCADデータを取得してもよい。その場合、CADデータは、3次元モデル生成データに含められる。情報管理サーバ2は、情報管理サーバ2または登録アプリケーション8によって取得されたCADデータを含む3次元モデル生成データと、貸主端末41に備えられるカメラによって撮像された画像とに基づいて物品の3次元モデルを生成する。
【0033】
なお、物品の状態が更新される際には、当該物品の2次元画像が撮影されてもよい。その場合、情報管理サーバ2は、最新の2次元画像が示す物品の状態に基づいて3次元モデルを更新する。
【0034】
貸主は、登録した物品のうち使用しなくなった物品に対して、貸出アプリケーション9から使用しなくなったことを示す情報を入力する。上述したように、物品が使用されなくなることには、当該物品が一時的に使用されなくなること(使用が休止されること)、または当該物品が恒久的に使用されなくなる(使用が終了する)こと、もしくは貸主によって当該物品の貸出が許可されることが含まれる。情報管理サーバ2は、登録されている物品のうち、使用しなくなったことを示す情報が入力された物品に使用停止フラグを付与する。使用停止フラグは、使用されなくなったことを示すフラグである。
【0035】
情報管理サーバ2は、使用停止フラグが付与された物品を、レンタル用物品として管理する。情報管理サーバ2は、レンタル用物品を3次元仮想空間6内の所定の仮想店舗に紐づけて管理する。なお、使用停止フラグが付与された物品は、仮想倉庫101から削除される。使用停止フラグが付与された物品(つまり、レンタル用物品)は、仮想倉庫101内に表示されたまま使用停止フラグが付与されたことを示す所定の態様で表示されてもよい。所定の態様とは、例えば、仮想倉庫101内において使用停止フラグが付与された物品の付近に使用停止フラグを示すマークを表示する態様、使用停止フラグが付与された物品の3次元モデルの画像を半透明にするなど色を薄くする態様、またはそれらの態様の組合せである。
【0036】
情報管理サーバ2は、レンタル用物品が借主によって検索されると、3次元仮想空間管理サーバ3を介して、3次元仮想空間6内において、当該レンタル用物品が紐づけられた仮想店舗内に当該レンタル用物品を表示する。ここでレンタル用物品が検索されるとは、例えば、3次元仮想空間6内において、当該レンタル用物品が紐づけられた仮想店舗が借主によって訪れられることである。つまり、レンタル用物品が検索されるとは、3次元仮想空間6内のレンタル用物品が割り当てられた場所が検索されることである。レンタル用物品が検索されることの、別の一例は、貸出アプリケーション9から当該レンタル用物品がデータとして検索されることである。
【0037】
借主は、所望のレンタル用物品を検索すると、仮想店舗において、当該レンタル用物品の3次元モデルを確認できる。借主は、3次元モデルを確認することによって、レンタル用物品を借りる前に、当該レンタル用物品の状態を詳細に確認できる。借主は、3次元モデルを回転、または拡大することによって、レンタル用物品の形状、及び状態を様々な方向から確認でき、また様々な視点から詳細に確認することもできる。
【0038】
図3は、3次元仮想空間内の仮想店舗の一例を示す図である。
図3に示す画像P2では、3次元仮想空間6内に設けられた仮想店舗V1、仮想店舗V2、仮想店舗V3、及び仮想店舗V4が表示されている。借主アバターAV1は、借主のアバターである。
【0039】
レンタル用物品は、一例として、種類に応じて各仮想店舗に割り当てられている。例えば、仮想店舗V1には、レンタル用物品として旅行用品が割り当てられている。3次元モデルV11、3次元モデルV12、及び3次元モデルV13はそれぞれ、キャリーバックなどの旅行用品の3次元モデルである。仮想店舗V2には、レンタル用物品としてアウトドア用品が割り当てられている。3次元モデルV21、3次元モデルV22、及び3次元モデルV23はそれぞれ、キャンプ用品などのアウトドア用品の3次元モデルである。仮想店舗V3には、レンタル用物品として衣服(アパレル)が割り当てられている。3次元モデルV31、3次元モデルV32、及び3次元モデルV33はそれぞれ、ジャケットなどの衣服の3次元モデルである。仮想店舗V4には、レンタル用物品としてオフィス用品が割り当てられている。3次元モデルV41、3次元モデルV42、及び3次元モデルV43はそれぞれ、デスクなどのオフィス用品の3次元モデルである。
【0040】
仮想店舗に割り当てられているレンタル用物品の3次元モデルは当該仮想店舗内に陳列される。借主アバターAV1が仮想店舗内に入ると、レンタル用物品の3次元モデルが表示される。借主は、借りることを検討しているレンタル用物品の形状及び状態を当該レンタル用物品の3次元モデルを介して確認できる。レンタル用物品の3次元モデルは、様々な方向から確認でき、また拡大するなど様々な視点から詳細に確認することもできる。
【0041】
なお、
図3では、レンタル用物品の3次元モデルが各仮想店舗に対応づけられていることを示しており、3次元モデルは上述したように借主アバターAV1が仮想店舗内に入ると表示される。レンタル用物品の3次元モデルは、仮想店舗内に入らなくても、借主アバターAV1が仮想店舗の前まで近づいた場合に表示されてもよい。その場合、例えば、仮想店舗に割りてられているレンタル用物品の種類を代表する1以上のレンタル用物品の3次元モデルが表示される。借主のレンタルの利用履歴に応じたレンタル用物品が表示されてもよい。
【0042】
なお、レンタル用物品が表示される3次元仮想空間6内の場所は、仮想店舗の態様でなくてもよく、3次元仮想空間6内の所定の場所(屋外の広場など)、または範囲などによって指定されてもよい。
【0043】
なお、3次元仮想空間内においてレンタル用物品の3次元モデルは、複数組み合わせて表示されてもよい。
図4は、複数組み合わせて表示されたレンタル用物品の3次元モデルの一例を示す図である。
図4に示す画像P3では、3次元仮想空間6内において、アウトドア用品の3次元モデルが複数組み合わされて表示されている。借主は、レンタル用物品が複数組み合わされた場合の複数のレンタル用物品の外観、及び配置などを複数組み合わされた3次元モデルによって確認できる。
【0044】
なお、レンタル用物品の3次元モデルには、当該レンタル用物品のサイズが反映されてもよい。3次元モデルにレンタル用物品のサイズが反映される場合、レンタル用物品が複数組み合わされた場合の複数のレンタル用物品の配置を確認するのに好適である。また、3次元モデルにレンタル用物品のサイズが反映されることで、配送時に必要となる配送車(車、またはトラックなど)を適切に手配できる。そのため、3次元仮想空間物品管理システム1は、民間の物流サービスだけでなく個人のモビリティサービスとの連携も可能である。
【0045】
また、複数のレンタル用物品同士が組み立て可能である場合には、借主は、当該複数のレンタル用物品それぞれの3次元モデル同士を3次元仮想空間内において組み立てた状態にして当該3次元モデルを確認してもよい。
【0046】
図1に戻って3次元仮想空間物品管理システム1の説明を続ける。
また、貸主は、使用しなくなったことを示す情報を入力する際、使用しなくなった物品を保管する場所を貸出アプリケーション9から入力する。使用しなくなった物品を保管する場所は、貸主が個人であれば、例えば、住居における保管場所(収納、物置、または倉庫など)である。使用しなくなった物品を保管する場所は、貸主が企業であれば、例えば、敷地内の保管場所(倉庫など)である。
【0047】
借主は、3次元モデルによってレンタル用物品の状態を確認した後、レンタル用物品を借りるか否かを判断する。借主は、レンタル用物品を借りる場合、貸出アプリケーション9からレンタルのため注文を送信する。レンタルのため注文とともに、レンタル期間の情報を貸出アプリケーション9から送信する。レンタル期間は、レンタル開始日及びレンタル終了日、またはレンタル開始日及びレンタル日数などによって指定される。
【0048】
貸主は、貸出アプリケーション9がレンタルのため注文を受け付けると、レンタル用物品の貸出を許可するか否かを決定する。貸主は、レンタル用物品の貸出を許可する場合、貸出アプリケーション9から貸出の許可を示す情報を送信する。
【0049】
情報管理サーバ2は、貸出アプリケーション9が貸出の許可を受け付けると、レンタル用物品を借主に貸し出すための処理である貸出処理を実行する。貸出処理には、例えば、レンタル用物品を借主に配送するための配送依頼を配送業者に送信する処理が含まれる。配送業者は、貸主、または借主のいずれかによって貸出アプリケーション9から指定されてもよい。なお、貸出処理では、配送依頼を配送業者に送信するだけでなく、配送業者のサービスと連携して配送が行われてもよい。また、配送効率を高めるために自動運転による配送が利用されてもよい。
【0050】
なお、3次元仮想空間6には、ユーザ同士がリアルタイムにコミュニケーションを取る機能(チャット機能)が備えられている。例えば、借主は、レンタル用物品を借りるか否かを判断する際に、チャット機能を用いて3次元仮想空間6内において貸主に当該レンタル用物品についての質問をしてもよい。チャットは、3次元仮想空間6内の音声通話によって行われてもよいし、3次元仮想空間6内にメッセージが表示されることによって行われてもよい。
【0051】
なお、レンタル用物品を借りるための利用料金は、レンタル用物品ごとに予め設定された基本料金とレンタル期間に応じた従量課金によって決定される。また、利用料金は、レンタル用物品の状態に応じて変更されてもよい。例えば、レンタル用物品の劣化が大きい場合、利用料金は下げられ、レンタル用物品の劣化が小さい場合、利用料金は下げられる。
【0052】
なお、貸出アプリケーション9は、ユーザを評価する機能を備えてもよい。例えば、貸主、及び借主は、レンタルの取引を通じて互いを評価する。
【0053】
なお、貸出アプリケーション9は、ユーザにポイントを付与してもよい。例えば、レンタルの取引が成立した場合に、借主には、借りたことに対するポイントが付与され、貸主には、貸したことに対するポイントが付与される。ポイントに応じて、インセンティブが与えられてもよい。
【0054】
図5は、本実施形態に係る情報管理サーバ2の機能構成の一例を示す図である。情報管理サーバ2は、登録部20と、貸出部21と、第1記憶部22と、第1通信部23とを備える。情報管理サーバ2は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはFPGA(Field-programmable Gate Array)などを備えており、種々の演算や情報の授受を行う。登録部20、及び貸出部21が備える各機能部は、例えばCPU及びGPUのうち1以上がROM(Read Only Memory)からプログラムを読み込んで処理を実行することにより実現される。
【0055】
情報管理サーバ2は、例えば、クラウドサーバである。登録部20、貸出部21、または登録部20、及び貸出部21が備える各機能部は、複数のサーバに分散されて備えられてもよい。なお、情報管理サーバ2は、1台のサーバであってもよいし、仮想サーバであってもよい。
【0056】
登録部20は、貸主が物品を3次元仮想空間6に登録して一元管理するための機能を備える。登録部20は、ユーザ管理部200と、物品登録部201と、3次元モデル生成部202と、割当部203と、使用管理部204とを備える。
【0057】
ユーザ管理部200は、ユーザ情報A1の登録を受け付ける。ユーザ管理部200は、登録されたユーザ情報A1の管理を行う。ユーザ情報A1には、ユーザとして貸主の登録情報が含まれる。ユーザ情報A1には、例えば、貸主の氏名、年齢、性別、及び住所などが、当該貸主を識別する識別子に対応づけられて含まれる。
【0058】
物品登録部201は、貸主が所有している物品を登録する。物品登録部201は、登録された物品の情報を物品情報A2として管理する。物品情報A2には、物品の名称、3次元モデル生成データ、及び物品の状態を示す情報などが、当該物品を識別する識別子に対応づけられて含まれる。
【0059】
3次元モデル生成部202は、物品登録部201によって登録された物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する。
【0060】
割当部203は、3次元モデル生成部202によって生成された3次元モデルを3次元仮想空間6内の所定の管理場所に割り当てる。所定の管理場所とは、仮想倉庫である。
【0061】
使用管理部204は、割当部203によって所定の管理場所(仮想倉庫)に割り当てられた物品のうち貸主によって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する。本実施形態では、使用管理部204は、使用状態を使用停止へと変更した物品に使用停止フラグを付与する。上述したように、使用停止フラグが付与された物品をレンタル用物品という。つまり、レンタル用物品は、使用管理部204によって使用状態が使用停止へと変更された物品である。
【0062】
貸出部21は、貸主と借主との間のレンタル用物品のレンタル取引を行うための機能を備える。貸出部21は、検索部210と、表示部211と、貸出依頼受付部212と、貸出許可受付部213と、貸出実行部214と、貸出管理部215とを備える。
【0063】
検索部210は、借主の所望のレンタル用物品を検索する。検索部210は、貸出アプリケーション9から借主によって入力された検索条件に基づいてレンタル用物品を検索する。なお、上述したように本実施形態において、レンタル用物品を検索するとは、3次元仮想空間6内においてレンタル用物品が割り当てられた仮想店舗を借主が訪れることを含む。
【0064】
表示部211は、使用管理部204によって使用状態が使用停止へと変更された物品(レンタル用物品)の3次元モデルを3次元仮想空間6内において表示する。
【0065】
貸出依頼受付部212は、表示部211によって表示されたレンタル用物品に対する貸出の依頼を借主から受け付ける。
貸出許可受付部213は、貸出依頼受付部212によって貸出依頼が受け付けられたレンタル用物品に対する貸出の許可を貸主から受け付ける。
【0066】
貸出実行部214は、貸出処理を実行する。
貸出管理部215は、貸出の履歴を管理する。貸出管理部215は、貸出が行われると利用履歴情報A3を更新する。利用履歴情報A3は、3次元仮想空間物品管理システム1における貸出の利用の履歴を示す情報である。利用履歴情報A3には、例えば、貸出が行われたレンタル用物品の識別子、貸出が許可された日時、貸出期間、及び借主の情報などが含まれる。
【0067】
第1記憶部22は、各種の情報を記憶する。第1記憶部22が記憶する情報には、ユーザ情報A1、物品情報A2、及び利用履歴情報A3が含まれる。第1記憶部22は、磁気ハードディスク装置、または半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。
【0068】
第1通信部23は、無線ネットワークを介して、各種の情報の送信及び受信を行う。第1通信部23は、無線通信を行うための通信インターフェース(I/F)を含む。第1通信部23が行う通信には、情報管理サーバ2と1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5それぞれとの間の通信、及び情報管理サーバ2と3次元仮想空間管理サーバ3との間の通信が含まれる。
【0069】
なお、登録部20に備えられるユーザ管理部200、貸出部21に備えられる検索部210、貸出実行部214、及び貸出管理部215のうち1以上は、情報管理サーバ2とは別体のサーバに備えられてもよい。情報管理サーバ2とは別体のサーバとは、3次元仮想空間物品管理システム1の外部のサーバを含む。
【0070】
図6は、本実施形態に係る3次元仮想空間管理サーバ3の機能構成の一例を示す図である。3次元仮想空間管理サーバ3は、3次元仮想空間生成部30と、第2記憶部31と、第2通信部32とを備える。3次元仮想空間管理サーバ3は、CPU、GPU、またはFPGAなどを備えており、種々の演算や情報の授受を行う。3次元仮想空間生成部30は、例えばGPUがROMからプログラムを読み込んで処理を実行することにより実現される。
【0071】
3次元仮想空間管理サーバ3は、例えば、クラウドサーバである。3次元仮想空間管理サーバ3が備える機能部は、複数のサーバに分散されて備えられてもよい。なお、3次元仮想空間管理サーバ3は、1台のサーバであってもよいし、仮想サーバであってもよい。
【0072】
3次元仮想空間生成部30は、3次元仮想空間6を生成する。3次元仮想空間生成部30は、3次元仮想空間6を構成する種々のコンテンツをコンテンツ情報B1に基づいて生成する。コンテンツ情報B1は、3次元仮想空間6を構成する背景、建物、及びアバターなどをそれぞれ描画するための情報、並びに3次元仮想空間6において提供される各種サービスに関するコンテンツなどが含まれる。
また、3次元仮想空間生成部30は、3次元モデル情報B2に基づいて、3次元仮想空間6にレンタル用物品の3次元モデルを配置する。
【0073】
第2記憶部31は、各種の情報を記憶する。第2記憶部31が記憶する情報には、コンテンツ情報B1、及び3次元モデル情報B2が含まれる。第2記憶部31は、磁気ハードディスク装置、または半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。
【0074】
第2通信部32は、無線ネットワークを介して、各種の情報の送信及び受信を行う。第2通信部32は、無線通信を行うための通信インターフェース(I/F)を含む。第2通信部32が行う通信には、3次元仮想空間管理サーバ3と1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5それぞれとの間の通信、及び、3次元仮想空間管理サーバ3と情報管理サーバ2との間の通信が含まれる。
【0075】
次に
図7から
図10を参照し、3次元仮想空間物品管理システム1におけるレンタル処理の流れについて説明する。レンタル処理は、物品登録処理、物品状態更新処理、利用状態変更処理、及び貸出処理からなる。物品登録処理、物品状態更新処理、利用状態変更処理、及び貸出処理はそれぞれ、3次元仮想空間物品管理システム1の運用が開始されると並行して繰り返し実行される。
【0076】
なお、1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5にはそれぞれ、仮想倉庫レンタルサービスアプリケーション7がインストールされている。ユーザは、物品の登録は行わず、借主としてのみ3次元仮想空間物品管理システム1を利用する場合には、仮想倉庫レンタルサービスアプリケーション7に含まれる登録アプリケーション8と貸出アプリケーション9とのうち貸出アプリケーション9のみを自身の借主端末にインストールしてもよい。
【0077】
図7は、本実施形態に係る物品登録処理の流れの一例を示す図である。物品登録処理は、情報管理サーバ2に備えられる登録部20によって実行される。
【0078】
ステップS10:物品登録部201は、物品が登録されたか否かを判定する。物品登録部201は、登録アプリケーション8から物品の登録が行われた場合に物品が登録されたと判定する。物品登録部201は、物品が登録されたと判定した場合(ステップS10;YES)、ステップS20の処理を実行する。一方、物品登録部201が、物品が登録されていないと判定した場合(ステップS10;NO)、登録部20は物品登録処理を終了する。
【0079】
ステップS20:物品登録部201は、登録アプリケーション8から登録された物品を登録する。物品登録部201は、当該物品について物品情報A2を生成し、第1記憶部22に記憶させる。その簿、登録部20は、ステップS30の処理を実行する。
【0080】
ステップS30:3次元モデル生成部202は、物品登録部201によって登録された物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する。3次元モデル生成部202は、物品情報A2に含まれる3次元モデル生成データに基づいて3次元モデルを生成する。その後、登録部20は、ステップS40の処理を実行する。
【0081】
ステップS40:割当部203は、3次元モデル生成部202によって生成された3次元モデルを3次元仮想空間6内の仮想倉庫に割り当てる。仮想倉庫に割り当てられた3次元モデルは、登録アプリケーション8から仮想倉庫において確認できる。
以上で、登録部20は、物品登録処理を終了する。
【0082】
上述したように、物品登録部201によって登録された物品の状態は定期的に更新される。
図8は、本実施形態に係る物品状態更新処理の流れの一例を示す図である。物品状態更新処理は、情報管理サーバ2に備えられる登録部20によって実行される。
【0083】
ステップS110:物品登録部201は、登録済みの物品の状態が更新されたか否かを判定する。物品登録部201は、登録アプリケーション8から登録済みの物品の状態が更新された場合に、登録済みの物品の状態が更新されたと判定する。物品登録部201は、登録済みの物品の状態が更新されたと判定した場合(ステップS110;YES)、第1記憶部22に記憶される物品情報A2を、更新された物品の状態を反映させて更新する。その後、登録部20は、ステップS120の処理を実行する。一方、物品登録部201が、登録済みの物品の状態が更新されていないと判定した場合(ステップS110;NO)、登録部20は物品状態更新処理を終了する。
【0084】
ステップS120:3次元モデル生成部202は、3次元モデルを更新する。3次元モデル生成部202は、更新された物品の状態に基づいて3次元モデルを更新する。3次元モデル生成部202は、更新された物品の状態を、物品の最新の状態を示す画像によって取得する。3次元モデル生成部202は、例えば、3次元モデルの形状、及びマテリアルのうち1以上を物品の最新の状態を示す画像に基づいて更新する。更新された3次元モデルは、仮想倉庫において確認できる。
以上で、登録部20は、物品状態更新処理を終了する。
【0085】
図9は、本実施形態に係る利用状態変更処理の流れの一例を示す図である。利用状態変更処理は、情報管理サーバ2に備えられる登録部20によって実行される。
【0086】
ステップS210:使用管理部204は、登録済みの物品が貸主に使用されなくなったか否かを判定する。使用管理部204は、登録アプリケーション8から登録済みの物品が使用されなくなったことを示す通知を受け取ると、当該物品が使用されなくなったと判定する。使用管理部204は、登録済みの物品が使用されなくなったと判定した場合(ステップS210;YES)、ステップS220の処理を実行する。一方、使用管理部204は、登録済みの物品が使用され続けていると判定した場合(ステップS210;NO)、登録部20は、利用状態変更処理を終了する。
【0087】
ステップS220:使用管理部204は、使用されなくなったと判定した物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する。使用管理部204は、使用状態を使用停止へと変更した物品に使用停止フラグを付与する。
以上で、登録部20は、利用状態変更処理を終了する。
【0088】
なお、登録済みの物品が貸主によって廃棄された場合、使用管理部204は、当該物品についての物品情報A2を第1記憶部22から削除する。
【0089】
図10は、本実施形態に係る貸出処理の流れの一例を示す図である。貸出処理は、情報管理サーバ2に備えられる貸出部21によって実行される。
【0090】
ステップS310:検索部210は、レンタル用物品が検索されたか否かを判定する。210は、貸出アプリケーション9からレンタル用物品が検索された場合、または3次元仮想空間6内においてレンタル用物品が割り当てられた仮想店舗を借主が訪れた場合、レンタル用物品が検索されたと判定する。検索部210は、レンタル用物品が検索されたと判定した場合(ステップS310;YES)、貸出部21はステップS320の処理を実行する。一方、検索部210は、レンタル用物品が検索されていないと判定した場合(ステップS310;NO)、貸出部21は貸出処理を終了する。
【0091】
ステップS320:表示部211は、3次元仮想空間6内において当該レンタル用物品の3次元モデルを表示する。表示部211は、仮想店舗内に当該3次元モデルを表示する。ここで上述したように、表示部211は、3次元仮想空間6内において複数の物品それぞれの3次元モデルを組み合わせて借主に表示してもよい。その後、貸出部21は、ステップS330の処理を実行する。
【0092】
ステップS330:貸出依頼受付部212は、レンタル用物品について貸出の依頼があったか否かを判定する。貸出依頼受付部212は、貸出アプリケーション9に借主によってレンタル用物品の貸出の依頼が入力された場合に、貸出の依頼があったと判定する。貸出依頼受付部212は、貸出の依頼があったと判定した場合(ステップS330;YES)、貸出部21は、ステップS340の処理を実行する。一方、貸出依頼受付部212が貸出の依頼がなかったと判定した場合(ステップS330;NO)、貸出部21は貸出処理を終了する。
【0093】
ステップS340:貸出許可受付部213は、貸出の依頼があったレンタル用物品について貸出が許可されたか否かを判定する。貸出許可受付部213は、貸出アプリケーション9に貸主によって当該レンタル用物品の貸出の許可が受け付けられた場合に、貸出が許可されたと判定する。一方、貸出許可受付部213は、貸出アプリケーション9に貸主によって当該レンタル用物品の貸出の不許可が受け付けられた場合に、貸出が許可されなかったと判定する。貸出許可受付部213は、貸出が許可されたと判定した場合(ステップS340;YES)、貸出部21は、ステップS350の処理を実行する。一方、貸出許可受付部213は、貸出が許可されなかったと判定した場合(ステップS340;NO)、貸出部21は貸出処理を終了する。
【0094】
ステップS350:貸出実行部214は、貸出処理を実行する。一方、貸出管理部215は、第1記憶部22に記憶される利用履歴情報A3を取引内容に基づいて更新する。
以上で、貸出部21は貸出処理を終了する。
【0095】
なお、本実施形態では、物品登録部201によって登録された物品の状態は定期的に更新され、3次元モデル生成部202は、更新された物品の状態に基づいて3次元モデルを更新する場合の一例について説明したが、これに限られない。物品の状態は定期的に更新されなくてもよい。その場合、物品が一度登録されると当該物品の状態は以降更新されないため、3次元モデルには、物品が登録された時点における当該物品の状態が反映される。なお、物品の最新の状態を確認するためには、各実施形態において説明したように、物品の状態は定期的に更新されることが好ましい。なお、物品の状態が定期的に更新されない場合、
図8に示した物品状態更新処理はレンタル処理から省略される。
【0096】
なお、本実施形態では、表示部211は、使用管理部204によって使用状態が使用停止へと変更された物品が借主によって検索されると、3次元仮想空間6内において当該物品の3次元モデルを表示する場合の一例について説明したが、これに限られない。表示部211は、使用管理部204によって使用状態が使用停止へと変更された後の所定の時期にレンタル用物品の3次元モデルを3次元仮想空間6内において表示してもよい。所定の時期とは、使用状態が使用停止へと変更された直後、または使用状態が使用停止へと変更された後所定の日数が経過した時期などである。レンタル用物品の3次元モデルを3次元仮想空間6内において所定の時期に表示される場合には、貸出部21の構成から検索部210は省略されてもよい。
【0097】
なお、本実施形態では、貸出許可受付部213が貸主による貸出許可を受け付けた場合に、貸出が行われる場合の一例について説明したが、これに限られない。貸出依頼受付部212が貸出依頼を受け付けると、レンタル用物品の貸出が行われてもよい。その場合、貸出部21の構成から貸出許可受付部213は省略されてもよい。
【0098】
以上に説明したように、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1は、物品登録部201と、3次元モデル生成部202と、割当部203と、使用管理部204と、表示部211と、依頼受付部(本実施形態において、貸出依頼受付部212)とを備える。
物品登録部201は、第1ユーザ(本実施形態において、貸主)が所有している物品を登録する。
3次元モデル生成部202は、物品登録部201によって登録された物品の3次元モデルであって、当該物品の状態を反映した3次元モデルを生成する。
割当部203は、3次元モデル生成部202によって生成された3次元モデルを3次元仮想空間6内の所定の管理場所(本実施形態において、仮想倉庫)に割り当てる。
使用管理部204は、割当部203によって所定の管理場所(本実施形態において、仮想倉庫)に割り当てられた物品のうち第1ユーザ(本実施形態において、貸主)によって使用されなくなった物品に対して、当該物品の使用状態を使用中から使用停止へと変更する。
表示部211は、使用管理部204によって使用状態が使用停止へと変更された物品(本実施形態において、レンタル用物品)の3次元モデルを3次元仮想空間6内において表示する。
依頼受付部(本実施形態において、貸出依頼受付部212)は、表示部211によって表示された物品(本実施形態において、レンタル用物品)に対する貸出または提供の依頼を第2ユーザ(本実施形態において、借主)から受け付ける。
【0099】
この構成により、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1では、第1ユーザが所有している物品を一元管理し、使用されなくなった物品は貸出のために3次元仮想空間6内における3次元モデルとして第2ユーザに表示できるため、物品を一元管理しながら、使用されなくなった物品について物品の状態を確認してもらった上で貸出または提供を行うことができる。
【0100】
なお、貸出において返却期限が設けられていない場合には、当該貸出は、提供と実質同じである。その場合、第1ユーザは提供者と呼ばれ、第2ユーザは被提供者と呼ばれてもよい。
【0101】
本実施形態では、3次元仮想空間物品管理システム1が商用レンタルのためのシステムとして用いられる場合の一例について説明したが、これに限られない。
物品は、長期間使用されない場合、倉庫などに保管されたまま忘れられてしまう場合がある。3次元仮想空間物品管理システム1では、物品は3次元仮想空間6内に生成された仮想倉庫内に3次元モデルとして登録され一元管理されるため、所有していることを確認できる。この点、3次元仮想空間物品管理システム1は、商用レンタルとしての用途の他に、企業などで大規模コンテナに保管されている物品、または自治体の災害用備蓄倉庫に保管されている物品などを、3次元仮想空間6を利用して一元管理するためにも好適に用いられる。被災者に物品(防災用品、非常食などの備蓄品)の状態を確認してもらった上で、物品を供給できる。
【0102】
また、3次元仮想空間物品管理システム1では、物品は仮想倉庫内に3次元モデルとして登録され一元管理され、かつ必要なときには3次元モデルとしてサイズ、または複数の物品同士の組合せを確認できる。そのため、3次元仮想空間物品管理システム1は、イベント、またはエンターテインメントなどで用いられる物品の管理に好適である。例えば、コンサートの準備をする場合に、ステージで用いられる各種道具、または衣装などの組み合わせを3次元モデルによって3次元仮想空間6内でシミュレーションできるため、サイズなどが合った物品を容易に探すことができる。
【0103】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
上記第1の実施形態では、レンタル用物品が借主によって検索される場合について説明をした。本実施形態では、レンタル用物品が借主によって検索されるだけでなく、レンタル用物品の耐用年数と、借主がレンタル用物品に対して求める条件との照合(マッチング)が行われて当該条件を満たすレンタル用物品が表示される場合について説明をする。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、同一の構成及び動作についてはその説明を省略する場合がある。
【0104】
本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システムを3次元仮想空間物品管理システム1aという。本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1aと第1の実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1(
図1)とを比較すると、3次元仮想空間物品管理システム1aは、情報管理サーバ2の代わりに情報管理サーバ2aを備えるが異なる。ここで、他の構成要素(3次元仮想空間管理サーバ3、1以上の貸主端末4、及び1以上の借主端末5)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。
【0105】
図11は、本実施形態に係る情報管理サーバ2aの機能構成の一例を示す図である。情報管理サーバ2aは、登録部20aと、貸出部21aと、第1記憶部22と、第1通信部23とを備える。
【0106】
登録部20aは、ユーザ管理部200と、物品登録部201と、3次元モデル生成部202と、割当部203と、使用管理部204と、劣化予測部205aとを備える。
【0107】
劣化予測部205aは、物品の状態に基づいて当該物品の劣化についての予測を行う。例えば、劣化予測部205aは、定期的に更新される物品の状態の時系列の情報から当該物品の劣化についての予測を行う。物品の状態の時系列は、換言すれば、当該物体の使用履歴である。例えば、劣化予測部205aは、現在から所定の日にちが経過した時点での物品の状態を予測する。劣化予測部205aは、物品の耐用年数を予測してもよい。
【0108】
劣化予測部205aが予測に用いるアルゴリズムは、例えば、人工知能(Artificial Intelligence:AI)である。その場合、AIにおいて使用される学習済みモデルには、物品の状態の時系列と、物品の劣化の状態との関係が物品の種類毎に予め学習されている。学習済みモデルには、物品の状態の時系列と、物品の劣化の状態との関係がユーザ(貸主)毎に予め学習されていてもよい。
劣化予測部205aは、予測結果を物品情報A2aに含める。物品情報A2aは、物品情報A2(
図5)に比べて、物品の劣化についての予測結果が含まれる点が異なる。
【0109】
なお、劣化予測部205aは、ある時点での物品の状態と、物品の購入日とから当該物品の劣化についての予測を行ってもよい。その場合、物品の状態は定期的に更新されてなくもよい。
また、劣化予測部205aは、ある時点での物品の状態、または物品の劣化についての予測結果のうちいずれか1以上に基づいて、当該物品についての買い替えを貸主にレコメンドしてもよい。その場合、例えば、劣化予測部205aは、貸主端末41に、当該物品についての買い替えを促す通知を行う。
【0110】
貸出部21aは、検索部210と、表示部211aと、貸出依頼受付部212と、貸出許可受付部213と、貸出実行部214と、貸出管理部215と、照合部216aとを備える。
【0111】
照合部216aは、物品の状態と、物品状態指定条件とを照合する。物品状態指定条件は、借主によって指定される条件であって、レンタル用物品の状態についての条件である。物品状態指定条件は、例えば、劣化の状態が所定の程度以下であること、または所定の日数以上使用可能であることなどである。劣化の状態の程度は、例えば、所定数に区分された程度(3段階、または5段階など)によって示される。
【0112】
表示部211aは、照合部216aによる照合結果に基づいてレンタル用物品の3次元モデルを表示する。
【0113】
次に
図12及び
図13を参照し、3次元仮想空間物品管理システム1aにおけるレンタル処理の流れについて説明する。3次元仮想空間物品管理システム1aにおけるレンタル処理は、3次元仮想空間物品管理システム1におけるレンタル処理と、物品状態更新処理、及び貸出処理が異なる点以外は同様である。つまり、物品登録処理、及び利用状態変更処理はそれぞれ、
図7に示す物品登録処理、及び
図9に示す利用状態変更処理と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
図12は、本実施形態に係る物品状態更新処理の流れの一例を示す図である。物品状態更新処理は、情報管理サーバ2aに備えられる登録部20aによって実行される。なお、ステップS410、及びステップS430の各処理は、
図8におけるステップS110、及びステップS120の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0115】
ステップS420:劣化予測部205aは、物品の状態に基づいて当該物品の劣化についての予測を行う。劣化予測部205aは、予測結果に基づいて物品情報A2aを更新する。その後、登録部20aは、ステップS430の処理を実行する。
【0116】
図13は、本実施形態に係る貸出処理の流れの一例を示す図である。貸出処理は、物品状態更新処理は、情報管理サーバ2aに備えられる登録部20aによって実行される。なお、ステップS510、及びステップS530からステップS560の各処理は、
図10におけるステップS310からステップS350の各処理と同様であるため、説明を省略する。
【0117】
ステップS520:照合部216aは、レンタル用物品の状態が物品状態指定条件を満たすか否かを判定する。物品状態指定条件は、貸出アプリケーション9から借主によって指定される。照合部216aは、第1記憶部22に記憶される物品情報A2aに含まれる物品の劣化についての予測結果と、貸出アプリケーション9から指定された物品状態指定条件とを照合することによって判定を行う。照合部216aは、レンタル用物品の状態が物品状態指定条件を満たすと判定した場合(ステップS520;YES)、貸出部21aは、ステップS530の処理を実行する。一方、照合部216aが、レンタル用物品の状態が物品状態指定条件を満たさないと判定した場合(ステップS520;NO)、貸出部21aは、貸出処理を終了する。
【0118】
以上に説明したように、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1aは、劣化予測部205aを備える。劣化予測部205aは、物品の状態に基づいて物品の劣化についての予測を行う。
【0119】
この構成により、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1aでは、借主は物品の劣化の予測結果を確認してから当該物品を借りるか否かを判断できるため、借主は物品について予測される劣化の状態を把握して物品を借りることができる。
【0120】
また、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1aは、照合部216aを備える。照合部216aは、物品の状態と、借主によって指定される物品の状態についての条件(本実施形態において、物品状態指定条件)とを照合する。表示部211aは、照合部216aによる照合結果に基づいて物品の3次元モデルを表示する。
【0121】
この構成により、本実施形態に係る3次元仮想空間物品管理システム1aでは、借主によって指定される物品の状態についての条件を満たす物品をレンタル用物品として借主に提示できるため、物品の状態について借主の要望により近い物品を借主に提示できる。
【0122】
なお、上述した各実施形態において、物品登録部201によって登録された物品は状態によっては使用が困難である場合がある。その場合、貸主に登録された物品の使用が困難であることが報知されてもよい。報知内容は、例えば、リサイクルを促すものである。物品に使用が困難であるか否かの判定には、例えば、劣化予測部205aによる予測結果が用いられてよい。
【0123】
なお、上述した実施形態における情報管理サーバ2、2a、または3次元仮想空間管理サーバ3の一部、例えば、登録部20、20a、貸出部21、21a、及び3次元仮想空間生成部30をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報管理サーバ2、2a、または3次元仮想空間管理サーバ3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における情報管理サーバ2、2a、または3次元仮想空間管理サーバ3の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。情報管理サーバ2、2a、または3次元仮想空間管理サーバ3の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0124】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0125】
1、1a…3次元仮想空間物品管理システム、201…物品登録部、202…3次元モデル生成部、203…割当部、204…使用管理部、211、211a…表示部、212…貸出依頼受付部