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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030518
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】通知システムおよび通知装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A61G12/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133461
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 靖久
(72)【発明者】
【氏名】家木 勉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信宏
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341LL10
(57)【要約】
【課題】ユーザが利便性よく用件を通知することができるとともに、取得者が用件を取得したことをユーザが認識することができる技術を提供する。
【解決手段】通知システム1は、用件を通知する通知装置10と、通知装置によって通知された用件を取得する取得装置30と、通知装置および取得装置と通信可能な管理装置20とを備える。通知装置は、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面101を備えるとともに、複数の面の中から一の面を特定し、管理装置は、通知装置によって特定された一の面に対応する用件を特定する。取得装置は、管理装置によって特定された用件を取得する。通知システムは、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの用件を通知する通知システムであって、
用件を通知する通知装置と、
前記通知装置によって通知された用件を取得する取得装置と、
前記通知装置および前記取得装置と通信可能な管理装置とを備え、
前記通知装置は、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面を備えるとともに、前記複数の面の中から一の面を特定し、
前記管理装置は、前記通知装置によって特定された一の面に対応する用件を特定し、
前記取得装置は、前記管理装置によって特定された用件を取得し、
前記通知システムは、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、通知システム。
【請求項2】
前記通知装置は、前記複数の面の中から予め定められた方向に向けられた一の面を特定する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記通知装置は、
スピーカをさらに備え、
前記スピーカから音を出力させることによって、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項4】
前記通知装置は、
振動装置をさらに備え、
前記振動装置を振動させることによって、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項5】
前記通知装置は、
ライトをさらに備え、
前記ライトを点灯させることによって、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項6】
前記通知装置は、前記複数の面の中から特定した一の面を前記ライトによって点灯させる、請求項5に記載の通知システム。
【請求項7】
前記通知装置は、モバイル通信規格を利用した通信を実行するための通信モジュールをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項8】
前記複数の面には、当該複数の面のそれぞれに対応する点字が付与されている、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項9】
前記通知装置は、前記複数の用件と前記複数の面との対応関係を切り替えるスイッチをさらに備え、
前記管理装置は、前記スイッチの切替態様と前記通知装置によって特定された一の面とに基づき、用件を特定する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項10】
前記複数の用件と前記複数の面との対応関係は、日付および曜日の少なくとも1つに応じて設定され、
前記管理装置は、前記日付および前記曜日の少なくとも1つと前記通知装置によって特定された一の面とに基づき、用件を特定する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項11】
前記ユーザが所有するユーザ装置をさらに備え、
前記ユーザ装置は、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項12】
前記管理装置は、
前記ユーザ装置の宛先情報を記憶し、
前記宛先情報に基づき、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザ装置に通知する、請求項11に記載の通知システム。
【請求項13】
前記通知装置は、前記ユーザ装置の宛先情報を記憶し、
前記管理装置は、
前記通知装置から前記宛先情報を取得し、
前記宛先情報に基づき、前記通知装置によって前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザ装置に通知する、請求項11に記載の通知システム。
【請求項14】
前記ユーザによって操作されるボタン装置および前記ユーザに関する変化を検出するセンサ装置の少なくとも1つをさらに備え、
前記取得装置は、前記管理装置を介して、前記ボタン装置および前記センサ装置の少なくとも1つによって送信された送信情報を取得し、
前記通知システムは、前記ボタン装置および前記センサ装置の少なくとも1つによって前記取得装置に前記送信情報が送信されたことを前記ユーザに報知する、請求項1または請求項2に記載の通知システム。
【請求項15】
ユーザの用件を通知する通知装置であって、
制御装置と、
用件を取得する取得装置と管理装置を介して通信する通信装置と、
複数の用件のそれぞれに対応する複数の面と、
報知装置とを備え、
前記制御装置は、前記複数の面の中から一の面を特定し、
前記通信装置は、前記管理装置を介して、前記複数の面の中から特定した一の面に対応する用件を前記取得装置に送信し、
前記報知装置は、前記取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する、通知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの用件を通知する通知システムおよび通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの用件を通知するシステムが知られている。たとえば、特開2006-75332号公報(特許文献1)には、病院または介護施設において、患者または被介護者が看護師または介護者を呼び出すためのナースコールシステムが開示されている。特許文献1に開示されたナースコールシステムは、複数のサービスのそれぞれに複数のナースコール用スイッチを対応付けるとともに、ユーザによって操作されたナースコール用スイッチを特定することによって、サービスの内容を特定することが可能である。しかしながら、ユーザは、複数のナースコール用スイッチの中から所望のサービスに応じたナースコール用スイッチを見つける必要があり、上述したナースコールシステムはユーザにとって利便性が乏しかった。
【0003】
この点、特開2010-244293号公報(特許文献2)には、正六面体の形状を有する装置の各面に作業項目を付与するとともに、六面のうち、作業者によって上方を向けられた面に付与された項目を特定することによって、現在作業中の項目を特定することが可能なシステムが開示されている。特許文献2に開示されたシステムによれば、ユーザは、通知したい項目が付与された面を上方向に向けることによって、現在作業中の項目を取得者に通知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-75332号公報
【特許文献2】特開2010-244293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されたシステムによれば、ユーザは、利便性よく用件を取得者に通知することができるが、取得者に用件が通知された場合のフィードバックがないため、取得者に用件が通知されたことをユーザが認識することができない。このため、ユーザが不必要に装置を動かしてしまい、ユーザによって通知された用件を取得者が正確に取得することができないおそれがある。
【0006】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザが利便性よく用件を通知することができるとともに、取得者に用件が通知されたことをユーザが認識することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う通知システムは、用件を通知する通知装置と、通知装置によって通知された用件を取得する取得装置と、通知装置および取得装置と通信可能な管理装置とを備える。通知装置は、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面を備えるとともに、複数の面の中から一の面を特定する。管理装置は、通知装置によって特定された一の面に対応する用件を特定する。取得装置は、管理装置によって特定された用件を取得する。通知システムは、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことを前記ユーザに報知する。
【0008】
本開示の他の局面に従う通知装置は、制御装置と、用件を取得する取得装置と管理装置を介して通信する通信装置と、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面と、報知装置とを備える。制御装置は、複数の面の中から一の面を特定する。通信装置は、管理装置を介して、複数の面の中から特定した一の面に対応する用件を取得装置に送信する。報知装置は、取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザは、通知装置によって複数の面の中から一の面を特定することによって、特定した一の面に対応する用件を取得装置に送信することができるため、利便性よく用件を通知することができる。さらに、取得装置に用件が通知されたことがユーザに報知されるため、ユーザは、取得装置に用件が通知されたことを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る通知システムの適用例を説明するための図である。
図2】実施の形態1に係る通知システムの構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係る通知装置の外観を示す図である。
図4】実施の形態1に係る通知装置が記憶する報知態様情報を説明するための図である。
図5】実施の形態1に係る管理装置が記憶する管理情報を説明するための図である。
図6】実施の形態1に係る管理装置が記憶する履歴情報を説明するための図である。
図7】実施の形態1に係る通知システムが実行する処理に関するフローチャートである。
図8】実施の形態2に係る通知システムが実行する処理に関するフローチャートである。
図9】実施の形態3に係る通知システムの適用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
<実施の形態1>
図1図7を参照しながら、実施の形態1に係る通知システム1を説明する。
【0013】
[適用例]
図1は、実施の形態1に係る通知システム1の適用例を説明するための図である。実施の形態1においては、通知システム1が病院または介護施設に設置され、ユーザである患者または被介護者が通知システム1を利用して看護師または介護者に対して用件を通知するナースコールシステムの例を説明する。なお、通知システム1は、ナースコールシステムに限らず、たとえば、家族間、工場の作業者間、会社の社員間、または学校の先生と生徒との間など、ユーザが用件を通知する様々なシチュエーションに対して適用可能である。
【0014】
図1に示すように、通知システム1は、通知装置10と、管理装置20と、取得装置30と、ユーザ装置40とを備える。通知装置10は、ユーザによって所有される。管理装置20は、病院または介護施設などの1つの閉じられた施設内に設置されたサーバ装置であってもよいし、複数の施設からアクセス可能なクラウド型のサーバ装置であってもよい。取得装置30は、看護師または介護者など、ユーザからの用件を取得する取得者によって所有される。ユーザ装置40は、ユーザによって所有されてもよいし、ユーザに関係する人(たとえば、家族または友人などのサポータ)によって所有されてもよい。
【0015】
通知装置10は、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面を備えている。ユーザが複数の面の中から一の面を予め定められた方向に向けると、通知装置10は、予め定められた方向に向けられた一の面を特定する。通知装置10は、ユーザによって予め定められた方向に向けられた一の面を通知するための通知信号を管理装置20に送信する。「予め定められた方向」は、上方向、下方向、横方向、または斜め方向など、様々な方向に適用され得る。実施の形態1に係る通知装置10は、正六面体の形状を有し、6個の面のうち、上方向に向けられた面を特定する。
【0016】
管理装置20は、通知装置10から受信した通知信号に基づき、ユーザによって予め定められた方向に向けられた一の面を特定し、当該一の面に対応する用件を特定する。管理装置20は、一の面に対応する用件を通知するための用件信号を取得装置30に送信する。このとき、管理装置20は、複数の取得者のそれぞれが所有する複数の取得装置30に用件信号を送信してもよいし、複数の取得装置30のうちの少なくとも1つの取得装置30に用件信号を送信してもよい。
【0017】
取得装置30は、管理装置20から受信した用件信号に基づき、ユーザの用件を特定し、特定した用件を取得者に報知する。取得装置30は、ユーザの用件を取得すると、用件を取得したことを示す取得信号を管理装置20に送信する。
【0018】
管理装置20は、取得装置30から取得信号を受信すると、取得装置30によって用件が取得されたことを示す応答信号を通知装置10に送信する。
【0019】
通知装置10は、管理装置20から応答信号を受信すると、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。たとえば、図1(A)に示すように、通知装置10は、音を出力することによって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。あるいは、図1(B)に示すように、通知装置10は、一の面(たとえば、上面)を点灯させることによって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。あるいは、図1(C)に示すように、通知装置10は、振動することによって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0020】
なお、管理装置20は、応答信号をユーザ装置40に送信してもよい。そして、ユーザ装置40は、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知してもよい。
【0021】
このように、ユーザは、通知システム1を利用して、利便性よく用件を取得者に通知することができるとともに、取得者に用件が通知されたことを通知装置10またはユーザ装置40を用いて認識することができる。
【0022】
[通知システムの構成]
図2は、実施の形態1に係る通知システム1の構成を示す図である。図2に示すように、通知システム1は、通知装置10と、管理装置20と、取得装置30と、ユーザ装置40とを備える。
【0023】
通知装置10は、図1に示すように、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面を含む筐体を備える。通知装置10は、筐体の内部において、制御装置11と、記憶部12と、通信装置13と、通信モジュール14と、向きセンサ15と、スピーカ16と、振動装置17と、ライト18とを備える。なお、スピーカ16、振動装置17、およびライト18は、「報知装置」の一例である。通知装置10は、スピーカ16、振動装置17、およびライト18の全てを備えることに限らず、スピーカ16、振動装置17、およびライト18の少なくとも1つを備えていてもよい。
【0024】
制御装置11は、プロセッサなどのコンピュータである。プロセッサは、たとえば、マイクロコントローラ(microcontroller)、CPU(central processing unit)、またはMPU(Micro-processing unit)などで構成される。なお、プロセッサは、プログラムを実行することによって各種の処理を実行する機能を有するが、これらの機能の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェア回路を用いて実装してもよい。「プロセッサ」は、CPUまたはMPUのようにストアードプログラム方式で処理を実行する狭義のプロセッサに限らず、ASICまたはFPGAなどのハードワイヤード回路を含み得る。このため、プロセッサは、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によって予め処理が定義されている、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。なお、制御装置11は、1つのチップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0025】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)および記憶装置を含む。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリであり、プロセッサによって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。なお、RAMは、制御装置11に含まれてもよい。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、プログラムの他、プログラムで使用される各種のデータ(たとえば、各種パラメータなど)を記憶する。
【0026】
通信装置13は、有線通信、LAN(Local Area Network)またはBluetooth(登録商標)などを用いた無線通信によって管理装置20との間で通信な通信インターフェースを含む。たとえば、通信装置13は、無線通信として、WiFi通信またはBluetooth通信を実行可能な通信インターフェースを含む。制御装置11は、通信装置13を用いた有線通信または無線通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0027】
通信モジュール14は、モバイル通信規格を利用した通信を実行するためのSIM(Subscriber Identity Module)カードを含む。これにより、たとえば、制御装置11は、WiFi通信などの通信ができない場合でも、通信モジュール14を用いたモバイル通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0028】
向きセンサ15は、速度センサ、傾斜センサ、またはジャイロセンサなどであり、通知装置10が備える複数の面のうち、予め定められた方向(たとえば、上方向)に向けられた一の面(たとえば、上面)を検出する。
【0029】
スピーカ16は、制御装置11の制御に従って、複数種類の音のうちの少なくとも1つの音を通知装置10の外部に出力する。なお、スピーカ16は、予め定められた少なくとも1つの音を通知装置10の外部に出力してもよい。たとえば、スピーカ16は、音を出力することによって、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する。
【0030】
振動装置17は、制御装置11の制御に従って、複数種類の振動パターンのうちの少なくとも1つの振動パターンで通知装置10を振動させる。なお、振動装置17は、予め定められた少なくとも1つの振動パターンで通知装置10を振動させてもよい。たとえば、振動装置17は、通知装置10を振動させることによって、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する。
【0031】
ライト18は、制御装置11の制御に従って、複数種類の点灯色のうちの少なくとも1つの点灯色で通知装置10を点灯させる。なお、ライト18は、制御装置11の制御に従って、複数種類の点灯パターンのうちの少なくとも1つの点灯パターンで通知装置10を点灯させてもよい。たとえば、ライト18は、通知装置10が備える複数の面のうち、予め定められた方向(たとえば、上方向)に向けられた一の面(たとえば、上面)を点灯させることによって、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する。なお、ライト18は、通知装置10が備える複数の面のうち、いずれかの面を点灯させてもよいし、複数の面の全てを点灯させてもよい。
【0032】
管理装置20は、通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40と通信可能なサーバ装置であり、制御装置21と、記憶部22と、通信装置23とを備える。
【0033】
制御装置21は、プロセッサなどのコンピュータであり、通知装置10の制御装置11と同様の構成を備える。プロセッサは、たとえば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、ASIC、FPGAなどで構成され、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。なお、制御装置21は、1つのチップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0034】
記憶部22は、RAMおよび記憶装置などを含み、通知装置10の記憶部12と同様の構成を備える。
【0035】
通信装置23は、有線通信、LANまたはBluetoothなどの無線通信によって管理装置20との間で通信な通信インターフェースを含み、通知装置10の通信装置23と同様の構成を備える。制御装置21は、通信装置23を用いた有線通信または無線通信によって、通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40の各々との間で信号の送受信を行うことができる。
【0036】
取得装置30は、取得者によって所有され、デスクトップ型のPC(personal computer)、ラップトップ型のPC、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、およびタブレットPCなど、所定の情報処理を実行する情報端末である。取得装置30は、制御装置31と、記憶部32と、通信装置33と、通信モジュール34と、スピーカ36と、ディスプレイ37と、操作部39とを備える。
【0037】
制御装置31は、プロセッサなどのコンピュータであり、通知装置10の制御装置11と同様の構成を備える。プロセッサは、たとえば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、ASIC、FPGAなどで構成され、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。なお、制御装置31は、1つのチップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0038】
記憶部32は、RAMおよび記憶装置などを含み、通知装置10の記憶部12と同様の構成を備える。
【0039】
通信装置33は、有線通信、LANまたはBluetoothなどの無線通信によって管理装置20との間で通信な通信インターフェースを含み、通知装置10の通信装置23と同様の構成を備える。制御装置31は、通信装置33を用いた有線通信または無線通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0040】
通信モジュール34は、モバイル通信規格を利用した通信を実行するためのSIMカードを含む。これにより、たとえば、制御装置31は、WiFi通信などの通信ができない場合でも、通信モジュール34を用いたモバイル通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0041】
スピーカ36は、制御装置31の制御に従って、取得装置30の外部に音を出力する。たとえば、スピーカ36は、通知装置10によって通知された用件に対応する音声を出力する。
【0042】
ディスプレイ37は、制御装置31の制御に従って、所定の画像を表示する。たとえば、ディスプレイ37は、通知装置10によって通知された用件に対応する画像を表示する。
【0043】
操作部39は、マウスまたはキーボードなど、取得者によって操作されることで所定の入力が可能なインターフェースである。
【0044】
ユーザ装置40は、ユーザまたはユーザに関係する人(たとえば、家族または友人などのサポータ)によって所有され、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、およびタブレットPCなど、所定の情報処理を実行する情報端末である。ユーザ装置40は、制御装置41と、記憶部42と、通信装置43と、通信モジュール44と、スピーカ46と、ディスプレイ47と、操作部49とを備える。
【0045】
制御装置41は、プロセッサなどのコンピュータであり、通知装置10の制御装置11と同様の構成を備える。プロセッサは、たとえば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、ASIC、FPGAなどで構成され、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。なお、制御装置41は、1つのチップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0046】
記憶部42は、RAMおよび記憶装置などを含み、通知装置10の記憶部12と同様の構成を備える。
【0047】
通信装置43は、有線通信、LANまたはBluetoothなどの無線通信によって管理装置20との間で通信な通信インターフェースを含み、通知装置10の通信装置23と同様の構成を備える。制御装置41は、通信装置43を用いた有線通信または無線通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0048】
通信モジュール44は、モバイル通信規格を利用した通信を実行するためのSIMカードを含む。制御装置41は、通信モジュール44を用いたモバイル通信によって、管理装置20との間で信号の送受信を行うことができる。
【0049】
スピーカ46は、制御装置41の制御に従って、ユーザ装置40の外部に音を出力する。たとえば、スピーカ46は、音を出力することによって、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する。
【0050】
ディスプレイ47は、制御装置41の制御に従って、所定の画像を表示する。たとえば、ディスプレイ47は、画像を表示することによって、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する。
【0051】
操作部49は、マウスまたはキーボードなど、ユーザによって操作されることで所定の入力が可能なインターフェースである。
【0052】
[通知装置の外観]
図3は、実施の形態1に係る通知装置10の外観を示す図である。図3に示すように、通知装置10は、6個の面101を備え、サイコロ型の正六面体の形状を有する。なお、通知装置10は、6個に限らず、8個または12個など、その他の数の面101を備えていてもよい。通知装置10は、少なくとも複数の面101を備えていればよい。
【0053】
正六面体の通知装置10においては、複数の面101のそれぞれに、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」といった互いに異なる複数の数字102が付与されている。これら複数の数字102は、それぞれユーザによって通知される複数の用件に対応している。たとえば、「2」の数字102は「トイレ」に対応し、取得者である看護師に対してユーザがトイレに行く際のサポートを要求することに対応する。また、「3」の数字102は「風呂」に対応し、取得者である看護師に対してユーザが風呂に行く際のサポートを要求することに対応する。
【0054】
ユーザは、ユーザ装置40を用いて、管理装置20と通信することによって、通知装置10の複数の面101のそれぞれに記載された複数の数字102と、ユーザが所望する複数の用件とを対応付けることができる。たとえば、ユーザは、「2」の数字102に対して「トイレ」を対応付け、かつ、「3」の数字102に対して「風呂」を対応付けるように、複数の用件と複数の面101との対応関係を設定することができる一方で、「2」の数字102に対して「風呂」を対応付け、かつ、「3」の数字102に対して「トイレ」を対応付けるように、複数の用件と複数の面101との対応関係を設定することもできる。
【0055】
通知装置10においては、複数の面101の各々に、複数の数字102のそれぞれに対応する点字103が付与されている。たとえば、「1」の数字102が付与された面101には、「1」の数字102に対応する点字103が付与され、「2」の数字102が付与された面101には、「2」の数字102に対応する点字103が付与されている。これにより、ユーザが視覚障害者である場合でも、ユーザは、複数の面101の各々に付与された数字102を認識することができる。
【0056】
通知装置10は、複数の用件と複数の面101との対応関係を切り替えるスイッチ104をさらに備える。たとえば、ユーザは、「A」、「B」、「C]といったように設定ごとに設けられた複数の切替点のいずれかにスイッチ104を切り替えることができ、スイッチ104を切り替えることによって、複数の用件と複数の面101との対応関係を切り替えることができる。
【0057】
上述したように構成された通知装置10を用いて、ユーザは、所望の用件を取得装置30に通知することができる。具体的には、ユーザは、複数の面101のうち、取得者に通知したい用件に対応する一の面101を上方向に向けるように通知装置10の向きを変える。通知装置10は、上方向に向けられた面101に対応する用件を、管理装置20を介して取得装置30に通知する。取得装置30によって用件が取得されると、通知装置10は、スピーカ16、振動装置17、またはライト18などの報知装置を用いて、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。あるいは、取得装置30によって用件が取得されると、ユーザ装置40は、スピーカ46またはディスプレイ47などの報知装置を用いて、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0058】
[通知装置が記憶する報知態様情報]
図4は、実施の形態1に係る通知装置10が記憶する報知態様情報を説明するための図である。図4に示すように、報知態様情報は、複数の面101のそれぞれと各報知装置における複数種類の報知態様との対応関係を示す情報を含む。通知装置10は、テーブル形式で報知態様情報を記憶部12に記憶する。
【0059】
具体的には、「1」の数字が付与された面101に対しては、スピーカ16について音1が対応付けられ、振動装置17について振動1が対応付けられ、ライト18について光1が対応付けられている。たとえば、通知装置10において「1」の数字が付与された面101が上方向に向けられた場合、スピーカ16から音1に対応する音が出力され、振動装置17が振動1に対応する振動パターンに従って振動し、ライト18が光1に対応する点灯色で点灯する。
【0060】
また、「2」の数字が付与された面101に対しては、スピーカ16について音2が対応付けられ、振動装置17について振動2が対応付けられ、ライト18について光2が対応付けられている。たとえば、通知装置10において「2」の数字が付与された面101が上方向に向けられた場合、スピーカ16から音2に対応する音が出力され、振動装置17が振動2に対応する振動パターンに従って振動し、ライト18が光2に対応する点灯色で点灯する。
【0061】
その他の数字が付与された面101に対しても、各報知装置における報知態様が対応付けられている。通知装置10において所定の面101が上方向に向けられた場合、各報知装置は、上方向に向けられた面101に対応する報知態様で用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0062】
これにより、ユーザは、通知システム1を利用して、利便性よく用件を取得者に通知することができるとともに、取得者に用件が通知されたことを認識することができる。
【0063】
また、通知装置10は、スピーカ16によって音を出力したり、振動装置17によって振動したりすることによって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。このため、ユーザが視覚障害者である場合でも、取得者に用件が通知されたことをユーザが容易に認識することができる。
【0064】
また、通知装置10は、振動装置17によって振動したり、ライト18が点灯したりすることによって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。このため、ユーザが聴覚障害者である場合でも、取得者に用件が通知されたことをユーザが容易に認識することができる。
【0065】
また、通知装置10は、ユーザによって予め定められた方向(たとえば、上方向)に向けられた面101をライト18で点灯させる。このため、取得者が予め定められた方向に一の面101を向けることによって当該面101に対応する用件が取得者に通知されたことを、ユーザが容易に認識することができる。
【0066】
さらに、通知装置10は、複数の面101のそれぞれに対応する点字が付与されている。このため、ユーザが視覚障害者である場合でも、所望の用件に対応する面101をユーザが容易に認識することができる。
【0067】
なお、実施の形態1に係る通知システムにおいては、通知装置10が報知態様情報を記憶部12に記憶しているが、管理装置20が報知態様情報を記憶部22に記憶してもよい。この場合、管理装置20は、通知装置10からの通知信号に基づき特定した面に応じて、スピーカ16、振動装置17、およびライト18のそれぞれの報知態様を決定し、決定した報知態様に基づき、通知装置10を制御してもよい。通知装置10は、管理装置20の制御に基づき、スピーカ16、振動装置17、およびライト18の少なくとも1つを用いて、管理装置20によって決定された報知態様で、取得装置30に用件が通知されたことを報知してもよい。このようにすれば、通知装置10のハードウェアに依存することなく、管理装置20側で報知態様を設定変更することができる。
【0068】
[管理装置が記憶する管理情報]
図5は、実施の形態1に係る管理装置20が記憶する管理情報を説明するための図である。図5に示すように、管理情報は、通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40のそれぞれに関する情報を含む。管理装置20は、テーブル形式で管理情報を記憶部22に記憶する。
【0069】
管理情報は、通知装置10に関する情報として、通知ID(identification)と、宛先情報と、スイッチ情報と、面情報とを含む。
【0070】
通知IDは、通知装置10を識別するための情報であり、管理装置20と通信可能な少なくとも1つの通知装置10の各々に付与された固有の情報である。たとえば、管理装置20は、通知ID「001」が付与された通知装置10、通知ID「002」が付与された通知装置10、および通知ID「003」が付与された通知装置10の各々と通信可能である。
【0071】
宛先情報は、通知装置10と通信するためのアドレスを示す情報である。管理装置20は、通知装置10に対応付けられた宛先情報に基づき、通知装置10と通信可能である。
【0072】
スイッチ情報は、通知装置10のスイッチ104によって切り替え可能な「A」、「B」、「C]の各切替点を示す情報を含む。
【0073】
面情報は、通知装置10における複数の面101と複数の用件との対応関係を示す情報を含む。たとえば、通知ID「001」の通知装置10の場合、スイッチ104が切替点「A」に切り替えられているときには、「1」の数字102が付与された面101に対しては用件として「放置」が対応付けられ、「2」の数字102が付与された面101に対しては用件として「トイレ」が対応付けられ、「3」の数字102が付与された面101に対しては用件として「風呂」が対応付けられ、「4」の数字102が付与された面101に対しては用件として「外出」が対応付けられ、「5」の数字102が付与された面101に対しては用件として「相談」が対応付けられ、「6」の数字102が付与された面101に対しては用件として「その他」が対応付けられている。また、スイッチ104が切替点「B」に切り替えられているときには、「1」の数字102が付与された面101に対しては用件として「トイレ」が対応付けられ、「2」の数字102が付与された面101に対しては用件として「点滴」が対応付けられ、「3」の数字102が付与された面101に対しては用件として「薬」が対応付けられ、「4」の数字102が付与された面101に対しては用件として「相談」が対応付けられ、「5」の数字102が付与された面101に対しては用件として「その他」が対応付けられ、「6」の数字102が付与された面101に対しては用件として「放置」が対応付けられている。
【0074】
さらに、通知ID「002」の通知装置10の場合、スイッチ104が切替点「A」に切り替えられているときには、「1」の数字102が付与された面101に対しては用件として「放置」が対応付けられ、「2」の数字102が付与された面101に対しては用件として「外出」が対応付けられ、「3」の数字102が付与された面101に対しては用件として「相談」が対応付けられ、「4」の数字102が付与された面101に対しては用件として「点滴」が対応付けられ、「5」の数字102が付与された面101に対しては用件として「トイレ」が対応付けられ、「6」の数字102が付与された面101に対しては用件として「その他」が対応付けられている。
【0075】
ユーザは、ユーザ装置40を用いて管理装置20と通信することによって、上述したような面情報、すなわち、通知装置10における複数の面101と複数の用件との対応関係を設定することができる。
【0076】
また、ユーザは、スイッチ104が「A」、「B」、「C」のいずれに切り替わっているかに応じて面情報を設定することができる。これにより、ユーザは、通知装置10においてスイッチ104を「A」、「B」、「C」のいずれかに切り替えることによって、複数の面101と複数の用件との対応関係を切り替えることができる。このため、複数のユーザのそれぞれに対してスイッチ104の切替点を対応付けることによって、複数のユーザが1つの通知装置10を用いて、所望の用件を取得装置30に通知することができる。
【0077】
さらに、ユーザは、日付または曜日ごとに面情報を設定することもできる。これにより、ユーザは、日付または曜日ごとに、複数の面101と複数の用件との対応関係を切り替えることができる。このため、複数のユーザのそれぞれが予め決められた日付または曜日で通知装置10を用いれば、複数のユーザが1つの通知装置10を用いて、所望の用件を取得装置30に通知することができる。なお、複数の用件と複数の面101との対応関係は、日付および曜日の少なくとも1つに応じて設定されてもよい。
【0078】
管理情報は、取得装置30に関する情報として、取得側IDと、宛先情報とを含む。
取得側IDは、取得装置30を識別するための情報であり、管理装置20と通信可能な少なくとも1つの取得装置30の各々に付与された固有の情報である。1つの通知装置10に対しては、少なくとも1つの取得装置30が対応付けられており、通知装置10によって通知された用件は、管理情報において当該通知装置10に対応付けられた少なくとも1つの取得装置30によって取得される。たとえば、管理装置20は、通知ID「001」が付与された通知装置10に対応して、取得側ID「abc1」が付与された取得装置30、取得側ID「abc2」が付与された取得装置30、および取得側ID「abc3」が付与された取得装置30の各々と通信可能である。
【0079】
宛先情報は、取得装置30と通信するためのアドレスを示す情報である。管理装置20は、取得装置30に対応付けられた宛先情報に基づき、取得装置30と通信可能である。
【0080】
管理情報は、ユーザ装置40に関する情報として、ユーザIDと、宛先情報とを含む。
ユーザIDは、ユーザ装置40を識別するための情報であり、管理装置20と通信可能な少なくとも1つのユーザ装置40の各々に付与された固有の情報である。1つの通知装置10に対しては、少なくとも1つのユーザ装置40が対応付けられており、通知装置10によって通知された用件が取得装置30によって取得された場合、管理情報において当該通知装置10に対応付けられた少なくとも1つのユーザ装置40によって、取得装置30によって用件が取得されたことが報知される。たとえば、管理装置20は、通知ID「001」が付与された通知装置10に対応して、ユーザID「AAA1」が付与されたユーザ装置40、およびユーザID「AAA2」が付与されたユーザ装置40の各々と通信可能である。
【0081】
宛先情報は、ユーザ装置40と通信するためのアドレスを示す情報である。管理装置20は、ユーザ装置40に対応付けられた宛先情報に基づき、ユーザ装置40と通信可能である。
【0082】
[管理装置が記憶する履歴情報]
図6は、実施の形態1に係る管理装置20が記憶する履歴情報を説明するための図である。図6に示すように、管理装置20は、通知装置10から通知信号を受信したときに、通知信号に含まれる通知ID、スイッチ情報、および面情報を、通知信号を受信した日時を示す時間情報に対応付けて履歴情報として記憶する。管理装置20は、テーブル形式で履歴情報を記憶部22に記憶する。
【0083】
管理装置20が履歴情報を記憶することによって、ユーザがどのような用件をどのようなタイミングで通知しているかを履歴として残すことができる。これにより、看護師などの取得者が履歴情報を分析することで、ユーザの行動履歴を把握および分析することができる。
【0084】
[通知システムが実行する処理]
図7は、実施の形態1に係る通知システム1が実行する処理に関するフローチャートである。通知システム1において、通知装置10の制御装置11、管理装置20の制御装置21、取得装置30の制御装置31、およびユーザ装置40の制御装置41の各々は、予め記憶されたプログラムを実行することで、図7に示すフローチャートの処理を定期的に実行する。なお、図中において、「S」は「STEP」の略称として用いられる。
【0085】
図7に示すように、通知装置10は、向きセンサ15によって向きの変化を検出したか否かを判定する(S101)。通知装置10は、向きの変化を検出していない場合(S101でNO)、S101の処理を繰り返す。一方、通知装置10は、向きの変化を検出した場合(S101でYES)、上方向に向けられている面101を特定して、管理装置20に通知信号を送信する(S102)。通知信号は、通知装置10に対応する通知IDと、スイッチ104が現在切り替えられている切替点を示すスイッチ情報と、通知装置10において上方向に向けられている面101を示す情報とを含む。
【0086】
管理装置20は、通知装置10から通知信号を受信したか否かを判定する(S201)。管理装置20は、通知信号を受信していない場合(S201でNO)、S201の処理を繰り返す。一方、管理装置20は、通知信号を受信した場合(S201でYES)、通知信号に基づき上方向に向けられている面101を特定するとともに、特定した面101と管理情報に含まれる面情報とに基づき当該面101に対応する用件を特定する(S202)。
【0087】
管理装置20は、管理情報を参照して、通知信号に基づき、通知装置10の宛先情報、通知装置10に対応する取得装置30の宛先情報、および通知装置10に対応するユーザ装置40の宛先情報を特定する(S203)。管理装置20は、特定した宛先情報に基づき、取得装置30に用件信号を送信する(S204)。用件信号は、S202で特定した用件を示す情報を含む。
【0088】
取得装置30は、管理装置20から用件信号を受信したか否かを判定する(S301)。取得装置30は、用件信号を受信していない場合(S301でNO)、S301の処理を繰り返す。一方、取得装置30は、用件信号を受信した場合(S301でYES)、用件信号に基づき、ユーザが通知装置10を用いて通知した用件を特定し、特定した用件をスピーカ36またはディスプレイ37を用いて取得者に報知する(S302)。
【0089】
取得装置30は、取得者が操作部39を用いて、用件を取得するための操作を行ったか否かを判定する(S303)。取得装置30は、取得者が用件を取得するための操作を行っていない場合(S303でNO)、S303の処理を繰り返す。一方、取得装置30は、取得者が用件を取得するための操作を行った場合(S303でYES)、管理装置20に取得信号を送信する(S304)。取得信号は、取得装置30が用件を取得したことを示す情報を含む。その後、取得装置30は、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0090】
管理装置20は、S204で取得装置30に用件信号を送信した後、取得信号を受信したか否かを判定する(S205)。管理装置20は、取得信号を受信していない場合(S205でNO)、S205の処理を繰り返す。一方、管理装置20は、取得信号を受信した場合(S205でYES)、S203で特定した宛先情報に基づき、通知装置10およびユーザ装置40に応答信号を送信する(S206)。応答信号は、取得装置30によって用件が取得されたことを示す情報を含む。その後、管理装置20は、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0091】
通知装置10は、S102で管理装置20に通知信号を送信した後、応答信号を受信したか否かを判定する(S103)。通知装置10は、応答信号を受信していない場合(S103でNO)、S103の処理を繰り返す。一方、通知装置10は、応答信号を受信した場合(S103でYES)、スピーカ16、振動装置17、およびライト18の少なくとも1つを用いて、取得装置30によって用件が取得されたことを報知する(S104)。その後、通知装置10は、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0092】
ユーザ装置40は、応答信号を受信したか否かを判定する(S401)。ユーザ装置40は、応答信号を受信していない場合(S401でNO)、S401の処理を繰り返す。一方、ユーザ装置40は、応答信号を受信した場合(S401でYES)、スピーカ46およびディスプレイ47の少なくとも1つを用いて、取得装置30によって用件が取得されたことを報知する(S402)。その後、ユーザ装置40は、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0093】
このように、通知システム1は、ユーザが通知装置10を用いて上方向に向けた面101に対応する用件を、取得装置30に通知することができるとともに、取得装置30によって用件が取得された場合に、通知装置10またはユーザ装置40によって、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知することができる。これにより、ユーザは、通知装置10を用いて利便性よく用件を通知することができるとともに、取得者に用件が通知されたことをユーザが認識することができる。
【0094】
<実施の形態2>
図8を参照しながら、実施の形態2に係る通知システム1を説明する。図8は、実施の形態2に係る通知システム1が実行する処理に関するフローチャートである。以下では、実施の形態2に係る通知システム1について、実施の形態1に係る通知システム1と異なる部分のみを説明する。
【0095】
実施の形態1に係る通知システム1は、管理装置20がユーザ装置40の宛先情報を記憶し、取得装置30によって用件が取得された場合に、記憶している宛先情報に基づき、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザ装置40に通知するように構成されていた。これに対して、実施の形態2に係る通知システム1は、通知装置10がユーザ装置40の宛先情報を記憶してもよい。そして、管理装置20は、通知装置10から宛先情報を取得してもよい。さらに、管理装置20は、取得装置30によって用件が取得された場合に、通知装置10から取得した宛先情報に基づき、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザ装置40に通知するように構成されてもよい。
【0096】
具体的には、図8に示すように、通知装置10は、S101で向きの変化を検出した後(S101でYES)、記憶している通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40のそれぞれの宛先情報を通知信号に含ませて、当該通知信号を管理装置20に送信する(S102A)。
【0097】
管理装置20は、通知装置10から通知信号を受信すると(S201でYES)、用件を特定し(S202)、特定した用件を示す用件信号を取得装置30に送信する(S204)。管理装置20は、取得装置30から取得信号を受信した後(S205でYES)、通知装置10から取得した通知信号に含まれる通知装置10およびユーザ装置40の宛先情報に基づき、通知装置10およびユーザ装置40に応答信号を送信する(S206)。
【0098】
このように、管理装置20は、通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40の宛先情報を自ら記憶することなく、通知装置10から取得した宛先情報に基づき、通知装置10、取得装置30、およびユーザ装置40の各々と通信することができる。
【0099】
<実施の形態3>
図9を参照しながら、実施の形態3に係る通知システム1を説明する。図9は、実施の形態3に係る通知システム1の適用例を説明するための図である。以下では、実施の形態3に係る通知システム1について、実施の形態1に係る通知システム1および実施の形態2に係る通知システム1と異なる部分のみを説明する。
【0100】
図9に示すように、実施の形態3に係る通知システム1は、通知装置10の他に、ボタン装置60と、センサ装置70とをさらに備える。
【0101】
ボタン装置60は、たとえばナースコール用スイッチのように、ユーザによって操作可能である。ボタン装置60は、ユーザによって操作された場合、ユーザが取得者を呼び出す旨の送信情報を含む通知信号を管理装置20に送信する。管理装置20は、ボタン装置60から受信した通知信号に基づき、ユーザが取得者を呼び出す旨の送信情報を含む用件信号を取得装置30に送信する。取得装置30は、管理装置20から受信した用件信号に基づき、送信情報を取得者に報知する。取得装置30は、送信情報を取得すると、送信情報を取得したことを通知するための取得信号を管理装置20に送信する。管理装置20は、取得装置30から取得信号を受信すると、取得装置30によって送信情報が取得されたことをユーザに通知するための応答信号をユーザ装置40に送信する。
【0102】
センサ装置70は、たとえば、室内温度の変化、室内湿度の変化、ユーザの体調の変化など、ユーザに関する変化を検出する。センサ装置70は、ユーザに関する変化を検出した場合、ユーザに関する変化があった旨を示す送信情報を含む通知信号を管理装置20に送信する。管理装置20は、センサ装置70から受信した通知信号に基づき、ユーザに関する変化があった旨を示す送信情報を含む用件信号を取得装置30に送信する。取得装置30は、管理装置20から受信した用件信号に基づき、送信情報を取得者に報知する。取得装置30は、送信情報を取得すると、送信情報を取得したことを通知するための取得信号を管理装置20に送信する。管理装置20は、取得装置30から取得信号を受信すると、取得装置30によって送信情報が取得されたことをユーザに通知するための応答信号をユーザ装置40に送信する。
【0103】
このように、通知システム1においては、複数の面を切り替えることで用件を通知する通知装置10に限らず、ユーザによって操作可能なボタン装置60またはユーザに関する変化を検出するセンサ装置70からの用件が通知された場合でも、ユーザ装置40によって、取得者に用件が通知されたことをユーザに報知することができる。
【0104】
また、図9に示すように、実施の形態3に係る通知システム1は、取得装置30によって用件が取得されたことをユーザに報知する「報知装置」および「ユーザ装置」として、AI(Artificial Intelligence)を搭載したスマートスピーカ50をさらに備えてもよい。スマートスピーカ50は、ユーザから発せられた命令を音声認識により理解して、当該命令に従って処理を実行する機能を有する。管理装置20は、取得装置30によってユーザからの用件が取得された場合、応答信号をスマートスピーカ50に送信してもよい。スマートスピーカ50は、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0105】
このように、通知システム1においては、スマートフォンなどのユーザ装置40に限らず、スマートスピーカ50を用いて、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知することができる。
【0106】
上述した実施の形態1~3に係る通知システム1においては、通知装置10は、管理装置20からの応答信号を受信した場合に、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知するように構成されていた。具体的には、通知装置10は、取得装置30が管理装置20からの用件信号に基づき用件を取得したことを条件に、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知するように構成されていた。しかしながら、他の実施の形態に係る通知システム10においては、通知装置10は、管理装置20が通知装置10からの通知信号を受信した場合に、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知するように構成されていてもよい。具体的には、管理装置20は、通知装置10からの通知信号を受信したことに応答して応答信号を通知装置10に送信し、通知装置10は、管理装置20からの応答信号を受信したことを条件に、取得装置30に用件が通知されたことをユーザに報知するように構成されていてもよい。
【0107】
<態様>
(第1項) 一態様に係る通知システム(1)は、用件を通知する通知装置(10)と、通知装置によって通知された用件を取得する取得装置(30)と、通知装置および取得装置と通信可能な管理装置(20)とを備える。通知装置は、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面(101)を備えるとともに、複数の面の中から一の面を特定し、管理装置は、通知装置によって特定された一の面に対応する用件を特定する。取得装置は、管理装置によって特定された用件を取得する。通知システムは、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0108】
(第2項) 第1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、複数の面の中から予め定められた方向に向けられた一の面を特定する。
【0109】
(第3項) 第1項または第2項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、スピーカ(16)をさらに備え、スピーカから音を出力させることによって、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0110】
(第4項) 第1項~第3項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、振動装置(17)をさらに備え、振動装置を振動させることによって、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0111】
(第5項) 第1項~第4項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、ライト(18)をさらに備え、ライトを点灯させることによって、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0112】
(第6項) 第1項~第5項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、複数の面の中から特定した一の面をライトによって点灯させる。
【0113】
(第7項) 第1項~第6項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、モバイル通信規格を利用した通信を実行するための通信モジュール(14)をさらに備える。
【0114】
(第8項) 第1項~第7項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、複数の面には、当該複数の面のそれぞれに対応する点字(103)が付与されている。
【0115】
(第9項) 第1項~第8項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、複数の用件と複数の面との対応関係を切り替えるスイッチ(104)をさらに備える。管理装置は、スイッチの切替態様と通知装置によって特定された一の面とに基づき、用件を特定する。
【0116】
(第10項) 第1項~第9項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、複数の用件と複数の面との対応関係は、日付および曜日の少なくとも1つに応じて設定される。管理装置は、日付および曜日の少なくとも1つと通知装置によって特定された一の面とに基づき、用件を特定する。
【0117】
(第11項) 第1項~第10項のいずれか1項に記載の通知システムは、ユーザが所有するユーザ装置(40)をさらに備える。ユーザ装置は、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0118】
(第12項) 第1項~第11項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、管理装置は、ユーザ装置の宛先情報を記憶し、宛先情報に基づき、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザ装置に通知する。
【0119】
(第13項) 第1項~第12項のいずれか1項に記載の通知システムにおいて、通知装置は、ユーザ装置の宛先情報を記憶する。管理装置は、通知装置から宛先情報を取得し、宛先情報に基づき、通知装置によって取得装置に用件が通知されたことをユーザ装置に通知する。
【0120】
(第14項) 第1項~第13項のいずれか1項に記載の通知システムは、ユーザによって操作されるボタン装置(60)およびユーザに関する変化を検出するセンサ装置(70)の少なくとも1つをさらに備える。取得装置は、管理装置を介して、ボタン装置およびセンサ装置の少なくとも1つによって送信された送信情報を取得する。通知システムは、ボタン装置およびセンサ装置の少なくとも1つによって取得装置に送信情報が送信されたことをユーザに報知する。
【0121】
(第15項) 一態様に係る通知装置(10)は、制御装置(11)と、用件を取得する取得装置(30)と管理装置(20)を介して通信する通信装置(13)と、複数の用件のそれぞれに対応する複数の面(101)と、報知装置(16,17,18)とを備える。制御装置は、複数の面(101)の中から一の面を特定する。通信装置は、管理装置を介して、複数の面の中から特定した一の面に対応する用件を取得装置に送信する。報知装置は、取得装置に用件が通知されたことをユーザに報知する。
【0122】
以上、複数の実施の形態および変形例について説明したが、これらの複数の実施の形態および変形例の各々における特徴は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0123】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
1 通知システム、10 通知装置、11,21,31,41 制御装置、12,22,32,42 記憶部、13,23,33,43 通信装置、14,34,44 通信モジュール、15 向きセンサ、16,36,46 スピーカ、17 振動装置、18 ライト、20 管理装置、30 取得装置、37,47 ディスプレイ、39,49 操作部、40 ユーザ装置、50 スマートスピーカ、60 ボタン装置、70 センサ装置、101 面、102 数字、103 点字、104 スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9