(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030519
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】包材ロールの自動供給装置
(51)【国際特許分類】
B65H 19/10 20060101AFI20240229BHJP
B65H 19/12 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65H19/10 A
B65H19/12 B
B65H19/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133462
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】村坂 諒良
(72)【発明者】
【氏名】堀田 倫人
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕平
(72)【発明者】
【氏名】前田 拡樹
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BA02
3F064BB03
3F064BB18
3F064DA01
3F064EA05
3F064EB09
3F064EB11
(57)【要約】
【課題】コンベアなどを敷設する必要が無く、工場内のスペースを有効利用できると共に設備コストを低廉にできる包材ロールの自動供給装置を提供する。
【解決手段】無人搬送車15に、フィルムロール14を保持するロールホルダ16を設け、ロールホルダ16に保持したフィルムロール14から引き出した帯状フィルム10の引き出し端部を支持するフィルムガイド24を設ける。フィルム供給ユニット11の停留ステーション17に係留した無人搬送車15のロールホルダ16に装着したフィルムロール14は、移し替え手段19によって包装機の紙管シャフト12に移し換えられる。フィルムロール14を紙管シャフト12へ移し換えた後に、フィルムガイド24の支持部材46を作動することで、支持部材46の支持面にて支持している帯状フィルム10の引き出し端部は、スプライサのフィルム端部保持部材の吸着部へ押し付けて受け渡される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機の包材供給部における包材接合機構に設けた紙管シャフトに包材ロールを自動供給する包材ロールの自動供給装置であって、
包材ロールを保持するロールホルダを走行台車上に設けた無人搬送車と、
該無人搬送車に設けられてロールホルダと同方向へ延在し、ロールホルダに保持した包材ロールからの包装材の引き出し端部を支持する包材ガイドと、
前記包材供給部に対応して設けた無人搬送車の停留ステーションと、
該停留ステーションに無人搬送車が係留された際に、ロールホルダに保持した包材ロールを、前記包材接合機構の交換位置に位置付いた紙管シャフトへ移し換えるよう前記包材供給部に配設した移し換え手段と、を備え、
前記包材ガイドは、前記包材ロールを前記紙管シャフトへ移し換える際に、前記包材ロールからの包装材の引き出し端部を案内可能な支持部材を備え、
前記包材ロールを紙管シャフトへ移し換えた後に、前記支持部材で支持している包装材の引き出し端部を、前記包材接合機構における端部保持部材の吸着部へ添わせるよう、前記支持部材を作動する作動手段を設けた
ことを特徴とする包材ロールの自動供給装置。
【請求項2】
前記ロールホルダは、包材ロールの芯管に挿通されて包材ロールを保持するよう構成され、
前記無人搬送車が停留ステーションに係留された際に、前記ロールホルダと、前記紙管シャフトとの軸心が整合して延出端同士が近寄った整合位置と、該整合位置から離間した退避位置とにロールホルダを移動可能に構成し、
該ロールホルダと前記包材ガイドとは、前記整合位置に一体移動するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の包材ロールの自動供給装置。
【請求項3】
前記ロールホルダおよび紙管シャフトは、包材ロールの芯管に挿通されて包材ロールを保持するよう構成され、
前記無人搬送車が停留ステーションに係留された際に、前記ロールホルダを、前記紙管シャフトとの軸心が整合して延出端同士が近寄った整合位置と、該整合位置から離間した退避位置との間で往復移動する可動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の包材ロールの自動供給装置。
【請求項4】
前記支持部材は、上下方向に垂れ下がった包装材の引き出し端部を裏面から所定範囲で支持する支持面を備え、
前記作動手段は、前記支持面を上方に向けて回動することで、該支持面により、垂れ下がった包装材の引き出し端部を持ち上げて、前記端部保持部材の吸着部へ押し付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の包材ロールの自動供給装置。
【請求項5】
前記ロールホルダを整合位置と退避位置に移動する可動手段および前記作動手段は、エア駆動機器であり、
前記無人搬送車を停留ステーションに係留した際に、前記エア駆動機器に、エア源からの圧縮エアの供給路と連通して圧縮エアを供給するエア供給部を設けたことを特徴とする請求項2記載の包材ロールの自動供給装置。
【請求項6】
前記支持部材は、包装材の引き出し端部を支持する支持面を備え、該支持面に前記引き出し端部を保持可能に吸引手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の包材ロールの自動供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に用いる包材ロールの自動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
芯管にフィルムや紙等の包装材を巻回した包材ロールを、包装機へのセット位置に自動装填する装置として、特許文献1に開示の自動供給装置が提案されている。特許文献1に開示の自動供給装置は、フィルムロールを乗せる治具を受け取り位置と供給位置との間で往復移送するコンベアを備えており、受け取り位置で治具の上にフィルムロールを受け取ると、コンベアによりフィルムロールを載せた治具が、コンベヤの搬送終端に設置された供給位置まで移送される。そして、フィルムロールを載せた治具が供給位置に到着すると、供給位置に配設されたローダーの保持ロッドが治具に載置されたフィルムロールの芯管の穴に入って、ローダーの保持ロッドにフィルムロールが保持される。その後ローダーの保持ロッドに保持されたフィルムロールは、ローダーの回動によりフィルムのセット位置に整合する位置まで移動されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自動供給装置は、受け取り位置と供給位置との間で治具を往復移送するコンベアは、複数の送りコンベアや垂直コンベアなどを組み合わせて構成されており、極めて大規模な設備となって大きな設置スペースが必要になると共に、設置コストが過大となる問題が指摘される。特に、工場内に複数台の包装機が設置されるような場合には、各包装機毎にコンベアやローダーを設置する必要があり、更に大きな設置スペースが必要になると共にコストが嵩んでしまうといった問題などを含めて種々の改善すべき点がある。
【0005】
本発明は、コンベアなどを敷設する必要が無く、工場内のスペースを有効利用でると共に設備コストを低廉にでき、安定的に包材ロールを包装機の包材供給部まで装填するための包材ロールの自動供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明の包材ロールの自動供給装置は、
包装機の包材供給部(11)における包材接合機構(27)に設けた紙管シャフト(12)に包材ロール(14)を自動供給する包材ロールの自動供給装置であって、
包材ロール(14)を保持するロールホルダ(16)を走行台車(20)上に設けた無人搬送車(15)と、
該無人搬送車(15)に設けられてロールホルダ(16)と同方向へ延在し、ロールホルダ(16)に保持した包材ロール(14)からの包装材(10)の引き出し端部を支持する包材ガイド(24)と、
前記包材供給部(11)に対応して設けた無人搬送車(15)の停留ステーション(17)と、
該停留ステーション(17)に無人搬送車(15)が係留された際に、ロールホルダ(16)に保持した包材ロール(14)を、前記包材接合機構(27)の交換位置(S2)に位置付いた紙管シャフト(12)へ移し換えるよう前記包材供給部(11)に配設した移し換え手段(19)と、を備え、
前記包材ガイド(24)は、前記包材ロール(14)を前記紙管シャフト(12)へ移し換える際に、前記包材ロール(14)からの包装材(10)の引き出し端部を案内可能な支持部材(46)を備え、
前記包材ロール(14)を紙管シャフト(12)へ移し換えた後に、前記支持部材(46)で支持している包装材(10)の引き出し端部を、前記包材接合機構(27)における端部保持部材(28)の吸着部(28a)へ添わせるよう、前記支持部材(46)を作動する作動手段(47)を設けたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、無人搬送車のロールホルダで保持した包材ロールを、包装機の包材供給部の紙管シャフトへ自動で移し換えることができ、その際に包材ロールからの包装材の引き出し端部を包材接合機構の包材セット位置まで直接受け渡すことができ、人手を介さずに包材ロールの自動装填を良好に行うことができる。すなわち、無人搬送車により包材ロールを包装機の包材供給部まで送るので、コンベアなどの搬送手段を包装機の包材供給部までに亘って設置するスペースとして占有されることなく、工場スペースの有効利用を図ることができる。また、工場内に複数台の包装機が設置されるような環境であっても、無人搬送車により複数の包装機の包材供給部へ包材ロールを直接装填できるので、省スペース化を図り得ると共に設備コストを抑えることができる。更に、無人搬送車のロールホルダに保持した新包材ロールからの包装材の引き出し端部を、包装機の包材接合機構の端部保持部材まで案内して受け渡す支持部材を設けているので、包材接合機構の構成を簡略化できると共に、包材接合機構への包装材の装填を良好に行うことができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記ロールホルダ(16)は、包材ロール(14)の芯管(13)に挿通されて包材ロール(14)を保持するよう構成され、
前記無人搬送車(15)が停留ステーション(17)に係留された際に、前記ロールホルダ(16)と、前記紙管シャフト(12)との軸心が整合して延出端同士が近寄った整合位置と、該整合位置から離間した退避位置とにロールホルダ(16)を移動可能に構成し、
該ロールホルダ(16)と前記包材ガイド(24)とは、前記整合位置に一体移動するよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、ロールホルダと包材ガイドとを一体移動することで、包装材が巻回されている包材ロールの芯管を、無人搬送車のロールホルダから包装機の紙管シャフトに対して挿通させるよう、スムーズに移し換えることができると共に、包材ガイドによって無人搬送車から包装機の包材供給部における端部保持部材へ受け渡すまでの間で包材端部が常に支持状態となって、他へ受け継ぐことなく直に端部保持部材へ受け渡すようにしたので、包材端部が折れ曲がったり、捲れ上がったり、位置ずれしてしまったりするのを防止して良好な支持状態となって包装機への包材ロールの装填から包装材の受け渡しまでを良好に実施することができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記ロールホルダ(16)および紙管シャフト(12)は、包材ロール(14)の芯管(13)に挿通されて包材ロール(14)を保持するよう構成され、
前記無人搬送車(15)が停留ステーション(17)に係留された際に、前記ロールホルダ(14)を、前記紙管シャフト(12)との軸心が整合して延出端同士が近寄った整合位置と、該整合位置から離間した退避位置との間で往復移動する可動手段(23)を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、無人搬送車の走行時において、ロールホルダで保持された包材ロールが、無人搬送車の走行台車の周囲の外側へはみ出すことなく、台車の上部空間内に配置して安全に移動できる。また、包装機の包材供給部まで包材ロールを安定的に保持して送り届けることができる。また、包装材が巻回されている包材ロールの芯管を、無人搬送車のロールホルダから包装機の紙管シャフトに対して挿通させるよう、スムーズに移し換えることができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記支持部材(46)は、上下方向に垂れ下がった包装材(10)の引き出し端部を裏面から所定範囲で支持する支持面を備え、
前記作動手段(47)は、前記支持面を上方に向けて回動することで、該支持面により、垂れ下がった包装材(10)の引き出し端部を持ち上げて、前記端部保持部材(28)の吸着部(28a)へ押し付けるようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、包材ロールから引き出されて垂れ下がっている包装材の引き出し端部を、支持部材の支持面によって裏面から所定範囲で支持しているので、包装材の垂れ下がった包材端部が、折れ曲がったり、捲れ上がったり、位置ずれしてしまったりするのを防止して良好な支持状態とすることができる。また、垂れ下がった包装材の端部を支持した状態からそのまま持ち上げて包装機の包材接合機構における端部保持部材に押し付けるので、包材ロールの包装機への装填時に包材端部も安定的かつ良好に受け渡すことができる。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記ロールホルダ(16)を整合位置と退避位置に移動する可動手段(23)および前記作動手段(47)は、エア駆動機器であり、
前記無人搬送車(15)を停留ステーション(17)に係留した際に、前記エア駆動機器(23,47)に、エア源からの圧縮エアの供給路と連通して圧縮エアを供給するエア供給部(35)を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、無人搬送車に、可動手段および作動手段の駆動力を得る動力源となるバッテリーなどを搭載する必要はなく、無人搬送車の軽量化により走行性能などの動力性能が低下するのを防止することができる。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記支持部材(46)は、包装材(10)の引き出し端部を支持する支持面を備え、該支持面に前記引き出し端部を保持可能に吸引手段を設けたことを特徴とする。
請求項6の発明によれば、無人搬送車の走行中や、包材接合機構の端部保持部材への受け渡しまでの間に亘り、包材端部が折れ曲がったり、捲れ上がったり、位置ずれしてしまったりするのを防止して、包装材の引き出し端部を常に拘束した支持状態とし、適正に平らに拡がった包装材の引き出し端部として、支持部材により端部保持部材へ良好に受け渡しすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、工場内を自由走行可能な無人搬送車で包材ロールを保持して、包装機の包材供給部まで送り、人手を介することなく、新規包材ロールを包装機の包材供給部に自動で装填することができる。すなわち、無人搬送車と組み合わせることで、包材ロールを搬送するコンベアなどの搬送手段を設置するスペースとして占有されることなく、工場スペースの有効利用をなし得る。また、工場内に複数台の包装機が設置されるような環境であっても、無人搬送車により複数の包装機へ異なる包材ロールを送り届けることができるので、省スペース化を図り得ると共に設備コストを抑えることができる。更に、無人搬送車のロールホルダから引き出した包装材の引き出し端部を支持しつつ包装機の包材接合機構における端部保持部材へ支持部材で直接受け渡すようにしたので、包材接合機構の構成を簡略化でき、包装材の引き出し端部を真っ直ぐな状態にして包材接合機構の端部保持部材へ良好に受け渡すことができる。このようにして、人手をかけることなく、包装機の包材セット作業の自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】自動供給装置の一部を示す概略斜視図である。
【
図4】停留ステーションに位置決めされた無人搬送車を示す要部概略正面図である。
【
図5】無人搬送車からフィルム供給ステーションにフィルムロールを移し換える工程を示す説明図である。
【
図6】無人搬送車の支持部材で支持している帯状フィルムの引き出し端部をスプライサのフィルム端保持部材に受け渡す状態を示す説明図である。
【
図7】フィルム供給ステーションの芯管を無人搬送車に回収する状態を示す説明図である。
【
図8】スプライサを示す説明図であって、(a)はロール交換位置の紙管シャフトに新規フィルムロールが供給された状態を示し、(b)は新旧の帯状フィルムの接合時の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る包材ロールの自動供給装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0015】
実施例の包材ロールの自動供給装置は、
図1に示す如く、製袋手段に向けて帯状フィルム(帯状包装材)10を供給する包装機の包材供給部としてのフィルム供給ユニット11に設けた紙管シャフト12に対し、中空の芯管13に帯状フィルム10を所要直径で巻回した新規のフィルムロール(包材ロール、新包材)14を自動で供給すると共に、使用済みのフィルムロール(旧包材)14や使い尽くしたフィルムの芯管(旧包材)13を包装機のフィルム供給ユニット11の紙管シャフト12から回収する無人搬送車15を備えて構成される。フィルムロール14について、供給するフィルムロールと、回収するフィルムロールとを区別する場合は、供給するフィルムロールを新フィルムロール14aまたは新包材14aと称し、回収するフィルムロールを旧フィルムロール14bまたは使用済みのフィルムロールとして所定量の帯状フィルム10が残留しているフィルムロールや帯状フィルム10が使い尽くされて芯管13のみとなった包材があり、回収する何れの使用済みの包材も旧包材14bと称するものとする。また、帯状フィルム10についても、区別する場合は新帯状フィルム10a、旧帯状フィルム10bと称する。また、包装機のフィルム供給ユニット11の紙管シャフト12と、無人搬送車15のロールホルダ16とで受け渡す包材14を、便宜上、新旧包材14とも称するものとする。
【0016】
図1~
図3に示す如く、自動供給装置は、フィルムロール14を保持可能なロールホルダ16が設けられた前記無人搬送車15と、前記フィルム供給ユニット11に対応して無人搬送車15が位置付けられるよう配置した停留ステーション17と、該停留ステーション17において無人搬送車15を係留するよう位置決めする位置決め手段(係止手段)18と、ロールホルダ16と紙管シャフト12との間でフィルムロール14を移し換える移し換え手段19と、を備える。また、自動供給装置は、無人搬送車15の走行台車20の上部に水平方向へ遊動可能に支持され、前記ロールホルダ16が配設された遊動ベース21と、前記停留ステーション17において遊動ベース21の左右の移動を規制して無人搬送車15を受け入れるガイド手段22と、位置決め手段18により停留ステーション17に位置決めされた状態の無人搬送車15における遊動ベース21に対して、ロールホルダ16を、前記走行台車20の一側の外側まで延出した位置まで移動して紙管シャフト12と軸心を揃えて延出端同士が近寄るように突き合わされる整合位置まで移動し、また、その整合位置から後方へ離間した退避位置まで往復移動する可動手段23と、を備える。また、自動供給装置は、無人搬送車15のロールホルダ16と平行に延在し、該ロールホルダ16に保持された新フィルムロール14aから引き出した新帯状フィルム10aの引き出し端部(包材端部)を支持するフィルムガイド(包材ガイド)24を備えている。
【0017】
図2、
図8に示す如く、前記フィルム供給ユニット11は、フィルム供給方向と交差する前後方向の前方に開放する機枠25の奥側に、前後方向の軸回りに回転可能に支持された回転盤26が配設されて、該回転盤26には、フィルムロール14を着脱可能に保持する紙管シャフト12が、周方向に180度間隔で離間して2箇所に回転自在に配設され、一方の紙管シャフト12に保持されたフィルムロール14から引き出された帯状フィルム10が製袋手段に向けて供給される。紙管シャフト12は、フィルムロール14の芯管13が前方から挿脱可能なように、回転盤26に対して前方に延出するように片持ち支持された支持シャフトである。また、紙管シャフト12は、爪部材が空気圧によって半径方向外側へ広がって芯管13を内周側から保持可能なエアチャック(チャック)12aを備え、該エアチャック12aによって紙管シャフト12に対してフィルムロール14が保持される。なお、各紙管シャフト12は、後述するロール交換位置S2に位置付いた後に、図示しない駆動モータからの回転力が伝達されて、フィルムの引き出しに際して回転する方向とは逆方向に回転駆動力が伝達されるよう構成されている。そして、新旧の帯状フィルム10a,10bをスプライスした際に、切断された旧帯状フィルム10bの終端部を旧フィルムロール14bに巻き戻し得るよう構成される。
【0018】
図7、
図8に示す如く、前記フィルム供給ユニット11には、一方の紙管シャフト12に保持されて使用中の旧フィルムロール14bの旧帯状フィルム10bに、他方の紙管シャフト12に保持されている新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aにおける先端部を繋ぎ合わせるためのスプライサ(包材接合機構)27が配設されている。スプライサ27は、前記新帯状フィルム10aにおける先端部(引き出し端部)を、加熱シールして前記旧帯状フィルム10bの終端部に溶着して新旧の帯状フィルム10a,10bを接合すると共に、旧帯状フィルム10bにおける旧フィルムロール14bからの引き出し部分を幅方向に切断する。スプライサ27は、各紙管シャフト12を回転盤26に所定角度毎で配設して、回転盤26の回転にともない回転移動するよう配設されて新帯状フィルム10aにおける先端部を負圧によって保持可能な2つのフィルム端保持部材(端部保持部材)28と、新旧の帯状フィルム10a,10bを幅方向に加熱シールするヒートシール部29と、旧帯状フィルム10bの接合位置からのフィルム余剰部を幅方向に切断する切断部30と、を備える。スプライサ27は、フィルム供給ユニット11より下流側に配設されたダンサロールに貯溜されている旧帯状フィルム10bが製袋手段に向けて供給されている間に、旧フィルムロール14bからの旧帯状フィルム10bの引き出しを停止し、その間に新旧の帯状フィルム10a,10bの接合を行う。
【0019】
図1、
図5、
図7、
図8に示す如く、前記回転盤26は、インデックスモータによって、紙管シャフト12を、製袋手段へ帯状フィルム10を供給するフィルム繰出し位置(包材繰出し位置)S1と、紙管シャフト12に対して新フィルムロール14aの供給および旧包材14b(使用済みフィルムロール14bや芯管13)の回収を行うロール交換位置(交換位置)S2とに位置付けるよう構成される。なお、一方の紙管シャフト12がフィルム繰出し位置S1に位置付くことで、他方の紙管シャフト12がロール交換位置S2に位置付くよう構成される。前記フィルム端保持部材28は、対応する紙管シャフト12がロール交換位置S2に位置付けられた状態では、該紙管シャフト12の側方において、フィルム繰出し位置S1に位置付けられた他方の紙管シャフト12に保持されている旧フィルムロール14bから製袋手段に向けて供給されている旧帯状フィルム10bの下方で吸着部28aの吸引孔28bが下向きとなり、該吸引孔28bに新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aにおける先端部が保持される。そして、ロール交換位置S2の紙管シャフト12をフィルム繰出し位置S1に向けて回転する際に、対応するフィルム端保持部材28は吸引孔28bが上向きとなるよう変換すると共に保持している新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aにおける先端部の溶着面となる裏面と旧帯状フィルム10bの溶着面となる裏面とを重ねた状態で、吸引孔28bが上向きとなる。スプライサ27の前記ヒートシール部29および切断部30は、吸引孔28bが上向きとなったフィルム端保持部材28の上方に配置され、該フィルム端保持部材28と干渉しない上方の離間位置から作用位置まで下降することで、フィルム端保持部材28の上面で重なった新旧の帯状フィルム10a,10bを加熱シールすると共に、旧帯状フィルム10bを切断するよう構成される。
【0020】
図1、
図2、
図4に示す如く、包装機のフィルム供給ユニット11において、前記機枠25の手前側に、無人搬送車15を位置付ける前記停留ステーション17が設けられる。停留ステーション17は、幅方向に離間して機枠前面から前方に延出する一対の延出部材31,31を備え、一対の延出部材31,31の間のフィルム供給ユニット11における左右の機枠間において、無人搬送車15の進入および後退を許容するよう構成される。各延出部材31には、前記ガイド手段22としての、弾性ローラ(ローラ)32が、上下方向の軸回りに自由回転可能に複数個前後に(フィルム供給ユニット11に対する無人搬送車15の進入方向へ)並べて支持される。幅方向に離間して周面が対向するローラ32,32における周縁部の離間間隔は、無人搬送車15の前記遊動ベース21の横幅に一致する寸法に設定されて、停留ステーション17に進入する無人搬送車15における遊動ベース21の左右の縁部を挟んで自由回転するローラ32,32で、該遊動ベース21を幅方向の両側から支持して幅方向の移動を規制するよう構成される。そして、遊動ベース21がローラ32,32によって幅方向の移動が規制されると、前記ロール交換位置S2の紙管シャフト12の軸心と、無人搬送車15のロールホルダ16の軸心とが傾斜することなく一直線状に揃うよう構成される(
図1参照)。このようにして、位置精度が高精度なものでも数センチ程度とされている無人搬送車15が、停留ステーション17へ進入する時に進入位置誤差が生じて、走行台車20の左右のずれや、斜めに進入してきた場合においても、遊動ベース21がその誤差を吸収すべく水平方向に自由に移動し、無人搬送車15の停留ステーションへの進入が良好に案内され、停留ステーション17へ進入した後に、遊動ベース21が、ローラ32により位置規制されて、遊動ベース21上に配設されたロールホルダ16は、包装機のフィルム供給ユニット11における紙管シャフト12に対して位置合わせされて、傾斜することなく一直線状となって、正しい位置に位置付くことができる。
【0021】
図2、
図4に示す如く、前記延出部材31,31には、前記無人搬送車15の遊動ベース21を、停留ステーション17において位置決めする前記位置決め手段18が配設されている。位置決め手段18は、各延出部材31に配設されて遊動ベース21に設けた後述する係合凹部(係合孔)39に係脱可能に係合する係合部材33と、該係合部材33を係合凹部39に対して進退移動するエアシリンダからなる作動手段34と、を備える。また、、係合凹部39と係合部材33の配設位置は、3つのローラ32が並ぶ長さの中央の位置、すなわち実施例では真中のローラ32の支持軸と幅方向において一致する位置に設けられる。そして、係合部材33を係合凹部39に係合することで、遊動ベース21が停留ステーション17におけるフィルム供給ユニット11の紙管シャフト12に対して左右前後の位置関係が揃った状態の適正位置に不動状態となって、無人搬送車15が係留される。一方の係合部材33には、エア供給部としてのエア供給部材(動力供給部、動力接続手段)35が配設されており、該エア供給部材35は、圧縮エアの供給源(エア源)からの圧縮エアの供給路に接続されている。エア供給部材35に圧縮エアが供給されると、接続体35aが飛び出して接続体35aに設けた圧縮エアの供給口が遊動ベース21の上面に接する。そして、接続体35aに設けた圧縮エアの供給口から圧縮エアが吹出し、圧縮エアの供給停止によって接続体35aが自動で元の位置に戻るよう構成される。そして、係合部材33を遊動ベース21の係合凹部39に係合した状態で、エア供給部材35に圧縮エアが供給されると、遊動ベース21の上面に接したエア供給部材35と、遊動ベース21に設けた後述するエア連通孔40とが連通し、エア連通孔40から圧縮エアを供給し得るよう構成される。
【0022】
図1に示す如く、前記一対の延出部材31,31の間に臨むフィルム供給ユニット11の機枠25に、近接スイッチ36が配設されている。無人搬送車15の前部にマグネット式の検知体37が配設されており、停留ステーション17に進入した無人搬送車15が近接スイッチ36により検知されると、無人搬送車15の走行が停止され、前記作動手段34が作動されて前記係合部材33が係合凹部39に係合する。また、係合部材33が係合して遊動ベース21が不動状態になることで、前記エア供給源からエア供給部材35を経て圧縮エアの供給を開始するよう構成される。
【0023】
図1、
図3に示す如く、前記無人搬送車15は、車載バッテリーからの電力供給を受けた動力によって、食品工場等の床面を自走可能な走行台車20を備え、該走行台車20の上部に配設された固定ベース20aと、該固定ベース20aの上方に平板状の遊動ベース21が平行に配設される。固定ベース20aの上面には所定間隔毎にボールローラ20bが複数配設されており、前記遊動ベース21の下面が複数のボールローラ20b上に載置されて、遊動ベース21は水平方向に遊動可能に支持される。なお、前記停留ステーション17に無人搬送車15が進入する際の前記包装機のフィルム供給ユニット11に向く側を前、反対側を後と称し、それと交差する方向を幅方向または左右と称する。遊動ベース21の前端および後端には、該遊動ベース21の固定ベース20aに対する前後および左右の遊動量を所定範囲内に規制する規制部材56が配設されており、遊動ベース21は、規制部材56で規制される位置を越えて前後および左右に移動しないよう構成される。実施例では、規制部材56が固定ベース20aの前端または後端に当接することで前後方向の移動が規制されると共に、該規制部材56が、固定ベース20aに配設されて側方に位置する規制体20cに当接することで左右方向の移動が規制される。また、規制部材56における固定ベース20aの下方に臨む部位に、固定ベース20aの下面に当接するボールローラが配設されており、遊動ベース21は、固定ベース20aに対して上方への移動も規制されるようになっている。また、前記固定ベース20aには、前端側に、幅方向に離間して2つのクッションゴムなどの弾性体からなるストッパ38が配設される。無人搬送車15が前記停留ステーション17に進入する際に、ストッパ38により走行台車20の前端の最大進入位置を規制し、過度な進入を防止する。前記停留ステーション17の各延出部材31に配設した前記係合部材33に係合する係合凹部39が、前記遊動ベース21に形成され、遊動ベース21における一方の係合凹部39に近接する位置に、前記エア供給部材35の接続体35aを接続可能にエア連通孔40が配設されている。係合凹部39は、上方に向けて拡がるテーパ面の貫通孔で形成されると共に、係合部材33は係合凹部39との接触面が対応するテーパ面で先細り状となった逆円錐形に形成され、係合部材33と係合凹部39との係合によって、停留ステーション17において遊動ベース21は水平方向の移動が規制される。
【0024】
図1、
図3、
図5に示す如く、前記無人搬送車15のロールホルダ16は、前記遊動ベース21に設けた前記可動手段23によって前後方向に移動される。可動手段23は、リニア駆動手段としての直動エアシリンダ41と、該直動エアシリンダ41によって前後移動するスライダ42と、からなるリニアスライド機構が採用され、スライダ42に配設した支持体43に、ロールホルダ16が前方に延出するよう片持ち支持されている。ロールホルダ16は、紙管シャフト12と同様に、フィルムロール14の芯管13に前方(延出端側)から挿脱可能な支持シャフトにより構成される。直動エアシリンダ41は、圧縮エアにより駆動する駆動手段であって、遊動ベース21の上面でエア連通孔40にエア供給部材35が接することで圧縮エアが供給され、所定のエア供給管路を経て供給される圧縮エアの駆動力により前記スライダ42を進退移動するよう構成される。すなわち、実施例の可動手段23は、圧縮エアを動力源にして作動するエア駆動機器が採用される。可動手段23は、前記直動エアシリンダ41によって、ロールホルダ16の延出端が、紙管シャフト12の延出端に近寄って向き合うように突き合わされる整合位置(
図1の二点鎖線位置、
図5(b)参照)と、該整合位置から後退してフィルムロール14を保持したロールホルダ16の延出端が、走行台車20の前縁部より外側にはみ出ない退避位置(
図1の実線位置、
図5(a)参照)との間で、ロールホルダ16を前後に水平移動するよう構成される。ロールホルダ16の整合位置におけるロールホルダ16と紙管シャフト12との延出端部の間隔は、ロールホルダ16と紙管シャフト12との間での新旧包材の乗り移りを支障なく行い得る間隔まで接近する。ロールホルダ16は、ホルダ筒16bの周面より外側に突出してフィルムロール14の芯管13を内周側から保持可能なエアチャック(チャック)16aを備える。エアチャック16aは、前記エア連通孔40を経て圧縮エアが供給されている状態において、電磁弁の切り替えによって芯管13の保持が解除されてその解除状態を維持し、また解除状態での電磁弁の切り替えによって芯管13を保持してその保持状態を維持する。なお、可動手段23は、前記近接スイッチ36が検知体37を検知して無人搬送車15が停留ステーション17に位置付いたことが検知されることで退避位置のロールホルダ16を整合位置に向けて移動し、ロールホルダ16が前記整合位置へ到達したことを検出すると可動手段23が停止される。なお、ロールホルダ16が整合位置から退避位置まで後退したのが検出されると、可動手段23によるロールホルダ16の移動が停止される。
【0025】
図1、
図3に示す如く、前記支持体43の前面に配設されて側方に延出する、ブラケット44が配設され、該ブラケット44には、ロールホルダ16の軸心方向に平行に配設したフィルムガイド24が設けられ、該フィルムガイド24は、前記可動手段23によってロールホルダ16と一体で水平移動する。フィルムガイド24は、ブラケット44から前方(支持体43に対するロールホルダ16の延出方向と同方向)に向けて延出する丸棒状の支持バー45と、該支持バー45より下方において配置され、前方に向けて延出し、回転可能に支持された支持部材46と、を備えている。支持部材46は、新フィルムロール14aから引き出した新帯状フィルム10aの先端部のフィルム幅全域を、引き出し方向に、所定長さに亘り受け支え可能な受け板46aを備える。該受け板46aの板面(支持面)により、フィルム先端部はカールすることなくフラット(平)に拡がった状態で支持されて下方へ垂れ下がる。フィルムガイド24は、ブラケット44に配設したロータリーアクチュエータからなる作動手段47によって、その姿勢を、受け板46aの板面が側方を向く第1姿勢(
図3、
図6の二点鎖線参照)と、板面が上下を向いて水平に延在する第2姿勢(
図6の実線参照)とに90度変換するよう構成される。作動手段47は、圧縮エアを動力源として作動するエア駆動機器であって、前記可動手段23及び前記エアチャック16aと同様に、前記エア供給部材35が前記エア連通孔40に接続されて供給される圧縮エアによって、支持部材46を第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変換する。支持部材46が第1姿勢に保持されている状態において、ロールホルダ16に保持された新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aから引き出した該新帯状フィルム10aの引き出し端部は、支持バー45の上部に掛け渡した後に、前記支持部材46における受け板46aの板面の外側に沿って上下方向に垂れ下がるように案内されて、新帯状フィルム10aの先端縁が受け板46aの板面の範囲内に位置付けられた状態でセットする。
【0026】
図1、
図3に示す如く、前記支持バー45および支持部材46は、ロールホルダ16に装着した新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aにおける先端縁を支持可能に、所定長さで延出しており、前記移し換え手段19によって、新フィルムロール14aが、前記整合位置まで移動したロールホルダ16から前記紙管シャフト12に移し換えられる際に、新フィルムロール14aが後述する規定位置まで送り込みを完了する位置まで、受け板46aの板面まで引き出されている新帯状フィルム10aの引き出し端部を支持可能に構成される。そして、新フィルムロール14aが紙管シャフト12の規定位置まで送り込まれると、
図6に示す如く、第1姿勢で新帯状フィルム10aの引き出し端部を裏側から支持している支持部材46の受け板46aを前記作動手段47によって第2姿勢に姿勢変換することで、水平に持ち上げた新帯状フィルム10aの引き出し端部の表面を、前記ロール交換位置S2に位置付いた紙管シャフト12に対応するフィルム端保持部材28の吸着部28aにおける下向きの吸引孔28bに添わせるようにして押し付けるよう構成される。
【0027】
図1、
図2、
図5、
図7に示す如く、前記機枠25に、無人搬送車15のロールホルダ16とフィルム供給ユニット11の紙管シャフト12との間で、フィルムロール14の移し換えを行う前記移し換え手段19が配設される。移し換え手段19は、ロールホルダ16と紙管シャフト12との軸心を揃えて突き合わせた前記整合位置において、ロールホルダ16や紙管シャフト12の軸方向と交差する一側方から移動して、フィルムロール14における芯管13の側端面に臨む位置へ位置付くことが可能に、前記ロールホルダ16や紙管シャフト12を指向する側となる一側方が開放し、新旧包材の移し換え時において紙管シャフト12を挟んだ両側に臨む押片48b,48bを有する押し出し体48aを備えて、横向き略U字状に形成された押し出し部材48と、該押し出し部材48を紙管シャフト12の延在方向となる前後方向に往復移動する前後移動手段(第1の移動手段)49と、押し出し部材48を紙管シャフト12の延在方向(軸線方向)と交差する方向に横移動する横移動手段(第2の移動手段)50と、を備える。横移動手段50は、ロッドレスエアシリンダからなるリニアアクチュエータ51と、該リニアアクチュエータ51によって往復移動されるスライダ52とからなるリニア作動手段により構成され、該横移動手段50のスライダ52に、前後移動手段49が配設される。前後移動手段49は、サーボモータ53により前記押し出し部材48を往復動作する電動アクチュエータ54と、該電動アクチュエータ54により前後方向に移動される移動体55と、からなるリニアサーボ駆動手段が採用され、該移動体55に押し出し部材48が配設される。横移動手段50は、前後移動手段49に配設した押し出し部材48を、ロールホルダ16および紙管シャフト12に保持されるフィルムロール14の周縁部より外側位置まで離間した横移動位置P(P1,P2)(
図2、
図5(a)参照)と、ロールホルダ16および紙管シャフト12に保持されているフィルムロール14の芯管13の側端面を押送可能な送り位置N(N1,N2)(
図5(b)、
図7参照)とに位置付けるよう構成される。また、前後移動手段49は、無人搬送車15が整合位置に位置付けられた際に、押し出し部材48を、ロールホルダ16に保持した新フィルムロール14aの、芯管13の手前端面側に臨ませる、第1押送位置N1と、紙管シャフト12がロール交換位置S2に位置付いた際に、押し出し部材48を、紙管シャフト12に保持された旧フィルムロール14bの、芯管13の奥端面側に臨ませる、第2押送位置N2との間を往復移動する。すなわち、移し換え手段19は、ロールホルダ16が整合位置に位置付けられた状態で、押し出し部材48を、前側の横移動位置P1(P)から送り位置Nの第1押送位置N1へ移動した後、該押し出し部材48を第2押送位置N2に向けて移動することで、ロールホルダ16に保持されている新フィルムロール14aを空の紙管シャフト12に向けて押し出して移し換える。また、移し換え手段19は、ロールホルダ16が整合位置に位置付けられた状態で、押し出し部材48を、奥側の横移動位置P2(P)から送り位置Nの第2押送位置N2へ移動した後、該押し出し部材48を第1押送位置N1に向けて移動することで、紙管シャフト12に保持されている旧フィルムロール14bや芯管13などの旧包材14bを空のロールホルダ16に向けて押し出して移し換える。
【0028】
ここで、フィルムロール14のフィルム幅方向中心位置は、包装機のフィルム搬送中心と合致して搬送されるように紙管シャフト12に装填される。前記前後移動手段49における移動範囲の設定において、前記第1押送位置N1を、押し出し部材48の移動範囲の中心を基点としてその基点からフィルム幅に応じて移動範囲が設定されるようにすればよい。そして、前後移動手段49の移動位置をサーボモータのパルス数などから得ることで、前後移動手段49による押し出し部材48の移動を停止するよう設定される。また、ロールホルダ16に保持した新フィルムロール14aを紙管シャフト12に供給する場合に、無人搬送車15が停留ステーション17に位置付けられたことを前記近接スイッチ36が検知すると、ロールホルダ16のエアチャック16aによる新フィルムロール14aの保持を解除すると共に、前後移動手段49の押し出し部材48によって新フィルムロール14aが規定位置まで送り込まれたこと(新フィルムロール14aが紙管シャフト12に移し換えられたこと)が前記の如く検出されると、紙管シャフト12のエアチャック12aにより新フィルムロール14aを保持するよう構成される。また、紙管シャフト12の使用済みの旧フィルムロール14bやフィルムが使い尽くされた芯管13などの旧包材14bを無人搬送車15に回収する場合に、無人搬送車15の空のロールホルダ16が、前記可動手段23によって前記整合位置に位置付けられたことが検出されると、紙管シャフト12のエアチャック12aによる旧包材14bの保持を解除すると共に、前後移動手段49の押し出し部材48によって旧包材14bがロールホルダ16に移し換えられたことが検出されると、ロールホルダ16のエアチャック16aにより旧包材14bを保持するよう構成される。
【0029】
次に、実施例に係る包材フィルムの自動供給装置の作用について説明する。
(新フィルムロール14aを、紙管シャフト12に供給する場合)
前記フィルム供給ユニット11は、空の紙管シャフト12がロール交換位置S2に位置付けられると共に、前記移し換え手段19は、前記押し出し部材48が送り位置N(第1押送位置N1)から一側方に退避した前側の横移動位置P1に位置付けられている。また、前記無人搬送車15は、退避位置に位置付けられている紙管シャフト12に新フィルムロール14aの芯管13が挿通されて保持されると共に、該新フィルムロール14aから引き出した新帯状フィルム10aが、前記支持バー45の外側を通って第1姿勢の支持部材46における受け板46aの外面に沿って先端部が垂れ下がるようにセットされている。包装機の制御手段から新旧包材交換要求信号が出力されると、無人搬送車15は、前記要求信号を発信している包装機のフィルム供給ユニット11まで走行してきて、
図5(a)に示す如く、前記フィルム供給ユニット11の停留ステーション17に進入して、前記近接スイッチ36が検知体37を検知することで、無人搬送車15は停止する。また、無人搬送車15が停留ステーション17に進入する際に、前記ローラ32,32で遊動ベース21が案内されて、該遊動ベース21は、ロールホルダ16の軸心が、フィルム供給ユニット11のロール交換位置S2に位置付けられている紙管シャフト12の軸心と前後に揃うように位置規制される。なお、フィルム供給ユニット11のロール交換位置S2に位置付けられている紙管シャフト12の軸心に合わせて、無人搬送車15のロールホルダ16の軸心高さが一致するように構成されている。近接スイッチ36によって停留ステーション17への無人搬送車15の進入完了(所定の位置に位置付けられたこと)が検知されると、前記位置決め手段18の作動手段34,34によって係合部材33,33を遊動ベース21に接近させ、該係合部材33,33が遊動ベース21の係合凹部39,39に係合することで、該遊動ベース21は停留ステーション17に位置決め(係留)される(
図4参照)。また、前記エア供給部材35に圧縮エアが供給され、前記接続体35aが突出して供給口が遊動ベース21のエア連通孔40に連通し、圧縮エアがエア連通孔40および供給路を介して可動手段23の直動エアシリンダ41に供給され、当該直動エアシリンダ41が作動可能な状態となる。また、圧縮エアが供給されると、エアチャック16aによるロールホルダ16における芯管13の保持と解除との切り替えが可能な状態となる。
【0030】
前記位置決め手段18によって遊動ベース21が位置決めされると、前記可動手段23によってロールホルダ16を退避位置から整合位置に向けて前進させ、該ロールホルダ16の先端(延出端)が紙管シャフト12の先端(延出端)の近傍まで近寄った整合位置に至ったことを検出すると可動手段23が停止するよう動作制御される。また、エアチャック16aによる新フィルムロール14aの芯管13の保持が解除され、その解除状態が維持される。また、前記移し換え手段19を動作制御して、
図5(b)に示す如く、前記第1押送位置N1から一側方に退避した前側の横移動位置P1に位置している押し出し部材48を、横移動手段50によって送り位置Nまで横移動して第1押送位置N1に位置付けた後、前後移動手段49によって押し出し部材48を第2押送位置N2に向けて移動する。送り位置Nの押し出し部材48は、ロールホルダ16に保持されている新フィルムロール14aの芯管13の側端面に当接し、該新フィルムロール14aはロールホルダ16から押し出されて空の紙管シャフト12に送り込まれる。新フィルムロール14aが紙管シャフト12に対して規定位置まで送り込まれたことを検出すると、前後移動手段49による押し出し部材48の移動を停止すると共に、紙管シャフト12のエアチャック12aにより新フィルムロール14aの芯管13を保持する。また、前記フィルムガイド24の作動手段47により支持部材46の受け板46aを第1姿勢から第2姿勢に姿勢変換し、
図6、
図8(a)に示す如く、該支持部材46の受け板46aにおける支持面によって支持されている新帯状フィルム10aの引き出し端部の表面を、前記スプライサ27において、下向き姿勢となっているフィルム端保持部材28の吸着部28aにおける吸引孔28bに押し付け、該引き出し端部はフィルム端保持部材28に負圧によって保持される。なお、新フィルムロール14aを押し出し部材48によって規定位置まで送り込んだ移し換え手段19は、横移動手段50および前後移動手段49によって押し出し部材48を送り位置Nから一側方に退避した位置まで横移動した後に前側の横移動位置P1まで移動して待機する。また、無人搬送車15は、前記作動手段47により支持部材46を第1姿勢に戻した後、可動手段23によってロールホルダ16を退避位置まで移動して停止する。
【0031】
空のロールホルダ16が退避位置まで移動したことが検出されると、前記回転盤26を回転し、旧フィルムロール14bを保持している紙管シャフト12をロール交換位置S2に移動すると共に、新規に供給された新フィルムロール14aを保持している紙管シャフト12をフィルム繰出し位置S1に移動する。このとき、新フィルムロール14aの新帯状フィルム10aにおける引き出し端部を保持しているフィルム端保持部材28は、旧フィルムロール14bから引き出されている旧帯状フィルム10bの下方において吸引孔28bが上向きとなるよう変換されて、保持している新帯状フィルム10aの引き出し端部の溶着面である裏面が旧帯状フィルム10bの裏面に密着し、吸引孔28bが上向きとなる。2つの紙管シャフト12,12がフィルム繰出し位置S1とロール交換位置S2とに至って回転盤26の回転が停止すると、
図8(b)に示す如く、前記ヒートシール部29および切断部30が退避位置から作用位置まで下降し、ヒートシール部29によってフィルム端保持部材28の上面で重なっている新旧の帯状フィルム10a,10bが加熱シールされると共に、旧帯状フィルム10bがシール位置より旧フィルムロール側で切断される。旧帯状フィルム10bが切断されると、旧フィルムロール14bを保持している紙管シャフト12が自転して、旧フィルムロール14bから延出している旧帯状フィルム10bの終端部が巻き戻されて、接合により生じたフィルムの弛みを無くすよう構成される。なお、このフィルム接合動作中に、前記ダンサロールに貯溜されている旧帯状フィルム10bは包装機へのフィルムの供給を止めることなく連続的なフィルム搬送が継続される。そしてフィルム繰出し位置S1に位置付けられた紙管シャフト12に保持されている新フィルムロール14aから引き続いて新帯状フィルム10aが引き出されて包装機の製袋手段に向けて供給される。
【0032】
(旧フィルムロール14bを、無人搬送車15に回収する場合)
前記移し換え手段19は、送り位置N(第1押送位置N1)から一側方に退避した前側の横移動位置P1で待機している押し出し部材48を、前後移動手段49によって奥側の横移動位置P2まで移動した後、横移動手段50によって押し出し部材48を送り位置Nまで横移動して第2押出位置N2に位置付ける。また、新フィルムロール14aを紙管シャフト12に供給した後に退避位置まで移動したロールホルダ16、あるいは新たに停留ステーション17に位置付けられた別の無人搬送車15で包材を保持していない、空のロールホルダ16を、前記可動手段23によって退避位置から前記整合位置まで移動して停止する。ロールホルダ16が整合位置に至ったことを検出すると、ロール交換位置S2の紙管シャフト12のエアチャック12aによる旧フィルムロール14bの保持を解除する。そして、前記移し換え手段19は、送り位置Nにおいて第2押送位置N2に位置付いている押し出し部材48を、前後移動手段49によって第1押送位置N1に向けて移動する。
図7に示す如く、送り位置Nの押し出し部材48は、紙管シャフト12に保持されている旧フィルムロール14bの芯管13の側端面に当接し、該旧フィルムロール14bは紙管シャフト12から押し出されて空のロールホルダ16に送り込まれる。旧フィルムロール14bがロールホルダ16に送り込まれたことを検出すると、前後移動手段49による押し出し部材48の移動を停止し、移し換え手段19は、前後移動手段49および横移動手段50によって押し出し部材48を送り位置Nから一側方に退避する位置まで横移動した後に前側の横移動位置P1まで移動して待機する。
【0033】
前記無人搬送車15は、旧フィルムロール14bがロールホルダ16に送り込まれたことが検出されると、前記可動手段23によってロールホルダ16を整合位置から退避位置に向けて後退させ、該ロールホルダ16が退避位置まで移動したことが検出されると、該可動手段23を停止すると共に、前記フィルムガイド24の支持部材46における受け板46aを、作動手段47によって第1姿勢に変換する。また、ロールホルダ16のエアチャック16aにより旧フィルムロール14bの芯管13を保持すると共に、前記位置決め手段18の作動手段34,34によって係合部材33,33を係合凹部39,39から離間して遊動ベース21の位置決めを解除する。旧フィルムロール14bを回収した無人搬送車15は、工場内を自動走行し、回収した旧フィルムロール14bを、任意の保管場所へ搬送する。また、使い尽くされた旧フィルムの芯管13を回収した場合は、該芯管13を廃棄処分場所などへ搬送する。
【0034】
実施例の包材フィルムの自動供給装置では、工場内を自由に走行することができる無人搬送車15で新フィルムロール14aを保持して包装機のフィルム供給ユニット11まで送り、使用済みの旧フィルムロール14bと新フィルムロール14aとを人手を介さずに全自動で移し換え、回収した旧フィルムロール14bを任意の保管場所に搬送したり、回収した芯管13を廃棄処分場所などに搬送したりすることができる。すなわち、無人搬送車15と組み合わせることで、フィルムロール14を搬送するコンベアなどの搬送手段を含む装置を設置するスペースを別途確保する必要が無く、工場内のスペースを有効利用することができる。また、工場内に複数台の包装機が設置されるような環境であっても、無人搬送車15により複数の包装機へ異なるフィルムロール14を送り届けて、送り先となる包装機で新旧フィルムロール14a,14bを交換できるので、省スペース化を図り得ると共に装置コストを抑えることができる。無人搬送車15は、新フィルムロール14aを保持しているロールホルダ16を、紙管シャフト12と軸心を揃えて端部同士が突き合わされる整合位置と退避位置との間で往復移動する可動手段23を備えているので、無人搬送車15を前記停留ステーション17に位置付けたもとで、可動手段23によってロールホルダ16を、包装機の紙管シャフト12と軸心が揃う適正な整列位置に位置決めすることができ、ロールホルダ16と紙管シャフト12との間の新フィルムロール14aの移し換えをスムーズに行うことができる。また、無人搬送車15のロールホルダ16は、その軸心高さが、ロール交換位置S2に位置付けられている紙管シャフト12の軸心に合わせた高さに設定されているので、該ロールホルダ16に保持されている新フィルムロール14aのロール径が異なる場合であっても高さ調節することなく、紙管シャフト12へ新フィルムロール14aを移し換えることができる。
【0035】
前記フィルム供給ユニット11に設けた停留ステーション17に、複数のローラ32,32からなるガイド手段22および位置決め手段18を設けているので、無人搬送車15の遊動ベース21を、停留ステーション17にスムーズに受け入れて、該遊動ベース21を適正な位置に位置決めすることができ、遊動ベース21のロールホルダ16と包装機の紙管シャフト12との軸心を揃わせて、ロールホルダ16と紙管シャフト12との間の新旧包材14a,14bの移し換えをスムーズに行うことができる。また、ロールホルダ16および紙管シャフト12に設けたエアチャック16a,12aによって、新旧包材14a,14bの保持と解除とを行って、移し換え手段19によりロールホルダ16と紙管シャフト12との間の新旧包材14a,14bの移し換えを、人手を介さずに適正な時期に全自動で繰り返すことができる。
【0036】
前記移し換え手段19の押し出し部材48を前後移動する前後移動手段49を、リニアサーボ駆動手段で構成したので、新旧包材14a,14bのサイズに合わせた数値設定により、押し出し部材48を適正位置に位置付けることができると共に、適正な移動範囲として往復動作させることができる。また、設定した位置データは、品種毎に記憶しておけば、品種切り替え操作において押し出し部材48の位置を呼び出して自動で位置付けすることができ、その都度設定し直す必要がない。そのため、不慣れな作業者でも簡単に押し出し部材48の位置を適正位置に位置付けることができる。また、ロールホルダ16および紙管シャフト12に保持されているフィルムロール14の側端面に、押し出し部材48を、精度よく押し当てることができる。また、押し出し部材48は、紙管シャフト12の外周近傍に臨む一対の押片48b,48bによって、ロールホルダ16と紙管シャフト12との間で、新旧包材14a,14bを良好に移し換えることができる。更に、停留ステーション17に、無人搬送車15に設けられた可動手段23、作動手段47およびエアチャック16aの動力源となる圧縮エアを供給するエア供給部材35を設けたので、該可動手段23、作動手段47およびエアチャック16aの駆動力を与えるための動力供給源となるバッテリーなどを無人搬送車15に搭載する必要がなく、無人搬送車15の重量を軽量化して無人搬送車15の走行性能などの動作性能が低下するのを防止することができる。
【0037】
前記無人搬送車15に、新フィルムロール14aから引き出した新帯状フィルム10aにおける引き出し端部を、スプライサ27のフィルム端保持部材28へ受け渡す支持部材46を設けているので、新フィルムロール14aを紙管シャフト12へ移し換えるに際し、新帯状フィルム10aにおける引き出し端部をスプライサ27のフィルム端保持部材28まで直接受け渡すことができ、人手を介さずに新フィルムロール14aの自動装填を良好に行うことができる。また、無人搬送車15に支持部材46を設けているので、スプライサ27の構成を簡略化できると共に、スプライサ27への新帯状フィルム10aの装填を良好に行うことができる。また、新フィルムロール14aから引き出された新帯状フィルム10aの引き出し端部を支持するフィルムガイド24は、可動手段23によってロールホルダ16と一体で移動するよう構成したので、新フィルムロール14aの芯管13を、無人搬送車15のロールホルダ16から包装機の紙管シャフト12に対して挿通させるよう、スムーズに移し換えることができる。また、無人搬送車15に設けたフィルムガイド24によって、無人搬送車15から包装機のスプライサ27におけるフィルム端保持部材28へ受け渡すまでの間、新帯状フィルム10aの引き出し端部は常に支持状態となって、他へ受け継ぐことなく直にフィルム端保持部材28へ受け渡すので、新帯状フィルム10aの引き出し端部が折れ曲がったり、捲れ上がったり、位置ずれしてしまったりするのを防止して良好な支持状態となって、該引き出し端部のフィルム端保持部材28への受け渡しを良好に実施することができる。しかも、新帯状フィルム10aの垂れ下がった引き出し端部を、支持部材46の受け板46aによって新フィルムロール14aからの引き出し方向に所定範囲で支持した状態から、そのまま持ち上げてスプライサ27のフィルム端保持部28に押し付けるので、新フィルムロール14aの包装機への装填時に新帯状フィルム10aの引き出し端部も安定的かつ良好に受け渡すことができる。
【0038】
(変更例)
本発明は実施例などの構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例などに記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例では、無人搬送車15に設けた可動手段23や作動手段47として、圧縮エアを駆動力として作動する手段を採用したが、電力で作動する手段としてもよく、その場合は、停留ステーション17に設ける動力接続手段(動力供給部)として、電気的な継電器などの継電手段を採用すればよい。また、可動手段23や作動手段47として電力で作動する手段とした場合に、無人搬送車15に積載された駆動バッテリーや、別途積載した補助バッテリーにより各手段23,47の動力源とするように駆動力を得る構成を採用することができる。
(2) 実施例では、停留ステーション17に遊動ベース21を位置決めする位置決め手段18の係合部材33に、エア供給部材35を一体で設けたが、エア供給部材35を別の手段で上下動する構造を採用することができる。
(3) 位置決め手段18による遊動ベース21の位置決め方式や係合部材33の形状などは、実施例以外の各種係合構造や形状を選択して採用できる。
(4) フィルムガイド24は、走行台車20に設けるようにしても良い。
(5) 実施例では、ロールホルダ16とフィルムガイド24とを一体で前後移動するよう構成したが、別々の移動手段によって個別に移動する構成としても良い。
【0039】
(6) 実施例では、ロールホルダ16を水平に進退移動する構成としたが、ロールホルダ16の軸心を垂直姿勢から水平姿勢に変換するよう回動して、紙管シャフト12の軸心と揃える位置まで移動する構成を採用することができる。
(7) 実施例では、フィルムガイド24の支持部材46の姿勢を変換することで、支持している新帯状フィルム10aの引き出し端部をフィルム端保持部材28の吸引孔28bに押し付けるよう構成したが、フィルム端保持部材28の姿勢を変換して支持部材46で支持されたフィルムの引き出し端部を吸着手段により吸着する構成としても良い。
(8) 走行台車20の固定ベース20aに対する遊動ベース21の遊動構造は、固定ベース20aに対して遊動ベース21を、高さ位置を変動することなく水平方向へ自在に移動が可能に支持する公知の各種構造を採用することができる。また、遊動ベース21を停留ステーション17で位置規制するガイド手段22の構造は、遊動ベース21の幅方向の移動を規制しつつ進入および後退を許容することができる公知の各種構造を採用することができる。
(9) フィルムガイド24における支持部材46の受け板(支持面)46aに、帯状フィルム14(14a)の引き出し端部を負圧によって保持する吸引手段を設ける構成を採用することができる。このような構成によれば、無人搬送車15の走行中や、スプライサ27のフィルム端保持部材28への受け渡しまでに、外からの風の影響などを受けるなどして、帯状フィルム14(14a)の引き出し端部が位置ずれしてしまうのを防いで、支持部材46によるフィルム端保持部材28への帯状フィルム14(14a)の引き出し端部の受け渡しを適正に行うことができる。