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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030545
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133506
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 純士
(72)【発明者】
【氏名】岡田 真
(72)【発明者】
【氏名】澤藤 俊平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB55
(57)【要約】
【課題】仕組債などの債券に係るサービスをより容易に顧客に提供する技術を提供する。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、所定の債券を顧客に販売する事業者が使用する通信端末と、当該所定の債券を発行する金融機関である発行体が使用するサーバと、それぞれ通信可能な通信手段と、通信端末に表示される入力用ユーザインタフェースを介して入力される、事業者が所定の債券の内容を発行体に問い合わせるための1組の所定の情報を通信端末から取得する取得手段と、1組の所定の情報を取得したことに応じて、1組の所定の情報に基づいて各発行体が提供可能な所定の債券の内容を、複数の発行体のそれぞれのサーバに問い合わせる問い合わせ手段と、それぞれの発行体のサーバからの回答に基づいて、発行体からの回答に関する情報を表示する確認用ユーザインタフェースの情報を、通信端末に提供する提供手段と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
所定の債券を顧客に販売する事業者が使用する通信端末と、当該所定の債券を発行する金融機関である発行体が使用するサーバと、それぞれ通信可能な通信手段と、
前記通信端末に表示される入力用ユーザインタフェースを介して入力される、前記事業者が所定の債券の内容を前記発行体に問い合わせるための1組の所定の情報を前記通信端末から取得する取得手段と、
前記1組の所定の情報を取得したことに応じて、前記1組の所定の情報に基づいて各発行体が提供可能な所定の債券の内容を、複数の発行体のそれぞれの前記サーバに問い合わせる問い合わせ手段と、
それぞれの発行体の前記サーバからの回答に基づいて、発行体からの回答に関する情報を表示する確認用ユーザインタフェースの情報を、前記通信端末に提供する提供手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記問い合わせ手段は、前記1組の所定の情報に基づいて、前記複数の発行体のそれぞれに対して複数の異なる債券の内容を問い合わせるための複数の問い合わせを生成して、前記複数の発行体のそれぞれの前記サーバに対して前記複数の問い合わせを問い合わせる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供手段は、前記入力用ユーザインタフェースと前記確認用ユーザインタフェースとを前記通信端末で同時に表示させるように、前記入力用ユーザインタフェースの情報と前記確認用ユーザインタフェースの情報とを、前記通信端末に提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供手段は、発行体からの回答状況と、前記事業者が指定した対象項目に関して最良の所定の債券を提供する発行体とを示す情報を前記確認用ユーザインタフェースの情報として前記通信端末に提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1組の所定の情報は、複数の発行体のうちの、所定の債券の内容を問い合わせる発行体を指定する情報を含み、
前記問い合わせ手段は、各発行体が提供可能な所定の債券の内容を、指定された発行体の前記サーバに問い合わせる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品を取り扱うサービスのための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕組債の営業活動を支援するCRMシステムが知られている(特許文献1)。仕組債は、デリバティブ(株式や為替などの価格を基準に取引価格が決定される金融商品をいう)を組み込んだ債券であり、証券会社などの金融機関と顧客(投資家)との間で売買される。
【0003】
特許文献1に記載のCRMシステムは、本部システムを使用する発注者がアレンジャ(証券会社等において私募仕組債を作成する者)との間でやり取りした電子メールを記憶して、記憶した電子メールから所定のテキストを抽出し、勧誘する仕組債の候補を表示部に表示させる。本部システムの管理者が、仕組債の候補のうちの特定の仕組債に対して参照可能な営業店や勧誘枠を設定すると、対象の営業店システムの担当者が割り当てられた仕組債の勧誘を顧客に対して行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-134996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、仕組債の商品は、対象株式或いは対象指標、当該商品の利率、償還の条件など様々な設定が可能である。このため、仕組債の設定内容を調整するために、仕組債の内容を問い合わせる者と複数の金融機関(証券会社など)との間で大量のメールがやり取りされ、仕組債を顧客に勧誘する際の大きな作業負担となる場合がある。このため、仕組債に関する問い合わせのメールの作成や、金融機関から受信したメールに基づく顧客への商品の勧誘などの、仕組債に係るサービスを顧客に提供する際の種々の業務をより効率化するシステムが求められている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、仕組債などの債券に係るサービスをより容易に顧客に提供することが可能な技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
情報処理装置であって、
所定の債券を顧客に販売する事業者が使用する通信端末と、当該所定の債券を発行する金融機関である発行体が使用するサーバと、それぞれ通信可能な通信手段と、
前記通信端末に表示される入力用ユーザインタフェースを介して入力される、前記事業者が所定の債券の内容を前記発行体に問い合わせるための1組の所定の情報を前記通信端末から取得する取得手段と、
前記1組の所定の情報を取得したことに応じて、前記1組の所定の情報に基づいて各発行体が提供可能な所定の債券の内容を、複数の発行体のそれぞれの前記サーバに問い合わせる問い合わせ手段と、
それぞれの発行体の前記サーバからの回答に基づいて、発行体からの回答に関する情報を表示する確認用ユーザインタフェースの情報を、前記通信端末に提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仕組債などの債券に係るサービスをより容易に顧客に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る情報提供システムの概要を説明する図
図2】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図
図3】本実施形態に係る通信端末の機能構成例を示すブロック図
図4】本実施形態に係る通信端末に表示される、インディケーション要求管理画面を説明する図
図5】本実施形態に係る通信端末に表示される、インディケーション入力UIを説明する図
図6】本実施形態に係る通信端末に表示される、インディケーション入力UIの他の例を説明する図
図7】本実施形態に係る通信端末に表示される、インディケーション一覧UIを説明する図
図8】本実施形態に係る通信端末に表示される、インディケーション詳細画面を説明する図
図9】本実施形態に係る通信端末に表示される、プライシング管理画面を説明する図
図10】本実施形態に係る通信端末に表示される、参照指標管理画面を説明する図
図11】本実施形態に係るインディケーション管理処理の一連の動作を説明するフローチャート
図12】本実施形態に係る要求済インディケーション情報の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<情報処理システムの概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概要を示している。本実施形態に係る情報処理システム10は、情報処理装置100と、例えば一例としてのサーバである発行体サーバ101a~101dと、例えば一例としてのパーソナルコンピュータである通信端末102とを含む。情報処理装置100は、通信端末102と発行体サーバ101a~101dとそれぞれネットワークで接続され、種々のデータの送受信が可能である。
【0012】
発行体サーバ101a~101dは、例えば証券会社などの仕組債を発行する金融機関(この金融機関を発行体という)によって使用されるサーバである。発行体サーバ101a~101dは金融機関ごとに区別されるが、以下の説明において特に金融機関を区別する必要がない場合には、単に発行体サーバ101と記載する。
【0013】
通信端末102は、仕組債を顧客に販売する事業者103(例えばIFA業者)が使用する端末である。なお、本実施形態では、説明を簡略化するために事業者103を顧客に接する営業者として説明する。仕組債は、例えば、EB債であり、事業者103と発行体(のアレンジャ)との間で、参照銘柄(対象銘柄で指定される株式や株価指標)に応じた利率の設定(high coupon, low coupon等)、償還に関わる条件(ノックアウト(KO)(早期償還ともいう)条件やノックイン(KI)条件)等が設定される(すなわち仕組債の内容が決定される)。多くの場合、事業者103が、顧客の要望や市場動向に基づいて仕組債の内容を発行体に問い合わせ、(例えばアレンジャを介して)発行体が発行可能な仕組債の内容を事業者103に回答する。
【0014】
本実施形態では、事業者103は、後述のユーザインタフェースにおいて、例えば、対象銘柄や償還に関わる条件を設定し、複数の発行体に対して特定の対象項目(例えば手数料率)の設定を問い合わせることができる。発行体サーバ101で当該問い合わせを受けた発行体は、事業者103の設定した対象銘柄や償還に関わる条件において、例えば手数料率を設定した仕組債の内容を発行体サーバ101により回答する。このようにして、事業者103は、発行体からの回答に基づいて、事業者103の指定した対象項目(例えば手数料率)に関して最良の仕組債を提供する発行体を特定することができる。詳細については後述するが、事業者103は、指定可能な対象項目として、High coupon, Low coupon, Fee(手数料率)、ノックイン条件等を指定することができる。また、仕組債の設定に関する、対象銘柄や償還に関わる条件等の様々な条件を設定することができる。
【0015】
例えば、通信端末102には、事業者103が仕組債の内容を発行体に問い合わせるための所定の情報(例えば対象銘柄や償還に関わる条件や対象項目の指定)を入力する入力用ユーザインタフェースが表示される。例えば、事業者103が入力インタフェースを介して入力した仕組債に関する1組の情報(すなわち対象銘柄や償還に関わる条件の情報や対象項目の指定)は、情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、通信端末102から受信した1組の情報に基づいて、各発行体が提供可能な仕組債の内容を、各発行体が使用する発行体サーバ101a~101dに問い合わせる。情報処理装置100は、発行体サーバ101a~101dから、対象項目に関する設定を含んだ仕組債の内容を発行体の回答として取得する。情報処理装置100は、それぞれの発行体サーバ101から収集した回答に基づいて、当該回答に関する情報を通信端末102に表示させる。
【0016】
このように、本実施形態では、入力インタフェースを介して仕組債の内容に関する1度の問い合わせを情報処理装置100に送信することにより、複数の発行体サーバから回答を取得することができるため、事業者が個々にメールを作成して複数の発行体に問い合わせる作業負荷を軽減することができる。
【0017】
なお、以下の説明では、事業者103による発行体への仕組債の内容の問い合わせをインディケーション要求、インディケーション要求に対する発行体からの回答をプライシングという場合がある。
【0018】
また、本実施形態では、事業者や金融機関が、債券(或いは金融商品)の一例として仕組債を取り扱う場合を例に説明する。しかし、顧客に債券(或いは金融商品)を販売する事業者が、当該債券(或いは金融商品)を発行する複数の金融機関に問い合わせを行って、金融機関からの回答に基づいて顧客に提供する債券(或いは金融商品)の内容を決定する場合にも、本実施形態を適用することができる。
【0019】
情報処理装置100は、例えば、1つ以上のサーバで構成される。情報処理装置100は、上述の入力用ユーザインタフェースの情報を通信端末102に送信する。また、事業者103が仕組債の内容を発行体に問い合わせるための1組の所定の情報を取得すると、複数の発行体サーバ101a~101dへの問い合わせを行って、各発行体サーバの回答を収集する。情報処理装置100は、各発行体からの回答状況と、回答の内容を分析して、通信端末102に表示させるための確認用ユーザインタフェースの情報を生成し、当該情報を通信端末102に送信する。
【0020】
<情報処理装置の構成>
次に、図2を参照して、情報処理装置100の機能構成例について説明する。なお、図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。更に、本実施形態では、情報処理装置100が単体の装置である場合を例に説明するが、情報処理装置100が複数の装置で構成されてもよいし、また、1つ以上の仮想マシンとして構成されてもよい。
【0021】
通信部201は、通信端末102及び発行体サーバ101a~101dとそれぞれとネットワークを介して通信可能な通信回路又は通信モジュールを含む。
【0022】
制御部202は、CPU210と、RAM211とを含む。CPU210は1つ以上のプロセッサから構成されてよい。制御部202は、CPU210によって、RAM211又は記憶部204に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理装置100の各部の動作を制御したり、後述するインディケーション管理処理を実行したりする。
【0023】
RAM211は、例えばDRAM等の揮発性の記憶媒体であり、制御部202がコンピュータプログラムを実行するためのパラメータや処理結果等を一時的に記憶する。電源部203は、情報処理装置100の各部が動作するための電力を提供するための電源である。
【0024】
記憶部204は、例えばハードディスクや半導体メモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、情報処理装置100の動作に必要な設定値や、コンピュータプログラム等を格納する。記憶部204に保持されるコンピュータプログラムは、情報処理装置100の諸機能を実現するためのオペレーティングシステムや種々の業務用アプリケーションを含む。記憶部204は、対象銘柄情報220、指定発行体情報221、要求済インディケーション情報222、及び受信インディケーション情報223を含む。
【0025】
対象銘柄情報220は、通信端末102において事業者103が選択可能な対象銘柄の情報を含む。対象銘柄情報220は、例えば、対象銘柄を識別する識別情報(ID)、対象銘柄のコード、及び対象銘柄の名称の情報を含む。対象銘柄のコードは、例えば、日本株であれば東証コード、米国株であればティッカーシンボルなどであってよい。対象銘柄は、株式に限らず株価インデックスを含んでよく、株価インデックスは、例えば、「日経平均株価」指数、「S&P500」指数、「EURO STOXX50」指数、「ナスダック100」指数及び「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」指数を含んでよい。
【0026】
指定発行体情報221は、指定発行体に関する情報を含み、例えば、発行体の識別情報、発行体サーバのIPアドレス、及び当該発行体に対する問い合わせの送信可否を示す情報を含む。指定発行体情報221は、例えば、情報処理装置100の管理者によって予め設定されるが、事業者103の操作により追加、変更、削除されてもよい。情報処理装置100は、指定発行体情報221で許可されている発行体に対して仕組債の問い合わせを送信する。
【0027】
要求済インディケーション情報222は、情報処理装置100が発行体サーバ101に対して問い合わせを送信したインディケーション要求の情報を記憶する。要求済インディケーション情報222の詳細については、別途後述する。
【0028】
受信インディケーション情報223は、情報処理装置100が発行体サーバ101から受信した回答の情報を記憶する。受信インディケーション情報223の詳細については、別途後述する。情報処理装置100は、要求済インディケーション情報222と受信インディケーション情報223とを参照することにより、送信したインディケーション要求(すなわち問い合わせ)に対する発行体からの回答状況を特定することができる。
【0029】
インディケーション要求処理部212は、事業者103が仕組債の内容を発行体に問い合わせる情報を入力するための、入力用ユーザインタフェース(例えばインディケーション入力UI410)の情報を生成して通信端末102に送信する。また、インディケーション要求処理部212は、事業者103によって入力された1組の情報を取得し、当該1組の情報に基づいて、各発行体の発行体サーバ101に、発行体が提供可能な仕組債の内容を問い合わせるインディケーション要求を送信する。このとき、インディケーション要求処理部212は、上述の指定発行体情報221を参照して、インディケーション要求を送信する発行体サーバ101を特定する。
【0030】
インディケーション要求処理部212は、通信端末102から受信した1組の情報に基づいて、複数の発行体のそれぞれに対して複数の異なる仕組債の内容を問い合わせてもよい。具体的には、例えば、通信端末102から受信した1組の情報に、第1の対象銘柄と第2の対象銘柄との2つの対象銘柄が設定されている場合、インディケーション要求処理部212は、第1の対象銘柄に関する第1のインディケーション要求(第1の問い合わせ)と第2の対象銘柄に関する第2のインディケーション要求(第2の問い合わせ)とを生成し、それぞれの発行体サーバ101に当該2つのインディケーション要求を送信してもよい。
【0031】
更に、インディケーション要求処理部212は、発行体サーバ101からインディケーション要求に対する回答を受信して、確認用ユーザインタフェース(例えば図7に示すインディケーション一覧UI420)の情報を生成して、通信端末102に送信する。
【0032】
インディケーション要求処理部212は、例えば図4に示すように、入力用ユーザインタフェース(例えばインディケーション入力UI410)と確認用ユーザインタフェース(例えばインディケーション一覧UI420)とが通信端末102において同時に表示されるように、ユーザインタフェースの情報を生成して、通信端末102に送信する。
【0033】
回答状況管理部213は、インディケーション要求に対する回答を発行体サーバ101から受信すると、受信インディケーション情報223を更新する。また、要求済インディケーション情報222と受信インディケーション情報223とを参照して、送信したインディケーション要求に対する発行体からの回答状況を特定する。回答状況管理部213は、確認用ユーザインタフェース(例えばインディケーション一覧UI420)の情報を更新するように、インディケーション要求処理部212に更新された状態を通知する。例えば、インディケーション要求処理部212は、回答状況管理部213からの通知に基づいて、更新後の確認用ユーザインタフェースの情報を生成して、通信端末102に送信してもよい。
【0034】
交付書面生成部214は、後述するプライシング結果において、事業者103が図8に示すインディケーション回答状況804において、特定の回答に対して勧誘申請ボタン810を押下した場合に、当該回答に含まれる仕組債の内容を組み込んだ、顧客に提供する交付書面を作成する。
【0035】
インディケーション情報処理部215は、インディケーション要求処理部212が、事業者103によって入力された1組の情報を取得した際に、各設定値が所定の範囲内であるかのチェック(バリデーションチェック)を行う。インディケーション情報処理部215は、設定されたパラメータが所定の範囲外であると判定した場合には、例えば、エラー表示を行うための情報を通信端末102に送信してもよい。
【0036】
また、インディケーション情報処理部215は、発行体サーバ101からインディケーション要求に対する回答を受信した際に、回答に含まれる設定値が所定の範囲内であるかのバリデーションチェックを行う。例えば、ある発行体サーバ101から送信された回答の手数料率が規定の範囲を超えている場合、インディケーション情報処理部215は、当該パラメータがバリデーションエラーの状態であることを表示させるユーザインタフェースを生成して通信端末102に送信するように、インディケーション要求処理部212に通知する。
【0037】
<通信端末の構成>
次に、図3を参照して、通信端末102の機能構成例について説明する。本実施形態では、通信端末の一例として、パーソナルコンピュータを用いる場合を例に説明するが、通信端末は、スマートフォン、タブレット端末などの他の電子機器であってよい。なお、以降の図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0038】
通信部301は、例えば通信用回路等を含み、例えばLTE等の移動体通信を介してインターネットに接続したり、無線LAN通信を介してネットワークに接続したりして、情報処理装置100との通信を行う。
【0039】
制御部302は、CPU310及びRAM311を含み、例えば記憶部307に記録されたコンピュータプログラムをCPU310が実行することにより、通信端末102内の各部の動作を制御する。CPU310は、1つ以上のプロセッサを含む。また、RAM311は、例えばDRAMなどの揮発性の半導体メモリを含む。
【0040】
操作部303は、通信端末102の備えるタッチパネル或いはキーボード等を含む。操作部303は、表示部306に表示される各種操作用のGUIに対する操作(例えば、インディケーション入力UI410に対する仕組債の情報の入力)を受け付ける。電源部304は、通信端末102の各部へ電力を提供する。撮像デバイス305は、例えば、撮像素子を含むカメラ機構であり、制御部302からの指示に応じて撮影を行う。
【0041】
表示部306は、例えばLCDや有機ELパネル等の表示デバイスを含む。表示部306は、制御部302の指示に応じて、後述するインディケーション要求管理やインディケーション詳細に関するUI等を表示する。
【0042】
記憶部307は、例えば半導体メモリ等の不揮発性メモリを含み、制御部302が実行するプログラムや設定値を保持したりする。記憶部307に保持されるコンピュータプログラムは、通信端末102の諸機能を実現するためのオペレーティングシステムや、ブラウザなどの種々のアプリケーションを含む。
【0043】
<インディケーションに関するユーザインタフェースの例>
次に、図4から図10を参照して、事業者103の通信端末102に表示されるインディケーションに関する各種ユーザインタフェースの例について説明する。なお、図4から図10に示すユーザインタフェースの情報は、情報処理装置100のインディケーション要求処理部212によって生成されて通信端末102に送信される。通信端末102は、情報処理装置100から受信したユーザインタフェースの情報を、例えば、ブラウザアプリケーションを用いて処理して表示部306に表示させる。事業者103が各ユーザインタフェースにおいて操作を行うと、例えば、各操作に対応するリクエスト(例えばHTTPリクエスト)が通信端末102から情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、当該操作に対応した更新後のユーザインタフェースを生成して通信端末102に送信する。
【0044】
図4に示すインディケーション要求管理画面400は、メニュー401と、インディケーション入力UI410と、インディケーション一覧UI420とを含む。メニュー401には、3つの項目と、ログアウト用のログアウトボタン406とが選択可能に表示される。図4に示す例では、3つの項目のうちの、インディケーション要求管理ボタン403にフォーカス402が当たっている。通信端末102の事業者103は、プライシング管理ボタン404を選択することにより、後述するプライシング管理画面900に表示を切り替えることができる。また、事業者103は、参照指標管理ボタン405を選択することにより、後述する参照指標管理画面1000に表示を切り替えることができる。
【0045】
インディケーション入力UI410は、事業者103が仕組債の内容を発行体に問い合わせるインディケーション要求を入力するユーザインタフェースである。インディケーション入力UI410には、設定カテゴリの選択リスト411と、ダウンロードボタン412と、アップロードボタン413と、設定項目の任意項目の表示・非表示を切り替えるスイッチ414などが表示される。また、インディケーション入力UI410には、インディケーション要求に設定される、仕組債の内容に関する項目415が表示される。インディケーション入力UIの具体例については後述する。
【0046】
インディケーション一覧UI420は、インディケーション入力UI410と同時に表示される。インディケーション入力UI410で送信されたインディケーション要求に対する回答を順次インディケーション一覧420で表示することにより、要求した仕組債の設定内容を容易に把握することができる。なお、インディケーション入力UI410を用いてインディケーション要求が送信されていない場合には、インディケーション一覧UI420は空欄で表示される。
【0047】
インディケーション一覧UI420には、インディケーション要求一覧421と、インディケーション一覧422とが表示される。インディケーション要求一覧421には、事業者103が指定した期間内に送信したインディケーション要求の一覧が表示される。インディケーション要求一覧421内の各インディケーション要求は選択可能である。事業者103が特定のインディケーション要求を選択すると、当該インディケーション要求に対する発行体サーバ101からの回答がインディケーション一覧422に表示される。
【0048】
次に、図5を参照してインディケーション入力UI410について、より詳細に説明する。図5は、インディケーション要求管理画面400に表示されるインディケーション入力UI410の部分を表示している。図5に示す例では、スイッチ414により任意項目を非表示にするように設定されている。
【0049】
選択リスト411では、例えば、「株式系」のインディケーション要求を設定するか、「金利系」のインディケーション要求を設定するかを選択することができる。ダウンロードボタン412は、予めCSVファイルに記録されたインディケーション要求の項目を、当該CSVファイルを読み込むことにより、インディケーション入力UI内の各項目に値を設定することができる。事業者103が繰り返し、似たような設定を使ってインディケーション要求を行う場合、個々の項目を繰り返し入力する負担が軽減される。また、CSVファイルを読み込むことにより、CSVファイルに記載された複数のインディケーション要求を一度の設定により情報処理装置100へまとめて送信することもできる。アップロードボタン413は、インディケーション入力UI410に入力された項目の情報をCSVファイルに書き出すためのボタンである。
【0050】
インディケーション入力UI410には、仕組債の内容を設定する項目として、例えば図5に示すような項目415が、その値を設定可能なように表示される。インディケーション入力UI410では、事業者103による特定の項目に対する設定内容に応じて、他の項目の値を連動して設定したり、動的に設定できないようにしたり制御してよい。
【0051】
「Solve for」項目は、発行体に、指定した対象項目に関する数値を問い合わせる。「Solve for」項目では、例えば、ハイクーポン(%)、ロークーポン(%)、事業者103の手数料率(%)、ノックイン(%)、割増償還(%)等の対象項目を選択可能である。
【0052】
事業者103が、インディケーション入力UI410における項目415を設定して確定ボタン419を押下した場合、通信端末102は、項目415に設定された数値等をインディケーション要求のための1組の設定情報(すなわち仕組債の内容を発行体に問い合わせるための1組の情報)として、情報処理装置100に送信する。
【0053】
インディケーション入力UI410では、事業者103は、仕組債において基準となる株式や金利などを示す対象銘柄を、1つ又は複数指定することができる。事業者103が複数の対象銘柄を指定した一組の設定をインディケーション要求として設定した場合、上述のように、情報処理装置100では、それぞれの発行体に対して複数の仕組債の内容を問い合わせるための複数のインディケーション要求(問い合わせ)を生成する。
【0054】
SD下限値計算機ボタン416は、ステップダウンの項目である「SD(%)」に隣接して配置される。SD下限値計算機ボタン416が押下されると、情報処理装置100がノックダウンの項目である「KO(%)」やステップダウンの項目の値を用いて所定の計算を行ってステップダウン下限値をインタフェース上に提示する。
【0055】
図6は、インディケーション要求管理画面400に表示されるインディケーション入力UI410の部分を表示している他の例を示している。図6に示す例では、スイッチ414により任意項目を表示にするように設定されている。任意項目が追加的に表示された項目418では、通貨や、発行額などの種々の項目が設定可能に更に表示される。また、このインディケーション入力UI410では、事業者103が特定の発行体のみを選択可能な発行体のチェックボックス417が表示される。事業者103が特定の発行体を指定した場合、情報処理装置100は、指定された発行体のみに対して、インディケーション要求を送信する。
【0056】
次に、図7を参照してインディケーション一覧UI420について説明する。図7に示す例では、インディケーション要求一覧421に表示されるインディケーション要求の1つを、事業者103が選択した例を示している。インディケーション一覧422には、選択されたインディケーション要求に対する発行体サーバ101からの回答が表示される。インディケーション一覧422のうちのベストプライス701の欄には、インディケーション要求を送信する際に事業者103が指定した対象項目が「Solve for」欄に表示される。すなわち、情報処理装置100は、発行体が指定した当該対象項目の値を発行体間で比較して、比較結果を例えば指定発行体の欄に表示させる。
【0057】
「指定発行体」欄では、発行体の名称或いは略称が、回答を未受信である発行体と、回答を受信済みである発行体とを区別可能に表示される。例えば、回答を受信済みである発行体の名称等の背景は、色付けして表示される。一方、回答を未受信である発行体の名称等の背景は、色付けされずに表示される。また、「Solve for」欄に表示される対象項目に関して、最良の仕組債を提供する発行体が識別される。例えば、対象項目「Fee(%)」の値について最良の仕組債を提供する発行体「CC」の横に星アイコンが表示される。なお、インディケーション要求に対する回答状態の表示や、最良の仕組債を提供する発行体の表示は、情報処理装置100が発行体から回答を受信する度に更新されてよい。
【0058】
このように、情報処理装置100が「指定発行体」に表示される発行体の名称或いは略称の表示を、インディケーション要求に対する回答の受信状況や、回答における数値の比較結果を識別可能に表示することで、事業者103は送信したインディケーション要求に対する回答状況や最良の発行体を容易に把握することができる。
【0059】
ステータス702の欄には、インディケーション要求のステータスが表示される。例えば、各発行体にインディケーション要求が送信されていない状態である場合には、「受付済み」が表示される。各発行体にインディケーション要求が送信されているが発行体から当該要求に対する回答を1つも受信していない状態である場合には、「送信済」が表示される。また、発行体からインディケーション要求に対する回答を1つ以上受信した状態である場合には、「受信済」が表示される。更に、発行体からの回答に基づいて、顧客に対する勧誘を行うための勧誘申請を行った状態である場合には、「勧誘申請済」が表示される。
【0060】
ダウンロードボタン703が押下されると、通信端末102は、(要求日時の欄で事業者103が選択した又は全ての)インディケーション一覧422の内容をCSVファイルにダウンロードすることができる。また、詳細画面起動ボタン704が押下されると、情報処理装置100は、要求日時の欄で事業者103が選択したインディケーションの詳細を表示するインディケーション詳細画面の情報を生成して、通信端末102に表示させる。
【0061】
次に、図8を参照して、インディケーション詳細画面については説明する。図8は、図7において選択されたインディケーションの詳細内容を表示するインディケーション詳細画面800の例を示している。インディケーション詳細画面800には、例えば、商品概要801、クーポン情報802、償還情報803、インディケーション回答状況804が表示される。なお、図8に示す例では、商品概要801、クーポン情報802、償還情報803の情報が折りたたまれて隠れており、インディケーション回答状況804の情報のみが表示されている例を示している。
【0062】
商品概要801には、インディケーションを要求したユーザ名、インディケーションの要求日時、インディケーションを要求した指定発行体、インディケーションで設定した対象銘柄、通貨、などインディケーションに係る種々の情報を表示することができる。
【0063】
クーポン情報802には、クーポンに関連する情報、例えば、利率の判定日や利率判定条件などの情報が表示される。償還情報803には、満期償還に関する情報及び早期償還に関する情報が表示される。満期償還に関する情報には、例えば、満期償還条項やノックイン判定条件の情報が含まれる。また、早期償還に関する情報には、例えば、早期償還条項やステップダウンの情報が含まれる。
【0064】
インディケーション回答状況804は、図7で選択されたインディケーション要求に対する発行体からの回答状況を示す。例えば、インディケーション回答状況804は、要求ID805と、提示クーポン806と、勧誘申請ボタン810とを表示する。
【0065】
要求ID805に表示される要求IDは、情報処理装置100が通信端末102から取得したインディケーション要求のための1組の情報に基づいて、各発行体にインディケーション要求を送信する際に割り当てる識別子である。
【0066】
提示クーポン806の欄には、指定発行体の名称或いは略称、各インディケーション要求のステータス、対象項目(「Solve for」)などを表示する。対象項目及びステータスの表示は、図7で説明したベストプライス701及びステータス702における表示と同様である。図8に示す例では、対象項目が「Fee」に指定されているため、各発行体からの回答のうち「Fee」が最も高い値を付けた発行体「CC」の行に、最良であることを示すアイコン(星アイコン807)が表示される。なお、発行体「FF」による回答は、「Fee」の値に対して定められる所定の範囲を超えているため、バリデーションエラーを示すアイコン808が表示される。上述のように、バリデーションエラーのチェックは、情報処理装置100が発行体からの回答に対して実行し、情報処理装置100がバリデーションエラーの発生を判定した場合にアイコン808を表示するUIの情報が生成される。
【0067】
勧誘申請ボタン810は、事業者103が選択した発行体の回答に対して、回答に含まれる仕組債の内容を組み込んだ交付書面を作成するためのボタンである。例えば、勧誘申請ボタン810が押下されると、情報処理装置100は、事業者103が選択した発行体の回答に含まれる、仕組債の内容を組み込んだ交付書面を生成する。通信端末102は、情報処理装置100が生成した交付書面をダウンロードすることができる。
【0068】
なお、インディケーション詳細画面800では、表示していたインディケーションの一部の項目を変更して、変更したインディケーション要求に対する発行体の回答を再取得するためのリフレッシュ機能を更に備えてもよい。リフレッシュ機能のために、例えば、インディケーション詳細画面800にリフレッシュボタンを表示させてもよい。対象項目(「Solve for」)などの所定の項目が変更されたうえで、当該リフレッシュボタンが押下されると、情報処理装置100は、変更後のインディケーション詳細画面800の設定に基づいて発行体にインディケーション要求を送信し、受信した回答に基づいてインディケーション詳細画面800の表示を更新するようにしてもよい。リフレッシュ機能では、事業者103が特定の発行体を指定するようにし、情報処理装置100は、指定された発行体にのみ更新用のインディケーション要求を送信するようにしてもよい。このようにすれば、限定された発行体の情報の再取得のみを行うことができ、事業者103が気になる発行体に対して情報の再取得を容易に行うことができるようになる。このようにすれば、情報処理装置100が全ての発行体の情報を送信する負荷、及びこれらの発行体からの情報を取得して処理する負荷が軽減され、またネットワークの負荷が軽減される。
【0069】
次に、図9を参照して、プライシング管理画面900について説明する。プライシング管理画面900は、図4に示したインディケーション要求管理画面400において、プライシング管理ボタン404が押下されたことに応じて表示される。
【0070】
プライシング管理画面900は、プライシング一覧901と、プライシング結果910とを含む。プライシング一覧901では、発行体から受信した全回答を一覧で表示する。発行体からの回答は、事業者103が期間902で指定した期間に送信したインディケーション要求に対する回答のみを表示してもよい。プライシング一覧901では、要求日時903、ベストプライス904、ステータス905、インディケーションの詳細等の情報が表示される。
【0071】
要求日時903には、期間902に送信されたインディケーション要求の送信日時と番号が表示される。ベストプライス904の欄には、図7に示したインディケーション一覧UI420のベストプライス701の対象項目「solve for」や指定発行体と同様の欄が表示される。但し、プライシング一覧901における指定発行体の情報は、対象項目に関して最良の仕組債を提供する発行体のみが表示される。ステータス905は、図7に示したインディケーション一覧UI420のステータス702の欄と同様の回答状態(すなわち「送信済」や「受信済」等)が表示される。
【0072】
プライシング結果910には、プライシング一覧で選択したインディケーション要求に対する各発行体からの回答状況を表示する。プライシング結果910の表示内容は、インディケーション回答状況に表示される表示内容と同様である。
【0073】
プライシング一覧901には、ダウンロードボタン906が表示される。事業者103によってダウンロードボタン906が押下されると、通信端末102は、プライシング一覧901の表示内容をCSVファイルにダウンロードすることができる。また、プライシング結果910には、ダウンロードボタン911が表示され、事業者103によって押下されると、通信端末102は、プライシング結果910の表示内容をCSVファイルにダウンロードすることができる。プライシング結果910には、編集ボタン912を表示させ、事業者103によって押下されると、プライシング結果に表示される回答の特定の項目のみを事業者103が編集できるようにする。
【0074】
更に、図10を参照して、参照指標管理画面1000について説明する。参照指標管理画面1000は、図4に示したインディケーション要求管理画面400において、参照指標管理ボタン405が押下されたことに応じて表示される。参照指標管理画面1000には、事業者103が仕組債を設定(すなわちインディケーション要求を設定)する際に対象銘柄として選択可能な指標の一覧を示す。情報処理装置100は、例えば、参照指標管理画面1000の表示要求を受け付けると、記憶部204の対象銘柄情報220に記憶されている対象銘柄の情報を読み出して、参照指標管理画面1000の情報を生成する。
【0075】
なお、参照指標管理画面1000の画面内に種々のボタンを配置して、参照指標に関する各種操作を可能にしてもよい。例えば、ダウンロードボタンを表示して、事業者103が当該ボタンを押下すると、参照指標管理画面1000に表示される情報をCSVファイルにダウンロードしてもよい。また、アップロードボタンを表示して、事業者103が当該ボタンを押下すると、CSVファイルから参照指標管理画面1000に表示される指標を追加してもよい。更に、編集ボタンを表示して、事業者103が当該ボタンを押下すると、参照指標管理画面1000内で指定される特定の指標の値を編集できるようにしてもよい。或いは、削除ボタンを表示して、事業者103が当該ボタンを押下すると、参照指標管理画面1000内で指定される特定の指標を削除するようにしてもよい。更に、これらの指標の追加、編集については、不図示の承認画面を介して、管理者による承認を受けた場合に反映されるようにしてもよい。
【0076】
<情報処理装置におけるインディケーション管理処理の一連の動作>
次に、情報処理装置100において実行されるインディケーション管理処理の一連の動作について、図11を参照して説明する。また、本処理は、例えば、制御部202のCPU210がRAM211又は記憶部204に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。以下の説明では、説明を容易にするために各ステップの処理主体をまとめて制御部202として説明するが、処理内容に応じて制御部202内で機能する各部が対応する処理を実行する。
【0077】
S1101において、制御部202は、図4において上述したインディケーション要求管理画面400の情報を生成して、通信端末102に送信する。S1102において、制御部202は、通信端末102からインディケーション要求を取得する。
【0078】
S1103において、制御部202は、インディケーション要求に基づいて、発行体サーバ101a~101dへインディケーション要求を送信する。このとき、制御部202は、通信端末102から受信した1組の情報に基づいて、複数の発行体サーバ101のそれぞれに対して複数のインディケーション要求を生成してもよい。制御部202は、例えば、通信端末102から受信した1つのインディケーション要求(1組の情報)に2つの対象銘柄が設定されている場合、第1の対象銘柄に関する第1のインディケーション要求と第2の対象銘柄に関する第2のインディケーション要求とを生成し、それぞれの発行体サーバ101に当該2つのインディケーション要求を送信する。このとき、制御部202は、2つのインディケーション要求に別個の要求IDを割り当てる。
【0079】
S1104において、制御部202は、送信済みのインディケーション要求を、要求済インディケーション情報222に記憶させる。要求済インディケーション情報222は、例えば、図12に示すように、送信済みのインディケーション要求の情報が格納される。要求済インディケーション情報222には、例えば、要求ID1201と、発行体ID1202と、対象項目1203(Solve for)と、その他のインディケーション要求の項目1204とが格納される。制御部202は、インディケーション要求に別個の要求IDを割り当てたときは、それぞれを、別個のインディケーション要求として要求済インディケーション情報222に記憶させる。
【0080】
S1105において、制御部202は、インディケーション要求を発行体サーバ101に送信してから、所定の時間を経過したかを判定する。例えば、制御部202は、インディケーション要求を発行体サーバ101に送信した際に生成したタイマの経過時刻を参照して、所定の時間を経過していないと判定した場合には、処理をS1106に進める。一方、制御部202は、所定の時間を経過していると判定した場合には、本一連の処理を終了する。
【0081】
S1106において、制御部202は、ある発行体サーバ101から回答を受信したかを判定する。制御部202は、発行体サーバ101から回答を受信した場合には、S1107に処理を進め、そうでない場合にはS1105に処理を戻す。
【0082】
S1107において、制御部202は、発行体サーバ101から受信した回答を、受信インディケーション情報223に記憶させる。このとき、制御部202は、発行体サーバ101から受信した回答について、バリデーションチェックを行って、受信した回答の値(例えば対象項目として指定された項目)が規定の範囲を超えていないかを判定してもよい。制御部202は、バリデーションチェックにより規定の範囲を超えていると判定した場合には、当該判定結果を受信した回答と関連付けて記憶しておく。
【0083】
また、制御部202は、同一のインディケーション要求に対して既に受信している回答を受信インディケーション情報223から読み出す。制御部202は、受信した回答と、同一のインディケーション要求に対して既に受信している回答と、に基づいて、指定された対象項目(Solve forの項目)に関して最良の仕組債を提供する発行体を特定する。例えば、制御部202は、インディケーション要求の「Solve for」の項目に「Fee(%)」(手数料率)が設定されている場合、発行体から受信した回答のうち、手数料率が最も高い回答を出した発行体を特定する。
【0084】
また、制御部202は、インディケーション一覧UI420のベストプライス701の欄の発行体のステータス情報を生成する。例えば、制御部202は、要求済インディケーション情報222に記憶される送信済インディケーション要求の要求IDと、受信インディケーション情報223に記憶される既に受信している回答の要求IDとを比較して、各発行体について、回答を未受信の状態であれば「回答未受信」の状態に設定する。また、回答を受信済みである場合には「回答あり」の状態を設定する。更に、回答を受信したが回答のフォーマットが不適合である場合には「回答あり(フォーマットエラー)」の状態を設定する。また、回答を受信したが回答の値が所定の範囲外である場合には「回答あり(バリデーションエラー)」を設定する。生成したステータス情報はS1108において通信端末102に送信され、インディケーション一覧UI420のベストプライス701の表示に用いられる。
【0085】
S1108において、制御部202は、S1107で得られた情報に基づいて、インディケーション一覧UI420の情報を生成して通信端末102に送信する。これにより、通信端末102のインディケーション一覧UI420の表示が更新される。
【0086】
S1109において、制御部202は、インディケーション要求を送信した全ての発行体サーバ101から回答を受信したかを判定する。制御部202は、当該全ての発行体サーバ101から回答を受信していないと判定した場合、処理をS1105に戻す。一方、当該全ての発行体サーバ101から回答を受信したと判定した場合、本処理を終了する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、情報処理装置100は、所定の債券の一例としての仕組債を顧客に販売する事業者が使用する通信端末と、当該所定の債券を発行する金融機関である発行体が使用するサーバと、それぞれ通信する構成を有する。この情報処理装置100は、通信端末に表示される入力用ユーザインタフェースを介して入力される、事業者が所定の債券の内容を発行体に問い合わせるための1組の所定の情報を通信端末から取得し、当該1組の所定の情報に基づいて各発行体が提供可能な所定の債券の内容を、複数の発行体のそれぞれの前記サーバに問い合わせる。そして、情報処理装置100は、それぞれの発行体サーバからの回答に基づいて、発行体からの回答に関する情報を表示する確認用ユーザインタフェースの情報を、通信端末に提供するようにした。このようにすることで、従来の事業者がアレンジャとの間で仕組債の内容を取り決めるために大量のメールを作成し送信していた作業負荷が軽減される。すなわち、仕組債などの債券に係るサービスをより容易に顧客に提供することが可能になる。
【0088】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100…情報処理装置、101…発行体サーバ、102…通信端末、201…通信部、202…制御部、204…記憶部、410…インディケーション入力UI、420…インディケーション一覧UI
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図9
図10
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図12