(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030552
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ガードレールビーム着脱補助用治具
(51)【国際特許分類】
E01F 15/04 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
E01F15/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133513
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西原 正輝
(72)【発明者】
【氏名】福井 剛
(72)【発明者】
【氏名】平藤 雅也
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA06
2D101EA02
2D101FA22
2D101FB14
(57)【要約】
【課題】ブラケットに対して治具を確実に係止して、ガードレールビームを取り付け或いは取り外す際にガードレールビームが落下することなく、確実に支持されるようなガードレールビーム着脱補助用治具の提供。
【解決手段】本発明のガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)は、ガードレールビーム(11)を収容するビーム保持部(1)と、ブラケット(12)に係止する2本のブラケット係止用ロッド(2、2-1:回動側係止用ロッド、固定側係止用ロッドも含む)と、当該ロッド(2、2-1)の先端に設けられた係止片(3、3-1)と、前記ロッド(2、2-1)を回転或いは回動するための可動部(4、4-1)が設けられている。本発明において、前記ブラケット係止用ロッド(2)は可動部(4)により回転可能に支持されているのが好ましい。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガードレールビームを収容するビーム保持部と、ブラケットに係止する2本のブラケット係止用ロッドと、当該ロッドの先端に設けられた係止片と、前記ロッドを回転或いは回動するための可動部が設けられていることを特徴とするガードレールビーム着脱補助用治具。
【請求項2】
前記ブラケット係止用ロッドは可動部により回転可能に支持されている請求項1のガードレールビーム着脱補助用治具。
【請求項3】
前記2本のブラケット係止用ロッドは、前記ビーム保持部に対して相対的な位置を変更せずに固定されている固定側係止用ロッドと、可動部により揺動可能に支持されている回動側係止用ロッドである請求項1のガードレールビーム着脱補助用治具。
【請求項4】
ガードレールビームを収容するビーム保持部と、ブラケットの上端面に載置可能なブラケット係止部を有するブラケット係止用ロッドと、回動可能で且つ前記ブラケット係止部と係合可能な外れ防止用ロッドとを有し、
前記外れ防止用ロッドを備えた側に開口部を設けたことを特徴とするガードレールビーム着脱補助用治具。
【請求項5】
請求項2のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取付方法において、
ブラケットの下方から前記治具を移動して、ブラケット係止用ロッド上端の係止片がブラケットの係止部より僅かに上方となる様に配置せしめる工程と、
ブラケット係止用ロッドを回転して、係止片の位置をブラケットの係止部に係止される位置にせしめる工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項2のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取り外し方法において、
ガードレールビームをビーム保持部に収容しつつ、ブラケット係止用ロッドをガードレールビームと支柱との間の空間に挿入して、ブラケット係止用ロッドの上端の係止片がブラケットの係止部よりもわずかに上方となる様にせしめる工程と、
ブラケット係止用ロッドを回転して、係止片をブラケットの係止部に係止せしめる工程を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項3のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取付方法において、
ガードレールビーム着脱補助用治具を、回動側係止用ロッドを開いた状態で、ブラケット近傍に配置し、固定側係止用ロッドの係止片をブラケットの係止部に係止する工程と、
回動側係止用ロッドを閉じて、回動側係止用ロッドの係止片をブラケットの係止部上に係止する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項3のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取り外し方法において、
ガードレールビームをビーム保持部に収容しつつ、開いた状態の回動側係止用ロッドと固定側係止用ロッドをガードレールビームの裏側の空間に挿入し、固定側係止用ロッドの係止片をブラケットの係止部に係止する工程と、
回動側係止用ロッドを閉じて、回動側係止用ロッドの係止片をブラケットの係止部に係止する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項4のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取付方法において、
ブラケットの側方から、ガードレールビーム着脱補助用治具を、前記外れ防止用ロッドが前記ブラケット係止部と係合していない状態で、前記開口部側から、ガードレールビームが取り付けられていないブラケットの部分に挿入する工程と、
前記ガードレールビーム着脱補助用治具の前記ブラケット係止部をブラケットの上端面に載置する工程と、
前記外れ防止用ロッドを前記ブラケット係止部と係合させる工程を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項4のガードレールビーム着脱補助用治具を用いたガードレールビーム取り外し方法において、
ブラケットの側方から、ガードレールビーム着脱補助用治具を、前記外れ防止用ロッドが前記ブラケット係止部と係合していない状態で、前記開口部側から、ガードレールビームが取り付けられているブラケットの部分に挿入する工程と、
前記ガードレールビーム着脱補助用治具の前記ブラケット係止部をブラケットの上端面に載置すると共に、前記ガードレールビーム着脱補助用治具の前記ビーム保持部に前記ガードレールビームを位置せしめる工程と、
前記外れ防止用ロッドを前記ブラケット係止部と係合させる工程を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケットを固着したガードレールの支柱にガードレールビームを取り付け或いは取り外す際に、一時的に、ガードレールビームをブラケットで保持することが出来る治具であるガードレールビーム着脱補助用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ガードレールにおいて水平方向に延在する部材であるガードレールビームは、その規格により、一本が60kg~120kgほどの重量を有しており、長さも2m~4m程度ある。
ガードレールの支柱を所定箇所に打ち込み或いは引き抜く作業については、機械化された方法が存在するのに対して、ガードレールビームをブラケットに固定し或いは取り外すに際しては、作業員の手作業により細かな調整を行って取り付けるのが一般的であった。
しかし、上述した通りガードレールビームは重量が大きいため、ガードレールビームをブラケットに取り付け或いは取り外す際には、ガードレールビームを複数の作業者(例えば4名の作業者)で支持しつつ、他の作業者が支柱に固定されたブラケットのボルト穴とガードレールビームのボルト穴とを整合させて、専用ボルト(固定ボルト)により固定していた。そのため、ガードレールビームを取り付ける際は、ガードレールビーム側のボルト穴と支柱側のボルト穴を整合して、固定ボルトを挿入して固定するまでは複数の作業員の人力によりガードレールビームを支持し続けなければならず、体力を消耗して労力の大きい作業が要求される。また、ガードレールビームをブラケットから取り外す際も同様に、ガードレールビームを確実に支持する必要がある。そして、ブラケットとガードレールビームとを結合する固定ボルトが緩んだ場合には、ガードレールビームが作業者の足の上に落下する恐れがあり、作業者の怪我の原因となる可能性が存在した。
【0003】
ガードレールビームをブラケットに取り付け或いは取り外す際に、概略S字状の治具を支柱或いはブラケット近傍の位置に係止し、当該治具にガードレールビームを載置することによりガードレールビームをブラケット近傍の所定位置に保持する従来技術が存在する(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、1本の概略S字状の治具によりガードレールビームを支持する必要があり、支持の確実性の点で疑問がある。また、概略S字状の治具とブラケットの相対位置によっては、当該治具がガードレールビームを保持した際にブラケットに対して確実に係止されない恐れがある。そして、ガードレールビームが確実に係止されない場合には、ガードレールビームを保持した前記治具が支柱或いはブラケットから外れて落下してしまう恐れが存在する。
さらに、概略S字状の治具とブラケットの相対位置によっては、治具を係止する際にガードレールビームと干渉して、ガードレールビームに傷をつけてしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ブラケットに対して確実に係止され、ガードレールビームを取り付け或いは取り外す際にガードレールビームが落下することなく確実に支持することが出来るガードレールビーム着脱補助用治具の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)は、ガードレールビーム(11)を収容するビーム保持部(1)と、ブラケット(12)に係止する2本のブラケット係止用ロッド(2、2-1:回動側係止用ロッド2-1B、固定側係止用ロッド2-1Aも含む)と、当該ロッド(2、2-1)の先端に設けられた係止片(3、3-1)と、前記ロッド(2、2-1)を回転或いは回動するための可動部(4、4-1)が設けられていることを特徴としている。
本明細書において、回動側係止用ロッド2-1B、固定側係止用ロッド2-1Aを符号2-1で表示する場合がある。また、本明細書において、係止片3-1A、3-1Bを総称して「係止片3-1」と表示する場合がある。
【0007】
本発明において、前記ブラケット係止用ロッド(2)は可動部(4)により回転可能に支持されているのが好ましい。
【0008】
或いは、前記2本のブラケット係止用ロッド(2-1)は、前記ビーム保持部(1)に対して相対的な位置を変更せずに固定されている固定側係止用ロッド(2-1A)と、可動部(4-1)により揺動(回動)可能に支持されている回動側係止用ロッド(2-1B)であるのが好ましい。
【0009】
さらに本発明のガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)は、ガードレールビーム(11)を収容するビーム保持部(1)と、ブラケット(12)の上端面に載置可能なブラケット係止部(2-2H)を有するブラケット係止用ロッド(2-2)と、回動可能で且つ前記ブラケット係止部(2-2H)と係合可能な外れ防止用ロッド(3-4)とを有し、
前記外れ防止用ロッド(3-4)を備えた側に開口部(3S)を設けたことを特徴としている。
【0010】
上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10:請求項2のガードレールビーム着脱補助用治具:第1実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取付方法は、
ブラケット(12)の下方から前記治具(10)を移動して、ブラケット係止用ロッド(2)上端の係止片(3)がブラケット(12)の係止部(12A)より僅かに上方となる様に(ガードレールビーム着脱補助用治具10を)配置せしめる工程と、
ブラケット係止用ロッド(2)を回転して、係止片(3)の位置をブラケット(12)の係止部(12A)に係止される(ブラケット12の係止部12A上に載置される)位置にせしめる工程を有することを特徴としている。
前記取付方法において、治具10のビーム保持部1にガードレールビーム(11)を収容し、ブラケット(12)のボルト用貫通口(12B)と、ガードレールビーム(11)のボルト用貫通口を整合し、そこにビーム取付用ボルト(14)を差し込んで締結すれば、ガードレールビーム(11)をブラケット(12)に取り付けることが出来る。
【0011】
また、上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10:請求項2のガードレールビーム着脱補助用治具:第1実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取り外し方法は、
ガードレールビーム(11)をビーム保持部(1)に収容しつつ、ブラケット係止用ロッド(2)をガードレールビーム(11)と支柱(13)との間の空間(ガードレールビーム11の裏側の空間)に挿入して、ブラケット係止用ロッド(2)の上端の係止片(3)がブラケット(12)の係止部(12A)よりもわずかに上方となる様にせしめる工程と、
ブラケット係止用ロッド(2)を回転して、係止片(3)をブラケット(12)の係止部(12A)に係止(載置)せしめる工程を有することを特徴としている。
前記取り外し方法において、ビーム取付用ボルト(14)を外せば、ガードレールビーム(11)のブラケット(12)との固定状態を解除することが出来る。
【0012】
上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10-1:請求項3のガードレールビーム着脱補助用治具:第2実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取付方法は、
ガードレールビーム着脱補助用治具(10-1)を、回動側係止用ロッド(2-1B)を開いた状態で、ブラケット(12)近傍に配置し、固定側係止用ロッド(2-1A)の係止片(3-1A)をブラケット(12)の係止部(12A)に係止する工程と、
回動側係止用ロッド(2-1B)を閉じて、回動側係止用ロッド(2-1B)の係止片(3-1B)をブラケット(12)の係止部(12A)上に係止する工程を有することを特徴としている。
前記取付方法において、ブラケット(12)のボルト用貫通口(12B)と、ガードレールビーム(11)のボルト用貫通口を整合し、そこにビーム取付用ボルト(14)を差し込んで締結すれば、ガードレールビーム(11)をブラケット(12)に取り付けることが出来る。
【0013】
また、上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10-1:請求項3のガードレールビーム着脱補助用治具:第2実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取り外し方法は、
ガードレールビーム(11)をビーム保持部(1)に収容しつつ、開いた状態の回動側係止用ロッド(2-1B)と固定側係止用ロッド(2-1A)をガードレールビーム(11)の裏側の空間に挿入し、固定側係止用ロッド(2-1A)の係止片(3-1A)をブラケット(12)の係止部(12A)に係止する工程と、
回動側係止用ロッド(2-1B)を閉じて、回動側係止用ロッド(2-1B)の係止片(3-1B)をブラケット(12)の係止部(12A)に係止(載置)する工程を有することを特徴としている。
前記取り外し方法において、ビーム取付用ボルト(14)を外して、ガードレールビーム(11)のブラケット(12)との固定状態を解除すれば、ガードレールビーム取り外すことが出来る。
【0014】
上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10-2:請求項4のガードレールビーム着脱補助用治具:第3実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取付方法は、
ブラケット(12)の側方から(矢印R30方向から)、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)を、前記外れ防止用ロッド(3-4)が前記ブラケット係止部(2-2H)と係合していない状態(開いた状態)で、前記開口部(3S)側から、ガードレールビーム(11)が取り付けられていないブラケット(12)の部分に挿入する工程と、
前記ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)の前記ブラケット係止部(2-2H)をブラケット(12)の上端面に載置する工程と、
前記外れ防止用ロッド(3-4)を前記ブラケット係止部(2-2H)と係合させる(閉じる)工程を有することを特徴としている。
前記取付方法において、治具(10-2)のビーム保持部(1)にガードレールビーム(11)を収容し、ブラケット(12)のボルト用貫通口(12B)と、ガードレールビーム(11)のボルト用貫通口を整合し、そこにビーム取付用ボルト(14)を差し込んで締結すれば、ガードレールビーム(11)をブラケット(12)に取り付けることが出来る。
【0015】
また、上述したガードレールビーム着脱補助用治具(10-2:請求項4のガードレールビーム着脱補助用治具:第3実施形態)を用いた本発明のガードレールビーム取り外し方法は、
ブラケット(12)の側方から(矢印R30方向から)、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)を、前記外れ防止用ロッド(3-4)が前記ブラケット係止部(2-2H)と係合していない状態(開いた状態)で、前記開口部(3S)側から、ガードレールビーム(11)が取り付けられているブラケット(12)の部分に挿入する工程と、
前記ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)の前記ブラケット係止部(2-2H)をブラケット(12)の上端面に載置すると共に、前記ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)の前記ビーム保持部(1)に前記ガードレールビーム(11)を位置せしめる工程と、
前記外れ防止用ロッド(3-4)を前記ブラケット係止部(2-2H)と係合させる(閉じる)工程を有することを特徴としている。
前記取り外し方法において、前記ビーム保持部(1)に収容されている前記ガードレールビーム(11)とブラケット(12)を締結するビーム取付用ボルト(14)を外すことにより、ガードレールビーム(11)のブラケット(12)との固定状態を解除することが出来る。
【発明の効果】
【0016】
上述の構成を具備する本発明によれば、ガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)のブラケット係止用ロッド(2、2-1:回動側係止用ロッド2-1B、固定側係止用ロッド2-1Aも含む)における係止片(3、3-1)が、ブラケット(12)の係止部(12A)に係止(載置)されるので、ガードレールビーム(11)をビーム保持部(1)に収容すれば、ガードレールビーム(11)の重量はビーム保持部(1)、係止片(3、3-1)、ブラケット(12)の係止部(12A)を介して、ブラケット(12)が固定されている支柱(13)により確実に支持される。そのため、ガードレールビーム(11)の取付時及び取り外しに際して、ガードレールビーム(11)をビーム保持部(1)に収容すれば、載置した際に治具(10、10-1)がブラケット(12)から外れることはなく、ガードレールビーム(11)を載置した状態で落下することもない。
また、ガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)のブラケット係止用ロッド(2、2-1、2-1A)がブラケット(12)に係止されるので、ガードレールビーム(11)と治具(10、10-1)は干渉しない。そのため、ガードレールビーム(11)に傷をつけてしまうことが防止される。
【0017】
また本発明によれば、可動部(4、4-1)を設けることにより、ガードレールビーム(11)の着脱時において、支柱(13)に対してガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)とブラケット(12)が干渉することなく、係止片(3、3-1)はブラケット(12)の係止部(12A)に係止(載置)され、或いは、係止解除される。
しかも、2本のブラケット係止用ロッド(2、2-1:回動側係止用ロッド2-1B、固定側係止用ロッド2-1Aも含む)の係止片(3、3-1)が、ブラケット(12)の係止部(12A)の両端(ガードレールビーム11の長手方向両端:
図1、
図16、
図18の左右方向両端)に係止(載置)されるので、治具が一箇所のみで支柱に係止される従来技術(特許文献1)に比較して、ガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)がブラケット(12)から外れ難くなり、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具(10、10-1)がブラケット(12)から外れて落下してしまうことが抑制され、ガードレールビーム(11)の着脱作業の際における作業員の安全性が向上する。
【0018】
また、本発明のガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)によれば、ブラケット係止部(2-2H)が、ブラケット(12の係止部12A)の上端面に載置されることにより、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)のビーム保持部(1)(の収容部R)に収容されたガードレールビーム(11)の重量は、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)を介して、ブラケット(12)(の係止部12Aの上端面)で確実に支持される。
さらに、回動可能で且つ前記ブラケット係止部(2-2H)と係合可能な外れ防止用ロッド(3-4)とを有し、前記外れ防止用ロッド(3-4)を備えた側に開口部(3S)を設けており、外れ防止用ロッド(3-4)を開くことにより、ブラケット(12)にガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)を挿入することが出来る。そして、外れ防止用ロッド(3-4)を回動して、外れ防止用ロッド(3-4)をブラケット係止部(2-2H)と係合することにより、ガードレールビーム(11)の取り付け或いは取り外し作業に際して、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)がブラケット(12)から外れてしまうことが防止される。
【0019】
そして、本発明のガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)を用いたガードレールビームの取付方法或いは取り外し方法によれば、ブラケット係止部(2-2H)がブラケット(12)の係止部(12A)の上端面に載置するので、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)のビーム保持部(1)に収容されたガードレールビーム(11)の重量はブラケット(12)で確実に支持される。そのため、収容部(R)にガードレールビーム(11)を収容すれば、多数の作業員を使わなくても、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)によりガードレールビーム(11)は確実に保持される。
そのため、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)によりガードレールビーム(11)を支持した状態で、ブラケット(12)とガードレールビーム(11)を結合(例えばボルト締結)することにより、多数の作業員でガードレールビーム(11)を保持しなくても、ガードレールビーム(11)はブラケット(12)に強固に取り付けられる。
或いは、ガードレールビーム着脱補助用治具(10-2)によりガードレールビーム(11)を支持可能な状態にせしめ、ブラケット(12)に結合されたガードレールビーム(11)の結合(例えばボルト締結)を解除すれば、多数の作業員でガードレールビーム(11)を保持しなくても、ガードレールビーム(11)をブラケット(12)から容易に取り外すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のガードレールビーム着脱補助用治具の第1実施形態の正面図である。
【
図4】第1実施形態の側面図であって、
図1~
図3の状態からブラケット係止用ロッドを90°回転してブラケットの係止部と係止しなくなった状態を示している。
【
図5】ブラケット係止用ロッドの回り止め機構の説明図であって、ブラケット係止用ロッドが回り止めされる直前の状態を示す図である。
【
図6】
図5と同様なブラケット係止用ロッドの回り止め機構の説明図であって、ブラケット係止用ロッドが回り止めされた状態を示す図である。
【
図7】本発明のガードレールビーム着脱補助用治具が適用されるガードレール用支柱と、ブラケットと、ガードレールビームを示す側面図である。
【
図8】
図7で示すガードレール用支柱と、ブラケットと、ガードレールビームを示す平面図である。
【
図9】ガードレールビームを取り付ける際に、ブラケットに第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を隣接させているが、係止はしていない状態を示す正面図である。
【
図11】
図9、
図10の状態におけるガードレールビーム着脱補助用治具の係止片とブラケットの係止部の相対位置を示す拡大説明図である。
【
図12】
図10で示す状態から、ブラケット係止用ロッドを回転して係止片をブラケットの係止部に係止させた状態を示す正面図である。
【
図13】
図12の状態におけるガードレールビーム着脱補助用治具の係止片とブラケットの係止部の相対位置を示す拡大説明図である。
【
図14】ガードレールビームを取り外す際に、ブラケットに第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を隣接しているが、係止はしていない状態を示す正面図である。
【
図15】
図14で示す状態から、ブラケット係止用ロッドを回転して係止片をブラケットの係止部に係止させた状態を示す正面図である。
【
図16】本発明のガードレールビーム着脱補助用治具の第2実施形態の正面図であって、回動側のビーム係止用ロッドが開いた状態を示す図である。
【
図18】第2実施形態の正面図であって、回動側のビーム係止用ロッドが閉じた状態を示す図である。
【
図19】ガードレールビームを取り付ける際に、ブラケットに第2実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を隣接しているが、回動側のビーム係止用ロッドが開いており、係止はしていない状態を示す正面図である。
【
図20】
図19で示す状態から、回動側のビーム係止用ロッドを閉じて係止片をブラケットの係止部に係止させた状態を示す正面図である。
【
図21】ガードレールビームを取り外す際に、ブラケットに第2実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を隣接しているが、回動側のビーム係止用ロッドが開いており、係止はしていない状態を示す正面図である。
【
図22】
図21で示す状態から、回動側のビーム係止用ロッドを閉じて係止片をブラケットの係止部に係止させた状態を示す正面図である。
【
図23】本発明のガードレールビーム着脱補助用治具の第3実施形態の斜視図であって、外れ防止用ロッドが開いた状態を示す。
【
図24】外れ防止用ロッドが開いた状態における第3実施形態の正面図である。
【
図25】外れ防止用ロッドが開いた状態における第3実施形態の平面図である。
【
図26】外れ防止用ロッドが開いた状態における第3実施形態の側面図である。
【
図27】外れ防止用ロッドが閉じた状態を示す第3実施形態の正面図である。
【
図28】外れ防止用ロッドが閉じた状態を示す第3実施形態の平面図である。
【
図29】外れ防止用ロッドが閉じた状態を示す第3実施形態の側面図である。
【
図30】ガードレールビームを取り付ける際に、ブラケット及び支柱に第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を載置した状態を示す平面図である。
【
図33】
図30~
図32において外れ防止用ロッドを閉じて、第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具をブラケット及び支柱に取り付けた状態を示す平面図である。
【
図37】ガードレールビームを取り外す際に、ガードレールビームが取り付けられたブラケットに第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具を載置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に
図1~
図15を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1~
図4は第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10を示しており、
図1において、ガードレールビーム着脱補助用治具10は、ビーム保持部1と、2本の(一対の)ブラケット係止用ロッド2と、それぞれのブラケット係止用ロッド2の先端に設けられた係止片3と、ブラケット係止用ロッド2を軸に対して回転或いは回動するためそれぞれのブラケット係止用ロッド2に設けた可動部4を有している。
図1~
図4で示す様に、ビーム保持部1は、それぞれのブラケット係止用ロッド2の(
図1~
図4における)下方に連続して設けられた収容部R(
図3、
図4参照)を有しており、ガードレールビーム着脱時には、収容部R内の空間にガードレールビーム11(
図1~
図4では図示せず:
図7、
図8、
図14、
図15参照)を収容する。収容部Rは、ビーム保持部1と、水平方向に延在する梁状部材1Hと、後述する連結部2Bを有し、梁状部材1Hと連結部2Bとは上下方向について同一位置に設けられている。
【0022】
図1~
図4において、ブラケット係止用ロッド2と、ビーム保持部1を構成する収容部Rとの境界或いは接続部には、可動部4が設けられている。可動部4は中空のスリーブ状部材であり、可動部4の内部空間において、ブラケット係止用ロッド2はロッド2の中心軸回りを回転可能に支持されている。
図1における左右のブラケット係止用ロッド2の各々は、可動部4において、連結部2Bに接続されている。可動部4の下端部にはブラケット係止用ロッド2の回り止め機構が設けられている。
係止片3は、ブラケット係止用ロッド2の上端から概略直角に折曲して構成されており、換言すれば、ブラケット係止用ロッド2と係止片3は全体が概略L字状に構成されている。ブラケット係止用ロッド2が可動部4により回転する(矢印A)ことにより、係止片3は回動して、
図1~
図3で示す状態或いは
図4で示す状態となる。
図1~
図3の状態は、係止片3が内方(
図1の左右方向であって、ガードレールビーム着脱補助用治具10の内側の方向)に向いており、
図1~
図3の状態の係止片3はブラケット12の係止部12A(
図8、
図11、
図13等参照)に載置可能な状態である。一方、
図4の状態では係止片3は内方(
図1~
図3で係止片3が向いている方向)には向いておらず、
図1において紙面と垂直な方向であって看者から離隔した側(
図4では図示されていないガードレールビーム11の裏側)を向いている。
図4で示す状態の係止片3は、ブラケット12の係止部12A(
図8、
図11、
図13等参照)には載置されない。係止片3とブラケット12の係止部12Aとの相対的な位置関係については、
図11、
図13を参照して後述する。
【0023】
ブラケット係止用ロッド2の係止片3とは反対側の端部2Eは、係止片3とは別の方向に折れ曲がっている。そして、ブラケット係止用ロッド2の折れ曲がった端部2Eと、中空スリーブ状の可動部4の下方に形成された切欠き4Rにより、ブラケット係止用ロッド2の回り止め機構が構成されている。当該回り止め機構については、
図5、
図6を参照して説明する。
図5、
図6において、ビーム保持部1にはストッパSが固定されている。
図5において、ブラケット係止用ロッド2の折れ曲がった端部2EはストッパSに当接しており、それ以上下方には移動しない。
図5の状態では、ブラケット係止用ロッド2が回り止めされていない状態であり、折れ曲がった端部2Eは、可動部4の切欠き4Rには収容されていない。
図5の状態からブラケット係止用ロッド2が矢印U方向(
図5の上方)に移動すると、
図6で示す状態になり、ブラケット係止用ロッド2の折れ曲がった端部2Eは切欠き4R内に収容され、回転不可能な状態(回り止めされた状態)になる。ここで、端部2Eが切欠き4R内に収容された状態は、
図1~
図3で示す状態であり、
図13を参照して後述する様に、係止片3がブラケット12の係止部12A上に載置される。
【0024】
図示の実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10、10-1が適用されるガードレール20を示す
図7、
図8において、ガードレール20は支柱13、板状のガードレールビーム11、ガードレールビーム11を支柱13に取り付けるためのブラケット12、ガードレールビーム11をブラケット12に固定して取り付けるためのビーム取付用ボルト14、ブラケット12を支柱13に固定するためのブラケット取付用ボルト15(
図7)を有している。ガードレールビーム11は断面が折り曲がった形状の板状部材であり、
図7においては紙面に垂直な方向に延在し、
図8では左右方向に延在している。なお
図8において、図示の簡略化のため、ガードレールビーム11はその一部のみを示す。
図8において点線で表示されているブラケット12は、ガードレールビーム11と平行に延在している部分12Eと、概略M字状の部分12Dを有しており、概略M字状の部分12Dはブラケット12の係止部12Aを有している。
図8において、係止部12Aは、概略M字状の部分12Dにおいて、支柱13からガードレールビーム11に向かっている一対の脚部を構成している。
なお、
図7、
図8において、ガードレールビーム11を新たにブラケット12に取り付ける場合には、支柱13に取り付けられたブラケット12のボルト用貫通口(
図7、
図8では図示せず)と、ガードレールビーム11のボルト用貫通口(
図7、
図8では図示せず)を整合し、そこにビーム取付用ボルト14を差し込んで締結する。ブラケット12と支柱13は、ブラケット取付用ボルト15により固定される。
【0025】
図9~
図13を参照して、
図1~
図4で示すガードレールビーム着脱補助用治具10(第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10)を用いて、ガードレールビーム11を新たにブラケット12に取り付ける作業について説明する。
図9、
図10において、先ず、ブラケット12の下方からガードレールビーム着脱補助用治具10を矢印B方向に移動して、ブラケット係止用ロッド2の上端位置(係止片3の位置)がブラケット12の係止部12Aより僅かに上方となる様に(ガードレールビーム着脱補助用治具10を)配置する。
図9、
図10の状態では、ブラケット係止用ロッド2の係止片3はブラケット12の係止部12A上に載置されておらず(
図11の状態)、係止片3と係止部12Aは相互に係止されていない。すなわち、
図9、
図10に示すブラケット係止用ロッド2の係止片3とブラケット12の係止部12Aが係止状態でない場合において、係止片3と係止部12Aの相対位置は、
図11で示す通りである。
図11において、係止片3と係止部12Aは重なり合っていないため、係止状態とはならない。
そのため、ブラケット12の下方からガードレールビーム着脱補助用治具10を矢印B方向(
図9、
図10)に移動するに際して、ブラケット係止用ロッド2の係止片3がブラケット12の係止部12Aと干渉することもなく、ガードレールビーム11に傷をつけてしまうこともなく、容易にガードレールビーム着脱補助用治具10を所定位置に移動することが出来る。
ここで、
図7以降の図面においては、ガードレールビーム着脱補助用治具10以外の部材は破線で図示されている。そして、
図9、
図10及び
図11において、ガードレールビーム11は取付前の状態であるため、図示されていない。
【0026】
図9~
図11で示す状態から、ブラケット係止用ロッド2を(
図1~
図4の矢印A方向に)回転して、係止片3の位置を、
図12、
図13で示す様に、ブラケット12の係止部12A上に載置される位置にせしめる。これにより、平面図である
図13において、ブラケット係止用ロッド2の係止片3とブラケット12の係止部12Aは重なり合った相対位置となり、係止片3は係止部12Aに係止された状態となる。
係止片3がブラケット12の係止部12Aに係止(載置)されれば、
図12において、ガードレールビーム着脱補助用治具10のビーム保持部1にガードレールビーム11(
図12では図示せず)を収容しても、ガードレールビーム11の重量は、ビーム保持部1、ブラケット係止用ロッド2の係止片3、ブラケット12の係止部12A、ビーム取付用ボルト14(
図7)を介して、ブラケット12で確実に支持される。
すなわち、ガードレールビーム11を取り付けるべきブラケット12に係止したガードレールビーム着脱補助用治具10のビーム保持部1にガードレールビーム11を収容すれば、多数の作業員を使わなくても、ガードレールビーム着脱補助用治具10によりガードレールビーム11は保持される。そして、ガードレールビーム着脱補助用治具10では、
図12において左右2箇所で係止片3が係止部12Aに係止されるので、当該治具10がブラケット12から外れることはなく、ガードレールビーム11を載置した状態で落下することもなく、ガードレールビーム11を支持することが出来る。
そして、ガードレールビーム着脱補助用治具10によりガードレールビーム11を支持した状態で、ブラケット12のボルト用貫通口12B(
図12)と、ガードレールビーム11のボルト用貫通口(図示せず)を整合し、そこにビーム取付用ボルト14(
図7)を差し込んで締結することにより、ガードレールビーム11はブラケット12に取り付けられる。
図12において、符号12Cはブラケット12の中央に穿孔された孔を示す。
【0027】
第1実施形態では、ブラケット12の下方からガードレールビーム着脱補助用治具10を矢印B方向(
図9、
図10)に移動して、ブラケット係止用ロッド2の係止片3を、ブラケット12の係止部12Aより僅かに上方に位置せしめ、
(
図1~
図4の矢印Aで示す様に)、ブラケット係止用ロッド2を回転して、係止片3の位置をブラケット12の係止部12A上に載置された位置にする(或いは、係止片3の位置を、
図12、
図13で示す様に、ブラケット12の係止部12Aと重なる様に、係止部12A上に載置する)、
という簡単な操作により、確実にガードレールビーム11の重量をブラケット12により支持出来る。
図12で示す様に、左右のブラケット係止用ロッド2の係止片3がブラケット12の係止部12Aの両端(図示しないガードレールビーム11の長手方向両端)に載置されて、係止片3がブラケット12の係止部12Aに係止された状態であれば、ガードレールビーム着脱補助用治具10とブラケット12は2箇所で係止されることになる。そのため、一箇所のみで治具が支柱に係止される従来技術(特許文献1)に比較して、治具10はブラケット12から外れ難い。そのため、第1実施形態によれば、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具10がブラケット12から外れてしまう可能性が非常に小さくなり、ガードレールビーム11の取付作業における作業員の安全性が向上する。
【0028】
図14、
図15を参照して、第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10を用いて、ガードレールビーム11をブラケット12から取り外す作業について説明する。
図14において、先ず、ガードレールビーム11をビーム着脱補助用治具10のビーム保持部1に収容する。そして、ビーム着脱補助用治具10を、
図14におけるガードレールビーム11の裏側(
図14において紙面と垂直な方向であって看者から離隔した側)から、矢印B方向に移動する。
係る矢印B方向の移動は、ガードレールビーム11と支柱13との間の空間(
図14におけるガードレールビーム11の裏側の空間)に挿入されたブラケット係止用ロッド2の上端(係止片3)が、ブラケット12の係止部12Aよりもわずかに上方となる様に行われる。
図14の状態では、ブラケット係止用ロッド2の係止片3はブラケット12の係止部12A上に載置されておらず(係止片3はブラケット12の係止部12Aに係止されておらず)、ブラケット係止用ロッド2の係止片3とブラケット12の係止部12Aとの相対位置関係は、
図11で示す様になっている。そのため、ブラケット係止用ロッド2が矢印B方向に移動する際に、ブラケット係止用ロッド2はブラケット12と干渉することなく、ガードレールビーム11に傷をつけてしまうこともない。
【0029】
図14で示す状態から(
図1~
図4の矢印Aで示す様に)ブラケット係止用ロッド2を回転して、
図15で示す様に、係止片3が
図13に示す様にブラケット12の係止部12A上に載置された位置にせしめる。これにより、ブラケット係止用ロッド2の係止片3はブラケット12の係止部12Aに載置され、係止片3は係止部12Aに係止される。
図15で示す様に、左右のブラケット係止用ロッド2の係止片3がブラケット12の係止部12Aに係止されれば、ガードレールビーム11の重量は、ビーム取付用ボルト14(
図7参照:
図15では図示せず)を外しても、ビーム保持部1、係止片3、ブラケット12の係止部12Aを介して、ブラケット12により確実に支持される。
【0030】
図15で示す状態では、ビーム取付用ボルト14(
図7参照:
図15では図示せず)を外しても、重量物であるガードレールビーム11の重量はブラケット12により確実に支持されるので、多数の作業員がガードレールビーム11を持ち支えなくても、ガードレールビーム着脱補助用治具10がブラケット12から外れてしまうことはなく、ガードレールビーム11が治具10と共に落下することもなく、ガードレールビーム11がブラケット12に隣接して配置された状態を維持できる。
そして、ビーム取付用ボルト14を外して、ガードレールビーム11とブラケット12の固定状態を解除する。
この様に、第1実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10を用いることにより、ガードレールビーム11をブラケット12から外すに際しては、
ガードレールビーム11をビーム保持部1に収容して、ブラケット係止用ロッド2をガードレールビーム11の裏側の空間に挿入し、
ブラケット係止用ロッド2を回転して係止片3の位置をブラケット12の係止部12A上に載置された位置にする、
という簡単な操作によって、確実にガードレールビーム11の重量をブラケット12により支持することが出来る。そして、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具10がブラケット12から外れることもないので、ガードレールビーム11の取外し作業における作業員の安全性が向上する。
【0031】
次に、
図16~
図22を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図16~
図22において、第1実施形態と同様な部材については同様な符号を付している。
図16~
図18は第2実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-1を示している。
図16において、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1は、ビーム保持部1、左右のブラケット係止用ロッド2-1A、2-1B(固定側係止用ロッド2-1A、回動側係止用ロッド2-1B)、固定側係止用ロッド2-1A、回動側係止用ロッド2-1Bのそれぞれの先端に設けられた係止片3-1A、3-1B、回動側係止用ロッド2-1Bを揺動或いは回動する可動部4-1を有している。ここで、
図16、
図18における左側のブラケット係止用ロッド2-1Aを固定側係止用ロッド2-1A、右側のブラケット係止用ロッド2-1Bを回動側係止用ロッド2-1Bと記載する場合がある。
図16、
図18において右側のブラケット係止用ロッド2-1B(回動側係止用ロッド)は、可動部4-1により回動自在に支持されており、
図16、
図18において矢印Cで示す様に揺動或いは回動する。一方、
図16、
図18において左側のブラケット係止用ロッド2-1A(固定側係止用ロッド)には可動部は設けられておらず、固定側係止用ロッド2-1Aは揺動(回動)することなく、垂直な状態を保持する。換言すれば、固定側係止用ロッド2-1Aは、ビーム保持部1に対して相対的な位置を変更せず、ビーム保持部1に対する相対位置は固定されている。
【0032】
図16を参照して、可動部4-1を説明する。
可動部4-1は、ビーム保持部1に固定された第1の部材4-1Aと、第1の部材4-1Aに回転自在に接続され且つ回動側係止用ロッド2-1Bに固定されている第2の部材4-1Aを有している。第2の部材4-1Bのピン4-1PによりスプリングELが接続されている。スプリングELの第2の部材4-1Bと接続されているのとは反対側の端部は、第1の部材4-1Aが固定されていない方のビーム保持部1(
図16の左側のビーム保持部1)に接続されている。スプリングELには、矢印PCで示す弾性収縮力が作用している。
第2の部材4-1Aが第1の部材4-1Aに対して回動することにより、第2の部材4-1Aと固定されている回動側係止用ロッド2-1Bも回動する。
図16で示す様に、回動側係止用ロッド2-1Bが開いた位置にある場合には、スプリングELの矢印PC方向の弾性収縮力により、回動側係止用ロッド2-1Bは矢印C方向に回動する(閉じる)力が作用する。一方、
図18で示す回動側係止用ロッド2-1Bが閉じた位置にある場合において、回動側係止用ロッド2-1Bは矢印CC方向に回動する(開く)と、
図16で示す開いた状態となる。スプリングELの矢印PC方向の弾性収縮力は、回動側係止用ロッド2-1Bを固定するのに十分な弾性力であるが、ユーザーが回動側係止用ロッド2-1Bを
図16の開いた状態にするのを妨げるほどではない。
【0033】
図16~
図18において、固定側係止用ロッド2-1A及び回動側係止用ロッド2-1Bは、第1実施形態におけるブラケット係止用ロッド2と同様に、上端が折曲して全体が概略L字状に構成されており、上端の折れ曲がった部分(L字の短い線に相当する部分)は係止片3-1A、3-1Bを構成する。
第2実施形態においても、係止片3-1A、3-1Bはブラケット12の係止部12A(
図19~
図22)に載置可能である。
回動側係止用ロッド2-1Bが可動部4-1を中心に揺動(回動)して
図16で示す状態となった場合、回動側係止用ロッド2-1B側の係止片3-1Bはブラケット12の係止部12A(
図19、
図20等参照)に載置しない(係止しない)状態である。一方、回動側係止用ロッド2-1Bが
図18で示す状態であれば、回動側係止用ロッド2-1B側の係止片3-1B(及び固定側係止用ロッド2-1A側の係止片3-1A)はブラケット12の係止部12Aに載置する(係止する)ことが出来る。
第2実施形態のガードレールビーム着脱補助用治具10-1のその他の構成、作用効果は、
図1~
図15の第1実施形態と同様である。そして、第2実施形態は、第1実施形態と同様に、
図7、
図8で示すガードレールについて適用することが出来る。
【0034】
図19、
図20を参照して、第2実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-1を用いて、ガードレールビーム11(
図21、
図22参照:
図19、
図20では図示せず)をブラケット12に取り付ける作業について説明する。
図19で示す様に、ブラケット12の下方から、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1を矢印B方向に移動し、ブラケット12近傍に配置する。
その際に、回動側係止用ロッド2-1Bを
図19の矢印Cとは逆方向に回動して
図16で示す状態(開いた状態)にして、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aとの間隔を大きくする。係止片3-1A、3-1B間の間隔を大きくすることにより、係止片3-1A、3-1Bはブラケット12の係止部12Aと干渉することなく、ブラケット12を損傷することもなく、
図19で示す様に、固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aがブラケット12の係止部12A上に載置されて、係止片3-1Aと係止部12Aを係止することが出来る。ここで、
図19の状態では、回転側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bはブラケット12の係止部12Aに載置(係止)されていない。
【0035】
固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aがブラケット12の係止部12Aに係止した状態(
図19で示す状態)から、回動側係止用ロッド2-1Bを
図19の矢印C側に回動する。その際にスプリングELの弾性収縮力が作用して、回動側係止用ロッド2-1Bの矢印C側への回動を助長する。回動側係止用ロッド2-1Bが矢印C側へ回動すると、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bはブラケット12の係止部12A上に載置され、係止片3-1Bは係止部12Aに係止される。換言すれば、回動側係止用ロッド2-1Bを
図19の矢印C方向に回動して、
図18で示す状態(閉じた状態)にして、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aの間隔を小さくする。回動側係止用ロッド2-1Bを閉じた状態にすることにより、
図20で示す様に、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bもブラケット12の係止部12A上に載置(係止)される。
図20において、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1のビーム保持部1にガードレールビーム11(
図14、
図15、
図21、
図22参照:
図20では図示せず)を収容すれば、ガードレールビーム11の重量は、ビーム保持部1、係止片3-1A、3-1B、ブラケット12の係止部12A、ビーム取付用ボルト14(
図7)を介してブラケット12により確実に支持される。
そのため、第2実施形態においても、多数の作業員を使うことなく、ブラケット12に係止したガードレールビーム着脱補助用治具10-1のビーム保持部1にガードレールビーム11を収容して、ガードレールビーム11がブラケット12に隣接して配置された状態を維持できる。そして、ブラケット12のボルト用貫通口12B(
図20)と、ガードレールビーム11のボルト用貫通口(図示せず)を整合して、そこにビーム取付用ボルト14(
図7)を差し込んで締結すれば、ガードレールビーム11はブラケット12に取り付けられる。
【0036】
図示の第2実施形態では、
回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bを開いて(
図16の状態にして)、ブラケット12の下方からガードレールビーム着脱補助用治具10-1を上方(
図19の矢印B方向)に移動し、
固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aをブラケット12の係止部12Aに係止し、
回動側係止用ロッド2-1Bを閉じて(
図18の状態にせしめ)、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bをブラケット12の係止部12Aに載置(係止)する、
という簡単な操作により、確実にガードレールビーム11の重量をブラケット12により支持することが出来る。
そして、
図20で示す様に、左右のブラケット係止用ロッド2-1A、2-1Bの係止片3-1A、3-1Bが、ブラケット12の
図20における左右一対の係止部12A上に載置されて、係止片3-1A及び係止片3-1Bがブラケット12の係止部12Aに係止されて、2箇所で係止される。従って、治具が一箇所のみで支柱に係止される従来技術(特許文献1)に比較して、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1はブラケット12から遥かに外れ難くなり、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具10-1がブラケット12から外れてしまう可能性が非常に小さくなって、ガードレールビーム11の取付作業の際における作業員の安全性が向上する。
【0037】
図21、
図22を参照して、第2実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-1を用いて、ガードレールビーム11をブラケット12から取り外す作業について説明する。
図21で示す様に、ガードレールビーム11をビーム保持部1に収容して、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1を、ガードレールビーム11の裏側(
図14、
図15において紙面と垂直な方向であって看者から離隔した側)の空間より、矢印Bの方向に移動する。そして、回動側係止用ロッド2-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aをガードレールビーム11の裏側の空間に挿入して、固定側係止用ロッド2-1Aをブラケット12の係止部12Aに係止する。
ここで、回動側係止用ロッド2-0は開いた状態(
図16で示す状態)であり、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1A間の間隔は大きいので、係止片3-1B、3-1Aはブラケット12の係止部12Aと干渉しない。そして、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1を矢印Bの方向に移動してもガードレールビーム11に傷をつけてしまうこともなく、回動側係止用ロッド2-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aをガードレールビーム11の裏側の空間に極めて容易に挿入することが出来る。
なお、
図21の状態では回動側係止用ロッド2-1Bは(
図16で示す様な)開いた状態であり、その係止片3-1Bはブラケット12の係止部12A上に載置されておらず、係止片3-1Bと係止部12Aは係止されていない。
【0038】
図21の状態から、回動側係止用ロッド2-1Bを閉じて(
図19の矢印Cの方向に回動して)、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bをブラケット12の係止部12Aに載置して、係止片3-1Bを係止部12Aに係止する。すなわち、回動側係止用ロッド2-1Aを回動して(
図19の矢印Cの方向に回動して)、
図18で示す閉じた状態にして、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bはブラケット12の係止部12Aに載置(係止)する(
図22)。
図22で示す様に、回動側係止用ロッド2-1Bの係止片3-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aの係止片3-1Aの双方がブラケット12の係止部12Aに(
図22における左右)2箇所で係止されるので、ガードレールビーム11の重量は、ビーム取付用ボルト14(
図7参照:
図22では図示せず)を外しても、ビーム保持部1、係止片3-1A、3-1B、ブラケット12の係止部12Aを介して、ブラケット12により確実に支持される。
【0039】
図22で示す状態で、ビーム取付用ボルト14を外して、ガードレールビーム11とブラケット12と固定状態を解除しても、ガードレールビーム着脱補助用治具10-1及びブラケット12を介して、重量物であるガードレールビーム11の重量はブラケット12により確実に支持される。そのため、多数の作業員がガードレールビーム11を持ち支えなくても、ガードレールビーム11がブラケット12に隣接して配置された状態を保持できる。
上述した様に、
ガードレールビーム11をブラケット12から外すに際しては、ガードレールビーム11をビーム保持部1に収容して、
回動側係止用ロッド2-1Bと固定側係止用ロッド2-1Aをガードレールビーム11の裏側の空間に挿入し、
固定側係止用ロッド2-1Aをブラケット12の係止部12Aに係止して、回動側係止用ロッド2-1Bを揺動(回動)して
図18で示す閉じた状態にして、係止片3-1Bをブラケット12の係止部12A上に載置する、
という簡単な操作により、ガードレールビーム11の重量を確実にブラケット12によって支持することが出来る。そして、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具10-1がブラケット12から外れてしまう可能性も非常に小さく、ガードレールビーム11の取外し作業の際における作業員の安全性が向上する。
【0040】
次に、
図23~
図38を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図23~
図38において、第1実施形態、第2実施形態と同様な部材については同様な符号を付している。
図23~
図29において、第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-2は、ビーム保持部1と、ブラケット係止用ロッド2-2と、背部BAを有している。
図23~
図26において、ビーム保持部1は、正面側(
図24の看者側:
図23、
図25、
図26の矢印F側)で
図24、
図26の垂直方向に延在する一対の正面ロッド1-1と、正面ロッド1-1の下端に接続されて背部BA側(
図24の看者とは反対側:
図23、
図25、
図26の矢印B側)に延在する一対の底部ロッド1-2と、一対の正面ロッド1-1の上端を接続する第1の梁状部材1Hと、底部ロッド1-2の背部BA側端部に接続して斜め上方に延在する後方ロッド1-3と、2本の後方ロッド1-3を接続して水平方向に延在する第2の梁状部材3-1を有している。そしてビーム保持部1は収容部Rを有し、ガードレールビーム着脱時には、収容部R内の空間にガードレールビーム11(
図23~
図29では図示せず:
図35~
図38参照)を収容する。
ブラケット係止用ロッド2-2は、水平方向に延在するブラケット係止部2-2Hを有している。
図23、
図24、
図26で示されている様に、ブラケット係止用ロッド2-2は左右の何れか一方にのみ設けられている。
図23~
図26において、ブラケット係止部2-2Hの左端部(ブラケット係止用ロッド2-2の反対側)には垂直方向に突出する端部2-2HEが設けられている。
【0041】
背部BAはガードレールビーム着脱補助用治具10-2における背部(
図24の看者とは反対側:
図23、
図25、
図26の矢印B側)の部材の総称である。
図23~
図26において、背部BAは、ブラケット係止用ロッド2-2の上端と接続して背部BA側に延在する第1の後方延長部材3-21と、第2の梁状部材3-1の一方の端部から斜め上方に延在する第2の後方延長部材3-22と、第2の後方延長部材3-22の端部と接続して第1及び第2の梁状部材1H、3-1と平行に延在する第3の梁状部材3-31と、第1の後方延長部材3-21の端部と接続して第1及び第2の梁状部材1H、3-1と平行に延在する第4の梁状部材3-32と、第3及び第4の梁状部材3-31、3-32の端部よりも中央側の領域で垂直方向延在する第1の垂直部材3-33と、第1の垂直部材3-33と平行に延在して第1及び第2の後方延長部材3-21、3-22の端部と接続している第2の垂直部材3-34と、ブラケット係止部2-2Hの一端から背部BA側へ斜め方向に延在する第1の後方延長部材3-21と、第4の梁状部材3-32の第1の後方延長部材3-21側とは反対側の端部3-32Eに回動自在に接続されている外れ防止用ロッド3-4とを有している。外れ防止用ロッド3-4の端部3-4Eは、ロッド3-4の長手方向に概略直交する方向に突出している。第4の梁状部材3-32は、垂直部材3-33、3-34及び第1の後方延長部材3-21と接続しており、第3の梁状部材3-31と平行に延在している。
なお、第1の後方延長部材3-21は、ブラケット係止用ロッド2-2の上端から背部BA側、すなわちブラケット係止部2-2Hが延在する方向と概略直交する方向に延在している。
垂直部材3-33は第3及び第4の梁状部材3-31、3-32の長手方向中央よりも、
図24において右側(第1の後方延長部材3-21(
図25参照)側)に偏寄して位置している。ブラケット取付用ボルト15(
図7等)と螺合するナットとの干渉を防止するためである。
ここで、第1及び第2の後方延長部材3-21、3-22はブラケット係止部2-2Hの一端のみに設けられており、外れ防止用ロッド3-4を備えた側(
図24、
図27の左側)には設けられていない。そして、第1及び第2の後方延長部材3-21、3-22が設けられていないのは、
図23、
図24において第1~第4の梁状部材1H、3-1、3-3、3-32の左側の領域であり、係る領域(第1及び第2の後方延長部材3-21、3-22が設けられていない領域)により開口部3Sが構成されている。換言すれば、外れ防止用ロッド3-4を備えた側(
図24、
図27の左側)には開口部3Sが設けられている。
【0042】
図23、
図25、
図26において、符号3-4Gは外れ防止用ロッド3-4を作業者の指で把持するための摘み部である。
図24において、図示の簡略化のため、外れ防止用ロッド3-4の図示は省略している。また
図26においても、図示の簡略化のため、第1の後方延長部材3-21の図示を省略している。
図23及び
図26において、外れ防止用ロッド3-4が第4の梁状部材3-32の端部3-32Eに対して回動する方向が、それぞれ矢印R23、R26で示されている。そして、
図23~
図26において、外れ防止用ロッド3-4が矢印R23(
図23)或いは矢印R26(
図26)で示す様に回動して、外れ防止用ロッド3-4の端部3-4Eがブラケット係止部2-2Hと係合すると(閉じると)、それぞれ
図27~
図29で示す状態となる。その状態(外れ防止用ロッド3-4が閉じた状態)において、外れ防止用ロッド3-4の端部3-4Eは、ブラケット係止部2-2Hの上方に突出する端部2-2HEよりも、ブラケット係止用ロッド2-2側(
図27の右側)に位置しており、以て、外れ防止用ロッド3-4がブラケット係止部2-2Hから外れてしまうことを防止している。
【0043】
図24において図示を省略した外れ防止用ロッド3-4は、
図27では端部3-4Eがブラケット係止部2-2Hと係合した状態で示されている。また
図26では図示を省略した第1の後方延長部材3-21も、
図29では示されている。
図30~
図38を参照して後述するが、ガードレールビーム11をブラケット12に取り付け或いは取り外すためにガードレールビーム着脱補助用治具10-2をブラケット12の上部に載置する際には、外れ防止用ロッド3-4は
図23~
図26で示す様に、端部3-4Eがブラケット係止部2-2Hと係合せず、背部BA側(
図24の看者とは反対側:
図23、
図25、
図2の矢印B側)に位置している(開いた状態)。一方、ガードレールビーム11を収容部R内に収容する際には、外れ防止用ロッド3-4は
図27~
図29で示す様に、端部3-4Eをブラケット係止部2-2Hと係合する(閉じた状態)。
【0044】
図30~
図38を参照して、ガードレールビーム11をブラケット12に取り付け或いは取り外す態様を説明する。第3実施形態も、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、
図7、
図8で示すガードレールについて適用することが出来る。
図30~
図36を参照して、ガードレールビーム11をブラケット12に取り付ける態様を説明する。
図30において、先ず、ブラケット12の右側から(矢印R30方向から)ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を矢印R30方向に移動して、開口部S(
図24、
図27)が設けられた側からブラケット12に進行させる(治具10-2を挿入する)。そしてブラケット係止用ロッド2のブラケット係止部2-2Hを、ブラケット12の係止部12Aの上端面に載置せしめる。
ブラケット係止部2-2Hが、ブラケット12の係止部12Aの上端面に載置することにより、
図31で示す様にブラケット係止部2-2Hはブラケット12の係止部12Aの上端面に接触し、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2及びビーム保持部1の収容部Rに収容されたガードレールビーム11の重量は、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を介して、ブラケット12の係止部12Aの上端面で支持されることになる。
【0045】
図30において、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を矢印R30方向に移動する際に、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2が支柱13と干渉しない様にするため、外れ防止用ロッド3-4は
図30で示す様に開いた状態(
図24~
図26の状態)となっている。外れ防止用ロッド3-4が開くことにより、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を挿入することが出来る。
図32で示す様に、外れ防止用ロッド3-4は矢印R32方向に回動する。外れ防止用ロッド3-4を矢印R32方向に回動すると、外れ防止用ロッド3-4の端部3-4Eがブラケット係止部2-2Hと係合し、
図27~
図29、
図33、
図34で示す様に、外れ防止用ロッド3-4は閉じた状態になる。
【0046】
外れ防止用ロッド3-4が閉じた状態のガードレールビーム着脱補助用治具10-2が
図33、
図34に示されており、
図33、
図34の状態で、収容部Rにガードレールビーム11が収容される。
収容部Rにガードレールビーム11が収容する作業に際して、外れ防止用ロッド3-4が閉じた状態なので、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2がブラケット12から外れてしまうことが防止される。
そして、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のブラケット係止部2-2Hがブラケット12の係止部12Aの上端面に接触して、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2及びビーム保持部1の収容部Rに収容されたガードレールビーム11の重量はブラケット12の係止部12Aで確実に支持される。そのため、収容部Rにガードレールビーム11を収容すれば、多数の作業員でガードレールビーム11を保持しなくても、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2によりガードレールビーム11は保持される。
【0047】
ガードレールビーム着脱補助用治具10-2によりガードレールビーム11を支持した状態を示す
図35において、ブラケット12のボルト用貫通口12B(
図12)と、ガードレールビーム11のボルト用貫通口(図示せず)を整合し、そこにビーム取付用ボルト14(
図7、
図36)を差し込んで締結することにより、ガードレールビーム11はブラケット12に強固に取り付けられる。
第3実施形態では、ブラケット12の側方(
図30では右方)からガードレールビーム着脱補助用治具10-2を矢印R30方向(
図30)に移動して、ブラケット係止部2-2Hをブラケット12の係止部12Aに載置して、外れ防止用ロッド3-4を矢印R32方向(
図32)に回動する、という簡単な操作により、確実にガードレールビーム11の重量をブラケット12により支持出来る。
上述した様に、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のブラケット係止部2-2Hがブラケット12の係止部12Aに載置されていれば、治具10-2はブラケット12から外れ難い。そのため、作業員が予期しないタイミングでガードレールビーム着脱補助用治具10-2がブラケット12から外れてしまうことはなく、ガードレールビーム11の取付作業における作業員の安全性が向上する。
【0048】
次に、主として
図37、
図38を参照して、第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-2を用いて、ガードレールビーム11をブラケット12から取り外す作業について説明する。
先ず、ブラケット12にガードレールビーム11が固定されている状態で、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のビーム保持部1にガードレールビーム11が収容されている態様で、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2の開口部S(
図24、
図27)を設けた側から挿入する。その際に、
図37で示す様に、ブラケット12の右側から(矢印R37方向から)、外れ防止用ロッド3-4が開いた状態で、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を矢印R37方向に移動する。外れ防止用ロッド3-4が開くことにより、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を挿入することが出来る。
そして、ビーム保持部1にガードレールビーム11を収容し、ブラケット係止部2-2Hがブラケット12の上端面に接触する様に(ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を)配置する。
【0049】
次に
図38で示す様に、開いた状態の外れ防止用ロッド3-4を矢印R38方向に回動して、ブラケット係止部2-2H(
図37)と係合する(外れ防止用ロッド3-4を閉じる)。その結果、
図35、
図36で示す状態となり、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のブラケット係止部2-2Hがブラケット12の係止部12Aの上端面に接触しているので、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2及びビーム保持部1の収容部Rに収容されたガードレールビーム11の重量はブラケット12の係止部12Aで確実に支持され、多数の作業員で支持しなくても、ガードレールビーム11はガードレールビーム着脱補助用治具10-2により確実に保持される。
ビーム取付用ボルト14(
図7、
図36)を締結解除することにより、ガードレールビーム11はブラケット12から分離されるが、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のビーム保持部1にガードレールビーム11が収容されているので、ガードレールビーム11が落下してしまう恐れが無い。
また、外れ防止用ロッド3-4が閉じた状態なので、作業者が予期しないタイミングで、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2がブラケット12から外れてしまうことも防止される。
【0050】
この様に、第3実施形態に係るガードレールビーム着脱補助用治具10-2を用いることにより、ガードレールビーム11をブラケット12から外すに際しては、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2のビーム保持部1にガードレールビーム11が収容される様に、ガードレールビーム着脱補助用治具10-2をブラケット12の側方から(矢印R37方向から)、ブラケット係止部2-2Hがブラケット12上に載置される様に(ガードレールビーム着脱補助用治具10-2を)移動して、外れ防止用ロッド3-4を矢印R38方向に回動する、という簡単な操作によって、確実にガードレールビーム11の重量をブラケット12により支持することが出来る。
第3実施形態のガードレールビーム着脱補助用治具10-2のその他の構成、作用効果は、
図1~
図22の実施形態と同様である。
【0051】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0052】
1・・・ビーム保持部
2、2-1、2-2・・・ブラケット係止用ロッド
2-1A・・・固定側係止用ロッド
2-1B・・・回動側係止用ロッド
2-2H・・・ブラケット係止部
3、3-1、3-1A、3-1B・・・係止片
3-4・・・外れ防止用ロッド
4、4-1・・・可動部
10、10-1、10-2・・・ガードレールビーム着脱補助用治具
BA・・・背部
11・・・ガードレールビーム
12・・・ブラケット
12A・・・係止部
12B・・・ボルト用貫通口
13・・・支柱
14・・・ビーム取付用ボルト
15・・・ブラケット取付用ボルト
EL・・・スプリング