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特開2024-30553送料管理装置、送料管理方法、および送料管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030553
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】送料管理装置、送料管理方法、および送料管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240229BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133514
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】對馬 聖介
(72)【発明者】
【氏名】伊村 公志
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】物品の送料管理に関する作業負荷軽減を図る。
【解決手段】送料管理装置は、制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置である。制御部は、送料発生判断部と、送料データ作成部とを備える。送料発生判断部は、物品の納入先および物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される納入先および品種に応じて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。送料データ作成部は、送料発生の有無の判断結果に応じて、売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置であって、
前記制御部は、
前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する送料発生判断部と、
送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成する送料データ作成部と、
を備える送料管理装置。
【請求項2】
前記送料発生判断部は、
前記納入先ごとに送料計算対象外であるか否かを規定した納入先マスタおよび前記売上伝票に含まれる前記納入先に基づいて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する、
請求項1に記載の送料管理装置。
【請求項3】
前記送料発生判断部は、
前記品種ごとに送料発生に対する重み付け値であるポイントが登録された品種マスタに基づいて、前記売上伝票に含まれる前記品種に対応する前記ポイントのポイント総数を前記売上伝票ごとに計算し、
予め定められた閾値以上の前記ポイント総数が計算された前記売上伝票について送料発生無と判断する、
請求項1に記載の送料管理装置。
【請求項4】
前記送料発生判断部は、
前記売上伝票に含まれる前記品種に対応する前記ポイントが前記品種マスタに未登録である場合、前記ポイントが未登録であることを表すエラー情報を出力する、
請求項3に記載の送料管理装置。
【請求項5】
前記売上伝票は、前記物品の前記品種の品番および前記品番の前記物品の単価を更に含み、
前記送料発生判断部は、
前記単価がゼロの前記品番の前記品種を含む前記売上伝票について送料発生無と判断する、
請求項1に記載の送料管理装置。
【請求項6】
前記送料データに基づいて、前記納入先ごとに売上および送料を少なくとも規定した請求書データを生成する、請求書データ生成部、
を備える請求項1に記載の送料管理装置。
【請求項7】
制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置で実行される送料管理方法であって、
前記制御部で実行される、
前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断するステップと、
送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成するステップと、
を含む送料管理方法。
【請求項8】
制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置で実行される送料管理プログラムであって、
前記制御部で実行される、
前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断するステップと、
送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成するステップと、
を含む送料管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送料管理装置、送料管理方法、および送料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められた料金体系に応じて物品の送料を算出するシステムが知られている。例えば、物品の配送元および配送先の各々の住所に応じて送料を算出するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-126502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術では、住所以外の納入先の情報や納入対象の物品の品種に応じた送料算出や送料発生有無の自動判断がなされていなかった。このため、従来技術では、納入先や品種などに応じてユーザが手入力により送料を入力または修正を行う必要があった。すなわち、従来技術では、物品の送料管理に関する作業負荷が大きかった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、物品の送料管理に関する作業負荷軽減を図ることができる、送料管理装置、送料管理方法、および送料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る送料管理装置は、制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置であって、前記制御部は、前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する送料発生判断部と、送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成する送料データ作成部と、を備える。
【0007】
また、前記送料発生判断部は、前記納入先ごとに送料計算対象外であるか否かを規定した納入先マスタおよび前記売上伝票に含まれる前記納入先に基づいて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。
【0008】
また、前記送料発生判断部は、前記品種ごとに送料発生に対する重み付け値であるポイントが登録された品種マスタに基づいて、前記売上伝票に含まれる前記品種に対応する前記ポイントのポイント総数を前記売上伝票ごとに計算し、予め定められた閾値以上の前記ポイント総数が計算された前記売上伝票について送料発生無と判断する。
【0009】
また、前記送料発生判断部は、前記売上伝票に含まれる前記品種に対応する前記ポイントが前記品種マスタに未登録である場合、前記ポイントが未登録であることを表すエラー情報を出力する。
【0010】
また、前記売上伝票は、前記物品の前記品種の品番および前記品番の前記物品の単価を更に含み、前記送料発生判断部は、前記単価がゼロの前記品番の前記品種を含む前記売上伝票について送料発生無と判断する。
【0011】
また、本発明に係る送料管理装置は、前記送料データに基づいて、前記納入先ごとに売上および送料を少なくとも規定した請求書データを生成する、請求書データ生成部を備える。
【0012】
また、本発明に係る送料管理方法は、制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置で実行される送料管理方法であって、前記制御部で実行される、前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断するステップと、送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成するステップと、を含む。
【0013】
また、本発明に係る送料管理プログラムは、制御部を備え、物品の送料を管理する送料管理装置で実行される送料管理プログラムであって、前記制御部で実行される、前記物品の納入先および前記物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データに示される前記納入先および前記品種に応じて、前記売上伝票ごとに送料発生の有無を判断するステップと、送料発生の有無の判断結果に応じて、前記売上伝票ごとに送料を規定した送料データを作成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、物品の送料管理に関する作業負荷軽減を図ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、送料管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2A図2Aは、納入先マスタのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2B図2Bは、品種マスタのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2C図2Cは、品番マスタのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2D図2Dは、送料発生閾値マスタのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2E図2Eは、送料マスタのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2F図2Fは、売上データのデータ構造の一例を示す模式図である。
図2G図2Gは、送料データのデータ構造の一例の模式図である。
図2H図2Hは、回収予定データのデータ構造の一例の模式図である。
図3図3は、ポイント総数の計算結果の一例の模式図である。
図4図4は、本実施形態の送料管理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る送料管理装置、送料管理方法、および送料管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.構成]
本実施形態に係る送料管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、送料管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の送料管理装置100は、物品の送料に関する情報を管理するための情報処理装置である。物品とは、輸送や配送などにより送料の発生対象となりうる物である。物品は、例えば、販売される商品などであるが、商品に限定されない。商品は、例えば、コンタクトレンズや家電などの非食料品や食料品などであるが、これらに限定されない。
【0019】
送料管理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。送料管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
送料管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備える。送料管理装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータなどの通信装置および専用線などの有線または無線の通信回線を介して、送料管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、送料管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に記憶されている各種のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、例えば、納入先マスタ106a、品種マスタ106b、品番マスタ106c、送料発生閾値マスタ106d、送料マスタ106e、売上データ106f、送料データ106g、および回収予定データ106hなどを記憶する。納入先マスタ106a、品種マスタ106b、品番マスタ106c、送料発生閾値マスタ106d、送料マスタ106e、売上データ106f、送料データ106g、および回収予定データ106hは、各種の情報を登録したデータベースやテーブルなどである。本実施形態では、本実施形態で用いるデータベース、テーブル、およびデータの構造を簡略化して記載するものとする。これらのデータベース、テーブル、およびデータの実際の構造は、より複雑であるが、本発明と直接関係のない部分については実際より簡略化して示す。
【0025】
図2Aは、納入先マスタ106aのデータ構造の一例を示す模式図である。納入先マスタ106aは、物品の納入先に関する情報を管理するためのデータベースである。
【0026】
納入先マスタ106aは、例えば、納入先コードと、送料計算対象外フラグと、を対応付けたデータベースである。納入先コードとは、納入先の識別情報である。送料計算対象外フラグとは、対応する納入先コードによって識別される納入先が、送料計算の対象外であるか否かを表すフラグである。図2A中、フラグ“0”は、送料計算対象であることを表す。フラグ“1”は、送料計算対象外であることを表す。
【0027】
納入先マスタ106aには、物品の販売者や管理者等のユーザから予め指定された種類のフラグが、納入先ごとに予め登録されている。例えば、物品の販売者や管理者等のユーザは、大口顧客や優良顧客などの納入先に対して、送料計算の対象外であることを予め指定する。送料管理装置100は、ユーザによって予め指定された種類のフラグを、対応する納入先の納入先コードに対応付けて納入先マスタ106aに予め登録すればよい。
【0028】
図2Bは、品種マスタ106bのデータ構造の一例を示す模式図である。品種マスタ106bは、物品の品種に関する情報を管理するためのデータベースである。本実施形態では、品種マスタ106bは、品種ごとに送料発生に対する重み付け値であるポイントが登録されたデータベースである。
【0029】
例えば、品種マスタ106bは、品種コードと、ポイントと、を対応付けたデータベースである。品種コードとは、物品の品種の識別情報である。ポイントとは、対応する品種に対して設定された、送料発生に対する重み付け値である。ポイントの値が大きいほど、対応する品種コードによって識別される品種の物品の送料発生の可能性が低いことを表す。ポイントの値が小さいほど、対応する品種コードによって識別される品種の物品の送料発生の可能性が高いことを表す。
【0030】
品種マスタ106bには、物品の販売者や管理者等のユーザから予め指定されたポイントが、品種ごとに予め登録されている。例えば、物品の販売者や管理者等のユーザは、新商品や付加価値の高い物品の品種に対して、送料発生の可能性を低くして販売促進を促す観点などから、より大きい値のポイントを予め指定する。送料管理装置100は、ユーザによって予め指定されたポイントを、対応する品種コードに対応付けて品種マスタ106bに予め登録すればよい。なお、図2Bに示すように、品種マスタ106bには、ユーザによる指定状況などにより、ポイントが未登録の品種コードが含まれていてもよい。
【0031】
図2Cは、品番マスタ106cのデータ構造の一例を示す模式図である。品番マスタ106cは、物品の品番に関する情報を管理するためのデータベースである。例えば、品種マスタ106bは、品番コードを登録したデータベースである。品番コードとは、品番の識別情報である。図2Cには、品番コードとして、5桁のコードを一例として示す。
【0032】
物品の品種には、1または複数の品番が対応付けられている。図2C中、品番コードの最初の4桁は品種コードを表す。具体的には、例えば、品番コード”H0001”は、品種コード”H000”の品番コードの一例である。このため、品番マスタ106cには、品種に対応する品番コードが登録されているといえる。なお、品番マスタ106cは、品種コードと、品番コードと、を対応付けたデータベースであってもよい。
【0033】
図2Dは、送料発生閾値マスタ106dのデータ構造の一例を示す模式図である。送料発生閾値マスタ106dは、ポイント総数に対する送料発生の閾値を管理するためのデータベースである。ポイント総数の詳細は後述する。図2Dには、閾値として”12”が予め登録されている形態を一例として示す。
【0034】
図2Eは、送料マスタ106eのデータ構造の一例を示す模式図である。送料マスタ106eは、送料を管理するためのデータベースである。図2Eには、送料として500円が登録されている形態を一例として示す。
【0035】
図2Fは、売上データ106fのデータ構造の一例を示す模式図である。売上データ106fは、物品の売上に関する情報を、売上伝票ごとに管理するためのデータベースである。売上伝票は、物品の納入先および物品の品種に関する情報を少なくとも含む。
【0036】
例えば、売上データ106fは、売上番号と、行番号と、受注番号と、納入先コードと、品種コードと、品番コードと、単価と、を対応付けたデータベースである。売上番号は、売上の識別情報である。行番号は、売上に含まれる品番ごとに付与される番号である。受注番号は、受注の識別情報である。単価は、対応する品種コードによって識別される品種の、対応する品番コードによって識別される品番の物品の単価を表す情報である。
【0037】
売上番号は、売上伝票ごとに付与される。図2Fに示す売上データ106f中、同じ売上番号に対応するデータの群が、1つの売上伝票のデータに相当する。すなわち、図2Fには、売上データ106fには、売上番号”30001”~売上番号”30006”の各々によって識別される6個の売上伝票に関するデータが登録されている形態を一例として示す(図2F中、A~F参照)。
【0038】
以下、売上番号”30001”~売上番号”30006”の各々によって識別される売上伝票を、それぞれ、売上伝票A~売上伝票Fの各々と称して説明する場合がある。
【0039】
売上データ106fは、例えば、1日ごと等の予め定めた期間ごとに、物品の売上状況などに応じて作成される。売上データ106fは、1日ごと等の予め定めた期間ごとに、物品の販売を管理する外部の情報処理装置等で作成され、記憶部106に記憶される構成であってもよい。また、売上データ106fは、1日ごと等の予め定めた期間ごとに、物品の売上状況などに応じて制御部102が作成し、記憶部106に記憶してもよい。
【0040】
図2Gは、送料データ106gのデータ構造の一例の模式図である。送料データ106gは、売上伝票ごとに送料を管理するためのデータベースである。
【0041】
例えば、送料データ106gは、売上番号と、受注番号と、送料と、を対応付けたデータベースである。送料データ106gは、後述する制御部102の処理によって作成される。
【0042】
図2Hは、回収予定データ106hのデータ構造の一例の模式図である。回収予定データ106hは、納入先ごとに請求書データを作成する際に用いられる元データを管理するためのデータベースである。
【0043】
例えば、回収予定データ106hは、売上番号と、請求番号と、回収予定金額と、を対応付けたデータベースである。請求番号は、請求書データの識別情報である。回収予定金額は、対応する売上番号によって識別される売上伝票に示される納入先に対して請求する予定の金額である。回収予定金額には、物品の売上と、計算された送料と、が含まれる。回収予定データ106hは、後述する制御部102の処理によって作成される。
【0044】
図1に戻り説明を続ける。制御部102は、送料管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS(オペレーティング・システム)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0045】
本実施形態では、制御部102は、送料発生判断部102aと、送料データ作成部102bと、請求書データ生成部102cと、を備える。
【0046】
送料発生判断部102aは、物品の納入先および物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データ106fに示される納入先および品種に応じて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。
【0047】
詳細には、送料発生判断部102aは、納入先ごとに送料計算対象外であるか否かを規定した納入先マスタ106aおよび売上伝票に含まれる納入先に基づいて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。
【0048】
また、送料発生判断部102aは、品種ごとに送料発生に対する重み付け値であるポイントが登録された品種マスタ106bに基づいて、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントのポイント総数を売上伝票ごとに計算する。そして、送料発生判断部102aは、予め定められた閾値以上のポイント総数が計算された売上伝票について送料発生無と判断する。
【0049】
また、送料発生判断部102aは、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントが品番マスタ106cに未登録である場合、ポイントが未登録であることを表すエラー情報を出力する。
【0050】
また、売上データ106fに含まれる売上伝票は、物品の品種の品番および該品番の物品の単価を更に含む。送料発生判断部102aは、単価がゼロの品番の品種を含む売上伝票について送料発生無と判断する。
【0051】
請求書データ生成部102cは、売上データ106fおよび送料発生の有無の判断結果に応じて生成された送料データ106gに基づいて、納入先ごとに売上および送料を少なくとも規定した請求書データを生成する。
【0052】
制御部102における処理の流れの詳細を、具体例を挙げて詳細に説明する。
【0053】
例えば、納入先マスタ106a、品種マスタ106b、品番マスタ106c、送料発生閾値マスタ106d、および送料マスタ106eの各々に、それぞれ、図2A図2Eの各々に示すデータが登録されている場合を想定する。
【0054】
また、処理対象の売上データ106fが、図2Fに示す売上データ106fであった場合を想定する。
【0055】
上述したように、例えば、売上データ106fが、1日ごとに生成され記憶部106に登録される形態を想定して説明する。図2Fに示すように、例えば、売上データ106fには、売上番号によって識別される売上伝票A~売上伝票Fの6個の売上伝票に関するデータが登録されている場面を想定して説明する。
【0056】
制御部102は、売上データ106fに登録されている売上伝票の各々毎に、以下の処理を実行する。
【0057】
送料発生判断部102aは、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されているか否かを判断する。ポイントが登録されている品種、とは、ポイントを表す値が品種コードに対応付けて品種マスタ106bに登録されていることを意味する。そして、送料発生判断部102aは、品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていない場合、未登録であることを表すエラー情報を出力する。
【0058】
また、送料発生判断部102aは、品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていない売上伝票については、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。なお、送料発生判断部102aは、品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていない売上伝票については、後述する請求書データの作成対象外と判断してもよい。本実施形態では、品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていない売上伝票については、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する形態を一例として説明する。
【0059】
図2Fに示す売上データ106fの場合、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A~売上伝票Eのそれぞれに含まれる品種コード”H000”~”H003”の各々については、対応するポイントが品種マスタ106bに登録されている(図2Bも参照)。一方、売上伝票Fに含まれる品種コード”H0004”については、対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていない(図2Bも参照)。
【0060】
このため、この場合、送料発生判断部102aは、売上伝票A~売上伝票Fの内、品種コード”H0004”を含む売上伝票Fについて、ポイントが未登録であることを表すエラー情報を作成する。例えば、エラー情報は、ポイントが未登録である品種または品種コードを表す情報と、ポイントが未登録であることを表すメッセージと、を含む。
【0061】
そして、送料発生判断部102aは、作成したエラー情報を、売上伝票Fに含まれる品種コードによって識別される品種の物品の管理者や販売者等のユーザの情報処理装置へ、通信インターフェース部104を介して送信すればよい。エラー情報を出力することで、送料管理装置100は、ユーザに対して、ポイントが未登録の品種を通知することができ、該品種に対するポイントの登録を促すことができる。
【0062】
また、送料発生判断部102aは、ポイントが未登録の品種を含む売上伝票Fについては、送料計算対象外すなわち送料発生無と判断してよい。
【0063】
一方、送料発生判断部102aは、売上伝票A~売上伝票Eについては、送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0064】
また、送料発生判断部102aは、売上伝票に含まれる納入先および納入先マスタ106aに基づいて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。
【0065】
詳細には、送料発生判断部102aは、納入先マスタ106aにおける、売上伝票に含まれる納入先コードに対応する送料計算対象外フラグを特定する。そして、送料発生判断部102aは、特定した送料計算対象外フラグが、送料計算対象外であることを表すフラグ“1”である場合、売上伝票を送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。また、送料発生判断部102aは、特定した送料計算対象外フラグが送料計算対象であることを表すフラグ“0”である場合、売上伝票を送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0066】
図2Fに示す売上データ106fの場合、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A~売上伝票Cのそれぞれに含まれる納入先コードは、それぞれ、”R001”~”R003”である。図2Aに示す納入先マスタ106aにおける、これらの納入先コード”R001”~”R003”の各々に対応する送料計算対象外フラグは、送料計算対象であることを表すフラグ“0”である。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票A~売上伝票Cについては、送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0067】
同様に、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票E~売上伝票Fのそれぞれに含まれる納入先コードは、それぞれ、”R001”~”R002”である。図2Aに示す納入先マスタ106aにおける、これらの納入先コード”R001”~”R002”の各々に対応する送料計算対象外フラグは、送料計算対象であることを表すフラグ“0”である。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票E~売上伝票Fについても、送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0068】
一方、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票Dに含まれる納入先コードは、”R004”である。図2Aに示す納入先マスタ106aにおける、納入先コード”R004”に対応する送料計算対象外フラグは、送料計算対象外であることを表すフラグ“1”である。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票Dについては、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。
【0069】
ここで、売上伝票Fについては、ポイントが品種マスタ106bに登録されているか否かの上記判断により送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。このため、送料発生判断部102aは、これらの判断により、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A~売上伝票Cおよび売上伝票Eについて送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0070】
また、送料発生判断部102aは、売上伝票の各々ごとに、単価がゼロの品番の品種が含まれるか否かを判断する。
【0071】
単価がゼロの品番の品種とは、販売者や管理者等のユーザが代金の徴収を希望しない物品の品種である。単価がゼロの品番の品種の物品は、例えば、サンプル品、購入希望の物品の代替品などである。
【0072】
送料発生判断部102aは、単価がゼロの品番の品種を含む売上伝票について送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。また、送料発生判断部102aは、単価がゼロの品番の品種を含まない売上伝票について、送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0073】
図2Fに示す売上データ106fの場合、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A、売上伝票B、売上伝票D~売上伝票Fについては、単価がゼロの品番の品種の物品が含まれない。一方、売上伝票Cについては、単価がゼロである品番コード”H0023”の物品が含まれる。
【0074】
このため、送料発生判断部102aは、売上伝票Cについては、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。また、送料発生判断部102aは、売上伝票A、売上伝票B、売上伝票D~売上伝票Fについては送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0075】
但し、売上伝票Dについては、送料計算対象外であることを表すフラグによる上記判断により、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。また、売上伝票Fについては、ポイントが品種マスタ106bに登録されているか否かの上記判断により送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。このため、送料発生判断部102aは、これらの判断により、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A~売上伝票Bおよび売上伝票Eについて送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0076】
また、送料発生判断部102aは、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されていると判断した売上伝票の各々について、品種マスタ106b(図2B参照)に基づいて、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントのポイント総数を計算する。
【0077】
図2Fに示す売上データ106fの場合、売上伝票A~売上伝票Fの内、売上伝票A~売上伝票Eについては、上述したように、含まれる品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されている。
【0078】
また、売上伝票Cについては、単価がゼロの品番の品種の物品を含むか否かの上記判断により、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。また、売上伝票Dについては、送料計算対象外であることを表すフラグによる上記判断により、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。また、売上伝票Fについては、ポイントが品種マスタ106bに登録されているか否かの上記判断により送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断されている。
【0079】
このため、送料発生判断部102aは、売上伝票A~売上伝票Fの内、上記の複数種類の何れ判断においても送料計算対象、すなわち送料発生有と判断した売上伝票A~売上伝票B、および売上伝票Eについて、含まれる品種に対応するポイントのポイント総数を計算する。
【0080】
図3は、ポイント総数の計算結果の一例の模式図である。
【0081】
売上番号”30001”によって識別される売上伝票Aについては、含まれる品種コードと品番コードとの3つの対の各々に含まれる、品種コード”H000”に対応するポイントが”3”である(図2Fおよび図2B参照)。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票Aに対するポイント総数として”9”を計算する。
【0082】
売上番号”30003”によって識別される売上伝票Bについては、含まれる品種コードと品番コードとの3つの対の各々に含まれる、品種コード”H001”に対応するポイントが”4”である。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票Bに対するポイント総数として”12”を計算する。
【0083】
売上番号”30005”によって識別される売上伝票Eについては、含まれる品種コードと品番コードとの3つの対の内、1つの対に含まれる品種コード”H000”に対応するポイントが”3”である(図2Fおよび図2B参照)。また、残り2つの対の各々に含まれる品種コード”H001”に対応するポイントが”4”である(図2Fおよび図2B参照)。このため、送料発生判断部102aは、売上伝票Eに対するポイント総数として”11”を計算する。
【0084】
なお、本実施形態では、送料発生判断部102aが、品種コードと品番コードとの対ごとにポイントを加算することで、売上伝票ごとのポイント総数を計算する場合を一例として説明する。しかし、ポイント総数の計算方法はこの計算方法に限定されない。例えば、売上データ106fに品番コードごとに物品の数(売上数)が含まれる場合を想定する。この場合、送料発生判断部102aは、品種コードと品番コードとの対に含まれる品種コードに対応するポイントに、対応する物品の数を乗算した乗算値を用いて、売上伝票ごとにポイント総数を計算してもよい。
【0085】
次に、送料発生判断部102aは、計算したポイント総数が、送料発生閾値マスタ106d(図2D参照)に示される閾値以上である売上伝票を、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。また、送料発生判断部102aは、計算したポイント総数が、送料発生閾値マスタ106d(図2D参照)に示される閾値未満である売上伝票を、送料計算対象、すなわち送料発生有と判断する。
【0086】
具体的には、送料発生判断部102aは、図3に示すポイント総数を計算した売上伝票A、売上伝票B、および売上伝票Eの内、ポイント総数が送料発生閾値マスタ106dに登録されている閾値”12”以上である売上伝票Bを、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。また、送料発生判断部102aは、図3に示すポイント総数を計算した売上伝票A、売上伝票B、および売上伝票Eの内、ポイント総数が送料発生閾値マスタ106dに登録されている閾値”12”未満である売上伝票Aおよび売上伝票Eを、送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断する。
【0087】
そして、送料データ作成部102bは、送料発生判断部102aによる送料発生の有無の判断結果に応じて、売上伝票ごとに送料を規定した送料データ106gを作成する。
【0088】
詳細には、送料データ作成部102bは、送料発生判断部102aによる上記複数種類の判断の少なくとも1種の判断により送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断された売上伝票については、送料発生無を表す情報を送料データ106gへ設定する。また、送料データ作成部102bは、送料発生判断部102aによる上記複数種類の判断の何れにおいても送料計算対象、すなわち送料発生有と判断した売上伝票については、送料マスタ106eに登録されている送料を送料データ106gへ登録する。
【0089】
詳細には、図2Gに示すように、送料データ作成部102bは、送料発生判断部102aによる上記複数種類の判断の何れにおいても送料計算対象、すなわち送料発生有と判断した売上伝票Aおよび売上伝票Eについては、送料マスタ106eに登録されている送料である”500”を送料データ106gへ登録する。一方、送料データ作成部102bは、上記各種の判断の何れかにおいて送料計算対象外、すなわち送料発生無と判断された売上伝票B~売上伝票Dについては、これらの売上伝票の識別情報である売上番号”30002”~”30004”に対応付けて送料”0”を登録する。また、送料データ作成部102bは、ポイントが未登録の品種を含むため送料計算対象外および送料データの作成対象外と判断された売上伝票Fについては、送料データ106gにデータを登録しない。なお、送料データ作成部102bは、売上伝票Fについても、売上伝票Fの識別情報である売上番号”30006”に対応付けて送料”0”を送料データ106gへ登録してもよい。
【0090】
そして、送料データ作成部102bは、回収予定データ106hを生成する。例えば、送料データ作成部102bは、図2Hに示す回収予定データ106hを生成する。
【0091】
回収予定データ106hとは、上述したように、売上伝票ごとに請求書データを作成する際に用いる元データを管理するためのデータベースである。送料データ作成部102bは、売上伝票の各々を識別するための売上番号に対応付けて、売上データ106fに示される対応する単価の合計値を売上として回収予定データ106hの回収予定金額の項目に登録する。また、送料発生判断部102aは、売上伝票の各々を識別するための売上番号に対応付けて、送料データ106gに示される対応する送料を回収予定データ106hの回収予定金額の項目に登録する。これらの処理により、送料発生判断部102aは、売上番号によって識別される売上伝票ごとに、売上および送料を登録した回収予定データ106hを生成する。
【0092】
図2Hに示す例の場合、回収予定データ106hには、売上番号”30001”および”30005”の各々によって識別される売上伝票Aおよび売上伝票Eには、回収予定金額として、売上”300”および送料”500”がそれぞれ登録された状態となる。また、回収予定データ106hには、売上番号”30002”~”30004”および”30006”の各々によって識別される売上伝票B~売上伝票Dおよび売上伝票Fには、回収予定金額として、売上”300”がそれぞれ登録され、送料が登録されていない状態となる。
【0093】
請求書データ生成部102cは、売上データ106fおよび送料データ106gに基づいて、納入先ごとに売上および送料を少なくとも規定した請求書データを生成する。例えば、請求書データ生成部102cは、売上データ106fおよび送料データ106gに基づいて生成された回収予定データ106hを用いて、請求書データを生成する。
【0094】
具体的には、例えば、請求書データ生成部102cは、1ヵ月などの予め定められた所定期間ごとに、回収予定データ106hに基づいて請求書データを生成する。詳細には、請求書データ生成部102cは、回収予定データ106hに登録されている売上番号によって識別される売上伝票に含まれる納入先コードによって識別される納入先ごとに、回収予定データ106hに登録されている売上および送料を集計することで、納入先ごとに請求書データを生成する。
【0095】
なお、請求書データ生成部102cは、回収予定データ106hに登録されている売上番号によって識別される売上伝票に含まれる納入先コードによって識別される納入先ごとに、回収予定データ106hに登録されている売上を集計してもよい。そして、請求書データ生成部102cは、送料以外の項目が設定された請求書データを、モニタ114などに出力してもよい。ユーザは、モニタ114および回収予定データ106hまたは送料データ106gを視認しながら入力装置112を操作することで、請求書データごとに回収予定データ106hまたは送料データ106gに示される送料の値を入力してもよい。そして、請求書データ生成部102cは、入力された送料を含む請求書データを出力してもよい。
【0096】
次に、本実施形態の送料管理装置100が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0097】
図4は、本実施形態の送料管理装置100が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
送料発生判断部102aは、記憶部106から売上データ106fを読取る(ステップS100)。
【0099】
制御部102は、ステップS100で読取った売上データ106fに含まれる1または複数の売上伝票の各々ごとに、ステップS102~ステップS118の処理を繰り返す。
【0100】
詳細には、送料発生判断部102aは、処理対象の売上伝票に含まれる品種に対応するポイントが品種マスタ106bに登録されているか否かを判断する(ステップS102)。ポイントが品種マスタ106bに登録されていないと判断した場合(ステップS102:No)、ステップS104へ進む。ステップS104では、送料発生判断部102aは、ポイントが品種マスタ106bに未登録であることを表すエラー情報を生成し、出力する(ステップS104)。そして、後述するステップS116へ進む。
【0101】
一方、ポイントが品種マスタ106bに登録されていると判断した場合(ステップS102:Yes)、ステップS106へ進む。
【0102】
ステップS106では、送料発生判断部102aは、売上伝票に含まれる納入先が送料計算対象外の納入先であるか否かを判断する(ステップS106)。
【0103】
送料発生判断部102aは、納入先マスタ106aにおける、売上伝票に含まれる納入先コードに対応する送料計算対象外フラグを特定する。そして、送料発生判断部102aは、特定した送料計算対象外フラグが送料計算対象外であることを表すフラグ“1”である場合、売上伝票を送料計算対象外すなわち送料発生無と判断し、ステップS106で肯定判断する(ステップS106:Yes)。そして、後述するステップS116へ進む。
【0104】
一方、送料発生判断部102aは、特定した送料計算対象外フラグが送料計算対象であることを表すフラグ“0”である場合、売上伝票を送料計算対象、すなわち送料発生有と判断し、ステップS106で否定判断する(ステップS106:No)。そして、ステップS108へ進む。
【0105】
ステップS108では、送料発生判断部102aは、売上伝票に単価がゼロの品番の品種が含まれるか否かを判断する(ステップS108)。送料発生判断部102aは、売上データ106fに、処理対象の売上伝票の識別情報である売上番号に対応付けて、単価がゼロの品番の品種が登録されているか否かを判別することで、ステップS108の判断を行う。
【0106】
送料発生判断部102aは、単価がゼロの品番の品種を含むと判断した場合(ステップS108:Yes)、売上伝票について送料計算対象外すなわち送料発生無と判断し、後述するステップS116へ進む。送料発生判断部102aは、単価がゼロの品番の品種を含まないと判断した場合(ステップS108:No)、送料計算対象すなわち送料発生有と判断し、ステップS110へ進む。
【0107】
ステップS110では、送料発生判断部102aは、品種マスタ106bに基づいて、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントのポイント総数を計算する(ステップS110)。そして、送料発生判断部102aは、ステップS110で計算したポイント総数が、送料発生閾値マスタ106d(図2D参照)に示される閾値以上であるか否かを判断する(ステップS112)。
【0108】
送料発生判断部102aは、ポイント総数が閾値以上であると判断した場合(ステップS112:Yes)、送料計算対象外すなわち送料発生無と判断し、後述するステップS116へ進む。送料発生判断部102aは、ポイント総数が閾値未満であると判断した場合(ステップS112:No)、送料計算対象すなわち送料発生有と判断し、ステップS114へ進む。
【0109】
ステップS114では、送料データ作成部102bが、送料データ106gにおける売上伝票の識別情報である売上番号に対応付けて、送料マスタ106eに登録されている送料を登録することで、送料データ106gを生成する(ステップS114)。そして、ステップS118へ進む。
【0110】
一方、上記何れかの判断によって送料計算対象外すなわち送料発生無と判断した場合、送料データ作成部102bは、送料データ106gにおける売上伝票の識別情報である売上番号に対応付けて、送料発生無を表す情報として例えば送料”0”を表す情報を登録することで、送料データ106gを生成する(ステップS116)。そして、ステップS118へ進む。
【0111】
次に、送料データ作成部102bは、ステップS100で読取った売上データ106fおよびステップS114またはステップS116で生成された送料データ106gを用いて、送料および売上を規定した回収予定データ106hを生成する(ステップS118)。
【0112】
制御部102がステップS100で読取った売上データ106fに含まれる1または複数の売上伝票の各々ごとに、ステップS102~ステップS118の処理を繰り返すことで、複数の売上伝票の各々ごとの送料が登録された送料データ106gと、複数の売上伝票の各々ごとの送料および売上が登録された回収予定データ106hが作成される。なお、回収予定データ106hの生成は、複数の売上伝票の各々ごとにステップS102~ステップS116の処理を実行した後に行ってもよい。
【0113】
次に、請求書データ生成部102cは、請求書データを生成するか否かを判断する(ステップS120)。例えば、請求書データ生成部102cは、請求書データの生成タイミングであるか否かを判別することで、ステップS120の判断を行う。例えば、請求書データを1ヵ月ごとに行い、1ヵ月内の特定の日の特定の時間に行う場合を想定する。この場合、請求書データ生成部102cは、現在のタイミングが予め設定された特定の日の特定の時間であるか否かを判別することで、ステップS120の判断を行えばよい。
【0114】
ステップS120で否定判断すると(ステップS120:No)、上記ステップS100へ戻る。ステップS120で肯定判断すると(ステップS120:Yes)、ステップS122へ進む。
【0115】
ステップS122では、請求書データ生成部102cは、売上データ106fおよび送料データ106gに基づいて、納入先ごとに売上および送料を少なくとも規定した請求書データを生成する。そして、請求書データ生成部102cは、生成した請求書データを出力する(ステップS122)。そして、本ルーチンを終了する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態の送料管理装置100は、制御部102を備え、物品の送料を管理する送料管理装置である。制御部102は、送料発生判断部102aと、送料データ作成部102bとを備える。送料発生判断部102aは、物品の納入先および物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データ106fに示される納入先および品種に応じて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。送料データ作成部102bは、送料発生の有無の判断結果に応じて、売上伝票ごとに送料を規定した送料データ106gを作成する。
【0117】
このように、本実施形態の送料管理装置100は、物品の納入先および物品の品種を少なくとも含む売上伝票に関する売上データ106fに示される納入先および品種に応じて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。そして、送料データ作成部102bは、送料発生の有無の判断結果に応じて、売上伝票ごとに送料を規定した送料データ106gを作成する。
【0118】
このため、本実施形態の送料管理装置100では、納入先や品種などに応じてユーザが送料発生の有無の判断や送料の入力修正を行うことなく、納入先および品種に応じた送料発生の有無の判断および判断結果に応じた送料データ106gを生成することができる。
【0119】
従って、本実施形態の送料管理装置100は、物品の送料管理に関する作業負荷軽減を図ることができる。
【0120】
また、本実施形態の送料管理装置100では、送料発生判断部102aが売上データ106fに示される納入先および品種に応じて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。このため、本実施形態の送料管理装置100は、判断基準の統一化および人的ミスの抑制を図ることができ、高精度に送料を管理することができる。
【0121】
また、本実施形態の送料管理装置100では、請求書データ生成部102cが、送料データ106gに基づいて、納入先ごとに売上および送料を規定した請求書データを生成する。このように、本実施形態の送料管理装置100では、送料発生判断部102aによる送料は制の有無の判断結果に応じて生成された送料データ106gに基づいて請求書データを生成するため、料金の回収漏れなどを抑制することができる。
【0122】
また、本実施形態の送料管理装置100では、売上伝票に含まれる品種に対応するポイントが品種マスタ106bに未登録である場合、ポイントが未登録であることを表すエラー情報を出力する。このため、本実施形態の送料管理装置100は、送料計算が出来なかった売上伝票に関する情報をユーザに対して容易に提供することができる。
【0123】
また、本実施形態の送料管理装置100では、納入先ごとに送料計算対象外であるか否かを規定した納入先マスタ106aおよび売上伝票に含まれる納入先に基づいて、売上伝票ごとに送料発生の有無を判断する。このため、本実施形態の送料管理装置100では、特定の納品先ごとに、送料計算対象外とするか否かを容易に管理することができる。
【0124】
また、本実施形態の送料管理装置100では、単価がゼロの品番の品種を含む売上伝票について送料発生無と判断する。上述したように、単価がゼロの品番の品種とは、販売者や管理者等のユーザが代金の徴収を希望しない物品の品種である。単価がゼロの品番の品種の物品は、例えば、サンプル品、購入希望の物品の代替品などである。
【0125】
このため、本実施形態の送料管理装置100は、単価がゼロの品番の品種を含む売上伝票について送料発生無と判断することで、ユーザが代金の徴収を希望しない物品の品種を含む売上伝票については、自動的に送料計算対象外すなわち送料発生無として管理することができる。
【0126】
[2.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0127】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0128】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0129】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0130】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0131】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0132】
また、送料管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0133】
例えば、送料管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて送料管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0134】
また、このコンピュータプログラムは、送料管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0135】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、およびBlu-ray(登録商標)Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0136】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0137】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0138】
また、送料管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、送料管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0139】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0140】
100 送料管理装置
102 制御部
102a 送料発生判断部
102b 送料データ作成部
102c 請求書データ生成部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4