(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030588
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133557
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 奨
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HH01
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK15
2C061HQ12
2C061HV32
(57)【要約】
【課題】他の画像形成装置から印刷情報を取得できない場合であっても、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる画像形成装置及び画像形成プログラムを得る。
【解決手段】画像形成装置50は、他の画像形成装置50に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、当該他の画像形成装置50から印刷情報が取得できず、かつ、当該他の画像形成装置50に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が上記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行する実行部51Aを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
他の画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できず、かつ、前記他の画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が前記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された前記印刷情報を取得して印刷処理を実行する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
自装置に保持された印刷情報を予め定められたタイミングで自装置に対応した仮想的な装置である自仮想画像形成装置に保持させる保持処理を更に実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予め定められたタイミングは、前記印刷情報が自装置に保持されたタイミングである、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できない状態は、当該他の画像形成装置との通信ができない状態である、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信ができない状態は、前記他の画像形成装置の電源がオフとされている状態である、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記他仮想画像形成装置に対するアクセス情報として、前記他の画像形成装置を特定可能な特定情報を含む情報を用いる、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記特定情報は、前記他の画像形成装置のシリアル番号である、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
予め定められた条件に応じて、最初にアクセスする装置を前記他の画像形成装置とするか、前記他仮想画像形成装置とするかを決定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記予め定められた条件は、通信速度が速い装置との条件である、
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記通信速度が速い装置は、前記他の画像形成装置の利用頻度が予め定められた閾値未満である時間帯は当該他の画像形成装置で、前記利用頻度が前記閾値以上である時間帯は前記他仮想画像形成装置である、
請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
他の画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できず、かつ、前記他の画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が前記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された前記印刷情報を取得して印刷処理を実行する、
処理をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバレス・オンデマンドプリントサービスに関する技術として以下の技術があった。
【0003】
特許文献1には、蓄積文書に対する認証機能を共有することができ、ネットワークおよび融合機のリソースを浪費することなく蓄積文書の出力を可能とすることを目的とした画像形成装置が開示されている。
【0004】
この画像形成装置は、画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係るユーザサービスの処理を行うプログラムと、蓄積文書を蓄積する文書蓄積手段とを有する。
【0005】
また、この画像形成装置は、外部のネットワーク機器から前記文書蓄積手段に蓄積された蓄積文書に対する証明情報取得要求を受信すると、前記証明情報取得要求に応じた証明情報を生成して前記ネットワーク機器に送信する一方、他の画像形成装置の文書出力サービスから前記証明情報を利用した蓄積文書取得要求を受信すると、前記証明情報に応じた蓄積文書を前記文書蓄積手段から取得して前記他の画像形成装置の文書出力サービスに送信する文書管理サービスを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この技術では、利用者が印刷物を得たい自画像形成装置が、他の画像形成装置が保持する印刷対象とする印刷情報を当該他の画像形成装置から取得して印刷しようとする際に、当該他の画像形成装置から印刷情報を取得できない場合には、自画像形成装置で当該印刷情報による印刷処理を実行することができない、という問題点があった。
【0008】
本開示の目的は、他の画像形成装置から印刷情報を取得できない場合であっても、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、他の画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できず、かつ、前記他の画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が前記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された前記印刷情報を取得して印刷処理を実行する。
【0010】
また、第2態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサが、自装置に保持された印刷情報を予め定められたタイミングで自装置に対応した仮想的な装置である自仮想画像形成装置に保持させる保持処理を更に実行するものである。
【0011】
また、第3態様に係る画像形成装置は、第2態様に係る画像形成装置において、前記予め定められたタイミングが、前記印刷情報が自装置に保持されたタイミングであるものである。
【0012】
また、第4態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できない状態が、当該他の画像形成装置との通信ができない状態であるものである。
【0013】
また、第5態様に係る画像形成装置は、第4態様に係る画像形成装置において、前記通信ができない状態が、前記他の画像形成装置の電源がオフとされている状態であるものである。
【0014】
また、第6態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサが、前記他仮想画像形成装置に対するアクセス情報として、前記他の画像形成装置を特定可能な特定情報を含む情報を用いるものである。
【0015】
また、第7態様に係る画像形成装置は、第6態様に係る画像形成装置において、前記特定情報が、前記他の画像形成装置のシリアル番号であるものである。
【0016】
また、第8態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサが、予め定められた条件に応じて、最初にアクセスする装置を前記他の画像形成装置とするか、前記他仮想画像形成装置とするかを決定するものである。
【0017】
また、第9態様に係る画像形成装置は、第8態様に係る画像形成装置において、前記予め定められた条件が、通信速度が速い装置との条件であるものである。
【0018】
また、第10態様に係る画像形成装置は、第9態様に係る画像形成装置において、前記通信速度が速い装置が、前記他の画像形成装置の利用頻度が予め定められた閾値未満である時間帯は当該他の画像形成装置で、前記利用頻度が前記閾値以上である時間帯は前記他仮想画像形成装置であるものである。
【0019】
更に、上記目的を達成するために、第11態様に係る画像形成プログラムは、他の画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できず、かつ、前記他の画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が前記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された前記印刷情報を取得して印刷処理を実行する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
第1態様及び第11態様によれば、他の画像形成装置から印刷情報を取得できない場合であっても、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる。
【0021】
第2態様によれば、所望のタイミングで印刷情報を自仮想画像形成装置に保持させることができる。
【0022】
第3態様によれば、自装置に印刷情報が保持された時点の直後から、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる。
【0023】
第4態様によれば、他の画像形成装置と通信できない場合であっても、当該他の画像形成装置に保持された印刷情報による印刷処理を実行することができる。
【0024】
第5態様によれば、他の画像形成装置が電源オフとされている場合であっても、当該他の画像形成装置に保持された印刷情報による印刷処理を実行することができる。
【0025】
第6態様によれば、アクセス情報としてIP(Internet Protocol)アドレスを用いる場合に比較して、より確実に他仮想画像形成装置にアクセスすることができる。
【0026】
第7態様によれば、アクセス情報にシリアル番号を含まない場合に比較して、より確実に他仮想画像形成装置にアクセスすることができる。
【0027】
第8態様によれば、最初にアクセスする装置を選択しない場合に比較して、より効率よくアクセスすることができる。
【0028】
第9態様によれば、予め定められた条件として通信速度が速い装置との条件を適用しない場合に比較して、より短時間で印刷処理を実行することができる。
【0029】
第10態様によれば、他の画像形成装置の利用頻度を考慮して、最初にアクセスする装置を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る画像形成装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係るアクセス情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る保持処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態に係る画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態に係る画像形成処理の説明に供する図であり、画像形成装置と仮想画像形成装置との間の送受信情報のやり取りの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、本開示の技術を、シェアオフィス及びオンサイトを含む各地に点在する複数の画像形成装置を対象として、各画像形成装置を仮想的なプリンタである仮想プリンタとして用いるクラウドプリントサービスを提供する画像形成システムに適用した場合について説明する。このサービスを利用することで、外出先で画像形成装置が設置されたネットワークに接続することができない端末装置からでもクラウド経由で当該画像形成装置による印刷を行うことができる。また、本実施形態では、本開示の技術を、サーバレス・オンデマンドプリント(以下、「SODP」という。)サービスを提供する画像形成システムに適用した場合について説明する。このサービスを利用することで、サーバを介することなく、他の画像形成装置に保持された印刷情報を直接用いて、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる。
【0032】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、サーバ10と、複数の端末装置30A、30B、・・・と、複数の画像形成装置50A、50B、・・・と、を含む。なお、以下では、端末装置30A、30B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「端末装置30」と総称する。また、以下では、画像形成装置50A、50B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「画像形成装置50」と総称する。
【0034】
サーバ10及び端末装置30の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、本実施形態では、画像形成装置50として、画像印刷機能、画像読取機能、及び画像送信機能等を有するデジタル複合機を適用している。但し、この形態に限るものではなく、画像印刷機能のみを有する画像形成装置や、画像印刷機能及び画像読取機能のみを有する画像形成装置等の他の画像形成装置を画像形成装置50として適用する形態としてもよい。
【0035】
画像形成装置50A、50B、・・・は、全てが同一の仕様のものとは限らず、実行可能なサービスが異なったり、当該サービスの設定可能な項目が異なったり、装備されているオプション品が異なったりしてもよいことは言うまでもない。
【0036】
サーバ10と、端末装置30と、画像形成装置50と、は、ネットワークNを介して接続されており、サーバ10は、端末装置30、及び画像形成装置50とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0037】
なお、本実施形態では、ネットワークNとして、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線と、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線とを組み合わせたものを適用しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、ネットワークNとして、上記公共の通信回線、及び企業内の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線及び無線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線及び有線の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。
【0038】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置50の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置50の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置50は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)51、一時記憶領域としてのメモリ52、不揮発性の記憶部53、各種スイッチ類が設けられた入力部54、液晶ディスプレイ等の表示部55、媒体読み書き装置(R/W)56、及び通信インタフェース(I/F)部58を備えている。CPU51、メモリ52、記憶部53、入力部54、表示部55、媒体読み書き装置56、及び通信I/F部58はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置56は、記録媒体57に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体57への情報の書き込みを行う。
【0040】
本実施形態に係る記憶部53はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部53には、保持処理プログラム53A及び画像形成プログラム53Bが記憶されている。保持処理プログラム53Aは、当該プログラムが書き込まれた記録媒体57が媒体読み書き装置56に接続され、媒体読み書き装置56が記録媒体57からの当該プログラムの読み出しを行うことで、記憶部53へ記憶(インストール)される。また、画像形成プログラム53Bも、当該プログラムが書き込まれた記録媒体57が媒体読み書き装置56に接続され、媒体読み書き装置56が記録媒体57からの当該プログラムの読み出しを行うことで、記憶部53へ記憶(インストール)される。CPU51は、保持処理プログラム53A及び画像形成プログラム53Bの各プログラムを記憶部53から適宜読み出してメモリ52に展開し、当該各プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0041】
また、記憶部53には、アクセス情報データベース53Cが記憶されている。なお、アクセス情報データベース53Cについては、詳細を後述する。
【0042】
なお、図示は省略するが、画像形成装置50には、画像形成エンジン、画像読取装置等の画像処理に関する装置が備えられていることは言うまでもない。
【0043】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置50の機能的な構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置50の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図3に示すように、画像形成装置50は、実行部51A及び決定部51Bを含む。画像形成装置50のCPU51が保持処理プログラム53A及び画像形成プログラム53Bを実行することで、実行部51A及び決定部51Bとして機能する。
【0045】
本実施形態に係る実行部51Aは、他の画像形成装置50(以下、「他画像形成装置」という。)に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、以下の処理を実行する。即ち、実行部51Aは、他画像形成装置から印刷情報が取得できず、かつ、他画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が当該印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行する。
【0046】
また、本実施形態に係る実行部51Aは、自装置に保持された印刷情報を予め定められたタイミングで自装置に対応した仮想的な装置である自仮想画像形成装置に保持させる保持処理を更に実行する。
【0047】
なお、自仮想画像形成装置及び他仮想画像形成装置が、上述した仮想プリンタに相当するものであり、自仮想画像形成装置が自身の画像形成装置50の仮想プリンタで、他仮想画像形成装置が他画像形成装置の仮想プリンタである。
【0048】
本実施形態では、上記予め定められたタイミングとして、印刷情報が自装置に保持されたタイミングを適用しているが、これに限るものではない。例えば、ユーザにより、端末装置30や、入力部54等を介して印刷情報の自仮想画像形成装置への保持が指示されたタイミングを、上記予め定められたタイミングとして適用する形態としてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、上述した他画像形成装置から印刷情報が取得できない状態として、当該他画像形成装置との通信ができない状態を適用しているが、これに限るものではない。例えば、他画像形成装置が他の印刷情報による印刷を行っている最中である状態を、他画像形成装置から印刷情報が取得できない状態として適用する形態としてもよい。
【0050】
更に、本実施形態では、上記通信ができない状態として、他画像形成装置の電源がオフとされている状態を適用しているが、これに限るものではない。例えば、他画像形成装置が、他の装置との通信ができないものされたスリープ状態となっている状態を、上記通信ができない状態として適用する形態としてもよい。
【0051】
また、本実施形態に係る実行部51Aは、他仮想画像形成装置に対するアクセス情報として、他画像形成装置を特定可能な特定情報を含む情報を用いる。ここで、本実施形態に係る実行部51Aでは、上記特定情報として、他画像形成装置のシリアル番号を適用しているが、これに限るものではない。例えば、他画像形成装置の個体を特定する情報としてのMAC(Media Access Control)アドレスやUUID(Universally Unique IDentifier)、また、他画像形成装置のIPアドレスを、上記特定情報として適用する形態としてもよい。
【0052】
一方、本実施形態に係る決定部51Bは、予め定められた条件に応じて、最初にアクセスする装置を他画像形成装置とするか、他仮想画像形成装置とするかを決定する。本実施形態では、上記予め定められた条件として、通信速度が速い装置との条件を適用しているが、これに限るものではない。例えば、他画像形成装置が他の印刷情報を用いた印刷処理を行っているか否かとの条件を、上記予め定められた条件として適用する形態としてもよい。この場合、他画像形成装置が他の印刷情報を用いた印刷処理を行っている場合は、最初にアクセスする装置を他仮想画像形成装置とし、他画像形成装置が他の印刷情報を用いた印刷処理を行っていない場合は、最初にアクセスする装置を他画像形成装置とする。
【0053】
更に、本実施形態では、上記通信速度が速い装置として、他画像形成装置の利用頻度が予め定められた閾値未満である時間帯は当該他画像形成装置を適用し、利用頻度が上記閾値以上である時間帯は他仮想画像形成装置を適用する。但し、この形態に限るものではなく、利用頻度とは無関係に、単純に、他画像形成装置との通信速度と、他仮想画像形成装置との通信速度とを比較し、通信速度が速い方の装置を適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記利用頻度として1時間当たりの印刷枚数を適用し、上記閾値として、100枚を適用しているが、これに限るものではなく、利用頻度及び閾値ともに、各々、他の利用頻度を示す物理量及び閾値としてもよいことは言うまでもない。
【0054】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るアクセス情報データベース53Cについて説明する。
図4は、本実施形態に係るアクセス情報データベース53Cの構成の一例を示す模式図である。
【0055】
本実施形態に係るアクセス情報データベース53Cは、上述した特定情報が登録されるデータベースであり、一例として
図4に示すように、種別及び特定情報の各情報が関連付けられて記憶される。
【0056】
上記種別は、特定情報の種別を示す情報であり、自装置シリアル番号、相手装置シリアル番号、自装置IPアドレス、及び相手装置IPアドレスの4種類が適用されている。また、上記特定情報は、対応する種別で、かつ、対応する画像形成装置50のシリアル番号を示す情報が含まれる。また、上記特定情報は、対応する種別で、かつ、対応する画像形成装置50のIPアドレスを示す情報が含まれる。なお、
図4に示す例では、対応する画像形成装置50が3台のみの場合について示されている。
【0057】
図4に示す例では、画像形成装置50Aの自身のシリアル番号が「AAAA」であり、画像形成装置50Aの相手装置(
図4に示す例では、画像形成装置50B及び画像形成装置50C)のシリアル番号が、各々、「BBBB」及び「CCCC」であることが示されている。また、
図4に示す例では、画像形成装置50Aの自身のIPアドレスが「1.1.1.1」であり、画像形成装置50Aの相手装置(画像形成装置50B及び画像形成装置50C)のIPアドレスが、各々、「1.1.1.2」及び「1.1.1.3」であることが示されている。
【0058】
なお、図示は省略するが、本実施形態に係るサーバ10の記憶部には、画像形成装置50の各々毎で、かつ、予め定められた時間帯毎の、上述した利用頻度を示す情報が登録されたデータベース(以下、「利用頻度情報データベース」という。)が構築されている。このデータベースは、予め定められた期間(本実施形態では、1週間)毎に、上記利用頻度が最新のものに更新されるものとされている。
【0059】
次に、
図5~
図7を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の作用を説明する。
【0060】
まず、
図5及び
図7を参照して、保持処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。
図5は、本実施形態に係る保持処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
本実施形態では、画像形成装置50の電源がオンとされた場合に、画像形成装置50のCPU51が保持処理プログラム53Aを実行することで、
図5に示す保持処理が実行される。なお、以下では、錯綜を回避するために、画像形成装置50の各々毎の仮想プリンタがサーバ10に構築済みである場合について説明する。
【0062】
図5のステップ100で、CPU51は、何れかの端末装置30から印刷情報が受信されるまで待機する。ステップ102で、CPU51は、受信した印刷情報を、自身の記憶部53に保持すると共に、自仮想画像形成装置に登録する。
【0063】
ステップ104で、CPU51は、本保持処理を終了するタイミングとして予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合は本保持処理を終了する。なお,本実施形態では、上記終了タイミングとして、画像形成装置50の電源がオフとされたタイミングを適用しているが、これに限るものではない。例えば、ユーザにより入力部54等を介して保持処理の終了を指示する指示入力が行われたタイミングを、上記終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0064】
以上の保持処理により、一例として
図7に示すように、画像形成装置50に保持された印刷情報が、自装置に保持されたタイミングで、自仮想画像形成装置に保持させることができる。
図7は、本実施形態に係る画像形成処理の説明に供する図であり、画像形成装置50と仮想画像形成装置60A、60B、・・・との間の送受信情報のやり取りの一例を示すブロック図である。なお、
図7では、錯綜を回避するために画像形成装置50が3台のみである場合について図示している。
【0065】
次に、
図6及び
図7を参照して、画像形成処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
本実施形態では、画像形成装置50の電源がオンとされた場合に、画像形成装置50のCPU51が画像形成プログラム53Bを実行することで、
図6に示す画像形成処理が実行される。なお、以下では、錯綜を回避するために、画像形成装置50の各々毎の仮想プリンタがサーバ10に構築済みであり、アクセス情報データベース53Cもまた構築済みである場合について説明する。
【0067】
図6のステップ200で、CPU51は、何れかのユーザ(以下、「対象ユーザ」という。)から他画像形成装置に保持された印刷情報による印刷指示が行われたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ232に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ202に移行する。
【0068】
本実施形態では、何れかの画像形成装置50に対象ユーザがログインし、入力部54を介して、SODPサービスを用いて、何れかの他画像形成装置に登録した印刷情報を用いた印刷を行う旨の指示入力が行われた場合に、上記印刷指示が行われたと判定している。但し、この形態に限るものではなく、例えば、SODPサービスを用いることなく、他画像形成装置に登録した印刷情報を用いた印刷を行う旨の指示入力が行われた場合に、上記印刷指示が行われたと判定する形態としてもよい。以下では、ここで対象ユーザによって指示された他画像形成装置を、「対象他画像形成装置」という。
【0069】
ステップ202で、CPU51は、対象他画像形成装置との通信速度の方が、当該対象他画像形成装置に対応する他仮想画像形成装置(以下、「対象他仮想画像形成装置」という。)との通信速度より速いか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ204に移行する。
【0070】
本実施形態では、ステップ202による判定を、上述した利用頻度情報データベースを参照し、対象他画像形成装置の利用頻度が上記閾値未満である時間帯は対象他画像形成装置の方が速いと判定する。また、対象他画像形成装置の利用頻度が上記閾値以上である時間帯は対象他仮想画像形成装置の方が速いと判定する。但し、この形態に限らないことは、上述した通りである。
【0071】
ステップ204で、CPU51は、対象他画像形成装置から印刷情報が取得可能か否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ206に移行する。なお、本実施形態では、対象他画像形成装置から印刷情報が取得可能か否かの判定を、対象他画像形成装置の電源がオフとされておらず、対象他画像形成装置と通信可能であるか否かを当該対象他画像形成装置に確認することで行っているが、これに限るものではないことも上述した通りである。ここで、対象他画像形成装置の電源がオフとされているか否かの判定は、対象他画像形成装置に対するアクセス要求に対してタイムアウトが生じたか否かを判定することにより行うことができる。
【0072】
ステップ206で、CPU51は、対象他画像形成装置にアクセスし、以下に示すように印刷情報を取得し、その後にステップ212に移行する。なお、ここでは、一例として
図7を参照し、
図7における画像形成装置50Bが自画像形成装置であり、画像形成装置50Cが対象他画像形成装置である場合を例に説明する。
【0073】
まず、最初に、CPU51は、自画像形成装置にログインした対象ユーザが登録した印刷情報のリストを対象他画像形成装置に要求する(
図7の(a-1)に相当)。この際、CPU51は、対象他画像形成装置に対応するIPアドレスをアクセス情報データベース53Cから取得し、取得したIPアドレスを用いて対象他画像形成装置にアクセスする。
【0074】
この要求に応じて、対象他画像形成装置は、対象ユーザによって登録された印刷情報のリストを自画像形成装置に送信する(
図7の(a-2)に相当)。
【0075】
そこで、CPU51は、対象他画像形成装置から受信したリストから、対象ユーザが印刷したいと希望する印刷情報の送信を要求する(
図7の(a-3)に相当)。
【0076】
この要求に応じて、対象他画像形成装置は、該当する印刷情報を自画像形成装置に送信すると共に、当該印刷情報を用いた印刷処理の実行指示を自画像形成装置に送信する(
図7の(a-4)に相当)。
【0077】
一方、ステップ204において否定判定となった場合、即ち、対象他画像形成装置から印刷情報が取得できない場合はステップ208に移行する。
【0078】
ステップ208で、CPU51は、対象他仮想画像形成装置が、対象ユーザによって登録された印刷情報を保持しているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ210に移行する。なお、本実施形態では、対象他仮想画像形成装置が、対象ユーザによって登録された印刷情報を保持しているか否かの判定を、対象他仮想画像形成装置に対して問い合わせることにより行っているが、これに限るものでないことも言うまでもない。
【0079】
ステップ210で、CPU51は、対象他仮想画像形成装置にアクセスし、以下に示すように印刷情報を取得し、その後にステップ212に移行する。なお、ここでは、一例として
図7を参照し、
図7における画像形成装置50Bが自画像形成装置であり、仮想画像形成装置60Aが対象他仮想画像形成装置である場合を例に説明する。
【0080】
まず、最初に、CPU51は、自画像形成装置にログインした対象ユーザが登録した印刷情報のリストを対象他仮想画像形成装置に要求する(
図7の(b-1)に相当)。この際、CPU51は、対象他仮想画像形成装置に対応するシリアル番号をアクセス情報データベース53Cから取得し、取得したシリアル番号を用いて対象他仮想画像形成装置にアクセスする。なお、シリアル番号を用いた対象他仮想画像形成装置へのアクセスの方法としては、URL(Uniform Resource Locator)に当該シリアル番号を含める形態を例示することができる。これにより、IPアドレスを用いてアクセスする場合に比較して、より確実に、対象他仮想画像形成装置にアクセスすることができる。
【0081】
この要求に応じて、対象他仮想画像形成装置は、対象ユーザによって登録された印刷情報のリストを自画像形成装置に送信する(
図7の(b-2)に相当)。
【0082】
そこで、CPU51は、対象他仮想画像形成装置から受信したリストから、対象ユーザが印刷したいと希望する印刷情報の送信を要求する(
図7の(b-3)に相当)。
【0083】
この要求に応じて、対象他仮想画像形成装置は、該当する印刷情報を自画像形成装置に送信すると共に、当該印刷情報を用いた印刷処理の実行指示を自画像形成装置に送信する(
図7の(b-4)に相当)。
【0084】
ステップ212で、CPU51は、ステップ206の処理、又はステップ210の処理によって取得した印刷情報を用いて印刷処理を行う。ステップ214で、CPU51は、当該印刷情報を削除し、その後にステップ232に移行する。
【0085】
一方、ステップ208において否定判定となった場合は印刷情報を取得することができないものと見なして、ステップ216に移行する。
【0086】
ステップ216で、CPU51は、予め定められたエラーを示す旨を示す情報(以下、「エラー情報」という。)を提示するように制御し、その後にステップ232に移行する。なお、本実施形態では、エラー情報の提示として、表示部55による表示による提示を適用しているが、これに限るものではない。例えば、印刷による提示や、音声による提示を、エラー情報の提示として適用する形態としてもよい。
【0087】
一方、ステップ202において否定判定となった場合、即ち、対象他画像形成装置との通信速度の方が、対象他仮想画像形成装置との通信速度より速くはない場合はステップ218に移行する。
【0088】
ステップ218で、CPU51は、対象他仮想画像形成装置が、対象ユーザによって登録された印刷情報を保持しているか否かをステップ208の処理と同様に判定し、肯定判定となった場合はステップ220に移行する。
【0089】
ステップ220で、CPU51は、ステップ210の処理と同様に対象他仮想画像形成装置にアクセスし、印刷情報を取得した後にステップ226に移行する。
【0090】
一方、ステップ218において否定判定となった場合、即ち、対象他仮想画像形成装置が、対象ユーザによって登録された印刷情報を保持していない場合はステップ222に移行する。
【0091】
ステップ222で、CPU51は、対象他画像形成装置から印刷情報が取得可能か否かをステップ204の処理と同様に判定し、肯定判定となった場合はステップ224に移行する。
【0092】
ステップ224で、CPU51は、ステップ206の処理と同様に対象他画像形成装置にアクセスし、印刷情報を取得した後にステップ226に移行する。
【0093】
ステップ226で、CPU51は、ステップ220の処理、又はステップ224の処理によって取得した印刷情報を用いて印刷処理を行う。ステップ228で、CPU51は、当該印刷情報を削除し、その後にステップ232に移行する。
【0094】
一方、ステップ222において否定判定となった場合は印刷情報を取得することができないものと見なして、ステップ230に移行する。
【0095】
ステップ230で、CPU51は、ステップ216の処理と同様にエラー情報を提示するように制御し、その後にステップ232に移行する。
【0096】
ステップ232で、CPU51は、本画像形成処理を終了するタイミングとして予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ200に戻る一方、肯定判定となった場合は本画像形成処理を終了する。なお,本実施形態では、上記終了タイミングとして、画像形成装置50の電源がオフとされたタイミングを適用しているが、これに限るものではない。例えば、ユーザにより入力部54等を介して画像形成処理の終了を指示する指示入力が行われたタイミングを、上記終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0097】
なお、上記実施形態では、本開示の技術をクラウドプリントサービスに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、クラウドサーバを用いない、例えば、組織内のネットワークサーバ等を用いたプリントサービスに本開示の技術を適用する形態としてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、アクセス情報データベース53Cを画像形成装置50に登録した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ10や、画像形成装置50からアクセス可能な他の装置に、アクセス情報データベース53Cを登録する形態としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態において、
図7を参照して説明した自画像形成装置と他画像形成装置との情報のやり取りや、自画像形成装置と他仮想画像形成装置との情報のやり取りは一例であり、例示した方法に限定されるものではない。例えば、自画像形成装置と他仮想画像形成装置との情報のやり取りについては、他仮想画像形成装置と直接行うのではなく、自画像形成装置に対応する仮想画像形成装置を経由して他仮想画像形成装置と情報をやり取りする形態としてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、他画像形成装置から印刷情報が取得できない状態の例として、他画像形成装置の電源がオフとされている状態や、他画像形成装置がスリープ状態とされている状態等を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、他画像形成装置が印刷を行っており、自画像形成装置からの要求に即座に応えられない状態や、他画像形成装置に大量の印刷情報が蓄積されており、自画像形成装置からの要求に即座に応えられない状態等も例示することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、自画像形成装置によって印刷された、他画像形成装置及び他仮想画像形成装置に保持されている印刷情報の扱いについては言及しなかったが、他仮想画像形成装置において、自画像形成装置で印刷が行われ、かつ、自身に保持された印刷情報は削除するようにしてもよい。この場合、当該他仮想画像形成装置が対応する他画像形成装置は電源がオフとされている場合もあり、この場合は他画像形成装置に保持された印刷情報を即座には削除することができない。しかしながら、この場合は、その後、他画像形成装置の電源がオンされた時点で他仮想画像形成装置と同期が取られるため、自身に保持された印刷情報も削除される。
【0102】
以上、実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
また、上記実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0104】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0105】
更に、上記実施形態では、各種処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各種処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0106】
その他、上記実施形態で説明した画像形成装置50の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0107】
また、上記実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0108】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
他の画像形成装置に保持された印刷情報を取得して印刷処理を実行するにあたり、前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できず、かつ、前記他の画像形成装置に対応する仮想的な装置である他仮想画像形成装置が前記印刷情報を保持している場合、当該他仮想画像形成装置に保持された前記印刷情報を取得して印刷処理を実行する、
画像形成装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
自装置に保持された印刷情報を予め定められたタイミングで自装置に対応した仮想的な装置である自仮想画像形成装置に保持させる保持処理を更に実行する、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((3)))
前記予め定められたタイミングは、前記印刷情報が自装置に保持されたタイミングである、
(((2)))に記載の画像形成装置。
(((4)))
前記他の画像形成装置から前記印刷情報が取得できない状態は、当該他の画像形成装置との通信ができない状態である、
(((1)))から(((3)))の何れか1項に記載の画像形成装置。
(((5)))
前記通信ができない状態は、前記他の画像形成装置の電源がオフとされている状態である、
(((4)))に記載の画像形成装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記他仮想画像形成装置に対するアクセス情報として、前記他の画像形成装置を特定可能な特定情報を含む情報を用いる、
(((1)))から(((5)))の何れか1項に記載の画像形成装置。
(((7)))
前記特定情報は、前記他の画像形成装置のシリアル番号である、
(((6)))に記載の画像形成装置。
(((8)))
前記プロセッサは、
予め定められた条件に応じて、最初にアクセスする装置を前記他の画像形成装置とするか、前記他仮想画像形成装置とするかを決定する、
(((1)))から(((7)))の何れか1項に記載の画像形成装置。
(((9)))
前記予め定められた条件は、通信速度が速い装置との条件である、
(((8)))に記載の画像形成装置。
(((10)))
前記通信速度が速い装置は、前記他の画像形成装置の利用頻度が予め定められた閾値未満である時間帯は当該他の画像形成装置で、前記利用頻度が前記閾値以上である時間帯は前記他仮想画像形成装置である、
(((9)))に記載の画像形成装置。
【0109】
(((1)))に係る画像形成装置によれば、他の画像形成装置から印刷情報を取得できない場合であっても、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる。
(((2)))に係る画像形成装置によれば、所望のタイミングで印刷情報を自仮想画像形成装置に保持させることができる。
(((3)))に係る画像形成装置によれば、自装置に印刷情報が保持された時点の直後から、当該印刷情報による印刷処理を実行することができる。
(((4)))に係る画像形成装置によれば、他の画像形成装置と通信できない場合であっても、当該他の画像形成装置に保持された印刷情報による印刷処理を実行することができる。
(((5)))に係る画像形成装置によれば、他の画像形成装置が電源オフとされている場合であっても、当該他の画像形成装置に保持された印刷情報による印刷処理を実行することができる。
(((6)))に係る画像形成装置によれば、アクセス情報としてIP(Internet Protocol)アドレスを用いる場合に比較して、より確実に他仮想画像形成装置にアクセスすることができる。
(((7)))に係る画像形成装置によれば、アクセス情報にシリアル番号を含まない場合に比較して、より確実に他仮想画像形成装置にアクセスすることができる。
(((8)))に係る画像形成装置によれば、最初にアクセスする装置を選択しない場合に比較して、より効率よくアクセスすることができる。
(((9)))に係る画像形成装置によれば、予め定められた条件として通信速度が速い装置との条件を適用しない場合に比較して、より短時間で印刷処理を実行することができる。
(((10)))に係る画像形成装置によれば、他の画像形成装置の利用頻度を考慮して、最初にアクセスする装置を決定することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成システム
10 サーバ
30 端末装置
50 画像形成装置
51 CPU
51A 実行部
51B 決定部
52 メモリ
53 記憶部
53A 保持処理プログラム
53B 画像形成プログラム
53C アクセス情報データベース
54 入力部
55 表示部
56 媒体読み書き装置
57 記録媒体
58 通信I/F部
60 仮想画像形成装置
N ネットワーク