(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030625
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】自転車用荷籠カバー
(51)【国際特許分類】
B62J 9/23 20200101AFI20240229BHJP
B62J 9/21 20200101ALI20240229BHJP
【FI】
B62J9/23
B62J9/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133618
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】503356451
【氏名又は名称】株式会社大久保製作所
(72)【発明者】
【氏名】大井 恭子
(57)【要約】
【課題】サイズの異なる荷籠に適切に装着できるカバーを提供する。
【解決手段】底面に底面開口部を有する袋形状又はボックス形状の本体部10からなる。上面には開閉自在の蓋部11が設けられ、前記底面開口部を下に向けて自転車の荷台に取り付けた荷籠Nの全体を上から被せるように被覆して装着できる。本体部10の前面部13及び後面部14の内側に固定手段を設ける。後面部14側に設けた後方固定手段が前記本体部10の後面部14内側に設けた一対の上下方向帯状部材20に固定されることによって前記本体部10の後面部14側が荷籠に固定され、且つ、前記後方固定手段が前記上下方向帯状部材20の上下方向の何れか任意の位置で固定できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に底面開口部を有する袋形状又はボックス形状の本体部からなり、上面には開閉自在の蓋部が設けられ、前記底面開口部を下に向けて自転車の荷台に取り付けた荷籠の全体を上から被せるように被覆して装着することができる自転車用荷籠カバーにおいて、
前記本体部の前面部及び後面部の内側には前記荷籠に前記本体部を固定するための固定手段が設けられ、
前記固定手段の内の後面部側に設けた後方固定手段が前記本体部の後面部内側に設けた一対の上下方向帯状部材に固定されることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定され、且つ、前記後方固定手段が前記上下方向帯状部材の上下方向の何れか任意の位置で固定できることを特徴とする自転車用荷籠カバー。
【請求項2】
前記後方固定手段が紐状部材からなり、この紐状部材を荷籠の枠部と前記上下方向帯状部材に掛け渡して縛り付けることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定されることを特徴とする請求項1に記載の自転車用荷籠カバー。
【請求項3】
前記底面開口部の周縁部の一部又は全部に挿通部を設け、当該挿通部内に伸縮自在の紐状部材を挿通することにより前記底面開口部の周縁部が収縮し、同時に前記本体部の後面部側が底面部側に引っ張られて荷籠に装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用荷籠カバー。
【請求項4】
前記蓋部と前記本体部の前面部及び両側面部との開閉自在の境界部に襠部を設けることによって前記本体部の前方境界部及び両側方境界部が上方に延長するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用荷籠カバー。
【請求項5】
前記本体部の蓋部から後面部に渡り、前記本体部の蓋部から後面部に掛けての保形性及び一体性を維持するための柔軟なシート部材を内装したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車用荷籠カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の後部荷台に取り付けた荷籠を被覆することができる荷籠カバーに関し、とりわけ異なる大きさの荷籠に適切に装着できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の荷籠カバーとしては、下記特許文献に記載のものを挙げることができる。
特許文献1に記載の発明にあっては、カバー本体部の略四辺形の上面開口部の3辺が上方に延長し、蓋部が水平状態から斜めに傾斜した状態にまで変更でき、内容積が拡張するものである。
【0003】
特許文献2に記載の考案では、カバー本体部の開口部が底面側に設けられ、その底面側にバンド部材を設け、このバンド部材の適宜位置に係止具を設けたことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3517775号公報
【特許文献2】実用新案登録第3133865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の荷籠カバーには、上面部に蓋部が設けられ、底面部には底面開口部が設けられ、当該底面開口部を下に向けて、荷籠の上からすっぽりとその全体を被覆することができる。
本願発明においても、このタイプと同様に、本体部の底面部に底面開口部を有し、当該底面開口部を下に向けて、荷籠の上からその全体を被覆することができる荷籠カバーを提案するものであるが、被覆される荷籠のサイズの大小にかかわらず、或いは当該荷籠が前後方向に拡縮するタイプの荷籠であっても、適切にその全体を被覆し、装着することができるものを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、底面に底面開口部を有する袋形状又はボックス形状の本体部からなり、上面には開閉自在の蓋部が設けられ、前記底面開口部を下に向けて自転車の荷台に取り付けた荷籠の全体を上から被せるように被覆して装着することができる自転車用荷籠カバーにおいて、前記本体部の前面部及び後面部の内側には前記荷籠に前記本体部を固定するための固定手段が設けられ、前記固定手段の内の後面部側に設けた後方固定手段が前記本体部の後面部内側に設けた一対の上下方向帯状部材に固定されることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定され、且つ、前記後方固定手段が前記帯状部材の上下方向の何れか任意の位置で固定できることを特徴とする自転車用荷籠カバーである。
ここで、上記「前面」及び「後面」という「前後」の方向は、カバーを荷籠に装着した際に自転車の進行方向を前方、その逆を後方という意味である。
【0007】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記後方固定手段が紐状部材からなり、この紐状部材を荷籠の枠部と前記上下方向帯状部材に掛け渡して縛り付けることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定されることを特徴とする自転車用荷籠カバーである。
【0008】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、前記底面開口部の周縁部の一部又は全部に挿通部を設け、当該挿通部内に伸縮自在の紐状部材を挿通することにより前記底面開口部の周縁部が収縮し、同時に前記本体部の後面部側が底面部側に引っ張られて荷籠に装着されることを特徴とする自転車用荷籠カバーである。
【0009】
本発明の第4のものは、上記第1又は第2の発明において、前記蓋部と前記本体部の前面部及び両側面部との開閉自在の境界部に襠部を設けることによって前記本体部の前方境界部及び両側方境界部が上方に延長するようにしたことを特徴とする自転車用荷籠カバーである。
【0010】
本発明の第5のものは、上記第1又は第2の発明において、前記本体部の蓋部から後面部に渡り、前記本体部の蓋部から後面部に掛けての保形性及び一体性を維持するための柔軟なシート部材を内装したことを特徴とする自転車用荷籠カバーである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1のものにおいては、被覆される荷籠の大きさが異なる場合、又は、当該荷籠が前後方向に拡張し又は縮小するタイプの荷籠であっても、これらの大きさの異なる荷籠を被覆できるようにするために、カバーの前後方向の長さを長短調整できるようにする必要がある。
換言すれば、前後方向に短い荷籠も、前後方向に長い荷籠の何れをも被覆できるようにする必要がある。
【0012】
そのために、底面に底面開口部を有する袋形状又はボックス形状の本体部からなり、上面には開閉自在の蓋部が設けられ、前記底面開口部を下に向けて自転車の荷台に取り付けた荷籠の全体を上から被せるように被覆して装着することができ、前記本体部の前面部及び後面部の内側には前記荷籠に前記本体部を固定するための固定手段が設を設け、前記固定手段の内の後面部側に設けた後方固定手段が前記本体部の後面部内側に設けた一対の上下方向帯状部材に固定されることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定され、且つ、前記後方固定手段が前記帯状部材の上下方向の何れか任意の位置で固定できるようにしたのである。
【0013】
これにより、サイズの小さい荷籠又は縮小されて前後方向に短くされた荷籠の場合には、前記後方固定手段を前記帯状部材の上端部分に固定し、他方、サイズの大きい荷籠又は拡張されて前後方向が長くされた荷籠の場合には、前記後方固定手段を前記帯状部材の下端部分に固定することによって適切に本発明に係る荷籠カバーをサイズの異なる荷籠に被覆することができることとなるのである。
【0014】
本発明の第2のものにおいては、前記後方固定手段を具体化したものであって、当該後方固定手段が紐状部材からなり、この紐状部材を荷籠の枠部と前記上下方向帯状部材に掛け渡して縛り付けることによって前記本体部の後面部側が荷籠に固定されることとなる。
荷籠が小さい場合又は縮小されている場合には、前記紐状部材を荷籠の枠部と前記帯状部材の上端部とを連結し縛り付ければよいこととなる。
他方、荷籠が大きい場合又は前後方向に拡張されている場合には、前記紐状部材を荷籠の枠部と前記帯状部材の下端部とを連結し縛り付ければよいこととなるのである。
【0015】
本発明の第3のものにおいては、前記本体部の底面開口部の周縁部構造を特定したものであり、前記底面開口部の周縁部の一部又は全部に挿通部を設け、当該挿通部内に伸縮自在の紐状部材を挿通することにより前記底面開口部の周縁部が収縮し、同時に前記本体部の後面部側が底面部側に引っ張られて荷籠に装着されることとなる。
このようにして、荷籠が小さい場合には、カバーの後面部の下端部側が本体部の底面部側に回り込むように装着されることとなる。
【0016】
本発明の第4のものにおいては、カバーの内容積を更に大きくできるようにするために上記従来例である特許文献1に記載した内容を付加したものである。
【0017】
本発明の第5のものにおいては、拡縮自在の荷籠にカバーを装着し易くするために、即ち、本体部の蓋部から後面部に掛けての保形性及び一体性を維持するために、本体部の蓋部から後面部に渡り、柔軟なシート部材を内装させたものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の荷籠カバーに係る一実施形態を荷籠に被覆した状態の側面説明図であって、その(A)が前後方向に拡張された荷籠に装着された状態を、その(B)が前後方向に縮小された荷籠に装着された状態を示している。
【
図2】上記実施形態に係る本体部の蓋部と一方の側面部との境界部の拡大説明図であって、後方固定手段の一方を図示している。
【
図3】上記実施形態に係る荷籠カバーを荷籠に装着し、蓋部を開放した状態の蓋部の付け根部分を図示した説明図であって、その(A)は荷籠が拡大した状態を、その(B)は荷籠が縮小した状態を示している。
【
図4】上記実施形態に係る荷籠カバーの側面説明図であって、拡張された荷籠に装着され、蓋部と前面部及び両側面部の境界部を上方に延長した状態を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付の図面と共に、本発明の一実施形態について説明する。
上記した通り、本発明に係る荷籠カバーは異なる大きさの荷籠を被覆し、装着することができるものであるが、説明の都合上、以下では前後方向に拡縮自在の荷籠に被覆し装着する場合を例として説明を加える。拡縮自在の荷籠であれば、大小サイズの異なる場合の両状態について説明を加えることができるからである。
【0020】
図1は、本発明の荷籠カバーに係る一実施形態を荷籠に被覆した状態の側面説明図であって、その(A)が前後方向に拡張された荷籠に装着された状態を、その(B)が前後方向に縮小された荷籠に装着された状態を示している。
【0021】
本発明に係る荷籠カバーは、自転車の後部荷台に固定される前後方向に拡縮自在の荷籠に装着することができる。勿論、異なる大きさの別の荷籠にも装着することができる。
その荷籠カバーの本体部10は、その全体が略ボックス形状を有しており、その上面に蓋部11が、その両側面には両側面部12、12が、その前面には前面部13が、その後面には後面部14が設けられ、その底面には図には現れていないが、底面開口部が設けられている。
【0022】
上記底面開口部の周縁部には全周に渡り挿通部が形成され、この挿通部内には伸縮自在の紐状部材が挿通され、当該底面開口部の周縁部は小さく収束するように形成されている。
この挿通部は、底面開口部の周縁部の全体でなく一部に設けたものであってもよい。
図1(A)では上記本体部10が前後方向に拡張された荷籠に装着されているために、蓋部11及び両側面部12は後方に延長した状態で装着されている。
【0023】
他方、
図1(B)では、上記本体部10が前後方向に縮小された荷籠に装着されているために、蓋部11及び両側面部12は前後方向に縮小された状態で装着されている。
従って、この前後方向に縮小された状態においては、蓋部11の後方側は後面部14側に、そして後面部14の下端側は底面部15側に巻き込まれるように装着される。
【0024】
本発明に係る荷籠カバーの本体部10を荷籠に固定する際には、固定手段を用いる。この固定手段は、本体部10の内面に設けられているために図には現れていない。
即ち、この固定手段は、本体部10の前面部13の内面に一対、本体部10の後面部14の内面にも一対設けられている。
【0025】
本体部10の前面部13の内面に設けられている一対の前方固定手段は、それぞれ紐状部材からなる。
この紐状部材の中央部を本体部10の前面部13の適宜位置、即ち適宜高さ位置に左右一対をそれぞれ縫い付けておくのである。
これら一対の紐状部材の両端部を荷籠の前面部の枠部又はフレームに巻き付けて縛り付けるのである。
これにより本体部10の前面部13の側が荷籠に固定される。
【0026】
この一対の紐状部材は、金属製又は合成樹脂製のフック部材により形成することもできる。
即ち、このフック部材は、略コ字形状のものであって開口部を下方に向け、一方の脚部を長く形成したものであればよい。
【0027】
この略コ字形状のフック部材の開口部を下方に向けて、長い方の脚部を本体部10の前面部13の内面の同一高さ位置に左右一対を固定することによって実施することができる。
つまり、このフック部材の他方の短い方の脚部を荷籠の枠部又はフレームに引っ掛けて本体部10の前面部13を荷籠に固定することができるのである。
【0028】
他方、次の
図2で説明するが、荷籠カバーの本体部10の後面部14の内面に設ける後方固定手段は、上記のような単なる一対の紐状部材とは異なる。
即ち、本体部10の後面部14の内面の同一高さ位置に一対の帯状部材を、その長手方向を上下方向としてその両端部を固定し、この一対の帯状部材のそれぞれに紐状部材を連結するのである。
【0029】
そして、当該紐状部材は上記帯状部材の上下方向に移動でき、その任意の高さ位置で紐状部材によって荷籠の枠部又はフレームに結び付けることができるのである。
これにより、後面部14が上下に移動しても適切に荷籠の枠部又はフレームに紐状部材によって縛り付けることができることとなるのである。
【0030】
尚、蓋部11と前面部13との境界部、及び、蓋部11と両側面部12、12との境界部にはスライドファスナー11fが設けられており、蓋部11は、その境界部で開閉自在となっている。
より詳しくは、この蓋部11は、前方から後方へ向かって捲り上げられるように開放され、この蓋部11はその後方端で後面部14と連続している。
【0031】
図2は、上記実施形態に係る本体部の蓋部と一方の側面部との境界部の拡大説明図であって、後方固定手段の一方を図示している。
図2ではスライドファスナー11fが開放され、蓋部11が後方に解放された状態であり、蓋部11の後方端と後面部14とが連続していることを見て取ることができる。
【0032】
このように、本実施形態においては、後方固定手段は、後面部14の内面の上端部分又は蓋部11の後方端部分に左右一対設けられており、
図2ではその左側の一方のものが図示されている。
この図から良く解る通り、後方固定手段は、帯状部材20に連結された紐状部材21から成る。
【0033】
帯状部材20は、横幅約20乃至30mm程度で、長さ100乃至140mm程度のナイロン製のものから成り、その上端部と下端部で本体部の後面部14の上端部分に縫着されている。
この帯状部材20に紐状部材21が結び付けられて、その両端部21t、21tを荷籠の枠部又はフレームに巻き付けて縛り付けることができる。
【0034】
帯状部材20は上下に所定長さを有しているために、紐状部材21はその帯状部材20の上下の長さの範囲内で任意の位置で縛り付けることができることとなるのである。
これにより、荷籠が前後方向に拡縮したとしても、荷籠の後面部の枠部又はフレームの適宜位置に紐状部材21を縛り付けることができることとなるのである。
【0035】
図3は、上記実施形態に係る荷籠カバーを荷籠に装着し、蓋部を開放した状態の蓋部の付け根部分を図示した説明図であって、その(A)は荷籠が拡大した状態を、その(B)は荷籠が縮小した状態を示している。
【0036】
上記した通り、荷籠が前後方向に延長して拡大した際には(
図3(A)の状態)、本体部10の後面部14の上端部分に設けた帯状部材20は、より上方位置に位置するために帯状部材20の上端部は、荷籠Nの後面部Nbの上縁部よりも上方に位置する。
従って、紐状部材21は上記帯状部材20の下方位置に位置して帯状部材20と荷籠Nの後面部Nbの枠部又はフレームとを結び付けることとなる。
【0037】
他方、
図3(B)の状態では、荷籠は前後方向に縮小した状態であるために、帯状部材20の上端部位置は荷籠Nの後面部Nbの上縁と同等の位置にまで下方に位置することなる。
従って、紐状部材21は帯状部材20の上下方向の上端部位置に結び付けられることとなり、この位置で荷籠Nの後面部Nbの上端枠部又はフレームと結び付けられることとなるのである。
【0038】
この帯状部材20に連結された紐状部材21から成る後方固定手段は、後面部14の上端部分又は蓋部11の後端部分の左右両側に一対ずつ設けられている。
勿論、後方固定手段は左右2か所でなく、3箇所に設けることも自由であるが、本実施形態のように左右2か所に設けることで十分である。
【0039】
図4は、上記実施形態に係る荷籠カバーの側面説明図であって、拡張された荷籠に装着され、蓋部と前面部及び両側面部の境界部を上方に延長した状態を図示したものである。
この図に示した通り、本発明に係る荷籠カバーの本体部10はその内容積を拡大することもできるのである。
【0040】
即ち、蓋部11と前面部13との境界部、蓋部11と両側面部12、12との境界部に襠部30を設けたのである。
通常はこの襠部30は、係止部31、31によって相互に係止されているために上下に延長しておらず、蓋部11は前面部13と両側面部12、12の上縁部の位置に接合した状態にある。
【0041】
しかし、荷籠内の内容物が荷籠の上端部から上方にはみ出した際には、上記係止部31、31の係止を解除し分離して上方に襠部30が延長するように出現するのである。
これにより荷籠から収納荷物が上方にはみ出しても良好に内容物を被覆することができることとなるのである。
【0042】
尚、係止部31、31は
図4では一対のみ図示しているが、好ましくは前面部13の左右両側に一対、2か所に設けることが望ましい。
【0043】
更に、蓋部11と後面部14の内部には連続して柔軟なシート部材を内装することが好ましい。
蓋部11と後面部14とは連続して形成され、後面部14は、荷籠が前後に短く縮小した際にはその下端部分が荷籠の底面部の下方に引き込まれるからであり、その保形性を維持するためにも必要なものとなる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通りその実施形態を種々設計変更することができる。
まず、本発明に係る荷籠カバーは、大小サイズの異なる荷籠に装着することができるし、また、前後方向に拡縮自在の荷籠に装着することもできる。
本体部の大きさ及び材質は自由に選択して決定することができる。
本体部の外表面には撥水剤や防水剤を塗布したものが好ましい。
【0045】
本体部の外形形状は上記実施形態ではボックス形状のものを採用したが、単に袋形状のものであってもよい。荷籠の外形形状に適宜対応して装着後ボックス形状を維持できるからである。
【0046】
荷籠カバーの保形性を維持させるために、蓋部及び後面部、更には両側面部の上方部分に少し厚地の生地を使用することもできる。
既に述べた通り、蓋部と後面部には柔軟なシート部材を内装させることもできる。
固定手段は、本体部の前面部と後面部の内面に設けたが、両側面部の内面に更に設けることもできる。
【0047】
後方固定手段としての帯状部材の幅と長さ、及び材質は自由に設計することができる。
最後に、本発明に係る荷籠カバーは、拡縮自在の後部荷籠に被覆するものとして開発したものであるが、ハンドル部に固定される荷籠であっても前後に拡縮し又は左右に拡縮する荷籠であっても当該荷籠を被覆して装着することができるものである。
【0048】
以上、本発明は、荷籠カバーの後面部内側に設けた後方固定手段に特徴を有する簡易な構成のものではあるが、当該拡縮自在の荷籠に相応しく装着できる自転車用荷籠カバーを提供することができたものである。
【符号の説明】
【0049】
10 本体部
11 蓋部
11f スライドファスナー
12 側面部
13 前面部
14 後面部
15 底面部
20 帯状部材
21 紐状部材
21t 端部
30 襠部
31 係止部
N 荷籠
Nb 後面部