(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030644
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】抗重力浮遊装置
(51)【国際特許分類】
A63B 22/00 20060101AFI20240229BHJP
A61H 1/02 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
A63B22/00
A61H1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133660
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】522337990
【氏名又は名称】富安健康科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 世英
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA43
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗重力浮遊装置の提供。
【解決手段】抗重力浮遊装置は、基台部1と、身体支持ユニット2と、身体着用ユニット3と、を含む。基台部1は、対向側に立設された2つのレール4が設けられている。身体支持ユニット2は、2つのレール4に接続され、レール4に沿って上下移動可能であり、かつ、身体を収容するための身体保持部22を有する。身体保持部22は、身体支持ユニット2に設けられた少なくとも1つの作動部材23の作用によって鉛直方向に上昇又は下降する。身体着用ユニット3を使用者の身体に着用することにより、身体着用ユニット3に設けられた第2結合部33と身体保持部22の第1結合部224とが接続される。使用者が身体保持部22に保持される場合には、下肢にかかる体重を減らすことができ、下肢及び関節が比較的に少ない圧力でリラックスの状態において動けられるとともに、使用者が他の装置を使用する時に十分な安全性を提供できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台部と、身体支持ユニットと、身体着用ユニットと、を含み、
前記基台部は、対向側に対称的に立設された2つのレールを有し、
前記身体支持ユニットは、前記2つのレールに接続され、前記2つのレールに沿って上下移動可能であり、かつ、身体を収容するための身体保持部と少なくとも1つの作動部材とを有し、
前記少なくとも1つの作動部材は、前記身体保持部に力を加えることによって前記身体保持部を鉛直方向に上昇又は下降させ、
前記身体保持部は、第1結合部を有し、
前記身体着用ユニットは、使用者の身体に着用され、かつ、前記第1結合部に接続するための第2結合部を有することを特徴とする、
抗重力浮遊装置。
【請求項2】
前記身体支持ユニットは、横梁部を含み、
前記身体保持部は、前記横梁部に固定接続され、
前記横梁部の両端は、それぞれ前記2つのレール内まで延伸され、
前記レール内まで延伸された前記横梁部の端部には、少なくとも1つのローラーが設けられ、
前記ローラーは、前記レールの内壁と転がり接触することを特徴とする、
請求項1に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項3】
前記レール内には、前記横梁部に接続されるカウンタウェイトユニットが設けられ、
前記カウンタウェイトユニットは、人の力を補助して前記身体支持ユニットを上又は下に移動させることを特徴とする、
請求項2に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項4】
前記カウンタウェイトユニットは、
回転可能に前記レール内に設けられるプーリーと、
前記プーリーの周りに巻かれ、一端が前記横梁部に接続される少なくとも1本のケーブルと、
前記ケーブルのもう一端に接続されるカウンタウェイトブロックと、を含むことを特徴とする、
請求項3に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項5】
前記身体支持ユニットは、固定ホルダーを有し、
前記固定ホルダーには、複数の前記作動部材が配置され、
前記身体保持部は、複数の前記作動部材に接続されることを特徴とする、
請求項2に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項6】
前記作動部材は、電動シリンダーであることを特徴とする、
請求項5に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項7】
前記身体保持部は、環状枠を有し、
前記環状枠内には、保持部材が設けられ、
前記保持部材は、前記身体を収容するための貫通孔を有し、
前記貫通孔の円周には、前記第1結合部が設けられることを特徴とする、
請求項5に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項8】
前記固定ホルダー及び前記環状枠は、互いに対応する位置にノッチが設けられ、
前記ノッチは、前記固定ホルダー及び前記環状枠をそれぞれ複数の独立した弧状部分に分けることを特徴とする、
請求項7に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項9】
前記身体支持ユニットは、延伸ロッドに接続され、
前記延伸ロッドは、ピボット部材が設けられ、
前記ピボット部材は、表示装置が設けられ、
前記表示装置は、前記ピボット部材を介して前記延伸ロッドに対して回転可能であることを特徴とする、
請求項5に記載の抗重力浮遊装置。
【請求項10】
前記第1結合部及び前記第2結合部は、互いに結合できる第1ジッパー及び第2ジッパーであることを特徴とする、
請求項7に記載の抗重力浮遊装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツフィットネス機器に関し、特に、他のフィットネス機器と合わせてリハビリ、矯正、及びスポーツフィットネスに使用可能な抗重力浮遊装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の姿勢は、身体と同様に異なる系によって制御される。各系がいくつかの異なる関節に対応し、前記関節が間接的に異なる筋肉に対応するため、系を制御することによって複数の関節の動き及び複数の筋肉の収縮・弛緩をより効率的に変更することができる。しかしながら、どのように、どこから制御すればよいか、まず、各関節が神経(皮膚感覚受容体を含む)と、筋肉(固有受容体を含む)と、骨との複合体であることを理解する必要がある。1880~1862年にジョン・ヒルトン(John Hilton)から提出されたヒルトンの法則(Hilton’s Law)によると、同じ神経幹から分枝した神経は、該関節の筋肉群のみだけではなく、該筋肉群を覆う皮膚及び関節自体の内部も神経支配する。
【0003】
このことから、関節の動きに対する脳の出力制御は、感覚情報の入力と高い関連性があることが分かる。そのため、継続的なフィードバック及び調整によって体をスムーズに動くことができる。よって、姿勢の調整、治療を行う時に、どのように感覚情報の入力を制御や変更することによって運動情報の出力を変更するのを考える必要がある。
【0004】
体の動きが異なる関節の一連の動きの組み合わせによるものであるため、単一の関節に対して治療を行うと、他の関節に影響を及ぼす。このような異なる関節の間の連結は、関節パズル(joint puzzle)又は関節鎖(joint chain)とも呼ばれる。全ての関節の動きは、脳が神経を介して制御されるため、治療において、新しい感覚刺激を与えて脳の元の設定を変更し、運動情報の出力を変更する必要があり、そうでなければ、依然として元の習慣に従って動いて、体の動きを変更できない。よって、有効な治療として、異なる関節の間の連結、及び中枢神経系に新しい刺激を与えることを考えなければならない。
【0005】
治療の概念としては、系又は関節に対して減圧及び加圧(Unload&Load)を行うことである。老化及び日常生活のストレスによって、体が外的情報を受ける感度が低下し、又は感覚受容器が鈍感になる。そのため、体が適切な調整を行うことができない。
【0006】
例えば、仕事で長期間パソコンを使用すると、気づかないうちに目が徐々に画面に近づいてしまって、ストレートネック及び猫背になる可能性がある。そのため、減圧によって体をストレスのない状態、即ち、身体の感覚受容器及び関連する関節をリラックスさせる状態になる後に、加圧によって脳に正しい姿勢の情報を与え、身体の耐圧性を向上させることで、低下した体の自己認識能力(Self-Awareness)を向上させる。
【0007】
すると、身体がより弾力性のある状態となり、異なる環境圧力に適応できる。よって、倒れても起き上がるだるまと同じように、元々体が傾いていると認識していない脳が改めて体が傾いていると認識して自動的に姿勢を調整できる。
【0008】
なお、人体が動く時に常に重力の影響を受け、身体が地面に向いて引っ張られ、関節が徐々に摩耗されるため、抗重力トレーニング及び治療は非常に重要である。なお、ニュートンの第3運動法則である「作用力と反作用力」の理論によると、足が重力の影響を受けて地面に向いて引っ張られると、地面から反作用力を足に与え、その反作用力が脚、骨盤、脊椎を通って頭に伝わる。
【0009】
また、字を書く又はパソコンを使用する時に、机から上向きの反作用力を腕に与える。このような反作用力は、外部から身体に感覚信号を与えるとともに、関節に圧力をかける。この圧力が身体に吸収又は分散されることができないと、圧力がかかりすぎる箇所に損傷を与える可能性があるため、圧力を効率的に吸収又は分散させるように身体をトレーニングすることは非常に重要な課題である。
【0010】
従来のトレッドミル等のフィットネスマシン又は矯正・リハビリ装置は、使用時に重力の影響を受けるため、フィットネス又は矯正・リハビリを行う同時に、身体が地面に向いて引っ張られ、関節等の部位が徐々に摩耗されることになる。
【0011】
重力の問題を解決するために、米国特許US8464716号には、使用者の下半身の一部を受容するためのチャンバーを有する差圧システムが開示されている。前記差圧システムは、チャンバー内に空気を注入し、チャンバー内に収容された使用者の体が差圧により生成される浮力を受けて重力に対抗する。しかしながら、前記差圧システムは、エアコンプレッサー、圧力センサ、調整弁、エアバッグチャンバー、チャンバーと使用者の体とを密封するための密封材等の部材が必要となるため、全体の構造が複雑であり、製造コストが高い。
【0012】
米国公開特許US2020/0221975号には、抗重力システムを有する歩行訓練システムが開示されている。前記抗重力システムは、差圧式抗重力システム又は非差圧式抗重力システムがある。前記差圧式抗重力システムは、US8464716号の発明と同じ問題を有する。前記非差圧式抗重力システムは、使用者の体をフレームによって支持することができるが、その詳細な機構が開示されていない。
【0013】
また、使用者が浮いた状態で動くと、フレームに邪魔されやすく、動きの自由性に影響を与える。さらに、使用者の体とフレームとの間に十分な接続装置を有しないため、使用者が他の装置を使用する時に十分な安全性を提供できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、抗重力浮遊装置を提供することを目的とする。本発明に係る抗重力浮遊装置は、他のフィットネスマシン又は矯正・リハビリ装置と合わせて使用することができるため、使用者の下肢の体重を減らして、下肢及び関節にかけられた圧力を減少し、リラックスの状態で動くことができる。また、使用者が他の装置を使用する時に十分な安全性を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る抗重力浮遊装置は、基台部と、身体支持ユニットと、身体着用ユニットと、を含んでもよい。前記基台部は、対向側に対称的に立設された2つのレールを有する。前記身体支持ユニットは、前記2つのレールに接続され、前記2つのレールに沿って上下移動可能であり、かつ、身体を収容するための身体保持部と少なくとも1つの作動部材とを有する。前記少なくとも1つの作動部材は、前記身体保持部に力を加えることによって前記身体保持部を鉛直方向に上昇又は下降させる。前記身体保持部は、第1結合部を有する。
【0016】
前記身体着用ユニットは、使用者の身体に着用され、かつ、前記第1結合部に接続するための第2結合部を有する。前記作動部材を操作して作動させると、身体保持部が適切な高さに持ち上げられ、体が浮く状態になって重力に対抗することにより、使用者の下肢の動きの負担を減らすことができる。また、身体着用ユニットと身体保持部とを結合することにより、使用者が他の装置を使用する時に十分な安全性を提供できる。
【0017】
好ましくは、本発明に係る身体支持ユニットは、横梁部を含んでもよい。前記身体保持部は、前記横梁部に固定接続される。前記横梁部の両端は、それぞれ前記2つのレール内まで延伸される。前記レール内まで延伸された前記横梁部の端部には、少なくとも1つのローラーが設けられる。前記ローラーは、前記レールの内壁と転がり接触する。横梁部の両端に設けられたローラーとレール内壁とが転がり接触することにより、横梁部の高さを上下に移動させ、身体支持ユニットの上昇又は下降の高さを調整する。
【0018】
好ましくは、前記レール内には、前記横梁部に接続されるカウンタウェイトユニットが設けられる。前記カウンタウェイトユニットは、人の力を補助して前記身体支持ユニットを上又は下に移動させる。それによって、使用者はより少ない力で横梁部を上下に移動させて身体支持ユニットの高さを調整することができる。
【0019】
好ましくは、前記カウンタウェイトユニットは、回転可能に前記レール内に設けられるプーリーと、前記プーリーの周りに巻かれ、一端が前記横梁部に接続される少なくとも1本のケーブルと、前記ケーブルのもう一端に接続されるカウンタウェイトブロックとを含んでもよい。
【0020】
それによって、横梁部を上に移動させる時に、カウンタウェイトブロックがケーブルとの連動によって下に移動して横梁部の重量を相殺し、それにより、より少ない力で横梁部を持ち上げることができる。横梁部を下に移動させる時に、ウンタウエイトブロックがケーブルとの連動によって上に移動して横梁部の重量を相殺し、それにより、横梁部が急速に落下して怪我をすることが避けられる。
【0021】
好ましくは、前記身体支持ユニットは、固定ホルダーを有してもよい。前記固定ホルダーには、複数の前記作動部材が配置される。前記身体保持部は、複数の前記作動部材に接続される。それによって、作動部材を利用して身体保持部の高さを微調整し、身体を収容するための身体保持部を適切な高さに持ち上げることができる。
【0022】
好ましくは、前記作動部材は、例えば、電動シリンダー、気圧シリンダー等のリニアアクチュエータであってもよい。
【0023】
好ましくは、前記身体保持部は、環状枠を有してもよい。前記環状枠内には、保持部材が設けられる。前記保持部材は、前記身体を収容するための貫通孔を有する。前記貫通孔の円周には、前記第1結合部が設けられる。前記第1結合部と前記身体着用ユニットの第2結合部とを接続することにより、使用者の身体は前記身体保持部に保持されることができる。
【0024】
好ましくは、前記固定ホルダー及び前記環状枠は、互いに対応する位置にノッチが設けられる。それによって、使用者は容易に前記身体保持部に入ることができる。なお、前記ノッチは、前記環状枠を複数の独立した4つの弧状部分に分ける。各前記弧状部分は、それぞれ複数の作動部材によって駆動される。それにより、異なる体型の使用者及び/又はフィットネスマシン又はリハビリ装置の形態に対応し、作動部材を利用して環状枠の特定の部分を最適な高さに調整することができる。
【0025】
好ましくは、前記身体支持ユニットは、延伸ロッドに接続されてもよい。前記延伸ロッドは、ピボット部材が設けられる。前記ピボット部材は、表示装置が設けられる。前記表示装置は、前記ピボット部材を介して前記延伸ロッドに対して回転可能である。本発明に係る抗重力浮遊装置は、フィットネスマシン又は矯正・リハビリ機器等と合わせて使用される時に、前記フィットネスマシン又は矯正・リハビリ機器に接続する前記表示装置の角度を調整することができ、使用者が容易に表示情報を取得できる。
【0026】
好ましくは、前記第1結合部及び前記第2結合部は、互いに結合できる第1ジッパー及び第2ジッパーであってもよい。それによって、身体着用ユニットと保持部とを接続する操作が容易になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る抗重力浮遊装置によると、他のフィットネスマシン又は矯正・リハビリ装置と合わせて使用することができ、使用者の下肢の体重を減らして、下肢及び関節にかけられた圧力を減少し、リラックスの状態で動くことができる。また、使用者が他の装置を使用する時に十分な安全性を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】使用者がウェアラブル装置を使用する状態を示す模式図である。
【
図3】本発明に係るレール構造と、前記レール構造と比べてより低い位置に位置する横梁部とを示す平面模式図である。
【
図4】本発明に係るレール構造と、前記レール構造と比べてより高い位置に位置する横梁部とを示す平面模式図である。
【
図5】本発明に係るレール構造と横梁部との組み合わせ関係を示す
図1におけるA-A線に沿う平面模式図である。
【
図6】本発明に係る横梁部と固定ユニットとの構造関係を示す
図1におけるB-Bに沿う平面模式図である。
【
図7】使用時に使用者が身体保持部に入った状態を示す模式図である。
【
図8】使用者が身体保持部に保持された後に作動部材によって持ち上げた状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面及び符号を合わせて本発明の実施形態についてより詳しく説明する。
【0030】
本明細書において、「第1」、「第2」等の用語は、部材を区別するために使用されるものであり、部材の配置順又は取り付け順を限定するものではない。
【0031】
図1及び
図2に示すように、本発明に係る抗重力浮遊装置の好ましい実施例は、基台部1と、身体支持ユニット2と、身体着用ユニット3とを含む。基台部1は、プラットホーム10を有する。プラットホーム10上には、例えば、トレッドミル、リハビリ機器等の機器を設けてもよい。
【0032】
基台部1の先端は、使用者の出入口として利用できる。基台部1の後端には、内部に身体支持ユニット2の移動を制御する電気設備を収容するための電気機械ボックス11が設けられる。基台部1は、対向側に垂直に立設された2つのレール4を有する。前記2つのレール4と基台部1との間には、それぞれコ字状の側面ロッド12に接続されることができる。2つの側面ロッド12の対向面には、それぞれ、使用者の基台部1への出入りの安全性を確保するための手摺部121が設けられている。
【0033】
前記コ字状の側面ロッド12の下側がプラットホーム10の側面に固定され、コ字状の側面ロッド12の上側がレール4に固定されるため、側面ロッド12を取り付けた後、プラットホーム10の水平面より上の部分はL字状になる。それにより、手摺部121がコ字状の側面ロッド12の上辺に取り付けられる。前記側面ロッド12は、コ字状に限定されず、実際状況によって他の適切な形状を採用してもよい。
【0034】
図1及び
図3に示すように、前記身体支持ユニット2は、2つのレール4の間に設けられることによって使用者をプラットホーム10の上に浮遊させるためのユニットである。前記身体支持ユニット2は、前記2つのレール4に沿って上下移動可能であるため、使用者の身体支持ユニット2の出入りに対応することができる。言い換えると、身体支持ユニット2を低い位置に下げた場合には、使用者が容易に身体支持ユニット2を出入りすることができる。使用者は、身体支持ユニット2に入った後に、身体支持ユニット2を特定の高さに上げることで、身体を適切な浮遊の状態になるまで上げられる。
【0035】
具体的には、身体支持ユニット2は、2つのレール4に可動に接続されるための横梁部21を有する。横梁部21は、身体を収容するための身体保持部22と少なくとも1つの作動部材23とが設けられる。前記少なくとも1つの作動部材23は、身体保持部22に力を加えることによって身体保持部22を微調整して鉛直方向に上昇又は下降させる。
【0036】
より詳しく説明すると、身体支持ユニット2は、固定ホルダー24を有する。前記固定ホルダー24には、複数の作動部材23が配置される。前記身体保持部22は、前記複数の作動部材23に接続される。例えば、パイプをU字型に曲げて固定ホルダー24を形成し、前記U字型の湾曲端部にノッチ241が保留される。
【0037】
固定ホルダー24には、複数の前記作動部材23が垂直に立設される。作動部材23の上端は、身体保持部22に接続される。作動部材23によって身体保持部22を上又は下に移動させる。本発明の好ましい実施例において、前記作動部材23として電動シリンダー又は気圧シリンダー等のリニアアクチュエータを採用する。電動シリンダーに電流を流すと、電動シリンダーの中心軸を鉛直方向に伸縮移動させて身体保持部22を上又は下に移動させることができる。
【0038】
前記身体保持部22は、環状枠221を有する。前記環状枠221の内周には、柔軟な素材で製造される保持部材222が設けられる。前記柔軟な素材としては、例えば、十分な靭性を有する布材、又は類似の材料が挙げられる。保持部材222は、外周の全部又は一部が柔軟な素材で覆われており、環状枠221に固定される。前記保持部材222の中心には、使用者の腰部又は腹部を収容するための貫通孔223を有する。また、貫通孔223の円周には、第1結合部224が設けられる。
【0039】
例えば、前記第1結合部224は、第1ジッパーであることが好ましい。同様に、本発明は、環状枠221における固定ホルダー24の下ノッチ241に対応する位置に上ノッチ225が設けられる。そのため、使用者が容易に保持部材222の貫通孔223を出入りすることができる。環状枠221は、固定ホルダー24の上方に配置され、かつ、作動部材23としての電動シリンダーの中心軸を環状枠221の底部に接続する。
【0040】
そのため、作動部材23を上に移動させると、環状枠221が固定ホルダー24に対して持ち上げられる。作動部材23を下に移動させると、環状枠221が固定ホルダー24に対して下降される。本発明のデザイン目的は、作動部材23を利用し、固定ホルダー24に対する身体保持部22の高さを微調整することにより、異なる体型の使用者に対応することである。特に、本発明は、前記上ノッチ225によって環状枠221をそれぞれ独立した4つの弧状部分に分ける。
【0041】
各前記弧状部分は、それぞれ複数の電動シリンダーによって駆動される。それにより、異なる体型の使用者及び/又はフィットネスマシン又はリハビリ装置の形態に対応し、作動部材23によって環状枠221の特定の部分の最適な高さの位置を微調整する。例えば、環状枠221が4つの部分に分けられた場合には、環状枠221の前、後、左、右の弧状部分をそれぞれ異なる高さに調整することができる。
【0042】
前記身体支持ユニット2は、1対の延伸ロッド25に接続されている。具体的には、前記1対の延伸ロッド25は、その一端が固定ホルダー24に接続され、もう一端にピボット部材251が設けられる。ピボット部材251には、表示装置26が設けられる。前記表示装置26は、ピボット部材251を介して延伸ロッド25に対して回転可能であるため、表示装置26の角度を調整することができる。
【0043】
より明確に説明すると、表示装置26は、プラットホーム10に取り付けられた機器、例えば、トレッドミル、リハビリ機器等の機器と合わせて使用するためのものであり、使用者が前記トレッドミル、リハビリ機器等の機器を使用する時の情報、例えば、速度、頻度、歩数、回数等を表示するものである。
【0044】
図3、
図5及び
図6に示すように、前記レール4は、鉛直方向に延伸されるレール溝を有する。前記レール溝内には、仕切り板41で第1空間42及び第2空間43に仕切られる。横梁部21の両端には、それぞれ少なくとも1つのローラー211が可動に設けられる。横梁部21の両端は、それぞれ2つのレール4の第1空間42に対応し、ローラー211が第1空間42のレール溝の内壁面又は仕切り板41の表面と転がり接触する。
【0045】
好ましくは、本発明は、横梁部21の端部の鉛直方向の上方及び下方にそれぞれ1つのローラー211が設けられ、2つのローラー211とレール溝の内壁面又は仕切り板41の表面との接触によってより安定して転がることができる。なお、横梁部21の両端の上方には、それぞれケーブル45の一端が接続されている。仕切り板41の上端には、プーリー44が可動に設けられる。横梁部21に接続されるケーブル45がプーリー44の外周を周って、ケーブル45のもう一端が第2空間43に入る。
【0046】
また、前記第2空間43に位置する前記ケーブル45のもう一端には、カウンタウェイトブロック46が設けられる。前記カウンタウェイトブロック46は、金属ブロック、又は適切な重量を有する任意なものであってもよい。
【0047】
前記重量が横梁部21及び下記の身体保持部22の合計重量に略等しいため、使用者が人の力で横梁部21を持ち上げさせる又は下降させる時に、カウンタウェイトブロック46の重量を利用して横梁部21及び身体保持部22の重量に釣り合うことができ、省力で容易に操作することができる。
【0048】
より具体的には、横梁部21を下に移動させる時に(
図3に示すように)、カウンタウェイトブロック46の重力が少なくとも横梁部21の大半の重力を相殺することにより、横梁部21が急速に落下して怪我をすることが避けられる。同様に、横梁部21を上に移動させる時に(
図4に示すように)、カウンタウェイトブロック46の重力が少なくとも横梁部21の大半の重力を相殺することにより、人の力で横梁部21を容易に持ち上げることができる。
【0049】
なお、
図1及び
図3に示すように、本発明は、横梁部21とレール4との間には、固定ユニット5が設けられる。前記固定ユニット5により、横梁部21が特定の位置に調整されてから固定される。前記固定ユニット5は、横梁部21の端部のエンドプレート212に設けられた少なくとも1つのホール2121と、鉛直方向においてレール4の側壁の適切な高さに設けられた複数の位置決め穴47とを含む。
【0050】
前記複数の位置決め穴47の孔径は、基本的にいずれも前記ホール2121に等しい。横梁部21がレール4に沿って上下移動する時の軌道は、前記複数の位置決め穴47の鉛直方向と一致する。そのため、横梁部21が鉛直方向に特定の位置に移動し、かつ、前記ホール2121が1つの位置決め穴47に対応すると、止めピン(図示せず)をホール2121及び位置決め穴47に同時に挿入することができ、それにより、落ち又はずれを防止するように横梁部21を前記特定の位置に固定することができる。
【0051】
横梁部21の高さを再調整する必要がある場合には、止めピンを抜いてから横梁部21の高さを調整し、そして、前記と同じように止めピンを対応するホール2121及び位置決め穴47に挿入して横梁部21を固定する。
【0052】
さらに、使用者が横梁部21の高さを確認できるために、エンドプレート212には、窓2122をさらに設けてもよく、かつ、レール4の外側壁面には、高さ標識部48を設けてもよい。前記高さ標識部48は、鉛直方向においてレール4に沿って設けられた複数の数字又は符号であってもよく、前記数字又は符号は、所在位置の高さを示している。前記窓2122の内径は、前記複数の数字又は符号より大きい。それにより、横梁部21を特定の位置に移動させ、かつ窓2122が1つの数字又は符号に対応する時に、使用者が前記数字又は符号を容易に見ることによって横梁部21の高さを確認するができる。
【0053】
前記身体着用ユニット3は、使用者の身体着用に提供されるユニットである。
図2に示すように、前記身体着用ユニット3は、基本的に、ズボンの形の本体30とする。本体30の上方(即ち、身体が入るための開口部)の内周には、比較的剛性の環状部31が設けられる。前記環状部31の外側には、連結部32が接続されている。かつ、連結部32の外周には、身体支持ユニット2の第1結合部224に接続するための第2結合部33が設けられる。好ましくは、前記第1結合部224及び前記第2結合部33は、互いに結合できる第1ジッパー及び第2ジッパーである。
【0054】
本発明に係る装置の使用方法は、下記の通りである。
図2に示すように、使用者は、まず、ズボンを着ると同じように前記身体着用ユニット3を着用し、そして、横梁部21とともに身体支持ユニット2の高さを下降させる。その後、使用者は、身体保持部22の環状枠221内に入って(
図7に示すように)横梁部21とともに身体支持ユニット2を適切な高さに持ち上げた後、第1結合部224(即ち、第1ジッパー)と第2結合部33(即ち、第2ジッパー)とを結合することにより、使用者の体が環状枠221内に保持される。
【0055】
続いて、使用者の身長によって横梁部21を適切な高さに持ち上げて、止めピンを横梁部21のエンドプレート212のホール2121とレール4の1つの位置決め穴47とに挿入し、横梁部21を固定する。
【0056】
最後には、作動部材23を再作動して環状枠221を持ち上げることにより、使用者の身体が持ち上げられて適切な浮遊状態になる(
図8に示すように)。この状態では、プラットホーム10にトレッドミル又はリハビリ機器等の機械が取り付けられた場合、使用者が浮遊状態でジョギング又はリハビリ等を行うことができ、膝の関節に対する重力の影響を下げることができる。使用が終了すると、上記の手順とは逆の手順で、身体支持ユニット2から退出し、身体着用ユニット3を取り外せばよい。
【0057】
上記の内容は、あくまで本発明の好ましい実施例に過ぎない。本発明は、それらに限定されない。当業者が本発明に基づいてなされた変更及び改良は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 :基台部
10 :プラットホーム
11 :電気機械ボックス
12 :側面ロッド
121 :手摺部
2 :身体支持ユニット
21 :横梁部
211 :ローラー
212 :エンドプレート
2121 :ホール
2122 :窓
22 :身体保持部
221 :環状枠
222 :保持部材
223 :貫通孔
224 :第1結合部
225 :上ノッチ
23 :作動部材
24 :固定ホルダー
241 :下ノッチ
25 :延伸ロッド
251 :ピボット部材
26 :表示装置
3 :身体着用ユニット
30 :本体
31 :環状部
32 :連結部
33 :第2結合部
4 :レール
41 :仕切り板
42 :第1空間
43 :第2空間
44 :プーリー
45 :ケーブル
46 :カウンタウェイトブロック
47 :位置決め穴
48 :高さ標識部
5 :固定ユニット