IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 AGENCIAの特許一覧

特開2024-30646商談システム、画像同期表示方法およびプログラム
<>
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図1
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図2
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図3
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図4
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図5
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図6
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図7
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図8
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図9
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図10
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図11
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図12
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図13
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図14
  • 特開-商談システム、画像同期表示方法およびプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030646
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】商談システム、画像同期表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240229BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20240229BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20240229BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06F3/04845
H04N7/15
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133664
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】521430302
【氏名又は名称】株式会社 AGENCIA
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(74)【代理人】
【識別番号】100198247
【弁理士】
【氏名又は名称】並河 伊佐夫
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ピエール
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164FA27
5C164UB88P
5C164UB92P
5C164VA07P
5E555AA26
5E555AA61
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA13
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB13
5E555BC07
5E555BC08
5E555BC18
5E555BD05
5E555CA02
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB05
5E555CB07
5E555CB11
5E555CB34
5E555CB45
5E555CC16
5E555CC22
5E555CC24
5E555CC25
5E555CC26
5E555CC27
5E555DB53
5E555DC05
5E555DC19
5E555DC24
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA09
5E555FA00
5L049AA02
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ネットワークを介したビデオ通話に参加している各情報端末において同じ画角で同じアングルのコンテンツ画像を共有することができる商談システムを提供する。
【解決手段】商談システム1は、ネットワーク10を介して接続された複数の情報端末によるビデオ通話を可能とする。情報端末2は、表示部34にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域63を有するとともに、コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択を検出し、同期操作が選択された場合に、他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択手段53と、表示操作に対応する操作データを他の情報端末に向けて送信する操作データ送信手段54と、他の情報端末からの同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付手段55と、他の情報端末から送信されてきた操作データに基づいてコンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理手段56と、を備えている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された複数の情報端末によるビデオ通話を可能とする商談システムであって、
前記情報端末は、
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有するとともに、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、通話に参加する他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択手段と、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信手段と、
前記他の情報端末からの前記同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付手段と、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応する操作データに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理手段と、
を備え、
前記通話に参加している各情報端末に表示されるコンテンツ画像が同期表示可能とされている商談システム。
【請求項2】
前記情報端末のビデオ通話画面上に同期アイコンが常時表示されるように表示制御されており、前記同期アイコンが操作されることにより前記同期操作選択手段は前記同期操作の選択および選択解除を検出する、請求項1に記載の商談システム。
【請求項3】
前記コンテンツ画像表示領域に表示される前記コンテンツ画像に対する表示倍率の変更、同一コンテンツ画像内における表示部分の移動、別のコンテンツ画像への切り替え、および、前記コンテンツ画像に対する線描画の上書き表示、の各操作が、同期操作として実行可能とされている、請求項1,2に記載の商談システム。
【請求項4】
前記コンテンツ画像表示領域に表示されるコンテンツ画像として、撮影対象物周りに撮影方向を360度回転させながら撮影された時に得られる、それぞれ撮影方向の異なる複数の外観画像のいずれかが表示可能され、
所定の画像切替操作を実行することで、撮影された前記撮影対象物が一方向に回転する態様で前記外観画像が切替表示される、請求項1,2の何れかに記載の商談システム。
【請求項5】
前記コンテンツ画像表示領域に表示されるコンテンツ画像として、撮影対象物の内部もしくは内装が撮影されたパノラマ画像の一部分が表示可能とされ、
所定の表示部分移動操作に基づいて前記コンテンツ画像表示領域に表示されるパノラマ画像の前記部分が移動可能とされている、請求項1,2の何れかに記載の商談システム。
【請求項6】
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有する情報端末を用いて、ネットワークを介して接続された他の情報端末との間で、前記コンテンツ画像を同期表示させる方法であって、
前記情報端末が、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、前記他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択ステップと、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信ステップと、
前記他の情報端末からの前記同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付ステップと、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応する操作データに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理ステップと、
を実行する画像同期表示方法。
【請求項7】
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有し、ネットワークを介して他の情報端末と接続された情報端末に、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、前記他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択ステップと、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信ステップと、
前記他の情報端末からの同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付ステップと、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応する操作データに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介して接続された複数の情報端末によるビデオ通話を可能とする商談システム、この商談システムを構成する情報端末で実行される画像同期表示方法、および、情報端末により実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触型のサービスが定着し、商品の提供者とその提供を受ける顧客とが現実に対面することなくネットワークを介して商談(WEB商談)し、購入及び契約の意思決定が行われるケースが増加しており、これに関連した技術も提案されている(例えば下記特許文献参照)。
【0003】
従来のWEB商談においては、スマートフォンなどのモバイル端末のカメラを使い実際の商品を映しライブ配信形式で商品の説明を行う手法が取られていたが、このような場合には実際に手元に商品がなければならない。例えば、賃貸不動産についてライブ配信形式で物件の説明を行う場合、商談の度に、主催する側が実際に賃貸物件に赴いてモバイル端末で撮影を行わなければならず、商談数を多く設定することが難しい。
【0004】
また、ライブ配信形式に代えて、予め準備しておいたコンテンツ画像を情報端末の画面上に表示させながら商談を進めることも行われているが、商談の主催者側と顧客側の双方が商品のどの部分を閲覧しているか認識できないと、認識の齟齬によるクレームや顧客の意思決定の遅れによる機会損失等に繋がる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-183583号公報
【特許文献2】特開2002-215944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、ネットワークを介したビデオ通話に参加している各情報端末において同じ画角で同じアングルのコンテンツ画像を共有することができ、参加者相互の理解を高めることが可能な商談システム、画像同期表示方法およびプログラムを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而してこの発明の第1の局面の商談システムは次のように規定される。即ち、
ネットワークを介して接続された複数の情報端末によるビデオ通話を可能とする商談システムであって、
前記情報端末は、
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有するとともに、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、通話に参加する他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択手段と、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信手段と、
前記他の情報端末からの前記同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付手段と、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応するデータに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理手段と、
を備え、
前記通話に参加している各情報端末のコンテンツ画像表示領域に表示されるコンテンツ画像が同期表示可能とされている。
【0008】
このように規定された第1の局面の商談システムでは、通話に参加している各情報端末のコンテンツ画像表示領域に、同期させたコンテンツ画像を表示させることができる。即ち、同じ画角で同じアングルのコンテンツ画像を共有した状態で商談を進めることができるため、参加者相互の理解を高めることができる。
【0009】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面で規定の商談システムにおいて、前記情報端末のビデオ通話画面上に同期アイコンが常時表示されるように表示制御されており、前記同期アイコンが操作されることにより前記同期操作選択手段は前記同期操作の選択および選択解除を検出する。
【0010】
このように規定された第2の局面の商談システムによれば、同期アイコンが操作された任意のタイミングで、通話に参加している何れかの情報端末の主導により同期表示を実現することができる。
【0011】
ここで、前記コンテンツ画像表示領域に表示される前記コンテンツ画像に対する表示倍率の変更、同一コンテンツ画像内における表示部分の移動、別のコンテンツ画像への切り替え、および、前記コンテンツ画像に対する線描画の上書き表示、の各操作を、同期操作として実行させることができる(第3の局面)。
【0012】
また商談システムでは、商品を全方位から閲覧出来るようにすることで、商品をより具体的に可視化させるとともに顧客に没入感を演出できることが望ましい。
このため本発明では、前記コンテンツ画像表示領域に表示される画像を、撮影対象物周りに撮影方向を360度回転させながら撮影された時に得られる、それぞれ撮影方向の異なる複数の外観画像から選択可能とし、
所定の画像切替操作を実行することで、前記撮影対象物が一方向に回転する態様で前記外観画像が切替表示されるように構成することができる(第4の局面)。
【0013】
また、前記コンテンツ画像表示領域に表示される画像として、撮影対象物の内部もしくは内装が撮影されたパノラマ画像の一部分を表示可能とし、
所定の表示部分移動操作に基づいて前記コンテンツ画像表示領域に表示されるパノラマ画像の前記部分が移動されるように構成することができる(第5の局面)。
【0014】
この発明の第6の局面の画像同期表示方法は次のように規定される。即ち、
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有する情報端末を用いて、ネットワークを介して接続された他の情報端末との間で、前記コンテンツ画像を同期表示させる方法であって、
前記情報端末が、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、前記他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択ステップと、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信ステップと、
前記他の情報端末からの前記同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付ステップと、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応する操作データに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理ステップと、
を実行する。
このように規定される第6の局面の画像同期表示方法によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
この発明の第7の局面のプログラムは次のように規定される。即ち、
表示部にコンテンツ画像を表示させるコンテンツ画像表示領域を有し、ネットワークを介して他の情報端末と接続された情報端末に、
前記コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、前記同期操作が選択された場合に、前記他の情報端末に向けて同期開始信号を送信する同期操作選択ステップと、
前記コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを前記他の情報端末に向けて送信する操作データ送信ステップと、
前記他の情報端末からの同期開始信号を受け付ける同期開始信号受付ステップと、
前記同期開始信号を受け付けた後、前記他の情報端末から送信されてきた表示操作に対応する操作データに基づいて前記コンテンツ画像に対する表示操作を実行する受信対応処理ステップと、
を実行させる。
このように規定される第7の局面のプログラムは、上記第6の局面の画像同期表示方法に対応し、同様の作用及び効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態である商談システムの構成を示した図である。
図2図1の情報端末のハードウェア構成を示した図である。
図3】同情報端末の機能構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態で用いられるコンテンツ画像の説明図である。
図5】外観画像についての説明図である。
図6】パノラマ画像についての説明図である。
図7】同情報端末のビデオ通話画面を示した図である。
図8図7のコンテンツ画像表示領域を単独で示した図である。
図9】コンテンツ画像の表示部分を移動させる処理についての説明図である。
図10】外観画像を切替表示させる処理についての説明図である。
図11】線描画を上書き表示する処理についての説明図である。
図12】コンテンツ画像の表示操作モードの切り替えに関するフローチャートである。
図13】同情報端末が同期主導モードに切り替えられた場合の処理の一例を示すシーケンス図である。
図14】付加情報を同期表示させる変形例の説明図である。
図15】ローン仮審査の申請を支援する機能を追加した変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、1はWEB商談を行うために用いられる商談システムである。本実施形態の商談システム1は、主催者側の情報端末2と、ゲスト側(顧客側)の情報端末4A,4Bと、リモート商談用サーバ6と、ログインサーバ7と、認証用サーバ8と、コンテンツ管理用サーバ9と、を備えて構成されている。これら情報端末2,4A,4Bおよびサーバ6,7,8,9は、ネットワーク10に接続されており、これら複数の情報端末2,4A,4Bがネットワーク10を介して音声データおよび画像データを送受信することによりビデオ通話が可能とされている。
ここで、商談に参加するゲスト側の情報端末の数は、2台に限定されるものではなく、1台もしくは3台以上であってもよい。また、ネットワーク10としては、インターネットのほか有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)等を用いることも可能である。
【0018】
主催者側の情報端末2としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータのような端末装置を用いることができる。以下では、主催者側の情報端末2がパーソナルコンピュータである場合を例に説明する。
情報端末2は、図2に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク等の記憶装置14、ディスプレイ15、ネットワークI/F16、キーボード17、ポインティングデバイスとしてのマウス18、カメラ19、マイク20、スピーカ21、メディアI/F22、外部機器I/F23およびバスライン25等を備えている。情報端末2では、ROM12や記憶装置14に記憶される各種のプログラム及びデータをCPU11が読み込むことで、全体として概観したとき、図3に示すように、通信部32、表示部34、操作部36、制御部50等としてそれぞれ機能する。同様に制御部50も各種の手段としてそれぞれ機能する。
【0019】
通信部32は、ネットワークI/F16を含んで構成され、他の情報端末およびサーバとの間で通信を行う。
【0020】
表示部34は、ディスプレイ15を含んで構成され、各種の情報を表示する。例えば、ビデオ通話が開始されると、表示部34には、図7に示される商談用画面としてのビデオ通話画面35等が表示される。このビデオ通話画面35についての具体的な説明は後述する。
【0021】
操作部36は、各種の指令等の入力を受け付ける。情報端末2がパーソナルコンピュータである場合、操作部36は、例えば、キーボード17及びマウス18を含んで構成される。キーボード17は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段である。マウス18は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段である。
【0022】
撮像部38は、カメラ19を含んで構成され、主に端末使用者(商談参加者)を撮影する。撮像部38で撮影された撮影データ(動画データ)はネットワーク10を介して他の情報端末4A,4Bに送信される。
【0023】
収音部40は、マイク20を含んで構成され、端末使用者の音声等を収音して音声データを取得する。音声データは、上記撮影データとともにネットワーク10を介して他の情報端末4A,4Bに送信される。
【0024】
音声出力部42は、スピーカ21を含んで構成され、他の情報端末から送られてきた音声データをスピーカ21を通じて出力する。
【0025】
記憶部44は、ハードディスク等の記憶装置14を含んで構成される。但し、フラッシュメモリやROM等で構成されても差し支えない。記憶部44には、各種のプログラムが記憶される。例えば、OS(Operating System)及び各種のアプリケーションが記憶される。記憶部44に記憶されるアプリケーションには、後述する各処理を実行するプログラムが含まれる。後述する各処理を実行するプログラムは、記憶部44に事前にインストールされていてもよいが、商談への参加に際し、サーバにアクセスした場合に、サーバからネットワーク10を介して情報端末に送信され、そのタイミングで、記憶部44にインストールされるようにしてもよい。この場合、プログラムは、RAM13に保存されてもよい。
【0026】
制御部50は、以下に示す画像・音声処理手段51、画像操作受付処理手段52、同期操作選択手段53、操作データ送信手段54、同期開始信号受付手段55、受信対応処理手段56を備えている。
【0027】
画像・音声処理手段51は、撮影データおよび音声データを受送信し、画像を表示部34に表示したり、音声を音声出力部42から出力したりする処理を行う。
【0028】
画像操作受付処理手段52は、後述するコンテンツ画像に対する表示倍率の変更等の表示操作を受け付け、これに対応する操作データを作成・記録し、所定の画角およびアングルでコンテンツ画像を表示させる。
【0029】
同期操作選択手段53は、使用者によるコンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除を検出し、他の情報端末4A,4Bに向けて同期開始信号を出力する。具体的には、非同期状態においてコンテンツ画像表示領域63(図7参照)に設けられた同期アイコン70が押下されたことにより同期操作の選択を検出して、通話に参加する他の情報端末4A,4Bに向けて同期開始信号を送信する。同期アイコン70が押下された後は、後述するように情報端末2における表示操作の内容が他の情報端末4A,4Bの画面にも反映されるため、情報端末2による排他的な同期操作が可能となる。
この排他的な同期操作の選択は、情報端末2の同期アイコン70が再び押下されることで解除され、通話に参加する他の情報端末4A,4Bに向けて同期解除信号を送信する。
【0030】
操作データ送信手段54は、同期操作選択手段53において、排他的な同期操作の選択が検出された後、コンテンツ画像に対する表示操作に対応する操作データを他の情報端末4A,4Bに向けて送信する。
【0031】
同期開始信号受付手段55は、情報端末2自身が非同期状態であって、他の情報端末4A,4Bの何れかから同期開始信号が送られてきた場合に、他の情報端末からの同期開始信号を受け付ける。以降は、情報端末2でのマウス操作に基づく表示操作を無効とする。
【0032】
受信対応処理手段56は、同期開始信号受付手段55において、他の情報端末(例えば情報端末4A)からの同期開始信号を受け付けた後、他の情報端末(例えば情報端末4A)から送信されてきた操作データに基づいて、情報端末2のコンテンツ画像に対する表示操作を実行する。
【0033】
以上、主催者側の情報端末2について説明したが、ゲスト側の情報端末4A,4Bについても、主催者側の情報端末2と同様にスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータのような端末装置を用いることができる。本例では、ゲスト側の情報端末4A,4Bが、主催者側の情報端末2と同じパーソナルコンピュータで構成されており、情報端末2と共通する構成については、同じ符号を用いて示すとともに、その説明を省略する。
【0034】
他方、リモート商談用サーバ6、ログインサーバ7、認証用サーバ8、コンテンツ管理用サーバ9は、一般的なコンピュータによって構築されており、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、ディスプレイ、ネットワークI/F、キーボード、ポインティングデバイスとしてのマウス、メディアI/F、外部機器I/Fおよびバスライン等を備えている。
これらは、それぞれ前述の情報端末2におけるCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク等の記憶装置14、ディスプレイ15、ネットワークI/F16、キーボード17、ポインティングデバイス18、メディアI/F22、外部機器I/F23およびバスライン25等と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0035】
リモート商談用サーバ6は、公知の遠隔会議システムにおける会議サーバと同様のサーバ装置で、各情報端末から受信した画像、音声、その他のデータを、同じ会議(商談)に参加中の他の情報端末に配信する。
【0036】
ログインサーバ7は、ドメインごとの商品(例えば自動車、バイク、不動産)の管理や、ユーザごとのコンテンツ生成数の管理を行う。
【0037】
認証用サーバ8は、ユーザの管理を担っており、ユーザの会社情報などを管理し、ログインサーバ7との間でトークン発行のやり取りを行っている。
【0038】
コンテンツ管理用サーバ9は、主に生成されたコンテンツ画像を管理する。またこのサーバが介在することによって、主催者は商談システム1にログインして商談の予約を行うことができる。
このコンテンツ管理用サーバ9の記憶部には、商品についてのコンテンツ画像が記憶されている。ここでは商品として車両を例示することができる。この場合、コンテンツ管理用サーバ9の記憶部には、図4で示すように、車両のID(例えばC1)に関連付けされて、車両の外観を表すコンテンツ画像(例えばG1)、車両の内装を表すコンテンツ画像(例えばN1)、また必要に応じて副画像(例えばS1)のデータが登録されている。
【0039】
ここで車両の外観を表すコンテンツ画像(例えばG1)は、車両周りに撮影方向を360度回転させながら撮影された時に得られる、それぞれ撮影方向の異なる複数の外観画像を含んで構成されている。車両の外観を表すコンテンツ画像(例えばG1)は、以下のようにして得ることができる。
先ず、車両の正面視の画像が得られるタイミングで動画の撮影を開始し、車両周りに略一定の速度で移動しながら車両の外観を360度に亘って撮影する。次に、得られた動画データの中から略等間隔でフレーム画像(静止画像)を抽出する。このようにして抽出した36枚の画像G1-1~G1-36(図5参照)を撮影順に配列させ、互いに隣接する画像同士を関連付けて接続すれば、図5で示すような、それぞれ撮影方向の異なる複数の外観画像を含んで構成されたひと纏まりのコンテンツ画像G1を作成することができる。図5の例では、G1-1が車両の正面視、G1-10が車両の左側面視、G1-19が車両の背面視、G1-28が車両の右側面視の画像である。ここでG1の後に付された符号1~36は、外観を表すコンテンツ画像G1内の各画像を識別する画像IDである。
【0040】
一方、車両の内装を表すコンテンツ画像(例えばN1)は、水平方向に360度の視野を有するパノラマ画像である。もっとも、パノラマ画像は、360度未満(例えば180度以上)の視野を有するものであってもよい。
パノラマ画像を仮想的に、図6で示すような3次元の立体球状とした場合、情報端末の画面に表示される部分(領域)Pは、その中心座標P1および表示倍率によって特定される。パノラマ画像の一部が、情報端末のコンテンツ画像表示領域63に表示された一例は、図11に示されている。
【0041】
他方、副画像(例えばS1)は、上記の外観画像および内装画像とは別途に車両の特定部分が撮影されたコンテンツ画像である。
【0042】
以上のように構成された商談システム1では、主催者側の情報端末2で実行されるアプリケーション処理に基づいて、参加予定の情報端末4A、4Bに向けて、商談のためのURL情報を含んだ電子メールを事前に送信しておき、開催予定日時に各情報端末2,4A,4Bがリモート商談用サーバ6にアクセスすることにより各情報端末2,4A,4Bとリモート商談用サーバ6との間でのセッションが確立されて、各情報端末2,4A,4B間におけるビデオ通話が可能となる。
【0043】
次に、ビデオ通話が開始された後の各情報端末における表示部34のビデオ通話画面35について、情報端末2を例に説明する。
本実施形態では、制御部50による表示制御に基づいて情報端末2の表示部34にビデオ通話画面35が表示される。ビデオ通話画面35では、図7で示すように、画面左側に参加者の撮影画像を表示する参加者表示領域61、画面中央にコンテンツ画像を表示するコンテンツ画像表示領域63、画面右側に共有メモ領域66および詳細情報表示領域67が設けられている。また画面下側には商品一覧表示領域64および関連画像一覧表示領域65が設けられている。
【0044】
参加者表示領域61には、それぞれ情報端末のカメラによって撮影された主催者撮影画像61aおよびゲスト撮影画像61b、61cが表示されている。
【0045】
共有メモ領域66は、主催者側、ゲスト側の双方がテキスト入力することができる共有メモの表示エリアである。図示を省略するアイコンを押下することによりテキストファイル保存ダイアログが表示され、共有メモ領域66に記載された内容をテキストファイルとして自身の端末に保存することができる。
【0046】
詳細情報表示領域67は、商品の詳細情報を表示する領域である。この商品の詳細情報は、主催者が予め事前に設定し登録しておく必要がある。
【0047】
商品一覧表示領域64は、コンテンツ管理用サーバ9の記憶部に登録されている車両の中から今回の商談のために主催者が選んだ車両の一覧をサムネイルで表示する領域である。この例では車両C1と車両C2と車両C3と車両C4のサムネイル64a、64b、64c、64dが表示されている。
【0048】
関連画像一覧表示領域65は、商品一覧表示領域64に一覧表示された車両のなかから何れかの車両(ここでは車両C1)が選択されると、選択された車両C1に関連付けされたコンテンツ画像(図4参照)の一覧がサムネイル65a,65b,65cで表示される。ここでは外観を表す画像G1、内装を表す画像N1および副画像S1が、車両C1の関連画像として表示されている。
【0049】
コンテンツ画像表示領域63は、関連画像一覧表示領域65に一覧表示されたコンテンツ画像のなかから選択された画像が表示される。例えば外観を表す画像G1のサムネイル65aが選択された場合には、コンテンツ画像表示領域63に外観を表す画像G1の先頭画像であるG1-1(車両C1の正面図)が表示される。
【0050】
図8は、コンテンツ画像表示領域63を単独で示した図である。同図に示すように、コンテンツ画像表示領域63には同期アイコン70および倍率変更アイコン71が常時表示されるように表示制御されている。ここで同期アイコン70は、同期操作の選択および選択解除を行う際に操作されるアイコンである。後述するように同期アイコン70が操作され、同期操作が選択された場合にはコンテンツ画像表示領域63にペイントアイコン73等が新たに追加表示される。
情報端末の使用者は、これらアイコンを押下することにより、また所定のマウス操作により、コンテンツ画像表示領域63に表示されたコンテンツ画像に対し、表示倍率の変更、表示部分の移動、表示画像の切り替え、および、線描画の上書き表示といった表示操作を行うことができる。
以上、情報端末2を例にコンテンツ画像表示領域63を含むビデオ通話画面35について説明したが、他の情報端末4A,4Bについても同様である。
【0051】
以下、コンテンツ画像に対する表示操作について具体的に説明する。
図8で示すように、コンテンツ画像表示領域63には倍率変更アイコン71として2種類のアイコン71a、71bが設けられている。図中右側のアイコン71aは、画像を拡大表示するためのアイコンである。アイコン71aが押下されると、その操作が画像操作受付処理手段52により受け付けられ、その押下回数に応じてコンテンツ画像を拡大表示させる。
また図中左側のアイコン71bは画像を縮小表示するためのアイコンである。アイコン71bが押下されると、その操作が画像操作受付処理手段52により受け付けられ、その押下回数に応じてコンテンツ画像を縮小表示させる。
【0052】
また本実施形態では、コンテンツ画像を拡大表示させた状態において、コンテンツ画像の、コンテンツ画像表示領域63に表示されている部分(表示部分)を移動させることできる。
具体的には、図9で示すように、マウスポインタ18aをコンテンツ画像表示領域63内のコンテンツ画像上に置いた状態から任意の方向にドラッグすると、その操作が画像操作受付処理手段52により受け付けられ、ドラッグされた方向および距離に応じてコンテンツ画像表示領域63に表示されている部分が移動する。この図9の例では拡大されたヘッドライト部分がコンテンツ画像表示領域63の中央部分に移動する。
また図11で示すように、車両の内装を撮影したパノラマ画像の一部分を表示させている場合であっても、同様の表示部分移動操作に基づいて表示部分を移動させることができる。
【0053】
また本実施形態では、コンテンツ画像を別画像に切替表示することができる。
具体的には、コンテンツ画像が拡大表示されていない状態(即ち、最も小さい倍率で表示されている状態)において、図10(A)で示すように、マウスポインタ18aをコンテンツ画像表示領域63内のコンテンツ画像上に置いた状態から横方向(図中左方向)にドラッグすると、その操作が画像操作受付処理手段52により受け付けられ、コンテンツ画像表示領域63に表示される外観画像がG1-1→G1-2→G1-3と順次切り替え表示される。即ち、図10の(A)、(B)、(C)で示されているように、本実施形態によれば、一度のマウス操作により車両C1を一方向に(本例の場合左回りに)最大で360度回転させる態様で、外観画像を切替表示させることができる。
また、関連画像一覧表示領域65に表示された他のサムネイル65b、65cを押下すれば、外観を表す画像G1を、内装を表す画像N1や副画像S1に切替表示することができる。
【0054】
また本実施形態では、コンテンツ画像に線描画を上書き表示させることができる。
端末使用者が同期アイコン70を押下すると、図11で示すように、コンテンツ画像表示領域63内にペイントアイコン73が表示され、このペイントアイコン73を押下することでコンテンツ画像表示領域63内にフリーハンドで74aや74bで示すような線描画を上書き表示させることができる。また線描画を施すとコンテンツ画像表示領域63内には、戻すアイコン75と消しゴムアイコン76が更に追加される。戻すアイコン75を押下することで、直前に操作した線描画74bを取り消すことができる。また消しゴムアイコン76を押下することで、全ての線描画74a,74bを一度に消すことができる。
【0055】
次に本実施形態の商談システム1において実施可能な同期操作について説明する。本実施形態では、通話に参加している各情報端末2,4A,4Bのコンテンツ画像表示領域63に表示させるコンテンツ画像を同期させるモードと、各情報端末で異なる態様のコンテンツ画像を表示させることができる非同期のモードと、に切り替え可能とされている。
各情報端末2,4A,4Bには、コンテンツ画像に対する排他的な同期操作の選択および選択解除をする際に押下される同期アイコン70が設けられている。何れかの情報端末において同期アイコン70の押下が検出されると、押下された情報端末の主導により各情報端末の画面に表示されるコンテンツ画像を同期させることができる。
【0056】
図12は、コンテンツ画像の表示操作モードの切り替えに関するフローチャートである。
ビデオ通信が開始されると、各情報端末では、コンテンツ画像の表示操作に関し、先ず非同期モードが選択される(ステップS001)。次に情報端末(例えば情報端末2)は他の情報端末からの同期開始信号の有無を判断する(ステップS002)。ここで他の情報端末(例えば情報端末4A)からの同期開始信号を検出した場合には、情報端末(例えば情報端末2)は自身のマウス操作に基づく表示操作(表示画像の倍率変更や表示部分の移動等の操作)の受け付けを停止し、主導権を有する他の情報端末(例えば情報端末4A)からの表示操作を受け付ける同期追従モードに切り替えられる(ステップS005)。なお、この同期追従モードは、他の情報端末(例えば情報端末4A)からの同期解除信号を検出することで、非同期モードに切り替えられる。
【0057】
一方、ステップS002で他の情報端末からの同期開始信号を検出しなかった場合には、ステップS003に進んで、情報端末自身(例えば情報端末2自身)の同期アイコン70が押下された際に出力される同期主導信号の有無を判断する(ステップS003)。ここで同期主導信号を検出した場合には、情報端末自身(例えば情報端末2自身)が主導権を有する態様で他の情報端末を同期表示させる同期主導モードに切り替えられる(ステップS006)。なお、この同期主導モードは、再び同期アイコン70が押下された際に出力される情報端末自身からの同期主導解除信号を検出することで、非同期モードに切り替えられる。ここで本例のように1つの同期アイコン70を用いて同期/非同期を切り替える場合には、同期が選択された状態であるか、非同期が選択された状態であるか、容易に識別できるように、その状態に応じて同期アイコン70の表示態様を変化させることが好ましい。
【0058】
一方、ステップS003において同期主導信号を検出しなかった場合には、非同期モードが維持され、各情報端末で異なる態様のコンテンツ画像を表示することができる。
このように本実施形態では、情報端末2,4A,4Bいずれかが主導権を有して同期表示(同期操作)を実施することができる。
【0059】
図13は、情報端末2が同期主導モードに切り替えられた場合の処理の一例を示すシーケンス図である。
この例では、情報端末2において、コンテンツ画像の表示操作1が行われ(ステップS101)、表示操作1に応じた画像1が表示され(ステップS103)た後、情報端末2の同期アイコン70が押下されて、同期主導モードに切り替えられている(ステップS104)。
【0060】
同期主導モードに切り替えられた後、情報端末2は同期開始信号を他の情報端末4A,4Bに向けて送信する(ステップS105)。ここで各情報端末間の送受信はリモート商談用サーバ6を介して行われるため、実際には情報端末2の同期開始信号はリモート商談用サーバ6に向けて送信され、これを受信したリモート商談用サーバ6が他の情報端末4A,4Bに向けて送信する。この同期開始信号を受信して情報端末4Aは同期従動モードに切り替えられる(ステップS106、S107)。同様に情報端末4Bも同期従動モードに切り替えられる(ステップS108、S109)。
【0061】
次に情報端末2は、ステップS102で作成された直前の操作データ(操作データ1)を他の情報端末4A,4Bに向けて送信する(ステップS112)。この操作データ1を受信して情報端末4Aは画像1を表示する(ステップS113、S114)。同様に情報端末4Bも画像1を表示する(ステップS115、S116)。これにより各情報端末のコンテンツ画像は同期表示される。
【0062】
ここで他の情報端末4A,4Bに向けて送信される操作データの内容は、表示するコンテンツ画像におけるコンテンツID、画像ID、同画像における表示される範囲(部分)を特定するための座標(X,Y)や表示倍率に関する情報である。また表示操作の内容が線描画の上書き表示であった場合には、線描画の位置情報が他の情報端末4A,4Bに向けて送信される。操作データを受信した他の情報端末4A,4Bは、必要に応じてコンテンツ管理用サーバ9から画像データを取得することで前記画像1を表示することができる。
【0063】
その後、情報端末2で表示操作2が実施され(ステップS120)、情報端末2のコンテンツ画像の表示(ステップS122)が画像2に変化した場合には、表示操作2の内容に対応した操作データ(操作データ2)が他の情報端末4A,4Bに向けて送信される(ステップS123)。この操作データ2を受信して情報端末4Aは画像2を表示する(ステップS124、S125)。同様に情報端末4Bも画像2を表示する(ステップS126、S127)。これにより各情報端末のコンテンツ画像は再び同期表示される。
【0064】
以上のように本実施形態の商談システム1によれば、通話に参加している各情報端末2,4A,4Bのコンテンツ画像表示領域63に、同期させたコンテンツ画像を表示させることができる。即ち、同じ画角で同じアングルのコンテンツ画像を共有した状態で商談を進めることができるため、参加者相互の理解を高めることができる。
【0065】
本実施形態の商談システム1では、情報端末2,4A,4Bのビデオ通話画面35上に同期アイコン70が常時表示されるように表示制御されており、同期アイコン70が操作されることにより同期操作選択手段53は同期操作の選択および選択解除を検出する。
このため商談システム1によれば、同期アイコン70が操作された任意のタイミングで、通話に参加している何れかの情報端末の主導により同期表示を実現することができる。
【0066】
本実施形態の商談システム1では、コンテンツ画像表示領域63に表示されるコンテンツ画像に対する表示倍率の変更、同一コンテンツ画像内における表示部分の移動、別のコンテンツ画像への切り替え、および、コンテンツ画像に対する線描画の上書き表示、の各操作を、同期操作として実行させることができる。
【0067】
また本実施形態の商談システム1では、コンテンツ画像表示領域63に表示される画像を、車両周りに撮影方向を360度回転させながら撮影された時に得られる、それぞれ撮影方向の異なる複数の外観画像G1-1~G1-36から選択可能とし、所定の画像切替操作を実行することで、車両が一方向に回転する態様で外観画像G1-1~G1-36が切替表示されるように構成されているため、車両の外観を全方位から閲覧出来、車両をより具体的に可視化させるとともに顧客に没入感を演出することができる。
【0068】
また本実施形態の商談システム1では、車両の内装が撮影されたパノラマ画像の一部分をコンテンツ画像表示領域63にて表示可能とし、所定の表示部分移動操作に基づいてコンテンツ画像表示領域63に表示されるパノラマ画像の部分が移動されるように構成されている。このため、車両の内装を全方位から閲覧出来、車両をより具体的に可視化させるとともに顧客に没入感を演出することができる。
【0069】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で構成可能である。
(1)例えば、上記実施形態では、情報端末としてパーソナルコンピュータを用いた例であったが、スマートフォンまたはタブレット端末を用いることも可能である。この場合、表示部に設けられたタッチパッドに対して、指先等でタップ、ドラッグ等の操作を行うことで、コンテンツ画像の表示操作を実行することができる。また情報端末としてスマートフォンとパーソナルコンピュータとが混在し、コンテンツ画像表示領域の表示サイズが異なる場合であっても、これら各端末におけるコンテンツ画像表示領域のアスペクト比を同じとすることで、同じ画角で同じアングルのコンテンツ画像の共有化を実現することができる。
【0070】
(2)また上記実施形態で例示した以外の同期操作を実行することも可能である。例えば、図14で示すように、コンテンツ画像の特定位置に付加情報と関連付けされたアイコン80を設けておき、主導権を有する情報端末においてアイコン80が押下された場合に、各情報端末においてアイコン80に関連付けされた付加情報のウインドウを別途表示させるように構成することも可能である。
【0071】
(3)商品に関連するコンテンツ画像は、静止画に限定されるものではなく、必要に応じて商品に関連する動画をコンテンツ画像表示領域63に表示させることも可能である。例えば、図5で示す36枚の静止画を撮影順に連結して、車両の外観を表す一つの動画データとすることができる。
【0072】
(4)また上記実施形態の商談システムは、コンテンツ画像の対象が商品としての車であったが、車以外の商品(例えばオートバイ、自転車、時計、宝飾品、分譲または賃貸マンション等や商業施設といった不動産物件)に適用することも可能である。またサービスを提供する場合には、そのサービスを提供するための会場(例えばウエディング会場)等をコンテンツ画像の対象とすることも可能である。
【0073】
(5)また上記実施形態の商談システムでは、ローンの仮審査の申請を支援する機能を追加することができる。図15はその一例を示す説明図である。
この例では、図15(A)で示すように、主催者側の情報端末2のビデオ通話画面35にローンの仮審査申請用のアイコン80が設けられており、アイコン80が押下された場合に情報入力画面81が別途表示される(図15(B)参照)。情報入力画面81には、予めデータベースに登録しておいた販売店情報やコンテンツ画像表示領域63に表示されている車両についての情報であってローンの仮審査の申請に必要な情報を自動反映させることができる。また必要に応じてこれらの情報を手動入力することができる。
情報入力画面81内に必要な情報が入力されたことを確認した後、情報入力画面81中に設けられた送信アイコン82を押下すると、顧客側の情報端末(例えば4A)の画面上に信販会社が保有している仮審査入力画面が新規タブで開かれるとともに、かかる新規タブが開かれる際に先程主催者側で入力された情報が送信される。
このような機能を商談システムに設けておけば、商品購入に際しローンを利用する場合の手続きの効率及び利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 商談システム
2,4A,4B 情報端末
10 ネットワーク
34 表示部
35 ビデオ通話画面
53 同期操作選択手段
54 操作データ送信手段
55 同期開始信号受付手段
56 受信対応処理手段
63 コンテンツ画像表示領域
70 同期アイコン
G1,G2,G3 外観を表す画像
N1,N2,N3 内装を表す画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15