(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030667
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】半導体レーザおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/028 20060101AFI20240229BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H01S5/028
H01S5/343 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133704
(22)【出願日】2022-08-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「NEDO先導研究プログラム/新産業創出新技術先導研究プログラム/ワットクラス深紫外半導体レーザーの研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(71)【出願人】
【識別番号】599002043
【氏名又は名称】学校法人 名城大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 竜弥
(72)【発明者】
【氏名】寅丸 雅光
(72)【発明者】
【氏名】神 好人
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 素顕
(72)【発明者】
【氏名】岩山 章
(72)【発明者】
【氏名】薮谷 歩武
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AH22
5F173AK22
5F173AL04
5F173AL05
5F173AL12
5F173AP78
5F173AP87
5F173AR23
(57)【要約】
【課題】半導体レーザの性能を向上する。
【解決手段】UV-B半導体レーザにおいて、光の射出面とは反対側の端面400aと直接接触する窓層500と、窓層500上に設けられた多層膜600とを有するように反射膜700を構成し、端面400aがAlGaNから構成された面であり、窓層500を酸化アルミニウム膜から構成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザであって、
前記光の射出面とは反対側の端面と直接接触する第1窓層と、
前記第1窓層上に設けられた第1多層膜と、
を備え、
前記端面は、AlGaNから構成された面であり、
前記第1窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体レーザにおいて、
前記第1多層膜は、
第1屈折率を有する第1低屈折率膜と、
前記第1屈折率よりも大きな第2屈折率を有する第1高屈折率膜と、
を含み、
前記第1低屈折率膜は、前記第1窓層と直接接触するように前記第1窓層上に設けられ、
前記第1高屈折率膜は、前記第1低屈折率膜と直接接触するように前記第1低屈折率膜上に設けられている、半導体レーザ。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体レーザにおいて、
前記第1低屈折率膜は、酸化シリコン膜であり、
前記第1高屈折率膜は、酸化タンタル膜または酸化ハフニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体レーザにおいて、
前記光の前記射出面と直接接触する第2窓層と、
前記第2窓層上に設けられた単層膜あるいは第2多層膜と、
を有し、
前記射出面は、AlGaNから構成された面であり、
前記第2窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項5】
請求項3に記載の半導体レーザにおいて、
前記光の射出面と直接接触する単層膜あるいは第2多層膜を有し、
前記射出面は、AlGaNから構成された面である、半導体レーザ。
【請求項6】
請求項2に記載の半導体レーザにおいて、
前記低屈折率膜は、酸化アルミニウム膜であり、
前記高屈折率膜は、酸化タンタル膜または酸化ハフニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体レーザにおいて、
前記光の前記射出面と直接接触する第2窓層と、
前記第2窓層上に設けられた単層膜あるいは第2多層膜と、
を有し、
前記射出面は、AlGaNから構成された面であり、
前記第2窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項8】
請求項6に記載の半導体レーザにおいて、
前記光の前記射出面と直接接触する単層膜あるいは第2多層膜を有し、
前記射出面は、AlGaNから構成された面である、半導体レーザ。
【請求項9】
紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザであって、
前記光の射出面と直接接触する第2窓層と、
前記第2窓層上に設けられた単層膜あるいは第2多層膜と、
を備え、
前記射出面は、AlGaNから構成された面であり、
前記第2窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体レーザにおいて、
前記第2多層膜は、
第1屈折率を有する第2低屈折率膜と、
前記第1屈折率よりも大きな第2屈折率を有する第2高屈折率膜と、
を含み、
前記第2低屈折率膜は、前記第2窓層と直接接触するように前記第2窓層上に設けられ、
前記第2高屈折率膜は、前記第2低屈折率膜と直接接触するように前記第2低屈折率膜上に設けられている、半導体レーザ。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体レーザにおいて、
前記第2低屈折率膜は、酸化シリコン膜であり、
前記第2高屈折率膜は、酸化タンタル膜または酸化ハフニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体レーザにおいて、
前記端面と直接接触する第1多層膜を有し、
前記端面は、AlGaNから構成された面である、半導体レーザ。
【請求項13】
請求項10に記載の半導体レーザにおいて、
前記第2低屈折率膜は、酸化アルミニウム膜であり、
前記第2高屈折率膜は、酸化タンタル膜または酸化ハフニウム膜である、半導体レーザ。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体レーザにおいて、
前記端面と直接接触する第1多層膜を有し、
前記端面は、AlGaNから構成された面である、半導体レーザ。
【請求項15】
紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザの製造方法であって、
(a)前記光の射出面とは反対側の端面に窓層を形成する工程と、
(b)前記窓層上に多層膜を形成する工程と、
を備え、
前記端面は、AlGaNから構成された面であり、
前記窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザの製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体レーザの製造方法において、
前記(a)工程では、ECRスパッタリング法を使用する、半導体レーザの製造方法。
【請求項17】
紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザの製造方法であって、
(a)前記光の射出面に窓層を形成する工程と、
(b)前記窓層上に単層膜あるいは多層膜を形成する工程と、
を備え、
前記射出面は、AlGaNから構成された面であり、
前記窓層は、酸化アルミニウム膜である、半導体レーザの製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体レーザの製造方法において、
前記(a)工程では、ECRスパッタリング法を使用する、半導体レーザの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザおよびその製造技術に関し、例えば、紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザおよびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、紫外領域のうちのUV-B波長域の光を射出する半導体レーザに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Kosuke Sato et al. “Room-temperature operation of AlGaN ultraviolet-B laser diode at 298 nm on lattice-relaxed Al0.6Ga0.4N/AlN/sapphire” 2020 Appl. Phys. Express 13 031004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AlGaN系紫外線半導体レーザは、医療分野や加工分野などに幅広い応用分野があり、実用化が期待されている。紫外線は、長波長紫外線(UV-A:光の波長が315nmよりも大きく380nm以下)、中波長紫外線(UV-B:光の波長が280nmよりも大きく315nm以下)、短波長紫外線(UV-C:光の波長が200nmよりも大きく280nm以下)の3種類に分類され、それぞれの波長域で半導体レーザの室温発振が報告されている。ここで、最も実現が困難であった半導体レーザは、UV-B波長域の光を射出する半導体レーザ(以下、UV-B半導体レーザという場合がある)であり、本発明者は、UV-B半導体レーザの高性能化について鋭意検討している。この点に関し、一般的に半導体レーザの高性能化には、高性能な反射膜の開発が必要不可欠であり、この観点から、UV-B半導体レーザにおいても、高性能な反射膜の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態における半導体レーザは、 紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザであって、光の射出面とは反対側の端面と直接接触する第1窓層と、第1窓層上に設けられた第1多層膜と、を備える。ここで、端面は、AlGaNから構成された面であり、第1窓層は、酸化アルミニウム膜である。
【0006】
一実施の形態における半導体レーザは、 紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザであって、光の射出面と直接接触する第2窓層と、第2窓層上に設けられた単層膜あるいは第2多層膜と、を備える。ここで、射出面は、AlGaNから構成された面であり、第2窓層は、酸化アルミニウム膜である。
【0007】
一実施の形態における半導体レーザの製造方法は、紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザの製造方法であって、(a)光の射出面とは反対側の端面に窓層を形成する工程と、(b)窓層上に多層膜を形成する工程と、を備える。ここで、端面は、AlGaNから構成された面であり、窓層は、酸化アルミニウム膜である。
【0008】
一実施の形態における半導体レーザの製造方法は、紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザの製造方法であって、(a)光の射出面に窓層を形成する工程と、(b)窓層上に単層膜あるいは多層膜を形成する工程と、を備える。ここで、射出面は、AlGaNから構成された面であり、窓層は、酸化アルミニウム膜である。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、半導体レーザの性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】UV-B半導体レーザのデバイス構造を示す図である。
【
図2】UV-B半導体レーザの製造工程を示すフローチャートである。
【
図3】半導体ウェハからレーザバーを取得し、取得されたレーザバーから半導体チップを取得する工程を模式的に示す図である。
【
図5】具現化態様における反射膜の構成を模式的に示す図である。
【
図6】UV-B半導体レーザにおける電流と光出力の関係を示すグラフである。
【
図7】窓層を有しないUV-B半導体レーザにおいて、反射膜および反射防止膜の成膜前後での電流と光出力との関係を示すグラフである。
【
図8】
図7に示すグラフに基づいて、成膜前における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果と、成膜後における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果を合わせて示す表である。
【
図9】窓層を有するUV-B半導体レーザにおいて、反射膜および反射防止膜の成膜前後での電流と光出力との関係を示すグラフである。
【
図10】
図9に示すグラフに基づいて、成膜前における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果と、成膜後における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果を合わせて示す表である。
【
図11】横軸にしきい値電流密度の変化を取る一方、縦軸に「スロープ効率」の変化を取って、酸化アルミニウム膜からなる窓層の有無によるサンプルの実験結果をプロットしたグラフである。
【
図12】変形例1における反射膜の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0012】
<UV-B半導体レーザの開発経緯>
レーザ光は、コヒーレントで指向性と収束性に優れた光源である。その中で半導体レーザは、その他のレーザ光源に比べて、小型・高効率・長寿命・高生産性などに代表される優れた性能を有している。半導体レーザは、最初に光の波長の長い赤外線領域で実現され、その後、可視光領域(赤色、緑色、青色)で実現されている。これらの半導体レーザは、光ディスク、レーザプリンタ、光通信、レーザ加工機、計測器などの多くの分野で使用されている。一方、紫外線は、光の波長が200nmよりも大きく380nm以下という可視光よりも短い波長域の光である。この紫外線波長域の光源は、医療、環境、バイオサイエンス、殺菌、金属などのレーザ加工や微細加工などに代表される多くの応用分野があることから、紫外線波長域の半導体レーザの実現が望まれている。
【0013】
この点に関し、紫外線は、波長の長い方から長波長紫外線(UV-A)、中波長紫外線(UV-B)、短波長紫外線(UV-C)の3種類に分類され、それぞれの波長域で半導体レーザの室温発振が報告されている。ここで、最も実現が困難であった半導体レーザは、UV-B半導体レーザである。中波長紫外線は、紫外線硬化および紫外線接着・乾燥(UVキュアリング)、アトピー治療などの医療分野、DNAシーケンスなどに代表される様々な応用分野があることから、UV-B半導体レーザの実現には大きな技術的意義がある。
【0014】
UV-B半導体レーザは、(1)中波長紫外線波長域でレーザ発振する高品質なAlGaN結晶を作製することが困難であったこと、(2)レーザ発振に必要な電流注入が難しいことなどの理由で実現することが困難であった。この点に関し、(1)サファイア基板上にスパッタリング法でAlNテンプレートを作製し、このAlNテンプレート上に高品質なAlGaN結晶を実現する手法と、(2)電流注入手法として、「分極ドーピング法」を適用することによって、実現困難であったUV-B半導体レーザが実現されている。
【0015】
ここで、「分極ドーピング法」とは、結晶の対称性が低い窒化物半導体に発現する自発分極を活用することによって、電気伝導に寄与する電荷担体(正孔)を発生させる方法であり、具体的には、組成傾斜させたAlGaN層によって分極固定電荷(負電荷)を生成し、この分極固定電荷の存在によって正孔を誘起させる手法である。
【0016】
以下では、UV-B半導体レーザの構成例について説明する。
【0017】
<UV-B半導体レーザの構成>
図1は、UV-B半導体レーザLDのデバイス構造を示す図である。
【0018】
図1において、UV-B半導体レーザLDは、サファイア基板100と、サファイア基板100上に形成された窒化アルミニウム層(AlN層)101と、窒化アルミニウム層101上に形成された窒化アルミニウム層(AlN層)102を有している。
【0019】
このとき、窒化アルミニウム層101は、スパッタリング法を使用することにより形成されている。一方、窒化アルミニウム層102は、MOVPE法を使用することにより形成されている。サファイア基板100と窒化アルミニウム層101によって、AlNテンプレート基板が形成されることになり、このAlNテンプレート基板上に窒化アルミニウム層102が形成されていることになる。ここで、窒化アルミニウム層102の厚さは、例えば、1550nmである。
【0020】
次に、
図1に示すように、UV-B半導体レーザLDは、窒化アルミニウム層102上に形成されたナノパターン103を有している。このナノパターン103は、例えば、ピッチが1000nm、径が435nm、深さが1000nmである。
【0021】
そして、UV-B半導体レーザLDは、ナノパターン103を埋め込むように形成されたAl0.68Ga0.32N層104を有している。このとき、Al0.68Ga0.32N層104の厚さは、約5μmであり、Al0.68Ga0.32N層104の表面は平坦化している。このように本実施の形態では、予め形成されているナノパターン103を埋め込むようにAl0.68Ga0.32N層104を形成する。この結果、結晶欠陥の少ない高品質なAl0.68Ga0.32N層104を形成することができる。なお、Al0.68Ga0.32N層104は、導電型不純物が導入されていないノンドープの層である。
【0022】
続いて、UV-B半導体レーザLDは、Al0.68Ga0.32N層104上に形成されたAl0.62Ga0.38N層105を有している。このAl0.62Ga0.38N層105は、n型不純物であるシリコン(Si)が導入されたn型半導体層であり、シリコンの不純物濃度は、例えば、6×1018/cm3である。このAl0.62Ga0.38N層105の厚さは、例えば、4μm程度である。Al0.62Ga0.38N層105は、レーザ光を閉じ込めるためのクラッド層として機能するとともに、n電極116とのコンタクト層としても機能する。
【0023】
そして、UV-B半導体レーザLDは、Al0.62Ga0.38N層105上に形成されたAl0.45Ga0.55N層106と、Al0.45Ga0.55N層106上に形成された活性層107と、活性層107上に形成されたAl0.5Ga0.5N層108を有している。
【0024】
ここで、Al0.45Ga0.55N層106は、レーザ光の光導波路となる下部ガイド層として機能し、その厚さは、例えば、50nmである。また、活性層107は、レーザ光を発する発光層であり、例えば、厚さが4nmのAl0.3Ga0.7Nからなる井戸層と、厚さが8nmのAl0.45Ga0.55Nからなる障壁層を有している。特に、本実施の形態において、活性層107は、2周期分の井戸層と障壁層との組み合わせから構成されている。井戸層は、障壁層よりもバンドギャップが小さくなっている層であり、AlGaNにおけるAlの組成比を小さくすることにより形成される。一方、障壁層は、井戸層よりもバンドギャップが大きくなっている層であり、AlGaNにおけるAlの組成比を大きくすることにより形成される。
【0025】
さらに、活性層107上に形成されているAl0.5Ga0.5N層108は、レーザ光の光導波路を構成する上部ガイド層として機能し、その厚さは、例えば、50nmである。
【0026】
次に、
図1に示すように、UV-B半導体レーザLDは、Al
0.5Ga
0.5N層108上に形成された電子ブロック層(EBL層)109を有するとともに、電子ブロック層109上に形成された2段階組成傾斜層を有している。ここで、2段階組成傾斜層は、「分極ドーピング」を実現するための層であり、p型AlGaN層110とp型AlGaN層111から構成されている。本実施の形態では、2段階組成傾斜層による「分極ドーピング」が採用されており、これによって、レーザ発振に必要な正孔電流の注入が実現される。
【0027】
続いて、
図1に示すように、UV-B半導体レーザLDは、p型AlGaN層111上に形成されたp型GaN層112を有している。このp型GaN層112は、p電極114とのコンタクト層として機能する。
【0028】
そして、UV-B半導体レーザLDは、
図1に示すように、Al
0.62Ga
0.38N層105と接触するn電極116を有するとともに、p型GaN層112と接触するp電極114を有している。また、n電極形成部およびp電極形成部を除く表面領域には、例えば、酸化シリコン膜からなる表面保護膜113が形成されている。さらに、n電極116上には、パッド電極117が形成されている。一方、p電極114上には、パッド電極115が形成されている。このとき、n電極116は、V/Al/Ti/Au(20nm/80nm/40nm/100nm)の積層膜から構成されている。一方、p電極114は、Ni/Pt/Au(10nm/10nm/40nm)の積層膜から構成されている。また、パッド電極115およびパッド電極117は、Ti/Au(50nm/800nm)の積層膜から構成されている。
【0029】
続いて、
図1において、UV-B半導体レーザLDは、共振器構造を有しており、レーザ光が射出される射出面200A(一端面)と、射出面200Aとは反対側に位置する反射面200B(ドットを付している領域:他端面)を有している。射出面200Aには、反射防止膜が形成されている一方、反射面200Bには、反射膜が形成されている。
【0030】
以上のようにして、UV-B半導体レーザLDが構成されている。
【0031】
<UV-B半導体レーザの動作>
本実施の形態におけるUV-B半導体レーザLDは上記のように構成されており、以下に、その動作について、
図1を参照しながら説明する。まず、p電極114(パッド電極115)に正電圧を印加するとともに、n電極116(パッド電極117)に負電圧を印加する。これにより、UV-B半導体レーザLDにp電極114からn電極116に向かって順方向電流が流れる。これにより、p電極114からp型GaN層112に正孔が注入され、注入された正孔は、p型GaN層112から2段階組成傾斜層(p型AlGaN層110とp型AlGaN層111)に流れ込む。そして、2段階組成傾斜層に流れ込んだ正孔は、Al
0.5Ga
0.5N層108の内部を通り、活性層107に流れ込む。
【0032】
一方、n電極116からは、Al0.62Ga0.38N層105に電子が注入され、注入された電子は、Al0.45Ga0.55N層106を通って、活性層107に注入される。
【0033】
活性層107では、注入された正孔と電子によって反転分布が形成され、電子が伝導帯から価電子帯に誘導放出によって遷移することにより、位相の揃った光が発生する。そして、活性層107で発生した光は、活性層107よりも屈折率の低い2段階傾斜層(上部クラッド層)やAl0.62Ga0.38N層105(下部クラッド層)による光閉じ込め効果により、主に活性層107内に閉じ込められる。そして、活性層107内に閉じ込められている光は、UV-B半導体レーザLDのy軸方向に並行して形成されている射出面200Aと反射面200Bからなる共振器を往復することにより、さらなる誘導放出によって増幅される。その後、活性層107内でレーザ光が発振して、UV-B半導体レーザLDの射出面200Aからレーザ光が射出される。以上のように、本実施の形態におけるUV-B半導体レーザLDが動作することになる。
【0034】
<UV-B半導体レーザの製造方法>
次に、UV-B半導体レーザLDの製造方法について説明する。
【0035】
図2は、UV-B半導体レーザLDの製造工程を示すフローチャートである。
【0036】
<<結晶成長(S101)>>
まず、サファイア基板100上に窒化アルミニウム層101を形成する。窒化アルミニウム層101は、例えば、スパッタリング法により形成され、その厚さは、450nmである。その後、窒素雰囲気中で1700℃、3時間のアニール処理を行って、AlNテンプレート基板を作製する。そして、MOVPE法によって、窒化アルミニウム層101上に窒化アルミニウム層102を形成する。この窒化アルミニウム層102の厚さは、1550nmである。
【0037】
次に、窒化アルミニウム層102上にナノパターン103を形成する。具体的には、スパッタリング法を使用することにより、窒化アルミニウム層102上に酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜の膜厚は、420nmである。その後、レジスト膜を塗布した後にナノインプリント装置を使用することにより、ピッチ1000nm、径500nmのナノパターンをレジスト膜に形成する。そして、露出している酸化シリコン膜をドライエッチングし、続いて、バッファードフッ酸で酸化シリコン残渣を除去する。そして、塩素ガスにて窒化アルミニウム層102を1000nmエッチングした後、マスクである酸化シリコン膜およびレジスト膜をバッファードフッ酸で除去する。これにより、窒化アルミニウム層102にピッチ1000nm、径435nm、深さ1000nmのナノパターン103を形成することができる。
【0038】
続いて、MOVPE法を使用することにより、ナノパターン103をAl0.68Ga0.32N層104で埋め込み平坦化する。このとき、完全に平坦化するまでの厚さは、約5μmである。その後、ドナーとなるSiの原料であるシランを供給して、シリコンの濃度が6×1018/cm3のAl0.62Ga0.38N層105を形成する。このAl0.62Ga0.38N層105の厚さは、4μmである。
【0039】
次に、下部ガイド層としてのAl0.45Ga0.55N層106を形成した後、活性層107を形成する。具体的に、活性層107は、厚さが4nmのAl0.3Ga0.7Nからなる井戸層と、厚さが8nmのAl0.45Ga0.55Nからなる障壁層を有しており、2周期分の井戸層と障壁層との組み合わせから構成されるように、活性層107を形成する。そして、活性層107上に、上部ガイド層としてのAl0.5Ga0.5N層108を形成する。
【0040】
その後、Al0.5Ga0.5N層108上に、Al0.9Ga0.1N層からなる電子ブロック層109を形成する。最後に、電子ブロック層109上に、2段階組成傾斜層(p型AlGaN層110とp型AlGaN層111)を形成した後、この2段階組成傾斜層上にp型GaN層112を形成する。
【0041】
<<活性化アニール(S102)>>
上述したようにして結晶成長させたウェハに対して、空気雰囲気中で550℃、10分の熱処理を行うことにより、活性化アニールを実施する。
【0042】
<<n電極形成(S103)>>
その後、まず、レジスト膜によりパターニングし、ニッケル(Ni)を100nm蒸着してリフトオフすることにより、ドライエッチング用マスクを形成する。そして、このドライエッチング用マスクを使用してウェハをAl0.62Ga0.38N層105に達するまで塩素ガスでドライエッチングする。続いて、ニッケルからなるドライエッチング用マスクを薬品で除去する。次に、レジスト膜でn電極パターンを形成した後、V/Al/Ti/Au(20nm/80nm/40nm/100nm)を順次蒸着してリフトオフした後、窒素雰囲気中で900℃、3分の熱処理を施すことにより、n電極116を形成する。
【0043】
<<表面保護膜形成(S104)>>
次に、p電極形成領域およびn電極形成領域を除く領域に表面保護膜113を形成する。表面保護膜113は、例えば、酸化シリコン膜から形成されており、スパッタリング法を使用することにより形成することができる。
【0044】
<<p電極形成(S105)>>
その後、レジスト膜でp電極パターンを形成した後、Ni/Pt/Au(10nm/10nm/40nm)を順次蒸着してリフトオフした後、酸素雰囲気中で700℃、1分の熱処理を施すことにより、p電極114を形成する。
【0045】
<<パッド電極形成(S106)>>
そして、レジスト膜でパッド電極パターンを形成した後、Ti/Au(50nm/800nm)を順次蒸着してリフトオフすることにより、パッド電極115およびパッド電極117を形成する。
【0046】
<<端面形成(S107)>>
続いて、ドライエッチングおよびウェットエッチングを使用することにより、レーザ端面(一端面:射出面200Aおよび他端面:反射面200B)を形成する。具体的には、レジスト膜によりパターニングした後、ニッケル(Ni)を100nm蒸着してリフトオフすることにより、端面形成用マスクを形成する。そして、端面形成用マスクを使用してAl0.62Ga0.38N層105に達するまで塩素ガスでドライエッチングする。次に、25%のTMAH(Tetramethylammonium hydroxide)水溶液を使用して、85℃5分間のウェットエッチングを行うことにより、レーザ端面を形成する。
【0047】
<<レーザバー形成(S108)>>
その後、レーザスクライブおよびブレーキングを実施することにより、ウェハを複数のレーザバーに割断する。
【0048】
<<反射防止膜および反射膜の形成(S109)>>
そして、取得したレーザバーの一端面に、例えば、スパッタリング法を使用することにより反射防止膜を形成する一方、取得したレーザバーの他端面に、例えば、スパッタリング法を使用することにより反射膜を形成する。その後、レーザバーを複数の半導体チップに切断することにより、UV-B半導体レーザを製造することができる。
【0049】
さらに、レーザバー形成工程以後の製造工程について説明する。
【0050】
図3に示すように、複数の半導体レーザのデバイス構造が形成された半導体ウェハWFに対して、レーザスクライブおよびブレーキングを実施することにより、短冊形状からなる複数のレーザバーLBが形成される。複数のレーザバーLBのそれぞれは、略直方体形状をしており、一列状に並んだ複数のチップ領域CRを有している。この複数のチップ領域CRのそれぞれには、半導体レーザのデバイス構造が形成されている。そして、このように構成されているレーザバーLBは、互いに対向する端面を有することから、まず、レーザバーLBの一方の端面に反射防止膜ARを形成した後、レーザバーLBの他方の端面に反射膜HRを形成する。その後、このレーザバーLBに形成されている複数のチップ領域CRを個片化して複数の半導体チップCHPを取得する。このようにして得られた複数の半導体チップCHPのそれぞれには、互いに対向する一対の端面のうちの一方の端面に反射防止膜ARが形成されている一方、他方の端面に反射膜HRが形成されている。以上のようにして、半導体レーザが形成された半導体チップCHPを製造することができる。
【0051】
<<反射膜の構成例>>
以下では、端面に形成される反射膜の構成例について説明する。
【0052】
【0053】
図4において、反射膜300は、誘電体多層膜から構成されている。具体的に、反射膜300は、第1屈折率を有する低屈折率膜310と、第1屈折率よりも屈折率の高い高屈折率膜320とからなるペア膜を有し、例えば、反射膜300は、8つの積層されたペア膜から構成されている。このように構成されている反射膜300は、例えば、以下に示す工程により形成することができる。すなわち、光の射出面とは反対側の端面に反射膜300を形成する工程は、(1)端面上に第1屈折率を有する低屈折率膜310を形成する工程と、(2)この低屈折率膜310上に第1屈折率よりも屈折率の大きい第2屈折率を有する高屈折率膜を形成する工程とを有し、上述した(1)工程と(2)工程とが交互に繰り返して実施される。これにより、低屈折率膜310と高屈折率膜320とからなるペア膜を複数有する反射膜300(誘電体多層膜)を形成することができる。
【0054】
<改善の検討>
上述したように、反射膜は、低屈折率膜と高屈折率膜の多層膜から構成されている。例えば、低屈折率膜は、酸化シリコン膜から構成することができる。一方、高屈折率膜は、酸化タンタル膜から構成することができる。このような反射膜は、光の射出面とは反対側の端面と直接接触するように形成されている。
【0055】
この点に関し、紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザにおいては、「<UV-B半導体レーザの構成>」の欄で説明したように、例えば、AlGaN系材料が使用される。この場合、端面は、AlGaNから構成された面であり、このAlGaNから構成される端面と接触するように反射膜が形成される。
【0056】
そして、反射膜を酸化シリコン膜と酸化タンタル膜からなる多層膜から構成される場合、AlGaNから構成される端面には、反射膜を構成する酸化シリコン膜が直接接触することになる。ここで、本発明者の検討によると、反射膜として酸化シリコン膜と酸化タンタル膜からなる多層膜を使用する場合、半導体レーザの性能を向上する観点から、改善の余地が存在することが明らかになった。詳細には、メカニズムは不明であるが、AlGaNから構成される端面と酸化シリコン膜とが直接接触することに起因して、半導体レーザの性能の向上が妨げられている可能性があることを新規に見出した。
【0057】
この点に関し、本発明者は、例えば、酸化シリコン膜においては異物(パーティクル)が発生しやすいことが半導体レーザの性能の向上を妨げる原因の1つではないかと推測しているが、正しいという確証は得られていない。
【0058】
ただし、AlGaNから構成される端面と酸化シリコン膜とが直接接触することが、半導体レーザの性能を向上することを妨げる要因として考えられると仮定して、本発明者は、半導体レーザの性能を向上するための工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
【0059】
<実施の形態における基本思想>
本実施の形態における広義の基本思想は、UV-B半導体レーザに備わる反射膜と反射防止膜のいずれか一方または両方において、AlGaNから構成された一方の面(光の射出面とは反対側の端面:単に端面と呼ぶ場合がある)と多層膜との間あるいはAlGaNから構成された他方の面(光の射出面:単に射出面と呼ぶ場合がある)と多層膜(または単層膜)との間に、酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける思想である。
【0060】
言い換えれば、広義の基本思想は、UV-B半導体レーザの共振器を構成するAlGaNから構成された一対の面のうちの少なくとも1つの面において、この1つの面と直接接するように酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける思想である。この広義の基本思想によれば、UV-B半導体レーザの性能を向上できる。
【0061】
ここで、上述した広義の基本思想のうち、端面と多層膜との間に窓層を設けることに着目した基本思想を第1基本思想とすると、第1基本思想は、端面と直接接触する膜が多層膜ではなく、窓層としている点に特徴点がある。特に、端面がAlGaNから構成された面であり、窓層を酸化アルミニウム膜から構成する点に第1基本思想の本質がある。これにより、第1基本思想によれば、端面と反射膜との界面の特性を向上できる結果、UV-B半導体レーザの性能を向上できる。
【0062】
ここで、本発明者は、鋭意研究しているが、端面がAlGaNから構成された面であり、窓層を酸化アルミニウム膜から構成すると、端面と反射膜との界面の特性が向上して、結果的に、UV-B半導体レーザの性能を向上できるメカニズムについては不明である。
【0063】
ただし、本発明者は、以下の推測をしている。例えば、AlGaNと酸化アルミニウム(Al2O3)は、ともにアルミニウムを含んでいる化合物であることから、相性が良く密着性が良いと考えられる。また、酸化アルミニウム膜の平坦性が良好であり、平坦性が良好であるということは、光の散乱を低減できることを意味するから、端面と反射膜の界面における光損失を低減できると考えられる。さらには、酸化アルミニウム膜は、酸化シリコン膜よりもパーティクル(異物)の発生が少ないという性質を有する。
【0064】
つまり、本発明者は、(1)密着性が良い点、(2)平坦性が良好である点、(3)パーティクルの発生が少ない点という酸化アルミニウム膜の特性によって、端面と反射膜との界面の特性が向上すると推測している。具体的には、上述した(1)~(3)のどれが端面と反射膜との界面の特性向上に有効に寄与しているかは不明であるが、本発明者は、少なくとも、(1)~(3)の特性を有する酸化アルミニウム膜によれば、端面がAlGaNから構成された面であり、窓層を酸化アルミニウム膜から構成することによって、端面と反射膜との界面の特性の向上を通じて、UV-B半導体レーザの性能を向上できると推測している。そして、酸化アルミニウムは、UV―B波長域における消衰係数が非常に小さく、UV-B波長域における光吸収が小さい物質である。
【0065】
以上のことから、メカニズムは不明であるが、上述した第1基本思想を採用することによって、UV-B半導体レーザの性能を向上できる蓋然性が高いと本発明者は推測している。実際に、上述した第1基本思想によれば、UV-B半導体レーザの性能を向上できることが実験結果によって裏付けられており、本発明者の洞察が正しいことが証明されている。すなわち、本発明者が、AlGaNから構成される端面と酸化シリコン膜とが直接接触することに起因して、半導体レーザの性能の向上が妨げられている可能性があるという点に着目したことは、鋭いアプローチである。そして、この鋭いアプローチに基づいて想到された第1基本思想は、メカニズムは不明であるが、実際にUV-B半導体レーザの性能を向上できることが実験結果で裏付けられている点で有用である。
【0066】
ここでは、端面と多層膜との間に窓層を設けることに着目して第1基本思想を説明したが、上述したように、広義の基本思想には、射出面と多層膜(または単層膜)との間に窓層を設けることに着目した思想も含まれている。この思想を第2基本思想とすると、第2基本思想は、紫外領域に含まれる波長領域の光を射出する半導体レーザに使用される反射防止膜に関する技術的思想である。すなわち、第2基本思想は、紫外領域に含まれる波長域の光を射出する半導体レーザに関し、光の射出面と直接接触する窓層と、窓層上に設けられた単層膜または多層膜と、を備え、射出面は、AlGaNから構成された面であり、窓層は、酸化アルミニウム膜であるという技術的思想と表現することができる。
【0067】
このように広義の基本思想は、第1基本思想を含むだけでなく、第2基本思想も含む。なぜなら、「反射膜」と「反射防止膜」とは、基本的に同様の膜であるからである。つまり、例えば、「反射膜」が低屈折率膜と高屈折率膜との積層膜から構成される場合、反射対象とする光の波長をλとすると、低屈折率膜の膜厚がλ/4nに調整され、かつ、高屈折率膜の膜厚もλ/4nに調整される(nは屈折率)。一方、「反射防止膜」が低屈折率膜と高屈折率膜との積層膜から構成される場合、反射対象とする光の波長をλとすると、低屈折率膜の膜厚がλ/2nに調整され、かつ、高屈折率膜の膜厚もλ/2nに調整される(nは屈折率)。このように、「反射膜」と「反射防止膜」は、膜厚が異なるだけで、基本的に同様の膜から構成することができることから、「反射膜」に関する第1基本思想は、「反射防止膜」に関する第2基本思想としても適用することができる。このことから、「反射膜」に関する第1基本思想と「反射防止膜」に関する第2基本思想とを包含する広義の基本思想を考えることができるのである。
【0068】
上述した広義の基本思想には、第1基本思想と第2基本思想とが包含されている結果、広義の基本思想には、(1)第1基本思想および第2基本思想の両方を適用する思想、(2)第1基本思想を適用する一方、第2基本思想を適用しない思想、(3)第1基本思想を適用しない一方、第2基本思想を適用する思想が含まれる。すなわち、広義の基本思想には、(1)端面と反射膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設けるとともに、射出面と反射防止膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける思想、(2)端面と反射膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける一方、射出面と反射防止膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設けない思想、(3)端面と反射膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設けない一方、射出面と反射防止膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける思想が含まれる。
【0069】
以下では、特に、広義の基本思想に含まれる「(1)第1基本思想および第2基本思想の両方を適用する思想」を具現化した具現化態様について説明する。
【0070】
言い換えれば、「(1)端面と反射膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設けるとともに、射出面と反射防止膜との間に酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける思想」を具現化した具現化態様を例に挙げて説明する。
【0071】
<具現化態様>
<<具現化態様における反射膜の構成>>
図5は、具現化態様における反射膜700の構成を模式的に示す図である。
【0072】
図5において、反射膜700は、AlGaN層400の端面400aと直接接触するように形成されている。この反射膜700は、端面400aと直接接触する窓層500と、窓層500上に形成された多層膜600とを有している。ここで、窓層500は、酸化アルミニウム膜から構成されている。一方、多層膜600は、第1屈折率を有する低屈折率膜510と、第1屈折率よりも大きな第2屈折率を有する高屈折率膜520と、を含む。このとき、低屈折率膜510は、窓層500と直接接触するように窓層500上に設けられている一方、高屈折率膜520は、低屈折率膜510と直接接触するように低屈折率膜510上に設けられている。そして、例えば、低屈折率膜510は、酸化シリコン膜から構成されている一方、高屈折率膜520は、酸化タンタル膜から構成されている。
【0073】
ここで、誘電体多層膜から構成される反射膜700においては、低屈折率膜510と高屈折率膜520との屈折率差が大きい方が反射率を向上する観点から有利である(屈折率差が大きいほど高反射率を実現するためのペア膜の積層枚数を少なくできる)こととストップバンド幅(反射率を高くすることができる波長領域の幅)を大きくできることを考慮して、具現化態様では、低屈折率膜510として酸化シリコン膜を使用し、かつ、高屈折率膜520として、酸化タンタル膜を使用している。
【0074】
ただし、上述したように、酸化シリコン膜からなる低屈折率膜510とAlGaNから構成される端面400aとを直接接触することを回避するために、具現化態様では、
図5に示すように、AlGaNから構成される端面400aと酸化シリコン膜からなる低屈折率膜510との間に、酸化アルミニウム膜からなる窓層500を挿入している。すなわち、具現化態様では、AlGaNから構成される端面400aと直接接触するように酸化アルミニウム膜が設けられており、上述した基本思想が具現化されている。
【0075】
以上のようにして、具現化態様における反射膜700が構成されている。
【0076】
<<具現化態様における反射防止膜の構成>>
具現化態様における反射防止膜の構成は、膜厚を除いて、
図5に示す反射膜700の構成と同様である。すなわち、具現化態様では、AlGaNから構成される射出面と酸化シリコン膜からなる低屈折率膜との間に、酸化アルミニウム膜からなる窓層を挿入している。言い換えれば、具現化態様では、AlGaNから構成される射出面と直接接触するように酸化アルミニウム膜が設けられており、上述した基本思想が具現化されている。
【0077】
ただし、反射防止膜は、第1屈折率を有する低屈折率膜と第1屈折率よりも大きな第2屈折率を有する高屈折率膜からなる多層膜ではなく、単層膜から構成することもできる。
【0078】
以上のようにして、具現化態様における反射防止膜が構成されている。
【0079】
<<具現化態様における反射膜の製造方法>>
続いて、反射膜700の製造方法について説明する。
【0080】
反射膜700の製造方法は、光の射出面とは反対側の端面400a(AlGaNから構成された面)に酸化アルミニウム膜からなる窓層500を形成する工程と、窓層500上に多層膜600を形成する工程と、を備える。
【0081】
ここで、窓層500を構成する酸化アルミニウム膜は、例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタリング法、RF(Radio Frequency)スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法あるいはALD(Atomic Layer Deposition)法を使用できる。同様に、多層膜600を構成する低屈折率膜510(例えば、酸化シリコン膜)や高屈折率膜520(例えば、酸化タンタル膜)も、ECRスパッタリング法、RFスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法あるいはALD法を使用できる。
【0082】
ただし、端面400aに与えるダメージを低減する観点からは、窓層500を構成する酸化アルミニウム膜や多層膜600を構成する酸化シリコン膜や酸化タンタル膜の成膜方法として、ECRスパッタリング法を使用することが望ましい。
【0083】
<<具現化態様における反射防止膜の製造方法>>
次に、反射防止膜の製造方法について説明する。
【0084】
反射防止膜の製造方法は、光の射出面(AlGaNから構成された面)に酸化アルミニウム膜からなる窓層を形成する工程と、窓層上に単層膜または多層膜を形成する工程と、を備える。ここで、窓層を構成する酸化アルミニウム膜は、例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタリング法、RF(Radio Frequency)スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法あるいはALD(Atomic Layer Deposition)法を使用できる。同様に、多層膜を構成する低屈折率膜(例えば、酸化シリコン膜)や高屈折率膜(例えば、酸化タンタル膜)や単層膜も、ECRスパッタリング法、RFスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法あるいはALD法を使用できる。
【0085】
ただし、射出面に与えるダメージを低減する観点からは、窓層を構成する酸化アルミニウム膜や多層膜を構成する酸化シリコン膜や酸化タンタル膜や単層膜の成膜方法として、ECRスパッタリング法を使用することが望ましい。
【0086】
<<ECRスパッタリング法の利点>>
以下では、具体的にECRスパッタリング法の利点について説明する。
【0087】
ECRスパッタリング装置では、ターゲットに正イオン(アルゴンイオンや窒素イオンなど)を衝突させることにより飛び出したターゲット粒子を成膜対象物に付着させて、成膜対象物にターゲット粒子を構成材料とする膜を形成している。
【0088】
このメカニズムは、RFスパッタリング装置でも同様である。ただし、RFスパッタリング法では、ECRスパッタリング法よりも、ターゲット粒子の運動エネルギーが大きい。この結果、例えば、半導体レーザの端面に反射膜や反射防止膜をRFスパッタリング法で形成するとターゲット粒子の運動エネルギーが大きいことに起因して、端面に与えるダメージが大きくなる。言い換えれば、ECRスパッタリング法では、RFスパッタリング法よりもターゲット粒子の運動エネルギーが小さいことから、端面に与えるダメージを低減できる利点が得られる。
【0089】
さらに、ECRスパッタリング装置では、プラズマ生成部の周囲にだけ磁場発生部が設けられている。このため、ECRスパッタリング装置では、磁場発生部で囲まれたプラズマ生成部の内部において磁場強度が大きい一方、成膜対象物が置かれている領域近傍(磁場発生部から離れた領域近傍)の磁場強度は弱くなる。すなわち、ECRスパッタリング装置では、プラズマ生成部から成膜対象物が配置されている領域に向って磁場勾配が生じることになる。言い換えれば、ECRスパッタリング装置では、発散磁場(不均一磁場)がチャンバの内部に形成される。
【0090】
そして、プラズマ生成部に存在する電子は円運動をしていることから磁気モーメントを有している。したがって、円運動している電子は、磁気モーメントと磁場との相互作用によって、磁場勾配に沿って移動することになる。つまり、プラズマ生成部に存在する電子は、プラズマ生成部から緩やかに成膜対象物に向って移動して付着することから、この電子による成膜対象物へのダメージを抑制することができる。
【0091】
すなわち、ECRスパッタリング装置では、円運動する電子によるサイクロトロン共鳴現象を利用してプラズマを生成しているからこそ、電子による成膜対象物へのダメージを抑制することができるのである。なぜなら、円運動している電子は、磁気モーメントを有しているから、磁場勾配が存在すれば、磁場勾配に沿って電子が移動させることが可能となるからである。言い換えれば、ECRスパッタリング装置では、電子を移動させるために、新たに電場を印加する必要がないことから、電場によって電子が加速されて、成膜対象物への電子の衝突によるダメージが大きくなってしまうことを抑制することができる。このように、ECRスパッタリング装置によれば、例えば、成膜対象物である半導体レーザの端面に反射膜や反射防止膜を成膜する際、端面に与えるダメージを低減できる。
【0092】
<効果の検証>
次に、広義の基本思想に含まれる「(1)第1基本思想および第2基本思想の両方を適用する思想」を具現化した具現化態様によれば、UV-B半導体レーザの性能を向上できることを裏付ける実験結果を説明する。
【0093】
まず、実験においては、UV-B半導体レーザの性能として、「しきい値電流密度」と「スロープ効率」に着目している。ここで、「しきい値電流密度」とは、UV-B半導体レーザが発振するために必要な最小限の電流密度である。この点に関し、UV-B半導体レーザが発振するために必要な電流密度が小さい方がUV-B半導体レーザの性能が優れているということができることから、「しきい値電流密度」は小さいことが望ましい。
【0094】
また、「スロープ効率」とは、以下のような物理量である。
図6は、UV-B半導体レーザにおける電流(A)と光出力(W)との関係を示すグラフである。
図6において、横軸は電流を示している一方、縦軸は光出力を示している。
図6に示すように、UV-B半導体レーザは、しきい値電流よりも小さな電流では、発振しない結果、光出力は小さい。そして、電流値がしきい値電流を超えると、UV-B半導体レーザが発振する結果、UV-B半導体レーザからの光出力が増大する。
【0095】
ここで、
図6に示すように、「スロープ効率」とは、「スロープ効率」=ΔP/ΔIで定義される。このとき、ΔIは電流の変化量であり、ΔPは光出力の変化量である。すなわち、「スロープ効率」とは、光出力の電流依存性を示すグラフの傾きである。このように定義される「スロープ効率」が大きくなるということは、少ない電流で大きな光出力が得られることを意味するから、「スロープ効率」が大きい方が、UV-B半導体レーザの性能が優れているということができる。つまり、「スロープ効率」が大きいことが、UV-B半導体レーザの性能を向上する観点から望ましい。
【0096】
実験では、まず、共振器長が700μmのUV-B半導体レーザを作製し、反射膜および反射防止膜の成膜前後における光出力と電流との関係を測定することによって、成膜前後における「しきい値電流密度」と「スロープ効率」を測定した。
【0097】
図7は、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有しないUV-B半導体レーザにおいて、反射膜および反射防止膜の成膜前後での電流と光出力との関係を示すグラフである。
図7において、グラフ(1)は、反射膜および反射防止膜を成膜する前の状態での電流と光出力との関係を示すグラフである。一方、グラフ(2)は、反射膜および反射防止膜を成膜した後の状態での電流と光出力との関係を示すグラフである。
【0098】
図8は、
図7に示すグラフ(1)とグラフ(2)に基づいて、成膜前における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果と、成膜後における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果を合わせて示す表である。
【0099】
図8に示すように、成膜前における「しきい値電流密度」は、「27(kA/cm
2」であり、成膜前における「最大スロープ効率」は、「0.008(W/A)」である。一方、成膜後における「しきい値電流密度」は、「31(kA/cm
2)」であり、成膜後における「最大スロープ効率」は、「0.001(W/A)」である。
【0100】
したがって、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有しないUV-B半導体レーザにおいては、反射膜および反射防止膜を成膜しても、「しきい値電流密度」の低下および「最大スロープ効率」の向上が見られないことがわかる。つまり、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有しないUV-B半導体レーザにおいては、UV-B半導体レーザの性能を充分に引き出すことができていないことがわかる。
【0101】
図9は、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有するUV-B半導体レーザにおいて、反射膜および反射防止膜の成膜前後での電流と光出力との関係を示すグラフである。
図9において、グラフ(1)は、反射膜および反射防止膜を成膜する前の状態での電流と光出力との関係を示すグラフである。一方、グラフ(2)は、反射膜および反射防止膜を成膜した後の状態での電流と光出力との関係を示すグラフである。
【0102】
図10は、
図9に示すグラフ(1)とグラフ(2)に基づいて、成膜前における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果と、成膜後における「しきい値電流密度」と「最大スロープ効率」を算出した結果を合わせて示す表である。
【0103】
図10に示すように、成膜前における「しきい値電流密度」は、「26(kA/cm
2」であり、成膜前における「最大スロープ効率」は、「0.041(W/A)」である。一方、成膜後における「しきい値電流密度」は、「26(kA/cm
2)」であり、成膜後における「最大スロープ効率」は、「0.119(W/A)」である。
【0104】
したがって、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有するUV-B半導体レーザにおいては、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有する反射膜および反射防止膜を成膜することによって、「しきい値電流密度」は同等であるものの、「最大スロープ効率」の大幅な向上が見られることがわかる。つまり、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有するUV-B半導体レーザにおいては、UV-B半導体レーザの性能を充分に引き出せることがわかる。
【0105】
さらに、実験を進めることによって得られた実験結果を
図11に示す。
図11は、横軸にしきい値電流密度の変化を取る一方、縦軸に「スロープ効率」の変化を取って、酸化アルミニウム膜からなる窓層の有無によるサンプルの実験結果をプロットしたグラフである。
図11において、「丸印」のプロットは、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有するサンプルの実験結果を示している一方、「バツ印」のプロットは、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有さないサンプルの実験結果を示している。
【0106】
ここで、横軸のしきい値電流密度の変化において、「マイナス」は成膜前後においてしきい値電流密度が低減していることを示している。また、縦軸の「スロープ効率」の変化において、「プラス」は成膜前後において「スロープ効率」が向上していることを示している。
【0107】
このことを前提として
図11を見ると、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有さないサンプル(バツ印)では、「スロープ効率」の向上が見られないことがわかる。これに対し、酸化アルミニウム膜からなる窓層を有するサンプル(丸印)では、しきい値電流密度の低減および「スロープ効率」の向上が顕著に見られることがわかる。
【0108】
以上の実験結果から、広義の基本思想に含まれる「(1)第1基本思想および第2基本思想の両方を適用する思想」を具現化した具現化態様によれば、しきい値電流密度の低減および「スロープ効率」の向上に代表されるUV-B半導体レーザの性能を向上できることが実験結果で裏付けられていることがわかる。
【0109】
なお、ここでは、広義の基本思想に含まれる「(1)第1基本思想および第2基本思想の両方を適用する思想」を具現化した具現化態様についての実験結果を説明している。この点に関し、広義の基本思想に含まれる「(2)第1基本思想を適用する一方、第2基本思想を適用しない思想、(3)第1基本思想を適用しない一方、第2基本思想を適用する思想」についての実験結果については言及してない。ただし、(1)「反射膜」と「反射防止膜」が同等の膜である点、(2)酸化アルミニウムから構成される窓層を設ける点においては、第1基本思想と第2基本思想で共通する点を考慮すると、「第1基本思想と第2基本思想の両方を適用する思想」だけでなく、「第1基本思想を適用する一方、第2基本思想を適用しない思想」や「第1基本思想を適用しない一方、第2基本思想を適用する思想」を具現化した具現化態様においても、少なからず、しきい値電流密度の低減および「スロープ効率」の向上に代表されるUV-B半導体レーザの性能を向上できることを類推できる。
【0110】
以上のことを考慮すると、AlGaNから構成される端面と酸化シリコン膜とが直接接触することに起因して、半導体レーザの性能の向上が妨げられている可能性があるという点に着目した本発明者の鋭い洞察は正しく、この洞察に基づいて想到された広義の基本思想は、上述したように実験結果に裏付けられているということができる。この点において、広義の基本思想は、UV-B半導体レーザの性能を確実に向上させることができる有用な技術的思想であることがわかる。
【0111】
<変形例1>
上述した具現化態様では、光の射出面とは反対側の端面と直接接触する窓層と、窓層上に設けられた多層膜とを有するように反射膜を構成し、端面がAlGaNから構成された面であり、窓層を酸化アルミニウム膜から構成する例について説明している。
【0112】
このとき、多層膜は、低屈折率膜と高屈折率膜との積層膜から構成され、特に、具現化態様では、低屈折率膜を酸化シリコン膜から構成し、高屈折率膜を酸化タンタル膜から構成する例について説明している。
【0113】
ただし、基本思想は、上述した具現化態様に限定されるものではなく、例えば、
図12に示すように、多層膜600の低屈折率膜510を酸化アルミニウム膜から構成し、多層膜600の高屈折率膜520を酸化タンタル膜から構成する例にも適用できる。
【0114】
本変形例1の構成によれば、例えば、低屈折率膜510および高屈折率膜520をスパッタリング法で形成する場合、アルミニウムをターゲット材料とするターゲットと、タンタルをターゲット材料とするターゲットの二種類のターゲットを用意すればよいことになる。これにより、本変形例1によれば、スパッタリング装置の装置構成を簡略化することができる。すなわち、具現化態様では、アルミニウムをターゲット材料とするターゲットと、シリコンをターゲット材料とするターゲットと、タンタルをターゲット材料とするターゲットの三種類のターゲットが必要になる。これに対し、本変形例1では、窓層500と低屈折率膜510に同じ種類の酸化アルミニウム膜を使用しているため、アルミニウムをターゲット材料とするターゲットと、タンタルをターゲット材料とするターゲットの二種類のターゲットを用意すればよい。このことから、本変形例1によれば、スパッタリング装置に配置するターゲットの種類を低減できる結果、スパッタリング装置の装置構成を簡略化することができる利点が得られる。
【0115】
<変形例2>
上述した具現化態様および変形例1では、多層膜の高屈折率膜を酸化タンタル膜から構成する例について説明したが、広義の基本思想を具現化した具現化態様は、これに限らず、例えば、多層膜の高屈折率膜を酸化ハフニウム膜から構成する例にも適用できる。
【0116】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0117】
100 サファイア基板
101 窒化アルミニウム層
102 窒化アルミニウム層
103 ナノパターン
104 Al0.68Ga0.32N層
105 Al0.62Ga0.38N層
106 Al0.45Ga0.55N層
107 活性層
108 Al0.5Ga0.5N層
109 電子ブロック層
110 p型AlGaN層
111 p型AlGaN層
112 p型GaN層
113 表面保護膜
114 p電極
115 パッド電極
116 n電極
117 パッド電極
200A 射出面
200B 反射面
300 反射膜
310 低屈折率膜
320 高屈折率膜
400 AlGaN層
400a 端面
500 窓層
510 低屈折率膜
520 高屈折率膜
600 多層膜
700 反射膜
AR 反射防止膜
CHP 半導体チップ
CR チップ領域
HR 反射膜
LB レーザバー
LD UV-B半導体レーザ
WF 半導体ウェハ