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特開2024-30700キャップユニット及びキャップ付き容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030700
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】キャップユニット及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20240229BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20240229BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20240229BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65D47/08 200
B65D47/08 220
B65D47/06 110
A47J41/00 304A
A47J41/02 104A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133756
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲生
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA39
3E084AB01
3E084AB10
3E084BA02
3E084CB02
3E084CC05
3E084DB12
3E084FA07
3E084FA10
3E084FB01
3E084FD11
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB26
3E084JA20
3E084KA20
3E084LC01
4B002AA02
4B002BA16
4B002CA15
(57)【要約】
【課題】通液口が開放された状態において蓋体が邪魔になることを防止したキャップユニットを提供する。
【解決手段】容器本体2の上部開口部2dを閉塞すると共に、容器本体2の内側と連通される通液口14が設けられたキャップ本体7と、キャップ本体7に対して周方向に回動自在に取り付けられたリング部材8と、リング部材8に第1のヒンジ部9を介して回動自在に取り付けられると共に、第1のヒンジ部9に設けられた第1の付勢部材30によって通液口14を開放する方向に付勢された状態で、通液口14を開閉する蓋体10と、第1の付勢部材30の付勢に抗して蓋体10が通液口14を閉塞する閉塞位置にて蓋体10をキャップ本体7に対して固定する蓋ロック機構33とを備え、蓋体10は、通液口14を開閉する開閉位置から通液口14を開放した状態でキャップ本体7の周方向の何れか一方側にある待避位置へと回動される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前記容器本体の内側と連通される通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体に対して周方向に回動自在に取り付けられたリング部材と、
前記リング部材に第1のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、前記第1のヒンジ部に設けられた第1の付勢部材によって前記通液口を開放する方向に付勢された状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記第1の付勢部材の付勢に抗して前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置にて前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構とを備え、
前記蓋体は、前記通液口を開閉する開閉位置から前記通液口を開放した状態で前記キャップ本体の周方向の何れか一方側にある待避位置へと回動されることを特徴とするキャップユニット。
【請求項2】
前記蓋体は、前記開閉位置と前記待避位置との間で前記キャップ本体の周方向に90°の角度で回動されることを特徴とする請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項3】
前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方に設けられたガイド溝に、何れか他方に設けられた複数のガイド突起が係合された状態で周方向にスライド自在に案内されることによって、前記キャップ本体に対して前記リング部材が周方向に回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項4】
前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記開閉位置と前記待避位置とにおいて、前記ガイド溝に係合された前記複数のガイド突起と当接されることによって、前記リング部材の回動を規制する複数のストッパーが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のキャップユニット。
【請求項5】
前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記開閉位置と前記待避位置とにおいて、前記複数のストッパーとの間で前記複数のガイド突起を係止する複数の係止突起が設けられ、
前記ガイド突起が前記係止突起を乗り越えたときにクリック感を付与しながら、前記ガイド突起が前記ストッパーと当接された状態となることを特徴とする請求項4に記載のキャップユニット。
【請求項6】
前記蓋体は、前記開閉位置と前記待避位置との間にある着脱位置にて、前記ガイド溝に対する前記複数のガイド突起の係合状態が解除されることによって、前記リング部材と共に前記キャップ本体に対して着脱されることを特徴とする請求項3に記載のキャップユニット。
【請求項7】
前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記着脱位置において前記複数のガイド突起を前記ガイド溝に対して着脱する上下方向にスライド自在に案内する複数の着脱溝が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のキャップユニット。
【請求項8】
前記蓋ロック機構は、前記キャップ本体に第2のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、その一端側に設けられた一方の係止部が前記蓋体に設けられた他方の係止部に係止されるロック位置と、前記一方の係止部と前記他方の係止部との係止状態が解除されるロック解除位置との間で回動されるロック部材と、
前記第2のヒンジ部を介して取り付けられると共に、前記ロック部材を回動方向の前記ロック位置側に向かって付勢する第2の付勢部材とを有し、
前記リング部材は、前記着脱位置において、前記ロック位置にある前記ロック部材の前記一方の係止部により前記キャップ本体からの着脱が阻止されることを特徴とする請求項6に記載のキャップユニット。
【請求項9】
前記リング部材には、前記他方の係止部と連続する切欠凹部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のキャップユニット。
【請求項10】
前記蓋ロック機構は、前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネット又は磁性体とを有し、
前記開閉位置にて前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記第1の付勢部材の付勢に抗して前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態となり、
前記蓋体を前記開閉位置から前記待避位置へと回動することによって、前記第1の付勢部材の付勢により前記蓋体が前記通液口を開放した状態となることを特徴とする請求項3に記載のキャップユニット。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット及びキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニット(栓体)がある(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
【0003】
キャップユニットは、容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、容器本体の内側と連通される通液口が設けられたキャップ本体と、キャップ本体に第1のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられた状態で、通液口を開閉する蓋体とを備えている。また、キャップユニットは、第1のヒンジ部に設けられた第1の付勢部材により通液口を開放する方向に蓋体を付勢すると共に、第1の付勢部材の付勢に抗して通液口を閉塞する位置にて蓋体をキャップ本体に対して固定する蓋ロック機構を備えている。
【0004】
蓋ロック機構は、蓋体に第2のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられたロック部材を有している。ロック部材は、その一端側に設けられた一方の係止部がキャップ本体側に設けられた他方の係止部に係止されるロック位置と、一方の係止部と他方の係止部との係止状態が解除されるロック解除位置との間で回動される。また、蓋ロック機構は、ロック部材を回動方向のロック位置側に向かって付勢する第2の付勢部材を有している。
【0005】
蓋ロック機構では、第2の付勢部材の付勢に抗してロック部材を押圧操作し、蓋体の固定(ロック状態)を解除することによって、第1の付勢部材の付勢により蓋体を開方向に回動させることが可能である。
【0006】
このようなキャップユニットを備えたキャップ付き容器では、蓋ロック機構による蓋体のロック状態を解除し、蓋体を開方向に回動させることによって、通液口が開放された状態となる。これにより、容器本体を傾けながら通液口から流出される容器本体内の飲料を飲むことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-030829号公報
【特許文献2】実用新案登録第3197386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した従来のキャップユニットを備えたキャップ付き容器では、容器本体を傾けながら通液口から流出される容器本体内の飲料を飲む際に、蓋体が鼻に当たることで、蓋体が邪魔になることがあった。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、通液口が開放された状態において蓋体が邪魔になることを防止したキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、使い勝手の更なる向上を可能としたキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、前記容器本体の内側と連通される通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体に対して周方向に回動自在に取り付けられたリング部材と、
前記リング部材に第1のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、前記第1のヒンジ部に設けられた第1の付勢部材によって前記通液口を開放する方向に付勢された状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記第1の付勢部材の付勢に抗して前記蓋体が前記通液口を閉塞する閉塞位置にて前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構とを備え、
前記蓋体は、前記通液口を開閉する開閉位置から前記通液口を開放した状態で前記キャップ本体の周方向の何れか一方側にある待避位置へと回動されることを特徴とするキャップユニット。
〔2〕 前記蓋体は、前記開閉位置と前記待避位置との間で前記キャップ本体の周方向に90°の角度で回動されることを特徴とする前記〔1〕に記載のキャップユニット。
〔3〕 前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方に設けられたガイド溝に、何れか他方に設けられた複数のガイド突起が係合された状態で周方向にスライド自在に案内されることによって、前記キャップ本体に対して前記リング部材が周方向に回動自在に取り付けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載のキャップユニット。
〔4〕 前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記開閉位置と前記待避位置とにおいて、前記ガイド溝に係合された前記複数のガイド突起と当接されることによって、前記リング部材の回動を規制する複数のストッパーが設けられていることを特徴とする前記〔3〕に記載のキャップユニット。
〔5〕 前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記開閉位置と前記待避位置とにおいて、前記複数のストッパーとの間で前記複数のガイド突起を係止する複数の係止突起が設けられ、
前記ガイド突起が前記係止突起を乗り越えたときにクリック感を付与しながら、前記ガイド突起が前記ストッパーと当接された状態となることを特徴とする前記〔4〕に記載のキャップユニット。
〔6〕 前記蓋体は、前記開閉位置と前記待避位置との間にある着脱位置にて、前記ガイド溝に対する前記複数のガイド突起の係合状態が解除されることによって、前記リング部材と共に前記キャップ本体に対して着脱されることを特徴とする前記〔3〕に記載のキャップユニット。
〔7〕 前記キャップ本体と前記リング部材との何れか一方には、前記着脱位置において前記複数のガイド突起を前記ガイド溝に対して着脱する上下方向にスライド自在に案内する複数の着脱溝が設けられていることを特徴とする前記〔6〕に記載のキャップユニット。
〔8〕 前記蓋ロック機構は、前記キャップ本体に第2のヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、その一端側に設けられた一方の係止部が前記蓋体に設けられた他方の係止部に係止されるロック位置と、前記一方の係止部と前記他方の係止部との係止状態が解除されるロック解除位置との間で回動されるロック部材と、
前記第2のヒンジ部を介して取り付けられると共に、前記ロック部材を回動方向の前記ロック位置側に向かって付勢する第2の付勢部材とを有し、
前記リング部材は、前記着脱位置において、前記ロック位置にある前記ロック部材の前記一方の係止部により前記キャップ本体からの着脱が阻止されることを特徴とする前記〔6〕に記載のキャップユニット。
〔9〕 前記リング部材には、前記他方の係止部と連続する切欠凹部が設けられていることを特徴とする前記〔8〕に記載のキャップユニット。
〔10〕 前記蓋ロック機構は、前記キャップ本体と前記蓋体との何れか一方に設けられたマグネットと、何れか他方に設けられたマグネット又は磁性体とを有し、
前記開閉位置にて前記キャップ本体と前記蓋体との間で働く磁気的な吸引力によって、前記第1の付勢部材の付勢に抗して前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態となり、
前記蓋体を前記開閉位置から前記待避位置へと回動することによって、前記第1の付勢部材の付勢により前記蓋体が前記通液口を開放した状態となることを特徴とする前記〔3〕に記載のキャップユニット。
〔11〕 前記〔1〕~〔10〕の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、通液口が開放された状態において蓋体が邪魔になることを防止したキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、使い勝手の更なる向上を可能としたキャップ付き容器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の蓋体が開閉位置において閉塞された状態を示す斜視図である。
図2図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の前後方向に沿った鉛直断面図である。
図3図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の左右方向に沿った鉛直断面図である。
図4図1に示すキャップユニットの構成を示す分解斜視図である。
図5図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の蓋体が開閉位置において開放された状態を示す斜視図である。
図6図5に示す開閉位置においてキャップユニットのキャップ本体に対するリング部材の位置を示す水平断面図である。
図7図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の蓋体が待避位置にある状態を示す斜視図である。
図8図7に示す待避位置においてキャップユニットのキャップ本体に対するリング部材の位置を示す水平断面図である。
図9図1に示すキャップユニットを備えたキャップ付き容器の蓋体が着脱位置にある状態を示す水平断面図である。
図10図9に示す着脱位置においてキャップユニットのキャップ本体に対するリング部材の位置を示す水平断面図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係るキャップユニットが備える蓋ロック機構の構成を示し、蓋体が閉塞された状態を示す斜視図である。
図12図11に示すキャップユニットの前後方向に沿った鉛直断面図である。
図13図11に示すキャップユニットが備える蓋ロック機構の構成を示し、蓋体が開放された状態を示す斜視図である。
図14】本発明の第3の実施形態に係るキャップユニットの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1図10に示すキャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0014】
なお、図1は、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100の蓋体10が開閉位置において閉塞された状態を示す斜視図である。図2は、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100の前後方向に沿った鉛直断面図である。図3は、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100の左右方向に沿った鉛直断面図である。図4は、キャップユニット1Aの構成を示す分解斜視図である。図5は、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100の蓋体10が開閉位置において開放された状態を示す斜視図である。図6は、開閉位置においてキャップユニット1Aのキャップ本体7に対するリング部材8の位置を示す水平断面図である。図7は、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100の蓋体10が待避位置にある状態を示す斜視図である。図8は、待避位置においてキャップユニット1Aのキャップ本体7に対するリング部材8の位置を示す水平断面図である。図9は、キャップユニット1を備えたキャップ付き容器100の蓋体10が着脱位置にある状態を示す水平断面図である。図10は、着脱位置においてキャップユニット1Aのキャップ本体7に対するリング部材8の位置を示す水平断面図である。
【0015】
本実施形態のキャップ付き容器100は、図1図4に示すように、本実施形態のキャップユニット1Aと、このキャップユニット1Aが着脱自在に取り付けられる容器本体2とを備えている。キャップ付き容器100は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、この容器本体2に収容された飲料(内容物)を保温又は保冷することが可能な飲料用容器である。
【0016】
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器3及び内容器4を有し、外容器3の内側に内容器4を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器3と内容器4との間には、真空断熱層5が設けられている。真空断熱層5は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器3の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
【0017】
容器本体2は、略円形状の底部2aと、底部2aの外周から略円筒状に起立した胴部2bと、胴部2bの上部側において縮径された略円筒状の口頸部2cとを有している。また、口頸部2cの上端部は、容器本体2の上部開口部2dとして、円形状に開口している。また、口頸部2cの内周面は、胴部2bの内周面よりも縮径されている。さらに、口頸部2cの内周面には、リング状の張出部6が全周に亘って突出して設けられている。
【0018】
なお、本実施形態のキャップ付き容器100は、全体として略円筒状の外観形状を有しているが、キャップ付き容器100の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0019】
本実施形態のキャップユニット1Aは、図1図4に示すように、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット1Aは、キャップ本体7と、キャップ本体7に対して周方向に回動自在に取り付けられたリング部材8と、リング部材8に第1のヒンジ部9を介して回動自在に取り付けられた蓋体10とを備えている。
【0020】
なお、以下の説明では、後述するキャップ本体7の通液口14を蓋体10が閉塞した状態において、第1のヒンジ部9が位置する側をキャップユニット1A(キャップ付き容器100)の「後側(背面側)」とし、それとは反対側の後述する蓋ロック機構33が位置する側をキャップユニット1A(キャップ付き容器100)の「前側(正面側)」として説明する。
【0021】
キャップ本体7は、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなる。キャップ本体7は、容器本体2の胴部2bと連続するように略円筒状に形成された周壁部7aと、周壁部7aの上部に周壁部7aよりも縮径された開口部7bが形成された上壁部7cと、開口部7bに着脱自在に取り付けられる口形成部材11とを有している。
【0022】
キャップ本体7は、容器本体2の口頸部2cに螺合により着脱自在に取り付けられている。このため、周壁部7aの内周面には、雌ネジ部12が設けられている。一方、口頸部2cの外周面には、雌ネジ部12と螺合される雄ネジ部13が設けられている。
【0023】
口形成部材11は、キャップユニット1Aの飲み口又は注ぎ口(本実施形態では飲み口)を形成するものであり、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなる。
【0024】
口形成部材11は、通液口14が形成された底壁部11aと、底壁部11aの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁部11bと、底壁部11aの外周面の下端側からリング状に突出された下側フランジ部11cと、周壁部11bの外周面の上端側の左右両側から水平方向に突出された一対の上側フランジ部11dと、周壁部11bの前側の上端から斜めカット状に突出された飲み口部11eとを有している。
【0025】
このうち、飲み口部11eは、口形成部材11の前側(キャップユニット1Aの正面側)に位置している。通液口14は、底壁部11aを上下方向に貫通して設けられている。
【0026】
キャップ本体7と口形成部材11との間には、キャップ本体7の開口部7bに口形成部材11を着脱自在に取り付けるための脱着機構15が設けられている。脱着機構15は、口形成部材11の前側に設けられた第1の爪部16と、口形成部材11の後側に設けられた第2の爪部17を含むストッパー18とを有している。
【0027】
第1の爪部16は、周壁部11bの外周面の上端側から前方に突出して設けられている。第2の爪部17は、ストッパー18の上端(先端)側から後方に向かって突出して設けられている。ストッパー18は、口形成部材11の後側に配置されると共に、その下端(基端)側に位置するヒンジ部19を介して口形成部材11に回動自在に取り付けられている。
【0028】
ストッパー18の上端(先端)部には、このストッパー18を指で回動操作し易くするための操作部18aが設けられている。また操作部18aからは、弾性片20が下方向に突出して設けられている。
【0029】
弾性片20は、操作部18aを前方に向かって回動させたときに、弾性片20が周壁部11bに当接することによって、弾性片20が弾性変形しながら、ストッパー18を後方に向かって付勢する。
【0030】
一方、脱着機構15は、キャップ本体7の前側に第1の被係止部21と、キャップ本体7の後側に第2の被係止部22とを有している。第1の被係止部21及び第2の被係止部22は、上壁部7cの開口部7bに沿った前後位置に、それぞれ設けられた段差部からなる。
【0031】
脱着機構15では、第1の被係止部21に対して第1の爪部16を位置決めした状態で、キャップ本体7の開口部7bの内側に、口形成部材11を下側から嵌め込む。このとき、キャップ本体7の上壁部7cの下面に一対の上側フランジ部11dが当接された状態となる。また、第1の爪部16が第1の被係止部21に係止される。
【0032】
さらに、第2の爪部17がキャップ本体7の開口部7bの縁に当接しながら、第2の爪部17が開口部7bの縁を乗り越えるのに伴って、ストッパー18の先端側が前方に向かって回動した後に、ストッパー18の先端側が後方の元の位置へと復帰すると同時に、第2の爪部17が第2の被係止部22に係止される。
【0033】
これにより、口形成部材11は、キャップ本体7の開口部7bに装着された状態となる。また、口形成部材11が装着されると同時に、キャップ本体7の開口部7bから飲み口部11eが外方(上方)に向かって突き出した状態となる。
【0034】
一方、脱着機構15では、ストッパー18の操作部18aを前方に向かって回動させる操作によって、第2の被係止部22に対する第2の爪部17の係止状態を解除する。これにより、第1の被係止部21に対する第1の爪部16の係止状態を解除しながら、キャップ本体7の開口部7bの下側から口形成部材11を取り外すことが可能である。
【0035】
口形成部材11が装着されたキャップ本体7は、容器本体2の口頸部2cに取り付けられることによって、口形成部材11が上部開口部2dから容器本体2の内側に嵌め込まれた状態で、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する。
【0036】
口形成部材11の下側フランジ部11cは、キャップ本体7の上部開口部2dから容器本体2の内側に嵌め込まれる部分であり、その上部側の外周面には、リング状の嵌合凹部23が全周に亘って設けられている。
【0037】
口形成部材11の嵌合凹部23には、止水パッキン24が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン24は、張出部6(容器本体2)と口形成部材11(キャップ本体7)との間を密閉するためのリング状のシール部材であり、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。
【0038】
止水パッキン24は、嵌合凹部23に嵌合されるリング状の嵌合凸部24aを有している。止水パッキン24は、この嵌合凸部24aを嵌合凹部23に嵌合させることによって、口形成部材11(キャップ本体7)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0039】
一方、止水パッキン24は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、嵌合凹部23(口形成部材11)から取り外すことが可能である。これにより、止水パッキン24と口形成部材11とをそれぞれ別々に洗浄することができ、止水パッキン24と口形成部材11との間を衛生的に保つことができる。
【0040】
また、止水パッキン24の外周面には、上下方向に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の弾性フランジ部24bが拡径方向に突出して設けられている。止水パッキン24は、容器本体2の口頸部2cにキャップ本体7が取り付けられた際に、弾性フランジ部24bが弾性変形しながら、容器本体2の張出部6に全周に亘って密着した状態となる。これにより、張出部6(容器本体2)とキャップ本体7との間を密閉することが可能となっている。
【0041】
なお、止水パッキン24については、上述した形状のものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、弾性フランジ部24bの数については、上述した2つに限らず、1つ又は3つ以上とすることも可能である。また、止水パッキン24は、上述した弾性フランジ部24bが設けられた構成に必ずしも限定されるものではなく、その形状等について適宜変更を加えることが可能である。
【0042】
リング部材8は、図4図10に示すように、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなり、キャップ本体7の周壁部7a及び上壁部7cと連続するように略円形リング状に形成されている。一方、キャップ本体7の周壁部7aと上壁部7cとの間には、リング部材8の形状に対応した円形リング状の段差部7dが全周に亘って設けられている。
【0043】
キャップユニット1Aは、キャップ本体7とリング部材8との何れか一方(本実施形態ではキャップ本体7)に設けられたガイド溝25及び複数(本実施形態では3つ)の着脱溝26と、何れか他方(本実施形態ではリング部材8)に設けられた複数(本実施形態では3つ)のガイド突起27とを有している。
【0044】
ガイド溝25は、キャップ本体7に対してリング部材8を周方向に回動自在とするため、段差部7dの側面を周方向に切り欠くように設けられている。これにより、ガイド溝25に係合された複数のガイド突起27を周方向にスライド自在に案内することが可能である。
【0045】
また、段差部7dの側面には、ガイド溝25に係合された状態で周方向にスライドされる複数のガイド突起27と当接される複数(本実施形態では3つ)のストッパー28が設けられている。
【0046】
各ストッパー28は、各ガイド突起27と当接されることによって、キャップ本体7に対するリング部材8の回動範囲をキャップ本体7の周方向に所定の角度(本実施形態では90°)で規制している。
【0047】
本実施形態では、ガイド溝25が90°の角度で3等分に分断されるように、3つのストッパー28がガイド溝25の周方向に並んで設けられている。また、3つのストッパー28のうち、キャップ本体7の正面側にあるストッパー28が幅広に形成されているのに対して、キャップ本体7の背面側寄りにある2つのストッパー28が正面側のストッパー28よりも幅狭に形成されている。
【0048】
また、段差部7dの側面には、ストッパー28との間でガイド突起27を係止する複数(本実施形態では6つ)の係止突起29が設けられている。係止突起29は、各ストッパー28を挟んだ周方向の両側に、各ストッパー28との間に各ガイド突起27に対応した間隔を有して設けられている。また、係止突起29は、ガイド溝25の内面から僅かに突出して設けられている。
【0049】
これにより、ガイド溝25に係合された状態で周方向にスライドされる各ガイド突起27が各係止突起29を乗り越えたときにクリック感を付与しながら、各ガイド突起27が各ストッパー28と当接された状態とすることが可能である。また、各ガイド突起27が各ストッパー28と当接された状態から、各係止突起29を乗り越える方向にスライドすることを各係止突起29により係止している。
【0050】
複数の着脱溝26は、キャップ本体7に対してリング部材8を着脱自在とするため、段差部7dの側面を各ガイド溝25と段差部7dの上端との間で上下方向に切り欠くように形成されている。また、各着脱溝26は、複数のストッパー28により分断された各ガイド溝25の周方向の中間に位置して、各ガイド溝25と接続されている。
【0051】
本実施形態では、3つの着脱溝26がガイド溝25の周方向に等間隔に並んで設けられている。また、3つの着脱溝26のうち、キャップ本体7の背面側にある着脱溝26が幅広に形成されているのに対して、キャップ本体7の正面側寄りにある2つの着脱溝26が背面側のストッパー28よりも幅狭に形成されている。
【0052】
これにより、各着脱溝26に係合された各ガイド突起27を上下方向にスライド自在に案内することが可能である。また、各着脱溝26に係合された各ガイド突起27を下方のガイド溝25まで案内した後、キャップ本体7に対してリング部材8を周方向に回動することで、ガイド溝25に各ガイド突起27が係合された状態とし、キャップ本体7にリング部材8を取り付けることが可能である。一方、各着脱溝26に係合された各ガイド突起27を上方まで案内し、各着脱溝26に対する各ガイド突起27の係合状態を解除することによって、キャップ本体7からリング部材8を取り外すことが可能である。
【0053】
複数のガイド突起27は、リング部材8の内周面から突出して設けられている。本実施形態では、3つのガイド突起27がリング部材8の周方向に等間隔に並んで設けられている。また、3つのガイド突起27のうち、キャップ本体7の背面側にある着脱溝26に対応したガイド突起27が幅広に形成されているのに対して、キャップ本体7の正面側寄りにある2つの着脱溝26に対応した2つのガイド突起27が背面側のガイド突起27よりも幅狭に形成されている。
【0054】
蓋体10は、図1図4に示すように、口形成部材11の通液口14を開閉するものであり、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなる。蓋体10は、キャップ本体7の周壁部7aと連続するように略円筒状に形成された周壁部10aと、周壁部10aの天面を覆う天壁部10bと、天壁部10bを貫通した状態で天壁部10bの下面から立ち下がる略円筒状の内壁部10cとを有している。
【0055】
蓋体10と第1のヒンジ部9との間には、第1の付勢部材30が設けられている。第1の付勢部材30は、例えば捻りコイルバネなどのバネ部材からなり、第1のヒンジ部9の内側に配置されることによって、蓋体10を開方向に付勢している。
【0056】
なお、第1の付勢部材30については、上述したバネ部材からなるものに限らず、例えばゴムやエラストマー等からなるリング状の弾性部材を蓋体10と第1のヒンジ部9との間で掛け止めすることによって、蓋体10を開方向に付勢する構成であってもよい。
【0057】
蓋体10の内側には、口形成部材11の通液口14を閉塞する蓋パッキン31が設けられている。蓋パッキン31は、通液口14を密閉するための栓状のシール部材である。蓋パッキン31は、弾性部材からなり、上記止水パッキン24と同じ材質のものを用いることができる。
【0058】
蓋パッキン31は、蓋体10の内壁部10cに着脱自在に取り付けられた有底円筒状のシール部材である。具体的に、この蓋パッキン31は、その内側の中心穴31aに内壁部10cが嵌め込まれた状態で、内壁部10cの下端側に着脱自在に取り付けられている。また、蓋パッキン31の先端は、ドーム状に形成されている。
【0059】
キャップユニット1Aでは、蓋体10がキャップ本体7の上部を閉塞したときに、蓋パッキン31が弾性変形しながら、通液口14の周囲に密着した状態となる。これにより、口形成部材11の通液口14を閉塞することができる。
【0060】
一方、内壁部10c(蓋体10)から蓋パッキン31を取り外すことによって、蓋パッキン31と蓋体10とをそれぞれ別々に洗浄することができ、蓋パッキン31と蓋体10との間を衛生的に保つことができる。
【0061】
天壁部10bの上面側には、内壁部10cの上端側を覆うキャップ部材32が取り付けられている。キャップ部材32は、蓋体10と同じ材質のものを用いて、略円板状に形成されている。一方、天壁部10bの上面には、キャップ部材32に対応した形状の凹部10dが設けられている。キャップ部材32は、この凹部10dの内側に嵌め付けられている。
【0062】
キャップユニット1Aは、キャップ本体7及び蓋体10の正面側に位置して、第1の付勢部材30の付勢に抗して蓋体10がキャップ本体7の通液口14を閉塞する位置(以下、閉塞位置という。)にて、蓋体10をキャップ本体7に対して固定する蓋ロック機構33を備えている。
【0063】
蓋ロック機構33は、キャップ本体7の正面側に第2のヒンジ部34を介して回動自在に取り付けられたロック部材35と、キャップ本体7の正面側に第2のヒンジ部34を介して回動自在に取り付けられたリングストッパー36とを有している。
【0064】
ロック部材35は、第2のヒンジ部34から上方に延長された第1のアーム部35aと、第2のヒンジ部34から下方に延長された第2のアーム部35bとを有している。
【0065】
第1のアーム部35aの先端(ロック部材35の上端)には、一方の係止部となるフック部37が後方に向かって突出して設けられている。第2のアーム部35bと周壁部7aとの間には、例えばゴムやエラストマー等の弾性部材からなる第2の付勢部材38が配置されている。なお、第2の付勢部材38については、上述した弾性部材の代わりに、例えばコイルバネなどのバネ部材を用いてもよい。
【0066】
リングストッパー36は、一部が開放されたリング状の部材からなり、その両端が第2のヒンジ部34の外側に回動自在に支持されている。これにより、リングストッパー36は、上下方向に回動可能となっている。
【0067】
一方、蓋ロック機構33は、ロック部材35のフック部37が係止される他方の係止部となるロック受部39と、リングストッパー36が掛け止めされるストッパー受部40とを有している。ロック受部39は、蓋体10(周壁部10a)の前側の下端部から前方に突出された爪部からなる。ストッパー受部40は、リングストッパー36の内側に対応した形状で、ロック受部(爪部)39の周囲を囲む位置から前方に突出された壁部からなる。
【0068】
また、リング部材8の正面側には、ロック受部39と連続する切欠凹部41が設けられている。これにより、第2の付勢部材38により付勢されたロック部材35のフック部37をリング部材8の内側に位置させることが可能である。
【0069】
蓋ロック機構33では、蓋体10がキャップ本体7の上部を閉塞したときに、ロック部材35のフック部37がロック受部39に係止されることによって、蓋体10がキャップ本体7の上部を閉塞した状態が保持される。
【0070】
この状態から、ロック部材35の第2のアーム部35b側を第2の付勢部材38の付勢に抗して押圧操作することによって、ロック受部39に対するフック部37の係止状態が解除される。これにより、第1の付勢部材30により付勢された蓋体10を開方向に回動させることが可能である。
【0071】
一方、蓋ロック機構33では、蓋体10がキャップ本体7の上部を閉塞したときに、リングストッパー36がストッパー受部40に掛け止めされることによって、蓋体10の開方向への回動が阻止される。これにより、蓋ロック機構33では、ロック部材35の不要な操作によって蓋体10が開くことを防止できる。
【0072】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Aでは、上述した図5及び図6に示す蓋体10が通液口14を開閉する開閉位置から、図7及び図8に示す蓋体10が通液口14を開放した状態で、キャップ本体7の周方向の何れか一方側(本実施形態では反時計回り)にある待避位置へと回動される。また、蓋体10は、開閉位置と待避位置との間でキャップ本体7の周方向に90°の角度で回動される。
【0073】
これにより、容器本体2を傾けながら飲み口部11eを介して通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10を開閉位置から待避位置へと回動させることで、蓋体10が鼻に当たるといったことがなく、蓋体10が邪魔になることを防ぐことが可能である。
【0074】
また、本実施形態のキャップユニット1Aでは、上述した蓋体10がリング部材8と共にキャップ本体7に対して着脱自在に取り付けられている。すなわち、このキャップユニット1Aでは、図9及び図10に示す開閉位置と待避位置との間にある着脱位置において、キャップ本体7に対して蓋体10をリング部材8と共に着脱することが可能である。
【0075】
これにより、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8とをそれぞれ別々に洗浄することができ、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8との間を衛生的に保つことが可能である。
【0076】
また、本実施形態のキャップユニット1Aでは、上述した着脱位置において、ロック位置にあるロック部材35のフック部37によりキャップ本体7からのリング部材8が着脱が阻止される。一方、キャップ本体7からリング部材8を取り外す際は、ロック部材35の第2のアーム部35b側を第2の付勢部材38の付勢に抗して押圧操作し、フック部37をリング部材8から離間させることで、キャップ本体7からリング部材8を取り外すことが可能となる。
【0077】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Aを備えるキャップ付き容器100では、上述した容器本体2を傾けながら通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10が鼻に当たることがなく、蓋体10が邪魔になることがないため、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0078】
なお、蓋体10が開閉位置と退避位置との間で回動される角度範囲については、上述した角度範囲に必ずしも限定されるものではなく、例えば、ストッパー28の配置を変更することで、90°以上の角度範囲とすることや、90°以下の角度範囲とすることも可能である。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図11図13に示すキャップユニット1Bについて説明する。
なお、図11は、キャップユニット1Bが備える蓋ロック機構50の構成を示し、蓋体10が閉塞された状態を示す斜視図である。図12は、キャップユニット1Bの前後方向に沿った鉛直断面図である。図13は、キャップユニット1Bが備える蓋ロック機構50の構成を示し、蓋体10が開放された状態を示す斜視図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0080】
本実施形態のキャップユニット1Bは、このキャップユニット1Bが着脱自在に取り付けられる容器本体2と共に上記キャップ付き容器100を構成するものであり、上記蓋ロック機構33の代わりに、蓋ロック機構50を備えている。それ以外は上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0081】
蓋ロック機構50は、キャップ本体7と蓋体10との何れか一方(本実施形態ではキャップ本体7)に設けられた第1のマグネット51と、何れか他方(本実施形態では蓋体10)に設けられた第2のマグネット又は磁性体(本実施形態では第2のマグネット)52とを有している。
【0082】
第1のマグネット51と第2のマグネット52とは、キャップ本体7及び蓋体10の正面側に位置して、互いに向かい合った状態でキャップ本体7及び蓋体10に取り付けられている。
【0083】
また、第2のマグネット52は、周壁部10aの下端から下方に突出して設けられている。これに対応して、リング部材8には、第2のマグネット52に対応して切り欠かれた切欠凹部53が設けられている。
【0084】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Bでは、図11及び図12に示す開閉位置にてキャップ本体7側の第1のマグネット51と蓋体10側の第2のマグネット52との間で働く磁気的な吸引力によって、第1の付勢部材30の付勢に抗して蓋体10がキャップ本体7の通液口14を閉塞する閉塞位置にて、蓋体10をキャップ本体7に対して固定することが可能である。
【0085】
このとき、第2のマグネット52の一部がリング部材8の切欠凹部53に係合された状態で、リング部材8を介して互いに向かい合う第1のマグネット51と第2のマグネット52とが磁気的に吸着された状態となっている。
【0086】
一方、本実施形態のキャップユニット1Bでは、図13に示すように、蓋体10を開閉位置から待避位置へと回動することによって、リング部材8を介して互いに向かい合う第1のマグネット51と第2のマグネット52とが周方向にずれた状態となる。
【0087】
このとき、第1のマグネット51と第2のマグネット52との磁気的な吸引が解除されるため、第1の付勢部材30の付勢により蓋体10が通液口14を開放した状態とすることが可能である。
【0088】
本実施形態のキャップユニット1Bでは、上記キャップユニット1Aと同様に、容器本体2を傾けながら飲み口部11eを介して通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10を開閉位置から待避位置へと回動させることで、蓋体10が鼻に当たるといったことがなく、蓋体10が邪魔になることを防ぐことが可能である。
【0089】
また、本実施形態のキャップユニット1Bでは、上記キャップユニット1Aと同様に、蓋体10がリング部材8と共にキャップ本体7に対して着脱自在に取り付けられている。すなわち、このキャップユニット1Bでは、開閉位置と待避位置との間にある着脱位置において、キャップ本体7に対して蓋体10をリング部材8と共に着脱することが可能である。
【0090】
これにより、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8とをそれぞれ別々に洗浄することができ、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8との間を衛生的に保つことが可能である。
【0091】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Bを備えるキャップ付き容器100では、上述した容器本体2を傾けながら通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10が鼻に当たることがなく、蓋体10が邪魔になることがないため、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0092】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図14に示すキャップユニット1Cについて説明する。
なお、図14は、キャップユニット1Cの構成を示す分解斜視図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0093】
本実施形態のキャップユニット1Cは、このキャップユニット1Cが着脱自在に取り付けられる容器本体2と共に上記キャップ付き容器100を構成するものである。
【0094】
具体的に、このキャップユニット1Cは、リング部材8側にガイド溝25、着脱溝26、ストッパー28及び係止突起29が設けられ、キャップ本体側にガイド突起27が設けられた構成である。それ以外は上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。なお、この構成は、上記キャップユニット1Bに適用することも可能である。
【0095】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップユニット1Cでは、上記キャップユニット1Aと同様に、容器本体2を傾けながら飲み口部11eを介して通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10を開閉位置から待避位置へと回動させることで、蓋体10が鼻に当たるといったことがなく、蓋体10が邪魔になることを防ぐことが可能である。
【0096】
また、本実施形態のキャップユニット1Cでは、上記キャップユニット1Aと同様に、蓋体10がリング部材8と共にキャップ本体7に対して着脱自在に取り付けられている。すなわち、このキャップユニット1Cでは、開閉位置と待避位置との間にある着脱位置において、キャップ本体7に対して蓋体10をリング部材8と共に着脱することが可能である。
【0097】
これにより、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8とをそれぞれ別々に洗浄することができ、キャップ本体7と蓋体10及びリング部材8との間を衛生的に保つことが可能である。
【0098】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Cを備えるキャップ付き容器100では、上述した容器本体2を傾けながら通液口14から流出される容器本体2内の飲料を飲む際に、蓋体10が鼻に当たることがなく、蓋体10が邪魔になることがないため、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0099】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保冷機能(又は保温機能)を持たせた飲料用容器に本発明を適用した場合を例示しているが、容器本体と、容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップユニットとを備えたキャップ付き容器に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
100…キャップ付き容器 1A,1B,1C…キャップユニット 2…容器本体 3…外容器 4…内容器 5…真空断熱層 6…張出部 7…キャップ本体 8…リング部材 9…第1のヒンジ部 10…蓋体 11…口形成部材 14…通液口 15…脱着機構 24…止水パッキン 25…ガイド溝 26…着脱溝 27…ガイド突起 28…ストッパー 29…係止突起 30…第1の付勢部材 31…蓋パッキン 32…キャップ部材 33…蓋ロック機構 34…第2のヒンジ部 35…ロック部材 37…フック部(一方の係止部) 38…第2の付勢部材 39…ロック受部(他方の係止部) 41…切欠凹部 50…蓋ロック機構 51…第1のマグネット 52…第2のマグネット 53…切欠凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14