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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030701
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】スピーカ及びスピーカ本体
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20240229BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04R1/00 318A
H04R1/02 105Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133762
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】谷井 章夫
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AC02
5D017AG01
(57)【要約】
【課題】可搬性の向上を図ることができるスピーカを提供する。
【解決手段】スピーカ1は、表面に音を外部に放音する出力面10aを有するスピーカ本体2と、スピーカ本体2に対して着脱自在であり、スピーカ本体2に装着されることでスピーカ本体2を傾斜した状態で支持するスタンド3と、を備える。スピーカ本体2は、スピーカ本体2から取り外されたスタンド3を収納する収納部11を有する。収納部11は、出力面10aに隣り合うスピーカ本体2の底面10bに設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に音を外部に放音する出力面を有するスピーカ本体と、
前記スピーカ本体に対して着脱自在であり、前記スピーカ本体に装着されることで前記スピーカ本体を傾斜した状態で支持するスタンドと、を備え、
前記スピーカ本体は、当該スピーカ本体から取り外された前記スタンドを収納する収納部を有し、
前記収納部は、前記表面のうち底面、上面及び側面のいずれかに設けられているスピーカ。
【請求項2】
前記収納部は、前記スピーカ本体の表面に形成された窪み部であり、
前記スタンドは、平板状の板状部材であり、
前記スタンドは、当該スタンドの板厚方向が前記収納部の窪み方向に向くように前記収納部に収納される請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
板状部材である前記スタンドを複数備える請求項2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記スピーカ本体は、前記出力面を含む前記スピーカ本体の表面を形成し、前記収納部を含む筐体と、前記筐体の内部空間に配置されて前記出力面から外部に音を放射するスピーカユニットと、を備え、
前記筐体は、前記収納部と前記内部空間とを区画する区画壁部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記スピーカ本体を傾斜した状態で支持するように前記スタンドを前記スピーカ本体に装着した状態で、前記スタンドを前記スピーカ本体に保持させる保持機構を備え、
前記保持機構は、前記スピーカ本体の表面から突出する凸部と、前記スタンドに形成されて前記凸部が嵌まる凹部と、を備え、
前記スピーカ本体は、前記出力面を含む前記スピーカ本体の表面を形成する多面体の筐体を有し、
前記凸部は、前記筐体の第一面を構成する平板状の壁部のうち前記第一面に隣り合う第二面の縁から突出する突出部位である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記収納部が、前記筐体の前記第二面と、前記第二面の縁から突出する前記壁部の突出部位とを利用して形成されている請求項5に記載のスピーカ。
【請求項7】
表面に音を外部に放音する出力面を有すると共に、
スタンドが着脱自在であり、前記スタンドが装着されることで当該スタンドによって傾斜した状態に支持されるスピーカ本体であって、
前記スタンドを収納可能な収納部を有し、
前記収納部は、前記表面のうち底面、上面及び側面のいずれかに設けられているスピーカ本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ及びスピーカ本体に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、音を外部に放音する出力面を有するスピーカ本体を、その出力面が斜め上方に向くように支持するスタンドが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】゛KIKUTANI モニタースピーカースタンド MO-SPS-Z″、[online]、キクタニミュージック株式会社、[令和4年7月11日検索]、インターネット<URL: https://www.kikutani.co.jp/itemlist/16258/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のスタンドには、スピーカ本体が載置されるだけである。このため、スピーカ本体及びスタンドを含むスピーカを運搬する際には、スピーカ本体とスタンドとを別々に運ぶ必要があり、面倒である。すなわち、従来のスピーカでは、その可搬性を改善する余地がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、可搬性の向上を図ることが可能なスピーカ及びスピーカ本体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様は、表面に音を外部に放音する出力面を有するスピーカ本体と、前記スピーカ本体に対して着脱自在であり、前記スピーカ本体に装着されることで前記スピーカ本体を傾斜した状態で支持するスタンドと、を備え、前記スピーカ本体は、当該スピーカ本体から取り外された前記スタンドを収納する収納部を有し、前記収納部は、前記表面のうち底面、上面及び側面のいずれかに設けられているスピーカである。
【0007】
本発明の第二の態様は、表面に音を外部に放音する出力面を有すると共に、スタンドが着脱自在であり、前記スタンドが装着されることで当該スタンドによって傾斜した状態に支持されるスピーカ本体であって、前記スタンドを収納可能な収納部を有し、前記収納部は、前記表面のうち底面、上面及び側面のいずれかに設けられているスピーカ本体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スピーカ本体及びスタンドを含むスピーカの可搬性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るスピーカであって、スピーカ本体が第一傾斜角度で傾斜した状態を示す斜視図である。
図2図1において、スタンドをスピーカ本体から分離した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るスピーカであって、スピーカ本体が第二傾斜角度で傾斜した状態を示す斜視図である。
図4図3において、スタンドをスピーカ本体から分離した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るスピーカであって、スタンドをスピーカ本体の収納部に収納した状態を示す斜視図である。
図6図5において、スタンドをスピーカ本体の収納部から取り出した状態を示す斜視図である。
図7図5のスピーカを示す断面図である。
図8図1~6のスピーカに備えるスタンドを示す斜視図である。
図9図8のスタンドの側面図である。
図10】スタンドをスピーカ本体に装着した状態を示す拡大斜視図である。
図11】スタンドをスピーカ本体に装着した状態を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1~11を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1~6に示すように、本実施形態のスピーカ1は、スピーカ本体2と、スタンド3と、を備える。
【0011】
スピーカ本体2の表面は、音を外部に出力(放音)する出力面10aを含む。スピーカ本体2の表面には、出力面10aの他に、底面10bと、上面10cと、背面10dと、側面10eと、がある。
底面10bは、スピーカ1が載置される地面や床等の載置面Gに対向するように主に下側に向く面である。図示例の底面10bには凹凸があるが、例えば平坦に形成されてもよい。上面10cは、底面10bと反対側に向く面であり、スピーカ1が載置面Gに載置された状態で主に上側に向く面である。
【0012】
出力面10a、側面10e及び背面10dは、いずれも底面10bと上面10cとの間に位置して底面10b及び上面10cに直交する面である。本実施形態において、出力面10a及び背面10dは、互いに反対側に向いている。出力面10aは、スピーカ1が載置面Gに載置された状態で主に前側に向く面である。背面10dは、スピーカ1が載置面Gに載置された状態で主に後側に向く面である。側面10eは、出力面10aと背面10dとの間にも位置する2つの面である。2つの側面10eは、それぞれ底面10b、上面10c、出力面10a及び背面10dに対して直交すると共に、互いに反対側に向いている。以下の説明では、2つの側面10eが並ぶ方向を「幅方向」と呼ぶことがある。また、底面10bが向く方向を「下方」と呼ぶことがある。
【0013】
図5,6に示すように、スピーカ本体2は、スピーカ本体2から取り外されたスタンド3を収納可能な収納部11を有する。収納部11は、スピーカ本体2の底面10bに設けられている。
収納部11は、スピーカ本体2の底面10b(表面)に形成された窪み部である。窪み部である収納部11は、スピーカ本体2の外側に開口している。具体的に、収納部11は、底面10bが向く方向(すなわち下方)に開口している。
本実施形態の収納部11は、スピーカ1を駆動する電源としてのバッテリ40(図7参照)を収納するバッテリ収納部としても活用されている。
【0014】
図1,7に示すように、スピーカ本体2の上面10cには、アンプやミキサなどの操作部41が設けられている。また、図2,5~7に示すように、スピーカ本体2の背面10dには、電源コードやスピーカ本体2を他の機器と接続するための端子42が設けられている。
【0015】
本実施形態のスピーカ本体2は、筐体10と、スピーカユニット20と、を有する。
筐体10は、スピーカ本体2の表面を形成する6面体である。すなわち、筐体10は、立方体、あるいは立方体に近い直方体に形成されている。このため、スピーカ本体2の表面をなす出力面10a、底面10b、上面10c、背面10d及び2つの側面10eは、それぞれ正方形、あるいは正方形に近い長方形に形成されている。
【0016】
図7に示すように、筐体10は、前述した収納部11を含む。また、筐体10は、内部に空間(以下、内部空間12と呼ぶ。)を有する。さらに、筐体10は、収納部11と内部空間12とを区画する区画壁部13を有する。内部空間12の容積は、収納部11の容積と比較して大きい。
スピーカユニット20は、筐体10の内部空間12に配置される。スピーカユニット20は、主に筐体10の出力面10aから外部に音を放射する。
【0017】
図1~6に示すように、本実施形態の筐体10は、2つの側面10e(第一面)をそれぞれ構成する平板状の側壁部15(壁部)を有する。各側壁部15は、側面10eに隣り合う底面10b(第二面)の縁から突出する第一突出部位15Aを有する。また、各側壁部15は、側面10eに隣り合う背面10d(第二面)の縁から突出する第二突出部位15Bを有する。さらに、各側壁部15は、側面10eに隣り合う上面10cの縁から突出する第三突出部位15Cを有する。
【0018】
図2~6に示すように、前述した収納部11は、底面10b及び当該底面10bから突出する側壁部15の第一突出部位15Aを利用して形成されている。スピーカ本体2の底面10bは、収納部11としての窪み部の底部を構成し、第一突出部位15Aは、底部から立ち上がる窪み部の内側面を構成している。
【0019】
図1,7に示すように、側壁部15の第三突出部位15Cが上面10cの縁から突出することで、上面10cには凹み部16が形成されている。また、図2,5~7に示すように、側壁部15の第二突出部位15Bが背面10dの縁から突出することで、背面10dには凹み部17が形成されている。図7に示すように、上面10cに設けられた操作部41や背面10dに設けられた端子42は、これら凹み部16,17の内側に位置する。これにより、端子42や操作部41の保護を図ることができる。
【0020】
図1~4に示すように、スタンド3は、スピーカ本体2に対して着脱自在である。図1,3に示すように、スタンド3は、スピーカ本体2に装着されることで、出力面10aが斜め上方に向くようにスピーカ本体2を傾斜して支持する。
【0021】
スタンド3は、平板状に形成された板状部材である。本実施形態のスタンド3は、ゴム等の弾性体によって構成されている。本実施形態のスピーカ1は、板状部材であるスタンド3を2つ備える。2つのスタンド3は、幅方向におけるスピーカ本体2(筐体10)の両端部を支持する。具体的に、2つのスタンド3は、幅方向の両端部において、それぞれ側壁部15の第一突出部位15A及び第二突出部位15Bを支持する。
以下、スタンド3の構成について主に図8,9を参照して説明する。以下では、2つのスタンド3のうち一方のスタンド3の形状についてのみ説明するが、2つのスタンド3は互いに左右対称の形状となっている。
【0022】
図8,9に示すように、スタンド3は、接地面3aと、第一支持面3bと、第二支持面3cと、を有する。接地面3a、第一支持面3b及び第二支持面3cは、いずれも板状部材であるスタンド3において板厚方向に延びる面である。
接地面3aは、スタンド3をスピーカ本体2に装着した状態で、スピーカ1を載置面G上に載置する際に、載置面Gに面接触する面である(図1,3参照)。
【0023】
第一支持面3bは、接地面3aに対して傾斜している。図9において、接地面3aに対する第一支持面3bの第一傾斜角度θ1は、30度となっている。第一支持面3bは、スタンド3をスピーカ本体2に装着した状態で側壁部15の第一突出部位15A又は第二突出部位15Bを支持する(図1,3参照)。
第二支持面3cは、第一支持面3bの端部に連なり、当該第一支持面3bに直交している。第二支持面3cは、接地面3aに対して傾斜している。図9において、接地面3aに対する第二支持面3cの第二傾斜角度θ2は、第一傾斜角度θ1よりも大きく、60度となっている。第二支持面3cは、スタンド3のスピーカ本体2への装着に際して第一支持面3bが側壁部15の第一突出部位15Aを支持する場合に、第二突出部位15Bを支持する(図1参照)。また、第二支持面3cは、スタンド3のスピーカ本体2への装着に際して第一支持面3bが側壁部15の第二突出部位15Bを支持する場合に、第一突出部位15Aを支持する(図3参照)。
【0024】
図9に示すようにスタンド3の板厚方向から見て、第一支持面3bの長手方向(図9において左右方向)の長さは、第二支持面3cの長手方向(図9において上下方向)の長さよりも長い。第一支持面3bの長手方向は、第一突出部位15A(あるいは第二突出部位15B)の長手方向に対応し、第二支持面3cの長手方向は、第二突出部位15B(あるいは第一突出部位15A)の長手方向に対応する。このため、第一支持面3bはスピーカ本体2を主に支持し、第二支持面3cはスピーカ本体2が第一支持面3bの長手方向に沿って動くことを規制する。
【0025】
また、スタンド3は、側方支持面3dを有する。図1,3に示すように、側方支持面3dは、第一、第二支持面3b,3cが、第一、第二突出部位15A,15Bを支持した状態で、側壁部15の側面10eを支持する面である。
本実施形態のスタンド3は、その板厚方向から見て三角形に形成されているが、これに限ることはない。
【0026】
図1に示すように、スタンド3の第一支持面3bが側壁部15の第一突出部位15Aを支持するようにスタンド3をスピーカ1に装着した状態で、スピーカ1が載置面Gに載置された場合(すなわちスタンド3の接地面3aが載置面Gに面接触した場合)、スピーカ本体2の出力面10aは、載置面Gに対して第一傾斜角度(図1では30度)で斜め上方に向く。一方、図3に示すように、スタンド3の第一支持面3bが側壁部15の第二突出部位15Bを支持するようにスタンド3をスピーカ1に装着した状態で、スピーカ1が載置面Gに載置された場合、スピーカ本体2の出力面10aは、載置面Gに対して第二傾斜角度(図3では60度)で斜め上方に向く。すなわち、本実施形態のスピーカ1では、同一のスタンド3を用いて、2つの異なる傾斜角度でスピーカ本体2を傾斜させることができる。
【0027】
図1~4,10,11に示すように、スピーカ1は、スピーカ本体2を傾斜した状態で支持するようにスタンド3をスピーカ1に装着した状態で、スタンド3をスピーカ本体2に保持させる保持機構7を備える。保持機構7は、スピーカ本体2の表面から突出する凸部71と、スタンド3に形成されて凸部71が嵌まる凹部72と、を有する。
本実施形態において、凸部71は前述した側壁部15の第一、第二突出部位15A,15Bである。凹部72は、図8,9に示すように、前述した第一支持面3b及び第二支持面3cを底面とする溝31である。図10,11に示すように、スピーカ本体2の第一、第二突出部位15A,15Bをスタンド3の溝31に嵌めた状態では、弾性体であるスタンド3のうち溝31を形成する部位が弾性変形する。これにより、弾性変形したスタンド3の弾性力によって、スピーカ本体2の第一、第二突出部位15A,15Bをスタンド3の溝31に保持することができる。
【0028】
次に、スピーカ本体2の収納部11に対するスタンド3の収納について説明する。
図5,6に示すように、2つのスタンド3は、その板厚方向が収納部11の窪み方向(底面10bに直交する方向)に向くように収納部11に収納される。ここで、底面10b側から見た2つのスタンド3の合計の大きさは、収納部11の大きさよりも小さい。収納部11に収納された2つのスタンド3は、底面10b側から見て互いに重ならないように配置される。
【0029】
本実施形態のスピーカ1では、スタンド3を収納部11に収納した状態に保持することができる。以下、この点について説明する。
図6に示すように、収納部11は係止部81を有する。本実施形態における係止部81は突起である。突起である係止部81の突出方向は、収納部11に対するスタンド3の挿抜方向に向いている。一方、図8,9に示すように、スタンド3は係止部81に対して脱着可能に係止される被係止部82を有する。本実施形態における被係止部82は、突起が嵌め入れられる挿入孔である。図示しないが、挿入孔である被係止部82の窪み方向は、突起である係止部81と同様に、収納部11に対するスタンド3の挿抜方向に向いている。これにより、スタンド3を収納部11に収納すると同時にスタンド3側の被係止部82が収納部11側の係止部81に係止させることができる。
突起である係止部81が挿入孔である被係止部82に嵌め入れた状態では、弾性体であるスタンド3のうち被係止部82の形成部位が弾性変形する。これにより、弾性変形したスタンド3の弾性力によって、収納部11側の係止部81をスタンド3側の被係止部82に保持することができる。なお、例えば収納部11側の係止部81が挿入孔であり、スタンド3側の被係止部82が挿入孔に嵌め入れる突起であってもよい。
【0030】
図5~7に示すように、スタンド3は、収納部11に収納された状態で、収納部11の外側に突出する脚部32を有する。脚部32は、スタンド3の板状部部分からその板厚方向に突出している。脚部32は、スタンド3が収納部11に収納された状態でスピーカ本体2の下側に突出する。これにより、スタンド3を収納部11に収納した状態でスピーカ1を載置面Gに載置しても、スピーカ本体2が載置面Gに接触することを抑制又は防止することができる。
【0031】
本実施形態においては、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けについて、「収納」及び「装着」の2種類の言葉が用いられている。
「収納」とは、例えばスタンド3の大半(例えば3分の2以上)がスピーカ本体2の収納部11に収納される、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けを意味する。また、「収納」とは、例えばスピーカ1を載置面Gに載置した状態においてスピーカ本体2の出力面10aが載置面Gに沿う方向に向く、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けを意味する。また、「収納」とは、例えばスピーカ1を持ち運ぶ際にスタンド3が邪魔にならない(スタンド3が持ち運ぶ作業者に当たり難い)程度に、スタンド3がスピーカ本体2から突出しない、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けを意味する。なお、本実施形態では、「スタンド3が収納部11に完全に収納される」スピーカ本体2へのスタンド3の取り付けも、「スタンド3が収納部11に概ね収納された状態でスタンド3の脚部32などが収納部11から突出する」スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けも、「収納」と呼ぶ。
【0032】
一方、「装着」とは、例えばスタンド3の大半(例えば3分の2以上)がスピーカ本体2(収納部11)の外側に位置する、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けを意味する。また、「装着」とは、例えばスピーカ1を載置面Gに載置した状態においてスピーカ本体2の出力面10aが斜め上方に向く、スピーカ本体2に対するスタンド3の取り付けを意味する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のスピーカ1及びスピーカ本体2によれば、スピーカ本体2が、当該スピーカ本体2を傾斜させるためのスタンド3を収納する収納部11を有する。スタンド3をスピーカ本体2の収納部11に収納できることで、スピーカ本体2とスタンド3とをまとめて運搬することができる。したがって、スピーカ本体2及びスタンド3を有するスピーカ1の可搬性を向上することができる。
【0034】
また、本実施形態では、収納部11がスピーカ本体2の底面10bに設けられているため、底面10bを除くスピーカ本体2の他の面(上面10c、側面10e、背面10dなど)を有効に活用することができる。この点について説明すれば、スピーカ1を地面や床等の載置面Gに載置する際には、スピーカ本体2の底面10bが載置面Gに対向する。このため、スピーカ1を載置面Gに載置する際に、載置面Gに対向しないスピーカ本体2の他の面を、有効に活用することができる。例えば、スピーカ本体2の他の面を、アンプやミキサの操作部41、電源コードや他の機器と接続するための端子42を設ける面として有効に活用することができる。また、例えば、収納部11が設けられないスピーカ本体2の上面10cには、スピーカ1を持ち運ぶために手で掴むハンドルを設けることもできる。また、例えば、収納部11が設けられないスピーカ本体2の側面10eには、ポールを差し込む穴(ポールソケット)を設けることもできる。
【0035】
また、本実施形態のスピーカ1及びスピーカ本体2によれば、スタンド3がスピーカ本体2に対して着脱自在となっている。このため、スタンド3がスピーカ本体2から外せない構成と比較して、スピーカ本体2に対するスタンド3の取付構造の単純化を図ることができる。
【0036】
また、本実施形態のスピーカ1及びスピーカ本体2によれば、スピーカ本体2の筐体10は、スタンド3が収納される収納部11と、スピーカユニット20が配置される筐体10の内部空間12と、を区画する区画壁部13を有する。スピーカユニット20が配置される筐体10の内部空間12は、スピーカ1の音響特性に影響する。これに対し、収納部11が区画壁部13によって筐体10の内部空間12と区画されていることで、収納部11がスピーカ1の音響特性に影響することを防ぐことができる。
【0037】
さらに、本実施形態のスピーカ1において、平板状のスタンド3は、当該スタンド3の板厚方向が収納部11の窪み方向に向くように収納部11に収納される。このため、窪み部として形成された収納部11の深さを小さく抑えることができる。これにより、収納部11を含むスピーカ本体2の容積を小さく抑えることができる。したがって、スピーカ1の小型化を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態のスピーカ1は、板状部材であるスタンド3を複数備える。このため、平板状のスタンド3であっても、スピーカ本体2を安定に支持することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態のスピーカ1において、収納部11に収納される複数の平板状のスタンド3は、底面10b側(収納部11の開口側)から見て互いに重ならないように配置されている。これにより、窪み部として形成される収納部11の深さをさらに小さく抑えることができる。したがって、収納部11を含むスピーカ本体2のサイズを小さく抑えて、スピーカ1の小型化をさらに図ることができる。
【0040】
さらに、本実施形態のスピーカ1は、スピーカ本体2を傾斜した状態で支持するようにスタンド3をスピーカ本体2に装着した状態で、スタンド3をスピーカ本体2に保持させる保持機構7を備える。当該保持機構7によって、スピーカ本体2がスタンド3から不意に外れることを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態のスピーカ1では、保持機構7が、スピーカ本体2の表面から突出する凸部71と、スタンド3に形成されて凸部71が嵌まる凹部72と、を備える。スピーカ本体2の凸部71がスタンド3の凹部72に嵌まった状態では、スピーカ本体2の凸部71をスタンド3の凹部72に好適に保持することができる。これにより、スタンド3をスピーカ本体2に対して好適に保持して、スタンド3がスピーカ本体2から不意に外れることを効果的に抑制することができる。
【0042】
さらに、本実施形態のスピーカ1において、保持機構7を構成するスピーカ本体2の凸部71は、筐体10の側面10e(第一面)を構成する平板状の側壁部15(壁部)のうち側面10eに隣り合う底面10b及び背面10d(第二面)の縁から突出する第一、第二突出部位15A,15Bである。凸部71が筐体10の側壁部15の突出部位15A,15Bであることで、凸部71を筐体10と別個の部材によって構成する場合と比較して、筐体10を含むスピーカ本体2の構造の簡素化を図ることができる。
【0043】
さらに、本実施形態のスピーカ1では、収納部11が、筐体10の底面10b(第二面)と、底面10bの縁から突出して保持機構7の凸部71をなす第一突出部位15Aとを利用して形成されている。すなわち、第一突出部位15Aが、収納部11及び保持機構7の凸部71の両方に活用されている。これにより、スピーカ本体2の構造の簡素化をさらに図ることができる。
【0044】
また、本実施形態のスピーカ1において、収納部11は係止部81を有し、スタンド3は、当該スタンド3を収納部11に収納した状態において、係止部81に対して脱着可能に係止される被係止部82を有する。これら係止部81及び被係止部82によって、スタンド3を収納部11に収納した状態に保持することができる。
【0045】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0046】
本発明において、保持機構7は、例えば、スタンド3に形成された凸部と、スピーカ本体2に形成されて当該凸部が嵌まる凹部と、を備えてもよい。
【0047】
本発明において、収納部11は、少なくとも出力面10aに隣り合うスピーカ本体2の面に設けられていればよい。このため、収納部11は、スピーカ本体2の底面10bに限らず、例えばスピーカ本体2の上面10c又は側面10eに設けられてもよい。すなわち、収納部11は、スピーカ本体2の背面10d以外に設けられてよい。
【0048】
本発明において、スピーカ本体2の筐体10は、6面体に限らず、例えば8面体など任意の多面体に形成されてよい。
【0049】
本発明において、スタンド3の第一支持面3b及び第二支持面3cは、第一、第二突出部位15A,15Bを支持することに限らず、例えばスピーカ本体2の底面10b及び背面10dを支持してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…スピーカ、2…スピーカ本体、2a…表示面、2a1…第一領域、2a2…第二領域、3…スタンド、7…保持機構、10…筐体、10a…出力面、10b…底面(第二面)、10c…上面、10d…背面(第二面)、10e…側面(第一面)、11…収納部、12…内部空間、13…区画壁部、15…側壁部(壁部)、15A…第一突出部位、15B…第二突出部位、20…スピーカユニット、71…凸部、72…凹部
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