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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030707
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/13 20060101AFI20240229BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E03D11/13
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133771
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋式
(72)【発明者】
【氏名】西田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】竹中 大豊
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD00
2D039CA01
2D039CB01
2D039DB00
(57)【要約】
【課題】作業性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、ボウル部と、スカート部と、機能部を備える。スカート部は、ボウル部の外側に設けられる。機能部は、ボウル部よりも後方側に設けられる。スカート部は、ボウル部の側方側、および、機能部の後方側を囲むように設けられる。スカート部には、第1開口部と、第2開口部とが形成される。第1開口部には、機能部に接続される可撓性部材が挿入される。第2開口部は、第1開口部よりも上方側に形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、
前記ボウル部の外側に設けられるスカート部と
前記ボウル部よりも後方側に設けられる機能部と
を備え、
前記スカート部は、前記ボウル部の側方側、および、前記機能部の後方側を囲むように設けられ、
前記スカート部には、
前記機能部に接続される可撓性部材が挿入される第1開口部と、
前記第1開口部よりも上方側に第2開口部とが形成される、水洗大便器。
【請求項2】
前記第1開口部は、前記第2開口部よりも側方側に形成される、請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記第1開口部は、複数形成され、
複数の前記第1開口部は、前記スカート部の左右方向における中心線に対して、左右方向の両側に形成される、請求項2に記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記第1開口部、および、前記第2開口部は、前記スカート部の左右方向の中央に形成される、請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記第1開口部から挿入される前記可撓性部材を前記第2開口部に向けて案内するガイド部を備える、請求項1~4のいずれか1つに記載の水洗大便器。
【請求項6】
前記可撓性部材は、前記機能部に回動可能に接続される、請求項1~4のいずれか1つに記載の水洗大便器。
【請求項7】
前記第1開口部は、前記第2開口部よりも大きい、請求項6に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器本体の後方の面に設けられた開口部から、給水ホースなどの可撓性部材を便器本体に挿入し、可撓性部材と機能部とを接続する水洗大便器が知られている(例えば、特許文献1、および、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-89282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記する水洗大便器は、可撓性部材と機能部との接続箇所へのアクセスが容易ではなく、可撓性部材と機能部との脱着時の作業性について改善の余地がある。
【0005】
実施形態の一態様は、作業性を向上させる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、ボウル部と、スカート部と、機能部を備える。スカート部は、ボウル部の外側に設けられる。機能部は、ボウル部よりも後方側に設けられる。スカート部は、ボウル部の側方側、および、機能部の後方側を囲むように設けられる。スカート部には、第1開口部と、第2開口部とが形成される。第1開口部には、機能部に接続される可撓性部材が挿入される。第2開口部は、第1開口部よりも上方側に形成される。
【0007】
これにより、作業者は、第1開口部から挿入された可撓性部材と、機能部との脱着作業を、第2開口部を用いて行うことができる。たとえば、作業者は、可撓性部材と機能部との接続箇所に、第2開口部からアクセスすることができる。そのため、作業者は、可撓性部材と機能部との脱着を容易に行うことができる。すなわち、水洗大便器は、作業性を向上させることができる。また、可撓性部材は、第2開口部よりも下方側に設けられる第1開口部からスカート部に挿入される。そのため、水洗大便器は、可撓性部材がスカート部の外側(水洗大便器の外側)に露出することを抑制することができる。従って、水洗大便器は、可撓性部材の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0008】
また、第1開口部は、第2開口部よりも側方側に形成される。
【0009】
これにより、水洗大便器は、供給源、たとえば、止水栓に接続される可撓性部材を、止水栓側に近い位置に形成される第1開口部によってスカート部内に挿入させることができる。そのため、水洗大便器は、可撓性部材の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0010】
また、第1開口部は、複数形成される。複数の第1開口部は、スカート部の左右方向における中心線に対して、左右方向の両側に形成される。
【0011】
これにより、水洗大便器は、複数の可撓性部材を異なる第1開口部からスカート部内に挿入させることができる。また、水洗大便器は、水洗大便器に対する供給源(たとえば、止水栓)の左右方向の位置にかかわらず、可撓性部材をスカート部内に早期に挿入させることができる。そのため、水洗大便器は、可撓性部材の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0012】
また、第1開口部、および、第2開口部は、スカート部の左右方向の中央に形成される。
【0013】
これにより、水洗大便器は、水洗大便器に対する供給源(たとえば、止水栓)の左右方向の位置にかかわらず、1つの第1開口部によって、可撓性部材をスカート部内に挿入させ、可撓性部材の露出を抑制することができる。
【0014】
また、第1開口部から挿入される可撓性部材を第2開口部に向けて案内するガイド部を備える。
【0015】
これにより、作業者は、第1開口部から挿入され、ガイド部に沿って第2開口部付近に案内された可撓性部材を容易に掴むことができる。水洗大便器は、可撓性部材を機能部に接続する際の施工性を向上させることができる。
【0016】
また、可撓性部材は、機能部に回動可能に接続される。
【0017】
これにより、水洗大便器は、機能部に接続された可撓性部材の反力を逃がすことができる。そのため、水洗大便器は、機能部と可撓性部材とが接続された場合に、機能部、および、可撓性部材にかかる応力を小さくすることができる。
【0018】
また、第1開口部は、第2開口部よりも大きい。
【0019】
これにより、水洗大便器は、機能部に接続された可撓性部材の反力を逃がすことができる。そのため、水洗大便器は、機能部と可撓性部材とが接続された場合に、機能部、および、可撓性部材にかかる応力を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
実施形態の一態様によれば、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施形態に係る水洗大便器の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る水洗大便器において、便座、および、便蓋が上げられた状態の斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る水洗大便器の背面図である。
図4図4は、図3のIV-IV断面における概略図である。
図5図5は、変形例に係る水洗大便器の背面図である。
図6図6は、変形例に係る水洗大便器の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0023】
実施形態に係る水洗大便器1は、図1図4を参照して説明される。図1は、実施形態に係る水洗大便器1の斜視図である。図2は、実施形態に係る水洗大便器1において、便座3、および、便蓋4が上げられた状態の斜視図である。図3は、実施形態に係る水洗大便器1の背面図である。図4は、図3のIV-IV断面における概略図である。
【0024】
また、図1などには、説明をわかりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。直交座標系では、X軸正方向が左方、および、X軸負方向が右方として規定される。また、Y軸正方向が前方(正面)、および、Y軸負方向が後方(背面)として規定される。また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。
【0025】
水洗大便器1は、トイレ室に設置される。水洗大便器1は、便器本体2と、便座3と、便蓋4と、機能部5とを備える。便座3は、便器本体2の上面に配置される。便蓋4は、便座3を覆うように設けられる。便座3、および、便蓋4は、便器本体2に対して開閉可能、すなわち、回動可能に設けられる。
【0026】
便器本体2は、たとえば、陶器製である。便器本体2は、ボウル部10と、リム部11と、スカート部12と、ガイド部13とを備える。
【0027】
ボウル部10は、使用者の汚物を受ける。リム部11は、ボウル部10の上縁に形成される。リム部11には、ボウル部10に洗浄水を吐水する吐水口が形成される。
【0028】
ボウル部10の底部には、トラップ部が接続される。トラップ部は、ボウル部10の底部から延びて、ボウル部10内の汚物を排出する。トラップ部は、排水ソケットを介して排水管に接続される。トラップ部は、たとえば、トイレ室の床に設けられる排水管に汚物を排出する。
【0029】
スカート部12は、ボウル部10の外側に設けられる。スカート部12は、ボウル部10の外側を覆うように設けられる。スカート部12は、便器本体2の外観部材を形成する。スカート部12は、便器本体2に便蓋4が取り付けられた状態で、主に水洗大便器1の全体の外観を構成する。
【0030】
スカート部12は、側面部20と、後面部21とを含む。側面部20は、ボウル部10の前方、および、ボウル部10の側方を覆うように設けられる。側面部20は、ボウル部10の左方、および、ボウル部10の右方に設けられる。側面部20は、ボウル部10の前端からボウル部10の左方、および、ボウル部10の右方を囲むように設けられる。
【0031】
後面部21は、ボウル部10の後方を覆うように設けられる。具体的には、後面部21は、機能部5の後方側を囲むように設けられる。後面部21は、各側面部20の後端を接続するように設けられる。すなわち、スカート部12は、ボウル部10の側方側、および、機能部5の後方側を囲むように設けられる。
【0032】
後面部21には、第1開口部23、および、第2開口部24が形成される。第1開口部23は、第2開口部24よりも側方側に形成される。第1開口部23は、水洗大便器1の左右方向の中心線P1よりも側面部20側に形成される。たとえば、第1開口部23は、中心線P1よりも右方側の後面部21に形成される。
【0033】
第1開口部23は、水洗大便器1の上下方向の中心線P2よりも下方側に形成される。第1開口部23は、スカート部12を貫通する孔である。第1開口部23は、スカート部12の下端に切欠状に形成されてもよい。第1開口部23には、可撓性部材27が挿入される。
【0034】
可撓性部材27は、給水ホース、および、給電コードなどを含む。可撓性部材27は、供給源と、機能部5とを接続する。供給源は、止水栓、および、電源コンセントなどを含む。
【0035】
第2開口部24は、水洗大便器1の左右方向の中央に形成される。具体的には、第2開口部24は、中心線P1を含むように形成される。第2開口部24は、第1開口部23よりも上方側に形成される。第2開口部24は、第1開口部23よりも大きい。第2開口部24は、作業者がスカート部12内に手を入れて作業できるように形成される。第2開口部24は、可撓性部材27と機能部5との接続箇所に作業者の手がアクセスできるように形成される。たとえば、作業者が、可撓性部材27を機能部5に取り付ける場合、または、可撓性部材27を機能部5から取り外す場合、作業者が第2開口部24から手を入れて、可撓性部材27の脱着作業をできるように、第2開口部24は形成される。第2開口部24は、スカート部12を貫通する孔である。
【0036】
第2開口部24は、機能部5に接続された可撓性部材27に作業者がアクセスできるように形成されてもよい。たとえば、作業者が、可撓性部材27の一部、および、機能部5の一部を第2開口部24からスカート部12の外に取り出せるように形成されてもよい。作業者は、可撓性部材27の脱着作業を行った後に、第2開口部24から、可撓性部材27の一部、および、機能部5の一部をスカート部12に戻すことができる。
【0037】
機能部5は、少なくともボウル部10へ供給される洗浄水の吐止水を制御する機能を有する。機能部5は、たとえば、衛生洗浄装置、貯水タンク、および、加圧ポンプなどを含む。機能部5は、コンピュータを含む制御装置によって制御される。
【0038】
機能部5は、ボウル部10よりも後方側に設けられる。機能部5は、便器本体2内、具体的には、スカート部12よりも内側に収容される。機能部5には、可撓性部材27が接続される。
【0039】
機能部5には、可撓性部材27が回動可能に接続される。可撓性部材27は、取付部材28によって、機能部5に対して回動可能に接続される。取付部材28は、たとえば、クイックファスナーである。取付部材28は、袋ナットであってもよい。たとえば、給水ホースが、クイックファスナーによって機能部5に接続される。可撓性部材27は、機能部5に対して回動不能に接続されてもよい。
【0040】
ガイド部13は、第1開口部23から挿入された可撓性部材27を第2開口部24に向けて案内するように設けられる。たとえば、ガイド部13は、第1開口部23から挿入された可撓性部材27を、斜め上方に向けて案内するように設けられる。たとえば、ガイド部13は、スカート部12の後面部21の内壁に取り付けられる。
【0041】
ガイド部13は、スカート部12の後面部21から前方側に突出する。ガイド部13は、後面部21との間にガイド空間30を形成する。ガイド部13は、第1開口部23の前方から、第2開口部24の近傍までガイド空間30を形成するように設けられる。ガイド部13は、たとえば、半割状に形成され、ガイド部13の下端は、第1開口部23よりも下方の後面部21に接続される。ガイド部13の上端は、第2開口部24の近傍において開口するように設けられる。ガイド部13は、第1開口部23に連通し、かつ、第2開口部24の近傍において開口する管状に形成されてもよい。
【0042】
水洗大便器1がトイレ室に設置される場合、可撓性部材27、たとえば、給水ホースの一端は、トイレ室に設けられた給水栓に接続される。給水ホースの他端は、第1開口部23からスカート部12に挿入される。第1開口部23から挿入された給水ホースが押し込まれることで、給水ホースの他端は、ガイド部13に沿って第2開口部24側に押し上げられる。ガイド部13の上端付近まで押し上げられた給水ホースの他端は、第2開口部24から挿入される作業者の手によって捕まれて、取付部材28によって機能部5に接続される。
【0043】
機能部5から可撓性部材27が外される場合には、たとえば、第2開口部24から作業者の手がスカート部12内に挿入されて、取り外し作業が行われる。
【0044】
このように、水洗大便器1では、第2開口部24を用いて可撓性部材27の脱着作業が行われる。
【0045】
水洗大便器1は、ボウル部10と、スカート部12と、機能部5とを備える。スカート部12は、ボウル部10の外側に設けられる。機能部5は、ボウル部10よりも後方側に設けられる。スカート部12は、ボウル部10の側方側、および、機能部5の後方側を囲むように設けられる。スカート部12には、第1開口部23と、第2開口部24とが形成される。第1開口部23には、機能部5に接続される可撓性部材27が挿入される。第2開口部24は、第1開口部23よりも上方側に形成される。
【0046】
これにより、作業者は、第1開口部23から挿入された可撓性部材27と、機能部5との脱着作業を、第2開口部24を用いて行うことができる。たとえば、作業者は、可撓性部材27と機能部5との接続箇所に、第2開口部24からアクセスすることができる。そのため、作業者は、可撓性部材27と機能部5との脱着を容易に行うことができる。すなわち、水洗大便器1は、作業性を向上させることができる。また、可撓性部材27は、第2開口部24よりも下方側に設けられる第1開口部23からスカート部12に挿入される。そのため、水洗大便器1は、可撓性部材27がスカート部12の外側(水洗大便器1の外側)に露出することを抑制することができる。従って、水洗大便器1は、可撓性部材27の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0047】
第1開口部23は、第2開口部24よりも側方側に形成される。
【0048】
これにより、水洗大便器1は、供給源、たとえば、止水栓に接続される可撓性部材27を、止水栓側に近い位置に形成される第1開口部23によってスカート部12内に挿入させることができる。そのため、水洗大便器1は、可撓性部材27の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0049】
水洗大便器1は、ガイド部13を備える。ガイド部13は、第1開口部23から挿入される可撓性部材27を第2開口部24に向けて案内する。
【0050】
これにより、作業者は、第1開口部23から挿入され、ガイド部13に沿って第2開口部24付近に案内された可撓性部材27を容易に掴むことができる。すなわち、水洗大便器1は、可撓性部材27を機能部5に接続する際の施工性を向上させることができる。
【0051】
可撓性部材27は、機能部5に回動可能に接続される。
【0052】
これにより、水洗大便器1は、機能部5に接続された可撓性部材27の反力を逃がすことができる。そのため、水洗大便器1は、機能部5と可撓性部材27とが接続された場合に、機能部5、および、可撓性部材27にかかる応力を小さくすることができる。
【0053】
変形例に係る水洗大便器1は、第1開口部23を複数設けてもよい。たとえば、第1開口部23は、図5に示すように、スカート部12の後面部21に2つ形成される。図5は、変形例に係る水洗大便器1の背面図である。なお、図5では、可撓性部材27などが省略されている。2つの第1開口部23は、水洗大便器1の左右方向における中心線P1(スカート部12の左右方向における中心線)に対して、左右方向の両側に形成される。たとえば、2つの第1開口部23は、中心線P1に対して対称となる位置に形成される。
【0054】
これにより、変形例に係る水洗大便器1は、複数の可撓性部材27を異なる第1開口部23からスカート部12内に挿入することができる。また、変形例に係る水洗大便器1は、水洗大便器1に対する供給源(たとえば、止水栓)の左右方向の位置にかかわらず、可撓性部材27をスカート部12内に早期に挿入させることができる。そのため、変形例に係る水洗大便器1は、可撓性部材27の露出を抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0055】
変形例に係る水洗大便器1は、図6に示すように、第1開口部23、および、第2開口部24を、スカート部12の左右方向の中央に形成してもよい。図6は、変形例に係る水洗大便器1の背面図である。たとえば、第1開口部23、および、第2開口部24は、水洗大便器1の左右方向の中心線P1(スカート部12の左右方向の中心線)を含むように形成される。
【0056】
これにより、変形例に係る水洗大便器1は、水洗大便器1に対する供給源(たとえば、止水栓)の左右方向の位置にかかわらず、1つの第1開口部23によって、可撓性部材27の露出を抑制し、可撓性部材27をスカート部12内に挿入させることができる。
【0057】
変形例に係る水洗大便器1では、第1開口部23が第2開口部24よりも大きくなるように形成されてもよい。
【0058】
これにより、水洗大便器1は、第1開口部23を形成するスカート部12の後面部21と可撓性部材27とが接触することを抑制し、機能部5に接続された可撓性部材27の反力を逃がすことができる。そのため、水洗大便器1は、機能部5と可撓性部材27とが接続された場合に、機能部5、および、可撓性部材27にかかる応力を小さくすることができる。
【0059】
変形例に係る水洗大便器1は、第1開口部23、および、第2開口部24の少なくとも一方に、蓋部を設けてもよい。これにより、変形例に係る水洗大便器1は、第1開口部23、および、第2開口部24の少なくとも一方を蓋部によって隠すことができ、意匠性を向上させることができる。また、変形例に係る水洗大便器1は、第1開口部23、および、第2開口部24から、スカート部12内に埃などが入ることを抑制することができる。
【0060】
実施形態、および、変形例に係る水洗大便器1は、適宜組み合わせることができる。たとえば、水洗大便器1の第1開口部23は、水洗大便器1の左右方向の中央に形成され、スカート部12の下端に切欠状に形成されてもよい。また、水洗大便器1の第1開口部23は、水洗大便器1の左右方向の中央に形成され、第2開口部24よりも大きくなるように形成されてもよい。
【0061】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 水洗大便器
2 便器本体
5 機能部
10 ボウル部
12 スカート部
13 ガイド部
20 側面部
21 後面部
23 第1開口部
24 第2開口部
27 可撓性部材
28 取付部材
P1 中心線
P2 中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6