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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030739
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】打撃工具
(51)【国際特許分類】
   B25D 11/04 20060101AFI20240229BHJP
   B25D 11/12 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B25D11/04
B25D11/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133828
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽司
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 慶
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058AA14
2D058CA05
2D058CB06
2D058CB12
(57)【要約】
【課題】打撃工具の小型化に資する技術を提供する。
【解決手段】打撃工具は、ツールホルダと、モータと、クランク機構と、バレル部と、クランクハウジングとを備える。ツールホルダは、筒状であって、長軸を有する。ツールホルダは、先端側から挿入された先端工具を、長軸に沿って直線状に移動可能に保持するように構成されている。バレル部は、ツールホルダを収容する。バレル部は、第1ネジ部と、第1位置決め部とを有する。クランクハウジングは、クランク機構を収容する。クランクハウジングは、第2ネジ部と、第2位置決め部とを有する。バレル部とクランクハウジングとは、長軸周りの第1ネジ部と第2ネジ部とのネジ係合によって互いに連結されている。第1位置決め部と第2位置決め部とは、長軸周りで少なくとも部分的に互いに当接することで、バレル部とクランクハウジングとを長軸に対して位置決めするように構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を打撃することで被加工材に対する加工作業を行うように構成された打撃工具であって、
長軸を有する筒状のツールホルダであって、先端側から挿入された先端工具を、前記長軸に沿って直線状に移動可能に保持するように構成されたツールホルダと、
モータシャフトを有するモータと、
前記モータシャフトに動作可能に連結され、前記モータシャフトの回転運動を、前記先端工具の駆動のための前記長軸に沿った直線運動に変換するように構成されたクランク機構と、
前記ツールホルダを収容するバレル部であって、第1ネジ部と、第1位置決め部とを有するバレル部と、
前記クランク機構を収容するクランクハウジングであって、第2ネジ部と、第2位置決め部とを有するクランクハウジングとを備え、
前記バレル部と前記クランクハウジングとは、前記長軸周りの前記第1ネジ部と前記第2ネジ部とのネジ係合によって互いに連結されており、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とは、前記長軸周りで少なくとも部分的に互いに当接することで、前記バレル部と前記クランクハウジングとを前記長軸に対して位置決めするように構成されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃工具であって、
前記第1ネジ部は、雄ネジ部であり、
前記第2ネジ部は、雌ネジ部であることを特徴とする打撃工具。
【請求項3】
請求項2に記載の打撃工具であって、
前記第1位置決め部は、前記バレル部のうち、前記ツールホルダの長軸方向において前記先端側で前記第1ネジ部に隣接する部分の外周面を含み、
前記第2位置決め部は、前記クランクハウジングのうち、前記長軸方向において前記先端側で前記第2ネジ部に隣接する部分の内周面を含み、
前記外周面と前記内周面とが互いに当接するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項4】
請求項1~4の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とは、少なくとも部分的に互いに軽圧入されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項5】
請求項1~5の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記バレル部の外周部は、前記長軸に平行、且つ、互いに平行な二平面を含むことを特徴とする打撃工具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部との間にシール部材が配置されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記バレル部と前記クランクハウジングとが、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部とのネジ係合が緩む第1方向に相対回転するのを規制するように構成された回転規制機構を更に備えたことを特徴とする打撃工具。
【請求項8】
請求項7に記載の打撃工具であって、
前記回転規制機構は、
前記バレル部の外周部に形成された凹部と、
前記クランクハウジングに支持され、前記凹部に係合する係合位置と、前記凹部に係合しない係合解除位置との間で変位可能な係合部材とを含むことを特徴とする打撃工具。
【請求項9】
請求項8に記載の打撃工具であって、
前記凹部及び前記係合部材は、前記バレル部と前記クランクハウジングとが前記第1方向と逆の第2方向に相対回転するのに応じて、前記係合部材が前記係合位置から前記係合解除位置へ移動することで、前記バレル部と前記クランクハウジングの相対回転を可能とし、前記バレル部と前記クランクハウジングとが前記第1方向に相対回転する場合には、前記係合部材が前記係合位置にとどまることで、前記バレル部と前記クランクハウジングの相対回転を妨げるように構成されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の打撃工具であって、
前記長軸と交差する方向に延在する把持部であって、第1端部と、前記把持部の延在方向において、前記第1端部よりも前記長軸から離れた位置にある第2端部とを有する把持部を更に備え、
前記把持部の前記延在方向において、前記係合部材は、前記長軸に対して前記第2端部と同じ側に配置されていることを特徴とする打撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、先端工具を打撃することで被加工材に対する加工作業を行うように構成された打撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃工具は、モータシャフトの回転運動を直線運動に変換し、ツールホルダに取り外し可能に保持された先端工具に伝達することで、先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動する。打撃工具の工具本体のうち、ツールホルダを収容する筒状の部分と、運動変換機構を収容する部分とは、別個の部品として形成され、組立工程で連結されることがある。例えば、特許文献1に開示されている打撃工具(ハンマドリル)では、ツールホルダを収容するバレル部と、運動変換機構を収容するクランクハウジングとが、複数のボルトによって連結されている。より詳細には、バレル部の後端部に設けられた鍔部の後面が、クランクハウジングの前端部に設けられたボス部の前面に当接する状態で、ボルトが鍔部の貫通孔を通ってボス部のネジ孔に締め付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-124697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の打撃工具では、複数のボルトを締め付ける領域を確保するために、バレル部の鍔部は、他の部分に比べ、径方向外側に突出している。このため、バレル部とクランクハウジングとの連結部分が径方向に大きくなる。
【0005】
上述の状況に鑑み、本開示は、打撃工具の小型化に資する技術を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な1つの態様によれば、先端工具を打撃することで被加工材に対する加工作業を行うように構成された打撃工具が提供される。打撃工具は、ツールホルダと、モータと、クランク機構と、バレル部と、クランクハウジングとを備える。ツールホルダは、筒状であって、長軸を有する。ツールホルダは、先端側から挿入された先端工具を、長軸に沿って直線状に移動可能に保持するように構成されている。モータは、モータシャフトを有する。クランク機構は、モータシャフトに動作可能に連結され、モータシャフトの回転運動を、先端工具の駆動のための長軸に沿った直線運動に変換するように構成されている。バレル部は、ツールホルダを収容する。バレル部は、第1ネジ部と、第1位置決め部とを有する。クランクハウジングは、クランク機構を収容する。クランクハウジングは、第2ネジ部と、第2位置決め部とを有する。バレル部とクランクハウジングとは、長軸周りの第1ネジ部と第2ネジ部とのネジ係合によって互いに連結されている。第1位置決め部と第2位置決め部とは、長軸周りで少なくとも部分的に互いに当接することで、バレル部とクランクハウジングとを長軸に対して位置決めするように構成されている。
【0007】
本態様の打撃工具では、バレル部とクランクハウジングは、第1ネジ部と第2ネジ部とのネジ係合によって、ツールホルダの長軸方向に互いに連結されている。よって、従来例のように、バレル部の径方向外側に、別個のボルトを用いたクランクハウジングとの連結用部分を拡張する必要がない。このため、バレル部とクランクハウジングとの連結部分の径方向の寸法や、打撃工具全体の質量を抑えることができる。また、第1位置決め部と第2位置決め部とが、第1ネジ部と第2ネジ部との芯ずれの可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ハンマドリルの断面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3】アウタハウジング部の一部が取り外された状態のハンマドリルの部分斜視図である。
図4図2のIV-IV線における断面図である(但し、バレル部と、クランクハウジングの支持部と、回転規制機構のみ図示)。
図5図4のV-V線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の非限定的な一実施形態において、第1ネジ部は、雄ネジ部であり、第2ネジ部は、雌ネジ部であってもよい。言い換えると、第1ネジ部は、バレル部の円筒部の外周面に形成されたネジ山を含んでもよい。第2ネジ部は、クランクハウジングの円筒孔を規定する内周面に形成されたネジ溝を含んでもよい。この実施形態によれば、バレル部に雌ネジ部が設けられる場合に比べ、ツールホルダを収容しやすいバレル部を実現することができる。
【0010】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1位置決め部は、バレル部のうち、ツールホルダの長軸方向において先端側で第1ネジ部に隣接する部分の外周面を含んでもよい。第2位置決め部は、クランクハウジングのうち、長軸方向において先端側で第2ネジ部に隣接する部分の内周面を含んでもよい。そして、外周面と内周面とが互いに当接するように構成されていてもよい。この実施形態では、第1ネジ部(雄ネジ部)の先端側の外周面と、第2ネジ部(雌ネジ部)の先端側の内周面とが互いに当接し、位置決め面として機能する。これにより、第1位置決め部と第2位置決め部とを簡易な構成で実現しつつ、第1ネジ部と第2ネジ部との芯ずれの可能性を効果的に低減することができる。
【0011】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1位置決め部と第2位置決め部とは、少なくとも部分的に互いに軽圧入されていてもよい。この実施形態によれば、第1位置決め部と第2位置決め部とが、バレル部とクランクハウジングとが相対回転し、第1ネジ部と第2ネジ部のネジ係合が緩むのを抑制することができる。
【0012】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、バレル部の外周部は、ツールホルダの長軸に平行、且つ、互いに平行な二平面を含んでもよい。この実施形態によれば、バレル部とクランクハウジングとの連結時に、作業者は、第1ネジ部と第2ネジ部のネジ係合のために、バレル部の二平面を器具で挟み込んでクランクハウジングに対して容易に回転させることができる。
【0013】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1位置決め部と第2位置決め部との間にシール部材が配置されていてもよい。第1位置決め部と第2位置決め部とは、バレル部とクランクハウジングとを長軸に対して位置決めするため、寸法精度が高く、元々密着性がよいが、この実施形態によれば、シール部材が配置されることで、第1位置決め部と第2位置決め部の密着性を更に高めることができる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、バレル部とクランクハウジングとが、第1ネジ部と第2ネジ部とのネジ係合が緩む第1方向に相対回転するのを規制するように構成された回転規制機構を更に備えてもよい。この実施形態によれば、バレル部とクランクハウジングとの連結状態を安定して維持することができる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、回転規制機構は、バレル部の外周部に形成された凹部と、クランクハウジングに支持された係合部材とを含んでもよい。係合部材は、凹部に係合する係合位置と、凹部に係合しない係合解除位置との間で変位可能であってもよい。この実施形態によれば、係合部材が係合位置にあるときには、バレル部とクランクハウジングとの連結状態を安定して維持することができる。また、必要に応じて係合部材を係合解除位置に移動させるだけで、バレル部とクランクハウジングとを第1方向に相対回転させて分離することが可能となるため、利便性が向上する。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、凹部及び係合部材は、バレル部とクランクハウジングとが第1方向と逆の第2方向に相対回転するのに応じて、係合部材が係合位置から係合解除位置へ移動することで、バレル部とクランクハウジングの相対回転を可能とするように構成されていてもよい。凹部および係合部材は、更に、バレル部とクランクハウジングとが第1方向に相対回転する場合には、係合部材が係合位置にとどまることで、バレル部とクランクハウジングの相対回転を妨げるように構成されていてもよい。この実施形態によれば、凹部および係合部材は、第2方向、つまり、ネジ係合が締まる方向のバレル部とクランクハウジングの相対回転を許容するように構成されているため、バレル部とクランクハウジングの連結作業が容易である。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、長軸と交差する方向に延在する把持部を更に備えてもよい。把持部は、第1端部と、把持部の延在方向において、第1端部よりもツールホルダの長軸から離れた位置にある第2端部とを有してもよい。把持部の延在方向において、係合部材は、長軸に対して第2端部と同じ側に配置されていてもよい。把持部の延在方向において、ツールホルダの長軸(つまり、先端工具の駆動軸)に対して把持部の第2端部とは反対側に係合部材が設けられると、係合部材に対応する部分が径方向に突出し、作業時に邪魔になりやすい。これに対し、この実施形態によれば、係合部材を作業時に邪魔になりにくい位置に配置することができる。
【0018】
以下、図1図5を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態に係るハンマドリル1について、具体的に説明する。ハンマドリル1は、本開示に係る「打撃工具」の非限定的な一例である。
【0019】
ハンマドリル1は、打撃工具の一例であって、取り外し可能に装着された先端工具91を打撃し、駆動軸DXに沿って直線状に駆動する動作(以下、打撃動作という)が可能である。また、ハンマドリル1は、先端工具91を駆動軸DX周りに回転駆動する動作(以下、回転動作という)も可能である。
【0020】
図1に示すように、ハンマドリル1は、工具本体10と、工具本体10に連結されたハンドルハウジング19とを備える。本実施形態の工具本体10には、先端工具91を取り外し可能に保持するように構成されたツールホルダ30と、モータ2と、モータ2の動力によって先端工具91を駆動するように構成された駆動機構3とが収容されている。
【0021】
ツールホルダ30は、長軸を有する長尺の筒状部材である。ツールホルダ30は、先端工具91の一部を取り外し可能に受け入れ、先端工具91を、長軸の延在方向に直線状に摺動可能、且つ、ツールホルダ30に対して回転不能に保持するように構成されている。以下、ツールホルダ30の長軸方向の2つの端のうち、先端工具91が挿入される側の端を先端といい、反対側の端を基端という。また、ツールホルダ30は、長軸周りに回転可能に工具本体10に支持されている。よって、先端工具91は、ツールホルダ30と一体的に長軸周りに回転可能である。このように、ツールホルダ30の長軸は、先端工具91の駆動軸DXを規定する。
【0022】
本実施形態のモータ2は、ブラシモータである。モータ2は、図示しない電源コードを介して外部の交流電源から供給された電力により駆動される。但し、モータ2にはブラシレスモータが採用されてもよい。また、モータ2は、充電式のバッテリから供給される電力により駆動されてもよい。本実施形態では、モータ2は、モータシャフト25の回転軸RXが駆動軸DXに交差する(より詳細には直交する)ように配置されている。
【0023】
駆動機構3は、モータ2に動作可能に連結されており、モータ2の動力によって駆動される。本実施形態の駆動機構3は、打撃動作用のクランク機構31及び打撃要素33と、回転動作用の回転伝達機構37とを含む。
【0024】
クランク機構31は、モータシャフト25に動作可能に連結されており、モータシャフト25の回転運動を、先端工具91の駆動のための駆動軸DXに沿った直線運動(詳細には、ピストン315の直線運動)に変換するように構成されている。
【0025】
より詳細には、クランク機構31は、クランクシャフト311と、連接ロッド314と、ピストン315とを含む。クランクシャフト311は、モータシャフト25に動作可能に連結されており、モータシャフト25によって回転される。クランクシャフト311は、偏心ピン313を有する。連接ロッド314は、偏心ピン313とピストン315とに動作可能に連結されている。ピストン315は、シリンダ32に摺動可能に収容されている。シリンダ32は、ツールホルダ30と同軸状に、ツールホルダ30に連結されている。ピストン315は、モータ2の駆動に応じて、シリンダ32内を、駆動軸DXに沿って往復動する。
【0026】
打撃要素33は、ピストン315の往復動に応じて直線状に移動し、先端工具91を打撃するように構成されている。本実施形態では、打撃要素33は、ストライカ34と、インパクトボルト35とを含む。ストライカ34は、シリンダ32内に摺動可能に配置されている。インパクトボルト35は、ツールホルダ30内に摺動可能に配置されている。ストライカ34とピストン315との間には、空気室が形成されている。ピストン315が往復動されるのに応じて空気室内に生じる圧力変動により、ストライカ34も駆動軸DXに沿って往復動する。ストライカ34がインパクトボルト35に衝突すると、インパクトボルト35が運動エネルギを先端工具91に伝達する。
【0027】
回転伝達機構37は、モータシャフト25に動作可能に連結されており、モータシャフト25の回転を、ツールホルダ30に伝達するように構成されている。ツールホルダ30に保持された先端工具91は、回転伝達機構37が駆動されるのに応じて、駆動軸DX周りに回転駆動される。なお、回転伝達機構37は、周知の構成を有するギヤ減速機構である。
【0028】
なお、本実施形態のハンマドリル1は、打撃のみモードと、回転打撃モードの何れか一方で選択的に動作することができる。打撃のみモードでは、クランク機構31と打撃要素33のみが駆動され、打撃動作のみが行われる。回転打撃モードでは、クランク機構31と、打撃要素33と、回転伝達機構37とが駆動され、打撃動作と回転動作とが同時に行われる。モードの切り替えのための構成については、いかなる公知の構成が採用されてもよい。よって、かかる構成についての説明は省略する。
【0029】
本実施形態の工具本体10は、バレル部11と、クランクハウジング13と、モータハウジング15とを含む。バレル部11は、ツールホルダ30を収容する部分である。クランクハウジング13は、クランク機構31と回転伝達機構37を収容する部分である。モータハウジング15は、モータ2を収容する部分である。
【0030】
本実施形態では、夫々別個の部材として形成されたバレル部11と、クランクハウジング13と、モータハウジング15とが互いに連結されることで、一体的なハウジングとしての工具本体10が形成されている。詳細は後述するが、クランクハウジング13は、駆動軸DXの延在方向におけるバレル部11の基端部(先端工具91が保持される端部とは反対側の端部)に連結されている。また、モータハウジング15は、クランクハウジング13にネジで連結され、クランクハウジング13から、駆動軸DXと実質的に直交する方向に突出している。つまり、本実施形態の工具本体10は、駆動軸DX及びモータシャフト25の回転軸RXと直交する方向にみてL字状に形成されている。
【0031】
なお、以下の説明では、便宜上、駆動軸DXの延在方向(ツールホルダ30の長軸方向)をハンマドリル1の前後方向と規定する。前後方向において、ツールホルダ30の基端から先端へ向かう方向をハンマドリル1の前方向と規定し、先端から基端へ向かう方向を、後ろ方向と規定する。また、モータシャフト25の回転軸RXの延在方向(後述の把持部193の延在方向でもある)をハンマドリル1の上下方向と規定する。上下方向において、モータ2から駆動軸DXに向かう方向を上方向と規定し、駆動軸DXからモータ2へ向かう方向を下方向と規定する。駆動軸DX及び回転軸RXに直交する方向をハンマドリル1の左右方向と規定する。
【0032】
ハンドルハウジング19は、工具本体10を部分的に覆うアウタハウジング部191と、使用者によって把持される把持部193とを含む。アウタハウジング部191は、工具本体10のうち、バレル部11とクランクハウジング13とを実質的に覆うように構成されている。把持部193は、駆動軸DXに交差する(詳細には、実質的に直交する)ように、上下方向に延在している。把持部193の上端部は、アウタハウジング部191の後端に連結されている。把持部193の下端部は、モータハウジング15の後端に連結されている。把持部193には、使用者によって押圧操作されるスイッチレバー195が設けられている。把持部193内には、モータ2の起動用のスイッチ196が収容されている。スイッチレバー195の押圧操作に応じてスイッチ196がオンとされると、モータ2が駆動される。
【0033】
以下、バレル部11とクランクハウジング13の連結構造の詳細について説明する。
【0034】
図1に示すように、バレル部11は、ツールホルダ30より大径の筒状に形成されている。ツールホルダ30は、バレル部11内に同軸状に配置され、バレル部11内に配置されたベアリング301、302によって、回転可能に支持されている。
【0035】
図2に示すように、バレル部11は、第1ネジ部120と、第1位置決め部121とを有する。より詳細には、バレル部11の後端部は、円筒部110として形成されている。第1ネジ部120は、円筒部110の後半部分に設けられた雄ネジ部である。つまり、第1ネジ部120は、円筒部110の後半部分の外周面に形成されたネジ山を有する。第1位置決め部121は、円筒部110の前半部分である。つまり、第1位置決め部121は、第1ネジ部120の前側に隣接して、第1ネジ部120と同軸状に設けられている。第1位置決め部121には、環状溝124が形成されており、環状のシール部材125(例えばOリング)が装着されている。
【0036】
また、図2及び図3に示すように、バレル部11の円筒部110(第1位置決め部121)の前側には、フランジ部115が設けられている。フランジ部115は、円筒部110よりも径方向外側に突出する環状の部分である。フランジ部115の後面116は、第1位置決め部121の前端に接続し、径方向外側に延びている。後面116は、前後方向に延びる直線に実質的に直交する平面である。フランジ部115の外径は、後述するクランクハウジング13の前端部130の外径と実質的に等しく設定されている。
【0037】
更に、バレル部11のフランジ部115の前側には、器具係合部117が設けられている。器具係合部117は、前方からみて概ね六角形状に形成されている。つまり、器具係合部117は、駆動軸DXに平行、且つ、互いに平行な3対の平面部を有する。
【0038】
図1に示すように、クランクハウジング13は、中空状の部材であって、クランク機構31と回転伝達機構37とを収容する。クランク機構31のうち、クランクシャフト311は、ベアリング312を介してクランクハウジング13に支持されている。また、ピストン315を収容するシリンダ32の後端部は、ベアリング321を介して、クランクハウジング13に支持されている。
【0039】
図2に示すように、クランクハウジング13は、第2ネジ部140と、第2位置決め部141とを有する。第2ネジ部140は、クランクハウジング13の前端部130に設けられた雌ネジ部である。より詳細には、クランクハウジング13の前端部130は、円筒孔131を有する。第2ネジ部140は、円筒孔131を規定する内周面の後半部分に形成されたネジ溝を有する。第2位置決め部141は、前端部130の前半部分(円筒孔131の前半部分に対応する部分)である。つまり、第2位置決め部141は、第2ネジ部140の前側に隣接して、第2ネジ部140と同軸状に設けられている。
【0040】
本実施形態では、バレル部11とクランクハウジング13とは、第1ネジ部120と第2ネジ部140とが駆動軸DXの周囲でネジ係合することで、互いに連結されている。以下では、工具本体10のうち、互いに係合した状態の第1ネジ部120と第2ネジ部140の全体を、ネジ係合部ともいう。
【0041】
なお、第1ネジ部120と第2ネジ部140とは、前後方向において、バレル部11のフランジ部115の後面116が、クランクハウジング13の前端部130の前端面133に当接する位置までネジ込まれている。つまり、後面116と前端面133とは、バレル部11とクランクハウジング13の前後方向の位置を規定する位置決め面として機能する。
【0042】
また、第1位置決め部121と第2位置決め部141とは、駆動軸DXの周囲で互いに当接する(面接触する)ことで、バレル部11とクランクハウジング13とを駆動軸DXに対して位置決めする。より詳細には、第1位置決め部121の外周面122(円筒面)と、第2位置決め部141の内周面142(円筒孔131を規定する面)とは、位置決め面として機能する。これらの位置決め面が、駆動軸DXの周囲で互いに当接する(面接触する)ことで、バレル部11とクランクハウジング13とを駆動軸DXに対して位置決めする。以下では、工具本体10のうち、互いに当接した状態の第1位置決め部121と第2位置決め部141の全体を、位置決め部ともいう。
【0043】
本実施形態では、位置決め部は、環状溝124よりも後側の第1領域R1では、第1位置決め部121の外周面122と第2位置決め部141の内周面142とが摺動状態で接触し、環状溝124よりも前側の第2領域R2では、第1位置決め部121と第2位置決め部141とが互いに軽圧入されるように構成されている。より詳細には、バレル部11の第1位置決め部121のうち、環状溝124よりも前側の部分の外径は、後側の部分の外径よりも僅かに大きく設定されている。クランクハウジング13の円筒孔131の径は、実質的に均一であって、第1位置決め部121のうち環状溝124よりも後側の部分の外径と概ね等しく設定されている。
【0044】
バレル部11とクランクハウジング13との連結工程では、作業者は、バレル部11の後端部(円筒部110)をクランクハウジング13の前端部130の円筒孔131に挿入し、第1ネジ部120を第2ネジ部140にネジ込む。このとき、作業者は、器具係合部117の平面部のうち、互いに平行な1対を器具で挟み込むことで、バレル部11をクランクハウジング13に対して容易に回転させることができる。ネジ込みが進行するにつれて、第1位置決め部121のうち環状溝124よりも後側の部分は、その外周面122が第2位置決め部141の内周面142に摺動しつつ、第2位置決め部141内に進入する。更にネジ込みが進行するにつれて、第1位置決め部121のうち環状溝124よりも前側の部分が、第2位置決め部141内に軽圧入されつつ進入する。バレル部11のフランジ部115の後面116が、クランクハウジング13の前端部130の前端面133に当接すると、連結工程が終了する。
【0045】
更に、本実施形態のハンマドリル1は、バレル部11とクランクハウジング13とが、第1ネジ部120と第2ネジ部140のネジ係合が緩む方向(以下、緩み方向という)に相対回転するのを規制するように構成された回転規制機構7を備えている。
【0046】
図3図5に示すように、回転規制機構7は、バレル部11のフランジ部115の外周部に形成された複数の凹部71と、クランクハウジング13に回動可能に支持された係合部材73とを備えている。係合部材73は、鉤状の先端部を有する。係合部材73は、クランクハウジング13の前端部130に設けられた支持部135に固定されたピン74によって、前後方向に延びる回動軸周りに回動可能に支持されている。係合部材73は、係合部材73の先端部が何れかの凹部71に係合する係合位置(図4に実線で示す位置)と、凹部71に係合しない係合解除位置(図4に点線で示す位置)との間で、回動可能である。
【0047】
係合部材73は、付勢部材75によって、フランジ部115に向けて付勢されている。本実施形態の付勢部材75は、捩りコイルバネである。付勢部材75のコイル部は、ピン74の周囲に配置されており、付勢部材75の一方の端部751は前端部130に係止され、他方の端部752は係合部材73に係止されている。このようにして、付勢部材75は、係合部材73を係合位置に向けて付勢している。なお、付勢部材75は、捩りコイルバネでなく、他の種類のバネに変更されてもよい。
【0048】
本実施形態の回転規制機構7は、バレル部11がクランクハウジング13に対して緩み方向(図4の矢印LD方向)とは逆の締まり方向(第1ネジ部120と第2ネジ部140のネジ係合が締まる方向、図4の矢印TD方向)にのみ回転を許容するように構成されている。より詳細には、回転規制機構7は、ラチェット機構として構成されており、凹部71が形成されたフランジ部115は、ラチェット歯車70として機能し、係合部材73は、ラチェット歯車70と協働する爪として機能する。バレル部11とクランクハウジング13とが締まり方向に相対回転するのに応じて、係合部材73は凹部71から外れて係合解除位置に回動することで、バレル部11とクランクハウジング13の相対回転を可能とする。一方、バレル部11とクランクハウジング13とが緩み方向に相対回転する場合には、係合部材73が係合位置にとどまって凹部71との係合を維持することで、バレル部11とクランクハウジング13の相対回転を妨げる。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態のハンマドリル1では、バレル部11とクランクハウジング13とは、第1ネジ部120と第2ネジ部140とのネジ係合によって、前後方向に互いに連結されている。よって、従来例のように、バレル部11の径方向外側に、別個のボルトを用いてバレル部11とクランクハウジング13とを連結するための拡張部分を設ける必要がない。このため、バレル部11とクランクハウジング13との連結部分の径方向の寸法を抑えることができる。これにより、作業者が、バレル部11や、バレル部11とクランクハウジング13との連結部分を補助的に保持するのが容易となる。また、バレル部11やクランクハウジング13の大型化に伴う質量増加も防止することができる。
【0050】
更に、バレル部11とクランクハウジング13とは、第1ネジ部120と第2ネジ部140とのネジ係合のみで連結可能である。このため、複数のボルトを締結する場合に比べ、部品数を低減し、連結作業を簡素化することができる。
【0051】
また、本実施形態では、バレル部11の第1ネジ部120は雄ネジ部であるため、バレル部11内の空間全体を、ツールホルダ30の収容空間として比較的自由に利用することができる。そこで、バレル部11の後端部内(詳細には、位置決め部の径方向内側)には、ツールホルダ30の後端部を支持するベアリング302が嵌め込まれている。
【0052】
第1ネジ部120と第2ネジ部140とのネジ係合のみでは、第1ネジ部120と第2ネジ部140との芯ずれが生じる可能性がある。この場合、ツールホルダ30及びシリンダ32の支持が不安定となりうる。これに対し、ハンマドリル1では、第1位置決め部121と第2位置決め部141とが、ツールホルダ30の長軸(駆動軸DX)の周囲で互いに当接することで、第1ネジ部120と第2ネジ部140との芯ずれの可能性を低減することができる。特に、本実施形態では、第1位置決め部121の外周面122(位置決め面)と、第2位置決め部141の内周面142(位置決め面)とが、駆動軸DXの全周に亘ってバレル部11とクランクハウジング13とを位置決めできるため、効果的である。
【0053】
また、本実施形態では、第1ネジ部120(ネジ山)と第1位置決め部121(位置決め面)とは、夫々、バレル部11の円筒部110の外周部に互いに隣接して設けられている。第2ネジ部140(ネジ溝)と第2位置決め部141(位置決め面)とは、夫々、クランクハウジング13の前端部130の内周部に互いに隣接して設けられている。これにより、簡易で合理的な構成のネジ係合部と位置決め部が実現されている。
【0054】
なお、ハンマドリル1では、打撃のみモード及び回転打撃モードの何れの動作中でも、工具本体10に振動が生じる。この振動は、バレル部11とクランクハウジング13との相対回転の原因となりうる。また、打撃のみモードでのハツリ作業中には、使用者が先端工具91に対してハンマドリル1を回転させる場合があり、バレル部11とクランクハウジング13との相対回転の原因となりうる。
【0055】
これに対し、本実施形態の第1位置決め部121と第2位置決め部141とは、環状溝124よりも前側の第2領域R2で互いに軽圧入されている。これにより、バレル部11とクランクハウジング13とが相対回転し、第1ネジ部120と第2ネジ部140のネジ係合が緩む可能性を低減することができる。更に、ハンマドリル1は回転規制機構7を備えるため、第1ネジ部120と第2ネジ部140のネジ係合が緩むのを防止し、バレル部11とクランクハウジング13との連結状態を安定して維持することができる。
【0056】
なお、軽圧入による回転規制は、二方向(緩み方向及び締まり方向)の何れにも効果を発揮することができる点で好ましい。一方、回転規制機構7(ラチェット機構)は、一方向(緩み方向)に限っては、軽圧入よりも確実な回転規制効果を発揮することができる。本実施形態では、これら2種類の構造が、バレル部11とクランクハウジング13との相対回転を効果的に規制することができる。
【0057】
特に、本実施形態の回転規制機構7は、ラチェット機構であって、バレル部11とクランクハウジング13の緩み方向の相対回転は禁止するが、締まり方向の回転は許容する。よって、作業者は、回転規制機構7にかかわりなく、第1ネジ部120を第2ネジ部140にネジ込むことができるため、バレル部11とクランクハウジング13の連結作業が容易である。また、作業者は、例えば分解修理時には、係合部材73を係合解除位置に回動させるだけで、バレル部11とクランクハウジング13とを緩み方向に相対回転させて分離することができる。
【0058】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る打撃工具は、例示されたハンマドリル1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示されるハンマドリル1、及び各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0059】
本開示に係る打撃工具は、先端工具91を打撃することで被加工材に対する加工作業を行うことが可能であればよく、例えば、打撃動作のみが可能な電動ハンマ(demolition hammer, scraper)として具現化されてもよい。また、打撃のみモードと、回転打撃モードに加え、回転動作のみが行われる回転のみモードを有するハンマドリルとして具現化されてもよい。駆動機構3の構成は、モータシャフトの回転運動を直線運動に変換するクランク機構を含む限りにおいて、打撃工具の種類に応じて、又は種類にかかわらず適宜変更されうる。
【0060】
工具本体10及び/又はハンドルハウジング19の構成(例えば、形状、構成部材、連結態様)は、適宜変更されうる。例えば、工具本体10は、側面視L字状以外の形状であってもよく、モータシャフト25の回転軸RXは必ずしも駆動軸DXに直交しなくてよい。また、例えば、ハンドルハウジング19に代えて、把持部を含むU字状のハンドルの両端部が工具本体に連結されていてもよい。あるいは、上記実施形態とは異なる構成の少なくとも1つのアウタハウジング部が把持部に連結されていてもよい。
【0061】
第1ネジ部120と第1位置決め部121とは、前後方向において互いから離れていてもよいし、バレル部11の径方向において異なる位置にあってもよい。第2ネジ部140と第2位置決め部141についても同様の変更が可能である。また、第1位置決め部121と第2位置決め部141とは、必ずしも駆動軸DXの周囲全体で当接する必要はなく、駆動軸DX周りの複数箇所で部分的に当接していてもよい。
【0062】
本開示に係る回転規制機構は、実施形態で例示された回転規制機構7(ラチェット機構)に限られない。凹部71や係合部材73の形状、数、配置等は単なる例示であり、適宜変更されうる。例えば、係合部材73(爪)に代えて、フランジ部115の外周部に設けられた凹部71に係合可能な凸部を有する板バネが採用されてもよい。回転規制機構は、緩み方向のみならず、バレル部11とクランクハウジング13の締まり方向の相対回転も妨げるように構成されてもよい。例えば、凹部71の形状が、締まり方向の相対回転も妨げるように変更されてもよい。例えば、係合部材は、直線状に移動可能であってもよい。また、例えば、回転規制機構は、第1ネジ部120と第2ネジ部140とが所定位置までネジ込まれた状態で、バレル部11とクランクハウジング13とに係合する留め具であってもよい。
【0063】
本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、実施形態及びその変形例の特徴、あるいは各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記クランクハウジングは、前記ツールホルダに同軸状に連結されたシリンダを収容し、
前記クランク機構は、前記モータシャフトに動作可能に連結され、前記クランクハウジングに支持されたクランクシャフトと、
前記クランクシャフトに動作可能に連結され、前記シリンダ内を摺動可能なピストンとを含んでもよい。
[態様2]
前記第1ネジ部は、前記バレル部の円筒部の外周面に形成されたネジ山を含み、
前記第1位置決め部は、前記外周面のうち、前記ツールホルダの長軸方向において前記先端側で前記ネジ山に隣接する部分を含み、
前記第2ネジ部は、前記クランクハウジングの円筒孔を規定する内周面に形成されたネジ溝を含み、
前記第2位置決め部は、前記内周面のうち、前記長軸方向において前記先端側で前記ネジ溝に隣接する部分を含む。
[態様3]
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は、前記外周面と前記内周面とが前記長軸の周囲全体で互いに当接するように構成されている。
[態様4]
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とは、前記外周面と前記内周面とが互いに摺動可能に接触する第1領域と、互いに軽圧入された第2領域とを含み、
前記第2領域は、前記ツールホルダの長軸方向において、前記第1領域に対して前記先端側にある。
[態様5]
前記回転規制機構は、前記係合部材を前記係合位置に向けて付勢する付勢部材を含む
[態様6]
前記回転規制機構は、ラチェット歯車と爪とを備えたラチェット機構として構成されている。
【符号の説明】
【0064】
1:ハンマドリル、10:工具本体、11:バレル部、110:円筒部、115:フランジ部、116:後面、117:器具係合部、120:第1ネジ部、121:第1位置決め部、122:外周面、124:環状溝、125:シール部材、13:クランクハウジング、130:前端部、131:円筒孔、133:前端面、135:支持部、140:第2ネジ部、141:第2位置決め部、142:内周面、15:モータハウジング、19:ハンドルハウジング、191:アウタハウジング部、193:把持部、195:スイッチレバー、196:スイッチ、2:モータ、25:モータシャフト、3:駆動機構、30:ツールホルダ、301:ベアリング、302:ベアリング、31:クランク機構、311:クランクシャフト、312:ベアリング、313:偏心ピン、314:連接ロッド、315:ピストン、32:シリンダ、321:ベアリング、33:打撃要素、34:ストライカ、35:インパクトボルト、37:回転伝達機構、7:回転規制機構、70:ラチェット歯車、71:凹部、73:係合部材、74:ピン、75:付勢部材、91:先端工具、751:端部、752:端部、R1:第1領域、R2:第2領域、
図1
図2
図3
図4
図5