(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030752
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】駆動ユニット試験装置
(51)【国際特許分類】
G01M 13/025 20190101AFI20240229BHJP
【FI】
G01M13/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133843
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】小林 鷹謙
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AB15
2G024BA11
2G024CA12
2G024DA05
2G024DA06
2G024DA09
2G024EA01
2G024EA06
2G024EA08
(57)【要約】
【課題】入力軸と出力軸との軸間距離が異なる複数種類の供試体を容易に試験可能な駆動ユニット試験装置を提供する。
【解決手段】駆動ユニット試験装置1は、供試体70の一方向及び該一方向と反対方向に延びる出力軸72、73に対して駆動連結される第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52と、平面視で供試体取付部80を挟んで出力回転軸線P0の直交方向一方と他方とに位置する第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12とを有する。前記直交方向において、第1入力ダイナモメータの回転軸線P1と出力回転軸線P0との間隔D1は、第2入力ダイナモメータの回転軸線P2と出力回転軸線P0との間隔D2と異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニットを含む供試体を試験するための駆動ユニット試験装置であって、
平面視で供試体取付部を挟んで対向して配置され、前記供試体から一方向及び該一方向と反対方向にそれぞれ延びる出力軸に対して駆動連結される第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータと、
前記供試体取付部に対して前記第1出力ダイナモメータ側で且つ平面視で前記第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータの出力回転軸線に対して前記出力回転軸線に直交する方向の一方に位置し、前記供試体の入力軸に対して駆動連結可能な第1入力ダイナモメータと、
前記供試体取付部に対して前記第2出力ダイナモメータ側で且つ平面視で前記出力回転軸線に対して前記出力回転軸線に直交する方向の他方に位置し、前記供試体の入力軸に対して駆動連結可能な第2入力ダイナモメータと、
を備え、
前記直交方向において、前記第1入力ダイナモメータの回転軸線と前記出力回転軸線との間隔は、前記第2入力ダイナモメータの回転軸線と前記出力回転軸線との間隔と異なる、
駆動ユニット試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動ユニット試験装置において、
前記第1入力ダイナモメータが有する最大駆動力は、前記第2入力ダイナモメータが有する最大駆動力と異なる、
駆動ユニット試験装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の駆動ユニット試験装置において、
前記第1入力ダイナモメータの駆動制御と前記第2入力ダイナモメータの駆動制御とを切り替える切替部をさらに有する、
駆動ユニット試験装置。
【請求項4】
請求項3に記載の試験装置において、
前記第1入力ダイナモメータ及び前記第2入力ダイナモメータのうち少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる入力ダイナモメータ移動機構をさらに有する、
駆動ユニット試験装置。
【請求項5】
請求項3に記載の試験装置において、
前記第1出力ダイナモメータ及び前記第2出力ダイナモメータのうち少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる出力ダイナモメータ移動機構をさらに有する、
駆動ユニット試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットを含む供試体を試験する駆動ユニット試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
変速機構などの駆動ユニットを含む供試体を試験する駆動ユニット試験装置が知られている。試験の対象となる供試体は、例えば、駆動源から入力される駆動力を、変速機構を介して前記供試体の出力軸に出力する。
【0003】
このような駆動ユニットを含む供試体の駆動ユニット試験装置として、例えば、特許文献1には、トランスアクスルを供試体とする試験装置が開示されている。すなわち、前記試験装置では、特許文献1の
図1に開示されているように、駆動モータが延長シャフトを介して入力軸用トルクメータに連結され、前記入力軸用トルクメータがトランスアクスルの入力軸に連結されている。前記試験装置では、前記トランスアクスルの一対の出力軸は、角度のない(入力軸及び出力軸に対して平行な)アクスル軸を介して出力軸用トルクメータと連結されている。
【0004】
また、特許文献1の試験装置では、一方の出力軸用トルクメータは、一方のダイナモメータと連結されており、他方の出力軸用トルクメータと他方の位置固定のダイナモメータとは、等速ボールジョイントを介して連結されている。また、前記試験装置には、入力軸に対して直角方向に移動可能で、一方の出力軸用トルクメータ及びダイナモメータが取り付けられる第1の移動台と、他方の出力軸用トルクメータが取り付けられる第2の移動台と、が設けられている。
【0005】
上述の特許文献1の試験装置では、入力軸と出力軸との間隔が異なる複数種類の供試体を試験する場合、供試体の入力軸と出力軸との間隔に応じて、前記トランスアクスルの一対の出力軸に接続される一方の出力軸用トルクメータ及びダイナモメータと他方の出力軸用トルクメータとの位置を相対移動させる。このようにして、特許文献1の試験装置では、供試体の入力軸と出力軸との間隔が異なる各種の供試体の試験を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の特許文献1の試験装置では、供試体の入力軸と出力軸との間隔が異なる複数種類の供試体の試験を行う場合、移動台の移動によって、供試体の一対の出力軸に合わせて、出力軸用トルクメータ及びダイナモメータの位置調整を行うことが前提である。
【0008】
また、特許文献1の試験装置では、前記出力軸用トルクメータ及び前記移動台と前記駆動モータとの干渉を防止するために、前記駆動モータと前記入力軸用トルクメータとが前記延長シャフトを介して連結されている。このように前記延長シャフトを介して前記駆動モータと前記入力軸用トルクメータとが連結されている場合、前記駆動モータと前記入力軸用トルクメータとを直接連結する場合に比べて、軸共振の影響により前記入力軸の最高回転速度が低下し、軸剛性の低下により前記駆動モータに対する前記入力軸の軸応答性が低下する。しかも、試験装置の全長が、前記延長シャフトの長さの分だけ長くなる。
【0009】
よって、移動台を移動させてトルクメータ及びダイナモメータなどのレイアウト変更を行うことなく、上述のような延長シャフトを用いずに、入力軸と出力軸との軸間距離が異なる複数種類の供試体を簡単に試験可能な試験装置が望まれている。
【0010】
本発明の目的は、入力軸と出力軸との軸間距離が異なる複数種類の供試体を容易に試験可能な駆動ユニット試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る駆動ユニット試験装置は、駆動ユニットを含む供試体を試験するための試験装置である。この駆動ユニット試験装置は、平面視で供試体取付部を挟んで対向して配置され、前記供試体から一方向及び該一方向と反対方向に延びる出力軸に対して駆動連結される第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータと、前記供試体取付部に対して前記第1出力ダイナモメータ側で且つ平面視で前記第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータの出力回転軸線に対して前記出力回転軸線の直交方向一方に位置し、前記供試体の入力軸に対して駆動連結可能な第1入力ダイナモメータと、前記供試体取付部に対して前記第2出力ダイナモメータ側で且つ平面視で前記出力回転軸線に対して前記出力回転軸線の直交方向他方に位置し、前記供試体の入力軸に対して駆動連結可能な第2入力ダイナモメータと、を備える。前記直交方向において、前記第1入力ダイナモメータの回転軸線と前記出力回転軸線との間隔は、前記第2入力ダイナモメータの回転軸線と前記出力回転軸線との間隔と異なる(第1の構成)。
【0012】
以上の構成では、第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータは、第1入力ダイナモメータの回転軸線及び出力回転軸線の間隔である第1軸間距離と、第2入力ダイナモメータの回転軸線及び前記出力回転軸線の間隔である第2軸間距離とが異なるように、平面視で供試体取付部を挟んで前記出力回転軸線に対して直交する方向の一方と他方とに配置されている。
【0013】
これにより、入力軸と出力軸との距離が異なる複数種類の供試体の設置姿勢を平面視で180°回転させることにより、第1入力ダイナモメータまたは第2入力ダイナモメータの一方を供試体の入力軸に駆動連結できる。
【0014】
したがって、第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータに対する第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータの相対位置を大きく変更させることなく、且つ、特許文献1に開示されているような延長シャフトを用いることなく、供試体の試験を行うことができる駆動ユニット試験装置が得られる。
【0015】
よって、試験装置を構成する要素(ダイナモメータ及びトルク計等の機器類、並びに設置台等を含む)のレイアウト変更を行わなくても、入力軸と出力軸との距離が異なる複数種類の供試体を容易に試験可能である。
【0016】
前記第1の構成において、前記第1入力ダイナモメータが有する最大駆動力は、前記第2入力ダイナモメータが有する最大駆動力と異なる(第2の構成)。
【0017】
入力ダイナモメータの最大駆動力は、供試体が要求する駆動力に応じて変える必要がある。前記入力ダイナモメータのサイズは、前記入力ダイナモメータの最大駆動力に応じて異なる。そのため、供試体の入力軸と出力軸との距離は、前記供試体が要求する駆動力に応じて異なる。
【0018】
よって、最大駆動力が異なる第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータを用いるとともに、前記第1の構成のように前記第1入力ダイナモメータの回転軸線と出力回転軸線との間隔が前記第2入力ダイナモメータの回転軸線と前記出力回転軸線との間隔と異なることにより、前記第1入力ダイナモメータ及び前記第2入力ダイナモメータのレイアウトを変更することなく、要求駆動力が異なる複数種類の供試体を、駆動ユニット試験装置によって容易に試験を行うことができる。
【0019】
前記第1または第2の構成において、駆動ユニット試験装置は、前記第1入力ダイナモメータの駆動制御と前記第2入力ダイナモメータの駆動制御とを切り替える切替部をさらに有する(第3の構成)。
【0020】
これにより、第1入力ダイナモメータまたは第2入力ダイナモメータの一方を使用して、複数種類の供試体を試験可能である。よって、各入力ダイナモメータに対応する個別のインバータ盤が不要になる。したがって、駆動ユニット試験装置の製造コストの低減及び小型化を図れる。
【0021】
前記第3の構成において、駆動ユニット試験装置は、前記第1入力ダイナモメータ及び前記第2入力ダイナモメータのうち少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる入力ダイナモメータ移動機構をさらに有する(第4の構成)。
【0022】
これにより、第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータのうち少なくとも一方の位置を供試体の入力軸の位置に合わせて調整可能である。よって、より多くの種類の供試体を駆動ユニット試験装置によって試験可能である。
【0023】
しかも、供試体がモータを含む場合には、前記第1入力ダイナモメータ及び前記第2入力ダイナモメータを供試体取付部から離れる方向に移動させることにより、前記第1入力ダイナモメータ及び前記第2入力ダイナモメータが前記供試体と干渉するのを防止できる。
【0024】
したがって、上述の構成により、より多くの種類の供試体を試験可能な駆動ユニット試験装置が得られる。
【0025】
前記第3の構成において、駆動ユニット試験装置は、前記第1出力ダイナモメータ及び前記第2出力ダイナモメータのうち少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる出力ダイナモメータ移動機構をさらに有する(第5の構成)。
【0026】
これにより、第1出力ダイナモメータ及び第2出力ダイナモメータのうち少なくとも一方の位置を供試体の出力軸の位置に合わせて調整可能である。よって、より多くの種類の供試体を駆動ユニット試験装置によって試験可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態に係る駆動ユニット試験装置によれば、第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータは、第1入力ダイナモメータの回転軸線及び出力回転軸線の間隔である第1軸間距離と、第2入力ダイナモメータの回転軸線及び前記出力回転軸線の間隔である第2軸間距離とが異なるように、平面視で供試体取付部を挟んで前記出力回転軸線に対して直交する方向の一方と他方とに配置されている。よって、試験装置を構成する要素(ダイナモメータ及びトルク計等の機器類、並びに設置台等を含む)のレイアウト変更を行わなくても、入力軸と出力軸との軸間距離が異なる複数種類の供試体を容易に試験可能な駆動ユニット試験装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る駆動ユニット試験装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す駆動ユニット試験装置の概略構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す駆動ユニット試験装置が有する第1入力ダイナモメータを供試体の入力軸に駆動連結させた状態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す駆動ユニット試験装置が有する第2入力ダイナモメータを供試体の入力軸に駆動連結させた状態を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す駆動ユニット試験装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、その他の実施形態に係る駆動ユニット試験装置の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0030】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る駆動ユニット試験装置1の概略構成を示す図である。
図2は、
図1に示す駆動ユニット試験装置1の概略構成を示す平面図である。
図3は、
図1に示す駆動ユニット試験装置1が有する第1入力ダイナモメータ11を供試体70の入力軸71に駆動連結させた状態を示す平面図である。
図4は、
図1に示す駆動ユニット試験装置1が有する第2入力ダイナモメータ12を供試体70の入力軸71に駆動連結させた状態を示す平面図である。
【0031】
なお、図中の矢印Zは、駆動ユニット試験装置1のベース部60に対して垂直なZ軸方向を示す。Z軸方向は、以下において上下方向とも称する。図中の矢印Xは、駆動ユニット試験装置1のZ軸方向に垂直な水平方向の一方向であるX軸方向を示す。図中の矢印Yは、駆動ユニット試験装置1のZ軸方向に垂直な水平方向のうち、X軸方向と垂直な方向であるY軸方向を示す。
【0032】
駆動ユニット試験装置1は、駆動ユニットEを含む供試体70の試験を行うための装置である。
【0033】
駆動ユニットEは、例えば、電気自動車等の車両におけるパワートレーンとして使用される駆動システムの一部である。前記駆動システムは、例えば、動力源である駆動モータと、動力伝達系である駆動ユニットEと、インバータとを含む。前記駆動システムとして、前記駆動モータの出力に応じて、出力が異なる複数種類の駆動システムが存在する。
【0034】
駆動ユニット試験装置1は、駆動システムの一部である駆動ユニットEを含む供試体70の性能評価を行う装置である。まず、駆動ユニット試験装置1が試験対象とする供試体70について説明する。
【0035】
(供試体)
図3及び
図4に示すように、供試体70は、駆動モータなどの駆動源から駆動力が入力される入力軸71と、駆動ユニットEと、供試体70から一方向及び該一方向と反対方向に延びる出力軸である第1出力軸73及び第2出力軸74とを有している。
【0036】
駆動ユニットEは、供試体70の入力軸71に入力された駆動力を変速して、第1出力軸73及び第2出力軸74に出力する。
【0037】
図3に示す供試体701は、高出力の駆動システムの駆動ユニットEを含む。よって、以下では、供試体701は、高出力型の供試体とも呼ぶ。供試体701の入力軸71と第1出力軸73とは、平行であり、それらの間隔はD1である。
【0038】
また、
図4に示す供試体702は、低出力の駆動システムの駆動ユニットEを含む。よって、以下では、供試体702は、低出力型の供試体とも呼ぶ。供試体702の入力軸71と第1出力軸73とは、平行であり、それらの間隔はD2である。
【0039】
なお、間隔D1は、間隔D2よりも大きい。
【0040】
以下において、高出力型の供試体701及び低出力型の供試体702を特に区別する必要がない場合は、総称的に供試体70と称する。
【0041】
(駆動ユニット試験装置)
駆動ユニット試験装置1は、
図1及び
図2に示すように、出力側負荷装置50と、入力側負荷装置10と、供試体70を設置可能な取付架台90を有する供試体取付部80と、ベース部60と、試験制御部100とを有する。
【0042】
(出力側負荷装置)
出力側負荷装置50は、第1出力ダイナモメータ51と、第2出力ダイナモメータ52と、第1出力トルク計53と、第2出力トルク計54とを有する。
【0043】
第1出力ダイナモメータ51は、ダイナモメータ本体51aと回転軸51bとを有する。第2出力ダイナモメータ52は、ダイナモメータ本体52aと回転軸52bとを有する。
【0044】
第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52は、供試体70から出力されるトルクを吸収する。詳しくは、第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52は、供試体70の負荷として機能する。第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52は、従来のダイナモメータと同様の構成であるため、ダイナモメータの詳しい構成の説明を省略する。
【0045】
第1出力トルク計53は、第1出力ダイナモメータ51の回転軸51bと供試体70の第1出力軸73との間に配置され、トルクを検出する。第2出力トルク計54は、第2出力ダイナモメータ52の回転軸52bと供試体70の第2出力軸74との間に配置され、トルクを検出する。第1出力トルク計53及び第2出力トルク計54は、トルクを検出しない際には設けなくてもよい。
【0046】
(入力側負荷装置)
入力側負荷装置10は、第1入力ダイナモメータ11と、第1入力トルク計13と、第2入力ダイナモメータ12と、第2入力トルク計14とを有する。
【0047】
第1入力ダイナモメータ11は、
図2~
図4に示すように、ダイナモメータ本体11aと、回転軸11bとを有する。
【0048】
第1入力ダイナモメータ11は、高出力型の供試体701の試験において、高出力の駆動モータを模擬する。このため、第1入力ダイナモメータ11は、高出力の駆動モータを模擬するための所定の最大駆動力を出力可能である。なお、高出力型の供試体701の試験の詳細については後述する。また、第1入力ダイナモメータ11は、従来のダイナモメータと同様の構成であるため、詳しい構成の説明を省略する。
【0049】
第1入力トルク計13は、第1入力ダイナモメータ11の回転軸11bと供試体701の入力軸71との間に配置され、トルクを検出する。
【0050】
第2入力ダイナモメータ12は、
図2~
図4に示すように、ダイナモメータ本体12aと、第2入力ダイナモメータの回転軸12bとを有する。
【0051】
第2入力ダイナモメータ12は、低出力型の供試体702の試験において、低出力の駆動モータを模擬する。このため、第2入力ダイナモメータ12は、低出力の駆動モータを模擬するため、第1入力ダイナモメータ11の最大駆動力よりも小さい最大駆動力を出力可能である。なお、低出力型の供試体702の試験の詳細については後述する。また、第2入力ダイナモメータ12は、従来のダイナモメータと同様の構成であるため、詳しい構成の説明を省略する。
【0052】
第2入力トルク計14は、第2出力ダイナモメータの回転軸12bと供試体702の入力軸71との間に配置され、トルクを検出する。
【0053】
第1入力トルク計13及び第2入力トルク計14は、トルクを検出しない際には設けなくてもよい。
【0054】
(供試体取付部)
供試体取付部80は、供試体70を設置可能な空間である。すなわち、供試体取付部80は、第1入力ダイナモメータ11と第2入力ダイナモメータ12との間の空間と、第1出力ダイナモメータ51と第2出力ダイナモメータ52との間の空間とを含んでいる。なお、供試体取付部80の前記空間は、試験を行う供試体70の大きさに合わせて変化する。
【0055】
供試体取付部80は、第1出力ダイナモメータ51と第2出力ダイナモメータ52との間に位置する。また、供試体取付部80は、第1入力ダイナモメータ11と第2入力ダイナモメータ12との間に位置する。
【0056】
供試体取付部80は、供試体70が設置される取付架台90を有する。取付架台90は、供試体70が設置される架台である。取付架台90は、供試体70を固定可能な構成であれば、どのような構成を有していてもよい。
【0057】
(ベース部)
ベース部60は、前述した出力側負荷装置50、入力側負荷装置10及び取付架台90を設置可能な板状の部材である。ベース部60は、出力側負荷装置50、入力側負荷装置10及び取付架台90を固定可能な構成であれば、どのような構成を有していてもよい。
【0058】
(出力側負荷装置及び入力側負荷装置の位置関係)
第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52は、特に
図2に示すように、平面視で供試体取付部80を挟んで第1出力ダイナモメータの回転軸51bと第2出力ダイナモメータの回転軸52bとが対向するように配置される。
【0059】
以下の説明では、第1出力ダイナモメータの回転軸51b及び第2出力ダイナモメータの回転軸52bの軸線を、出力回転軸線P0と称する。
【0060】
図3、
図4に示す例では、第1出力ダイナモメータ51は、供試体70から一方向に延びる第1出力軸73に対して駆動連結されている。第2出力ダイナモメータ52は、供試体70から前記一方向と反対方向に延びる第2出力軸74に対して駆動連結されている。
【0061】
すなわち、第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52は、出力回転軸線P0上の供試体の第1出力軸73及び第2出力軸74に対して、出力回転軸線P0と同一線上で第1出力ダイナモメータの回転軸51b及び第2出力ダイナモメータの回転軸52bによって駆動連結可能な位置に配置されている。
【0062】
以下において、第1入力ダイナモメータの回転軸11bの軸線を第1入力軸線P1と称する。また、第2入力ダイナモメータの回転軸12bの軸線を第2入力軸線P2と称する。出力回転軸線P0と、第1入力軸線P1及び第2入力軸線P2とは、互いに平行である。
【0063】
第1入力ダイナモメータ11は、供試体取付部80に対して第1出力ダイナモメータ51側に配置されている。第1入力ダイナモメータ11は、回転軸11bが供試体取付部80に向かって延びるように配置されている。
【0064】
第1入力ダイナモメータ11は、平面視で出力回転軸線P0に対して出力回転軸線P0に直交する方向の一方(
図2におけるY1側)に位置し、供試体の入力軸71に対して駆動連結可能に配置されている。
【0065】
具体的には、
図3に示すように、第1入力軸線P1及び出力回転軸線P0は、平行であり且つそれらの間隔が、高出力型の供試体701の入力軸及び出力軸の軸間距離である、間隔D1になるように配置されている。また、平面視において、第1入力ダイナモメータ本体11aの外径は、d1である。間隔D1は、d1/2よりも大きい。
【0066】
図3に示すように、駆動ユニット試験装置1において、高出力型の供試体701を試験する際には、高出力の駆動モータを模擬する第1入力ダイナモメータ11を用いる。すなわち、供試体701の入力軸71が、第1入力ダイナモメータの回転軸11bに駆動連結される。また、供試体701の一方向に延びる第1出力軸73は、第1出力ダイナモメータの回転軸51bに駆動連結される。供試体701の前記一方向と反対方向に延びる第2出力軸74は、第2出力ダイナモメータの回転軸52bに駆動連結される。
【0067】
また、第2入力ダイナモメータ12は、供試体取付部80に対して第2出力ダイナモメータ52側に配置される。第2入力ダイナモメータ12は、回転軸12bが供試体取付部80に向かって延びるように配置されている。
【0068】
第2入力ダイナモメータ12は、平面視で出力回転軸線P0に対して出力回転軸線P0に直交する方向の他方(
図2におけるY2側)に位置し、供試体の入力軸71に対して駆動連結可能に配置されている。
【0069】
具体的には、
図4に示すように、第2入力軸線P2及び出力回転軸線P0は、平行であり且つそれらの間隔が、低出力型の供試体702の入力軸及び出力軸の軸間距離である、D2になるように配置されている。また、平面視において、第2入力ダイナモメータ12のダイナモメータ本体12aの外径はd2である。間隔D2は、d2/2よりも大きい。
【0070】
図4に示すように、駆動ユニット試験装置1において、低出力型の供試体702を試験する際には、低出力の駆動モータを模擬する第2入力ダイナモメータ12を用いる。すなわち、供試体702の入力軸71が、第2入力ダイナモメータの回転軸12bに駆動連結されている。また、供試体702の一方向に延びる第1出力軸73は、第2出力ダイナモメータの回転軸52bに駆動連結されている。供試体702の前記一方向と反対方向に延びる第2出力軸74は、第1出力ダイナモメータの回転軸51bに駆動連結されている。
【0071】
さらに言えば、駆動ユニット試験装置1において、低出力型の供試体702を試験する際には、供試体702の設置姿勢が、高出力型の供試体701を試験する際の供試体701の設置姿勢に対して、平面視で180°回転している。すなわち、供試体702の第1出力軸73及び第2出力軸74の連結方向は、高出力型の供試体701の試験における供試体701の第1出力軸73及び第2出力軸74の連結方向に対して平面視で180°回転している。供試体701の第1出力軸73及び第2出力軸74の軸線を供試体出力軸線Qとすると、供試体出力軸線Q及び出力回転軸線P0が同一線上に位置している。よって、上述のように供試体70の設置姿勢を平面視で180°回転させた状態であっても、駆動ユニット試験装置1に供試体70を設置できる。
【0072】
駆動ユニット試験装置1では、第1軸間距離は、高出力型の供試体701における入力軸71と第1出力軸73との軸間距離である間隔D1に対応している。また、第2軸間距離は、低出力型の供試体702における入力軸71と第1出力軸73との軸間距離である間隔D2に対応している。前記第1軸間距離は、前記第2軸間距離よりも大きい。
【0073】
すなわち、平面視で出力回転軸線P0の直交方向において、第1入力軸線P1と出力回転軸線P0との間隔である第1軸間距離は、第2入力軸線P2と出力回転軸線P0との間隔である第2軸間距離と異なっている。より具体的には、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12は、第1入力ダイナモメータの回転軸線(第1入力軸線P1)と出力回転軸線P0との間隔である第1軸間距離と、第2入力ダイナモメータの回転軸線(第2入力軸線P2)と出力回転軸線P0との間隔である第2軸間距離とが異なるように、平面視で供試体取付部80を挟んで出力回転軸線P0に対して直交する方向の一方と他方とに配置されている。
【0074】
上述の構成を有する駆動ユニット試験装置1において、
図3及び
図4に示すように、入力軸71と出力軸73との軸間距離が異なる高出力型の供試体701と低出力型の供試体702とを、供試体取付部80に対してそれらの設置姿勢を平面視で180°回転させて配置して、第1入力ダイナモメータ11または第2入力ダイナモメータ12の一方を供試体701,702の入力軸71に駆動連結できる。
【0075】
よって、試験装置を構成する要素(ダイナモメータ及びトルク計等の機器類、並びに設置台等を含む)のレイアウト変更を行うことなく、特許文献1に開示されているような延長シャフトを用いずに、入力軸と出力軸との距離が異なる複数種類の供試体を容易に試験可能である。
【0076】
また、駆動ユニット試験装置1において、第1入力ダイナモメータ11が有する最大駆動力は、前記第2入力ダイナモメータ12が有する最大駆動力と異なる。
【0077】
上述の通り、駆動システムとして、駆動モータの出力に応じて、出力が異なる複数種類の駆動システムが存在する。一般的に前記駆動モータは、出力が高くなると外径寸法が大きくなる。
【0078】
すなわち、高出力の駆動モータは、低出力の駆動モータに比べて外径寸法が大きいため、低出力の駆動モータに比べて、平面視で回転軸と駆動モータ本体外周面との間隔が大きい。よって、高出力の駆動ユニットEにおける入力軸と出力軸との軸間距離は、低出力の駆動ユニットEにおける入力軸と出力軸との軸間距離よりも大きい。
【0079】
よって、高出力型の供試体701における入力軸71と出力軸73との軸間距離は、低出力型の供試体702における入力軸71と出力軸73との軸間距離よりも大きい。このように、供試体70は、供試体70が要求する駆動力に応じて駆動モータの大きさが異なり、入力軸71と出力軸73との軸間距離が異なっている。
【0080】
駆動ユニット試験装置1においても、駆動モータを模擬する入力ダイナモメータのサイズは、最大駆動力に応じてサイズが異なる。また、駆動モータを模擬する入力ダイナモメータの最大駆動力は、供試体が要求する駆動力に応じて変える必要がある。
【0081】
よって、最大駆動力が異なる第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12を用いるとともに、第1入力ダイナモメータ11の第1入力軸線P1と出力回転軸線P0との間隔D1が第2入力ダイナモメータ12の第2入力軸線P2と出力回転軸線P0との間隔D2と異なることにより、第1入力ダイナモメータ11及び前記第2入力ダイナモメータ12のレイアウトを変更することなく、要求駆動力が異なる複数種類の供試体を、駆動ユニット試験装置1によって容易に試験を行うことができる。
【0082】
これに加えて、駆動ユニット試験装置1は、供試体70の種類に応じて、入力ダイナモメータの入力軸線と出力ダイナモメータの出力軸線との間隔が異なる新たな駆動ユニット試験装置を用意する必要がないので、駆動ユニット試験装置の導入コストを低減できる。また、複数の駆動ユニット試験装置の設置スペースを設ける必要がない。
【0083】
(試験制御部)
駆動ユニット試験装置1は、試験制御部100を有する。試験制御部100は、駆動ユニット試験装置1の駆動を制御することにより、駆動ユニット試験装置1による試験を制御する。
【0084】
図5は、
図1に示す駆動ユニット試験装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、駆動ユニット試験装置1の試験制御部100は、電源供給装置151と、第1出力ダイナモメータインバータ盤153と、第2出力ダイナモメータインバータ盤154と、入力ダイナモメータインバータ盤152と、切替部110とを有する。
【0085】
電源供給装置151は、電力系統からの電力を制御することにより、第1出力ダイナモメータインバータ盤153、第2出力ダイナモメータインバータ盤154及び入力ダイナモメータインバータ盤152の駆動を制御する。
【0086】
入力ダイナモメータインバータ盤152は、切替部110を介して、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12と電気的に接続されている。入力ダイナモメータインバータ盤152は、切替部110によって選択された接続先のダイナモメータに供給する電力を制御することにより、前記接続先のダイナモメータの駆動を制御する。
【0087】
第1出力ダイナモメータインバータ盤153は、第1出力ダイナモメータ51に供給する電力を制御することにより、第1出力ダイナモメータ51の駆動を制御する。第2出力ダイナモメータインバータ盤154は、第2出力ダイナモメータ52に供給する電力を制御することにより、第2出力ダイナモメータ52の駆動を制御する。
【0088】
切替部110は、入力ダイナモメータインバータ盤152の接続先を切り替えると共に、入力ダイナモメータインバータ盤152の接続先に応じて第1入力トルク計13及び第2入力トルク計14の動作を制御する。なお、切替部110の詳細については後述する。
【0089】
(切替部)
上述のように、駆動ユニット試験装置1は、切替部110を有する。切替部110は、入力ダイナモメータ切替部111及び計測器切替部112を含む。
【0090】
入力ダイナモメータ切替部111は、入力ダイナモメータインバータ盤152による駆動制御の対象を、第1入力ダイナモメータ11または第2入力ダイナモメータ12に切り替える。
【0091】
すなわち、入力ダイナモメータ切替部111は、入力ダイナモメータインバータ盤152によって駆動制御されるダイナモメータを切り替えることにより、第1入力ダイナモメータ11または第2入力ダイナモメータ12を駆動させることができる。
【0092】
これにより、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12のうち使用しないダイナモメータを休止状態にすることができる。
【0093】
計測器切替部112は、入力ダイナモメータ切替部111の接続先に応じて第1入力トルク計13及び第2入力トルク計14の動作を切り替える。
【0094】
上述の構成により、第1入力ダイナモメータ11または第2入力ダイナモメータ12の一方を使用して、複数種類の供試体70を試験可能である。よって、各入力ダイナモメータに対応する個別のインバータ盤が不要になる。したがって、駆動ユニット試験装置の製造コストの低減及び小型化を図れる。
【0095】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0096】
前記実施形態では、駆動ユニット試験装置1は、試験装置を構成する要素(ダイナモメータ及びトルク計等の機器類、並びに設置台等を含む)を移動するための機構を備えていない。しかしながら、駆動ユニット試験装置は試験装置を構成する前記要素を移動するための移動機構130を備えていてもよい。
【0097】
図6に示すように、駆動ユニット試験装置1001は、移動機構130を有していてもよい。移動機構130は、出力側負荷装置50を移動させる出力移動機構135、入力側負荷装置10を移動させる入力移動機構131、及び供試体70を移動させる供試体移動機構137のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0098】
駆動ユニット試験装置1001は、入力側負荷装置10のうち、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12の少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる入力ダイナモメータ移動機構をさらに有していてもよい。すなわち、入力移動機構131は、前記入力ダイナモメータ移動機構を含んでいてもよい。
【0099】
駆動ユニット試験装置1001は、出力側負荷装置50のうち、第1出力ダイナモメータ51及び第2出力ダイナモメータ52の少なくとも一方を、水平方向及び上下方向の少なくとも一方に移動させる出力ダイナモメータ移動機構をさらに有していてもよい。すなわち、出力移動機構135は、前記出力ダイナモメータ移動機構を含んでいてもよい。
【0100】
移動機構130は、移動台を水平方向及び上下方向に移動可能な構成であれば、どのような構成を有していてもよい。前記移動台を移動させる構成としては、公知の構成を利用することができる。例えば、移動台を水平方向に移動させる構成は、移動台の下に設置したレールに沿わせて移動台を水平移動させる構成、移動台の下に設置したキャスターによって移動台を水平移動させる構成などであってもよい。例えば、移動台を上下方向に移動させる構成は、移動台の下に設置されたジャッキ構造などを利用して、移動台を上下移動させる構成であってもよい。移動機構130は、ベース部自体を移動させる構成を有していてもよいし、ベース部上で前記移動台を移動させる構成を有していてもよい。
【0101】
これにより、駆動ユニット試験装置1001は、第1入力ダイナモメータ11、第2入力ダイナモメータ12、第1出力ダイナモメータ51、第2出力ダイナモメータ52、及び供試体70のうち少なくとも1つの位置を調整可能である。
【0102】
よって、駆動ユニット試験装置1001は、供試体取付部80、出力ダイナモメータ51,52及び入力ダイナモメータ11,12と供試体70との相対位置を調整できる。
【0103】
しかも、供試体70がモータを含む場合には、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12を供試体取付部80から離れる方向に移動させることにより、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12が供試体70と干渉するのを防止できる。
【0104】
これに加えて、駆動ユニット試験装置1001は、移動機構130によって、供試体から一方向及び該一方向と反対方向に延びる出力軸が同一線上に位置しない、別の種類の供試体であっても、前記別の種類の供試体を駆動ユニット試験装置1001に設置可能である。これにより、駆動ユニット試験装置の汎用性を向上できる。
【0105】
したがって、上述の構成により、より多くの種類の供試体を試験可能な駆動ユニット試験装置が得られる。
【0106】
また、前記実施形態では、供試体70は、例えば、電気自動車等の車両で使用される駆動システムの一部である。しかしながら、供試体は、入力軸及び一対の出力軸を備えていれば、ガソリンエンジン車で使用される駆動ユニットの一部であってもよい。また、供試体は、別途インバータを備えていてもよい。また、供試体は、変速機を備えていなくてもよい。また、供試体は、差動装置を備えていてもよいし、差動装置を備えていなくてもよい。
【0107】
前記実施形態では、駆動ユニット試験装置1は、供試体70を設置可能な取付架台90を有している。しかしながら、駆動ユニット試験装置は、取付架台を有していなくてもよく、供試体がベース部に直接固定されていてもよい。また、駆動ユニット試験装置は、出力側負荷装置及び入力側負荷装置のうち少なくとも一方を設置可能な取付架台を有していてもよい。
【0108】
前記実施形態では、駆動ユニット試験装置1において、出力回転軸線P0、第1入力軸線P1、第2入力軸線P2は互いに平行である。しかしながら、出力回転軸線及び入力軸線は、厳密に平行でなくても良い。すなわち、出力回転軸線及び入力軸線は、交差しない場合だけでなく、延長線上で交差するように、一方が他方に対して交差する方向に延びている場合も含んでいてもよい。
【0109】
前記実施形態では、第1入力ダイナモメータ11及び第2入力ダイナモメータ12は異なる最大駆動力を有している。しかしながら、第1入力ダイナモメータ及び第2入力ダイナモメータは、同じ最大駆動力を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、駆動源が発生する駆動力を第1出力軸及び第2出力軸に出力する駆動ユニットを含む供試体を試験する駆動ユニット試験装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 駆動ユニット試験装置
10 入力側負荷装置
11 第1入力ダイナモメータ
11a 第1入力ダイナモメータ本体
11b 第1入力ダイナモメータの回転軸
12 第2入力ダイナモメータ
12a 第2入力ダイナモメータ本体
12b 第2入力ダイナモメータの回転軸
13 第1入力トルク計
14 第2入力トルク計
50 出力側負荷装置
51 第1出力ダイナモメータ
51a 第1出力ダイナモメータ本体
51b 第1出力ダイナモメータの回転軸
52 第2出力ダイナモメータ
52a 第2出力ダイナモメータ本体
52b 第2出力ダイナモメータの回転軸
53 第1出力トルク計
54 第2出力トルク計
60 ベース部
70,701,702 供試体
71 供試体の入力軸
73 供試体の出力軸(第1出力軸)
74 供試体の出力軸(第2出力軸)
80 供試体取付部
90 取付架台
100 試験制御部
110 切替部
111 入力ダイナモメータ切替部
112 計測器切替部
151 電源供給装置
152 入力ダイナモメータインバータ盤
153 第1出力ダイナモメータインバータ盤
154 第2出力ダイナモメータインバータ盤
1001 駆動ユニット試験装置
130 移動機構
131 入力移動機構
135 出力移動機構
137 供試体移動機構
E 駆動ユニット
Q 供試体出力軸線
P0 出力回転軸線
P1 第1入力ダイナモメータの回転軸線(第1入力軸線)
P2 第2入力ダイナモメータの回転軸線(第2入力軸線)