(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030757
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】測定波形表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B30B 15/28 20060101AFI20240229BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B30B15/28 K
B30B15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133857
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 椋介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 佑介
(72)【発明者】
【氏名】寺川 智道
(72)【発明者】
【氏名】中谷 京治
【テーマコード(参考)】
4E088
4E089
【Fターム(参考)】
4E088JJ02
4E088JJ09
4E088JJ10
4E089GA02
4E089GB10
4E089GC01
4E089GC04
4E089GC05
4E089GC10
(57)【要約】
【課題】不良品の要因等を適切に分析するのに適した測定波形表示装置を提供する。
【解決手段】測定値データの複数項目のうち表示対象の項目を選択可能に表わした項目選択欄(922)と、プレスサイクルの開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から時間軸の基準点を選択可能に表した基準点選択欄(928)とを含む、条件選択画面(SR1)を表示する条件表示手段と、条件選択画面の項目選択欄および基準点選択欄のそれぞれから、表示対象の項目および基準点の選択を受け付ける条件選択手段と、基準点選択欄で選択された基準点を時間軸の基準として、項目選択欄で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示するグラフ表示手段とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機に搭載されたセンサ類によって検出された測定値データに応じて、プレスサイクル単位で測定波形をグラフ表示する測定波形表示装置であって、
前記センサ類によって検出された複数項目の測定値データを含む、複数サイクル分の測定ファイルを取得する取得手段と、
前記複数項目のうち表示対象の項目を選択可能に表わした項目選択欄と、プレスサイクルの開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から時間軸の基準点を選択可能に表した基準点選択欄とを含む、条件選択画面を表示する条件表示手段と、
前記条件選択画面の前記項目選択欄および前記基準点選択欄のそれぞれから、前記表示対象の項目および前記基準点の選択を受け付ける条件選択手段と、
前記基準点選択欄で選択された基準点を時間軸の基準として、前記項目選択欄で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示するグラフ表示手段とを備える、測定波形表示装置。
【請求項2】
前記複数の基準点候補は、任意に設定した閾値を越えた時点をさらに含む、請求項1に記載の測定波形表示装置。
【請求項3】
前記条件選択画面は、前記プレス機のワークの品番を選択可能に表わした品番選択欄、および、前記プレス機によるワークの配置パターンを選択可能に表わしたパターン選択欄の少なくとも一方をさらに含む、請求項1に記載の測定波形表示装置。
【請求項4】
前記グラフ表示手段に表示された前記複数サイクル分の測定波形の一部がユーザの操作により範囲指定されたことに応じて、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルのファイル識別情報をリスト表示するリスト表示手段をさらに備える、請求項1に記載の測定波形表示装置。
【請求項5】
前記グラフ表示手段に表示された前記複数サイクル分の測定波形の一部がユーザの操作により範囲指定されたことに応じて、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルを抽出し、抽出した測定ファイルを一括出力する抽出手段をさらに備える、請求項1に記載の測定波形表示装置。
【請求項6】
前記条件選択画面は、前記グラフ表示手段による表示対象の期間を入力するための期間入力欄と、前記期間入力欄に入力した期間に含まれる前記測定ファイルの個数を表示する個数表示欄とをさらに含む、請求項1に記載の測定波形表示装置。
【請求項7】
プレス機に搭載されたセンサ類によって検出された複数項目の測定値データを含む、複数サイクル分の測定ファイルを取得するステップと、
前記複数項目のうち表示対象の項目を選択可能に表わした項目選択欄と、プレスサイクルの開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から時間軸の基準点を選択可能に表した基準点選択欄とを含む、条件選択画面を表示するステップと、
前記条件選択画面の前記項目選択欄および前記基準点選択欄のそれぞれから、前記表示対象の項目および前記基準点の選択を受け付けるステップと、
前記基準点選択欄で選択された基準点を時間軸の基準として、前記項目選択欄で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示するステップとをコンピュータに実行させる、測定波形表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定波形表示装置およびプログラムに関し、特に、プレス機に搭載されたセンサ類によって検出された測定値データに応じて、プレスサイクル単位で測定波形をグラフ表示する測定波形表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鍛造プレス装置は、PLCによる制御の下、プレス機のクランク軸を回転駆動してスライドを昇降動作させることにより、ワークを連続的にプレス加工して成形品を製造する。このようなプレス装置においては、特開2019-13976号公報(特許文献1)に示されるように、プレス機の運転状況を検出する複数のセンサ類からの情報(測定値データ)を得て、モニタリングPCに常時、測定波形をグラフ表示することが従来から行われている。また、特許文献1では、PLCが、予め設定した初期正常状態と計測した運転状況とを比較して、プレス機の故障を予測する技術も提案されている。
【0003】
また、成形機における測定値データをグラフ表示するという観点では、たとえば特開2003-200456号公報(特許文献2)に示されるように、射出成形機における複数の工程についての測定波形を別領域に同時に表示することで、因果関係を把握できるようにする技術も存在する。特許文献2では、それぞれの領域に表示される波形の表示開始タイミングを共通化できる(選択できる)ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-13976号公報
【特許文献2】特開2003-200456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、モニタリングPCに複数項目の測定値データを常時、時間軸に沿った波形としてグラフ表示することにより、作業者は、運転状況の変化の有無(正常か否か)を即座に確認することができるものの、1サイクル分の測定波形を見ただけで運転状況の微妙な変化まで確認することは困難である。
【0006】
運転状況の微妙な変化を確認できるようにするためには、共通の項目の測定波形を重ねてグラフ表示することが考えられるが、共通の時間軸に沿って単純に複数の測定波形を重ね合わせて表示するだけでは、直感的に測定波形の形状が異常かどうかを判断することができない。そのため、従来は、不良品の要因等を適切に分析することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、不良品の要因等を適切に分析するのに適した測定波形表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う測定波形表示装置は、プレス機に搭載されたセンサ類によって検出された測定値データに応じて、プレスサイクル単位で測定波形をグラフ表示する測定波形表示装置であって、取得手段と、条件表示手段と、条件選択手段と、グラフ表示手段とを備える。取得手段は、センサ類によって検出された複数項目の測定値データを含む、複数サイクル分の測定ファイルを取得する。条件表示手段は、複数項目のうち表示対象の項目を選択可能に表わした項目選択欄と、プレスサイクルの開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から時間軸の基準点を選択可能に表した基準点選択欄とを含む、条件選択画面を表示する。条件選択手段は、条件選択画面の項目選択欄および基準点選択欄のそれぞれから、表示対象の項目および基準点の選択を受け付ける。グラフ表示手段は、基準点選択欄で選択された基準点を時間軸の基準として、項目選択欄で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示する。
【0009】
好ましくは、複数の基準点候補は、任意に設定した閾値を越えた時点をさらに含む。
【0010】
好ましくは、条件選択画面は、プレス機のワークの品番を選択可能に表わした品番選択欄、および、プレス機によるワークの配置パターンを選択可能に表わしたパターン選択欄の少なくとも一方をさらに含む。
【0011】
測定波形表示装置は、グラフ表示手段に表示された複数サイクル分の測定波形の一部がユーザの操作により範囲指定されたことに応じて、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルのファイル識別情報をリスト表示するリスト表示手段をさらに備えることが望ましい。
【0012】
また、測定波形表示装置は、グラフ表示手段に表示された複数サイクル分の測定波形の一部がユーザの操作により範囲指定されたことに応じて、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルを抽出し、抽出した測定ファイルを一括出力する抽出手段をさらに備えることも望ましい。
【0013】
好ましくは、条件選択画面は、グラフ表示手段による表示対象の期間を入力するための期間入力欄と、期間入力欄に入力した期間に含まれる測定ファイルの個数を表示する個数表示欄とをさらに含む。
【0014】
この発明の他の局面に従う測定波形表示プログラムは、プレス機に搭載されたセンサ類によって検出された複数項目の測定値データを含む、複数サイクル分の測定ファイルを取得するステップと、複数項目のうち表示対象の項目を選択可能に表わした項目選択欄と、プレスサイクルの開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から時間軸の基準点を選択可能に表した基準点選択欄とを含む、条件選択画面を表示するステップと、条件選択画面の項目選択欄および基準点選択欄のそれぞれから、表示対象の項目および基準点の選択を受け付けるステップと、基準点選択欄で選択された基準点を時間軸の基準として、項目選択欄で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数サイクル分の測定波形を重ねて表示する際の時間軸の基準点を、複数の基準点候補から選択できるので、重ねて表示された複数の測定波形の形状の一致/不一致等を視覚的に判断することができる。これにより、直感的に測定波形の形状が異常かどうかを判定することができるので、不良品の要因等を適切に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態における鍛造プレス装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるプレス機に搭載されたセンサ類の具体例を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるプレス機が多段式のプレス機である例を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る測定波形表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態において表示部に表示される条件選択画面およびグラフ表示画面の具体例を示す図である。
【
図6】通常基準および下死点基準のそれぞれでスライド位置の測定データをグラフ表示した場合における測定波形の重なりの違いを示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る測定波形表示装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図7のステップS6での選択例を示す画面図である。
【
図9】グラフの時間軸を通常基準、下死点基準、任意基準とした場合における荷重値の測定波形の表示例を示す図である。
【
図10】グラフの時間軸を通常基準、下死点基準、任意基準とした場合におけるクラッチ二次側圧の測定波形の表示例を示す図である。
【
図11】本発明の実施の形態におけるリスト表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
本実施の形態に係る測定波形表示装置は、鍛造プレス装置のプレス機に搭載されたセンサ類によって検出された測定値データに応じて、プレスサイクル単位で測定波形をグラフ表示する。
【0019】
<鍛造プレス装置の概略構成>
はじめに、
図1および
図2を参照して、鍛造プレス装置10の概略構成について説明する。
図1に示されるように、鍛造プレス装置10は、ワークである材料をプレス加工するプレス機11と、プレス機11の運転を制御するPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)40とを主に備えている。鍛造プレス装置10は、熱間鍛造によりワークを加工する装置である。
【0020】
図2に示されるように、プレス機11は、フレーム3内の上下に対向するように設けられたスライド1およびボルスタ2を備えている。プレス機11は、クランク軸4を回転駆動させることにより、コンロッド5に連結されたスライド1が昇降動作するように構成されている。クランク軸4の一端側には、メインモータ6でベルト7によって回転駆動されるフライホイール8が、クラッチ9を介して接続されている。クランク軸4の他端側には、クランク軸4の回転を止めてスライド1を停止させるブレーキ装置12が取り付けられている。プレス機11は、メインモータ6でフライホイール8を一定速度で回転駆動し、クラッチ9を入りとして、フライホイール8の回転をクランク軸4に伝達することによってスライド1を昇降させて、ボルスタ2上に載置されたワークを鍛造する。
【0021】
ワークは、ボルスタ2上に設置された下型(図示せず)とスライド1の下端に設置された上型(図示せず)とを含む金型のパターンに応じた大きさおよび形状に加工され、最終製品となる。「金型」とは、鍛造に使用される型を意味する。金型は、典型的には特殊鋼により形成される。
【0022】
なお、プレス機11は、複数工程を経てワークを加工する多段式のプレス機であってもよい。つまり、
図3に示されるように、プレス機11に、複数(たとえば3つ)の金型51~53が搭載されていてもよい。ワークWは、金型51による第1工程、金型52による第2工程、金型53による第3工程を経て、最終製品に成型される。以下の説明において、金型51~53を区別する必要がない場合には、これらを「金型50」と表現する。
【0023】
本実施の形態における鍛造プレス装置10は、(連続運転を行う)プレス機11の運転状況を検出するために、以下に示すような複数のセンサ類を備えている。つまり、以下のセンサ類が、プレス機11に搭載されている。
・荷重センサ20:ワークに加わる荷重を検知する。たとえば、フレーム3の歪みを検出する歪みゲージで構成される。
・角度センサ21:クランク軸4の回転角度(プレス角度)を検出することによって、スライド1の位置、および、スライド1の速度(ストローク)および加速度を検知する。
・ブレーキ緩み圧センサ22:ブレーキ装置12の緩み圧を検出する。
・クラッチ圧センサ23:クラッチ9の圧力を検出する。
・クラッチタンク圧センサ24:クラッチ9を駆動する作動油の圧力を検出する。
・ブレーキタンク圧センサ25:ブレーキ装置12の冷却水の圧力を検出する。
・冷却水流量センサ26:ブレーキ装置12の冷却水の流量を検出する。
・BKO位置変位センサ27:プレス機11の下ノックアウト装置の位置(BKO位置)を検出する。
・SKO位置変位センサ28:上ノックアウト装置の位置(SKO位置)を検出する。
・測温抵抗体29:プレス機11の各部温度を検出する。
・潤滑液流量センサ30:金型50を潤滑する潤滑液の流量を検出する。
・エアブロー圧力センサ31:プレス機11に供給される高圧エアの圧力を検出する。
・材料温度センサ32:プレス機11に供給される材料の温度を検出する。
・ダイハイト変位センサ33:プレス機11のダイハイト(ボルスタ2とスライド1の下死点位置との間隔)を検出する。
・型温度センサ34:金型50の温度を検出する。
・フレーム振動計35:たとえば加速度センサにより構成され、フレーム3の振動を検出する。たとえば左側の支柱3cに設けられた振動計35からの信号に基づいて「フレーム上流側振動」を検出し、右側の支柱3dに設けられた振動計35からの信号に基づいて「フレーム下流側振動」を検出する。
・モータ速度センサ36:メインモータ6の回転軸の回転角度を検出することによって、メインモータ6の速度(実速度)を検知する。
・モータ振動計37:たとえば加速度センサにより構成され、メインモータ6の振動を検出する。たとえばメインモータ6本体に設けられた振動計37からの信号に基づいて「モータ本体側側振動」を検出し、メインモータ6に取り付けられ、軸受振動を検出する振動計37からの信号に基づいて「モータ負荷側振動」を検出する。
【0024】
本実施の形態では、上述の荷重センサ20が、フレーム3のいずれか一つの支柱(たとえば支柱3c)に取り付けられている。また、フレーム3の左右の支柱3c,3dに一つずつ振動計35が取り付けられている。支柱3c,3dの一方(支柱3c)は、金型よりも搬送方向上流側に位置し、支柱3c,3dの他方(支柱3d)は、金型よりも搬送方向下流側に位置している。各振動計35は、自身が取り付けられた支柱3c,3dの略水平方向(前後方向または左右方向)の振動を検出する。なお、フレーム3の正面側の支柱3a,3bに振動計35が取り付けられていてもよい。
【0025】
PLC40は、上述のセンサ類からの信号に基づいて、プレス機11の運転状況を表わす各項目の測定値(指標値)を時系列に取得し、取得した測定値データに応じた測定波形をモニタリングPC42に出力する。具体的には、プレスサイクルごとに、スライド位置、荷重、モータ速度、ブレーキ緩み圧、クラッチ2次側圧を含む複数項目の測定波形が、共通の時間軸に沿ってグラフ表示される。PLC40はまた、プレスサイクルごとに取得した複数項目の測定値データをプレス情報記憶部41に蓄積する。プレス情報記憶部41のデータ構造例については後述する。なお、測定値は、センサ類から直接得られた実測値(一次データ)であってもよいし、実測値の形式を変換して(特徴量を算出して)得られた値(二次データ)であってもよい。
【0026】
本実施の形態では、PLC40と測定波形表示装置100とがネットワークを介して接続されており、測定波形表示装置100は、プレス情報記憶部41から過去の測定値データを取得可能である。測定波形表示装置100は、ユーザインターフェイスを備えた情報処理装置であり、たとえばタブレット端末、スマートフォン、PC等により実現される。なお、
図1では、プレス情報記憶部41は、PLC40に付属する記憶装置である例が示されているが、このような例に限定されず、たとえばクラウドサーバ等により実現されてもよい。
【0027】
<測定波形表示装置の構成>
図4は、本実施の形態に係る測定波形表示装置100の構成を示すブロック図である。測定波形表示装置100は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)101と、各種データおよびプログラムを記憶するメモリ102と、ユーザからの指示を受け付ける操作部103と、各種情報を表示する表示部104と、外部装置との間でデータおよびプログラムを送受信する通信I/F(インターフェイス)105と、不揮発性の記憶装置106とを含む。なお、操作部103および表示部104は一体的に設けられ、タッチパネル107を構成していてもよい。
【0028】
図4には、プロセッサとしてのCPU101の機能構成がさらに示されている。CPU101は、その機能として、取得部111と、表示制御部112と、抽出部113とを含む。
【0029】
取得部111は、プレス情報記憶部41に蓄積されている過去の測定値データを取得する。具体的には、プレス情報記憶部41から、複数項目の測定値データを含む、複数の測定ファイルFを取得する。あるいは、事前に記憶装置106等に記録しておいた複数の測定ファイルFの全部または一部を読み出す処理を実行する。このように、本明細書における「取得」とは、読み出すという意味を含む。
【0030】
プレス情報記憶部41には、プレスサイクル単位で生成される複数の測定ファイルFが記憶されており、各測定ファイルFに、測定日時、金型パターン、および複数項目の測定値データが記録されている。各測定ファイルFは、ファイル識別情報(ファイルID)を見出しとしたファイル(たとえばCSVファイル)である。
【0031】
金型パターンは、対象のワークの品番およびワークパターンの両方を含むデータである。ワークの品番は、たとえば、鍛造プレス装置10によるプレス運転開始前に、PLC40に接続された入力部(図示せず)を介してユーザ(作業者または管理者)により入力される。ワークパターンは、金型51~53に対するワークの配置パターンを表わし、たとえば、鍛造プレス装置10が備えるワークパターン検知手段(図示せず)により検知される。ワークパターンは、金型51~53の全てにワークが配置されたパターン、金型51のみにワークが配置されたパターン、金型51と金型53とにワークが配置されたパターンなど、複数の配置パターンを含む。
【0032】
測定ファイルFに記録される測定値の項目は、典型的には、鍛造プレス装置10のPLC40と接続されたモニタ42に表示される項目を含む。具体的には、少なくとも、スライド位置、荷重値、モータ速度、ブレーキ緩み圧、クラッチ2次側圧を含み、金型51~53の上型、下型それぞれの潤滑液の流量をさらに含むことが望ましい。また、これらの測定値に関連する項目として、スライド速度、スライド加速度、荷重ピーク値、ダイハイト値などを含んでいてもよいし、上述のフレーム上流側振動、フレーム下流側振動、モータ本体側側振動、および、モータ負荷側振動を含んでいてもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、金型パターンのデータが、測定日時および測定値データとともに測定ファイルFに含まれることとしたが、限定的ではなく、たとえば、測定日時および測定値データを含む測定ファイルFが、金型パターンごとに生成されたフォルダ内に振り分けて格納されていてもよい。
【0034】
取得部111は、操作部103を介してユーザにより指定された期間内の測定ファイルFを、プレス情報記憶部41から取得する。
【0035】
表示制御部112は、表示部104に、条件選択画面およびグラフ表示画面を表示する制御を行う。条件選択画面は、グラフ表示画面に表示する測定波形の条件をユーザに選択(指定)させるための画面である。表示制御部112および表示部104は、条件表示手段として機能するとともに、グラフ表示手段としても機能する。条件選択画面およびグラフ表示画面の具体例が、
図5(A),(B)に示されている。
【0036】
図5(A)を参照して、条件選択画面SR1には、少なくとも、項目選択欄922と基準点選択欄928とが含まれる。項目選択欄922は、上記した複数項目のうち表示対象の項目をユーザに選択(または入力)させるための領域である。基準点選択欄928は、複数の基準点候補から、測定波形をグラフ表示する際の時間軸の基準点をユーザに選択(または入力)させるための領域である。ユーザは、操作部103を介して、項目選択欄922および基準点選択欄928のそれぞれから、表示対象の項目および基準点を選択することができる。操作部103は、条件選択手段として機能する。なお、条件選択画面SR1の詳細については後述する。
【0037】
複数の基準点候補は、少なくとも、プレスサイクルの開始時点(つまり、各測定値データの取得開始時点)および下死点を含み、望ましくは任意に設定した閾値を越えた時点をさらに含む。測定波形をグラフ表示する際、プレスサイクルの開始時点を時間軸の基準点とすることが一般的であるところ、本実施の形態では、時間軸の基準点を、下死点基準または任意点基準とすることができる。基準点選択欄928では、開始時点でグラフ表示するための「通常描写」、下死点基準でグラフ表示するための「下死点合わせ描写」、任意点基準でグラフ表示するための「任意合わせ描写」の3つの候補から1つを選択可能となっている。任意合わせ描写の選択欄の近傍には、時間軸(横軸)の基準値となる閾値、および、測定値(縦軸)の基準値となる閾値の少なくとも一方を入力するための入力欄が表示される。
【0038】
図5(B)を参照して、グラフ表示画面SR2は、波形表示領域93を含む。表示制御部112は、基準点選択欄928で選択された基準点を時間軸の基準として、項目選択欄922で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示する。なお、
図5(B)では、波形表示領域93に、スライド位置についての複数の測定波形が、開始時点を基準として、ずれることなく重なっている例を示す。この場合、複数の測定波形の下死点タイミングが一致している。
【0039】
ここで、上述のように、時間軸に沿って測定波形を表示する場合、開始時点を基準とすることが一般的であるが、PLC40においてロギングタイミング(測定値データの取得開始タイミング)がずれるケースがある。この場合、
図6(A)に誇張して示すように、スライド位置についての測定波形の位相がずれ、下死点タイミングにずれが生じる。このように下死点タイミングがずれた状態で複数の測定波形を重ね合わせると、異常な測定波形の有無を目視で確認することは困難である。
【0040】
本実施の形態では、プレス機11で重要な位置である下死点を基準として測定波形を表示することができるため、
図6(B)に示すように、ロギングタイミングのずれの影響を受けることなく、異常な測定波形の有無を目視で確認することができる。つまり、測定波形の下死点前後の形状を容易に比較することができる。
図6(B)のように下死点を過ぎてからの形状が違う場合には、たとえば荷重の違いによる速度減少の影響が出ていると判断することができる。
【0041】
表示制御部112はさらに、後述の抽出部113によって抽出された測定ファイルのファイル識別情報をリスト表示する機能を有している。
【0042】
抽出部113は、波形表示領域93に表示された複数サイクル分の測定波形の一部がユーザの操作により範囲指定されたことに応じて、取得部111が取得した複数の測定ファイルFから、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルを検索し、抽出する。また、ユーザの操作により一括出力の指示が入力されると、抽出した測定ファイルを、たとえばCSVファイルとして一括出力する。
【0043】
<測定波形表示装置の動作>
図7は、測定波形表示装置100の動作を示すフローチャートである。
図7に示す各処理は、CPU101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
図7を参照して、はじめに、CPU101の取得部111が、プレス情報記憶部41からプレス情報を読み出す(ステップS2)。具体的には、操作部103を介してユーザにより指定された期間内に測定された測定値データを含む測定ファイルを、プレス情報記憶部41から読み出し、内部メモリに一時記憶する。この処理は、たとえば、通信I/F105を介して、PLC40に測定ファイルの送信を要求することにより実現される。
【0045】
続いて、表示制御部112が、
図5(A)に示すような条件選択画面SR1を表示部104に表示する(ステップS4)。条件選択画面SR1は、期間表示領域91と、条件指定領域92A,92Bとを含む。なお、条件選択画面SR1に、ブランク状態の波形表示領域93が含まれていてもよい。
【0046】
条件選択画面SR1が表示されると、CPU101は、操作部103からの入力に基づき、グラフ表示対象を設定する(ステップS6)。グラフ表示対象は、表示項目、日付(期間)、品番、およびワークパターンにより特定される。
【0047】
ここで、条件選択画面SR1の期間表示欄911および条件指定領域92Aの詳細について説明する。期間表示領域91は、期間を表示する期間表示欄911を含む。また、この欄911に示された期間に対応する測定ファイルの一括読込を指示するための読込ボタン912と、過去に一括読込した測定ファイルの変更を指示するための変更ボタン913とを含む。なお、上記ステップS2の処理は、読込ボタン912が選択されたことに応じて実行されてもよい。
【0048】
条件指定領域92Aは、グラフ描画対象の期間(日付)を入力するための期間入力欄921と、上述の項目選択欄922と、品番を選択するための品番選択欄923と、ワークパターン(ワークの配置パターン)を選択するためのパターン選択欄924とを含むとともに、測定波形の描画開始を指示するための描画ボタン925とを含む。
【0049】
図5(A)では、項目選択欄922において選択可能な項目(表示項目)がプルダウン形式で列挙されている。ここでは、選択可能な項目(つまり、グラフの縦軸(表示軸)となる項目)としては、たとえば、スライド位置、荷重計、モータ速度、ブレーキ緩み圧、クラッチ二次側圧、金型51~53それぞれの潤滑液量(上流側、下流側)が示されている。なお、項目選択欄922において選択可能な項目は、測定ファイルFに含まれる項目の全てであってもよいし、一部であってもよい。
【0050】
条件指定領域92Aはまた、期間入力欄921で指定された期間に対応する測定ファイルF、すなわち、指定された期間内に測定された測定値データを含む測定ファイル(以下「対象ファイル」という)の個数を取得するための取得ボタン926を含む。なお、期間入力欄921への入力は必須ではなく、期間入力欄921への入力がない場合には、期間表示欄911に示された全期間を、指定された期間とみなす。取得ボタン926が指示された場合に、個数表示欄927に、対象ファイルの個数が表示される。
【0051】
品番選択欄923には、対象ファイルに含まれる品番が選択可能に表示されることが望ましい。パターン選択欄924にも、対象ファイルに含まれるワークパターンが選択可能に表示されることが望ましい。品番またはワークパターンが異なるとプレス機11の各部の挙動が異なるので、品番およびワークパターンを選択可能とすることにより、金型パターンの違いによる影響を排除することができる。つまり、プレス機11の運転状況の変化を正確に捉えることができる。なお、品番およびワークパターンの入力は任意としてもよい。
【0052】
グラフ表示対象の設定に続いて(または同時に)、CPU101は、操作部103を介して、上述の基準点選択欄928に表示された複数の基準点候補のうちの一つが指定されることにより、グラフ表示の基準点を設定する(ステップS8)。条件選択画面SR1では、条件指定領域92Bに、基準点選択欄928が含まれている。基準点選択欄928は、上述のように、開始時点でグラフ表示するための「通常描写」、下死点基準でグラフ表示するための「下死点合わせ描写」、任意点基準でグラフ表示するための「任意合わせ描写」のそれぞれに対応する3つの指定ボタンを含む。また、「任意点合わせ描画」を選択する場合に必要となる閾値(たとえば、横軸の一点を特定するための閾値(時間)、および、縦軸の一点を特定するための閾値の少なくとも一方)が入力可能となっている。任意基準の縦軸の閾値の単位は、ステップS6で選択された表示項目に応じた単位が表示されることが望ましい。
【0053】
なお、本実施の形態では、条件指定領域が、波形表示領域93を挟む2つの領域92A,92Bに分割されている例を示したが、このような例に限定されず、たとえば一つの領域に上述の選択欄や指定ボタンが表示されていてもよい。
【0054】
条件選択画面SR1において各種条件の選択を受け付けた後、描画ボタン925が指定されると、グラフ表示画面SR2の波形表示領域93に、複数サイクル分の複数の測定波形が重ねて表示される(ステップS10)。つまり、波形表示領域93に、基準点選択欄928で選択された基準点を時間軸の基準として、項目選択欄922で選択された項目についての複数サイクル分の測定波形を重ねて表示する。
【0055】
図8に示されるように、項目選択欄922において「荷重値」が選択され、品番およびワークパターンが選択された状態で、描画ボタン925が指示されたと仮定する。この表示条件で、グラフの時間軸を通常基準、下死点基準、任意基準とした場合の測定波形の表示例を
図9に示す。
【0056】
図9(A)~(C)は、グラフの時間軸の基準をそれぞれ、通常基準、下死点基準、任意基準とした場合の「荷重値」の測定波形の表示例を模式的に示す図である。荷重値のロギングタイミングにずれがある場合、通常基準とすると、
図9(A)に示すように荷重ピーク時点t1,t2がずれる可能性があるが、下死点基準とすると、
図9(B)に示すように荷重ピーク時点が一致するので、下死点基準とすることで、荷重ピーク値の不一致だけでなく、成形前波形および成形後波形のどちらがずれているか、などを正確に把握することができる。破線で示す測定波形は成形不良の製品の測定波形を示している。下死点基準とすることにより、破線で示す測定波形が、実線で示す測定波形よりも緩やかに立ち上がっていることが分かる。
【0057】
図9(B)の測定波形の立上り点を基点として成型中の荷重を比較したい場合に、
図9(C)に示すような任意基準を設定して波形を重ね合わせることができる。
図9(C)の例では、ワーク(材料)が金型に接触し始めた時点(たとえば閾値Vaを200とし、閾値Vaに達した点)Paを起点としている。破線で示す波形は、ワークが傾いている状態で成型したことにより、荷重の立ち上がり方が正常波形と異なっている。
【0058】
荷重値以外の項目についても同様に、通常基準または下死点基準とした場合にずれが生じている部分のある一点を閾値とすることで、詳細な分析が可能となる。たとえば
図10(A)~(C)には、グラフの時間軸の基準をそれぞれ、通常基準、下死点基準、任意基準とした場合の「クラッチ二次側圧」の測定波形の表示例が模式的に示されている。この例の任意基準は、下死点基準した場合にずれが生じている部分のある一点(たとえば閾値Vbを1000とし、閾値Vbに達した点)Pbを起点としている。
【0059】
再び
図7を参照して、グラフ表示画面SR2に複数の測定波形が重ねて表示された状態において、ユーザは操作部103を介して、
図11(A)に示すように測定波形の一部の範囲Rを指定することができる。範囲Rの指定は、マウスまたはタッチ操作でドラッグすることで行われる。このような範囲指定が行われた状態で、「範囲指定のリスト一覧」のボタン94が指示されることにより、ユーザからリスト表示の指示が入力されると(ステップS12にてYES)、抽出部113は、ステップS2で取得した複数の測定ファイルのうち、範囲指定された測定波形に対応する測定ファイルを検索し、抽出する(ステップS14)。そして、抽出した測定ファイルのファイル識別情報を、グラフ表示画面SR2に隣接する画面SR3またはポップアップ画面にリスト表示する(ステップS16)。
【0060】
図11(A)の画面SR3では、1つのファイル名(ファイル識別情報)が表示されている。ファイル識別情報には、測定日時(生産日時)の情報が含まれるので、指定した測定波形が、いつ生産された製品の測定波形であるかを、容易に把握することができる。
図11(A)では、1つの測定波形を指定した場合のファイル一覧が表示されている。
図11(B)には、複数の測定波形を指定した場合のファイル一覧が表示されている。
【0061】
リスト表示画面SR3に表示された「ファイル出力」のボタン95が指示されることにより、ユーザからファイル出力の指示が入力されると、抽出部113は、抽出した測定ファイルを、たとえばCSVファイルとして一括出力する(ステップS18)。具体的には、拡張子CSVに関連付けられたアプリケーションにて、測定ファイルの情報を表示部104に表示する。あるいは、抽出した測定ファイルの全てを記憶装置106に格納する処理、または、通信I/F105を介して外部の保守装置等に送信する処理を実行してもよい。
【0062】
このように、グラフ表示画面SR2に表示された項目の測定値データだけでなく、全ての項目の測定値データを含む測定ファイルを出力することにより、不良品の要因等を総合的に評価・分析することができる。
【0063】
上述のように、本実施の形態に係る測定波形表示装置100によれば、グラフ表示画面SR2を表示する前に条件選択画面SR1を表示し、条件選択画面SR1において、時間軸の基準点を、通常のプレスサイクル開始時点および下死点を含む複数の基準点候補から選択できるので、グラフ表示画面SR2において重ねて表示された複数の測定波形の形状の一致/不一致等を視覚的に判断することができる。これにより、直感的に測定波形の形状が異常かどうかを判定することができるので、不良品の要因等を適切に分析することができる。また、プレス機11の運転状況の変化を正確に捉えることができるので、プレス機11に生じ得る異常事象をきめ細かく検証することが可能となる。
【0064】
ここで、膨大な測定値データを教師データとして機械学習することで学習モデルを生成し、生成した学習モデルを用いて製品の良否判定を自動的に行う技術がある。この際、下死点を基準として測定値データを学習させることが有効である。そのため、学習モデルの出力が不良品であった場合に、測定波形表示装置100において、不良品となった生産日時(測定日時)を含む期間の複数サイクル分の測定波形を、項目ごとに、かつ、下死点基準で重ね合わせ表示できるため、学習モデルにより不良品と判定された要因(異常原因)を、視覚的に分析することが可能になる、というメリットがある。また、不良品の前後に生成された製品の測定波形も確認できるので、きめ細かな分析を行うことが可能である。
【0065】
また、本実施の形態では、一つの条件選択画面SR1において、測定波形を描画するための各種条件を選択・入力可能としているため、操作性を向上させることができる。また、条件選択画面SR1およびグラフ表示画面SR2の画面構成は共通であるため、測定波形を描画する条件の変更等を容易に行うことができる。なお、図示しない変形例として、たとえば項目選択欄922と基準点選択欄928とを別画面に表示するようにしてもよい。
【0066】
<変形例>
本実施の形態では、グラフ表示画面SR2に表示された測定波形の一部を選択(範囲指定)することによって、対応する測定ファイルを抽出する例について説明したが、ユーザが閾値を入力し、閾値を超える測定ファイルを抽出するようにしてもよい。この場合、たとえば、グラフ表示画面SR2に表示した「範囲指定のリスト一覧」ボタンの近傍に、閾値を入力するための入力欄(図示せず)を設けてもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、条件選択画面SR1の項目選択欄922で一つの項目を選択可能としたが、二つ以上の項目を選択可能としてもよい。その際、項目ごとに測定波形の色または線種を異ならせることが望ましい。これにより、不良品の要因等の分析・解析をより詳細に行うことが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態では、鍛造プレス装置10のプレス機11を対象としたが、金型を用いてワークを成型するプレス機であれば、他種のプレス機を対象とすることもできる。
【0069】
なお、測定波形表示装置100により実行される測定波形表示方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD-ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて提供することができる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0070】
本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0071】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
100 測定波形表示装置、101 CPU、102 メモリ、103 操作部、104 表示部、105 通信I/F、106 記憶装置、107 タッチパネル、111 取得部、112 表示制御部、113 抽出部、921 期間入力欄、922 項目選択欄、923 品番選択欄、924 パターン選択欄、928 基準点選択欄、SR1 条件選択画面、SR2 グラフ表示画面、SR3 リスト表示画面。