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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030771
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】切替ゲートおよび媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/02 20060101AFI20240229BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240229BHJP
   B65H 5/38 20060101ALI20240229BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20240229BHJP
   G07D 11/18 20190101ALI20240229BHJP
   G07D 11/237 20190101ALI20240229BHJP
   B65H 29/16 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65H5/02 N
B65H5/00 D
B65H5/38
B65H5/06
G07D11/18
G07D11/237
B65H29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133888
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】若林 円
(72)【発明者】
【氏名】細川 和宏
【テーマコード(参考)】
3E141
3F049
3F101
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA06
3E141BA03
3E141FG03
3E141FG08
3E141FG13
3F049AA01
3F049DA02
3F049DA12
3F049LA08
3F049LB04
3F101FA01
3F101FC05
3F101FC11
3F101FC16
3F101FE02
3F101LA08
3F101LB04
(57)【要約】
【課題】搬送された媒体が詰まる確率を低くする。
【解決手段】搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、前記複数のブレードは、前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記ブレードペアの間隔を狭める補助ブレード、を有する、切替ゲート。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、
前記複数のブレードは、
前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、
前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記ブレードペアの間隔を狭める補助ブレード、を有する、
切替ゲート。
【請求項2】
前記ブレードペアのいずれか一方のブレードは、前記補助ブレ―ドを有する、
請求項1に記載の切替ゲート。
【請求項3】
前記ブレードペアの各々のブレードは、前記補助ブレードを有する、
請求項1に記載の切替ゲート。
【請求項4】
前記第1の方向は、搬送ベルトに搬送された媒体の直進方向である、
請求項3に記載の切替ゲート。
【請求項5】
前記切替ゲートは、
前記ブレードペア間に、前記第2の方向に搬送された媒体をガイドする小ブレード、
を更に有する、請求項4に記載の切替ゲート。
【請求項6】
前記補助ブレードは、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置にあるブレードペアの間隔を狭めるように設けられる、
請求項5に記載の切替ゲート。
【請求項7】
前記補助ブレードは、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置にあるブレードペアの間隔を狭めないように設けられる、
請求項6に記載の切替ゲート。
【請求項8】
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置は、前記ブレードペアの間隔を所定の幅だけ狭めると、前記搬送ベルトに干渉する位置であり、
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置は、前記ブレードペアの間隔を所定の幅だけ狭めても、前記搬送ベルトに干渉しない位置である、
請求項7に記載の切替ゲート。
【請求項9】
前記補助ブレードは、前記ブレードペアの間隔を連続的に狭めるように設けられる、
請求項8に記載の切替ゲート。
【請求項10】
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置は、前記ブレードペアの先端側であり、
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置は、前記ブレードペアの根元側である、
請求項8に記載の切替ゲート。
【請求項11】
前記第2の方向には、前記第2の方向に搬送された媒体に搬送力を加える搬送ローラが配置され、
前記補助ブレードは、前記搬送ローラとの距離が遠い位置の前記ブレードペアの間隔と比較し、前記搬送ローラとの距離が近い位置の前記ブレードペアの間隔の方が狭まるように設けられる、
請求項9に記載の切替ゲート。
【請求項12】
前記媒体は、紙幣を含む、
請求項1から請求項11までのうちいずれか一項に記載の切替ゲート。
【請求項13】
搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、
前記複数のブレードは、
前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、
前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記搬送ベルトに干渉しない位置の間隔が狭まる形状を有する、
切替ゲート。
【請求項14】
搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、
前記複数のブレードは、
前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、
前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記ブレードペアの間隔を狭める補助ブレード、を有する、
切替ゲートを備える、媒体処理装置。
【請求項15】
搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、
前記複数のブレードは、
前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、
前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記搬送ベルトに干渉しない位置の間隔が狭まる形状を有する、
切替ゲートを備える、媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替ゲートおよび媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙葉類等の各種の媒体を処理する装置が普及している。このような装置の一例としては、紙幣の入出金に係る処理を行う紙幣処理装置が挙げられる。また、紙幣処理装置の中には、紙幣の搬送先を切り替える切替ゲートを備えるものがある。例えば、特許文献1には、紙幣を搬送する搬送ベルトに隣接するブレードペアの間隔を他のブレードペアの間隔よりも広くした切替ゲートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-150173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術では、搬送ベルトに隣接するブレードペアの間において、当該ブレードペアの間隔が広いことが原因となり、搬送された紙幣が詰まる恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、搬送された媒体が詰まる確率を低くすることが可能な、新規かつ改良された切替ゲートおよび媒体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、前記複数のブレードは、前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記ブレードペアの間隔を狭める補助ブレード、を有する、切替ゲートが提供される。
【0007】
前記ブレードペアのいずれか一方のブレードは、前記補助ブレ―ドを有してもよい。
【0008】
前記ブレードペアの各々のブレードは、前記補助ブレードを有してもよい。
【0009】
前記第1の方向は、搬送ベルトに搬送された媒体の直進方向であってもよい。
【0010】
前記切替ゲートは、前記ブレードペア間に、前記第2の方向に搬送された媒体をガイドする小ブレ―ド、を更に有してもよい。
【0011】
前記補助ブレ―ドは、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置にあるブレードペアの間隔を狭めるように設けられてもよい。
【0012】
前記補助ブレ―ドは、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置にあるブレードペアの間隔を狭めないように設けられてもよい。
【0013】
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置は、前記ブレードペアの間隔を所定値だけ狭めると、前記搬送ベルトに干渉する位置であり、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置は、前記ブレードペアの間隔を所定値だけ狭めても、前記搬送ベルトに干渉しない位置であってもよい。
【0014】
前記補助ブレードは、前記ブレードペアの間隔を連続的に狭めるように設けられてもよい。
【0015】
前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置は、前記ブレードペアの先端側であり、前記搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置は、前記ブレードペアの根元側であってもよい。
【0016】
前記第2の方向には、前記第2の方向に搬送された媒体に搬送力を加える搬送ローラが配置され、前記補助ブレードは、前記搬送ローラとの距離が遠い位置の前記ブレードペアの間隔と比較し、前記搬送ローラとの距離が近い位置の前記ブレードペアの間隔の方が狭まるように設けられてもよい。
【0017】
前記媒体は、紙幣を含んでもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、前記複数のブレードは、前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記搬送ベルトに干渉しない位置の間隔が狭まる形状を有する、切替ゲートが提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、前記複数のブレードは、前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記ブレードペアの間隔を狭める補助ブレード、を有する、切替ゲートを備える、媒体処理装置が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送ベルトにより搬送される媒体の搬送方向を、前記媒体と当接することで少なくとも第1の方向または第2の方向を含む複数の方向のうちで搬送方向を切り替える複数のブレードを有し、前記複数のブレードは、前記搬送ベルトの幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔で配置されるブレードペアと、他のブレードに対して前記第1の間隔より狭い間隔である第2の間隔で配置されるブレードと、を含み、前記第1の間隔で配置されたブレードペアは、前記搬送ベルトに干渉しない位置の間隔が狭まる形状を有する、切替ゲートを備える、媒体処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、搬送された媒体が詰まる確率を低くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るレジ釣銭システムの外観の一例を説明するための説明図である。
図2】紙幣入出金装置の内部構成を示す左側面図である。
図3】分岐部周辺の構成の一例を説明するための説明図である。
図4】切替ゲートの構造の一例を説明するための説明図である。
図5】切替ゲートを含む分岐部周辺の上面図の一例を示す説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係る切替ゲートの構造の一例を説明するための説明図である。
図7】切替ゲートを含む分岐部周辺の上面図の一例を示す説明図である。
図8図7に示した上面図における領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
<<1.レジ釣銭システムの概要>>
本発明の一実施形態は、搬送された媒体が詰まる確率を低くすることを可能とするレジ釣銭システムに関する。まず、図1を参照し、レジ釣銭システムの概要を説明する。
【0025】
<1.1.レジ釣銭システムの構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係るレジ釣銭システム1の外観の一例を説明するための説明図である。レジ釣銭システム1は、紙葉類、硬貨類およびカード類等の各種の媒体を処理する装置である。また、媒体には、例えば紙幣、商品券等の金券、チケット、伝票等が含まれる。以下の説明では、媒体が紙幣である例を主に説明する。
【0026】
レジ釣銭システム1は、例えばスーパーマーケットまたはコンビニエンスストアのような小売店舗の精算所(いわゆるレジ)において、顧客が購入したい商品を精算する際にレジ係員により操作される精算機である。
【0027】
例えば、レジ釣銭システム1は、小売店等において顧客により操作されるセミセルフ釣銭機であってもよい。但し、レジ釣銭システム1は、セミセルフ釣銭機に限定されない。例えば、レジ釣銭システム1は、セルフ釣銭機であってもよい。
【0028】
レジ釣銭システム1は、図1に示すように、POS(Point Of Sales)レジ2と、釣銭機3と、を有する。POSレジ2と、釣銭機3は、それぞれ独立した装置であってもよいし、一体化した装置であってもよい。
【0029】
なお、以下の説明では、レジ係員(以下、使用者とも呼ぶ)が対峙するレジ釣銭システム1の側面を前面とし、その反対面を後面とする。また、左右および上下の各方向は、使用者から見た方向であるものとして説明する。
【0030】
<1.2.POSレジ2>
本実施形態に係るPOSレジ2は、図1に示すように、レジ制御部5と、操作表示部6と、レシート処理部7と、レシート排出口7Aと、を備える。なお、POSレジ2の各構成の配置例は図1に示す例に限定されない。
【0031】
本実施形態に係るレジ制御部5は、POSレジ2の動作全般を制御する。レジ制御部5は、POSレジ2に内蔵される。
【0032】
また、POSレジ2には、図示しないバーコードリーダが接続されており、商品に付されたバーコードを、当該バーコードリーダで読み取ることにより、当該商品の名称および金額等の各種情報が認識される。
【0033】
本実施形態に係る操作表示部6は、バーコードリーダにより認識された商品の名称および金額等を表示する表示部としての機能を有する。
【0034】
また、操作表示部6は、表示画面の一部に数字等の入力キーを表示しており、当該入力キーに対応する箇所が使用者により押下操作されると、当該入力キーに対応した入力操作を受け付ける操作部としての機能を有する。
【0035】
表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。また、操作部としての機能は例えば、タッチパネルまたはキーボードにより実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0036】
また、操作表示部6は、入力操作を受け付けた情報をレジ制御部5に出力する。そして、レジ制御部5は、操作表示部6から入力された情報に応じて、商品の数量の増減および金額の修正等の各種処理を行う。
【0037】
本実施形態に係るレシート処理部7は、バーコードリーダにより認識された商品の名称および金額等をレシートに印字する。また、レシート排出口7Aは、レシート処理部7により印字されたレシートを排出する。また、レシート処理部7は、POSレジ2に内蔵されている。
【0038】
<1.3.釣銭機>
本実施形態に係る釣銭機3は、図1に示すように、紙幣入出金装置11と、硬貨入出金装置12と、操作表示部13と、釣銭制御部21と、を備える。
【0039】
なお、図1では、紙幣入出金装置11が右側に配置され、硬貨入出金装置12が左側に配置され、操作表示部13が前側上部に配置されている例を示しているが、各構成の配置は係る例に限定されない。
【0040】
本実施形態に係る紙幣入出金装置11は、媒体処理装置の一例であり、使用者により紙幣入出金口14に投入された紙幣を取り込み、当該紙幣を紙幣収納庫(詳細は図2を用いて後述する)に収納する。
【0041】
また、紙幣入出金装置11は、レジ制御部5により指示された金額に応じた金種及び枚数に対応する紙幣を紙幣収納庫から繰り出し、当該紙幣を紙幣入出金口14から釣銭として出金する。
【0042】
本実施形態に係る硬貨入出金装置12は、使用者により硬貨入金口16に投入された硬貨を取り込み、当該硬貨を硬貨収納庫に収納する。
【0043】
また、硬貨入出金装置12は、レジ制御部5から指示された金額に応じた金種及び枚数に対応する硬貨を硬貨収納庫から繰り出し、当該硬貨を硬貨出金口18から釣銭として出金する。
【0044】
硬貨入出金装置12の前面には、例えば図1に示すように、上段に硬貨入金口16が設けられ、その下方にリジェクト口17及び硬貨出金口18が設けられていてもよい。
【0045】
本実施形態に係る操作表示部13は、所定の表示パネル及び所定の操作ボタンの組み合わせにより構成されている。
【0046】
例えば、操作表示部13の表示パネルは、紙幣入出金装置11及び硬貨入出金装置12における稼働状況を表示する表示部としての機能を有する。また、操作表示部13の表示パネルは、例えば硬貨入出金装置12において釣銭用の硬貨が不足していること、所定のセンサにより異常を検出したこと、及びその異常が検出された箇所等を表示する。
【0047】
また、操作表示部13の操作ボタンは、使用者による押下操作を介して、例えば硬貨の搬送等に関する指示を受け付ける操作部としての機能を有する。
【0048】
表示部としての機能は、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置により実現され得る。また、操作部としての機能は例えば、タッチパネルやキーボードにより実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0049】
釣銭制御部21は、釣銭機3の動作全般を制御する。釣銭制御部21は、釣銭機3に内蔵される。釣銭制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、フラッシュメモリ等でなるメモリから各種プログラムを読み出して実行することにより、釣銭機3を統括制御し、入金取引または出金取引等の種々の処理を行う。
【0050】
以上、本実施形態に係るレジ釣銭システム1の概要を説明した。続いて、図2を参照し、紙幣入出金装置11の内部構成の一例を説明する。
【0051】
<<2.紙幣入出金装置11の内部構成例>>
図2は、紙幣入出金装置11の内部構成を示す左側面図である。紙幣入出金装置11は、内部に紙幣の搬送および収納に関する様々な構成を有する。以下、入金処理において、図1に示した紙幣入出金口14に紙幣が投入された後の流れの具体例を説明する。
【0052】
まず、図1に示した紙幣入出金口14に投入された紙幣は、図2に示すような、繰出集積部24に集積される。繰出集積部24は、使用者により投入された紙幣を取り込み、1枚ずつ分離して搬送路27aに紙幣を繰り出す。
【0053】
そして、搬送路27aに繰り出された紙幣は、回収カセット30または紙幣収納庫31に収納される。
【0054】
回収カセット30は、紙幣収納庫31に収納される紙幣を紙幣入出金装置11の外部へ回収するために用いられ、また、図示していない鑑別部により出金に適さないと判定された紙幣を収納し、回収するための紙幣収納庫である。鑑別部により出金に適さないと判定された紙幣とは、入金処理においては例えば紙幣として利用可能だがリサイクルせず出金に利用しない二千円札や旧紙幣などであり、出金処理においては例えば紙幣収納庫31から繰り出されたものの鑑別部により状態が悪いと判定された出金リジェクト紙幣である。
【0055】
紙幣収納庫31は、例えば、千円札を収納する紙幣収納庫31Aと、五千円札を収納する紙幣収納庫31Bと、一万円札を収納する紙幣収納庫31Cと、を含む。但し、紙幣収納庫31A~31Cに対応する金種は係る例に限定されない。例えば、紙幣収納庫31Aに一万円札が収納されてもよいし、紙幣収納庫31Cに千円札が収納されてもよい。
【0056】
また、搬送路27により搬送される紙幣は、搬送路27の途中で複数箇所に存在する切替ゲート26(26a~26c)により、搬送方向が切り替えられる。例えば、切替ゲート26aは、回動することで、搬送路27aにより搬送された紙幣の搬送方向を、直進方向の搬送路27bまたは下方向の搬送路27eに切り替える。下方向の搬送路27eに搬送された紙幣は、回収カセット30に収納される。
【0057】
また、切替ゲート26bは、搬送路27bにより搬送された紙幣の搬送方向を、直進方向の搬送路27cまたは下方向の搬送路27fに切り替える。下方向の搬送路27fに搬送された紙幣は、紙幣収納庫31Aに収納される。
【0058】
また、切替ゲート26cは、搬送路27cにより搬送された紙幣の搬送方向を、直進方向の搬送路27dまたは下方向の搬送路27gに切り替える。下方向の搬送路27gに搬送された紙幣は、紙幣収納庫31Bに収納される。また、直進方向の搬送路27dに搬送された紙幣は、紙幣収納庫31Cに収納される。
【0059】
以上説明したように、紙幣入出金口14に投入された紙幣は、複数の搬送路27(27a~27g)と、複数の切替ゲート26(26a~26c)を介して、回収カセット30または各金種に応じた紙幣収納庫31(31A~31C)に収納される。
【0060】
続いて、図3を参照し、紙幣の搬送方向が切り替わる分岐点として切替ゲート26bの周辺である分岐部周辺Sの構成について説明する。
【0061】
<<3.分岐部周辺Sの概要>>
<3.1.分岐部周辺Sの構成例>
図3は、分岐部周辺Sの構成の一例を説明するための説明図である。図3では、搬送路27bにより搬送された紙幣の搬送方向を、搬送路27cまたは搬送路27fに切り替える切替ゲート26bの周辺の構成例について説明する。但し、切替ゲート26a~26cは同一の特徴(例えば、形状、サイズなど)を有していると見做し、切替ゲート26bを単に切替ゲート26と表現する場合がある。
【0062】
図2に示すように、分岐部周辺Sには、例えば、側面視で8箇所の位置にそれぞれローラR1~R8が設けられている。
【0063】
より具体的には、図3に示すような側面視では、ローラR1の右側にローラR2が配置され、ローラR1の左下にローラR3が配置されている。さらにローラR1の右下で、且つローラR3の右側となる位置にローラR4が配置されている。
【0064】
さらにローラR2の左下で且つローラR4の右側となる位置にローラR5が配置され、ローラR2の右下で且つローラR5の右側となる位置にローラR6が配置されている。
【0065】
さらにローラR5の下方に、ローラR7とローラR8とが横に並んで配置されている。
【0066】
なお、図3では、ローラR1~R8として、図面の手前側のローラのみを図示しているが、実際には、その奥側にもローラが1個ずつ設けられている。つまり、分岐部周辺Sには、側面視で8箇所の位置にローラR1~R8が、それぞれ手前側と奥側、即ち紙幣入出金装置11の左右の幅方向に沿って計2個ずつ設けられている。
【0067】
さらにローラR1とローラR2の組にはベルトB2が装着され、ローラR3とローラR4の組にはベルトB1が装着され、ローラR5とローラR6の組にはベルトB3が装着されている。尚、このベルトB1~B3についても、図3では手前側のローラに装着されたベルトのみを図示しているが、実際には、奥側のローラR1~R6にもベルトB1~B3が装着されている。
【0068】
ベルトB1、B2は、その間に紙幣Pを挟持するベルト対BC1を形成する。また、ベルトB2、B3は、その間に紙幣Pを挟持するベルト対BC2を形成する。このベルト対BC1とBC2とが、矢印αの方向(図3における、右から左へ向かう方向)へ紙幣を搬送する搬送路27b、27cの一部となっている。尚、このベルト対BC1、BC2についても、それぞれ手前側と奥側の計2本ずつ設けられ、手前側のベルト対BC1(又はBC2)と奥側のベルト対BC1(又はBC2)とで、紙幣Pを、その長手方向の一端側と他端側の2箇所で挟持して搬送するようになっている。
【0069】
そして、ローラR4とR5の間には、紙幣の搬送方向を切り替える切替ゲート26が回動自在に支持されている。
【0070】
この切替ゲート26は、図3に実線で示す位置にあるとき、ベルト対BC2により矢印αの方向に搬送されてきた紙幣Pを、矢印αの方向に対して略直角な矢印βの方向(下方)にガイドしてローラR7、R8間を通る搬送路27fに向けて搬送する。なお、矢印αの方向は第1の方向の一例であり、矢印βの方向は第2の方向の一例である。
【0071】
さらに切替ゲート26とローラR7との間には、切替ゲート26により矢印βの方向にガイドされ搬送されてくる紙幣Pを、ローラR7近傍まで引き続き矢印βの方向にガイドする搬送ガイド45が設けられている。
【0072】
この搬送ガイド45は、矢印βの方向に平行(すなわち搬送路27fに平行)なガイド面45aを有し、このガイド面45aによって紙幣Pが矢印βの方向にガイドされるようになっている。そして、ガイド面45aによりガイドされた紙幣は、ローラR7およびローラR8からの搬送力を受けて、矢印βの方向(すなわち搬送路27f)に搬送される。
【0073】
一方、切替ゲート26が図3に二点鎖線で示す位置にあるとき、切替ゲート26は、ベルト対BC2により矢印αの方向へ搬送されてきた紙幣Pを、そのまま直線的に矢印αの方向(即ち、直進方向)にガイドしてベルト対BC1に向けて搬送する。
【0074】
なお、分岐部周辺Sは、紙幣Pの双方向の搬送が可能となっている。すなわち、釣銭制御部21は、切替ゲート26を図3に示す実線の位置に回動させ、搬送路27fを矢印βの逆方向(即ち、図3における下から上へ向かう方向)に搬送されてきた紙幣Pを矢印αの逆方向(即ち、図3における左から右へ向かう方向)にガイドして搬送路27bに向けて搬送させたり、切替ゲート26を図3に示す二点鎖線の位置に回動させ、ベルト対BC1により矢印αの逆方向に搬送されてきた紙幣Pを、そのまま矢印αの逆方向にガイドしてベルト対BC2に向けて搬送させたりすることができる。
【0075】
以上説明したように、切替ゲート26は、ベルト対BC1、BC2により搬送される紙幣Pの搬送方向を、当該紙幣Pと当接することで、α方向またはβ方向を含む搬送方向を切り替える。
【0076】
ここで、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26の課題を整理するため、図4を参照し、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26の構造とは一部異なる構造を有する切替ゲート36について説明する。
【0077】
<3.2.切替ゲート36の構造例>
図4は、切替ゲート36の構造の一例を説明するための説明図である。切替ゲート36は、図4に示すような、複数のブレードを有する。
【0078】
より具体的には、切替ゲート36は、シャフト360と、第1のブレード361と、第2のブレード363A、363Bと、を有する。
【0079】
第1のブレード361は、シャフト360に固定して設けられる。第1のブレード361は、隣接するブレードとの間の間隔が第2の間隔D2になるように設けられるブレードである。図4に示す例では、切替ゲート36は、第1のブレード361を10個有している。但し、切替ゲート36が有する第1のブレード361の数量は10個に限定されない。
【0080】
例えば、2つの第1のブレード361間の間隔が第2の間隔D2になるように、第1のブレード361は切替ゲート36に備えられる。また、第1のブレード361および第2のブレード363A(または第2のブレード363B)間の間隔が第2の間隔D2になるように、第1のブレード361は切替ゲート36に備えられる。
【0081】
第2のブレード363A、363Bは、シャフト360に固定して設けられる。また、第2のブレード363A、363Bは、ベルトB2(図3)に隣接する位置にあるブレードである。第2のブレード363Aと、第2のブレード363Bのブレードペア363は、ベルトB2に干渉しないように切替ゲート36に備えられる必要がある。その結果、ブレードペア363の間隔が、第2の間隔D2より広い間隔である第1の間隔D1になるように、第2のブレード363A、363Bは、切替ゲート36に設けられる。また、図4に示す例では、切替ゲート36は、第2のブレード363A、363Bを2個ずつ有しているが、切替ゲート36が有する第2のブレード363A、363Bの数量は2個ずつに限定されない。
【0082】
図5は、切替ゲート36を含む分岐部周辺Sの上面図の一例を示す説明図である。図5に示す二つのベルトB2のうち、図5において上側にあるベルトB2は図3に示した分岐部周辺Sにおける奥側のベルトB2であり、図5において下側にあるベルトB2は図3に示した分岐部周辺Sにおける手前側のベルトB2である。
【0083】
例えば、切替ゲート36が有する複数のブレードのうち、ベルトB2に隣接する位置にあるブレードペア363は、当該ベルトB2を含む構造体(以下、搬送ベルトと称する。)の幅方向における長さよりも広い間隔である第1の間隔D1で配置される。これにより、ブレードペア363は、搬送ベルトに干渉しない。
【0084】
また、切替ゲート36が有する複数のブレードのうち、ベルトB2に隣接しない位置にある第1のブレード361を含むブレードペアは、第1の間隔D1より狭い第2の間隔D2で配置される。
【0085】
このように、搬送ベルトに隣接するブレードペア363の間隔(即ち、第1の間隔D1)は、搬送ベルトに干渉しないようにする必要があるため、搬送ベルトに隣接しない第1のブレード361を含むブレードペアの間隔(即ち、第2の間隔D2)と比較して広くなる。
【0086】
なお、紙幣に折れ目または切れ込みが存在する場合、当該紙幣が搬送された際に、当該紙幣の折れ目または切れ込み部分がブレード間の隙間に挟まる恐れがある。紙幣の折れ目または切れ込み部分がブレード間の隙間に挟まることで、紙幣の詰まりが生じ得た。そのため、当該紙幣の折れ目または切れ込み部分がブレード間の隙間に挟まらないように、一定以上ブレード間の間隔が狭められることが望ましい。
【0087】
そのため、ブレード間の間隔が一定以上狭められるように、ベルトB2に隣接しない位置にある第1のブレード361を含むブレードペアの間隔が第2の間隔D2になるように第1のブレード361は配置される。一方、上述したようにブレードペア363の間には搬送ベルトが存在するため、ブレードペア363の間隔が搬送ベルトよりも狭い間隔(即ち、第2の間隔D)になるようにブレードペア363を配置することは困難である。
【0088】
そこで、切替ゲート36は、ブレードペア363の間隔が広くなりすぎないように、紙幣をガイドする小ブレード367(図4)を更に有してもよい。より具体的には、切替ゲート36は、図4に示すように、搬送ベルトに隣接するブレードペア363の間に小ブレード367を有する。
【0089】
小ブレード367は、搬送ベルトに干渉しないように、図4に示すような小さいブレード状の構造を有する。ブレードペア363の間に入り込んだ紙幣Pは、小ブレード367の傾斜部367aに衝突することで、図3に示した矢印βの方向にガイドされる。
【0090】
しかし、小ブレード367は、搬送ベルトなどの他の部品に干渉しないような形状にするため、小ブレード367の先端の入り込み量(例えば、傾斜部367aを斜辺とする直角三角形の隣辺)が浅くなる場合、または、紙幣Pに対する迎え角度が大きくなる場合が生じ得た。これにより、小ブレード367がガイドすべき方向と異なる方向に紙幣Pが曲がり、紙幣Pが小ブレード367に引っ掛かることで、結果として切替ゲート36に紙幣Pが詰まる恐れがあった。
【0091】
ここで、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26は、このような課題を解決することを目的とし、紙幣Pが詰まることを更に防止することが可能な形状を有することを特徴とする。以下、図6を参照し、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26の構造の一例を説明する。
【0092】
<<4.本発明の一実施形態に係る切替ゲート26の構造例>>
図6は、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26の構造の一例を説明するための説明図である。本発明の一実施形態に係る切替ゲート26は、図6に示すようにシャフト260と、第1のブレード261と、第2のブレード263A、263Bと、小ブレード267と、を有する。
【0093】
また、本発明の一実施形態に係る第2のブレード263A、263Bのブレードペア263は、図6に示すような、補助ブレード264を有する。なお、補助ブレード264以外の切替ゲート26の構成については、切替ゲート36の構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0094】
補助ブレード264はシャフト260または第2のブレード263Aと263Bに固定して設けられる。補助ブレード264は、第2のブレード263Aと263Bとの間に設けられ、補助ブレード264同士の間隔がブレードペア263の第1の間隔D1よりも狭まるように設けられる。
【0095】
換言すると、第2のブレード263Aと263Bとの先端側の間隔は第1の間隔D1であるが、第2のブレード263Aと263Bとがシャフト260に固定される根元側へ向かうにつれ、第1の間隔D1は補助ブレード264によって狭められる。
【0096】
これは、上述および図3で説明したように、切替ゲート26は複数の角度に回動されるので、第2のブレード263Aと263Bとの先端側は第1の間隔D1によりベルトB2と干渉が避けられ、一方で第2のブレード263Aと263Bとの根元側は切替ゲート26の回動角度によらずベルトB2と干渉しないため第1の間隔D1よりも狭められている。
【0097】
ブレードペア263の間に補助ブレード264を配置する位置の条件について説明する。例えば、補助ブレード264は、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置にあるブレードペア263の間隔を狭めるように設けられてもよい。
【0098】
一方、補助ブレ―ド264は、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置にあるブレードペア263の間隔を狭めないように設けられてもよい。以下では、図7および図8を参照し、補助ブレード264を設けたときに、ブレードペア263と搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たすか否かの判断基準の具体例を説明する。
【0099】
図7は、切替ゲート26を含む分岐部周辺Sの上面図の一例を示す説明図である。図7は、図5に示した分岐部周辺Sにおいて、切替ゲート36を切替ゲート26に置き換えた図である。
【0100】
ここで、図7に示す領域Tは、ブレードペア263および補助ブレード264周辺の領域を含む。
【0101】
図8は、図7に示した上面図における領域Tの拡大図である。図8に示す例では、搬送ベルトが、ベルトB2と、当該ベルトB2を支える支持部Mと、を含む構造体であるものとして説明する。
【0102】
小ブレ―ド267と同様に、補助ブレード264は、搬送ベルトに干渉しないようにブレードペア263に備えられる必要がある。そこで、第2のブレード263A(263B)と搬送ベルトの間の間隔を狭められる位置か否かが、第2のブレード263A(263B)に補助ブレード264を配置する位置の条件となる。これは、ブレードペア263と搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たすか否かと換言される。
【0103】
例えば、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置は、ブレードペア263の間隔を所定値以上狭めても、搬送ベルトに干渉しない位置であってもよい。
【0104】
また、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置は、ブレードペア263の間隔を所定値以上狭めると、搬送ベルトに干渉する位置であってもよい。
【0105】
例えば、図8に示す例では、ブレードペア263の根元側では、ブレードペア263の間隔を補助ブレード264により所定の幅だけ狭めても、ブレードペア263が搬送ベルトに干渉しない。この場合、当該所定の幅だけ狭めると搬送ベルトに干渉しないブレードペア263の根元側を、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たす位置としてもよい。
【0106】
一方、ブレードペア263の先端側では、ブレードペア263の間隔を補助ブレード264により当該所定の幅だけ狭めると、ブレードペア263がベルトB2を支持している支持部Mに干渉する。この場合、当該所定の幅だけ狭めると搬送ベルトに干渉するブレードペア263の先端側を、搬送ベルトとの位置関係が所定の基準を満たさない位置としてもよい。
【0107】
そこで、第2のブレード263A(263B)における搬送ベルト(ベルトB2または支持部M)に干渉しない位置に補助ブレード264を設け、ブレードペア263の間隔を第3の間隔D3に狭める。
【0108】
上述のとおり、第2のブレード263A(263B)における搬送ベルト(ベルトB2または支持部M)に干渉しない位置は、ブレードペア263の根元側である。これにより、ブレードペア263の根元側の間隔は、補助ブレード264によってブレードペア263の先端側の第1の間隔D1よりも狭められる。こうすることで、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26は、ブレードペア263が搬送ベルト(ベルトB2または支持部M)に干渉することを防ぎつつ、ブレードペア263の根元側に向かって紙幣が進行する際に紙幣が詰まる確率を低くすることが可能になる。
【0109】
また、補助ブレード264は、ブレードペア263の間隔をブレードペア263の先端側から根元側に向けて連続的に狭めるように設けられてもよい。例えば、補助ブレード264の一端は、第2のブレード263A(263B)の中央付近に接続され、当該接続点を起点として第2のブレード263A(263B)の根元側に向けてなだらかに間隔を狭めてもよい。
【0110】
これにより、第2のブレード263A(263B)と補助ブレード264との接続点に傾斜部265が形成され、当該傾斜部265により第2のブレード263A(263B)の側面と補助ブレード264の側面とを段差なく連続的に接続される。こうすることで、紙幣が傾斜部265に沿って搬送されるため、ブレードペア263の根本側において紙幣が潰れることをより防止し得る。
【0111】
また、図3に示した分岐部周辺Sに含まれる、搬送ローラ(ローラR7、R8)とブレードペア263との距離に基づいて補助ブレード264を設けてもよい。具体的には、図3に示した分岐部周辺Sに含まれる、搬送ローラ(ローラR7、R8)との距離が遠い位置のブレードペア263の間隔と比較し、搬送ローラとの距離が近い位置のブレードペア263の間隔の方が狭まるように、補助ブレード264を設けてもよい。例えば、補助ブレード264は、図3に示したベルトB2側のブレードペア263の間隔を狭めず、ローラR7、R8側のブレードペア263の間隔を狭めるように設けられてもよい。
【0112】
搬送ローラ(ローラR7、R8)とブレードペア263との距離に基づいて補助ブレード264を設けることで、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26は、ブレードペア263が搬送ベルト(ベルトB2または支持部M)に干渉することを防ぎつつ、ブレードペア263の根元側に向かって紙幣が進行し、搬送ローラ(ローラR7、R8)に紙幣が受け渡される際に紙幣の搬送に不良が生じる確率を低くすることが可能となる。
【0113】
<<5.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、本発明の一実施形態に係る切替ゲート26は、ブレードペア263の間隔を狭めるために、小ブレード267を有していることが望ましいが、補助ブレード264により所定の間隔が狭められるため、必ずしも小ブレード267を有してなくてもよい。
【0115】
また、本明細書では、ローラR1とローラR2の組にはベルトB2が装着され、ローラR3とローラR4の組にはベルトB1が装着され、ローラR5とローラR6の組にはベルトB3が装着されている例を主に説明した。但し、ベルトB1~B3の全てがローラR1~R6に装着されていなくてもよい。例えば、ローラR1とローラR2の組にベルトB2が装着されていた場合、ローラR3とローラR4の組にはベルトB1が装着されていなくてもよい。
【0116】
また、本明細書では、紙幣の搬送方向を矢印αの方向または矢印βの方向の2方向である例を主に説明したが、紙幣の搬送方向は3方向以上であってもよい。また、矢印αの方向および矢印βの方向は、紙幣の直進方向または下方向に限定されない。例えば、矢印αの方向は、上方向であってもよいし、矢印βの方向は、後方向であってもよい。
【0117】
また、本明細書では、レジ係員により操作される精算機である釣銭機3に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、顧客自身により操作されるセルフ精算機またはセミセルフ精算機に本発明を適用してもよい。
【0118】
また、本明細書では、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等のレジ精算場において使用されるPOSレジ2に接続され紙幣及び硬貨の入出金処理を行う釣銭機3に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、銀行内において使用される自動テラー現金預払機(窓口端末)等の銀行員が使用する端末の種々の装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 レジ釣銭システム
2 POSレジ
3 釣銭機
5 レジ制御部
6 操作表示部
7 レシート処理部
7A レシート排出口
11 紙幣入出金装置
12 硬貨入出金装置
13 操作表示部
21 釣銭制御部
24 繰出集積部
26 切替ゲート
260 シャフト
261 第1のブレード
263A、B 第2のブレ―ド
263 ブレードペア
264 補助ブレード
265 傾斜部
267 小ブレード
30 回収カセット
31 紙幣収納庫
36 切替ゲート
360 シャフト
361 第1のブレード
363A、B 第2のブレ―ド
363 ブレードペア
367 小ブレード
45 搬送ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8