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特開2024-30782印刷システム、及び、印刷システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030782
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】印刷システム、及び、印刷システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240229BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 325
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133909
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】小林 大起
(72)【発明者】
【氏名】月岡 丈刀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】プリンターの利用及び管理が適切にできない。
【解決手段】印刷システムは、管理者端末と、利用者端末と、利用者端末により利用可能なプリンターに係る印刷サービスを提供する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、情報処理装置は、印刷サービスに係る契約の期限に基づき、応答情報を要求する要求情報を管理者端末へ送信し、管理者端末からの応答情報に基づいて契約の継続処理ができなかった場合、通知情報を利用者端末へ送信し、利用者端末は通知情報に基づいて契約の継続を依頼する依頼情報を管理者端末へ送信し、管理者端末は依頼情報に基づいて契約を継続する継続情報を情報処理装置へ送信し、情報処理装置は継続情報に基づいて継続処理を実行し、利用者端末に対して印刷サービスの利用の許可を与える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者端末と、利用者端末と、前記利用者端末により利用可能なプリンターに係る印刷サービスを提供する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
前記印刷サービスに係る契約の期限に基づき、前記契約に係る応答情報を要求する要求情報を、前記管理者端末へ送信し、
前記管理者端末からの前記応答情報の受信を可能とし、
前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記契約の継続処理ができなかった場合、前記契約に係る通知情報を、前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、
前記情報処理装置から前記通知情報を受信し、
前記通知情報に基づいて前記契約の継続に係る依頼が指示された場合、前記契約の継続を依頼する依頼情報を、前記管理者端末へ送信し、
前記管理者端末は、
前記利用者端末から前記依頼情報を受信し、
前記依頼情報に基づいて前記契約の継続が指示された場合、前記契約を継続する継続情報を、前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、
前記管理者端末から前記継続情報を受信し、
前記継続情報に基づいて前記継続処理を実行し、前記利用者端末に対して前記印刷サービスの利用の許可を与える、印刷システム。
【請求項2】
前記情報処理装置が、前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記契約の前記継続処理ができなかった場合とは、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記契約を終了する終了情報であった場合、又は、前記管理者端末から所定期間内に前記応答情報を受信しなかった場合である、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記継続情報であった場合には、前記通知情報を前記利用者端末へ送信しない、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記継続処理ができなかった場合であって、前記利用者端末から前記印刷サービスの利用要求があった場合に、前記通知情報を前記利用者端末へ送信する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記利用者端末には前記印刷サービスに対応する第1ドライバーがインストールされており、
前記情報処理装置は、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記契約を終了する終了情報であった場合には、前記第1ドライバーのアンインストールをするか否かを選択させる第1選択情報を前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、前記情報処理装置から前記第1選択情報を受信し、前記第1選択情報に対する応答である第1選択応答情報を前記情報処理装置へ送信して、前記第1ドライバーのアンインストールをする、及び、アンインストールをしないのいずれかを選択して処理する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記利用者端末には前記印刷サービスに対応する第1ドライバーがインストールされており、
前記情報処理装置は、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記契約を終了する終了情報であった場合には、前記印刷サービスに対応していない第2ドライバーのインストールをするか否かを選択させる第2選択情報を前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、前記情報処理装置から前記第2選択情報を受信し、前記第2選択情報に対する応答である第2選択応答情報を前記情報処理装置へ送信して、前記第2ドライバーのインストールをする、及び、インストールをしないのいずれかを選択して処理する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記契約を終了する終了情報であった場合、前記印刷サービスに係るアンケートの回答情報を要求する回答要求情報を、前記管理者端末へ送信し、
前記管理者端末は、前記回答要求情報を受信すると、前記回答情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、前記回答情報を受信して集計処理をする、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記管理者端末から受信した前記応答情報が前記契約を終了する終了情報であった場合、前記印刷サービスに係るアンケートの回答情報を要求する回答要求情報を、前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、前記回答要求情報を受信すると、前記回答情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、前記回答情報を受信して集計処理をする、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項9】
管理者端末と、利用者端末と、前記利用者端末により利用可能なプリンターに係る印刷サービスを提供する情報処理装置と、を備える印刷システムの制御方法であって、
前記情報処理装置は、
前記印刷サービスに係る契約の期限に基づき、前記契約に係る応答情報を要求する要求情報を、前記管理者端末へ送信し、
前記管理者端末からの前記応答情報の受信を可能とし、
前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記契約の継続処理ができなかった場合、前記契約に係る通知情報を、前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、
前記情報処理装置から前記通知情報を受信し、
前記通知情報に基づいて前記契約の継続に係る依頼が指示された場合、前記契約の継続を依頼する依頼情報を、前記管理者端末へ送信し、
前記管理者端末は、
前記利用者端末から前記依頼情報を受信し、
前記依頼情報に基づいて前記契約の継続が指示された場合、前記契約を継続する継続情報を、前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、
前記管理者端末から前記継続情報を受信し、
前記継続情報に基づいて前記継続処理を実行し、前記利用者端末に対して前記印刷サービスの利用の許可を与える、印刷システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、及び、印刷システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、ユーザーが操作パネルを操作し、契約を更新するプリンターが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の装置では、プリンターを利用する利用者とは別に契約を管理する管理者がいる場合、利用者によるプリンターの利用、及び、管理者による契約の管理が、適切にできないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷システムは、管理者端末と、利用者端末と、前記利用者端末により利用可能なプリンターに係る印刷サービスを提供する情報処理装置と、を備える印刷システムであって、前記情報処理装置は、前記印刷サービスに係る契約の期限に基づき、前記契約に係る応答情報を要求する要求情報を、前記管理者端末へ送信し、前記管理者端末からの前記応答情報の受信を可能とし、前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記契約の継続処理ができなかった場合、前記契約に係る通知情報を、前記利用者端末へ送信し、前記利用者端末は、前記情報処理装置から前記通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記契約の継続に係る依頼が指示された場合、前記契約の継続を依頼する依頼情報を、前記管理者端末へ送信し、前記管理者端末は、前記利用者端末から前記依頼情報を受信し、前記依頼情報に基づいて前記契約の継続が指示された場合、前記契約を継続する継続情報を、前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置は、前記管理者端末から前記継続情報を受信し、前記継続情報に基づいて前記継続処理を実行し、前記利用者端末に対して前記印刷サービスの利用の許可を与える。
【0006】
管理者端末と、利用者端末と、前記利用者端末により利用可能なプリンターに係る印刷サービスを提供する情報処理装置と、を備える印刷システムの制御方法であって、前記情報処理装置は、前記印刷サービスに係る契約の期限に基づき、前記契約に係る応答情報を要求する要求情報を、前記管理者端末へ送信し、前記管理者端末からの前記応答情報の受信を可能とし、前記管理者端末からの前記応答情報に基づいて前記契約の継続処理ができなかった場合、前記契約に係る通知情報を、前記利用者端末へ送信し、前記利用者端末は、前記情報処理装置から前記通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記契約の継続に係る依頼が指示された場合、前記契約の継続を依頼する依頼情報を、前記管理者端末へ送信し、前記管理者端末は、前記利用者端末から前記依頼情報を受信し、前記依頼情報に基づいて前記契約の継続が指示された場合、前記契約を継続する継続情報を、前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置は、前記管理者端末から前記継続情報を受信し、前記継続情報に基づいて前記継続処理を実行し、前記利用者端末に対して前記印刷サービスの利用の許可を与える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理装置、管理者端末、利用者端末を含む印刷システムの構成を示すブロック図。
図2】契約継続のとき、情報処理装置、管理者端末、利用者端末の制御を示す状態遷移図。
図3】利用者端末からの依頼により契約継続するときの制御を示す状態遷移図。
図4】契約終了のとき、第1ドライバーのアンインストール、第2ドライバーのインストールの制御を示す状態遷移図。
図5】契約終了のとき、アンケートに係る回答を集計する制御を示す状態遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.第1実施形態
1-1.印刷システムの構成
一実施形態に係る印刷システム1は、図1に示すように、利用者端末10、管理者端末20、情報処理装置40を含んで構成される。
利用者端末10、管理者端末20は、例えば限定された範囲の会社2内の通信網である、LAN(Local Area Network)50に接続され、相互に通信可能である。プリンター30もLAN50に接続されている。なお、会社2は、利用者端末10、管理者端末20、プリンター30、LAN50が設置された会社の構内を示す。
利用者端末10は、主にプリンター30を利用する利用者により利用される。管理者端末20は、主にLAN50に接続された装置を含めて管理する管理者により利用される。
【0009】
利用者端末10、管理者端末20、プリンター30は、LAN50から、例えばインターネットである、WAN(Wide Area Network)60を介して、会社2の外の情報処理装置40と相互に通信可能である。なお、LAN50には、ルーター(Router)及びファイアウォール(Firewall)などが含まれているものとし、LAN50とWAN60との間を通信可能とする機能が含まれるものとする。
利用者端末10、管理者端末20、プリンター30、情報処理装置40は、例えば、それぞれ固有のIPアドレス(Internet Protocol Address)が割り当てられている。これらの装置は、通信先に割り当てられているIPアドレスを指定して、通信先と通信することができる。なお、情報処理装置40は、主に後述の印刷サービスを提供する提供者により提供される。
【0010】
利用者端末10は、第1制御部11、第1通信部12、第1記憶部13、第1入出力部14を含んで構成される。
第1制御部11は、利用者端末10の各部を統括的に制御する。第1制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されている。CPUはプロセッサーともいう。
第1記憶部13は、書き換え可能な不揮発性メモリーであるフラッシュROM(Read Only Memory),揮発性メモリーであるRAM(Random Access Memory)を備える。
第1制御部11は、第1記憶部13のフラッシュROMに記憶されたプログラムを読み出し、第1記憶部13のRAMを作業領域として用いて実行する。
【0011】
また、利用者端末10の第1記憶部13のドライバー記憶部13aには、プリンター30を制御可能な後述の第1ドライバー、又は、第2ドライバーが記憶されている。以下では、第1ドライバー、及び、第2ドライバーを総称して、単にドライバーと称する。
第1制御部11は、ドライバー記憶部13aからドライバーを読み出して実行し、プリンター30を制御して印刷させることができる。
なお、利用者端末10の第1制御部11が、ドライバー記憶部13aにドライバーを記憶することをインストールともいい、ドライバー記憶部13aからドライバーを消去することをアンインストールともいう。
【0012】
利用者端末10の第1通信部12は、無線又は有線により、LAN50と相互に通信可能な回路を含んで構成される。
第1通信部12は、LAN50を介して、管理者端末20、プリンター30などと通信可能である。また、第1通信部12は、LAN50及びWAN60を介して、情報処理装置40とも通信可能である。
なお、利用者端末10は、通信先と送受信する際、第1通信部12により行うが、以下では、説明を簡潔にするため、第1通信部12により送受信することを省略して説明する。また、第1通信部12は、LAN50及びWAN60を介して、情報処理装置40と通信するが、以下では、LAN50及びWAN60を介することを省略して説明する。
【0013】
利用者端末10の第1入出力部14は、利用者に対するユーザーインターフェイスである。第1入出力部14は、例えば、タッチパネルディスプレイである。第1入出力部14は、様々な情報を表示する出力部である表示パネルと、入力部である検出パネルとを備える。
検出パネルは、表示パネルに重ねられて構成されている。検出パネルは、静電容量方式、抵抗膜式、光学式等の方法によって人の指の操作を検出する。
なお、第1入出力部14において、入力部はキーボードやマウスなどでもよく、出力部はスタンド型の液晶ディスプレイなどでもよい。
【0014】
管理者端末20は、第2制御部21、第2通信部22、第2記憶部23、第2入出力部24を含んで構成される。管理者端末20のこれらの構成は、利用者端末10の構成とほぼ同様であるので、構成の説明を省略する。
なお、管理者端末20の第2通信部22は、LAN50を介して、利用者端末10、プリンター30などと通信可能である。
【0015】
また、管理者端末20も、利用者端末10と同様に、第2記憶部23にドライバーをインストールして、プリンター30を利用することができる。但し、以下では、管理者端末20ではなく、利用者端末10がプリンター30を利用するものとして、説明をしていく。
なお、管理者端末20は、通信先と送受信する際、第2通信部22により行うが、利用者端末10の場合と同様に、以下では、説明を簡潔にするため、第2通信部22により送受信することを省略して説明する。また、第2通信部22は、LAN50及びWAN60を介して、情報処理装置40とも通信可能であるが、以下では、LAN50及びWAN60を介することを省略して説明する。
【0016】
情報処理装置40は、第4制御部41、第4通信部42、第4記憶部43、第4入出力部44を含んで構成される。情報処理装置40のこれらの構成は、利用者端末10の構成とほぼ同様であるので、構成の説明を省略する。
情報処理装置40の第4通信部42は、WAN60及びLAN50を介して、利用者端末10、管理者端末20、プリンター30などと通信可能である。
【0017】
なお、情報処理装置40は、通信先と送受信する際、第4通信部42により行うが、利用者端末10の場合と同様に、以下では、説明を簡潔にするため、第4通信部42により送受信することを省略して説明する。
また、第4通信部42は、WAN60及びLAN50を介して、利用者端末10、管理者端末20、プリンター30などと通信可能であるが、以下では、WAN60及びLAN50を介することを省略して説明する。
【0018】
情報処理装置40の第4記憶部43には、プリンター30に係る印刷サービスを提供するための様々な印刷サービスに係る情報が記憶されている。さらに、第4記憶部43には、印刷サービスを提供する際の契約である、例えば、サブスクリプション(Subscription)に係る様々な契約情報も記憶されている。
また、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20や利用者端末10が印刷サービスや契約に係るコンテンツ(Contents)にアクセス可能なウェブサイト(Web Site)を、第4通信部42により提供可能である。
このように、情報処理装置40は、管理者端末20や利用者端末10に対して、印刷サービス等を、いわゆるクラウドサービスとして提供することができる。
なお、情報処理装置40とは別に印刷サービスを提供するサーバーを設け、利用者端末10は、当該サーバーを介して情報処理装置40とアクセス可能な構成としてもよい。
また、管理者端末20がアクセス可能なウェブサイトと、利用者端末10がアクセス可能なウェブサイトは、同一のウェブサイトであっても良いし、異なるウェブサイトであってもよい。
【0019】
プリンター30は、紙に印刷をするインクジェット方式のヘッド、紙を搬送する搬送機構等を有する印刷部34を備える。例えば、印刷部34の搬送機構は、紙を反転し、紙の両面に印刷をすることができる。
他に、プリンター30は、第3制御部31、第3通信部32、第3記憶部33を含んで構成される。プリンター30のこれらの構成は、利用者端末10の構成とほぼ同様であるので、構成の説明を省略する。
【0020】
プリンター30は、第3通信部32により、LAN50を介して、管理者端末20、利用者端末10などと通信可能である。また、プリンター30の第3通信部32は、LAN50から、WAN60を介して、情報処理装置40とも通信可能である。
なお、プリンター30は、通信先と送受信する際、第3通信部32により行うが、利用者端末10の場合と同様に、以下では、説明を簡潔にするため、第3通信部32により送受信することを省略して説明する。また、第3通信部32は、LAN50及びWAN60を介して、情報処理装置40と通信可能であるが、以下では、LAN50及びWAN60を介することを省略して説明する。
【0021】
1-2.印刷サービス
情報処理装置40は、管理者端末20との印刷サービスに係る契約の下、利用者端末10が利用可能なプリンター30に係る印刷サービスを提供可能である。
契約を申し込む際、管理者は、管理者端末20の第2入出力部24を操作し、情報処理装置40が提供するウェブサイトにアクセスする。管理者による第2入出力部24の操作に基づき、管理者端末20の第2制御部21は、情報処理装置40との間で印刷サービスに係る契約情報を送受信し、印刷サービスの契約を申し込む。契約成立に係る契約情報は管理者端末20の第2記憶部23、及び、情報処理装置40の第4記憶部43に記憶される。
【0022】
契約を申し込む際、管理者端末20は、契約を管理する管理者端末20を特定する第2ID(Identification)情報、プリンター30を利用する利用者端末10を特定する第1ID情報、利用者端末10が利用するプリンター30を特定する第3ID情報を、契約情報の一部として情報処理装置40へ送信する。
なお、これらのID情報は、それぞれの装置の記憶部に記憶されていて、管理者端末20が取得することができる。
また、複数の会社を区別や管理するための会社IDが存在しても良い。
【0023】
これらのID情報は、それぞれのメールアドレスでもよい。また、これらのID情報に、それぞれのメールアドレスも含まれていてもよい。以下では、第1ID情報、第2ID情報、第3ID情報を、単に、第1ID、第2ID、第3IDと称する。
なお、契約情報には、印刷サービスに対する契約の期限である契約期限、支払い金額や支払い方法などに係る情報も含まれる。また、契約情報には、提供者からプリンター30をリースする際の情報が含まれていても良い。
【0024】
情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20から、第1ID、第2ID、第3IDを受信し、他の契約情報と共に、第4記憶部43に記憶する。
情報処理装置40の第4制御部41は、第4記憶部43に記憶されている第1ID、第2ID、第3IDに基づき、それぞれ、利用者端末10、管理者端末20、プリンター30を特定することができる。そして、第4制御部41は、第1ID、第2ID、第3IDに基づき、印刷サービスに係る通信及び処理をすることができる。
【0025】
情報処理装置40の第4制御部41は、プリンター30に対する利用許可ID情報を発行し、第4記憶部43に記憶する。以下では、利用許可ID情報を単に許可IDと称する。
提供者による情報処理装置40の第4入出力部44の操作に基づき、第4制御部41は、管理者端末20との間で契約情報を送受信し、契約が成立すると、許可ID、及び、印刷サービスに対応する第1ドライバーを、管理者端末20へ送信する。
このとき、第4制御部41は、プリンター30へも許可IDを送信し、プリンター30の第3記憶部33に記憶させるようにしてもよい。プリンター30の第3制御部31は、許可IDを受信したと判定すると、印刷サービスを実行するようにすることもできる。
【0026】
管理者端末20の第2制御部21は、許可ID、及び、第1ドライバーを受信すると、第2記憶部23に記憶すると共に、利用者端末10へも送信する。利用者端末10は、許可ID、及び、第1ドライバーを受信すると、第1記憶部13への記憶、及び、ドライバー記憶部13aへのインストールをする。
利用者端末10の第1制御部11は、ドライバー記憶部13aから第1ドライバーを読み出して実行し、許可IDを含んだ印刷ジョブを生成することができる。
【0027】
なお、情報処理装置40の第4記憶部43には、契約情報として、許可IDに関係付けられて、第1ID、第2ID、第3IDが記憶される。これらは、印刷サービスに係る通信及び処理をするときに用いられる。
情報処理装置40の第4制御部41は、印刷サービスに係る通信及び処理のとき、第4記憶部43を参照し、受信した第1ID、第2ID、第3IDに基づき、通信元又は通信先を特定すると共に、対応する契約情報を読み出し、印刷サービスに係る処理をすることができる。
例えば、情報処理装置40の第4制御部41は、印刷サービスに係る通信及び処理のときに第1IDを受信すると、第4記憶部43を参照し、利用者端末10を特定し、第1IDに関係付けられている契約情報を読み出し、契約の範囲内の処理をすることができる。
【0028】
ここで、利用者端末10が生成した印刷ジョブを、プリンター30に印刷させる印刷サービスについて説明する。
利用者端末10は、第1ドライバーにより印刷ジョブを生成し、情報処理装置40へ送信することができる。印刷ジョブには、通信元の利用者端末10の第1ID、及び、通信先のプリンター30の第3IDが含まれる。
情報処理装置40の第4制御部41は、印刷ジョブを受信すると、第4記憶部43を参照し、利用者端末10及びプリンター30を特定し、第1ID又は第3IDに関係付けられている契約情報を読み出し、許可されている通信元及び通信先であるかを判定する。また、第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信した時刻が、契約期限内であるかを判定する。
【0029】
第4制御部41は、印刷ジョブを受信し、許可されている通信元及び通信先であり、契約期限内に印刷ジョブを受信したと判定した場合、印刷ジョブをプリンター30へ送信する。プリンター30の第3制御部31は、印刷ジョブを受信すると、印刷部34を制御して印刷させる。
一方、第4制御部41は、印刷ジョブを受信し、許可されている通信元及び通信先ではないと判定した場合、又は、印刷ジョブを受信した時刻が契約期限内ではないと判定した場合、印刷ジョブをプリンター30へ送信しない。印刷ジョブは、プリンター30で印刷することができないこととなる。
【0030】
なお、情報処理装置40の第4制御部41は、許可IDに基づき、印刷ジョブをプリンター30へ送信するか否かを判定するようにしてもよい。
この場合、利用者端末10は、第1ドライバーにより、許可IDを含んだ印刷ジョブを生成し、情報処理装置40へ送信する。情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブに含まれている許可IDと、管理者端末20との間の契約情報として第4記憶部43に記憶されている許可IDとを照合する。
【0031】
情報処理装置40の第4制御部41は、双方の許可IDが一致すると判定した場合、印刷ジョブをプリンター30へ送信することができる。プリンター30の第3制御部31は、印刷ジョブを受信すると、印刷部34を制御して印刷させる。
一方、第4制御部41は、双方の許可IDが一致しないと判定した場合には、印刷ジョブをプリンター30へ送信しない。印刷ジョブは、プリンター30で印刷することができないこととなる。
【0032】
このように、利用者端末10は、契約情報に基づく印刷サービスにおいて、情報処理装置40を介してプリンター30へ印刷ジョブを送信し、印刷をさせることができる。
また、この結果、例えば利用者端末10が外出先にあり、会社2のLAN50の通信範囲外にあっても、印刷サービスを利用できることになる。
すなわち、利用者端末10は、会社2の外からLAN50を介さずにWAN60を介して、情報処理装置40と通信することができる。利用者端末10は、直接WAN60を介して、情報処理装置40へ印刷ジョブを送信することができる。そして、情報処理装置40は、WAN60及びLAN50を介して、会社2のプリンター30へ印刷ジョブを送信し、印刷させることができる。
【0033】
1-3.印刷システムの制御方法
ここでは、印刷システム1の契約の継続処理に係る制御方法を中心に説明する。上述のように、情報処理装置40の第4記憶部43には、管理者端末20との間の印刷サービスに係る契約情報が記憶されている。契約情報には印刷サービスに対する契約期限も含まれる。情報処理装置40の第4制御部41は、第4記憶部43の契約期限を参照し、管理することができる。
【0034】
なお、管理者端末20と情報処理装置40との間の以下の送受信、及び、利用者端末10と情報処理装置40との間の以下の送受信は、情報処理装置40が提供するウェブサイトから行ってもよい。また、利用者端末10、管理者端末20、情報処理装置40は、印刷サービスに係る以下の各種処理を、情報処理装置40が提供するウェブサイトを介して実行することもできる。
このとき、管理者端末20は、第2ID又は許可IDを用いてウェブサイトにログインすることができる。利用者端末10は、第1ID又は許可IDを用いてウェブサイトにログインすることができる。管理者端末20及び利用者端末10は、情報処理装置40が提供するウェブサイトを利用することにより、特別なアプリケーションをインストールして用いる必要がない。
【0035】
図2は、情報処理装置40及び管理者端末20との間で、印刷サービスに係る契約の継続処理をする場合を示している。
情報処理装置40の第4制御部41は、第4記憶部43に記憶された印刷サービスに係る契約期限を参照し、現在の時点が、この契約期限に至ったと判定したとき、契約に係る応答情報を要求する要求情報を、管理者端末20へ送信する(S101)。要求情報には、契約期限に至った旨の情報、及び、契約の継続又は終了を選択させる選択情報が含まれる。その後、情報処理装置40の第4制御部41は、契約期限に至った場合であっても、管理者端末20からの応答情報の受信を可能とする。
なお、図2図5において、送受信する内容の表記において、「情報」を省略している。例えば、「要求情報」は、単に「要求」と表記している。
【0036】
管理者端末20の第2制御部21は、要求情報を受信すると、要求情報の内容を第2入出力部24に表示する。管理者による第2入出力部24の操作に基づき、契約の継続指示がされた場合、第2制御部21は、応答情報である、契約の継続を選択した旨を含む継続情報を、情報処理装置40へ送信する(S102)。
【0037】
情報処理装置40の第4制御部41は、継続情報を受信すると、継続情報の内容を第4入出力部44に表示する。第4制御部41は、提供者による第4入出力部44の操作に基づき、継続処理を実行し(S103)、管理者端末20との間で契約の継続が成立する。
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10に対して印刷サービスの利用許可を与える(S104)。
なお、このとき、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20に対しても印刷サービスの利用許可を与えることもできる。
【0038】
具体的には、情報処理装置40の第4制御部41は、継続処理として、延長した新たな契約期限に更新し、継続した契約情報として第4記憶部43に記憶する。このように、情報処理装置40により新たな契約期限に更新する継続処理が、利用者端末10に対する印刷サービスの利用許可を与えることになる。
この結果、利用者端末10は、引き続き、同じ第1ドライバー、及び、同じ許可IDを使用することができ、プリンター30に印刷ジョブを印刷させることができる。
すなわち、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信した時刻が、新たな契約期限内であると判定できるからである。情報処理装置40は、印刷ジョブをプリンター30へ送信して印刷させることができる。
【0039】
なお、このとき、情報処理装置40の第4制御部41は、継続処理として、継続用の新たな許可IDを発行するようにしてもよい。第4制御部41は、新たな許可IDを契約情報として第4記憶部43に記憶すると共に、管理者端末20、及び、管理者端末20を介して利用者端末10へ送信するようにしてもよい。
利用者端末10は、第1ドライバーにより、新たな許可IDを含む印刷ジョブを生成して情報処理装置40へ送信することができる。
【0040】
情報処理装置40の第4制御部41は、第4記憶部43の契約情報を参照し、新たな許可IDと、印刷ジョブに含まれている新たな許可IDとが一致すると判定することができる。
情報処理装置40は、新たな許可IDの一致に基づき、印刷ジョブをプリンター30へ送信して印刷させることができる。
【0041】
図3は、管理者端末20からの応答情報に基づき、情報処理装置40が契約の継続処理をすることができなかった場合の処理を示している。
図2の場合と同様に、情報処理装置40の第4制御部41は、印刷サービスに係る契約期限に至ったとき、要求情報を管理者端末20へ送信する(S201)。
【0042】
管理者端末20の第2制御部21は、管理者による第2入出力部24の操作に基づき、応答情報として、契約を継続せず終了することを選択した旨を含む終了情報を、情報処理装置40へ送信する(S202)。又は、管理者端末20は、契約期限内など所定期間内に応答情報を送信せず、応答無し、とする(S202)。
【0043】
情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20から応答情報として終了情報を受信した場合、又は、管理者端末20から所定期間内に応答情報を受信しなかった場合には、応答情報に基づき、継続処理をすることができない。
情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの応答情報に基づき、継続処理をすることができず、継続処理不可となる(S203)。
【0044】
具体的には、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの終了情報、又は、応答無しのため、延長した新たな契約期限に更新することができない。情報処理装置40は、管理者端末20との間の印刷サービスに係る契約を終了とする。
このとき、情報処理装置40の第4制御部41は、第4記憶部43に記憶した契約情報を無効としてもよい。例えば、第4制御部41は、許可IDを無効としてもよい。なお、第4制御部41は、契約終了後も所定期間、利用者端末10や管理者端末20などが、ウェブサイトにログイン等できるように、第1ID、第2ID、第3IDを有効としておいてもよい。
【0045】
この結果、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信しても、第4記憶部43を参照し、受信した時刻が契約期限外であると判定することができる。又は、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信しても、第4記憶部43を参照し、許可IDが無効であり、許可IDが一致しないと判定することができる。
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信したとしても、上述のように契約の条件を満たさないと判定するので、プリンター30へ送信しない。従って、利用者端末10は印刷ジョブをプリンター30により印刷させることができない。
なお、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20から印刷ジョブを受信した場合も同様とする。
【0046】
ところで、利用者端末10の利用者は、管理者端末20の管理者による契約の終了、又は、契約の継続をしなかったことを知らない場合がある。このため、利用者端末10は、契約期限外となっても、印刷ジョブを生成して情報処理装置40へ送信する場合がある。しかし、上述のように、情報処理装置40は、利用者端末10から受信した印刷ジョブは契約の条件を満たさないと判定するので、プリンター30により印刷できないことになる。
そこで、利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、印刷サービスの利用を要求する利用要求情報を情報処理装置40へ送信する(S204)。
【0047】
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷サービスの利用要求情報を受信すると(S204)、通知情報を利用者端末10へ送信する(S205)。
すなわち、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの応答情報に基づき、継続処理をすることができなかった場合であって、利用者端末10から印刷サービスの利用を要求する利用要求情報があった場合、契約に係る通知情報を利用者端末10へ送信する。
なお、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの応答情報に基づき、継続処理をすることができなかった場合、利用者端末10から印刷サービスの利用を要求する利用要求情報を受信しなくても、通知情報を利用者端末10へ送信するようにしてもよい。
また、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20から受信した応答情報が継続情報であった場合には、通知情報を利用者端末10へ送信しないようにしてもよい。
【0048】
利用者端末10の第1制御部11は、通知情報を受信すると、通知情報の内容を第1入出力部14に表示する。通知情報には、契約期限外であること、管理者による契約の終了、又は、契約の継続をしなかった旨などの情報が含まれる。また、通知情報には、管理者端末20へ依頼指示処理をするための情報も含まれ、利用者端末10の第1入出力部14に表示することができる。
利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、契約の継続の依頼指示がされた場合、依頼指示処理を実行し(S206)、管理者端末20へ印刷サービスに係る契約の継続を依頼する依頼情報を送信する(S207)。
【0049】
すなわち、利用者端末10の第1制御部11は、通知情報に基づいて契約の継続に係る依頼が指示された場合、契約の継続を依頼する依頼情報を、管理者端末20へ送信する。
管理者端末20の第2制御部21は、利用者端末10から依頼情報を受信すると、依頼情報の内容を第2入出力部24に表示する。管理者による第2入出力部24の操作に基づき、契約の継続指示がされた場合、第2制御部21は、契約の継続を指示する継続指示処理を実行し(S208)、契約の継続を指示する旨を含む継続情報を、情報処理装置40へ送信する(S209)。
【0050】
以降、情報処理装置40の第4制御部41は、図2で説明した、継続処理(S103)、利用許可(S104)、その他の処理について、同様に実行する。
すなわち、情報処理装置40の第4制御部41は、継続情報を受信すると、提供者による第4入出力部44の操作に基づき、継続処理を実行し(S210)、管理者端末20との間で契約の継続を成立させ、利用者端末10に対して印刷サービスの利用許可を与える(S211)。
【0051】
具体的には、情報処理装置40の第4制御部41は、継続処理として、延長した新たな契約期限に更新し、継続した契約情報として第4記憶部43に記憶する。
この結果、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信した時刻が、新たな契約期限内であると判定でき、印刷ジョブをプリンター30へ送信して印刷させることができる。
【0052】
このように、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの応答情報に基づき、継続処理をすることができなかった場合、契約に係る通知情報を利用者端末10へ送信する。
情報処理装置40から利用者端末10への通知情報をトリガーとして、利用者端末10は、管理者端末20に契約の継続をさせて、印刷サービスを利用することができる。利用者端末10は、引き続き、同じ第1ドライバー、及び、同じ許可IDを使用することができ、プリンター30に印刷ジョブを印刷させることができる。
【0053】
次に、図4を参照し、契約終了時、情報処理装置40が利用者端末10に、ドライバーの入れ替えをさせるための処理について説明する。
利用者端末10の第1記憶部13のドライバー記憶部13aには、印刷サービスに対応する第1ドライバーがインストールされている。
【0054】
予め、図3の場合と同様に、情報処理装置40、管理者端末20、利用者端末10は、印刷サービスに係る契約期限に至ったときの要求情報の送信(S201)、終了送信又は応答情報の送信無し(S202)、継続処理不可(S203)、利用要求情報の送信(S204)、を実行するものとする。
その後、図4において、図3の場合と同様に、情報処理装置40は、通知情報を利用者端末10へ送信し(S301)、利用者端末10は、依頼指示処理を実行し(S302)、管理者端末20へ依頼情報を送信する(S303)。
なお、(S301)の処理は、利用者端末から情報処理装置にアクセスした場合の応答であってもよい。
【0055】
ここで、図3の場合とは異なり、管理者端末20の第2制御部21は、管理者による第2入出力部24の操作に基づき、契約の終了を指示する終了指示処理を実行し(S304)、契約の終了を指示する旨を含む終了情報を、情報処理装置40へ送信(S305)するものとする。
情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの終了情報の受信に基づき、契約に係る終了処理を実行する(S306)。
【0056】
具体的には、情報処理装置40の第4制御部41は、終了処理として、契約を終了し、新たな契約期限に更新しない。このとき、第4制御部41は、第4記憶部43に記憶した契約情報を無効としてもよい。また、例えば、第4制御部41は、許可IDを無効としてもよい。
この結果、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信しても、第4記憶部43を参照し、受信した時刻が契約期限外であると判定することができる。又は、情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信しても、第4記憶部43を参照し、許可IDが無効であり、許可IDが一致しないと判定することができる。
【0057】
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から印刷ジョブを受信したとしても、上述のように契約の条件を満たさないと判定するので、プリンター30へ送信せず、利用不可とする(S307)。
従って、利用者端末10は印刷ジョブをプリンター30により印刷させることができない。なお、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20から印刷ジョブを受信した場合も同様とする。
また、利用者端末10は、印刷サービスを利用することができないので、例えば利用者端末10がLAN50の通信範囲外にあっても、利用者端末10は、LAN50を介さずにWAN60を介して情報処理装置40と通信することができない。なお、管理者端末20の場合も同様である。
【0058】
次に、管理者端末20から終了情報を受信した情報処理装置40の第4制御部41は、印刷サービスに対応する第1ドライバーのアンインストールをするか否かを選択させる旨の情報を含む第1選択情報を、利用者端末10へ送信する(S308)。第1選択情報には、第1ドライバーをアンインストールさせるプログラムも含まれる。
【0059】
利用者端末10の第1制御部11は、第1選択情報を受信して第1入出力部14に表示する。ここでは、利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、第1ドライバーのアンインストールを選択して、処理するものとする。
利用者端末10の第1制御部11は、第1選択情報に対する応答であり、第1ドライバーのアンインストールを選択する情報を含む第1選択応答情報を、情報処理装置40へ送信する(S309)。
そして、第1制御部11は、第1選択情報に含まれるアンインストールさせるプログラムを実行し、第1ドライバーをアンインストールする(S310)。なお、管理者端末20の場合も同様である。
【0060】
情報処理装置40の第4制御部41は、第1選択応答情報を受信すると、印刷サービスに対応する第1ドライバーとは異なり、印刷サービスに対応していない第2ドライバーのインストールをするか否かを選択させる旨の情報を含む第2選択情報を利用者端末10へ送信する(S311)。第2選択情報には、第2ドライバー及び第2ドライバーをインストールさせるプログラムも含まれる。
【0061】
ここでは、利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、第2ドライバーのインストールを選択して、処理するものとする。利用者端末10の第1制御部11は、第2選択情報に対する応答であり、第2ドライバーのインストールを選択する情報を含む第2選択応答情報を、情報処理装置40へ送信する(S312)。
そして、第1制御部11は、第2選択情報に含まれるインストールさせるプログラムを実行し、第2ドライバーをインストールする(S313)。なお、管理者端末20の場合も同様である。
なお、上述の第1選択応答情報や第2選択応答情報は、情報処理装置40へ送信しなくてもよい。
また、第2ドライバーをインストールしてから、第1ドライバーをアンインストールする形態としてもよい。
また、第1ドライバーのアンインストール、第2ドライバーのインストールは、一方の選択に影響されることなく、独立して選択できる。
【0062】
利用者端末10の第1制御部11は、第1ドライバーにより印刷ジョブを生成しても、印刷サービスを利用できないので、WAN60及び情報処理装置40を介して、プリンター30へ送信することはできない。
しかし、利用者端末10の第1制御部11は、第2ドライバーにより印刷ジョブを生成し、LAN50を介してプリンター30へ送信し、印刷させることができる。
なお、第2ドライバーは、第1ドライバーに対してプリンター30の機能が制限されている場合がある。例えば、第1ドライバーは両面印刷が可能なのに対し、第2ドライバーは両面印刷ができないなどである。
【0063】
一方、利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、第1ドライバーのアンインストールをしないことを選択して、処理したとする。
利用者端末10の第1制御部11は、第1選択情報に対する応答であり、アンインストールをしないことを選択した情報を含む第1選択応答情報として、情報処理装置40へ送信する。
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10から、アンインストールを選択しない情報を含む第1選択応答情報を受信した場合には、第2選択情報を利用者端末10へ送信しないようにしてもよい。
【0064】
また、利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、第2ドライバーのインストールをしないことを選択して、処理したとする。
利用者端末10の第1制御部11は、第2選択情報に対する応答であり、インストールをしないことを選択した情報を含む第2選択応答情報として、情報処理装置40へ送信する。そして、利用者端末10の第1制御部11は、第2ドライバーのインストールをしない。
【0065】
次に、図5を参照し、契約終了時、情報処理装置40が利用者端末10及び管理者端末20に、アンケートに係る回答を要求し、回答を集計する処理について説明する。アンケートには、印刷サービスに対する評価項目が含まれる。
予め、図4の場合と同様に、情報処理装置40の第4制御部41は、管理者端末20からの終了情報に基づき、終了処理を実行し(S401)、利用者端末10から印刷ジョブを受信したとしても、プリンター30へ送信せず、利用不可とする(S402)。
【0066】
情報処理装置40の第4制御部41は、印刷サービスに係るアンケートに対する回答を要求する回答要求情報を管理者端末20へ送信する(S403)。回答要求情報にはアンケート情報も含まれる。
管理者端末20の第2制御部21は、管理者による第2入出力部24の操作に基づき、アンケートに対する回答を含む回答情報を情報処理装置40へ送信する(S404)。
【0067】
さらに、情報処理装置40の第4制御部41は、回答要求情報を利用者端末10へも送信する(S405)。利用者端末10の第1制御部11は、利用者による第1入出力部14の操作に基づき、アンケートに対する回答を含む回答情報を情報処理装置40へ送信する(S406)。
情報処理装置40の第4制御部41は、利用者端末10及び管理者端末20から受信した回答情報に基づき、集計処理をする(S407)。集計処理は、印刷サービスに対する評価項目の度数分布を算出するなどである。
なお、情報処理装置40の第4制御部41は、回答要求情報を、利用者端末10及び管理者端末20のいずれかへ送信してもよく、継続情報を受信したときに送信してもよい。
【0068】
以上、本実施形態の印刷システム1によれば、情報処理装置40は、契約期限に基づき、印刷サービスに係る契約期限に至ったと判定したとき、契約に係る応答情報を要求する要求情報を、管理者端末20へ送信する。
情報処理装置40は、管理者端末20からの応答情報に基づき、継続処理をすることができなかった場合、通知情報を利用者端末10へ送信する。
利用者端末10は、通知情報に基づいて、契約の継続を依頼する依頼情報を、管理者端末20へ送信する。
管理者端末20は、依頼情報に基づき、契約の継続を指示する旨を含む継続情報を、情報処理装置40へ送信する。
【0069】
情報処理装置40は、継続情報に基づき、継続処理を実行し、管理者端末20との間で契約の継続を成立させ、利用者端末10に対して印刷サービスの利用許可を与える。
このように、本実施形態の印刷システム1は、プリンター30を利用する利用者とは別に契約を管理する管理者がいる場合、利用者によるプリンターの利用、及び、管理者による契約の管理が、適切にできる。
【0070】
上述のように、本実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
プリンター30の印刷部34はインクを用いたインクジェット方式のヘッドの例で説明したが、他の方式でもよい。例えば、印刷部34はトナーを用いた電子写真方式のものでもよい。
【0071】
また、以上に説明した各装置における任意の構成部の機能を実現するための各プログラムを、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0072】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…印刷システム、10…利用者端末、11…第1制御部、12…第1通信部、13…第1記憶部、13a…ドライバー記憶部、14…第1入出力部、20…管理者端末、21…第2制御部、22…第2通信部、23…第2記憶部、24…第2入出力部、30…プリンター、34…印刷部、40…情報処理装置、41…第4制御部、42…第4通信部、43…第4記憶部、44…第4入出力部、50…LAN、60…WAN。
図1
図2
図3
図4
図5