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特開2024-30811情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030811
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240229BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240229BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133962
(22)【出願日】2022-08-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年12月3日に、自社ウェブサイトhttps://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202112/03_5416.htmlに掲載
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【弁理士】
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】荒井 菜緒
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129CC25
2F129DD20
2F129DD36
2F129DD38
2F129DD62
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE53
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE82
2F129EE87
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF65
2F129FF66
2F129FF69
2F129FF73
2F129FF75
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH24
2F129HH35
5H181AA21
5H181BB04
5H181EE05
(57)【要約】
【課題】画像データを含む経路に関する動画データを好適に生成すること。
【解決手段】情報処理システムは、出発地および目的地を決定する決定手段と、道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地および目的地を決定する決定手段と、
道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
出発地および目的地を決定する決定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
前記画像選択手段は、画像データの属性情報に基づいて前記複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記画像選択手段は、前記属性情報として画像データの時間情報を参照し、前記出発地を出発する出発日時又は前記目的地に到着する到着日時に対応する時間情報の画像データを前記複数の画像データから選択することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像選択手段は、前記属性情報として画像データの時間情報を参照し、前記経路探索手段が経路探索を実行した探索日時に対応する時間情報の画像データを前記複数の画像データから選択することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記画像選択手段は、前記属性情報として画像種別を参照し、動画の画像データを優先して前記複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記画像選択手段は、前記複数の画像データに画像種別が動画の画像データがない場合は、静止画の画像データを前記複数の画像データから選択することを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記画像選択手段は、前記属性情報として画像種別を参照し、全周囲映像の画像データを優先して前記複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記画像選択手段は、前記経路探索手段により探索された経路に含まれる第1の道路に関連付けられた画像データの前記属性情報と前記第1の道路に連続する第2の道路に関連付けられた画像データの前記属性情報とが近くなるように前記複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択することを特徴とする請求項3~8のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記画像選択手段により選択される画像データの優先度は、前記経路探索手段が経路の探索において用いた探索条件によって変化することを特徴とする請求項2~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記探索条件は、移動手段の種別であり、
前記画像選択手段は、前記移動手段の種別に関連した画像データを前記複数の画像データから選択することを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記経路探索手段により探索した経路を地図上に重ねて表示部に表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記動画生成手段が生成した動画データを再生するためのユーザインターフェースを前記表示部に表示することを特徴とする請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記経路探索手段により探索された経路に基づく旅程を前記表示部に表示することを特徴とする請求項12又は13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記画像データは前記地図上の位置情報に関連付けられており、
前記表示制御手段は、前記動画生成手段が生成した前記動画データをユーザインターフェースとともに前記表示部に再生表示するとともに、前記動画データの再生中のユーザによる前記ユーザインターフェースの操作に応じて前記地図上の任意の地点の前記画像データを再生表示し、
前記経路探索手段は、前記任意の地点を経由地点として、再度、前記目的地までの経路を探索することを特徴とする請求項12~14のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記動画データを前記表示部に再生表示するとともに、再生中の画像データに対応する道路の混雑予測情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項12~15のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記複数の画像データをユーザインターフェースとともに表示部に再生表示する表示制御手段をさらに備え、
前記画像選択手段は、ユーザによる前記ユーザインターフェースの操作に応じて前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択することを特徴とする請求項2~11のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記動画生成手段が生成した前記動画データをユーザインターフェースとともに表示部に再生表示する表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、ユーザによる前記ユーザインターフェースの操作に応じて前記動画データを構成する画像データを前記属性情報の異なる他の画像データに切り替えることを特徴とする請求項3~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記属性情報が異なる複数の画像データを表示部に同時に再生表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項3~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記属性情報が異なる複数の画像データを表示部に所定時間間隔で切り替えて再生表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項3~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる第3の道路の画像データの前記属性情報と前記第3の道路に連続する第4の道路の画像データの前記属性情報とが異なる場合に、その旨を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項3~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項22】
前記経路探索手段は、前記情報に基づいて関連付けられた画像データが有る道路を優先して経路を探索する第1の探索と、前記情報に基づかないで経路を探索する第2の探索とを行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項23】
前記経路探索手段は、画像データの数が多い経路を優先して探索することを特徴とする請求項1~22のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項24】
前記経路探索手段は、前記決定手段が決定した出発地又は目的地に関連したプロモーションルートをさらに探索することを特徴とする請求項1~23のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項25】
前記動画データは、該動画データを構成する画像データに関連付けられた音声データを含み、
前記動画データの再生時に、前記音声データに基づく音声を出力する音声出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1~24のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項26】
前記画像データは、前記道路に対応する仮想空間上のCG画像を含むことを特徴とする請求項1~25のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項27】
前記仮想空間上のCG画像は、時間情報の異なる複数のCG画像を含むことを特徴とする請求項26に記載の情報処理システム。
【請求項28】
コンピュータを、
出発地および目的地を決定する決定手段、
道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項29】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項30】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~27のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~27のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項31】
コンピュータを、請求項1~27のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項32】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項33】
決定手段が、出発地および目的地を決定するステップと、
情報取得手段が、道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得するステップと、
経路探索手段が、前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索するステップと、
動画生成手段が、前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項34】
コンピュータを、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項35】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項36】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項37】
決定手段が、出発地および目的地を決定するステップと、
経路探索手段が、前記出発地から前記目的地までの経路を探索するステップと、
画像選択手段が、前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択するステップと、
動画生成手段が、前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現在地から目的地までの経路をユーザが地図上で選択し、当該経路に含まれる各撮影経路の市街映像が合成された合成市街映像を出力する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-22912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、画像データを含む経路に関する動画データを好適に生成することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備える。
【0006】
また、本発明の一態様に係る情報処理システムは、
出発地および目的地を決定する決定手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、前記一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択手段と、
前記画像選択手段により選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像データを含む経路に関する動画データを好適に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2図2は、情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、情報処理システムの動画データの生成の動作を示すフローチャートである。
図4図4は、関連付けられた画像データの有無を示す情報の概念図の一例である。
図5A図5Aは、関連付けられた画像データの有無を考慮しない経路探索の結果の一例を示す図である。
図5B図5Bは、関連付けられた画像データの有る道路を優先した経路探索の結果の一例を示す図である。
図6A図6Aは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
図6B図6Bは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面上に動画データが再生表示された状態の一例を示す図である。
図7A図7Aは、図6Aに示す画面の地図領域の拡大図である。
図7B図7Bは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面上の地図領域に複数の経路探索結果が表示された状態の一例を示す図である。
図8A図8Aは、図6Bに示す動画表示領域の拡大図である。
図8B図8Bは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の動画表示領域においてバス車内の画像データを再生表示した状態の一例を示す図である。
図8C図8Cは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面の動画表示領域の変形例を示す図である。
図9図9は、一実施の形態に係る情報システムにより表示される画像データの属性情報を選択するためのユーザインターフェースの一例を示す図である。
図10A図10Aは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面における旅程表示領域の拡大図である。
図10B図10Bは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面における旅程表示領域の他の表示例を示す図である。
図10C図10Cは、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面における旅程表示領域の別の表示例を示す図である。
図11図11は、一実施の形態に係る情報処理システムにより表示される画面におけるルート表示領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(情報処理システムの構成)
図1は、一実施の形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0011】
本実施形態における情報処理システム1は、地図上の任意の出発地から目的地までの経路を探索し、当該経路に関するオンラインツアー動画を生成/再生することができるシステムである。
【0012】
具体的には、例えば、ある観光地をオンライン上で疑似的に観光するオンラインツアーをプランニングするために、ガイドが情報処理システム1を用いて所望の目的地までの経路探索を行う。そして、探索された経路に関する動画(オンラインツアー動画)が情報処理システム1により生成される。また、オンラインツアーの参加者(旅行者)は、情報処理システム1を用いてオンラインツアー動画を視聴(再生)することができる。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0014】
まず、端末装置2について説明する。端末装置2は、ユーザが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0015】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末入力部23と、端末表示部24、端末音声出力部25、端末記憶部26とを有している。各部21~26は、互いに通信可能に接続されている。
【0016】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0017】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0018】
また、端末制御部22は、ユーザが端末入力部23を介して端末装置2に入力した情報を取得する取得部22aを有している。取得部22aが取得した情報は、端末通信部21によりネットワーク4を介してサーバ3に送られる。
【0019】
端末入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。ユーザは、端末入力部23により経路探索の出発地及び目的地を入力する。
【0020】
端末表示部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を表示するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示デバイスである。端末表示部24は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0021】
端末音声出力部25は、端末装置2からユーザに対して音声情報を提示するためのスピーカ等の音声出力デバイスである。端末音声出力部25は、後述の動画生成部32gが生成した動画データの再生時に動画データに含まれる音声データに基づく音声を端末装置2から出力する。また、端末音声出力部25は、後述の報知部32hによる報知の際にも端末装置2から音声を出力する。
【0022】
端末記憶部26は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部26には、端末制御部22が取り扱う各種データや端末通信部21がネットワーク4を介してサーバ3からダウンロードした動画データ(画像データ)等が記憶される。端末記憶部26は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部26の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0023】
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部31~33は、互いに通信可能に接続されている。
【0024】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0025】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベースと、地図情報を含む地図情報データベースと、後述の画像データの有無を示す情報とを含んでいる。
【0026】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網(道路ネットワーク)を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0027】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0028】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。
【0029】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0030】
サーバ制御部32は、決定部32aと、情報取得部32bと、経路探索部32cと、表示制御部32dと、経路指定部32eと、画像選択部32fと、動画生成部32gと、報知部32hとを有している。これらの各部32a~32hは、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0031】
決定部32aは、ネットワーク4を介してサーバ通信部31が受信した情報に基づいて経路探索のための出発地および目的地を決定する。なお、決定部32aは、出発地および目的地に加えて、経由地を決定しもよい。
【0032】
情報取得部32bは、道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報をサーバ記憶部33から取得する。ここで、「各道路について関連付けられた画像データ」とは、各道路を撮影した動画データ、静止画データ又は各道路に対応するメタバース等の仮想空間上の場所をキャプチャしたCG画像(静止画又は動画)を含む。なお、画像データの有無を示す情報は、ネットワーク4を介してサーバ通信部31によりネットワークに接続された他の記憶装置から取得するようにしてもよい。
【0033】
図4は、関連付けられた画像データの有無を示す情報の概念図の一例を示す図である。図4において、地図上に引かれた線50が関連付けられた画像データが有る道路を示している。このように、情報取得部32bが取得した関連付けられた画像データの有無を示す情報を端末表示部24に表示して可視化してもよい。
【0034】
経路探索部32cは、情報取得部32bが取得した各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報に基づいて、関連付けられた画像データの有る道路を優先して出発地から目的地までの経路を探索する。例えば、画像データのある道路のコストを低くしたり、画像データのない道路のコストを高くすることで、画像データのある道路が経路として探索されやすくする。なお、経路探索部32cは、決定部32aが経由地を決定している場合は、経由地も考慮して経路を探索する。
【0035】
図5Aは、各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を考慮しないで、出発地60から目的地61までの経路探索を行った結果の一例を示す図である。図5Aに示すように、関連付けられた画像データの有無を示す情報を考慮せずに最短経路が優先された結果、関連付けられた画像データの有る道路50Rを通らない経路51が探索されてしまっている。
【0036】
これに対し、本実施形態の情報処理システム1は、図5Bに示すように、経路探索部32cが関連付けられた画像データの有る道路を優先して出発地から目的地までの経路を探索するので、関連付けられた画像データの有る道路50Rを通る経路52が探索される。
【0037】
また、経路探索部32cは、決定部32aが決定した出発地、経由地及び目的地の少なくともいずれかに関連するプロモーションルートの検索も行う。プロモーションルートとは、観光地や施設等の集客や宣伝等を目的として、自治体や旅行業者等が旅行者に訪れて欲しい場所(歴史的建造物、文化遺産、店舗等)を経由地とした経路である。
【0038】
また、経路探索部32cは、関連付けられた画像データの数が多い経路を優先して探索するようにしてもよい。これにより、後述の画像選択部32fによる画像選択の自由度を向上させることができる。
【0039】
なお、経路探索部32cは、関連付けられた画像データの有る道路を優先しない経路探索も行うことができる。例えば、目的地までの最短ルート、道路の混雑状況を考慮した最速ルート、公共交通機関の利用料金を考慮した最安ルート等の経路探索を行うこともできる。また、経路探索部32cは、最適コストを考慮した経路探索を行うようにしてもよい。例えば、経路探索部32cは、出発地から目的地までの間に存在する各リンク/ノードのコストに基づいてコスト計算(積算)を行い、出発地から目的地までの総コストが最小となる経路を探索する。この場合において、各コスト要因(距離、時間、料金、煩雑さ等)について重みづけを行うことにより所望の要因を優先した探索を行うことができる。例えば、「時間」の重み係数を大きくして時間優先探索を行ったり、「距離」の重み係数を大きくして距離優先探索を行ったりすることができる。
【0040】
表示制御部32dは、情報処理システム1のユーザがオンラインツアーをプランニングするために使用する後述のプランニングツールの操作画面をGUI(Graphical User Interface)とともに端末表示部24に表示する。
【0041】
図6Aは、表示制御部32dが端末表示部24に表示したプランニングツールの表示画面の一例を示す図である。この表示画面は、探索された経路に基づく旅程を表示する旅程表示領域70と、経路探索を行う地図上の観光名所や施設等のスポットを表示するスポット表示領域71と、地図を表示する地図領域72とを有している。
【0042】
図7Aは、図6Aの地図領域72の拡大図である。図7Aに示すように、地図領域72に表示された地図上に出発地72aから目的地72bまでの、関連付けられた画像データの有る道路を優先する経路探索を行った結果として経路72Rが周辺スポット72cとともに表示されている。また、地図領域72の地図上に、ルート探索結果を表示するルート表示領域72dが重畳表示されている。後述の経路指定部32eによって経路が指定され、当該経路に関する動画データが後述の動画生成部32gにより生成されると、表示制御部32dはルート表示領域72dに動画データを再生するためのアイコン72e(ユーザインターフェース)を表示する。
【0043】
図11は、経路探索部32cが探索した経路の移動手段がバス(公共交通機関)であった場合のルート表示領域72dの表示例を示す図である。図11に示すように、表示制御部32dは、ルート表示領域72dのタイムライン上に公共交通機関のバスを示すアイコン72fを表示し、その近傍に動画データを再生するためのアイコン72eが表示する。このアイコン72eがユーザにより操作されると、図8Bに示すように、表示制御部32dは、バス車内で撮影された動画データ(画像データ)を動画表示領域にユーザインターフェース81とともに再生表示する。
【0044】
また、表示制御部32dは、経路探索部32cがプロモーションルートも探索した場合には、当該プロモーションルートの経路も端末表示部24に表示する。
【0045】
図7Bは、表示制御部32dがプランニングツールの地図領域72の地図上にプロモーションルートを表示した例を示す図である。図7Bに示すように、経路探索部32cが行った画像データの有る道路を優先した経路探索のうち最短経路72Rの他に、プロモーションルート72Sとプロモーションルート72Tとが地図領域72に表示されている。
【0046】
また、表示制御部32dは、後述の経路指定部32eにより指定された経路に基づく旅程を端末表示部24に表示する。
【0047】
図10Aは、図6Aの旅程表示領域70の拡大図である。図10Aに示すように、表示制御部32dはプランニングツールの旅程表示領域70に、後述の経路指定部32eが指定した経路に対応する旅程70bを表示する。また、表示制御部32dは、この旅程表示領域70に、移動手段(交通手段)の種別70aも併せて表示する。図10Aの例では、移動手段として「徒歩」が指定されている。移動手段が公共交通機関の場合には、図10Cに示すように、移動手段として「公共交通」が指定され、公共交通機関を利用した旅程70eが旅程表示領域70に表示される。
【0048】
また、表示制御部32dは、経路指定部32eがプロモーションルートを指定すると、これを旅程表示領域70に反映させる。例えば、図7Bにおいて、経路指定部32eがユーザ操作等に基づいてプロモーションルート72Tを指定した場合、表示制御部32dは、図10Bに示すように、プロモーションルート72Tに対応する旅程70dを表示する。
【0049】
また、表示制御部32dは、後述の動画生成部32gが生成した動画データをユーザインターフェース(GUI)とともに端末表示部24に再生表示する。
【0050】
図6Bは、プランニングツールの表示画面上に動画データが再生表示された状態の一例を示す図である。前述のアイコン72eがユーザによって操作されると、表示制御部32dは、プランニングツールの表示画面上の動画表示領域80に動画データを再生表示する。
【0051】
図8Aは、図6Bに示した動画表示領域80の拡大図である。図8Aに示すように、表示制御部32dは、複数のアイコンで構成されたユーザインターフェース81を動画に重畳表示する。
【0052】
動画データの再生中にユーザがユーザインターフェース81を操作することにより地図上の任意の地点の位置情報に関連付けられた画像データを表示することができる。これにより、情報処理システム1のユーザは、オンラインツアー動画の再生中に、予め設定された経路に制限されずに自由に地図上の任意の地点の映像を視聴することができる。この場合、動画データの再生中にオンライン上で訪れた任意の地点を経由地点として、経路探索部32cにより再度、目的地までの経路を探索するようにしてもよい。すなわち、ユーザがオンライン上で訪れた地点に基づいて、オンラインツアー動画に当初設定された経路とは異なる経路を旅程に反映させてもよい。この場合、変更後の経路の距離に応じて、図10Aに示す旅程表示領域のライン70cの長さを変更してもよい。
【0053】
また、ユーザがユーザインターフェース81を操作することにより動画データの再生速度を調整できるようにしてもよい。この場合、再生速度を経路上の移動速度に変換して旅程上に反映させるようにしてもよい。例えば、再生速度(移動速度)が遅くなり目的地までの移動時間が長くなる場合には、図10Aに示す旅程表示領域のライン70cの長さを長くする。また、逆に、再生速度(移動速度)が速くなり目的地までの移動時間が短くなる場合には、図10Aに示す旅程表示領域のライン70cの長さを短くしてもよい。
【0054】
また、表示制御部32dは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に応じて動画データを構成する画像データを属性情報の異なる他の画像データに切り替えるようにしてもよい。
【0055】
図8Cは、動画表示領域の変形例を示す図である。図8Cに示すように、表示制御部32dは、動画表示領域に再生表示された動画にユーザインターフェース81と、属性選択アイコン82と、マップ83と、ガイド84とを重畳表示する。ユーザ操作により属性選択アイコン82が選択されると、表示制御部32dは、画像データの属性情報を選択するための属性選択画面90を端末表示部24に表示する。この属性選択画面には、画像データに関連付けられた季節や時間帯で構成された属性情報91が表示され、ユーザがアイコン92を操作することにより、再生中の動画をユーザの好みの属性情報91を有する画像データに切り替えることができる。
【0056】
このような構成とすることにより、動画データが生成された後において、動画データを視聴するユーザの好みで属性情報を異なる画像データを表示することができる。例えば、動画データに春(Spring)の画像データが使用されていた場合に、ユーザが上記ユーザインターフェースを操作することにより冬(Winter)の画像データに変更することができる。この場合、動画データはプレイリスト形式でサーバ記憶部33に記憶しておくと、画像データの切り替えを容易に行うことができる。あるいは、複数枚の画像データを格納できるHEIF(High Efficiency Image File Format)形式やAVIF(AV1 Image File Format)形式等で動画データを生成しておいてもよい。
【0057】
また、表示制御部32dは、動画生成部32gが生成した動画データを端末表示部24に再生表示するとともに、再生中の画像が関連付けられた道路の混雑予測情報を端末表示部24に表示するようにしてもよい。例えば、混雑予測情報として、「混雑」「やや混雑」「空いている」等のテキストやこれらに対応する記号あるいは人型のイラストを再生中の画像(動画)に重畳表示してもよい。これにより、情報処理システム1のユーザは、現地を訪問する前に混雑状況を事前に想定することができる。
【0058】
また、表示制御部32dは、経路探索部32cが、情報取得部32bが取得した情報に基づいて関連付けられた画像データが有る道路を優先して経路を探索する第1の探索(画像優先探索)と、当該情報に基づかないで経路を探索する第2の探索(非画像優先探索)とを行った場合に、第1の探索で探索された経路と第2の探索で探索された経路との両方を地図上に重ねて端末表示部24に表示してもよい。
【0059】
また、表示制御部32dは、動画生成部32gが生成した動画データの再生時において、属性情報が異なる複数の画像データを端末表示部24に同時に再生表示するようにしてもよい。これにより、後述の画像選択部32fが属性情報の異なる複数の画像データを選択した場合に、情報処理システム1のユーザがこれらの複数の画像データを同時に見ることができる。
【0060】
また、表示制御部32dは、動画生成部32gが生成した動画データの再生時において、属性情報が異なる複数の画像データを端末表示部24に所定時間間隔(例えば、5秒間隔)で切り替えて再生表示するようにしてもよい。これにより、後述の画像選択部32fが属性情報の異なる複数の画像データを選択した場合に、情報処理システム1のユーザがこれらの複数の画像データを順次見ることができる。
【0061】
経路指定部32eは、表示制御部32dにより端末表示部24に表示された経路を指定する。経路の指定の方法としては、経路指定部32eが自動的に所定の条件を満たす経路を指定してもよいし、端末入力部23を介したユーザの操作に基づいて経路を指定してもよい。
【0062】
画像選択部32fは、経路指定部32eにより指定された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、当該一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する。具体的には、画像選択部32fは、画像データの属性情報に基づいて複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する。ここで、属性情報とは、画像データの時間情報(撮影日時、キャプチャ日時、作成日時、更新日時等)、季節情報(春、夏、秋、冬)、画像種別(静止画、動画、全周囲映像、パノラマ画像、CG画像)、撮影場所(屋外、屋内、施設内、施設外、バス車内、電車内等)、位置情報(経度・緯度等のジオタグ)、イベント情報(祭、花見、紅葉、大会、ライブ等)等を含む。
【0063】
例えば、画像選択部32fは、属性情報として画像データの時間情報を参照し、出発地を出発する出発日時又は目的地に到着する到着日時に対応する時間情報の画像データを前記複数の画像データから選択するようにしてもよい。
【0064】
また、例えば、画像選択部32fは、属性情報として画像データの時間情報を参照し、経路探索手段が経路探索を実行した探索日時に対応する時間情報の画像データを複数の画像データから選択するようにしてもよい。
【0065】
また、例えば、画像選択部32fは、属性情報として画像種別を参照し、動画の画像データを優先して複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択するようにしてもよい。この場合において、画像選択部32fは、複数の画像データに画像種別が動画の画像データがない場合は、静止画の画像データを複数の画像データから選択するようにしてもよい。
【0066】
また、例えば、画像選択部32fは、属性情報として画像種別を参照し、全周囲映像(360度映像)の画像データを優先して複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択するようにしてもよい。この場合において、画像選択部32fは、複数の画像データに画像種別が全周囲映像の画像データがない場合は、パノラマ画像、通常の静止画又は動画の画像データを複数の画像データから選択するようにしてもよい。
【0067】
また、画像選択部32fは、端末入力部23を介したユーザの操作に基づいて画像データを選択してもよい。例えば、表示制御部32dが属性情報の異なる複数の画像データを端末表示部24に表示し、端末入力部23を介したユーザの操作に基づいて画像選択部32fが画像データを選択するようにしてもよい。
【0068】
また、画像選択部32fは、経路指定部32eにより指定された経路に含まれる第1の道路に関連付けられた画像データの属性情報と第1の道路に連続する第2の道路に関連付けられた画像データの属性情報とが近くなるように複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択するようにしてもよい。例えば、第1の道路に関連付けられた画像データが全周囲映像である場合は、第2の道路の画像データは全周囲映像又はパノラマ画像を選択するようにしてもよい。また、例えば、第1の道路に関連付けられた画像データが仮想空間上のCG画像である場合は、第2の道路の画像データも仮想空間上のCG画像を選択するようにしてもよい。このようにすることで、後述の動画生成部32gが生成した動画データの再生時において、第1の道路の画像から第2の画像に映像が切り替わる際の違和感を小さくすることができる。
【0069】
また、画像選択部32fにより選択される画像データの優先度は、経路探索部32cが経路の探索において用いた探索条件によって変化するようにしてもよい。例えば、経路探索部32cによる経路探索において、探索条件として移動手段(交通手段)の種別を指定した場合には、当該指定した交通手段に関連付けられた画像データの選択の優先度を高くするようにしてもよい。具体的には、例えば、移動手段として公共交通機関(バス等)を指定した場合には公共交通機関に関連する画像データ(バス車内の風景画像等)を選択するようにしてもよい。詳細は後述する。
【0070】
動画生成部32gは、画像選択部32fが選択した各道路の画像データに基づいて動画データ(オンラインツアー動画)を生成する。具体的には、動画生成部32gは、各道路の画像データを連結符号化し、端末装置2がネットワーク4を介してサーバ3からダウンロード可能なファイル形式でサーバ記憶部33に記憶する。なお、各画像データのプレイリストを作成し、MPEG-DASH、HLS(HTTP Live Streaming)等の動画配信プロトコルを用いてサーバ3又はCDN(Content Delivery Network)によりストリーミング配信してもよい。
【0071】
報知部32hは、経路指定部32eにより指定された経路に含まれる一の道路(第3の道路)の画像データの属性情報とこの道路(第3の道路)に連続する他の道路(第4の道路)の画像データの前記属性情報とが異なる場合に、その旨を報知する。例えば、一の道路(第3の道路)の画像データが動画であり、一の道路に連続する他の道路(第4の道路)の画像データが静止画である場合に、報知部32hは、表示制御部32dを介して端末表示部24にその旨を表示(報知)する、あるいは、端末音声出力部25を介して端末装置2からその旨の音声を出力(報知)する。これにより、端末装置2を利用するユーザは、経路を構成する道路の画像データの連続性が変化することを知覚することができる。なお、報知部32hによる報知は、動画生成部32gが生成した動画データ(オンラインツアー動画)の再生中に行ってもよいし、画像選択部32fによる画像データの選択時に行ってもよい。
【0072】
(動作の一例)
次に、図2を参照して、情報処理システム1の動作の一例について説明する。図2は、情報処理システム1のオンラインツアー動画(動画データ)を生成する動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、サーバ通信部31は、ネットワーク4を介して、ユーザが端末装置2の端末入力部23を用いて入力した出発地および目的地に関する情報を受信する。そして、サーバ制御部32の決定部32aは、サーバ通信部31が受信した情報に基づいて経路探索の出発地および目的地を決定する(ステップS10)。
【0074】
次に、サーバ制御部32の情報取得部32bは、経路探索する地図上の道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する(ステップS11)。
【0075】
そして、サーバ制御部32の経路探索部32cは、情報取得部32bが取得した情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して前記出発地から前記目的地までの経路を探索する(ステップS12)。
【0076】
次に、サーバ制御部32の表示制御部32dは、経路探索部32cにより探索した経路を地図上に重ねて端末表示部24に表示する(ステップS13)。このとき、経路探索部32cが探索した経路が複数ある場合は、表示制御部32dは、端末表示部24に複数の経路を表示する。
【0077】
次に、サーバ制御部32の経路指定部32eは、表示制御部32dにより端末表示部24に表示された経路を指定する(ステップS14)。
【0078】
最後に、サーバ制御部32の動画生成部32gは、経路指定部32eにより指定された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データ(オンラインツアー動画)を生成する(ステップS15)。
【0079】
ここで、動画生成部32gによる動画データの生成の動作について説明する。図3は、図2のステップS15のサブルーチンであって、動画生成部32gによる動画データの生成の動作を示すフローチャートである。
【0080】
まず、動画生成部32gは、動作データを生成する対象の経路を構成する一の道路を選択する。例えば、動画生成部32gは、出発地に最も近い道路を選択する(ステップS151)。
【0081】
次に、動画生成部32gは、ステップS151において選択した道路に複数の画像データが関連付けられているか否かを判定する(ステップS152)。この判定が肯定された場合はステップS153に進み、否定された場合はステップS154に進む。
【0082】
ステップS153において、動画生成部32gは、サーバ制御部32の画像選択部32fにより、複数の画像データから1つ以上の画像データを選択する。ここで、画像選択部32fによる画像データの選択は、上述したように、画像データに関連付けられている属性情報に基づいて行ってもよいし、端末表示部24に表示されたユーザインターフェースをユーザが操作することにより行ってもよい。
【0083】
次に、動画生成部32gは、動作データを生成する対象の経路を構成する全ての道路について画像データの選択が完了したか否かを判定する(ステップS154)。この判定が肯定された場合はステップS155に進み、否定された場合はステップS151に戻り、画像データの選択がされていない道路の選択をする。
【0084】
最後に、動画生成部32gは、選択した画像データを連結符号化あるいはプレイリスト化して動画データを生成する(ステップS155)。
【0085】
以上のような実施の形態によれば、情報処理システム1が、出発地および目的地を決定する決定部32aと、道路ネットワークを構成する各道路について関連付けられた画像データの有無を示す情報を取得する情報取得部32bと、情報取得部32bが取得した情報に基づいて関連付けられた画像データの有る道路を優先して出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部32cと、経路探索部32cにより探索された経路に含まれる各道路に関連付けられた画像データに基づいて動画データを生成する動画生成部32gと、を備えるので、画像データが関連付けられていない道路を含む道路ネットワークにおいて目的地までの経路に関する動画データを好適に生成することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、情報処理システム1が、出発地および目的地を決定する決定部32aと、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部32cと、経路探索部32cにより探索された経路に含まれる一の道路に対応する画像データが複数存在する場合に、当該一の道路に対応する複数の画像データから少なくとも一つの画像データを選択する画像選択部32fと、画像選択部32fにより選択された画像データに基づいて動画データを生成する動画生成部32gと、を備えるので、一つの道路に複数の画像データが対応している場合であっても、対象の経路について動画データ(オンラインツアー動画)を好適に生成することができる。
【0087】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0088】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0089】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0090】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0091】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
22a 取得部
23 端末入力部
24 端末表示部
25 端末音声出力部
26 端末記憶部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 決定部
32b 情報取得部
32c 経路探索部
32d 表示制御部
32e 経路指定部
32f 画像選択部
32g 動画生成部
33 サーバ記憶部
4 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11