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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030822
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】バイクライダー冷却装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20240229BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A41D13/002 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133985
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】595042427
【氏名又は名称】株式会社コミネ
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】阿知波 直哉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 典義
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AB16
3B011AC02
3B011AC03
3B211AB16
3B211AC02
3B211AC03
(57)【要約】
【課題】バイクライダーの衣服内を効率よく冷却することができ、衣服の選択の自由度が高められ、デザイン性や洗濯等への影響も少なく抑えられるバイクライダー冷却装置を提供する。
【解決手段】バイクライダー1の身体または車両100に取り付けられる送気手段20と、送気手段20から延びる送気管30と、を備え、送気管30は、バイクライダー1の衣服の内部に開口する流出口31を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイクライダーの身体または車両に取り付けられる送気手段と、
前記送気手段から延びる送気管と、を備え、
前記送気管は、前記バイクライダーの衣服の内部に開口する流出口を有する、
バイクライダー冷却装置。
【請求項2】
前記送気管は、可撓性を有する、
請求項1に記載のバイクライダー冷却装置。
【請求項3】
前記流出口は、前記送気管に複数設けられ、
複数の前記流出口は、互いに離れて配置される、
請求項1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【請求項4】
前記流出口は、前記バイクライダーの腰部、胴部、腕部及び脚部のいずれかに配置される、
請求項1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【請求項5】
前記送気管は、さらに、前記バイクライダーのヘルメットの内部に開口する頭部流出口を有する、
請求項1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【請求項6】
前記送気手段に電力を供給する電源を備え、
前記電源は、前記車両に搭載される車両バッテリー及び前記バイクライダーが携帯する携帯バッテリーのいずれかから選択される、
請求項1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【請求項7】
前記送気手段と電気的に接続される制御部を備え、
前記制御部は、前記制御部に入力される所定の車両情報に基づいて、前記送気手段を送気モードと送気停止モードとに切り替える、
請求項1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイクライダー冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車等のオートバイなどに乗るバイクライダーが着用する衣服には、ライダーの安全性を確保するため、生地の厚い素材等が用いられている。また、車両の転倒時などにバイクライダーの腕や脚を保護するため、長袖の上着や丈の長いズボン等が推奨されている。
【0003】
車両の走行中においては、バイクライダーの身体が走行風に当たるため、体表の汗が蒸発するときの気化熱等の作用により、涼しさを感じることができる。しかしながら、例えば気温が高い夏季等において、信号待ちや渋滞の際などに車両が停止すると、バイクライダーの衣服内で急激に温度が上昇して、不快な状況となりやすい。場合によっては、バイクライダーが熱中症になるおそれも生じる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1、2に記載されるようなファン一体型の空調服を用いれば、バイクライダーの衣服の内部に外気を取り込み、汗の蒸発を促して効率よく身体を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6017069号公報
【特許文献2】特許第4399765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ファン一体型の空調服では、バイクライダーが衣服を選択する際の自由度が低く、デザイン性への影響も大きい。さらに、ファン付きの衣服であるため、洗濯やクリーニングなど(以下、洗濯等と省略する)の際の取り扱いが面倒である。
【0007】
本発明は、バイクライダーの衣服内を効率よく冷却することができ、衣服の選択の自由度が高められ、デザイン性や洗濯等への影響も少なく抑えられるバイクライダー冷却装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔本発明の態様1〕
バイクライダーの身体または車両に取り付けられる送気手段と、前記送気手段から延びる送気管と、を備え、前記送気管は、前記バイクライダーの衣服の内部に開口する流出口を有する、バイクライダー冷却装置。
【0009】
〔本発明の態様2〕
前記送気管は、可撓性を有する、態様1に記載のバイクライダー冷却装置。
【0010】
〔本発明の態様3〕
前記流出口は、前記送気管に複数設けられ、複数の前記流出口は、互いに離れて配置される、態様1または2に記載のバイクライダー冷却装置。
【0011】
〔本発明の態様4〕
前記流出口は、前記バイクライダーの腰部、胴部、腕部及び脚部のいずれかに配置される、態様1から3のいずれか1つに記載のバイクライダー冷却装置。
【0012】
〔本発明の態様5〕
前記送気管は、さらに、前記バイクライダーのヘルメットの内部に開口する頭部流出口を有する、態様1から4のいずれか1つに記載のバイクライダー冷却装置。
【0013】
〔本発明の態様6〕
前記送気手段に電力を供給する電源を備え、前記電源は、前記車両に搭載される車両バッテリー及び前記バイクライダーが携帯する携帯バッテリーのいずれかから選択される、態様1から5のいずれか1つに記載のバイクライダー冷却装置。
【0014】
〔本発明の態様7〕
前記送気手段と電気的に接続される制御部を備え、前記制御部は、前記制御部に入力される所定の車両情報に基づいて、前記送気手段を送気モードと送気停止モードとに切り替える、態様1から6のいずれか1つに記載のバイクライダー冷却装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明の前記態様のバイクライダー冷却装置によれば、バイクライダーの衣服内を効率よく冷却することができ、衣服の選択の自由度が高められ、デザイン性や洗濯等への影響も少なく抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態のバイクライダー冷却装置の送気手段を車両に取り付けて使用する場合を示す側面図である。
図2図2は、送気手段の一部(ブロアファン、収納体)及び送気管の一部を示す平面図である。
図3図3は、送気手段の一部(ブロアファン)を示す側面図である。
図4図4は、本実施形態のバイクライダー冷却装置の送気手段を身体に取り付けて使用する場合を示す正面図である。
図5図5は、バイクライダー冷却装置の送気手段を身体に取り付けて使用する場合を示す正面図であり、本実施形態の第1変形例を表している。
図6図6は、バイクライダー冷却装置の送気手段を身体に取り付けて使用する場合を示す正面図であり、本実施形態の第2変形例を表している。
図7図7は、バイクライダー冷却装置の送気手段を身体に取り付けて使用する場合を示す正面図であり、本実施形態の第3変形例を表している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態のバイクライダー冷却装置10について、図面を参照して説明する。なお本実施形態においては、バイクライダー冷却装置10を単に装置などと呼ぶ場合がある。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のバイクライダー冷却装置10は、自動二輪車等のオートバイなどの車両100に乗るバイクライダー1の身体を冷却するために用いられる。
【0019】
バイクライダー冷却装置10は、バイクライダー1の身体または車両100に取り付けられる送気手段20と、送気手段20から延びる送気管30と、送気手段20に電力を供給する電源(図示省略)と、を備える。
【0020】
図2及び図3に示すように、送気手段20は、ブロアファン21と、ブロアファン21を収納する収納体25と、車両100に取り付けられる車両取付部(図示省略)と、バイクライダー1の身体に取り付けられる身体取付部(図示省略)と、送気管30をバイクライダー1の衣服に固定する固定手段(図示省略)と、を有する。
【0021】
ブロアファン21は、電力により回転駆動されるモータ22と、モータ22により中心軸C回りに回転させられる羽根車23と、羽根車23を収納するケーシング24と、を有する。なお、本実施形態ではモータ22が羽根車23とともにケーシング24に収納されている構成を示すが、この構成に限らず、モータ22は、ケーシング24の外部に設けられてシャフト等により羽根車23と連結されていてもよい。
【0022】
ブロアファン21は、中心軸Cが延びる方向(軸方向)からケーシング24内にエア(空気)を吸い込み、このエアが、回転する羽根車23によって径方向外側かつ中心軸C回りに押し出され、ケーシング24の内周面に沿って中心軸C回りの一方向へ送り出されるように構成されている。すなわち、ブロアファン21は、送気管30内に向けて一方向にエアAを吹き出す。このように構成されるブロアファン21は、いわゆる軸流ファンなどと比べて、吹き出す風の勢いが強い。言い換えると、ブロアファン21は、軸流ファンなどと比べて、静圧(風圧)が高く、風力が強い。
【0023】
収納体25は、例えば、デザイン性のよい布製、樹脂製、金属製、木製等のポーチ、バッグ、ケース、リュック等により構成される。図2に示すように、ブロアファン21は、収納体25の内部に配置される。
【0024】
収納体25は、ブロアファン21が配置されるファン配置部28を有する。ファン配置部28は、例えば、ポケット等により構成されている。ブロアファン21は、ファン配置部28に挿入されたり、取り付けられたり、固定される。
【0025】
収納体25は、さらに、ブロアファン21にエアを吸気する吸気口26と、送気管30の一部またはブロアファン21の一部が挿通される挿通口27と、を有する。
吸気口26は、収納体25の一部に開口される孔であり、収納体25の外部と内部とを連通する。特に図示しないが、吸気口26には、網状のメッシュやフィルター等が設けられる。
挿通口27は、収納体25の他の一部に開口される孔であり、収納体25の外部と内部とを連通する。
【0026】
特に図示しないが、車両取付部は、例えば収納体25に一体に設けられる。車両取付部が車両100に取り付けられることで、送気手段20は、車両100に着脱可能に装着される(図1を参照)。
【0027】
具体的に、車両取付部は、例えば吸盤等を備えており、吸着力により送気手段20を車両100の燃料タンク101等に対して、着脱可能に装着する。ただしこれに限らず、車両取付部は、例えばマグネット等を備えており、磁力により送気手段20を燃料タンク101等に対して着脱可能に装着するように構成されていてもよい。
【0028】
ただし本実施形態のように、車両取付部が、吸盤等の吸着力により送気手段20を固定する構成とされている場合には、燃料タンク101等の材質に関わらず装着を行えることから、より好ましい。
【0029】
特に図示しないが、身体取付部は、例えば収納体25に一体に設けられる。身体取付部がバイクライダー1の身体に取り付けられることで、送気手段20は、身体に着脱可能に装着される(図4を参照)。身体取付部は、例えば、腰巻きベルト、肩掛けベルト、クリップ等である。
【0030】
また特に図示しないが、送気管30をバイクライダー1の衣服に取り付ける固定手段は、例えば、クリップ等である。なお、固定手段は、設けられなくてもよい。
【0031】
図1及び図4に示すように、送気管30は、筒状であり、送気手段20に接続される。送気管30は、可撓性を有するホースやチューブ等である。送気管30は、所定の曲率半径よりも大きな湾曲形状であれば、折れ曲がることなく自由に撓み変形させることが可能である。
【0032】
図2に示すように、送気管30が延びる延在方向の両端部のうち、一端部は、送気手段20のブロアファン21に接続される。具体的に、送気管30の一端部は、ブロアファン21のケーシング24の吹出し口24aに接続される。
図1及び図4に示すように、送気管30が延びる延在方向の両端部のうち、他端部は、バイクライダー1の衣服の内部に挿入される。
【0033】
送気管30は、バイクライダー1の衣服の内部に開口する流出口31を有する。本実施形態では流出口31が、送気管30の延在方向の他端部に開口する孔状である。流出口31は、送気手段20から送気管30の内部を通して送られるエアAを、送気管30の外部に流出させる。すなわち、流出口31は、送気手段20から送られるエアAを、バイクライダー1の衣服の内部へ流出させる。
【0034】
流出口31は、バイクライダー1の腰部2、胴部3、腕部4及び脚部5のいずれかに配置される。本実施形態では、流出口31が、バイクライダー1の衣服内において、腰部2に配置される。
【0035】
特に図示しないが、電源は、送気手段20のブロアファン21と電気的に接続される。電源は、ブロアファン21(送気手段20)と配線コネクター等を介して着脱可能に接続される。電源は、ブロアファン21のモータ22に電力を供給する。
【0036】
電源は、車両100に搭載される車両バッテリー(図示省略)及びバイクライダー1が携帯する携帯バッテリー(図示省略)のいずれかから選択される。具体的に、車両バッテリーの電圧は、例えば12V等であり、携帯バッテリーの電圧は、例えば7.4Vまたは5V等である。すなわち、車両バッテリーの電圧は、携帯バッテリーの電圧よりも高い。このため、電源として車両バッテリーを用いた場合のブロアファン21の風圧(風力、風量)は、電源に携帯バッテリーを用いた場合のブロアファン21の風圧(風力、風量)よりも大きくなる。したがって、バイクライダー1は、電源を適宜選択することにより、ブロアファン21の風圧(風力、風量)の強弱を選択可能である。
【0037】
以上説明した本実施形態のバイクライダー冷却装置10によれば、送気管30の一部をバイクライダー1の衣服の内部に挿入し、送気手段20のブロアファン21から送気管30に送られるエアAを、衣服内において流出口31から流出させることができる。これにより、バイクライダー1の体表の汗の蒸発を促して、気化熱等の作用により効率よく身体を冷却することができる。
【0038】
例えば、気温が高い夏季等において、信号待ちや渋滞の際などに車両100が停止しても、本実施形態によりバイクライダー1の衣服内を冷却することが可能であるため、衣服内を快適な環境に維持することができる。また、バイクライダー1の熱中症を防止することができる。
【0039】
そして本実施形態では、送気管30の一部をバイクライダー1の衣服の内部に挿入することで上述の作用効果を得ることができるため、バイクライダー1が着用する衣服の種類やデザイン性などへの影響を少なく抑えることができる。すなわち、バイクライダー1が衣服を選択する際の自由度が高い。また、装置が衣服と別体に設けられるため、衣服を単独で、通常の衣服と同じように洗濯やクリーニングすることができ、取り扱いが容易である。
【0040】
以上より本実施形態によれば、バイクライダー1の衣服内を効率よく冷却することができ、衣服の選択の自由度が高められ、デザイン性や洗濯等への影響も少なく抑えられる。
【0041】
また本実施形態では、送気管30が可撓性を有しており、衣服の外部や内部等において自由に変形可能であるため、バイクライダー1の身体の所望の箇所に流出口31を配置しやすい。このため、個々のバイクライダー1の好みなどに合わせて、より自由度の高い冷却効果を得ることができる。
【0042】
具体的には、送気管30の流出口31から流出されるエアAにより、バイクライダー1の衣服内において、腰部2、胴部3、腕部4及び脚部5のいずれかを効率よく冷却することができる。図1及び図4に示す例では、バイクライダー1の衣服内のうち、少なくとも腰部2近傍を効率よく冷却できる。
【0043】
また本実施形態では、送気手段20に電力を供給する電源が、車両100に搭載される車両バッテリー及びバイクライダー1が携帯する携帯バッテリーのいずれかから選択される。
この場合、例えば、バイクライダー1が車両100に乗車しているときには、電源に車両バッテリーを用いることで、送気手段20に大きな電力(電圧)を供給して、送気手段20のエア流量(風圧)を大きく確保することができる。また、バイクライダー1が車両100から降車したときには、送気手段20を身体に取り付け、電源に携帯バッテリーを用いることで、バイクライダー1が車両100から離れても、引き続き冷却効果を得ることができる。
このように、本実施形態のバイクライダー冷却装置10は、汎用性が高い。
【0044】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0045】
図5図7は、前述の実施形態のバイクライダー冷却装置10の第1~第3変形例を示している。
図5に示す第1変形例では、送気管30が、筒状の幅広アタッチメント35を有している。幅広アタッチメント35は、例えば、送気管30の他端部に配置され、この他端部に着脱可能に取り付けられる。幅広アタッチメント35は、送気管30のうち幅広アタッチメント35以外の部分よりも、幅寸法が大きい。幅広アタッチメント35には、複数の流出口31が開口している。複数の流出口31は、互いに離れて配置され、かつ互いに異なる向きに開口している。すなわち、流出口31は、送気管30に複数設けられ、複数の流出口31は、互いに離れて配置される。
この第1変形例によれば、複数の流出口31から流出されるエアAにより、バイクライダー1の身体を複数箇所において、より広範囲に効率よく冷却することができる。
【0046】
また、図6に示す第2変形例では、送気管30が、ブロアファン21(送気手段20)に接続される主管32と、主管32に接続され、主管32から分岐する複数(図示の例では2本)の分岐管33と、を有する。各分岐管33は、バイクライダー1の衣服内において、腰部2、胴部3及び腕部4にわたって延びる。また、分岐管33は、分岐管33の延在方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の流出口31を有している。分岐管33の複数の流出口31は、バイクライダー1の腰部2、胴部3及び腕部4に配置されている。
【0047】
この第2変形例によっても、複数の流出口31から流出されるエアAにより、バイクライダー1の身体を複数箇所において、より広範囲に効率よく冷却することができる。
なお第2変形例において、送気管30に主管32が設けられずに、複数の分岐管33の各一端部が、それぞれ直接的にブロアファン21の吹出し口24aに接続されていてもよい。
【0048】
また、図7に示す第3変形例では、送気管30が、主管32と、複数の分岐管33と、を有しており、複数の分岐管33のうちの1つが、バイクライダー1のヘルメット6内に挿入されている。そして、ヘルメット6内に挿入される分岐管33は、ヘルメット6の内部に開口する頭部流出口34を有する。すなわち、送気管30は、流出口31以外にさらに、バイクライダー1のヘルメット6の内部に開口する頭部流出口34を有する。図示の例では、頭部流出口34が、分岐管33(送気管30)に複数設けられている。
【0049】
頭部流出口34は、送気手段20から送気管30の内部を通して送られるエアAを、送気管30の外部に流出させる。すなわち、頭部流出口34は、送気手段20から送られるエアAを、バイクライダー1のヘルメット6の内部へ流出させる。
【0050】
この第3変形例によれば、送気管30の一部をバイクライダー1のヘルメット6の内部に挿入し、送気手段20のブロアファン21から送気管30に送られるエアAを、ヘルメット6内において頭部流出口34から流出させることができる。これにより、バイクライダー1の頭部表面の汗の蒸発を促して、気化熱等の作用により効率よく頭部を冷却することができる。
【0051】
また、前述の実施形態において、送気手段20のブロアファン21は、例えば、図示しないスイッチ等により手動で送気モード(送気ON)と送気停止モード(送気OFF)とに切り替えられる。これに代えて、下記のような構成としてもよい。
すなわち、特に図示しないが、バイクライダー冷却装置10は、さらに、送気手段20と電気的に接続される制御部を備えており、この制御部は、制御部に入力される所定の車両情報に基づいて、送気手段20を自動で送気モードと送気停止モードとに切り替えてもよい。
【0052】
詳しくは、例えば、制御部は、バイクライダー1が車両100のブレーキをかけたり、車両100のシフトをニュートラルレンジに入れたりしたときなどに、送気手段20を送気モード(送気ON)として送気を開始する。具体的には、車両100が停止したり徐行したりして、バイクライダー1が走行風を受けにくくなる状況が予測される場合に、あらかじめ送気を開始することで、バイクライダー1の身体を効率よく冷却することができる。
【0053】
また、例えば、制御部は、バイクライダー1がブレーキを解除したり、シフトをニュートラル以外のレンジに入れたりしたときなどに、送気手段20を送気停止モード(送気OFF)として送気を停止する。具体的には、車両100が走行を開始し、バイクライダー1が走行風を受けて冷却効果が得られる状況が予測される場合に、送気手段20からの送気を停止することで、電源の電力消費量を低減することができる。
【0054】
また、前述の実施形態では、図1に示すように、バイクライダー1が車両100に乗るときに、送気手段20が車両100に取り付けられる例を挙げたが、これに限らない。バイクライダー1が車両100に乗るときに、送気手段20がバイクライダー1の身体に取り付けられていてもよい。
【0055】
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態及び変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のバイクライダー冷却装置によれば、バイクライダーの衣服内を効率よく冷却することができ、衣服の選択の自由度が高められ、デザイン性や洗濯等への影響も少なく抑えられる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0057】
1…バイクライダー、2…腰部、3…胴部、4…腕部、5…脚部、6…ヘルメット、10…バイクライダー冷却装置、20…送気手段、21…ブロアファン、30…送気管、31…流出口、34…頭部流出口、100…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7