(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030834
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】放水制御装置及び消火支援装置
(51)【国際特許分類】
A62C 37/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A62C37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134008
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】岡嵜 智憲
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189CA04
2E189FB03
2E189GA01
2E189GA05
(57)【要約】
【課題】火災時に放水方向を遠隔指示することが可能な、建物への導入のし易さが向上された仕組みを提供する。
【解決手段】生活用水を放水する放水口の放水方向の指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部によって受け付けられた前記指示が示す放水方向に前記放水口から放水が行われるように、前記放水口の放水方向を切り替える駆動部を制御する駆動制御部と、を備える、放水制御装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活用水を放水する放水口の放水方向の指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部によって受け付けられた前記指示が示す放水方向に前記放水口から放水が行われるように、前記放水口の放水方向を切り替える駆動部を制御する駆動制御部と、
を備える、
放水制御装置。
【請求項2】
前記放水方向を切り替えることは、鉛直面と前記放水方向とのなす角度を変化させることを含む、
請求項1に記載の放水制御装置。
【請求項3】
前記放水方向を切り替えることは、前記放水方向の方位を変化させることにより前記放水方向を切り替えることを含む、
請求項1または2に記載の放水制御装置。
【請求項4】
生活用水を放水する放水口の放水方向の指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部によって受け付けられた前記放水方向の指示を、前記放水口の放水の制御を行う放水制御装置に送信する通信部と、
を備える、
消火支援装置。
【請求項5】
前記放水方向の指示は、鉛直面と前記放水方向とのなす角度を変化させる指示を含む、
請求項4に記載の消火支援装置。
【請求項6】
前記放水方向の指示は、前記放水方向の方位を変化させる指示を含む、
請求項4または5に記載の消火支援装置。
【請求項7】
前記指示受付部は、複数の前記放水口の各々についての前記放水方向の指示を受け付け、
前記通信部は、前記複数の放水口の各々についての放水の制御を行う複数の前記放水制御装置の各々へ前記指示を送信する、
請求項4に記載の消火支援装置。
【請求項8】
前記消火支援装置は、
前記指示受付部によって受け付けられた前記放水方向を記憶する記憶部をさらに備え、
前記指示受付部は、前記放水口からの放水の開始の指示を受け付け、
前記通信部は、前記指示受付部によって前記放水口からの放水の開始の指示が受け付けられると、前記記憶部に記憶された前記放水方向への放水の開始の指示を前記放水制御装置に送信する、
請求項4に記載の消火支援装置。
【請求項9】
前記指示受付部は、排水口の開閉の指示を受け付け、
前記通信部は、前記指示受付部によって受け付けられた前記指示を、前記排水口の開閉の制御を行う排水制御装置に送信する、
請求項4に記載の消火支援装置。
【請求項10】
前記消火支援装置は、
前記放水口から放水された水を排水する排水口を記憶する記憶部をさらに備え、
前記指示受付部は、前記放水口からの放水の開始の指示を受け付け、
前記通信部は、前記放水口から放水された水を排水する前記排水口を閉鎖する指示を前記排水制御装置に送信する、
請求項9に記載の消火支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放水制御装置及び消火支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内で火災が発生した場合に建物内で放水するための技術が開発されている。例えば、特許文献1には、火災報知器が火災を検出すると、給湯器からの熱水と水道水とを混合して、スプリンクラーヘッドから消火用水を放水する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1におけるスプリンクラーヘッドは、スプリンクラー設備を持つ建物にしか導入できないという問題があった。また、特許文献1におけるスプリンクラーヘッドは、放水方向が固定されているため、出火元に集中して放水を行えないという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、火災時に放水方向を遠隔指示することが可能な、建物への導入のし易さが向上された、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、生活用水を放水する放水口の放水方向の指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部によって受け付けられた前記指示が示す放水方向に前記放水口から放水が行われるように、前記放水口の放水方向を切り替える駆動部を制御する駆動制御部と、を備える、放水制御装置が提供される。
【0007】
前記放水方向を切り替えることは、鉛直面と前記放水方向とのなす角度を変化させることを含んでもよい。
【0008】
前記放水方向を切り替えることは、前記放水方向の方位を変化させることにより前記放水方向を切り替えることを含んでもよい。
【0009】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、生活用水を放水する放水口の放水方向の指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部によって受け付けられた前記放水方向の指示を、前記放水口の放水の制御を行う放水制御装置に送信する通信部と、を備える、消火支援装置が提供される。
【0010】
前記放水方向の指示は、鉛直面と前記放水方向とのなす角度を変化させる指示を含んでもよい。
【0011】
前記放水方向の指示は、前記放水方向の方位を変化させる指示を含んでもよい。
【0012】
前記指示受付部は、複数の前記放水口の各々についての前記放水方向の指示を受け付け、前記通信部は、前記複数の放水口の各々についての放水の制御を行う複数の前記放水制御装置の各々へ前記指示を送信してもよい。
【0013】
前記消火支援装置は、前記指示受付部によって受け付けられた前記放水方向を記憶する記憶部をさらに備え、前記指示受付部は、前記放水口からの放水の開始の指示を受け付け、前記通信部は、前記指示受付部によって前記放水口からの放水の開始の指示が受け付けられると、前記記憶部に記憶された前記放水方向への放水の開始の指示を前記放水制御装置に送信してもよい。
【0014】
前記指示受付部は、排水口の開閉の指示を受け付け、前記通信部は、前記指示受付部によって受け付けられた前記指示を、前記排水口の開閉の制御を行う排水制御装置に送信してもよい。
【0015】
前記消火支援装置は、前記放水口から放水された水を排水する排水口を記憶する記憶部をさらに備え、前記指示受付部は、前記放水口からの放水の開始の指示を受け付け、前記通信部は、前記放水口から放水された水を排水する前記排水口を閉鎖する指示を前記排水制御装置に送信してもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、火災時に放水方向を遠隔指示することが可能な、建物への導入のし易さが向上された仕組みを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による消火支援システムの構成を示す説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、給水栓1の側面図および正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、給水栓1の側面図および正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、給水栓1の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、排水口開閉装置2の外観を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、排水口開閉装置2の外観を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、排水口開閉装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、消火支援装置30の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】操作表示部320が表示する利用者IDおよびパスワードの入力画面の一例である。
【
図10】操作表示部320が表示する、給水栓1の選択画面の一例である。
【
図11】操作表示部320が表示する、給水栓1の放水口114からの放水開始または停止の指示の受付画面の一例である。
【
図12】本実施形態に係る消火支援装置30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図13】本実施形態に係る放水制御装置10の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図14】本実施形態に係る排水制御装置20の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る消火支援装置30の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0020】
<1.消火支援システムの概要>
本発明の実施形態は、放水口の放水方向を切り替えるよう制御する放水制御装置および放水方向の指示を放水制御装置に送信する消火支援装置に関する。以下、
図1を参照し、このような本発明の一実施形態による放水制御装置および消火支援装置を備える、消火活動の補助である消火支援を行う消火支援システムの概要を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による消火支援システムの構成を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の一実施形態による消火支援システムは、給水栓1、排水口開閉装置2、消火支援装置30およびネットワーク40を有する。
図1に示したように、給水栓1は放水制御装置10を備える。また、排水口開閉装置2は排水制御装置20を備える。放水制御装置10と、排水制御装置20と、消火支援装置30とは、ネットワーク40を介して通信可能に構成されている。
【0022】
(給水栓1)
給水栓1は、水道蛇口と接続され、水道蛇口から供給された生活用水を、放水口から放水する。水道蛇口とは、一般家庭またはオフィスビル等の建物に設置される、水道管から供給される生活用水を排出する蛇口である。給水栓1と水道蛇口の接続方法は特に限定されず、例えば螺合によって接続されてもよい。
【0023】
給水栓1は、放水口の放水方向を、後述の放水制御装置10による制御に応じて自動で切り替える。また、給水栓1は、放水口からの放水の開始および停止を、後述の放水制御装置10による制御に応じて自動で行う。
【0024】
(放水制御装置10)
給水栓1が備える放水制御装置10は、給水栓1の放水口の放水方向の切り替えを制御する。また、放水制御装置10は、給水栓1の放水口からの放水の開始および停止を制御する。なお、本明細書では、給水栓1の放水口の放水方向の切り替えを単に給水栓1の放水方向の切り替えと呼ぶ場合がある。また、給水栓1の放水口からの放水の開始および停止を単に給水栓1からの放水の開始および停止と呼ぶ場合がある。
【0025】
放水制御装置10は、給水栓1の放水口の放水方向、または放水の開始または停止の指示を受け付ける。放水制御装置10は、ネットワーク40を介して消火支援装置30から放水口の放水方向、または放水の開始または停止の指示を受信することにより、当該指示を受け付ける。放水制御装置10は、放水方向の指示が示す放水方向に放水口から放水が行われるように、放水口の放水方向の切り替えを制御する。また、放水制御装置10は、放水の開始または停止の指示に従って放水口から放水が行われるように、放水口からの放水の開始または停止を制御する。
【0026】
(排水口開閉装置2)
排水口開閉装置2は、排水管へ水を排出するための排水口を開閉する装置である。排水口開閉装置2は、給水栓1から放水された水を排水管へ排出するように設置された排水口を開閉してもよい。また、排水口開閉装置2は、複数の給水栓1の各々に対応する排水口の各々を開閉するように、複数設置されてもよい。例えば、排水口開閉装置2Aは、給水栓1Aから放水された水を排水管へ排出する排水口を開閉するように設置され、排水口開閉装置2Bは、給水栓1Bから放水された水を排水管へ排出する排水口を開閉するように設置される。
【0027】
また、排水口開閉装置2は、自動で排水口の開閉を行う。排水口開閉装置2は、例えば、排水口の開閉を行うための蓋を有してもよい。その場合、排水口開閉装置2は、当該蓋を駆動させることにより排水口の開閉を行う。
【0028】
(排水制御装置20)
排水口開閉装置2が備える排水制御装置20は、排水口開閉装置2による排水口の開閉を制御する。排水制御装置20は、排水口開閉装置2による排水口の開閉の指示を受け付ける。排水制御装置20は、例えば、ネットワーク40を介して消火支援装置30から排水口開閉装置2による排水口の開閉の指示を受信することにより、当該指示を受け付ける。排水制御装置20は、排水口開閉装置2が有する蓋の動きを制御することにより、当該指示が示すように排水口の開閉を制御してもよい。
【0029】
(消火支援装置30)
消火支援装置30は、給水栓1の放水口からの放水に関する指示を受け付け、受け付けた当該指示を、放水制御装置10に送信する装置である。また、消火支援装置30は、排水口の開閉に関する指示を受け付け、受け付けた当該指示を、当該排水口の開閉の制御を行う排水制御装置20に送信する。消火支援装置30は、利用者によって入力された指示を受け付けてもよい。消火支援装置30の利用者は、例えば、給水栓1が設置される建物の火災の発生の通報を受けた消防署のオペレータでもよいし、当該建物の管理人等であってもよい。
【0030】
消火支援装置30は、例えば、利用者によって入力された、給水栓1の放水口の放水方向、または放水の開始または停止の指示を受け付けてもよい。消火支援装置30は、受け付けた給水栓1の放水口の放水に関する指示を、放水制御装置10に、ネットワーク40を介して送信する。
【0031】
また、消火支援装置30は、利用者によって入力された排水口の開閉の指示を受け付けてもよい。消火支援装置30は、受け付けた排水口の開閉に関する指示を、当該排水口の開閉の制御を行う排水制御装置20に、ネットワーク40を介して送信する。
【0032】
(ネットワーク40)
ネットワーク40は、ネットワーク40に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク40は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク40は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0033】
<2.給水栓1の構成>
ここまで、本実施形態における消火支援システムの概要を説明した。続いて、
図2~
図4を参照して、本実施形態における給水栓1の構成を説明する。
【0034】
図2および
図3は、本発明の一実施形態による、給水栓1の側面図および正面図である。
図2および
図3には、矢印で示す方向が放水方向である給水栓1が示されている。給水栓1は、第1導管部111と、第2導管部112と、第3導管部113と、放水口114と、ハンドル115と、を有する。
【0035】
(第1導管部111)
第1導管部111は、内部が中空である管体の部材である。第1導管部111は、水道蛇口と接続され、水道蛇口から水の供給を受ける。また、第1導管部111は、第2導管部112に水を導く。第1導管部111の形状は、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。後述する第2導管部112および第3導管部113の形状も同様に、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
【0036】
(第2導管部112)
第2導管部112は、内部が中空である管体の部材である。第2導管部112は、第1導管部111と接続され、第1導管部111から供給された水を、第3導管部113へ導く。第2導管部112は、後述の方位駆動部105による駆動に基づいて、第1導管部111に対して回転軸A1周りに回転する。当該回転軸A1周りの回転により、放水口114の放水方向の方位が変化し得る。
【0037】
(第3導管部113、放水口114)
第3導管部113は、内部が中空である管体の部材である。第3導管部113は、第2導管部112と接続され、第2導管部112から水の供給を受ける。第2導管部112と第3導管部113は、各々の管体の側面に通水孔が設けられる。第2導管部112と第3導管部113の当該通水孔同士が接続され、当該通水孔を介して第2導管部112から第3導管部113へ水が導かれる。
【0038】
また、第3導管部113は、放水口114を有する。放水口114は、第3導管部113によって導かれた水を放水する。第3導管部113は、後述の上下駆動部106による駆動に基づいて、第2導管部112に対して回転軸A2周りに回転する。回転軸A2を軸とした回転により、鉛直面と放水口114の放水方向とのなす角度が変化し、放水口114の放水方向が変化する。
【0039】
図2においては、天井方向を上方向、重力方向を下方向として、放水口114の放水方向は、下方向である。
図3は、
図2で示す状態から第3導管部113が回転軸A2周りに回転した結果、鉛直面と放水口114の放水方向とのなす角度が変化し、放水口114の放水方向が変化した例が示されている。
図3においては、放水口114の放水方向は斜め上方向である。
【0040】
(ハンドル115)
ハンドル115は、回転により、放水口114の水の放水を開始したり、停止したりすることを可能とする部材である。ハンドル115は、利用者によって操作され得る。利用者がハンドル115を回転軸A3周りに回転させる操作を行うことにより、第2導管部112内の通水孔が開閉され、第3導管部113への導水が開始または停止する。また、ハンドル115は、後述のハンドル駆動部107によって、回転軸A3周りに回転する。
【0041】
なお、水道蛇口が第1導管部111に水を供給している場合にのみ、ハンドル115の回転による放水の開始および停止の操作が可能である。そのため、本実施形態において、第1導管部111に水を供給する水道蛇口は、常に水を放水する状態にされていることが好ましい。このような状態にされた場合、利用者は、ハンドル115を操作して放水口114から放水させることにより、水道蛇口の使用時と同様に給水栓1を使用できる。
【0042】
続いて、
図4を参照して、給水栓1の機能構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による、給水栓1の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、給水栓1は、放水制御装置10と、電源部103と、駆動部104と、を有する。また、放水制御装置10は、指示受付部101および駆動制御部102を有する。
【0043】
(指示受付部101)
指示受付部101は、ネットワーク40を介して消火支援装置30からの指示を受信することで、当該指示を受け付ける。指示受付部101は、放水口114の放水方向、または放水の開始または停止の指示を受け付ける。放水口114の放水方向の指示は、鉛直面と放水方向とのなす角度についての指示を含んでもよい。また、放水口114の放水方向の指示は、放水方向の方位についての指示を含んでもよい。
【0044】
(駆動制御部102)
駆動制御部102は、指示受付部101によって受け付けられた指示が示す放水方向に、放水口114から放水が行われるように、後述の方位駆動部105および上下駆動部106を制御する。駆動制御部102は、指示受付部101によって受け付けられた指示が示す放水方向に切り替えるための調整量を算出し、当該調整量に従って動作するように方位駆動部105および上下駆動部106を制御してもよい。
【0045】
また、駆動制御部102は、指示受付部101によって受け付けられた指示が示すように放水口114から放水が行われるように、後述のハンドル駆動部107を制御する。例えば、駆動制御部102は、指示受付部101によって放水の開始の指示が受け付けられると、放水を開始するようハンドル駆動部107を制御する。
【0046】
(電源部103)
電源部103は、駆動部104に電力を供給するための構成である。電源部103は、電池等のバッテリにより構成されてもよいし、商用電源に接続され、当該商用電源から供給された電力を駆動部104に供給してもよい。
【0047】
(駆動部104)
駆動部104は、モータおよびギア等を含み得る。駆動部104は、駆動制御部102による制御に従って動作する。駆動部104は、方位駆動部105、上下駆動部106およびハンドル駆動部107によって、放水方向の切り替えおよび放水の開始または停止を行う。
【0048】
(方位駆動部105)
方位駆動部105は、第1導管部111に対して第2導管部112が、回転軸A1周りに回転するよう、第2導管部112を駆動する。方位駆動部105は、駆動制御部102による制御に基づき第2導管部112を上記のように回転駆動することにより、放水口114からの放水方向、より具体的には放水方向の方位を変化させる。方位駆動部105は、駆動制御部102によって算出された調整量分、第2導管部112を回転駆動してもよい。
【0049】
(上下駆動部106)
上下駆動部106は、第2導管部112に対して第3導管部113が、回転軸A2周りに回転するよう、第3導管部113を駆動する。上下駆動部106は、駆動制御部102による制御に基づき第3導管部113を上記のように回転駆動することにより、放水口114からの放水方向、より具体的には鉛直面と放水口114の放水方向とのなす角度を変化させる。上下駆動部106は、駆動制御部102によって算出された調整量分、第3導管部113を回転駆動してもよい。
【0050】
(ハンドル駆動部107)
ハンドル駆動部107は、ハンドル115が回転軸A3周りに回転するよう、ハンドル115を駆動する。ハンドル駆動部107は、駆動制御部102による制御に基づきハンドル115を上記のように回転駆動することにより、放水口114の放水の開始および停止を行う。ハンドル駆動部107は、ハンドル115を所定量回転駆動することにより、放水口114の放水の開始および停止を行ってもよい。
【0051】
<3.排水口開閉装置2の構成>
ここまで、本実施形態における、本実施形態における給水栓1の構成を説明した。続いて、
図5~
図7を参照して、本実施形態における排水口開閉装置2の構成を説明する。
【0052】
図5および
図6は、本発明の一実施形態による、排水口開閉装置2の外観を示した図である。排水口開閉装置2は、排水口3を開閉する。
図5には排水口開閉装置2が排水口3を開放している例が示されている。また、
図6には排水口開閉装置2が
図5に示した排水口3を閉鎖している例が示されている。
図5および
図6に示すように、排水口開閉装置2は、蓋212と、回転部213とを有する。
【0053】
(排水口3)
排水口3は、水を排水管へ排出するための穴である。例えば、給水栓1の放水口114から放水された水が、排水口3から排水管へ排出される。排水口3が蓋212によって閉鎖されることにより、排出管への水の排出が停止される。
【0054】
(蓋212)
蓋212は、排水口3を塞ぐための蓋である。蓋212の外径は、排水口3の内径よりも大きい。蓋212の、排水口3の外縁と接する面に例えばゴム等の弾性体を貼り付けてもよく、これにより蓋212が排水口3を塞ぐ際の密閉性をより高められる。蓋212は、回転部213と接続される。蓋212は、例えば金属製の棒によって回転部213と接続されてもよい。
【0055】
(回転部213)
回転部213は、後述の駆動部204によって回転される。回転部213が回転することにより、回転部213と接続された蓋212が、回転部213を中心に回転する。蓋212は、回転部213を中心とする回転により、排水口3の開放および閉鎖を行う。
【0056】
続いて、
図7を参照して、排水口開閉装置2の機能構成について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による、排水口開閉装置2の機能構成を示すブロック図である。
図7に示すように、排水口開閉装置2は、排水制御装置20と、電源部203と、駆動部204と、を有する。また、排水制御装置20は、指示受付部201および駆動制御部202を有する。
【0057】
(指示受付部201)
指示受付部201は、ネットワーク40を介して消火支援装置30からの排水口開閉装置2による排水口3の開閉の指示を受信することで、当該指示を受け付ける。
【0058】
(駆動制御部202)
駆動制御部202は、指示受付部201によって受け付けられた指示が示すように排水口3が開閉されるように、後述の駆動部204を制御する。例えば、駆動制御部202は、指示受付部201によって排水口3の閉鎖の指示が受け付けられると、排水口3を閉鎖するよう駆動部204を制御する。指示受付部201が火災発生時に排水口3の閉鎖の指示を受け付け、駆動制御部202が当該指示に従って駆動部204を制御すると、火災発生時に排水管への水の排出が停止される。これにより、排水口3が開放されている場合には排水管へ排出される水が、建物内に留まるため、消火支援に効果的である。
【0059】
(電源部203)
電源部203は、駆動部204に電力を供給するための構成である。電源部203は、電池等のバッテリにより構成されてもよいし、商用電源に接続され、当該商用電源から供給された電力を駆動部204に供給してもよい。
【0060】
(駆動部204)
駆動部204は、モータおよびギア等を含み得る。駆動部204は、駆動制御部202による制御に従って後述の回転部213を駆動する。
【0061】
駆動部204は、回転部213が回転するよう、回転部213を駆動することにより、蓋212を、回転部213を中心として回転させる。駆動部204は、駆動制御部202による制御に基づき蓋212が回転するよう回転部213を駆動することにより、排水口3の開閉を行う。駆動部204は、回転部213を所定量回転駆動することにより、排水口3の開閉を行ってもよい。
【0062】
<4.消火支援装置30の構成>
ここまで、本実施形態における、本実施形態における排水口開閉装置2の構成を説明した。続いて、
図8を参照して、本実施形態における消火支援装置30の構成を説明する。
図8は、本発明の一実施形態による、消火支援装置30の機能構成を示すブロック図である。
図8に示したように、本発明の一実施形態による消火支援装置30は、記憶部310と、操作表示部320と、通信部330と、制御部340とを備える。
【0063】
(記憶部310)
記憶部310は、制御部340の処理に関するデータ、制御部340の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する。例えば、記憶部310は、消火支援装置30を利用可能な利用者を認証するための識別情報(利用者ID)およびパスワードの組み合わせを記憶してもよい。
【0064】
また、記憶部310は、排水口開閉装置2によって開閉される排水口3を記憶してもよい。また、記憶部310は、給水栓1の放水口114から放水された水を排水する排水口3を記憶してもよい。また、記憶部310は、給水栓1および排水口3が設置される場所を記憶してもよい。
【0065】
また、記憶部310は、後述の操作表示部320に入力された、給水栓1の放水口114の放水方向を記憶してもよい。
【0066】
(操作表示部320)
操作表示部320は、消火支援装置30の利用者による操作を検出する操作部としての機能、および多様な画面を表示する表示部としての機能を有する。操作表示部320は、給水栓1の放水口114の放水の開始および停止、および放水方向の指示を受け付ける指示受付部の一例である。なお、放水方向の指示は、鉛直面と放水口114の放水方向とのなす角度を変化させる指示を含んでもよい。また、放水方向の指示は、放水口114の放水方向の方位を変化させる指示を含んでもよい。また、操作表示部320は、複数の給水栓1の放水口114の各々についての放水の指示を受け付けてもよい。
【0067】
また、操作表示部320は、放水口114の放水方向を、記憶部310に記憶された放水方向に切り替える指示を受け付けてもよい。なお、当該放水方向は、利用者による操作表示部320の操作によって、事前に記憶部310に記憶されてもよい。利用者が消火に効果的な放水方向を放水口114の放水方向として設定しておくことにより、火災発生時の早急かつ効果的な消火支援が実現可能である。
【0068】
また、操作表示部320は、排水口3の開閉の指示を受け付けてもよい。また、操作表示部320には、利用者により、利用者IDおよびパスワードが入力されてもよい。
【0069】
(通信部330)
通信部330は、ネットワーク40を介して放水制御装置10および排水制御装置20と通信する。通信部330は、操作表示部320によって受け付けられた放水口114の放水方向、放水の開始または停止の指示を、放水制御装置10に送信する。また、通信部330は、操作表示部320によって受け付けられた複数の放水口114の各々についての放水方向、放水の開始または停止の指示を、当該放水口114からの放水の制御を行う放水制御装置10の各々に送信する。また、通信部330は、操作表示部320によって受け付けられた排水口3の開閉の指示を、排水制御装置20に送信する。
【0070】
(制御部340)
制御部340は、消火支援装置30の動作全般を制御する。例えば、制御部340は、操作表示部320によって受け付けられた放水口114の放水方向の指示、放水の開始または停止の指示を、通信部330から放水制御装置10に送信させる。
【0071】
また、制御部340は、操作表示部320によって給水栓1の放水口114からの放水の開始の指示が受け付けられると、記憶部310に記憶された、当該給水栓1の放水口114から放水された水を排水する排水口3を閉鎖する指示を、排水制御装置20に送信するよう、通信部330を制御してもよい。これにより、放水口114によって放水された水が、排水口3から排水されずに建物内に留まるため、火災発生時の消火支援により効果的である。
【0072】
また、制御部340は、操作表示部320によって放水口114からの放水の停止の指示が受け付けられると、記憶部310に記憶された、当該給水栓1の放水口114から放水された水を排水する排水口3を開放する指示を、排水制御装置20に送信するよう、通信部330を制御してもよい。
【0073】
また、制御部340は、操作表示部320によって給水栓1の放水口114からの放水の開始の指示が受け付けられると、記憶部310に記憶された放水方向への放水の開始の指示を、通信部330から放水制御装置10に送信させてもよい。
【0074】
また、制御部340は、操作表示部320に入力された利用者IDとパスワードが、記憶部310に記憶された利用者IDとパスワードと一致するか否かを判定する。
【0075】
(放水の指示の流れ)
ここで、利用者による消火支援装置30の放水の指示の流れの例を、
図9~
図11に示す、操作表示部320が表示する画面の例を用いて説明する。
【0076】
まず、操作表示部320は、利用者に対して利用者IDおよびパスワードの入力画面を表示する。
図9は、操作表示部320が表示する利用者IDおよびパスワードの入力画面の一例である。利用者IDおよびパスワードの入力画面は、入力ボックス321と、入力ボックス322と、認証ボタン323を含む。
【0077】
入力ボックス321は、利用者が当該利用者に紐づく利用者IDを入力する際に使用される。入力ボックス322は、利用者が利用者IDに対応するパスワードを入力する際に使用される。認証ボタン323は、利用者が消火支援装置30を利用するための認証を押下により要求するための構成である。
【0078】
利用者は、当該利用者に紐づく利用者IDを入力ボックス321に入力し、パスワードを入力ボックス322に入力する。続いて、利用者は、認証ボタン323を押下することにより、消火支援装置30を利用するための認証を要求する。
【0079】
利用者の認証が成功すると、操作表示部320は、複数の給水栓1の各々についての放水の指示を受け付ける。操作表示部320は、利用者に対して、複数の給水栓1のうち、放水の制御を行う給水栓1を選択するための選択画面を表示してもよい。
図10は、操作表示部320が表示する、給水栓1の選択画面の一例である。給水栓1の選択画面は、複数の選択ボタン324を含む。
【0080】
選択ボタン324は、利用者が放水の制御を行う給水栓1を選択するための構成である。例えば、利用者は、選択ボタン324Aを押下することにより、建物の1階の洗面所に設置された給水栓1である給水栓Aの放水の制御を行うことを選択できる。
【0081】
続いて、操作表示部320は、
図10に示した選択画面にて選択された給水栓1の放水口114からの放水の開始または停止の指示を受け付ける受付画面を表示する。
図11は、操作表示部320が表示する、給水栓1の放水口114からの放水開始または停止の指示の受付画面の一例である。受付画面は、放水開始ボタン326と、放水停止ボタン327と、放水方向選択領域328を含む。
【0082】
操作表示部320は、利用者に対して、放水開始ボタン326を押下することにより、選択された給水栓1(給水栓A)から放水し、排水口を閉鎖する旨を表示する。また、操作表示部320は、利用者に対して、放水停止ボタン327を押下することにより、給水栓Aからの放水を停止し、排水口を開放する旨を表示する。
【0083】
放水開始ボタン326は、利用者が給水栓Aからの放水開始を指示するための構成である。利用者は、放水開始ボタン326を押下することにより、給水栓Aからの放水の開始を指示する。
【0084】
放水停止ボタン327は、利用者が給水栓Aからの放水停止を指示するための構成である。利用者は、放水停止ボタン327を押下することにより、給水栓Aからの放水の停止を指示する。
【0085】
放水方向選択領域328は、利用者が給水栓Aの放水方向を指示するための構成である。利用者は、放水方向選択領域328に表示された各要素を押下することにより、給水栓Aの放水方向を指示する。例えば、利用者は、事前設定を選択することで、給水栓Aの放水方向を、記憶部310に記憶された放水方向に切り替えるよう指示してもよい。
【0086】
また、利用者は、マニュアル設定を選択した上で、放水方向の方位および鉛直面と給水栓Aの放水方向とのなす角度を選択することで、給水栓Aの放水方向を指示してもよい。
図11には、給水栓Aの放水方向の方位が北で、鉛直面と給水栓Aの放水方向とのなす角度が135度である例が示されている。利用者は、放水開始ボタン326を押下することにより、選択された放水方向への給水栓Aからの放水の開始を指示する。
【0087】
なお、
図11に示した例においては、マニュアル設定が選択されている例が示されているが、受付画面の初期画面では、事前設定が選択されていてもよい。これにより、利用者が放水方向について選択することなく放水の開始を指示できるため、消火支援をより迅速に開始可能である。
【0088】
<5.本実施形態による動作処理例>
以上、本発明の一実施形態による消火支援装置30の構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態による消火支援システムの動作を整理する。
【0089】
(消火支援装置30の動作)
まず、消火支援装置30の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る消火支援装置30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【0090】
まず、利用者によって操作表示部320に利用者IDとパスワードが入力されると、制御部340は、当該利用者IDとパスワードが、記憶部310に記憶された、正しい利用者IDとパスワードと一致するか否かを判定する(S104)。
【0091】
正しい利用者とパスワードが入力されなかった場合(S104/No)、消火支援装置30は処理を終了する。正しい利用者とパスワードが入力された場合(S104/Yes)、制御部340は利用者によって放水の制御を行う給水栓1が選択されたか判定する(S108)。
【0092】
利用者によって放水の制御を行う給水栓1が選択されなかった場合(S108/No)、消火支援装置30は処理を終了する。利用者によって放水の制御を行う給水栓1が選択された場合(S108/Yes)、制御部340は、事前に利用者による操作表示部320の操作により記憶部310に記憶された放水方向が、放水方向として選択されたか判定する(S112)。
【0093】
事前に利用者によって設定された放水方向が、放水方向として選択された場合(S112/Yes)、処理はS120に進められる。事前に利用者によって設定された放水方向が、放水方向として選択されなかった場合(S112/No)、操作表示部320は、放水方向の指示を受け付ける(S116)。
【0094】
続いて、制御部340は、利用者の操作表示部320の操作により、給水栓1からの放水の開始が選択されたか判定する(S120)。給水栓1からの放水の開始が選択されない場合(S120/No)、消火支援装置30は処理を終了する。
【0095】
給水栓1からの放水の開始が選択された場合(S120/Yes)、通信部330は、当該給水栓1が備える放水制御装置10に、選択された放水方向への放水を開始する指示を送信する(S124)。続いて、通信部330は、当該給水栓1の放水口114から放水された水を排水する排水口3の開閉を制御する排水制御装置20に、排水口3の閉鎖の指示を送信する(S128)。
【0096】
続いて、操作表示部320は、利用者からの、給水栓1からの放水の停止の指示を受け付ける(S132)。当該指示を受け付けると、通信部330は、当該給水栓1が備える放水制御装置10に、放水を停止する指示を送信する(S136)。続いて、通信部330は、当該給水栓1の放水口114から放水された水を排水する排水口3の開閉を制御する排水制御装置20に、排水口3の開放の指示を送信する(S140)。
【0097】
(放水制御装置10の動作)
続いて、放水制御装置10の動作について説明する。
図13は、本実施形態に係る放水制御装置10の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【0098】
まず、指示受付部101が放水口114の放水方向および放水の開始の指示を受信した場合(S204/Yes)、駆動制御部102は、指示が示す放水方向に、放水口114の放水方向を切り替えるよう、方位駆動部105および上下駆動部106を制御する(S208)。指示受付部101が放水口114の放水方向および放水の開始の指示を受信しなかった場合(S204/No)、放水制御装置10は処理を終了する。
【0099】
駆動制御部102は、放水方向を制御した後に、放水口114から放水を開始するよう、ハンドル駆動部107を制御する(S212)。指示受付部101が放水の停止の指示を受信するまで(S216/No)、放水口114は放水を続ける。
【0100】
指示受付部101が放水の停止の指示を受信すると(S216/Yes)、駆動制御部102は、放水口114からの放水を停止するよう、ハンドル駆動部107を制御する(S220)。
【0101】
(排水制御装置20の動作)
続いて、排水制御装置20の動作について説明する。
図14は、本実施形態に係る排水制御装置20の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【0102】
まず、指示受付部201が排水口開閉装置2による排水口3の閉鎖の指示を受信した場合(S304/Yes)、駆動制御部202は、排水口3を閉鎖するよう、駆動部204を制御する(S308)。指示受付部201が排水口3の閉鎖の指示を受信しなかった場合(S304/No)、排水制御装置20は処理を終了する。
【0103】
指示受付部201が排水口3の開放の指示を受信するまで、排水口開閉装置2は排水口3を閉鎖し続ける(S312/No)。指示受付部201が排水口3の開放の指示を受信すると(S312/Yes)、駆動制御部202は、排水口3を開放するよう、駆動部204を制御する(S316)。
【0104】
<6.作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態による消火支援システムは多様な作用効果を奏する。以下、本発明の一実施形態による消火支援システムが奏する作用効果を例示する。
【0105】
本発明の一実施形態によれば、指示受付部101によって受け付けられた指示が示す放水方向に放水口114から放水が行われるように、駆動部104が制御される。かかる構成によれば、利用者は、火災発生時に、放水口114から火元へ放水を行うよう、放水口114の放水方向を制御できる。つまり、かかる構成によれば、消火支援の効率化が実現される。
【0106】
また、本発明の一実施形態によれば、給水栓1の放水口114は、生活用水を排出する水道蛇口から排出された水を放水する。水道蛇口は建物に一般的に設置される設備であるため、建物内で放水を行う仕組みの建物への導入のし易さを向上できる。
【0107】
また、本発明の一実施形態によれば、放水口114の放水方向を切り替えることは、鉛直面と放水方向とのなす角度を変化させることを含む。これにより、天井方向を上方向、重力方向を下方向として上下方向に放水方向を切り替えることが可能である。そのため、通常使用時の放水方向と火元の上下方向が異なる場合にも、火元に放水される方向に放水方向を制御でき、消火支援の効率化が実現できる。
【0108】
また、本発明の一実施形態によれば、放水口114の放水方向を切り替えることは、放水方向の方位を変化させることにより放水方向を切り替えることを含む。これにより、北方向を前方向、東方向を右方向として、前後および左右方向に放水方向を切り替えることが可能である。そのため、通常使用時の放水方向と火元の前後左右の方向が異なる場合にも、火元に放水される方向に放水方向を制御でき、消火支援の効率化が実現できる。
【0109】
また、本発明の一実施形態によれば、消火支援装置30の操作表示部320によって受け付けられた放水方向の指示が、通信部330により放水制御装置10に送信される。かかる構成によれば、遠隔からでも給水栓1の放水口114の放水方向の切り替えを行うことが可能になるため、消火活動を行う者が火災現場にいなくても効果的な消火支援を行える。
【0110】
また、本発明の一実施形態によれば、消火支援装置30の操作表示部320によって受け付けられた放水開始の指示が、通信部330により放水制御装置10に送信されることにより、給水栓1の放水口114からの放水が開始される。比較例として、火災報知器によって火災が検知された場合に自動的に放水を開始する方法が考えられるが、上記で説明した構成によれば、火災が検知されなくとも放水を開始できるため、早急な放水の開始が実現可能である。
【0111】
また、本発明の一実施形態によれば、消火支援装置30の操作表示部320は、複数の給水栓1の放水口114の各々についての放水方向の指示を受け付ける。そして、通信部330は、当該複数の放水口114の各々についての放水の制御を行う複数の放水制御装置10の各々へ当該指示を送信する。かかる構成によれば、複数の給水栓1の放水口114からの放水を一元的に管理することが可能であるため、さらに消火支援の効率化が実現できる。
【0112】
<7.ハードウェア構成>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する消火支援装置30のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は放水制御装置10および排水制御装置20にも適用可能である。
【0113】
図15は、本発明の実施形態に係る消火支援装置30の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0114】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0115】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0116】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0117】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0118】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0119】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
<8.補足>
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0121】
例えば、上記実施形態では、給水栓1に放水制御装置10が備えられ、給水栓1が有する放水口114の放水が制御される例を説明としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、放水制御装置10は水道蛇口が備えてもよい。その場合には、放水制御装置10は、水道蛇口の放水方向、または放水の開始または停止を制御する。
【0122】
また、上記実施形態では、給水栓1が有する放水口114からの放水および排水口開閉装置2の閉鎖によって消火を支援する消火支援システムの例を示した。しかし、消火支援システムは、さらに、消火支援装置30によって受け付けられた指示を受信する窓制御装置による指示に基づき、自動で開閉を行う窓を有してもよい。この場合、記憶部310は放水口114と窓との組み合わせを記憶してもよい。操作表示部320が放水口114からの放水の開始の指示を受け付けると、通信部330は、当該放水口114に紐づけられた窓を開放するよう窓制御装置に指示を送信してもよい。かかる構成によれば、建物内での火災発生時に、建物内の煙を減らし、一酸化炭素中毒の発生リスクが低減される。
【0123】
また、上記実施形態では、操作表示部320が、給水栓1の放水口114の放水の開始または停止、または放水方向の指示を受け付ける指示受付部である例を説明したが、指示受付部は他の構成により実現されてもよい。例えば、消火支援装置30は、マイクを備えてもよく、当該マイクが指示受付部として機能してもよい。その場合、利用者によって、給水栓1の放水口114の放水の開始または停止、または放水方向の指示が音声入力されることにより、当該指示が受け付けられる。また、通信部330が、指示受付部としての機能を有してもよい。その場合、通信部330が、利用者が利用するPCまたはスマートフォン等の情報端末から、給水栓1の放水口114の放水の開始または停止、または放水方向の指示を受信することにより、当該指示を受け付けてもよい。
【0124】
また、排水口開閉装置2が備える蓋212の形状は、排水口開閉装置2の開閉ができれば上記実施形態で示した例に限定されない。例えば、蓋212は排水口3と略同一の形の穴が空いている部分と、排水口3を塞ぐことが可能な部分が、蓋212の中心に対して対称な位置に備えられてもよい。その場合、蓋212の中心を軸として、蓋212が回転部213により回転させられることで、排水口開閉装置2の開閉が行われてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 給水栓
2 排水口開閉装置
3 排水口
10 放水制御装置
20 排水制御装置
30 消火支援装置
101 指示受付部
102 駆動制御部
105 方位駆動部
106 上下駆動部
107 ハンドル駆動部
201 指示受付部
202 駆動制御部
204 駆動部
310 記憶部
320 操作表示部
330 通信部
340 制御部