(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030842
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134024
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真史
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA13
2C333CA22
2C333CA49
(57)【要約】
【課題】機能の設定変更を受け付ける設定画面を表示可能な遊技機であって、設定画面の操作の利便性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2に、通常ボタン40と、セレクトボタン42と、ボリュームボタン43とを備える。そして、機能設定に関する設定画面を表示可能であり、設定画面で受け付けられた機能設定の内部情報を演出用不揮発性RAM128に記憶し、その内部情報に従って、演出を制御する。また、パチンコ遊技機PY1は、機能設定に関する設定画面を表示した状態で、通常ボタン40とボリュームボタン43との両方で、その設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付ける。
【選択図】
図36
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出手段と、
第1の入力手段と、
第2の入力手段と、
内部情報の設定画面を表示し、前記設定画面で受け付けられた前記内部情報を設定する内部情報設定手段と、
前記内部情報設定手段にて設定された前記内部情報に従って、前記演出手段による演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記内部情報設定手段は、
前記設定画面を表示した状態で、前記第1の入力手段と前記第2の入力手段との両方で、前記設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付ける、
ように構成される遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記第2の入力手段は、遊技機枠に設けられ、
前記第1の入力手段は、前記遊技機枠に着脱可能なユニットに設けられ、
前記内部情報設定手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態でなくても前記設定画面を表示可能であり、
前記第1の入力手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態で入力可能になり、
前記第2の入力手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態でなくても入力可能である、
ように構成される遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記内部情報設定手段は、
前記設定画面を表示した状態で、前記第1の入力手段によって入力操作を受け付けることを通知する一方、前記第2の入力手段によって入力操作を受け付けることを通知しない、
ように構成される遊技機。
【請求項4】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記設定画面が表示されている状態では、前記第1の入力手段による入力操作があった場合でも前記第2の入力手段による入力操作があった場合でも、第1の処理が実行され、
前記設定画面が表示されていない状態では、前記第1の入力手段による入力操作があった場合、第2の処理が実行され、前記第2の入力手段による入力操作があった場合、第3の処理が実行される、
ように構成される遊技機。
【請求項5】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記内部情報設定手段は、
電源投入後、あらかじめ決められた特殊操作があったことに基づいて、前記設定画面を表示し、前記特殊操作に基づいて表示された前記設定画面に対する入力として、前記第1の入力手段と前記第2の入力手段との両方で、前記設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付け、前記特殊操作に基づいて表示された前記設定画面で受け付けられた前記内部情報を設定する、
ように構成される遊技機。
【請求項6】
請求項1に記載する遊技機であって、
前記第1の入力手段は、前記設定画面が表示されていない状態で、前記演出手段による演出の中で設けられた期間に入力操作を受け付ける場合があり、
前記第2の入力手段は、前記設定画面が表示されていない状態で、前記演出手段による演出にかかわらず操作を受け付けることが可能である、
ように構成される遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機に代表されるに関する技術として、演出のカスタマイズ等、機能の設定変更を受け付ける画面を表示し、ボタン等の入力操作があることで、変更後の機能の設定内容を記憶する構成が知られている。例えば、特許文献1には、設定画面を表示させるため設定画面呼出操作があった場合に、パスワードの入力を受け付け、入力されたパスワードが認証されたことを条件として、各種の機能の設定を受け付ける設定画面を表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
設定画面が表示された状態では、例えば遊技機枠に設けられた十字ボタンによって設定内容を切り替え、同じく遊技機枠に設けられた演出用のボタンによって設定内容を決定している。しかしながら、遊技機枠には様々な入力手段が設けられており、設定画面に対する操作として利用されていない入力手段もあることから、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明の遊技機は、
演出手段と、
第1の入力手段と、
第2の入力手段と、
内部情報の設定画面を表示し、前記設定画面で受け付けられた前記内部情報を設定する内部情報設定手段と、
前記内部情報設定手段にて設定された前記内部情報に従って、前記演出手段による演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記内部情報設定手段は、
前記設定画面を表示した状態で、前記第1の入力手段と前記第2の入力手段との両方で、前記設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付ける、
ように構成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、機能の設定変更を受け付ける設定画面を表示可能な遊技機であって、設定画面の操作の利便性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
【
図6】(A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。
【
図7】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
【
図10】(A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。
【
図11】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。
【
図12】特
図1変動パターン判定テーブルの例である。
【
図18】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図19】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
【
図20】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図24】(A)は機能設定メニュー画面の図であり、(B)はエラー出力条件設定画面の図である。
【
図25】(A)はデモ画面での抗菌コートの表示を示す図であり、(B)は特図変動表示中での抗菌コートの表示を示す図である。
【
図26】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図28】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図30】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図31】基板チェック処理のフローチャートである。
【
図32】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図33】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図34】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図35】機能設定処理のフローチャート(設定画面表示前)である。
【
図36】機能設定処理のフローチャート(設定画面表示中)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について
図1~
図6を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0010】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2を支持する外枠22と、を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1(
図3参照)と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6(
図3参照)を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0011】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0012】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、下部装飾体36の上面の上皿34より前方側であって、通常ボタン40の左側には、十字キーからなるセレクトボタン42と、音量調整に用いるボリュームボタン43と、が設けられている。この他、例えば、下部装飾体36には、遊技球を借りるための球貸ボタン、ICカードの返却を指示するための返却ボタンが設けられる。また、光量を調整するための光量調整ボタンが設けられていてもよい。
【0013】
また、下部装飾体36は、通常ボタン40を含む一部がボタンユニットBUとしてユニット化されている。すなわち、
図2に示すように、パチンコ遊技機PY1では、通常ボタン40を含むボタンユニットBUを下部装飾体36から取り外すことが可能である。ボタンユニットBUが下部装飾体36から取り外されると、パチンコ遊技機PY1では、通常ボタン40の操作を検知することができない。一方、
図1に示したように、ボタンユニットBUが下部装飾体36に装着されると、通常ボタン40の操作をパチンコ遊技機PY1が検知可能になる。このように通常ボタン40がユニット化されていることで、パチンコ遊技機PY1は、通常ボタン40を付け替えることが可能になり、例えば機種ごとにパチンコ遊技機PY1のモチーフにあった通常ボタン40を利用できるようになる。
【0014】
なお、下部装飾体36に設けられている各種の入力装置のうち、通常ボタン40はボタンユニットBUに含まれるが、セレクトボタン42と、ボリュームボタン43とは、ボタンユニットBUに含まれていない。つまり、セレクトボタン42と、ボリュームボタン43とは、下部装飾体36から取り外すことができない。そのため、ボタンユニットBUが下部装飾体36から取り外された状態であっても、パチンコ遊技機PY1はセレクトボタン42やボリュームボタン43の操作を検知可能であり、ボタンユニットBUの装着状態にかかわらず、セレクトボタン42やボリュームボタン43の操作を受け付けることができる。
【0015】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の左右の側面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。また、前枠23mの左右の縁部に、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの上部には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。
【0016】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、ボタンユニットBUに含める部材も通常ボタン40だけに限らず、球貸ボタンや返却ボタン、上皿34や下皿35を含めてもよい。
【0017】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図3~
図6を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0018】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0019】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
【0020】
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
【0021】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関係乱数の取得と判定:以下、「特
図1抽選」という)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0022】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0023】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(後述の特
図2関係乱数の取得と判定:以下、「特
図2抽選」という)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0024】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0025】
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0026】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
【0027】
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0028】
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第2始動口12へ入賞することはできない。
【0029】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0030】
ここで、
図4を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0031】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0032】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:
図4(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0033】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:
図4(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0034】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
【0035】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0036】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
【0037】
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
【0038】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0039】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0040】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0041】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。
図5に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数(U1:特
図1表示器81aによる特
図1の可変表示が保留されている数)を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数(U2:特
図2表示器81bによる特
図2の可変表示が保留されている数)を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0042】
特
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して特図といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して特図抽選という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0043】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
【0044】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0045】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0046】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図2関係乱数」という。ここで、特
図1関係乱数は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関係乱数は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1保留の数(特
図1保留数)および特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2保留の数(特
図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特
図1保留と特
図2保留を総称して「特図保留」といい、特
図1保留数と特
図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0047】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0048】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特
図1保留表示器83aと特
図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0049】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0050】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0051】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0052】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
【0053】
次に、
図6を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
【0054】
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
【0055】
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
【0056】
図6(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
【0057】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0058】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図7~
図8に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図7~
図8に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
【0059】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のONOFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0060】
図7に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0061】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
【0062】
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。RAMクリアスイッチ119は、遊技機枠2が閉状態であるとき、外部からは操作できない位置に設けられている。このため、RAMクリアスイッチ119は、遊技機枠2の開状態にて操作可能である。つまり、RAMクリアスイッチ119は、遊技場の従業員等の設定者が操作可能であり、通常、遊技者が操作することはない。
【0063】
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類Msや各種アクチュエータ類Maが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類Msが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類Maに信号を出力する。
【0064】
主制御基板100に接続されている各種センサ類Msには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0065】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類Maには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0066】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0067】
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0068】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサにより検知されて、賞球センサによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0069】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(
図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0070】
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0071】
図8に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、および演出用ROM123に記憶されたプログラムによって用いられる各種の内部情報を記憶する演出用不揮発性RAM128が含まれている。
【0072】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0073】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0074】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0075】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0076】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0077】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0078】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0079】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0080】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類Sa、各種ランプ類Slが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類Saに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類Slの点灯制御を行う。
【0081】
また、サブ制御基板120は、遊技機枠2の中継基板(図示なし)と接続され、その中継基板から遊技機枠2の種別を識別する識別番号(以下、「枠ID」)が入力される。また、サブ制御基板120には、遊技盤1の中継基板(図示なし)と接続され、その中継基板から遊技盤1の種別を識別する識別番号(以下、「盤ID」)が入力される。この他、サブ制御基板120には、遊技機枠2の中継基板(図示なし)から、下部装飾体36にボタンユニットBUが装着されているか否かを示す信号が入力される。
【0082】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40a、セレクトボタン検出スイッチ42a、およびボリュームボタン検出スイッチ43aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。セレクトボタン検出スイッチ42aは、セレクトボタン42が押下操作されたことを検出する。ボリュームボタン検出スイッチ43aは、ボリュームボタン43が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a、42a、43aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0083】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類Saには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0084】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類Slには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0085】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0086】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、
図9~
図16を用いて説明する。
【0087】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
【0088】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、
図9(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0089】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、
図10(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0090】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、
図10(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0091】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
【0092】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0093】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0094】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図10(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0095】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
【0096】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0097】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0098】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0099】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、
図9(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
【0100】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、
図11(A)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0101】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図11(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0102】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図11(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
【0103】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0104】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0105】
例えば、
図11(B)に示すように、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特
図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特
図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
【0106】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図11(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0107】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
【0108】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図11(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0109】
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、
図12~
図13に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0110】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図12)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図13)とがある。
【0111】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
【0112】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
【0113】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。
【0114】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0115】
また、各特図変動パターンには、
図12~
図13の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
【0116】
なお、
図12~
図13の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」といい。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
【0117】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、
図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。
【0118】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
【0119】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0120】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0121】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、
図15に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
【0122】
例えば、
図15に示すように、1Rから10Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに入賞すると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0123】
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
【0124】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
【0125】
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(
図4(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
【0126】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図16に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
【0127】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0128】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(
図12~
図13参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0129】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0130】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0131】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
【0132】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0133】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
【0134】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
【0135】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、
図17~
図23を用いて説明する。
【0136】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0137】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図17(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、
図17(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。また、
図17(A―3)に示すように、表示部50aにおいて遊技場名を含む挨拶演出を行う挨拶デモ動画G1001が表示される。挨拶デモ動画G1001で表示される遊技場名は、サブ制御基板120に設定されるホールコードに関連付けられた情報であり、サブ制御基板120は、パチンコ遊技機PY1のメーカのサーバと通信することで、設定されているホールコードに対応する遊技場名を取得できる。
【0138】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、
図17(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、
図17(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、
図17(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
【0139】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、
図17(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0140】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、
図17(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0141】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードでもある。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図17(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、
図17(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、
図17(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
【0142】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
【0143】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0144】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
【0145】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図18(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0146】
また、
図18(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
【0147】
なお、
図18(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0148】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0149】
特図の可変表示が開始されると、例えば、
図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、
図18(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、
図18(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、
図18(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、
図18(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0150】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0151】
Nリーチでは、
図19(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、
図19(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、
図19(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、
図19(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0152】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大あり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0153】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図20(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図20(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、
図20(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、
図20(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0154】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0155】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図21(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特
図1保留数または特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特
図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0156】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、
図21(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
【0157】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特
図1保留数および特
図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
【0158】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特
図1保留または特
図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0159】
保留演出では、特
図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、
図21(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図21(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、
図21(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特
図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
【0160】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置40等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0161】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0162】
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、
図22(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、
図22(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0163】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0164】
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、通常ボタン40の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、
図23(A)に示すように、通常ボタン40の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示部50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、通常ボタン40を模した画像(ボタン画像G31)と、通常ボタン40の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、
図23(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0165】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0166】
先読み演出では、例えば、特
図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、
図21(A)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0167】
4-5.機能設定
次に、機能設定について説明する。機能設定は、パチンコ遊技機PY1が有する機能に係る基本的な設定である。パチンコ遊技機PY1は、機能設定の変更を受け付ける際、表示部50aに、
図24(A)に示す「機能設定メニュー」画面を表示する。
【0168】
機能設定には、設定項目として、ホールコードに関する設定、RTC演出に関する設定、抗菌コートのアナウンスに関する設定、デフォルトに関する設定、役物動作に関する設定、エラー出力条件に関する設定、が含まれる。「機能設定メニュー」画面が表示されているときに各設定項目の「設定画面」ボタンが選択されることで、選択された設定項目に関する設定メニュー画面に切り替え、選択された設定項目に関する設定を行うことができる。また、「機能設定メニュー」画面が表示されているときに各設定項目の「初期化」ボタンを選択することで、選択された設定項目に関する設定を初期化できる。これら機能設定の設定内容は、内部情報として、演出制御用マイコン121の演出用不揮発性RAM128に記憶される。
【0169】
パチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面に複数のボタン(各設定項目の「設定画面」ボタンや「初期化」ボタン、「設定終了」ボタン)を表示し、現在選択されているボタンを太枠で表示する。さらに、「機能設定メニュー」画面を表示している状態で、通常ボタン40とセレクトボタン42とボリュームボタン43の操作を受け付け、セレクトボタン42の操作によってボタンの選択を切り替え、通常ボタン40およびボリュームボタン43の操作によって、選択されたボタンの入力を決定する。また、「機能設定メニュー」画面には、「機能設定メニュー」画面の操作について説明する説明画像G50Sが含まれる。なお、説明画像G50Sには、通常ボタン40およびセレクトボタン42の操作についての説明は含まれるが、ボリュームボタン43についての説明は含まれない。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面を表示している状態で、通常ボタン40とボリュームボタン43との何れも選択されたボタンの入力を決定するという同じ入力操作を受け付けるが、説明画像G50Sにはその一方のボタンについてのみ説明し、他方のボタンについては説明しない。
【0170】
例えば、パチンコ遊技機PY1は、ホールコードを設定することで、
図17(A-3)に示したようなパチンコ遊技機PY1を設置する遊技場(ホール)に応じた画像を表示すること等の設定が可能となる。また、RTC演出をONに設定することで、暦や時刻に応じた内容の演出を行うこと等の設定が可能となる。また、デフォルトに関する設定を選択することで、音量や光量や表示言語や日時の設定が可能になる。パチンコ遊技機PY1は、日本語、英語、中国語等、複数の言語に対応しており、設定されている言語で演出を表現する。また、役物動作をOFFに設定することで、役物の動作を制限できる。役物は、遊技盤1にも遊技機枠2にも設けられており、それぞれ動作を制限できる。なお、役物動作の設定は全てON(動作を制限しない)が初期値として出荷される。
【0171】
また、パチンコ遊技機PY1は、所定のエラーの出力に関する条件であるエラー出力条件を設定することができる。パチンコ遊技機PY1は、所定のエラーを検知すると、その所定のエラーを検知したことを示唆するエラーを報知する。エラー出力条件が設定されていない場合(後述するエラー出力条件が全てOFFの場合)は、電源が入っている間、エラーが解消されない限り、一定の音量および光量でエラーは報知され続ける。エラー出力条件が設定されていない場合の報知態様は、大音量であって警告ランプが点灯され続けるため、報知の強度が高い。これにより、エラーが生じていることを認識し易くする。一方で、エラーが生じていたとしても遊技が可能な場合もあり、遊技を許可する場合もある。例えば、パチンコ遊技機PY1の開発段階では、適切な遊技機枠2が装着されていない場合や、ボタンユニットBUが装着されていない場合であっても試験を行う場合があり、その際にエラーが報知され続けていると煩わしい。そこで、パチンコ遊技機PY1は、エラー出力条件を設定でき、設定されているエラー出力条件を満たすことで、エラーが解消されていない状態であっても、報知を停止する等、エラーの報知の強度を低くすることができる。
【0172】
具体的にパチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面が表示されているときに、エラー出力条件設定の「設定画面」ボタンが選択されて決定されると、表示部50aに、
図24(B)に示す「エラー出力条件設定メニュー」画面を表示する。パチンコ遊技機PY1は、「エラー出力条件設定メニュー」画面が表示されているときにも、「機能設定メニュー」画面と同様に、通常ボタン40とセレクトボタン42とボリュームボタン43との操作を受け付け、セレクトボタン42の操作によってボタンの選択を切り替え、通常ボタン40およびボリュームボタン43の操作によって、選択されたボタンの入力を決定する。「エラー出力条件設定メニュー」画面には、「エラー出力条件設定メニュー」の操作について説明する説明画像G50SSが含まれる。なお、説明画像G50SSにも、通常ボタン40およびセレクトボタン42の操作についての説明は含まれるが、「機能設定メニュー」画面と同様に、ボリュームボタン43についての説明は含まれない。
【0173】
設定可能なエラー出力条件には、30秒後にエラーの出力を停止する「30秒後停止」、通常ボタン40の操作でエラーの出力を停止する「ボタン停止」、10秒後にエラー報知の音量を下げる「10秒後低音量」が含まれる。「エラー出力条件設定メニュー」画面には、各条件に対応する「ON/OFF」ボタンが表示され、「ON/OFF」ボタンは、「ON」か「OFF」かの何れか一方が表示され、選択された状態で決定を示す操作(通常ボタン40やボリュームボタン43の操作)がなされると、表示を切り替える。つまり、「ON」が表示されている状態で決定を示す操作がなされると「OFF」に切り替わり、「OFF」が表示されている状態で決定を示す操作がなされると「ON」に切り替わる。なお、「10秒後低音量」の場合、音量を下げるに代えて、音量をオフにする(警告音の出力を停止し、警告ランプ等の出力を継続する)としてもよい。
【0174】
また、「エラー出力条件設定メニュー」には、「決定」ボタンと、「キャンセル」ボタンとが含まれる。「決定」ボタンが選択された状態で決定を示す操作(通常ボタン40やボリュームボタン43の操作)がなされると、各条件に対応する「ON/OFF」ボタンの現在の表示に従って、各「ON/OFF」ボタンに対応する条件の有効/無効を決定し、「エラー出力条件設定メニュー」を終了して「機能設定メニュー」に戻る。すなわち、「ON」が表示されている条件を有効に決定し、「OFF」が表示されている条件を無効に決定する。「キャンセル」ボタンが操作されると、各条件の有効/無効を更新せず、「エラー出力条件設定メニュー」を終了して「機能設定メニュー」に戻る。なお、エラー出力条件の設定は全てOFF(無効)が初期値として出荷される。
【0175】
なお、エラー出力条件は、前述した「30秒後停止」、「ボタン停止」、「10秒後低音量」に限るものではない。例えば、所定時間経過後にエラー報知の光量を下げる条件が含まれてもよい。この場合、「10秒後低音量」が光量の低下も兼ねてもよい。また、報知を停止するあるいは音量を下げるまでの時間を設定できてもよい。
【0176】
また、パチンコ遊技機PY1は、抗菌コートの表示をONに設定することで、例えば特別図柄が変動表示されておらず、デモ画面が表示されている場合であれば、そのデモ画面の1つとして、
図25(A)に示すように抗菌コートがなされていることを示すメッセージ画像G50Kを表示する。また、特別図柄が変動表示されている場合であれば、
図25(B)に示すように抗菌コートがなされていることを示す抗菌アイコン画像KIを表示する。パチンコ遊技機PY1は、菌の増殖を抑える効果がある抗菌コートが施されて出荷される。そこで、抗菌コートがなされていることを示す画像を表示可能にすることで、遊技者に抗菌コートがなされていることを認識させ、遊技者に安心して遊技を楽しんでもらうことができる。一方で、抗菌コートは経年劣化によって次第にその効果が期待できなくなる。また、抗菌コートの表示が遊技者に煩わしさを感じさせてしまうこともある。そこで、設定によって抗菌コートの表示をOFFに設定することで、抗菌コートの表示を出力させないようにできる。このように抗菌コートの表示のオンオフを設定できることで、表示の自由度が高まる。なお、抗菌コートが施されて出荷されるパチンコ遊技機PY1については、抗菌コートの表示設定の初期値はONとして出荷される。
【0177】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に
図26~
図29に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0178】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から
図26に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0179】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図9(A)および
図9(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0180】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0181】
[2.電源投入時処理]
図27に示すように電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ119が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ119がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(
図29参照)でONにされるフラグである。
【0182】
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(
図29のステップS2902参照)と比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
【0183】
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
【0184】
また、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板120に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
【0185】
[3.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図28に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0186】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0187】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図26の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図9(A)および
図9(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0188】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0189】
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
【0190】
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する電源断監視処理(S108)を行い、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S109)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0191】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(
図26参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
【0192】
[3-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0193】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0194】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0195】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図2関係乱数を取得し、取得した特
図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図2保留記憶部105bに記憶する。特
図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特
図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特
図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(
図13参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)を表す特
図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0196】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図1関係乱数を取得し、取得した特
図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図1保留記憶部105aに記憶する。特
図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特
図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特
図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(
図13参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)を表す特
図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0197】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0198】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0199】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0200】
[3-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0201】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0202】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0203】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0204】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0205】
[3-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0206】
[3-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数に基づいて、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理を行うとともに、特
図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数に基づいて、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理を行うとともに、特
図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0207】
特
図2判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特
図2大当たり図柄種別判定テーブル(
図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
【0208】
特
図2変動パターン判定処理は、特
図2判定処理の後に行われる処理である。特
図2変動パターン判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図2変動パターンテーブル(
図13参照)と、を用いて、特
図2変動パターンを判定する。なお、特
図2変動パターンの判定は、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特
図2変動パターンを表す特
図2変動開始コマンドを生成する。特
図2変動開始コマンドには、特
図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の可変表示を開始させる。
【0209】
特
図2保留記憶部シフト処理は、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図2保留記憶部シフト処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されていた特
図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図2関係乱数を特
図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特
図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図2保留数を表す特
図2保留数コマンドを生成する。
【0210】
特
図1判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特
図1大当たり図柄種別判定テーブル(
図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
【0211】
特
図1変動パターン判定処理は、特
図1判定処理の後に行われる処理である。特
図1変動パターン判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図1変動パターンテーブル(
図12参照)と、を用いて、特
図1変動パターンを判定する。なお、特
図1変動パターンの判定は、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特
図1変動パターンを表す特
図1変動開始コマンドを生成する。特
図1変動開始コマンドには、特
図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の可変表示を開始させる。
【0212】
特
図1保留記憶部シフト処理は、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図1保留記憶部シフト処理では、特
図1保留記憶部105aに記憶されていた特
図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図1関係乱数を特
図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特
図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図1保留数を表す特
図1保留数コマンドを生成する。
【0213】
なお、特
図2保留数および特
図1保留数の何れも存在する場合、特
図2判定処理が優先して行われ、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
【0214】
[3-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0215】
[3-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特
図2保留数および特
図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0216】
[3-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブル(
図15参照)を用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0217】
[3-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0218】
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
【0219】
[3-4.電源断監視処理]
図29に示すように、電源断監視処理(S108)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2901)、入力がなければ(S2901でNO)この処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン101に入力される信号である。ステップS2901において電源断信号の入力があれば(S2901でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納するとともに(S2902)、電源断フラグをONする(S2903)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(
図28)に戻ることなくループ処理をする。
【0220】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、
図30~
図36に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0221】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた処理を行う。具体的には、サブ側電源断フラグ(電断時にONにされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4002)、後述する基板チェック処理(S4003)を実行した後、ステップS4005に進む。
【0222】
一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4021)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4021でYES)、主制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、RAMクリアフラグをONするとともに(S4022)、サブ制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4002)、基板チェック処理(S4003)を実行した後、ステップS4005に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4021でNO)、ステップS4022及びS4002を実行せずに、基板チェック処理(S4003)を実行した後、ステップS4005に進む。なお、S4002の際、演出用不揮発性RAM128は初期化されない。そのため、内部情報は初期化されず、そのままの情報を維持する。例えば、RAMクリア検知コマンドを受信していたとしても内部情報は初期化されない。
【0223】
ステップS4005では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。また、演出用不揮発性RAM128に記憶される内部情報を読み出し、例えばデフォルトの設定を参照し、音量、光量、および言語の初期値を設定する。
【0224】
次に、割り込みを禁止し(S4006)、乱数更新処理を実行する(S4007)。乱数更新処理(S4007)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0225】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
【0226】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006~ステップS4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0227】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0228】
[1-1.基板チェック処理]
図31に示すように、基板チェック処理(S4003)では、演出制御用マイコン121は、遊技機枠2の中継基板(図示なし)から入力される枠IDを取得し(S4031)、遊技盤1の中継基板(図示なし)から入力される盤IDを取得する(S4032)。また、S4032では、遊技盤1の中継基板を介して、下部装飾体36にボタンユニットBUが装着されているか否かを示す信号も取得する。
【0229】
次に、演出制御用マイコン121は、取得した枠IDおよび盤IDに基づいて、サブ制御基板120によって実行される演出について、遊技機枠2や遊技盤1が整合するか否かを判定する(S4033)。すなわち、演出制御用マイコン121に記憶される枠IDおよび盤IDに基づいて、適切な遊技機枠2と遊技盤1とが装着されているか否かを判定する。具体的に演出制御用マイコン121には、機種ごとに異なる対応可能な枠IDおよび盤IDが記憶されており、取得した枠IDおよび盤IDが記憶されている枠IDおよび盤IDとどちらも一致する場合に整合すると判定し、少なくとも一方が一致しない場合に整合しないと判定する。
【0230】
遊技機枠2および遊技盤1が整合する場合(S4033でYES)、取得した信号に基づいて、下部装飾体36にボタンユニットBUが装着されているか否かを判定する(S4041)。ボタンユニットBUが装着されている場合(S4041でYES)、演出制御用マイコン121は、遊技機枠2や遊技盤1に関するエラー報知を行わずに基板チェック処理を終了する。
【0231】
遊技機枠2と遊技盤1との少なくとも一方が整合しない場合(S4033でNO)、あるいはボタンユニットBUが装着されていない場合(S4041でNO)、演出制御用マイコン121は、遊技機枠2や遊技盤1に関するエラー報知を開始し(S4034)、基板チェック処理を終了する。遊技機枠2や遊技盤1に関するエラー報知では、演出制御用マイコン121は、表示部50aをエラー報知画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットし、画像制御基板140によって画像表示装置50の表示部50aにエラー報知画面を表示させる。さらには、警告音をスピーカ52から出力させ、警告ランプを点灯させる。パチンコ遊技機PY1は、エラー報知を開始すると、エラーが解消される、あるいは前述したエラー出力条件を満たすまでエラー報知の出力が継続される。
【0232】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図32に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0233】
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、その検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。発光データ出力処理では、後述する演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0234】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4012)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述する機能設定処理(S4303)、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示部50aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
【0235】
また、演出制御用マイコン121は、各種のボタン操作に基づく処理を行うボタン入力処理(S4305)、報知が行われている場合にその報知を中止するための報知中止処理(S4306)を行う。
【0236】
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ53の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成及びその出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4399)。
【0237】
[3-1.受信コマンド解析処理]
図34に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理(S4402)を行う。変動演出開始処理(S4402)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出パターンを選択する。また、停止図柄としての演出図柄や、予告演出も選択する。そして、選択した演出内容にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0238】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0239】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理(S4406)を行う。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0240】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0241】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0242】
続いて、演出制御用マイコン121は、RAMクリアフラグ(電源投入時にRAMクリアがあったことを示すフラグ)がONか否かを判定する(S4412)。RAMクリアフラグがONでなければ、ステップS4415に進む。一方、RAMクリアフラグがONであれば、機能設定の設定期間の計測を開始して(S4413)、RAMクリアフラグをOFFする(S4414)。機能設定の設定期間とは、
図24(A)に示した「機能設定メニュー」画面を呼び出すことが可能な期間である。言い換えれば、機能設定の設定期間とは、演出制御用マイコン121が「機能設定メニュー」画面を呼び出す指示を受け付けている期間である。本形態では、この設定期間は、30秒に設定されている。つまり、本形態では、機能設定の設定期間は、電源投入後の所定期間内である。なお、機能設定の設定期間の長さは適宜変更可能である。
【0243】
ステップS4499では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
【0244】
[3-2.機能設定処理]
図35に示すように、機能設定処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定画面表示中フラグがONか否かを判定する(S5001)。設定画面表示中フラグは、「機能設定メニュー」画面あるいは各種の設定項目の設定メニュー画面の表示中であるか否かを示すフラグであり、例えば設定画面表示中フラグがONであるとは、「機能設定メニュー」画面(
図24(A))や「エラー出力条件設定メニュー」画面(
図24(B))といった設定画面の表示中であることを示す。設定画面表示中フラグは、後述のステップS5005でONにされる。
【0245】
設定画面表示中フラグがONでなければ(S5001でNO)、続いて、RAMクリア後の所定期間(機能設定の設定期間)中か否かを判定する(S5002)。上述した通り、本形態ではこの期間は30秒に設定されている。RAMクリア後の所定期間内でなければ(S5002でNO)、直ちに本処理を終える。一方、RAMクリア後の所定期間内であれば(S5002でYES)、続いて、所定の設定画面呼出操作(表示操作ともいう)がなされたか否かを判定する(S5003)。本形態では、設定画面呼出操作は、セレクトボタン42を連続して5回押下することである。勿論、設定画面呼出操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
【0246】
ステップS5003において設定画面呼出操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、設定画面呼出操作がなされていれば(S5003でYES)、設定画面表示処理(S5004)を行う。設定画面表示処理(S5004)では、表示部50aを「機能設定メニュー」の画面に制御するための表示コマンドを出力バッファにセットする。その後、演出制御用マイコン121は、設定画面表示中フラグをONにして(S5005)、本処理を終える。なお、「機能設定メニュー」画面を表示するにあたって、設定画面呼出操作があった後、パスワードの入力を要求し、入力されたパスワードの認証に成功したことを条件として、「機能設定メニュー」画面を表示してもよい。
【0247】
ステップS5004でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板140は、表示部50aに「機能設定メニュー」画面を表示させる。「機能設定メニュー」画面が表示部50aに表示されているときには、メーカの開発者や遊技場の従業員等の設定者は、内部情報の種々の設定項目の中から任意の設定項目を選択することが可能である。前述したように、この設定項目の中には、ホールコードに関する設定、RTC演出に関する設定、抗菌コート表示に関する設定、デフォルトに関する設定、役物動作に関する設定、エラー出力条件に関する設定の各項目が含まれている。
【0248】
機能設定処理(
図35)のステップS5001において、設定画面表示中フラグがONであれば、パチンコ遊技機PY1は「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面が表示されている状態において、通常ボタン40、セレクトボタン42、ボリュームボタン43の各入力装置による入力操作を受け付けている状態になっている。具体的に、「機能設定メニュー」画面あるいは各種の設定項目の設定メニュー画面にて受け付け可能な入力操作には、選択と決定があり、セレクトボタン42の入力操作が選択を受け付け、通常ボタン40とボリュームボタン43の入力操作が決定を受け付ける。そこで、
図36に示すように、演出制御用マイコン121はまず、セレクトボタン42が操作されたか否かを判定する(S5006)。
【0249】
セレクトボタン42が操作された場合(S5006でYES)、「機能設定メニュー」にて表示されているボタンの選択状態を切り替える(S5007)。セレクトボタン42は、上下左右をそれぞれ示す4つの方向ボタンによって構成され、ステップ5006では、その4つのボタンのうち操作されたボタンも特定し、操作されたボタンに応じて切り替え先を決定する。例えば、セレクトボタン42のうち右を示す方向ボタンが操作された場合には、現在選択されているボタンの右隣のボタンに選択を切り替える。より具体的に、例えばホールコード設定の「設定画面」ボタンが選択されている状態で右を示す方向ボタンが操作された場合には、ホールコード設定の「設定画面」ボタンの右隣にあるホールコード設定の「初期化」ボタンを選択された状態に切り替え、ホールコード設定の「設定画面」ボタンを選択されていない状態に切り替える。なお、操作されたボタンに示される方向にボタンがなければ、選択肢を切り替えない。また、「機能設定メニュー」画面から各設定項目の設定メニュー画面が表示されている場合には、その表示されている設定メニューにおいてボタンの選択状態を切り替える。例えば、「エラー出力条件設定メニュー」画面を表示され、そのうち「30秒後停止」ボタンが選択されている状態で、下を示す方向ボタンが操作された場合には、「30秒停止」ボタンの下隣にある「ボタン停止」ボタンを選択された状態に切り替え、「30秒停止」ボタンを選択されていない状態に切り替える。
【0250】
ステップ5007にてボタンの選択状態を切り替えた後、あるいはセレクトボタン42が操作されていなかった場合(S5006でNO)、演出制御用マイコン121は、通常ボタン40が操作されたか否かを判定する(S5008)。
【0251】
通常ボタン40が操作された場合(S5008でYES)、現在選択されているボタンに応じた処理を実行する(S5009)。例えば「機能設定メニュー」画面にてホールコード設定の「設定画面」ボタンが選択されている状態で通常ボタン40が操作された場合には、「ホールコード設定メニュー」画面を表示する。また、「機能設定メニュー」画面にてホールコード設定の「初期化」ボタンが選択されている状態で通常ボタン40が操作された場合には、ホールコードの設定値を初期値に戻す。「機能設定メニュー」画面にて「設定終了」ボタンが選択されている状態で通常ボタン40が操作された場合には、機能設定の終了操作があったと判定し、「機能設定メニュー」画面を終わらせる処理を行う。機能設定の終了操作があった場合の処理については、S5025以降の処理として後述する。また、例えば「エラー出力条件設定メニュー」画面が表示され、30秒後停止の条件に対応する「ON/OFF」ボタンが選択されて「OFF」が表示されている状態で通常ボタン40が操作された場合には、「ON/OFF」ボタンの表示を「ON」に切り替える。
【0252】
ステップ5009にて選択されているボタンに応じた処理を実行した後、あるいは通常ボタン40が操作されていなかった場合(S5008でNO)、演出制御用マイコン121は、ボリュームボタン43が操作されたか否かを判定する(S5010)。
【0253】
ボリュームボタン43が操作された場合(S5010でYES)、通常ボタン40が操作された場合と同様に、現在選択されているボタンに応じた処理を実行する(S5011)。すなわち、パチンコ遊技機PY1では、「機能設定メニュー」画面や、各機能の設定メニューの画面において、通常ボタン40の操作について明示(説明画像G50S、説明画像G50SS)するものの、ボリュームボタン43の操作については明示していないが、ボリュームボタン43であっても、通常ボタン40と同様の入力操作がなされることになる。
【0254】
ステップS5025では、「機能設定メニュー」画面の表示を終了させる終了操作が行われたか否かを判定する。この終了操作は、本形態では、「機能設定メニュー」画面の「設定終了」ボタンが選択された状態で、通常ボタン40ないしボリュームボタン43に対して行われる入力操作である。
【0255】
ステップS5025において機能設定メニューの終了操作がなされていなければ、直ちに本処理を終える。これに対して、機能設定メニューの終了操作がなされていれば、設定画面終了処理(S5026)を行うとともに、設定画面表示中フラグをOFFして(S5027)、本処理を終える。設定画面終了処理(S5026)では、
図24(A)に示す「機能設定メニュー」画面の表示を終了させるための表示コマンドを出力バッファにセットする。
【0256】
ステップS5026でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板140は、「機能設定メニュー」画面の表示を終了して、通常の遊技演出の画像を表示部50aに表示させる。なお、本形態では、設定画面表示中フラグがONである期間には、通常の遊技演出が制限される。具体的には、例えば、設定画面表示中フラグがONである期間に遊技球が第1始動口11に入賞した場合には、表示部50aにて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示等を実行することはない。すなわち、設定画面表示中フラグがONである期間には、表示部50aの表示として、「機能設定メニュー」画面や各機能の設定メニュー画面が、通常の遊技演出に係る画像よりも優先的に表示される。これにより、機能設定を適切に行うことが可能である。
【0257】
[3-3.ボタン入力処理]
図37に示すように、ボタン入力処理(S4305)ではまず、演出制御用マイコン121は、「機能設定メニュー」画面を表示中か否か、すなわち設定画面表示中フラグがONか否かを判定する(S5201)。「機能設定メニュー」画面を表示中には、「機能設定メニュー」画面の「設定画面」ボタンから表示される各設定項目の設定メニュー画面の表示中も含まれる。機能設定メニューの表示中であれば(S5201でYES)、「機能設定メニュー」画面を表示中(設定画面表示中フラグがONの場合)の処理(
図36参照)を実行するため、直ちに本処理を終える。
【0258】
機能設定メニューの表示中でなければ(S5201でNO)、続いて、ボリュームボタン43の操作があったか否かを判定する(S5211)。ボリュームボタン43の操作が有れば(S5211でYES)、音量を変更する(S5212)。ボリュームボタン43は、音量を上げるアップボタンと音量を下げるダウンボタンの2つによって構成され、ステップ5203では、その2つのボタンのうち操作されたボタンも特定し、操作されたボタンに応じて音量を変更する。すなわち、ボリュームボタン43は、「機能設定メニュー」画面が表示されている場合は通常ボタン40と同様に決定を入力する入力手段として機能し、「機能設定メニュー」画面が表示されていない場合は音量の変更を入力する入力手段として機能する。なお、「機能設定メニュー」画面が表示されている場合、アップボタンとダウンボタンとは区別されず、どちらのボタンが操作されたとしても、演出制御用マイコン121は、ボリュームボタン43が操作されたものと判定する。
【0259】
音量の変更後、あるいはボリュームボタン43の操作が無ければ(S5211でNO)、続いて、通常ボタン40の操作があったか否かを判定する(S5221)。通常ボタン40の操作が有れば(S5221でYES)、さらに通常ボタン40の入力を受け付ける期間が設定されているか否かを判定する(S5222)。通常ボタン40は、演出中の所定のタイミングで入力を受け付けるため、入力を受け付ける際にはその期間が設定される。通常ボタン40の入力を受け付ける期間が設定されている場合(S5222でYES)、その期間に応じた演出を実行する(S5223)。なお、ボリュームボタン43による音量変更は、「機能設定メニュー」画面を表示中でなければ、演出に関わらず常に受け付ける。
【0260】
演出の実行後、あるいは通常ボタン40の操作が無ければ(S5221でNO)、あるいは通常ボタン40の入力を受け付ける期間が設定されていなければ(S5222でNO)、続いて、その他のボタンの操作があったか否かを判定する(S5231)。そして、他のボタンの操作が有れば(S5231でYES)、そのボタンの操作に応じた処理を実行する(S5232)。例えばセレクトボタン42が操作された場合に、演出のモードを切り替える。ボタン操作に応じた処理を実行した後、あるいは他のボタンの操作が無ければ(S5231でNO)、本処理を終える。
【0261】
なお、本形態のパチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面を表示するための設定画面呼出操作がセレクトボタン42の操作であるため、RAMクリア後の所定期間であっても「機能設定メニュー」画面が表示されていなければ、音量の変更が可能であるが、設定画面呼出操作にボリュームボタン43の操作を含める場合は、RAMクリア後の所定期間においてボリュームボタン43の操作があっても音量を変更しないとしてもよい。
【0262】
[3-4.報知中止処理]
図38に示すように、報知中止処理(S4306)ではまず、演出制御用マイコン121は、基板チェック処理(S4003、
図31参照)におけるエラーの報知中か否かを判定する(S5301)。エラーの報知中でなければ(S5301でNO)、直ちに本処理を終える。
【0263】
一方、エラーの報知中であれば(S5301でYES)、有効なエラー出力条件を1つでも満たしているか否かを判定する(S5302)。前述したようにエラー出力条件には、「30秒後停止」と、「ボタン停止」と、「10秒後低音量」と、の3つがあり、それぞれの条件について有効か無効かを設定できる。そこで、演出制御用マイコン121は、有効に設定されているエラー出力条件について、それぞれエラー出力条件を満たしたか否かを判断し、1つでもエラー出力条件を満たしていれば、エラー出力条件を満たしたと判定し、エラー出力条件を1つも満たしていなければ、エラー出力条件を満たしていないと判定する。エラー出力条件を満たしていないと判定した場合(S5302でNO)、直ちに本処理を終える。
【0264】
エラー出力条件を満たしていると判定した場合(S5302でYES)、エラーの報知を終了させる必要があるか否かを判定する(S5303)。具体的に本形態では、「30秒後停止」と「ボタン停止」とのいずれか一方を満たしている場合、報知を終了させる必要があると判定され(S5303でYES)、エラーの報知を終了し(S5304)、本処理を終える。「30秒後停止」と「ボタン停止」とは、エラーの報知を強制終了させてしまうことから、これらのエラー出力条件をOFFとする、すなわちエラーの報知を強制終了させない場合と比較して、報知の強度が低い。
【0265】
一方、「30秒後停止」と「ボタン停止」とのいずれも満たしておらず、「10秒後低音量」を満たしている場合、エラーの報知を終了させる必要があると判定されず(S5303でNO)、出力条件に合わせて報知態様を変更し(S5305)、本処理を終える。具体的に本形態では「10秒後低音量」を満たしていることから、警告ランプ等を点灯させたまま、エラーの報知の音量を下げて、本処理を終える。「10秒後低音量」は、エラーの報知の音量を強制的に下げてしまうことから、このエラー出力条件をOFFとする、すなわちエラーの報知の音量を下げない場合と比較して、報知の強度が低い。
【0266】
7.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、上記の実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面を表示した状態で、1つの入力操作(実施形態では決定の操作)について、複数の入力手段(実施形態では通常ボタン40とボリュームボタン43)で入力可能にすることで、その画面の表示期間であっても多くの入力手段が利用可能になる。その結果として、利用者の使い易い入力手段によって入力操作を行うことができ、入力操作の利便性が高まる。
【0267】
また、パチンコ遊技機PY1では、通常ボタン40はボタンユニットBUとしてユニット化されており、ボタンユニットBUが遊技機枠2に装着されていないと入力可能にならない。一方で、ボリュームボタン43はユニット化されておらず、ボタンユニットBUが遊技機枠2に装着されていなくても入力可能である。パチンコ遊技機PY1は、ボタンユニットBUが遊技機枠2に装着されていなくても「機能設定メニュー」画面を表示可能であり、そのような状態で「機能設定メニュー」画面を表示していたとしても、ボリュームボタン43によって決定のための入力操作が可能であることから、「機能設定メニュー」画面の操作性を低下させずに済む。
【0268】
例えばパチンコ遊技機PY1の開発段階や工場出荷段階やホールでの設置段階では、ボタンユニットBUを装着させていなくても、試験や動作確認のために機能設定を行いたい場合もある。この場合、「機能設定メニュー」画面への特定の入力操作をボタンユニットBUにある通常ボタン40でのみとすると、ボタンユニットBUが装着されていない状態では機能設定を行うことができず、著しく不便である。実施形態に係るパチンコ遊技機PY1のように、「機能設定メニュー」画面における同じ入力操作のために複数の入力手段があり、そのうちの1つをボタンユニットBUを装着していなくても入力可能にすることで、利便性が高まる。この場合、通常ボタン40以外での入力操作は、遊技場の店員等が知らなくてもよく、説明画像G50Sでそのような入力操作が可能であることの説明は不要である。
【0269】
また、パチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面を表示した状態で、通常ボタン40によって決定の入力操作を受け付けることを説明画像G50Sで通知する一方、ボリュームボタン43によっても決定の入力操作を受け付けることを説明画像G50Sで通知しない。複数のボタンによって同じ入力操作が可能な場合、それら複数のボタン全てを説明に含めると、説明が冗長になり易く、操作が複雑なような印象を与えかねない。そこで、入力可能な複数の入力手段のうちの1つ(好ましくは操作が容易な入力手段、本形態でいえば通常ボタン40の方がボリュームボタン43よりもサイズが大きくかつ前方に位置するため操作がし易い)のみを説明に含めることで、説明をシンプルにすることができる。
【0270】
また、パチンコ遊技機PY1は、「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面が表示されている状態では、通常ボタン40による入力操作があった場合でもボリュームボタン43による入力操作があった場合でも、選択されている設定値ないし項目を決定するための処理が実行され、「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面が表示されていない状態では、通常ボタン40に入力操作があった場合、所定の演出が実行され、ボリュームボタン43に入力操作があった場合、音量調整が実行される。「機能設定メニュー」画面や各設定項目の設定メニュー画面が表示されていない状態では、各ボタンがそれぞれ別の操作を受け付けることで、入力のための態様の自由度が高まる。
【0271】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源投入後、あらかじめ決められた設定画面呼出操作があったことに基づいて、「機能設定メニュー」画面を表示し、設定画面呼出操作に基づいて表示された「機能設定メニュー」画面に対する入力として、通常ボタン40とボリュームボタン43との両方で、「機能設定メニュー」画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付け、設定画面呼出操作に基づいて表示された「機能設定メニュー」画面で受け付けられた内部情報を設定する。通常ボタン40とボリュームボタン43との両方で決定のための操作を受け付ける「機能設定メニュー」画面を、設定画面呼出操作を要求する画面とすることで、内部情報を一般的な遊技者が設定する演出等のカスタマイズ設定と区別され、内部情報を設定するための操作の利便性が高まる。
【0272】
また、通常ボタン40は、「機能設定メニュー」画面が表示されていない状態で、演出の中で入力操作を受け付ける場合があり、ボリュームボタン43は、「機能設定メニュー」画面が表示されていない状態で、演出にかかわらず音量調整のために操作を受け付けることが可能である。このようにボリュームボタン43を、演出によらず操作を受け付けることが可能なものにすることで、演出においては別々の扱いとなる通常ボタン40およびボリュームボタン43を、「機能設定メニュー」画面が表示されている状態においては共通の入力操作を受け付けるものとすることで、「機能設定メニュー」画面の操作の利便性が高まる。
【0273】
上記の実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、エラー出力条件が複数有り、各条件のオンオフの設定によって、エラーの報知の強度が異なる報知態様が複数用意されている。そして、「機能設定メニュー」画面から移行する「エラー出力条件設定メニュー」によってエラー出力条件のオンオフを設定することで、報知態様を設定でき、所定のエラーを検知した際、設定された報知態様に従ってエラーが報知される。これにより、状況にあった報知を行うことができる。例えば、設計段階ではエラーが発生することを承知した上で試験を行うことがあり、エラーが強めに報知されると煩わしく本来の試験に支障をきたすこともある。そのため、報知の強度が低い報知態様に設定することで、報知の影響を軽減できる。
【0274】
また、エラーの報知態様には、エラー出力条件のうち「30秒後停止」がOFFの場合と、「30秒後停止」がONの場合と、の2種類が有り、パチンコ遊技機PY1は、「30秒後停止」がOFFに設定されていれば、エラーが解消されるまであるいは電源がオフされるまでエラーを報知し続け、「30秒後停止」がONに設定されていれば、エラーの報知を開始してから30秒が経過した場合にエラーの報知を中止することで、30秒といった報知時間が無ければ強めの報知となり、報知時間が有れば弱めの報知となり、報知態様の強度の高低を設定できる。
【0275】
また、エラーの報知態様には、エラー出力条件のうち「10秒後低音量」がOFFの場合と、「10秒後低音量」がONの場合と、の2種類が有り、パチンコ遊技機PY1は、設定されている報知態様に従って報知の音量を調節することで、エラーの報知のための音量の大きさを設定できることで、音量が大きければ強めの報知となり、音量が小さければ弱めの報知となり、報知態様の強度の高低を設定できる。
【0276】
また、エラーの報知態様には、エラー出力条件のうち「ボタン停止」がOFFの場合と、「ボタン停止」がONの場合と、の2種類が有り、パチンコ遊技機PY1は、エラーの報知を開始した後、「ボタン停止」がONに設定されている場合には、通常ボタン40ないしボリュームボタン43による入力を受け付け、それら入力手段による入力があったことに応じて、エラーの報知を中止する一方、「ボタン停止」がOFFに設定されている場合には、それら入力手段による入力があっても、エラーの報知を中止しないことで、入力操作によるエラーの報知の中止を受け付けない場合を強度が高い報知態様として、入力操作によるエラーの報知の中止を受け付ける場合を強度が低い報知態様として設定できる。
【0277】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源投入後、あらかじめ決められた設定画面呼出操作があったことに基づいて、「機能設定メニュー」画面を介して「エラー出力条件設定メニュー」画面を表示し、エラーの報知態様の設定を受け付ける。エラーの報知態様の設定に設定画面呼出操作を要求することで、エラーを報知するための報知態様の設定を一般的な遊技者が設定する遊技のカスタマイズ設定と区別され、報知態様の設定を設定し難くできる。その結果として、遊技者による不正等を抑制できる。
【0278】
また、パチンコ遊技機PY1は、起動時に、盤ID、枠ID、ボタンユニットBUが装着されているか否かを示す信号等を取得し、取得された情報に基づいて、装着されている各種デバイス(遊技機枠2や遊技盤1あるいはボタンユニットBU)の適否を判定し、不適と判定した場合に、設定されている報知態様で、デバイスの不適合を示すエラーを報知する。また、エラーを報知している場合であっても、報知態様の設定を受け付け可能である。これにより、各種のデバイスの取り付けエラーについて、状況にあった報知を行うことができる。
【0279】
8.変更例
以下、実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0280】
また上記実施形態では、内部情報をサブ制御基板120で記憶し、サブ制御基板120で内部情報に従った演出を決定しているが、例えば内部情報を画像制御基板140で記憶し、サブ制御基板120で決定した演出を画像制御基板140で制限してもよい。この場合、交換する基板は主制御基板100ではなくサブ制御基板120であってもよい。すなわち、サブ制御基板120と交換する検査用基板を設け、例えばその検査用基板が検査用の処理ないし動作を行う際に、画像制御基板140に記憶される内部情報を設定するようにしてもよい。
【0281】
また上記実施形態では、「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面の表示中、通常ボタン40とボリュームボタン43とが共に、決定に関する入力操作を受け付け可能になっているが、決定に関する入力操作をその他の入力手段でも受け付け可能にしてもよい。例えば球貸ボタン、返却ボタン、光量調整ボタンが、決定に関する入力操作を受け付け可能であってもよい。
【0282】
また上記実施形態では、「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面の表示中、通常ボタン40とボリュームボタン43とが共に、決定に関する入力操作を受け付け可能になっているが、決定以外の入力操作を複数の入力手段で受け付け可能にしてもよい。例えばセレクトボタン42がボタンユニットBUにある場合、球貸ボタン、返却ボタン、光量調整ボタンが、選択に関する入力操作を受け付け可能であってもよい。
【0283】
また、上記実施形態では、表示のために設定画面呼出操作が必要な「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面について、すなわち主にホールのスタッフや遊技機メーカのスタッフが操作する画面について、複数の入力装置で同じ入力操作を受け付け可能にしているが、そのような特殊操作が不要な画面、例えば遊技者が演出をカスタマイズするための演出設定画面についても、複数の入力装置で同じ入力操作を受け付け可能にしてもよい。
【0284】
また、上記実施形態では、エラー出力条件として、所定の報知時間が経過した場合にエラーの報知を停止する条件(実施形態では「30秒後停止」)や所定の報知時間が経過した場合にエラーの報知の音量を下げる条件(実施形態では「10秒後低音量」)を設けているが、例えば、報知時間が異なる複数種類の報知態様を設けてもよい。この場合であっても、報知時間が長ければ強度が高い報知となり、報知時間が短ければ強度が低い報知となり、報知態様の強度の高低を設定できる。
【0285】
また、実施形態では、特
図2判定処理が優先的に行われるが、特
図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。また、実施形態では、特
図1の可変表示と特
図2の可変表示とが並行して行われないが、特
図1の可変表示と特
図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。また、実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や、パチスロ遊技機などに適用することも可能である。
【0286】
9.上記の実施形態に開示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明(発明A1~A6、発明B1~B6)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0287】
発明A1に係る遊技機は、
演出手段(画像表示装置50、スピーカ52)と、
第1の入力手段(通常ボタン40)と、
第2の入力手段(ボリュームボタン43)と、
内部情報(ホールコード設定、デフォルト設定、RTC設定、役物動作設定、抗菌コート表示設定、エラー出力条件設定)の設定画面(「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定メニュー画面)を表示し、前記設定画面で受け付けられた前記内部情報を設定する内部情報設定手段(サブ制御基板120)と、
前記内部情報設定手段にて設定された前記内部情報に従って、前記演出手段による演出を制御する演出制御手段(サブ制御基板120)と、
を備え、
前記内部情報設定手段は、
前記設定画面を表示した状態で、前記第1の入力手段と前記第2の入力手段との両方で、前記設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付ける(S5009、S5011)、
ように構成される。
【0288】
従来より遊技機では、設定画面が表示された状態では、例えば遊技機枠に設けられた十字ボタンによって設定内容を切り替え、同じく遊技機枠に設けられた演出用ボタンによって設定内容を決定している。しかしながら、遊技機枠には様々な入力手段が設けられており、設定画面に対する操作として利用されていない入力手段もあり、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、設定画面を表示した状態で、1つの入力操作について、複数の入力手段で入力可能にすることで、その設定画面の表示期間であっても多くの入力手段が利用可能になる。その結果として、利用者の使い易い入力手段によって入力操作を行うことができ、入力操作の利便性が高まる。
【0289】
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に記載の遊技機であって、
前記第2の入力手段は、遊技機枠に設けられ、
前記第1の入力手段は、前記遊技機枠に着脱可能なユニット(ボタンユニットBU)に設けられ、
前記内部情報設定手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態でなくても前記設定画面を表示可能であり、
前記第1の入力手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態で入力可能になり、
前記第2の入力手段は、前記ユニットが前記遊技機枠に装着された状態でなくても入力可能である、
ように構成される。
【0290】
この構成では、ユニットが遊技機枠に装着されていなくても設定画面を表示可能であり、そのような状態で設定画面を表示していたとしても、第2の入力手段によって入力操作が可能であることから、設定画面の操作性を低下させずに済む。
【0291】
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に記載の遊技機であって、
前記内部情報設定手段は、
前記設定画面を表示した状態で、前記第1の入力手段によって入力操作を受け付けることを通知する一方、前記第2の入力手段によって入力操作を受け付けることを通知しない、
ように構成される。
【0292】
この構成では、入力可能な2つの入力手段のうちの一方のみを説明に含めることで、説明をシンプルにすることができる。
【0293】
発明A4に係る遊技機は、
発明A1から発明A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記設定画面が表示されている状態では、前記第1の入力手段による入力操作があった場合でも前記第2の入力手段による入力操作があった場合でも、第1の処理(「機能設定メニュー」画面あるいは各設定項目の設定画面での決定に関する処理)が実行され、
前記設定画面が表示されていない状態では、前記第1の入力手段による入力操作があった場合、第2の処理(演出に関する処理)が実行され、前記第2の入力手段による入力操作があった場合、第3の処理(音量調整)が実行される、
ように構成される。
【0294】
この構成では、設定画面が表示されていない状態では、第1の入力手段と第2の入力手段とがそれぞれ別の操作を受け付けることで、入力態様の自由度が高まる。
【0295】
発明A5に係る遊技機は、
発明A1から発明A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記内部情報設定手段は、
電源投入後、あらかじめ決められた特殊操作(設定画面呼出操作)があったことに基づいて、前記設定画面を表示し、前記特殊操作に基づいて表示された前記設定画面に対する入力として、前記第1の入力手段と前記第2の入力手段との両方で、前記設定画面にて受け付け可能な同じ入力操作を受け付け、前記特殊操作に基づいて表示された前記設定画面で受け付けられた前記内部情報を設定する、
ように構成される。
【0296】
この構成では、第1の入力手段と第2の入力手段との両方で同じ入力操作を受け付ける設定画面を、特殊操作を要求する画面とすることで、内部情報を一般的な遊技者が設定する演出等のカスタマイズ設定と区別され、内部情報を設定するための操作の利便性が高まる。
【0297】
発明A6に係る遊技機は、
発明A1から発明A5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1の入力手段は、前記設定画面が表示されていない状態で、前記演出手段による演出の中で設けられた期間に入力操作を受け付ける場合があり、
前記第2の入力手段は、前記設定画面が表示されていない状態で、前記演出手段による演出にかかわらず操作を受け付けることが可能である、
ように構成される。
【0298】
この構成では、第2の入力手段を、演出によらず操作を受け付けることが可能なものにすることで、演出においては別々の扱いとなる第1の入力手段および第2の入力手段を、設定画面が表示されている状態においては共通の入力操作を受け付けるものとすることで、設定画面の操作の利便性が高まる。
【0299】
発明B1に係る遊技機は、
エラーを報知する報知手段(画像表示装置50、スピーカ52)と、
前記報知手段によるエラーの報知態様には、第1態様(エラー出力条件が全てOFF)と、前記第1態様よりも報知の強度が低い第2態様(エラー出力条件のいずれかがON)と、の少なくとも2種類が有り、どの報知態様とするかの設定を受け付ける設定手段(エラー出力条件設定メニュー、サブ制御基板120)と、
を備え、
前記報知手段は、
所定のエラーを検知した場合に、前記設定手段にて設定されている報知態様で、前記所定のエラーを報知する、
ように構成される。
【0300】
パチンコ遊技機に代表されるに関する技術として、異常を検知した場合にエラー報知を行う構成が知られている。しかし、エラー報知はその原因となった異常が解消されるまで報知され続けることで、異常が解消されたか否かを把握できるが、エラー報知を継続することで、周囲に煩さを感じさせてしまうこともある。エラー報知を継続しなくても、異常が発生したこと自体は周囲に知らせることができることから、エラー報知の態様には改善の余地がある。そこで、パチンコ遊技機は、報知の強度が異なる報知態様を複数用意し、報知態様を設定でき、所定のエラーを検知した際、設定された報知態様に従ってエラーを報知することで、状況にあった報知を行うことができるようになる。
【0301】
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に記載の遊技機であって、
前記報知手段によるエラーの報知態様には、エラーを報知する報知時間の設定がない前記第1態様(「30秒後停止」がOFF)と、前記報知時間の設定がある前記第2態様(「30秒後停止」がON)と、の少なくとも2種類が有り、
前記報知手段では、
前記第1態様が設定されていれば、エラーが解消されるまであるいは電源がオフされるまでエラーを報知し続け、前記第2態様が設定されていれば、エラーの報知を開始してから前記報知時間が経過した場合にエラーの報知を中止する、
ように構成される。
【0302】
この構成では、報知時間の有無を設定できることで、報知時間が無ければ強めの報知となり、報知時間が有れば弱めの報知となり、報知態様の強度の高低を設定できる。
【0303】
発明B3に係る遊技機は、
発明B1に記載の遊技機であって、
前記報知手段によるエラーの報知態様には、エラーを報知する音量が第1音量に設定される前記第1態様(「10秒後低音量」がOFF)と、前記第1音量よりも低い第2音量に設定される場合がある前記第2態様(「10秒後低音量」がON)と、の少なくとも2種類が有り、
前記報知手段では、
前記設定手段にて設定されている報知態様に従って、報知の音量を調節する、
ように構成される。
【0304】
この構成では、報知のための音量を設定できることで、音量が大きければ強めの報知となり、音量が小さければ弱めの報知となり、報知態様の強度の高低を設定できる。
【0305】
発明B4に係る遊技機は、
発明B1に記載の遊技機であって、
入力手段(通常ボタン40、ボリュームボタン43)を備え、
前記報知手段によるエラーの報知態様には、前記入力手段の入力に基づく停止条件がない前記第1態様(「ボタン停止」がOFF)と、前記入力手段による入力があった場合にエラーの報知を中止する前記第2態様(「ボタン停止」がON)と、の少なくとも2種類が有り、
前記報知手段は、
エラーの報知を開始した後、前記第2態様が設定されている場合には、前記入力手段による入力を受け付け、前記入力手段による入力があったことに応じて、エラーの報知を中止し、前記第1態様が設定されている場合には、前記入力手段による入力があっても、エラーの報知を中止しない、
ように構成される。
【0306】
この構成では、エラーの報知を入力手段による入力で中止できることで、そのような停止条件のない場合を強度が高い報知態様として、強度が低い報知態様を設定できる。
【0307】
発明B5に係る遊技機は、
発明B1から発明B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記設定手段は、
電源投入後、あらかじめ決められた特殊操作(設定画面呼出操作)があったことに基づいて、エラーの報知態様の設定を受け付ける、
ように構成される。
【0308】
この構成では、エラーの報知態様の設定に特殊操作を要求することで、一般的な遊技者が設定する遊技のカスタマイズ設定と区別され、遊技者による不正等を抑制できる。
【0309】
発明B6に係る遊技機は、
発明B1から発明B5までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技機に取り付けられるデバイス(遊技機枠、遊技盤)の情報(識別情報、ユニットの装着状態の情報)を取得し、取得された前記情報に基づいて前記デバイスの適否を判定する適合判定手段を備え、
前記報知手段は、
前記適合判定手段にて不適と判定した場合に、前記設定手段にて設定されている報知態様で、前記デバイスの不適合を示すエラーを報知し、
前記設定手段は、
前記報知手段によってエラーを報知している場合であっても、報知態様の設定を受け付け可能である、
ように構成される遊技機。
【0310】
この構成では、ユニット等の取り付けエラーの報知態様を設定できることで、デバイスの取り付けエラーについて、状況にあった報知を行うことができる。
【符号の説明】
【0311】
PY1…パチンコ遊技機
1…遊技盤
40…通常ボタン
42…セレクトボタン
43…ボリュームボタン
50…画像表示装置
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン