IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030876
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ねじ部材の緩み検出機器
(51)【国際特許分類】
   F16B 31/02 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
F16B31/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134078
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 正則
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 清和
(57)【要約】
【課題】ねじ部材の緩みを好適に検出可能な緩み検出機器を提供する。
【解決手段】ホイールナットに取り付けられるナットキャップ30の天井面32に、加速度センサ110を設けた基板100を固定する。加速度センサ110がホイールナットの回転軸Oの位置になるよう、基板100を固定することにより、ナットキャップ30の取り付け位置にかかわらず、加速度センサ110で検出した遠心加速度に基づいて、精度よく、ホイールナットの緩みを検出できる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ部材の回転と連動して回転するとともに前記ねじ部材の回転軸と交差する検出軸に沿って加わる加速度を検出する加速度センサを備え、
前記加速度センサが、前記ねじ部材の前記回転軸に位置するよう固定されている、ねじ部材の緩み検出機器。
【請求項2】
前記加速度センサは基板に設けられており、前記加速度センサが、前記ねじ部材の前記回転軸に位置するよう、前記基板が固定されている、請求項1に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項3】
前記ねじ部材は、ナットあるいはボルトであり、
前記緩み検出機器は、前記ナットの本体部あるいは前記ボルトの頭部に取り付けられるキャップから構成され、
前記基板は、前記キャップの天井面に固定される、請求項2に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項4】
前記ねじ部材は、袋ナットであり、
前記緩み検出機器は、前記袋ナットを含んで構成され、
前記基板は、前記袋ナットの天井面に固定される、請求項2に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項5】
前記基板に、子ねじが挿通される2つの穴が形成され、前記基板は、前記穴を挿通する前記子ねじによって、前記天井面に2点止めされ固定されており、
前記基板に設けた前記穴の一方が長穴とされている、請求項3または請求項4に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項6】
前記長穴は、前記基板が前記ねじ部材の緩み方向へ回転すると、前記長穴の長辺の間隔が短くなるよう形成されている、請求項5に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項7】
前記基板の位置決めを行う位置決め部材が、前記天井面に形成されている、請求項3または請求項4に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項8】
前記基板は、樹脂によって前記天井面に封止され固定されている、請求項3または請求項4に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項9】
六角ナットあるいは六角ボルトからなるねじ部材の締結状態を検出する、ねじ部材の緩み検出機器であって、
前記六角ナットの本体外周部あるいは前記六角ボルトの頭部外周部に取り付けられるキャップと、
加速度センサが設けられた基板と、
電池と、を備え、
前記本体外周部あるいは前記頭部外周部と対向する、前記キャップの側面に、前記基板および前記電池が固定されている、ねじ部材の緩み検出機器。
【請求項10】
前記キャップの側面には、前記本体外周部あるいは前記頭部外周部と当接する、複数の支持部が形成されており、
前記支持部が前記本体外周あるいは前記頭部外周と当接することにより、前記本体外周部あるいは前記頭部外周部と前記キャップの側面との間に空間が形成され、前記空間に前記基板および前記電池が配置される、請求項9に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項11】
前記支持部は、前記本体外周部の外周面あるいは前記頭部外周部の外周面のうち、中心角が120度毎である3個の外周面に、少なくとも当接する、請求項10に記載のねじ部材の緩み検出機器。
【請求項12】
前記基板と前記電池は、前記支持部によって区画された異なる前記空間に配置される、請求項10または請求項11に記載のねじの緩み検出機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ねじ部材の緩み検出機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特表2017-529499号公報(特許文献1)には、ナット、特に車両用のホイールナットまたはアクスルナットであって、圧電素子(圧力センサ)からなるセンサ素子が内部に配設される凹部を備えたナットが開示されている。この特許文献1に記載されたナットでは、センサ素子の信号(センサ信号)によって、ナットの緩みを検出するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-529499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたナットでは、ナットの内部応力の変化を検出することにより、ナットの緩みを検出している。ナット等のねじ部材の緩みを検出するため、加速度センサを用いることが考えられる。たとえば、ハブ(ホイールハブ)のような回転体にホイールのような被締結部材を締結するナット(ハブナット)やボルト(ハブボルト)等のねじ部材の場合、回転体の回転によりねじ部材に加わる遠心加速度(遠心力)の変化から、ねじ部材の緩みを検出することができる。
【0005】
本開示の目的は、ねじ部材の緩みを好適に検出可能な緩み検出機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るねじ部材の緩み検出機器は、ねじ部材の回転と連動して回転するとともにねじ部材の回転軸と交差する検出軸に沿って加わる加速度を検出する加速度センサを備える、ねじ部材の緩み検出機器である。ねじ部材の緩み検出機器は、加速度センサが、ねじ部材の回転軸に位置するよう固定されている。
【0007】
この構成のねじ部材の緩み検出器では、ねじ部材の回転と連動して回転するとともにねじ部材の回転軸と交差する検出軸に沿って加わる加速度を検出する加速度センサが、ねじ部材の回転軸に位置するよう固定される。加速度センサが、ねじ部材の回転軸に位置するよう固定されているので、締結時に、ねじ部材を締め付けても(回転軸を中心に回転させても)、加速度センサの位置が、回転軸の位置から変化しない。ねじ部材の締め付け完了時における加速度センサの位置を、一定の位置にすることができ、ねじ部材の緩みを好適に検出することができる。
【0008】
たとえば、加速度センサは基板に設けられており、加速度センサが、ねじ部材の回転軸に位置するよう、基板を固定することが好ましい。加速度センサは、静電容量式、圧電式、ピエゾ抵抗式、あるいは、周波数変化式、等であってよい。
【0009】
本開示に係るねじ部材の緩み検出器は、六角ナットあるいは六角ボルトからなるねじ部材の締結状態を検出する、ねじ部材の緩み検出機器である。ねじ部材の緩み検出器は、六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部に取り付けられるキャップと、加速度センサが設けられた基板と、電池とを備え、六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部と対向する、キャップの側面に、基板および電池が固定されている。
【0010】
この構成によれば、ねじ部材の緩み検出器は、六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部に取り付けられるキャップと、加速度センサが設けたれた基板と、電池とから構成される。基板および電池は、六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部と対向する、キャップの側面に固定される。加速度センサが設けられる基板および電池を、キャップの側面に固定するので、キャップと六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部との間の隙間に、基板および電池を配置できる。
【0011】
好ましくは、キャップの側面に、六角ナットの本体外周部あるいは六角ボルトの頭部外周部と当接する、複数の支持部を形成し、支持部が本体外周あるいは頭部外周と当接することにより、本体外周部あるいは頭部外周部とキャップの側面との間に、基板および電池を配置する空間が形成されるようにしてよい。この場合、支持部は、六角ナットの本体外周部の外周面あるいは六角ボルトの頭部外周部の外周面のうち、中心角が120度毎である3個の外周面に、少なくとも当接すようにしてよく、基板と電池は、支持部によって区画された異なる空間に配置されてよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ねじ部材の緩みを好適に検出可能な緩み検出機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態に係る締結部材の検出装置を搭載した車両を示す図である。
図2】ホイールの締結部の断面図である。
図3】ナットキャップの斜視図である。
図4】本実施の形態における、基板の一例を示す図である。
図5】(A)、(B)および(C)は、遠心加速度と加速度センサで検出する加速度との関係を示す図である。
図6】加速度センサの位置による影響を説明する図である。
図7】ナットキャップの下面図である。
図8】変形例1に係る、基板の固定構造を示す図である。
図9】基板が緩み方向に回転した状態を示す図である。
図10】変形例2における、基板の固定構造を示す図である。
図11】変形例3における、基板の固定構造を示す図である。
図12】実施の形態2に係るホイールナットの断面図である。
図13】変形例4における、基板の固定構造を示す図である。
図14】実施の形態3に係るナットキャップの斜視図である。
図15】ナットキャップの下面図である。
図16】ナットキャップをホイールナットに取り付けた状態における、F-F断面図である。
図17】ナットキャップの部分斜視図である。
図18】変形例5におけるナットキャップの下面図である。
図19】変形例6におけるナットキャップの下面図である。
図20】変形例7におけるナットキャップの下面図である。
図21】変形例8におけるナットキャップの下面図である。
図22】変形例9におけるナットキャップの下面図である。
図23】ホイールボルトの緩み検出器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態(実施の形態1)に係る、ねじ部材(ホイールナット)20によって締結された車輪10を示す側面図である。車輪10は、ホイール11と、ホイール11に取り付けられるタイヤ12とを含む。ホイール11には、車両のハブ(ホイールハブ)40に設けたハブボルト25が挿通されるホイール孔11a(図2参照)が設けられており、複数(図1では5つ)のホイールナット20をハブボルト25に螺合することにより、ホイール11がハブに締結される。なお、ホイールナット20の個数は上記の例に限られず、たとえば、4個、6個、8個、あるいは10個であってもよい。
【0016】
ホイール11(車輪10)は、所定のピッチ円(図1の一点鎖線を参照)上において、ホイールナット20により、ハブ40に締結されている。なお、ピッチ円直径(PCD:Pitch Circle Diameter)の大きさは、任意であってよく、たとえば、114.3mmであってよく、275mmであってよい。ホイールナット20には、ホイールナット20には、ホイールナット20を保護するとともに、その意匠性を高めるため、ナットキャップ(ナットカバー)30が取り付けられる。本実施の形態においては、すべてのホイールナット20にナットキャップが取り付けられる。なお、符号Oは、ハブ40の回転軸(回転中心)である。
【0017】
図2は、ホイール11の締結部の断面図である。なお、図2は、ナットキャップ30を取り付けた状態における断面図を示しており、ねじ部(ねじ山)を省略して記載している。図2に示すようにハブボルト25は、ハブ40に設けられている(ハブボルト25は、ハブ40に固定されている)。ホイール11のホイール孔11aに、ハブボルト25が挿通され、ハブボルト25にホイールナット20を螺合することにより、ハブ40にホイール11が締結される。なお、ホイールナット20は、六角ナットである。
【0018】
ナットキャップ30は、ホイールナット20の外周部に固定される。これにより、ナットキャップ30は、ホイールナット20の回転と連動して(ホイールナット20と一体的に)回転する。本実施の形態では、ナットキャップ30の内側面(内側側面)31とホイールナット20の外周面が嵌合することにより(ナットキャップ30の内側面31がホイールナット20の外周面に嵌まることにより)、ナットキャップ30がホイールナットの外周部に固定される。図3は、ナットキャップ30の斜視図である。図2および図3に示すように、ナットキャップ30には、内側面31と天井面32によって空間Cが形成されており、天井面32には、加速度センサ110が設けられた基板100が固定されている。なお、天井面32に基板100が固定されたナットキャップ30は、少なくとも1個のホイールナット20に取り付けられていればよく、他のホイールナット20には、基板100を備えないナットキャップを取り付けてもよい。
【0019】
図4は、本実施の形態における、基板100の一例を示す図である。基板100は、プリント基板(プリント回路板)101に、加速度センサ110、制御装置(制御回路)120、通信装置(通信回路)130、等を実装したものである。加速度センサ110は、静電容量式、圧電式、ピエゾ抵抗式、あるいは、周波数変化式、等であってよく、加速度検出部としての可動電極や錘の変位に起因した静電容量や抵抗値等の変化を、たとえば、電圧値として出力するものであってよい。
【0020】
制御装置120は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)とメモリを備え、加速度センサ110で検出した加速度に基づいて、ホイールナット20の締結状態(緩み)を検出する。通信装置130は、車両に設けたECU(Electronic Control Unit)との間で通信を行うために、アンテナ、ミキサ、変復調器、等からなる通信回路として、プリント基板101に実装されている。
【0021】
本実施の形態では、ホイール11(車輪10)の回転により、ホイールナット20(ナットキャップ30)に加わる遠心加速度(遠心力)を、基板100に設けた加速度センサ110を用いて検出し、加速度センサ110で検出した加速度に基づいて、ホイールナット20の締結状態(緩み)を検出する。図5は、遠心加速度と加速度センサ110で検出する加速度Gxとの関係を示す図である。図5において、X軸は、加速度センサ110の加速度検出軸を表しており、X軸は、回転軸Oと交差する方向に延びる。図5(A)は、ホイールナット20が所定の締め付けトルクで締め付けられた状態を示している。図5(B)、(C)は、ホイールナット20が緩め方向(反時計回り)に、回転した状態を示している。
【0022】
ホイールナット20(ホイールナット20に取り付けたナットキャップ30)には、ホイール11の回転による遠心加速度が加わる。遠心加速度は、回転軸Oを中心としたハブ40の回転軸O(ホイール11の回転中心)から半径方向に作用するので、ホイールナット20(ナットキャップ30)が、ピッチ円上のどの位置においても、図5(A)、(B)、(C)の破線の矢印の方向に作用する。図5において、矢印Gcは、遠心加速度のベクトルを示しており、ベクトルGcは、常に、回転軸Oを中心とした半径方向に向いている。
【0023】
ホイールナット20が所定の締め付けトルクで締め付けられた状態を示す、図5(A)では、ベクトルGc(遠心加速度)のX軸方向成分(加速度センサ110の検出軸方向の成分)は、加速度センサ110によって「+Gx1」として検出される。ホイールナット20が緩み方向(反時計回り方向)に回転し、ホイールナット20の締結状態が緩み、図5(B)の状態になると、ナットキャップ30はホイールナット20の回転と連動するので、ベクトルGc(遠心加速度)のX軸方向成分(加速度センサ110の検出軸方向の成分)は、加速度センサ110によって「+Gx2」として検出される。図5(B)の状態から、ホイールナット20がさらに緩み方向に回転し、図5(C)の状態になると、ベクトルGc(遠心加速度)のX軸方向成分(加速度センサ110の検出軸方向の成分)は、加速度センサ110によって「-Gx3」として検出される。このように、ホイールナット20(ナットキャップ30)の加わる遠心加速度GcのX軸方向成分(加速度センサ110の検出軸方向の成分)の大きさ(あるいは向き(符号))を検出することにより、ホイールナット20の緩みを検出することができる。このように、本実施の形態では、加速度センサ110を備えたナットキャップ30が、ねじ部材(ホイールナット20)の緩み検出機器として機能する。なお、図5において、加速度センサ110の加速度検出軸を1軸(X軸)として説明したが、加速度検出軸は2軸以上であってもよい。
【0024】
図6は、加速度センサ110の位置による影響を説明する図である。図6において、符号Pは、ナットキャップ30が固定された、ホイールナット20(ねじ部材)の回転軸(雌ねじの中心軸)である。図6において、加速度センサ110の加速度検出部がホイールナット20の回転軸Pに位置したとき、ホイール11の回転軸0と加速度センサ110との距離はRである。回転軸Pより上方に位置する加速度センサ110-1の加速度検出部と回転軸Oの距離は、R2であり、Rより長くなる。また、回転軸Pより下方に位置する加速度センサ110-2の加速度検出部と回転軸Oの距離は、R1であり、Rより短くなる。
【0025】
ホイール11の回転により、加速度センサ110に加わる遠心加速度は、回転軸Oから加速度センサまでの距離に比例するので、ホイール11が所定回転速度で回転しているとき、加速度センサ110-1に加わる遠心加速度が最も大きく、加速度センサ110-2に加わる遠心加速度が最も小さくなる。
【0026】
ナットキャップ30の天井面32に固定された基板100において、加速度センサ110の加速度検出部の位置が、回転軸Pの位置から外れると、ナットキャップ30の取り付け位置によって、回転軸Oと加速度センサ110の距離が変化する。ナットキャップ30の取り付け位置によって、回転軸Oと加速度センサ110の距離は、たとえば、図6に示した、R1やR2になるので、加速度センサ110に加わる遠心加速度が変化する。
【0027】
これに対して、ナットキャップ30の天井面32に固定された基板100において、加速度センサ110の加速度検出部が、回転軸Pに位置していれば、ナットキャップ30の取り付け位置に係わらず、加速度センサ110の加速度検出部は、回転軸Pに位置する。これにより、ナットキャップ30の取り付け位置に係わらず、回転軸Oと加速度センサ110の距離はRになる。このため、ナットキャップ30の取り付け位置に係わらず、加速度センサ110に加わる遠心加速度は同じになる。
【0028】
本実施の形態では、基板100に設けた加速度センサ110が、回転軸Pに位置するよう、基板100をナットキャップ30の天井面32に固定する。これにより、ナットキャップ30の取り付け位置に係わらず、回転軸Oと加速度センサ110の距離を一定として、精度よく、ホイールナット20の緩みを検出可能とする。
【0029】
図7は、ナットキャップ30の下面図(図3のA視図)である。ナットキャップ30は、内側面31と天井面32を有し、内側面31と天井面32によって空間Cを形成している。内側面31が、ホイールナット20の外周面と嵌合することにより、ナットキャップ30が、ホイールナット20に取り付けられる。天井面32には、基板100が接着等によって固定されている。
【0030】
図7において、符号Pは、ナットキャップ30がホイールナット20に取り付けられた際における、ホイールナット20の回転軸(回転軸の位置)を示している。基板100は、基板100に設けられた加速度センサ110が回転軸Pに位置するよう、天井面32に固定されている。特に、加速度センサ110の加速度検出部が回転軸Pに位置するよう、基板100を天井面32に固定することが好ましい。
【0031】
本実施の形態によれば、加速度センサ110が、ホイールナット20の回転軸Pに位置するよう、ナットキャップ30の天井面32に基板100を固定している。したがって、ナットキャップ30の取り付け位置に係わらず、ホイール11の回転軸Oと加速度センサ110の距離を一定にできるので、精度よく、ホイールナット20の緩みを検出することができる。
【0032】
(変形例1)
上記実施の形態では、基板100を接着等によって、ナットキャップ30の天井面32に固定していた。変形例1では、子ねじ(ビス)を用いて、ナットキャップ30の天井面32に基板100を固定する。
【0033】
図8は、変形例1に係る、基板100の固定構造を示す図である。ナットキャップ30の天井面32には、子ねじ(ビス)Sが螺合する、2個のネジ孔321、322が設けられている。基板100(プリント基板101)には、ネジ孔321およびネジ孔322に対応する位置に、子ねじSが挿通する挿通穴102と挿通穴103が形成されている。挿通穴102は、子ねじSの軸部の太さ(呼び径)より、若干大きな径とされている。一方、挿通穴103は、ネジ孔321、322や挿通穴102、103のバラツキ(公差)を考慮し、組み付け性の向上のため、長穴とされている。子ねじSが挿通穴102および挿通穴103に挿通され、ネジ孔321およびネジ孔322に螺合することにより、基板100が天井面32に、2点止めされ固定される。
【0034】
一方の挿通穴103の長穴の形状は、挿通穴102を中心に、ホイールナット20が緩む方向(図8に矢印で示した、緩み方向)へ基板100が回転したとき、長辺の間隔が短くなる形状(テーパ形状)とされている。図9は、基板100が緩み方向に回転した状態を示す図である。図9に示すように、子ねじSによる締結が緩み、基板100が緩み方向に回転した場合、子ねじSの軸部が挿通穴103の長辺の間隔が短い部分と当接し、基板100へ食い込むことにより、基板100が固定される。
【0035】
この変形例1によれば、挿通穴の一方(挿通穴103)を長穴とした場合であっても、子ねじSの締結が緩んだとき、子ねじSの軸部が長辺の間隔が短い部分と当接し、基板100へ食い込むことにより、基板100が固定される。また、挿通穴の長穴形状は、ホイールナット20が緩む方向(図8に矢印で示した、緩み方向)へ基板100が回転したとき、長辺の間隔が短くなる形状(テーパ形状)とされているので、子ねじSの軸部が挿通穴103長辺の間隔が短い部分と当接した位置以上に緩み方向に回転することが抑止できる。これにより、ホイールナット20の緩み方向に加速度センサ110が移動して、ホイールナット20の緩みを誤検出することが抑止できる。なお、基板100を天井面32へ組み付ける際(子ねじSを用いて固定する際)、子ねじSの軸部が挿通穴103長辺の間隔が短い部分と当接するように(図9の示す状態となるように)、基板100を天井面32へ固定してもよい。
【0036】
(変形例2)
図10は、変形例2における、基板100の固定構造を示す図である。変形例2は、変形例1における挿通穴103を挿通穴104へ変更したものである。図10に示すように、基板100の組み付け性を向上するために、挿通穴104は長穴とされている。挿通穴104の長穴の形状は、ネジ孔321とネジ孔322を結んだ直線Lが延びる方向に、長穴の長辺が延びている。
【0037】
この変形例2によれば、基板100の組み付け性を向上するために、挿通穴104は長穴としても、子ねじSによる締結が緩んだ場合、子ねじSの軸部が挿通穴104の長辺と当接するので、挿通穴102を中心に基板100が回転することを抑止できる。
【0038】
(変形例3)
図11は、変形例3における、基板100の固定構造を示す図である。変形例3は、変形例1の基板100の固定構造に加えて、ナットキャップ30の天井面32に、位置決め凸部を形成している。図11において、天井面32には、基板100の側面に当接する凸部(リブ)35および凸部(リブ)36が形成されている。凸部35は、図11において、基板100(プリント基板101)の上方の側面(上辺)に当接する位置に形成されており、凸部36は、基板100の右方の側面(右辺)に当接する位置に形成されている。
【0039】
凸部35および凸部36は、挿通穴102がネジ孔321と重なり、挿通穴103の中心がネジ孔322と重なったとき、凸部35が基板100の上辺と当接し、かつ、凸部36が基板100の右辺と当接する位置に形成される。これにより、凸部35および凸部36が、基板100の位置決めを行う位置決め部材をして機能する。また、凸部35および凸部36が、基板100の2辺において当接するので、基板100が、挿通穴102を中心に回転することも抑止できる。
【0040】
変形例3において、天井面32に形成する凸部は、基板100の2辺と当接すればよく、たとえば、凸部36に代えて、基板100の左辺(左方の側面)に当接する凸部37を形成してもよい。
【0041】
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係る、ホイールナット50の断面図である。実施の形態1では、ナットキャップ30の天井面32に、加速度センサ110を設けた基板100を固定し、ねじ部材の緩み検出器を構成してした。実施の形態2では、実施の形態1におけるホイールナット20を、袋ナットの構造として、その天井面に基板100を固定することにより、ねじ部材の緩み検出器として用いる。
【0042】
図12において、ホイールナット50は、袋ナット(キャップナット)であって、六角ナットの片面側が閉じた構成であり、天井面52を備える。ホイールナット50の本体部には、ハブボルト25と螺合するねじ部(雌ねじ部)55が形成され、内側面51と天井面52とによって、空間Cが形成されている。天井面52には、加速度センサ110を有する基板100が固定されている。実施の形態1と同様に、加速度センサ110が、ホイールナット50の回転軸Pに位置するよう、基板100が天井面52に固定されている。なお、基板100の天井面52への固定(取り付け)方法は、接着であってよく、上記変形例1~変形例3と同様であってよい。
【0043】
加速度センサ110の加速度検出部の位置が、回転軸Pの位置から外れると、ホイールナット50の締め付け完了位置によって、図6を用いて説明したことと同様に、回転軸Oと加速度センサ110の距離が変化する。しかし、ホイールナット50の天井面52に固定された加速度センサ110の加速度検出部が、回転軸Pに位置していれば、ホイールナット50の締め付け完了位置に係わらず、加速度センサ110の加速度検出部は、回転軸Pに位置し、回転軸Oと加速度センサ110の距離は変化しない。これにより、ホイールナット50の締め付け完了位置に係わらず、回転軸Oと加速度センサ110の距離を一定として、精度よく、ホイールナット50の緩みが検出可能となる。
【0044】
(変形例4)
図13は、変形例4における、基板100の固定構造を示す図である。変形例4では、ポッティング加工、インサート成形、モールディング加工等により、樹脂Mを空間Cに注入し、基板100を天井面52に固定するとともに、基板100を封止する。樹脂Mは、たとえば、ウレタンやエポキシ樹脂であってよい。
【0045】
この変形例4によれば、基板100が、樹脂Mによって、天井面52に固定されるとともに封止されるので、基板100の保護が図れる。
【0046】
(実施の形態3)
図14は、実施の形態3に係る、ナットキャップ60の斜視図である。図15は、ナットキャップ60の下面図(図14のA視図)である。また、図16は、ナットキャップ60をホイールナット20に取り付けた状態における、図15のF-F断面図である。図14および図15に示すように、ナットキャップ60は、六角形であり、内側面(内側側面)61と天井面62を有し、内側面31と天井面62によって空間Cを形成している。図15において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ60の内側面61には、ホイールナット20の外周面に当接するリブ(突起部)63a、63bが形成されている。内側面61に形成されたリブ63a、63bが、ホイールナット20の外周面(ホイールナット20の本体外周面)に当接し嵌合することにより、ナットキャップ60が、ホイールナット20に取り付けられる。なお、図14においては、リブ63a、63bの図示を省略している。
【0047】
リブ63a、63bは、ホイールナット20の外周面のうち、中心角度が120°毎である3個の外周面に当接するよう、形成されている。本実施の形態では、ナットキャップ60の内側面61は、ホイールナット20の外周面に対抗する6個の面61-1~61-6を有し、中心角度が120°毎である3個の面61-1、61-3、61-5に、リブ63a、63bが形成されている。内側面61のひとつの面にリブ63aおよびリブ63bが形成されており、本実施の形態では、リブ63aおよびリブ63bによって、支持部63が形成される。
【0048】
図15および図16に示すように、ナットキャップ60の内側面61(面61-2)に、加速度センサが設けられた基板200が固定される。また、図15に示すように、内側面61(面61-4)に電池300が固定される。内側面61(面61-2)および内側面(面61-4)は、ホイールナット20の外周部(外周面)と対向する面であり、本開示の「側面」に相当する。基板200には、基板100と同様に、加速度センサが実装されている。なお、基板200に設けた加速度センサの加速度検出軸の方向は、ホイール11の回転によりホイールナット20に加わる遠心加速度を検出できる方向に設定されている。また、電池300は、たとえば、ボタン型電池であってよい。
【0049】
基板200および電池300は、支持部63が形成されていない内側面61(面61-2、および、面61-4)に、たとえば、接着によって固定されている。基板200および電池300は、変形例4のように、樹脂を用いて固定するとともに封止してもよい。支持部63がホイールナット20の外周面に当接することにより、ホイールナット20の外周面とナットキャップ60の内側面61(面61-2、面61-4)との間に空間が形成され、この空間に基板200および電池300が位置するよう、内側面61に基板200および電池300が固定される。ナットキャップ60の内側面61において、基板200と電池300との間には、支持部63が位置しており、基板200が配置される空間と電池300が配置される空間は、支持部63によって区画されている。なお、基板200と電池300は、図示しないリード線によって接続されている。
【0050】
図15において、ナットキャップ60の内側面61において、支持部63が形成されず、かつ、基板200および電池300が固定されない面である面61-6には、破線で示すように、支持部63(リブ63a、63b)を形成してもよい。また、面61-6に、支持部63を形成しない場合には、たとえば、電池300から基板200への電力供給をON/OFFするスイッチを設けても良く、図17に示す、弾撥部材(ばね部材)64を設けてもよい。
【0051】
図17は、ナットキャップ60を、図15の矢印Bから見た部分斜視図である。ナットキャップ60の内側面61の面61-6には、舌状のばね部材64が形成されている。ばね部材64は、たとえば、板ばねであってよい。ばね部材64は、ホイールナット20の外周面に当接して、その弾撥力によって、ナットキャップ60がホイールナット20から容易に外れることを抑止する。なお、面61-6には、ばね部材64と隣接して、ストッパ部95が形成されており、ばね部材64が許容範囲を超えて曲げられることを抑止している。
【0052】
実施の形態の3によれば、ナットキャップ60の内側面61に、ホイールナット20の外周部(外周面)と当接する複数の支持部63を形成し、ホイールナット20の外周面とナットキャップ60の内側面61との間に、基板200および電池300を配置する空間を形成するので、基板200および電池300を内側面61に固定し、ナットキャップ60とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0053】
支持部63は、ホイールナット20の外周面のうち、中心角が120°毎である3個の外周面に、少なくとも当接すように形成しており、ナットキャップ60が少なくとも3点支持されるので、ナットキャップ60をホイールナット20に良好に取り付けることができる。
【0054】
(変形例5)
図18は、変形例5における、ナットキャップ70の下面図である。実施の形態3のナットキャップ60が、六角形であるのに対して、ナットキャップ70は三角形とされている。ナットキャップ70は、内側面(内側側面)71と天井面72を有し、内側面71と天井面72によって空間Cを形成している。図18において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ70の内側面71は、ホイールナット20の外周面と当接部71a、71b、71cにおいて、当接している。この当接部71a~71cが、ホイールナット20の外周面(ホイールナット20の本体外周面)に当接し嵌合することにより、ナットキャップ70が、ホイールナット20に取り付けられる。
【0055】
ナットキャップ70が、ホイールナット20に取り付けられると、空間Cは、当接部71aと当接部71bとの間の空間C1、当接部71aと当接部71cとの間の空間C2、および、当接部71bと当接部71cとの間の空間C3に分割される。空間C1に面する内側面71に、加速度センサを設けた基板200が接着によって固定され、空間C2に面する内側面71に、電池300が接着によって固定されている。
【0056】
この変形例5によっても、実施の形態3と同様に、ナットキャップ70とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0057】
(変形例6)
図19は、変形例6における、ナットキャップ80の下面図である。ナットキャップ80は、三角形であり、内側面(内側側面)81と天井面82を有し、内側面81と天井面82によって空間Cを形成している。図18において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ80の内側面81の各面には、ホイールナット20の外周面に当接するリブ(突起部)83a、83bが形成されている。変形例6では、リブ83aおよびリブ83bによって、支持部83が形成されている。リブ83aおよびリブ83bは、リブ83aとリブ83bとの間に、ホイールナット20の外周部の角部が位置するよう形成される。
【0058】
支持部83(リブ83a、83b)が、ホイールナット20の外周面(ホイールナット20の本体外周面)に当接し嵌合することにより、ナットキャップ80が、ホイールナット20に取り付けられる。ナットキャップ80が、ホイールナット20に取り付けられると、空間Cは、支持部83によって3個の空間に区画される。区画された3個の空間のうち、ひとつの空間の内側面81に基板200が固定され、もうひとつの空間の内側面81に電池300が固定される。この変形例6によっても、実施の形態3と同様に、ナットキャップ80とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0059】
(変形例7)
図20は、変形例7における、ナットキャップ90の下面図である。ナットキャップ90は、六角形であり、内側面(内側側面)91と天井面92を有し、内側面91と天井面92によって空間Cを形成している。図19において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ90の対向するふたつの内側面91の各々には、ホイールナット20の外周面に当接するリブ(突起部)93a、93bが形成されている。変形例7では、リブ93aおよびリブ93bによって、支持部93が形成されている。リブ93aおよびリブ93bは、リブ93aとリブ93bとの間に、ホイールナット20の外周部の角部が位置するよう形成される。
【0060】
支持部93(リブ93a、93b)が、ホイールナット20の外周面(ホイールナット20の本体外周面)に当接し嵌合することにより、ナットキャップ90が、ホイールナット20に取り付けられる。ナットキャップ90が、ホイールナット20に取り付けられると、空間Cは、支持部93によってふたつの空間に区画される。区画されたふたつの空間のうち、一方の空間の内側面91に基板200が固定され、他方の空間の内側面91に電池300が固定される。この変形例7によっても、実施の形態3と同様に、ナットキャップ90とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0061】
(変形例8)
図21は、変形例8における、ナットキャップ400の下面図である。ナットキャップ400は、内側面(内側側面)401と天井面402を有し、内側面401と天井面402によって空間Cを形成している。図20において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ400は、六角形であり、中心角度が120°毎である3個の内側面401に、ホイールナット20の外周面に当接するよう、凸部403が形成されている。この凸部403が、ホイールナット20の外周面に当接し嵌合することにより、ナットキャップ400がホイールナット20に取り付けられる。変形例8においては、凸部403が本開示の「支持部」に相当する。
【0062】
ナットキャップ400が、ホイールナット20に取り付けられると、空間Cは、凸部403によって3個の空間に区画される。区画された3個の空間のうち、ひとつの空間の内側面401に基板200が固定され、もうひとつの空間の内側面401に電池300が固定される。この変形例6によっても、実施の形態3と同様に、ナットキャップ400とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0063】
(変形例9)
図22は、変形例9における、ナットキャップ500の下面図である。ナットキャップ500は、外形が円筒状であり、内側面(内側側面)501と天井面502を有し、内側面501と天井面502によって空間Cを形成している。図21において、一点鎖線は、ホイールナット20(図2参照)の外周部(外周面)を表している。ナットキャップ500の内側面501には、ホイールナット20の外周部の角部が嵌合する波状部503が形成されている。この波状部503に、ホイールナット20の外周部の角部が嵌合することにより、ナットキャップ500がホイールナット20に取り付けられる。変形例9においては、波状部503が本開示の「支持部」に相当する。
【0064】
ナットキャップ500の内側面501において、隣接する波状部503と波状部503との間は、平面部とされている。この平面部に、基板200および電池300を固定することにより、平面部とホイールナット20の外周部(外周面)との間の隙間(空間)に、基板200および電池300が配置される。この変形例9においても、実施の形態3と同様に、ナットキャップ500とホイールナット20との間の隙間(空間)に、基板200および電池300を配置できる。
【0065】
上記実施の形態および変形例では、本実施の形態では、加速度センサを設けた基板100、200を固定したナットキャップ30、60、70、80、90、400、500が、ねじ部材(ホイールナット20)の緩み検出機器として機能する例を説明した。しかし、ねじ部材がホイールボルトである場合、ボルトの頭部に取り付けられるキャップ(ボルトキャップ)を用いて、ねじ部材(ホイールボルト)の緩み検出器としてもよい。
【0066】
図23は、ホイールボルト600の緩み検出器の一例を示す図である。図22において、ハブ40には、ホイールボルト600が螺合するネジ穴41が形成されており、ネジ穴41にホイールボルト600のネジ部600aを螺合し、締め付けることにより、ホイール11がハブ40に締結される。
【0067】
図23において、二点鎖線は、ホイールボルト600の頭部に取りけられるキャップ(ボルトキャップ)を示しており、上記で説明した、ナットキャップ30、60、70、80、90、400、500のいずれかと、実質的に同一の構成を有している。このように、ホイールボルト600の頭部に取り付けるキャップ(ボルトキャップ)を用いて、ねじ部材(ホイールボルト)の緩み検出器としてもよい。この場合、ナットキャップ60、70、80、90、400、500に相当する、キャップ(ボトルキャップ)では、キャップ(ボルトキャップ)の側面とホイールボルト600の頭部外周との間の隙間(空間)に、基板200および電池300が配置されることになる。
【0068】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
10 車輪、11 ホイール、12 タイヤ、20 ホイールナット、25 ハブボルト、30,60,70,80,90,400,500 ナットキャップ、40 ハブ、50 ホイールナット、63,83,93 支持部、31,51,61,71,81,91,401,501 内側面、32,52,62,72,82,92,402,502 天井面、100,200 基板、110 加速度センサ、300 電池、600 ホイールボルト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23