(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030901
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電圧監視回路
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
G01R19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134120
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 淳憲
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AB03
2G035AC01
2G035AC16
2G035AD02
2G035AD03
2G035AD10
2G035AD23
2G035AD47
(57)【要約】
【課題】消費電流を抑制すると共に誤判断を抑制する技術を提供する。
【解決手段】電圧監視回路は、電池の電圧が所定の閾値以上である場合にオフ状態になり、電池の電圧が閾値未満である場合にオン状態になるトランジスタと、トランジスタのドレインを電池の高電位側に接続する第1プルアップ抵抗と、第1プルアップ抵抗と並列でトランジスタのドレインを電池の高電位側に接続する第2プルアップ抵抗であって、第1プルアップ抵抗よりも抵抗値が低い第2プルアップ抵抗と、トランジスタのドレインと第2プルアップ抵抗との間に配置され、ドレインと第2プルアップ抵抗とが接続されるオン状態と、ドレインと第2プルアップ抵抗とが接続されないオフ状態とに切り替え可能なスイッチと、を備える。制御部は、トランジスタがオン状態である場合にスイッチをオフ状態にし、トランジスタがオフ状態である場合にスイッチをオン状態にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の電圧を監視する電圧監視回路であって、
コンパレータを介して前記電池に接続され、前記電池の電圧が所定の閾値以上である場合にオフ状態になり、前記電池の電圧が前記閾値未満である場合にオン状態になるトランジスタと、
前記トランジスタのドレインまたはコレクタを前記電池の高電位側に接続する第1プルアップ抵抗と、
前記第1プルアップ抵抗と並列で前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタを前記電池の高電位側に接続する第2プルアップ抵抗であって、前記第1プルアップ抵抗よりも抵抗値が低い前記第2プルアップ抵抗と、
前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタと前記第2プルアップ抵抗とが接続されるオン状態と、前記ドレインまたは前記コレクタと前記第2プルアップ抵抗とが接続されないオフ状態とに切り替え可能なスイッチと、
前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタの電位に基づいて前記電池の電圧が前記閾値以上であるか否かを判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記トランジスタがオン状態である場合に前記スイッチをオフ状態にし、前記トランジスタがオフ状態である場合に前記スイッチをオン状態にする、電圧監視回路。
【請求項2】
前記第2プルアップ抵抗の抵抗値は、前記第1プルアップ抵抗の抵抗値の1/10未満である、請求項1に記載の電圧監視回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、電池の電圧を監視する電圧監視回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に電源検出回路が記載されている。特許文献1に記載の電源検出回路は、電源電圧を供給する電源供給手段と、電源供給手段から供給される電源電圧を検出する電源検出手段と、電源検出手段により検出される電源電圧の低下に伴い、電源供給手段へリセット信号を出力するリセット手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、電源電圧の低下に伴い、電源検出回路での消費電流が大きくなることが考えられる。また、消費電流を小さくするためにプルアップ抵抗の抵抗値を大きくすると、電源電圧が低下していないにもかかわらず、電源電圧が低下したと誤判断してしまうことが考えられる。本明細書は、消費電流を抑制すると共に誤判断を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する電圧監視回路は、電池の電圧を監視する電圧監視回路であって、コンパレータを介して前記電池に接続され、前記電池の電圧が所定の閾値以上である場合にオフ状態になり、前記電池の電圧が前記閾値未満である場合にオン状態になるトランジスタと、前記トランジスタのドレインまたはコレクタを前記電池の高電位側に接続する第1プルアップ抵抗と、前記第1プルアップ抵抗と並列で前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタを前記電池の高電位側に接続する第2プルアップ抵抗であって、前記第1プルアップ抵抗よりも抵抗値が低い前記第2プルアップ抵抗と、前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタと前記第2プルアップ抵抗とが接続されるオン状態と、前記ドレインまたは前記コレクタと前記第2プルアップ抵抗とが接続されないオフ状態とに切り替え可能なスイッチと、前記トランジスタの前記ドレインまたは前記コレクタの電位に基づいて前記電池の電圧が前記閾値以上であるか否かを判断する制御部と、を備え、前記制御部は、前記トランジスタがオン状態である場合に前記スイッチをオフ状態にし、前記トランジスタがオフ状態である場合に前記スイッチをオン状態にする。
【0006】
上記の構成において、電池の電圧は、電池が使用されると徐々に低下してゆく。例えば、電圧監視回路が搭載されている電気機器が動作することにより電池の電圧が低下してゆく。上記の構成によれば、電池が使用されることにより電池の電圧が所定の閾値未満になると、トランジスタがオン状態になり、ドレインまたはコレクタの電位が低下する。制御部は、ドレインまたはコレクタの電位に基づいて電池の電圧が閾値以上であるか否かを判断する。ここで、トランジスタがオン状態になると、第1プルアップ抵抗を通じて電流が流れるので、この消費電流により電池が更に使用されることになり、電池の電圧が更に低下してゆくことがある。即ち、トランジスタがオン状態になることにより、電池の電圧が閾値未満であるにもかかわらず、電池の電圧が更に低下してゆくことになる。しかしながら、上記の構成では、第1プルアップ抵抗の抵抗値を高くすることにより、トランジスタがオン状態になる場合であっても、第1プルアップ抵抗を通じて流れる電流を小さくすることができる。即ち、消費電流を小さくすることができる。したがって、電池の電圧が閾値未満である場合に、それを判断するための構成による消費電流を抑制することができる。なお、このときのスイッチはオフ状態なので第2プルアップ抵抗には電流が流れていない。
【0007】
一方、電池の電圧が閾値以上である場合はトランジスタがオフ状態になるが、トランジスタがオフ状態であってもトランジスタに漏れ電流が流れることがある。そのため、仮に第2プルアップ抵抗が存在しなければ、トランジスタがオフ状態であっても、漏れ電流が原因で第1プルアップ抵抗に電流が流れることが考えられる。ここで、仮に第2プルアップ抵抗が無い状態で第1プルアップ抵抗の抵抗値を高くすると、第1プルアップ抵抗に電流が流れる状態では、第1プルアップ抵抗による電圧降下により、トランジスタのドレインまたはコレクタの電位が過度に低くなることが考えられる。そうすると、電池の電圧が閾値以上であり、トランジスタがオフ状態である場合であっても、ドレインまたはコレクタの電位が過度に低くなることにより、電池の電圧が閾値未満であると誤判断されてしまうことが考えられる。しかしながら、上記の電圧監視回路によれば、第1プルアップ抵抗よりも抵抗値が低い第2プルアップ抵抗と、スイッチとを備え、トランジスタがオフ状態である場合にスイッチをオン状態にすることにより、トランジスタがオフ状態であるときに生じる漏れ電流を第2プルアップ抵抗に流すことができる。このとき、第1プルアップ抵抗と第2プルアップ抵抗との合成抵抗により、第1プルアップ抵抗単独の場合よりも電圧降下の値を小さくすることができる。これにより、トランジスタのドレインまたはコレクタの電位が過度に低くなることを抑制することができる。その結果、電池の電圧が閾値以上であり、トランジスタがオフ状態である場合に、電池の電圧が閾値未満であると誤判断されてしまうことを抑制することができる。
【0008】
以上より、上記の電圧監視回路によれば、電池の電圧が閾値未満であるときの消費電流を抑制することができると共に、電池の電圧が閾値以上であるときに電池の電圧が閾値未満であると誤判断されてしまうことを抑制することができる。
【0009】
前記第2プルアップ抵抗の抵抗値は、前記第1プルアップ抵抗の抵抗値の1/10未満であってもよい。
【0010】
この構成によれば、第1プルアップ抵抗と第2プルアップ抵抗との合成抵抗による電圧降下の値を更に小さくすることができる。これにより、トランジスタがオフ状態である場合に、トランジスタのドレインまたはコレクタの電位が過度に低くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例の電圧監視回路について図面を参照して説明する。
図1は、実施例の電圧監視回路2を模式的に示す図である。
図1に示す電圧監視回路2は、電池4(例えば、一次電池や二次電池)の電圧を監視するための回路である。電圧監視回路2は、例えば、電池4の電力により動作する電気機器(例えば、ガスメーター、水道メーター、流量計等)に搭載される。電圧監視回路2は、LDO(Low Drop Out)60と、ボルテージディテクタ20と、マイコン10とを備えている。
【0013】
LDO60は、電池4とマイコン10に接続されている。LDO60は、電池4の高電位側に接続されており、電池4の電圧を降圧してマイコン10に出力する。
【0014】
ボルテージディテクタ20は、LDO60と並列で電池4に接続されている。ボルテージディテクタ20は、電源監視ICやリセットICと呼ばれることもある。ボルテージディテクタ20は、主にコンパレータ22とトランジスタ30を備えている。ボルテージディテクタ20は、いわゆるNchオープンドレイン出力の構成である。
【0015】
コンパレータ22は、反転入力端子26(V-)が電池4の高電位側に接続されており、非反転入力端子24(V+)が基準電位側に接続されている。また、コンパレータ22は、出力端子28(VOUT)がトランジスタ30の入力端子(ゲート32)に接続されている。コンパレータ22は、電池4の電圧が所定の閾値Th以上である場合にLow信号を出力し、電池4の電圧が所定の閾値Th未満である場合にHi信号を出力する。
【0016】
トランジスタ30は、例えば、Nチャンネルエンハンスメント型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。トランジスタ30は、ゲート32がコンパレータ22の出力端子28に接続されており、ソース34がグランドに接続されており、ドレイン36が外部への出力端子としてマイコン10に接続されている。また、ドレイン36は、後述する第1プルアップ抵抗40や第2プルアップ抵抗42に接続されている。トランジスタ30は、コンパレータ22がLow信号を出力する場合にオフ状態になり、コンパレータ22がHi信号を出力する場合にオン状態になる。即ち、トランジスタ30は、電池4の電圧が所定の閾値Th以上である場合にオフ状態になり、電池4の電圧が所定の閾値Th未満である場合にオン状態になる。
【0017】
第1プルアップ抵抗40は、トランジスタ30のドレイン36とLDO60の出力側とに接続されている。第1プルアップ抵抗40は、LDO60を介して電池4の高電位側に接続されている。したがって、第1プルアップ抵抗40は、トランジスタ30のドレイン36を電池4の高電位側に接続してプルアップしている。
【0018】
マイコン10は、LDO60とボルテージディテクタ20に接続されている。マイコン10は、LDO60を介して電池4から供給される電力により動作する。マイコン10は、電圧監視回路2が搭載されている電気機器(不図示)の動作を制御してもよい。マイコン10は、第2プルアップ抵抗42と、スイッチ44と、制御部50とを備えている。
【0019】
第2プルアップ抵抗42は、第1プルアップ抵抗40と並列で、トランジスタ30のドレイン36とLDO60の出力側とに接続されている。第2プルアップ抵抗42は、LDO60を介して電池4の高電位側に接続されている。したがって、第2プルアップ抵抗42は、トランジスタ30のドレイン36を電池4の高電位側に接続してプルアップしている。第2プルアップ抵抗42の抵抗値は、第1プルアップ抵抗40の抵抗値よりも低い値に設定されている。第2プルアップ抵抗42の抵抗値は、例えば、第1プルアップ抵抗40の抵抗値の1/10未満、または1/100未満、または1/1000未満の値である。
【0020】
スイッチ44は、第2プルアップ抵抗42とトランジスタ30のドレイン36との間に配置されている。スイッチ44は、トランジスタ30のドレイン36と第2プルアップ抵抗42とが接続されるオン状態と、トランジスタ30のドレイン36と第2プルアップ抵抗42とが接続されないオフ状態とに切り替え可能に構成されている。第2プルアップ抵抗42とスイッチ44は、例えば、PchFETにより構成されていてもよい。
図1に示す実施例は、等価回路として示されている。
【0021】
制御部50は、ボルテージディテクタ20から入力される信号に基づいて電池4の電圧を監視する。具体的には、電池4の電圧が閾値以上である場合は、コンパレータ22からLow信号が出力され、トランジスタ30がオフ状態になるので、トランジスタ30のドレイン36の電位が高くなる。一方、電池4の電圧が閾値未満である場合は、コンパレータ22からHi信号が出力され、トランジスタ30がオン状態になるので、トランジスタ30のドレイン36の電位が低くなる。制御部50は、トランジスタ30のドレイン36の電位に基づいて電池4の電圧が閾値以上であるか否かを判断する。また、制御部50は、電池4の電圧が閾値未満であると判断する場合に、電池4の電圧が閾値未満であることを示す情報を出力してもよい。例えば、制御部50は、電池4の電圧が閾値未満であることを示す画面を例えばモニタ等の表示部(不図示)に表示してもよい。
【0022】
また、制御部50は、スイッチ44をオン状態とオフ状態に切り替えることができる。制御部50は、トランジスタ30がオン状態である場合(即ち、電池4の電圧が閾値未満である場合)にスイッチ44をオフ状態にし、トランジスタ30がオフ状態である場合(即ち、電池4の電圧が閾値以上である場合)にスイッチ44をオン状態にする。トランジスタ30がオン状態である場合は、トランジスタ30のドレイン36の電位が比較的低くなる。トランジスタ30がオフ状態である場合は、トランジスタ30のドレイン36の電位が比較的高くなる。制御部50は、トランジスタ30のドレイン36の電位に基づいてスイッチ44のオン/オフを切り替えてもよい。
【0023】
(切り替え処理;
図2)
図2は、スイッチ44のオン/オフを切り替えるための切り替え処理のフローチャートである。
図2に示す切り替え処理は、例えば、電圧監視回路2が搭載されている電気機器の電源がオン状態になると開始される。切り替え処理のS2では、制御部50が、スイッチ44をオン状態にする。続いて、制御部50は、トランジスタ30がオン状態である場合(S4でYES)は、スイッチ44をオフ状態にし(S6)、トランジスタ30がオフ状態である場合(S4でNO)は、スイッチ44をオン状態にする(S2)。制御部50は、トランジスタ30の状態に応じてスイッチ44のオン/オフを切り替える。実施例の切り替え処理は、例えば、電圧監視回路2が搭載されている電気機器の電源がオフ状態になると終了する。
【0024】
以上、実施例の電圧監視回路2について説明した。上記の構成において、電池4の電圧は、電池4が使用されると徐々に低下してゆく。例えば、電圧監視回路2が搭載されている電気機器が動作することにより電池4の電圧が低下してゆく。上記の構成によれば、電池4が使用されることにより電池4の電圧が所定の閾値Th未満になると、トランジスタ30がオン状態になり、ドレイン36の電位が低下する。制御部50は、ドレイン36の電位に基づいて電池4の電圧が閾値Th以上であるか否かを判断する。ここで、トランジスタ30がオン状態になると、第1プルアップ抵抗40を通じて電流が流れるので、この消費電流により電池4が更に使用されることになり、電池4の電圧が更に低下してゆくことがある。即ち、トランジスタ30がオン状態になることにより、電池4の電圧が閾値Th未満であるにもかかわらず、電池4の電圧が更に低下してゆくことになる。しかしながら、上記の構成では、第1プルアップ抵抗40の抵抗値を高くすることにより、トランジスタ30がオン状態になる場合であっても、第1プルアップ抵抗40を通じて流れる電流を小さくすることができる。即ち、消費電流を小さくすることができる。したがって、電池4の電圧が閾値未満である場合に、それを判断するための構成による消費電流を抑制することができる。なお、このときのスイッチ44はオフ状態なので第2プルアップ抵抗42には電流が流れていない。
【0025】
一方、電池4の電圧が閾値以上である場合はトランジスタ30がオフ状態になるが、トランジスタ30がオフ状態であってもトランジスタ30に漏れ電流が流れることがある。そのため、仮に第2プルアップ抵抗42が存在しなければ、トランジスタ30がオフ状態であっても、漏れ電流が原因で第1プルアップ抵抗40に電流が流れることが考えられる。ここで、仮に第2プルアップ抵抗42が無い状態で第1プルアップ抵抗40の抵抗値を高くすると、第1プルアップ抵抗40に電流が流れる状態では、第1プルアップ抵抗40による電圧降下によりトランジスタ30のドレイン36の電位が過度に低くなることが考えられる。そうすると、電池4の電圧が閾値Th以上であり、トランジスタ30がオフ状態である場合であっても、ドレイン36の電位が過度に低くなることにより電池4の電圧が閾値Th未満であると誤判断されてしまうことが考えられる。しかしながら、上記の電圧監視回路2によれば、第1プルアップ抵抗40よりも抵抗値が低い第2プルアップ抵抗42と、スイッチ44とを備え、トランジスタ30がオフ状態である場合にスイッチ44をオン状態にすることにより、トランジスタ30がオフ状態であるときに生じる漏れ電流を第2プルアップ抵抗42に流すことができる。このとき、第1プルアップ抵抗40と第2プルアップ抵抗42との合成抵抗により、第1プルアップ抵抗40単独の場合よりも電圧降下の値を小さくすることができる。これにより、トランジスタ30のドレイン36の電位が過度に低くなることを抑制することができる。その結果、電池4の電圧が閾値Th以上であり、トランジスタ30がオフ状態である場合に、電池4の電圧が閾値Th未満であると誤判断されてしまうことを抑制することができる。
【0026】
以上より、上記の電圧監視回路2によれば、電池4の電圧が閾値Th未満であるときの消費電流を抑制することができると共に、電池4の電圧が閾値Th以上であるときに電池4の電圧が閾値未満であると誤判断されてしまうことを抑制することができる。また、電池4の電圧が閾値Th未満であるときの消費電流を抑制することができるので、電池4の電圧が閾値Th未満になってから電池4が完全に使用できなくなるまでの期間(即ち、電池4の電圧が閾値Thを下回ってからの電池4の寿命)を長くすることができる。また、上記の電圧監視回路2によれば、電池4の電圧を継続的に監視することができる。
【0027】
また、第2プルアップ抵抗42の抵抗値が第1プルアップ抵抗40の抵抗値の1/10未満である場合には、第1プルアップ抵抗40と第2プルアップ抵抗42との合成抵抗による電圧降下の値を更に小さくすることができる。これにより、トランジスタ30のドレイン36の電位が過度に低くなることを抑制することができる。第2プルアップ抵抗42の抵抗値が低いほど効果的である。
【0028】
(変形例)
上記の実施例ではトランジスタ30としてMOSFETを用いたが、この構成に限定されない。変形例では、トランジスタ30として、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いてもよい。この場合、トランジスタ30のソース34、ドレイン36は、それぞれ、エミッタ、コレクタと読み替えてもよい。また、この場合、ボルテージディテクタ20は、いわゆるNchオープンコレクタ出力の構成である。
【0029】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0030】
2:電圧監視回路、4:電池、10:マイコン、20:ボルテージディテクタ、22:コンパレータ、30:トランジスタ、32:ゲート、34:ソース、36:ドレイン、40:第1プルアップ抵抗、42:第2プルアップ抵抗、44:スイッチ、50:制御部