(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030910
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/422 20140101AFI20240229BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20240229BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240229BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240229BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20240229BHJP
【FI】
A63F13/422
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/79
G06F3/04886
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134143
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA03
5E555AA54
5E555BA04
5E555BA20
5E555BB04
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB23
5E555CB58
5E555CB76
5E555CC05
5E555DC26
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネル操作に不慣れなユーザであっても、円滑にゲームを進行させることを可能にする。
【解決手段】ゲームプログラムは、タッチスクリーンと、コンピュータとを備えたゲームシステムにおいて、コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、コンピュータを、操作有効領域を画面上に設定する領域設定手段、接触位置が操作有効領域内にあるか否かを判定する入力判定手段、接触位置が操作有効領域内にあると判定された場合、操作有効領域に対応するゲーム処理を実行する処理実行手段、接触位置が操作有効領域内にないと判定された場合、接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定し、判別条件を満たすと判定した場合、接触位置を、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別するタッチミス判別手段、および、誤接触位置に近づくように操作有効領域を補正する領域補正手段、として機能させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を有する表示部およびユーザが接触操作した前記画面上の接触位置を検出するタッチパネルを含むタッチスクリーンと、コンピュータとを備えたゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
操作有効領域を前記画面上に設定する領域設定手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にあるか否かを判定する入力判定手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にあると判定された場合、前記操作有効領域に対応するゲーム処理を実行する処理実行手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された場合、前記接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定し、前記判別条件を満たすと判定した場合、前記接触位置を、前記操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別するタッチミス判別手段、および、
前記誤接触位置に近づくように前記操作有効領域を補正する領域補正手段、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記判別条件は、前記接触位置である第1接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された後のユーザの接触操作による前記画面上の第2接触位置が前記操作有効領域内にあるという条件を含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記判別条件は、前記第1接触位置と前記第2接触位置との距離が予め定められた設定値以下であるという条件を含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記判別条件は、前記誤接触位置が、前記画面を分割した複数の分割領域のうちの特定の分割領域に含まれるという条件を含む、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記領域補正手段は、前記誤接触位置が前記操作有効領域に含まれるように、前記操作有効領域の位置、大きさおよび形状の少なくとも1つを変更する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記タッチミス判別手段は、ゲーム状況に応じて前記判別条件を変更する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記領域補正手段は、ゲーム状況に応じて前記操作有効領域の補正の態様を変更する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームシステムは、記憶部を備え、
前記記憶部には、前記操作有効領域の補正に関する1以上の領域補正情報が、ユーザまたはユーザの属性に関する1以上のユーザ情報とそれぞれ関連付けられて記憶されており、
前記領域設定手段は、前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定した前記ユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された前記操作有効領域を前記画面上に設定する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1または2に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タッチパネルに対して指先やスタイラス等でユーザが接触操作することによって進行させるゲームが知られている。タッチパネル操作により進行させるゲームでは、画面に表示されたボタンなどの図柄に、所定の操作有効領域が設定されている。この操作有効領域にユーザがタッチすると、図柄に対応するゲーム処理が実行される(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作有効領域の大きさや形状は、ゲームによって様々である。タッチパネルに対する操作に不慣れなユーザにとって、自分の意図した図柄の操作有効領域をタッチすることは容易ではなく、ゲームの進行に支障をきたす場合がある。
【0005】
本発明は、タッチパネル操作に不慣れなユーザであっても、円滑にゲームを進行させることを可能にするゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、画面を有する表示部およびユーザが接触操作した前記画面上の接触位置を検出するタッチパネルを含むタッチスクリーンと、コンピュータとを備えたゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、操作有効領域を前記画面上に設定する領域設定手段、前記接触位置が前記操作有効領域内にあるか否かを判定する入力判定手段、前記接触位置が前記操作有効領域内にあると判定された場合、前記操作有効領域に対応するゲーム処理を実行する処理実行手段、前記接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された場合、前記接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定し、前記判別条件を満たすと判定した場合、前記接触位置を、前記操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別するタッチミス判別手段、および、前記誤接触位置に近づくように前記操作有効領域を補正する領域補正手段、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0007】
上記のゲームプログラムによれば、タッチミス判別手段が、操作有効領域内にないと判定された接触位置が、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であるかどうかを判別し、また、領域補正手段が、誤接触位置に近づくように前記操作有効領域を補正する。操作有効領域が誤接触位置に近づくように補正されるため、補正後の操作有効領域に対するタッチミスが生じにくくなる。従って、タッチパネル操作に不慣れなユーザであっても、円滑にゲームを進行させることを可能にする。
【0008】
前記判別条件は、前記接触位置である第1接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された後のユーザの接触操作による前記画面上の第2接触位置が前記操作有効領域内にあるという条件を含んでもよい。これにより、第1接触位置に係る接触操作が、どの操作有効領域に対するタッチミスかを特定しやすい。
【0009】
前記判別条件は、前記第1接触位置と前記第2接触位置との距離が予め定められた設定値以下であるという条件を含んでもよい。ユーザが意図せず画面に接触したことによって、有効領域が補正されることを抑制できる。
【0010】
前記判別条件は、前記誤接触位置が、前記画面を分割した複数の分割領域のうちの特定の分割領域に含まれるという条件を含んでもよい。これにより、接触位置が分割領域に含まれるか否かといった簡単な演算で、接触位置が、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因したものか否かの判別ができる。
【0011】
前記領域補正手段は、前記誤接触位置が前記操作有効領域に含まれるように、前記操作有効領域の位置、大きさおよび形状の少なくとも1つを変更してもよい。操作有効領域が、誤接触位置を含むように補正されるため、補正後の操作有効領域に対するタッチミスを一層生じにくくすることができる。
【0012】
前記タッチミス判別手段は、ゲーム状況に応じて前記判別条件を変更してもよい。ゲーム状況に応じた判別条件とすることで、接触位置が、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因したものか否かの判別の精度を向上できる。
【0013】
前記領域補正手段は、ゲーム状況に応じて前記操作有効領域の補正の態様を変更してもよい。操作有効領域の補正の態様をゲーム状況に応じたものとすることで、操作有効領域に対して適切な補正を実行しやすい。
【0014】
前記ゲームシステムは、記憶部を備え、前記記憶部には、前記操作有効領域の補正に関する1以上の領域補正情報が、ユーザまたはユーザの属性に関する1以上のユーザ情報とそれぞれ関連付けられて記憶されており、前記領域設定手段は、前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定した前記ユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された前記操作有効領域を前記画面上に設定してもよい。これにより、ユーザが、ユーザ自身にまたはユーザの属性に適した操作有効領域が設定された画面でゲームをプレイすることを可能にする。
【0015】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、上記のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備える。
【0016】
なお、前記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部は、ゲームシステムが含む装置に内蔵または外付けされる読み書き可能または読み取り可能な記憶装置または記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等を用いることができる。前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムは、前記プログラム記憶部が直接接続される装置において実行されてもよいし、前記プログラム記憶部とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続された装置においてダウンロードされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タッチパネル操作に不慣れなユーザであっても、円滑にゲームを進行させることを可能にするゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係るゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】ゲームシステムの制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】タッチスクリーンに表示されるゲーム画面の一例である。
【
図4】ゲーム進行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】タッチミス処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】ミス判別処理例1に係る制御の流れを示すフローチャートである。
【
図7】ミス判別処理例1を説明するための図である。
【
図8】ミス判別処理例2に係る制御の流れを示すフローチャートである。
【
図9】ミス判別処理例2を説明するための図である。
【
図10】ミス判別処理例3に係る制御の流れを示すフローチャートである。
【
図11】ミス判別処理例3を説明するための図である。
【
図12】領域補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
<第1実施形態>
[ハードウェアの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すようにゲームシステム100は、1以上のゲーム装置1、およびサーバ装置4を備えている。本実施の形態におけるゲーム装置1としては、タッチスクリーンを備えた携帯型のビデオゲーム機、スマートフォン、タブレット端末などが例示される。
【0021】
図1に示すように、ゲーム装置1は、その動作を制御するコンピュータである制御部5aを備える。制御部5aは、CPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14、描画処理プロセッサ15、および音声処理プロセッサ16を含む。さらに、ゲーム装置1は、VRAM(Video-RAM)20、操作入力インタフェース21、タッチスクリーン2、アンプ22、スピーカ23、イヤホン端子24、外部バスインタフェース26、および無線通信モジュール27を備えている。CPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、音声処理プロセッサ16、操作入力インタフェース21、外部バスインタフェース26、および無線通信モジュール27が、バス10を介して相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0022】
外部バスインタフェース26は、ゲーム装置1をUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の外部バスを介して他のコンピュータ装置と接続する。外部バスインタフェース26は、接続された他のコンピュータ装置(記録媒体の一種)からゲームプログラム10aおよびゲームデータ10bをロードする。また、ゲームデータ10bには、上記ゲームを実行する上で必要なデータが含まれる。
【0023】
無線通信モジュール27は、HSPA(High Speed Packet Access)等の通信規格に準拠した無線通信によって、インターネット上のサーバ装置4との間でデータ通信を行う。このデータ通信により、サーバ装置4からゲームプログラム10aおよびゲームデータ10bをダウンロードでき、あるいは、他のゲーム装置1との間で通信できる。本実施の形態におけるゲーム装置1は、外部バスインタフェース26または無線通信モジュール27を介してロードしたゲームプログラム10aおよびゲームデータ10bに基づいて、ゲームを実行することができる。また、無線通信モジュール27により他のゲーム装置1との間でインターネットを介して通信することにより、他のユーザと通信対戦することも可能である。
【0024】
RAM13には、ロードエリアおよびワークエリアが設定されている。ロードエリアには、外部バスインタフェース26または無線通信モジュール27を介してロードしたゲームプログラム10aおよびゲームデータ10bが格納される。ワークエリアは、CPU11がゲームプログラム10aを実行する際に使用される。ROM14には、外部バスインタフェース26または無線通信モジュール27を介するローディング機能などのゲーム装置1の基本プログラムが記憶されている。
【0025】
タッチスクリーン2は、画面を有する表示部を含む。表示部は、半透過型カラー液晶ディスプレイとバックライトLED(Light Emitting Diode)とを有し、VRAM20に書き込まれたゲーム画面を表示する。また、タッチスクリーン2は、ユーザが接触操作した画面上の接触位置を検出する入力部としてのタッチパネルを含む。タッチパネルは、液晶ディスプレイ上に配設されている。したがって、ユーザが手の指先等でタッチスクリーン2上に接触することにより、その接触位置に関する情報が、操作入力インタフェース21およびバス10を介してCPU11へ入力される。以下の説明において、「接触位置」は、タッチスクリーン2の画面上におけるユーザが接触操作した位置を意味するものとする。
【0026】
CPU11は、タッチスクリーン2に対するユーザの操作に応じて、ゲーム進行を制御する。CPU11は、ユーザが接触操作したゲーム画面上の接触位置に対応する所定のゲーム進行処理を行う。その処理結果は、ゲーム進行を示す画像(フレーム毎のゲーム画面)としてタッチスクリーン2に表示される。この際、CPU11は、必要に応じて、音声信号を出力し、スピーカ23またはイヤホン端子24から音声を出力させる。
【0027】
より具体的には、CPU11は、タッチスクリーン2に対するユーザの操作に応じて、タッチスクリーン2に表示すべきゲーム画面の内容を決定する。描画データ生成プロセッサ12は、CPU11が決定した内容に対して必要な描画データを生成し、描画処理プロセッサ15に転送する。描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいてゲーム画面の描画処理を行う。例えば、描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいて1/60秒毎にゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面をVRAM20に書き込む。
【0028】
また、CPU11は、ゲームの進行に応じて、スピーカ23から出力すべき効果音またはBGM等の音声を決定し、その音声を発音するための音声データ(ゲームデータ10bに含まれる音声データ)をRAM13から読み出して音声処理プロセッサ16に入力する。音声処理プロセッサ16は、DSP(Digital Signal Processor)で構成されている。音声処理プロセッサ16は、CPU11によって入力された音声データに対して所定の効果(例えば、リバーブ、コーラス等)を付与した後、アナログ信号に変換して、アンプ22に出力する。アンプ22は、音声処理プロセッサ16から入力された音声信号を増幅し、スピーカ23およびイヤホン端子24から音声を出力させる。
【0029】
サーバ装置4は、その動作を制御するコンピュータである制御部5bを備える。制御部5bは、CPU41、HDD42、ROM43、およびRAM44を含む。CPU41は、バス40を介してHDD42およびROM43、RAM44、並びにネットワークインタフェース45が接続されている。なお、サーバ装置4は、必要に応じてキーボード等の入力インタフェース、および、液晶ディスプレイ等の出力インタフェースを備えてもよい。
【0030】
HDD42はサーバ装置4が内蔵する大容量記録媒体であって、ゲームプログラム40aおよびゲームデータ40bなどが記録されている。ROM43は、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであり、サーバ装置4の基本的な動作を規定するプログラムなどを記録している。RAM44は、DRAMまたはSRAMなどから成り、CPU41が実行すべきゲームプログラム40a、および、その実行の際に必要になるゲームデータ40bなどを、必要に応じてHDD42から読み込んで一時的に記録する。ネットワークインタフェース45は、インターネットなどを介してゲーム装置1と接続する手段である。サーバ装置4は、ネットワークインタフェース45を介して複数のゲーム装置1との間で通信可能である。
【0031】
本実施形態において、ゲームのセーブデータなどは、外部バスインタフェース26に接続された記録媒体などの外部ストレージ、ゲーム装置1に内蔵され得るフラッシュメモリなどの内部ストレージ、または、サーバ装置4のHDD42などのオンラインストレージに記憶され得る。ゲームシステム100が備えるこれら内部ストレージ、外部ストレージ、オンラインストレージを総称して、ゲームシステム100の記憶部と称することとする。後述のユーザ情報や領域補正情報が記憶部に記憶されるとは、ユーザ情報や領域補正情報の各情報が、ゲームシステム100が備える内部ストレージ、外部ストレージ、オンラインストレージのいずれかに記憶されていることを意味する。
【0032】
[機能的構成]
図2は、本実施の形態におけるゲームシステム100の機能的な構成を示すブロック図である。ゲームシステム100の制御部5は、ゲーム装置1の制御部5aまたはサーバ装置4の制御部5bであってもよいし、ゲーム装置1の制御部5aとサーバ装置4の制御部5bとが協動することにより構成されてもよい。ゲームシステム100の制御部5(コンピュータ)は、ゲームプログラム10a,40aの一方または双方を実行することで、ユーザ判定手段51、画像表示手段52、領域設定手段53、入力判定手段54、処理実行手段55、タッチミス判別手段56、領域補正手段57、および誤接触情報記憶手段58として機能する。
【0033】
ユーザ判定手段51は、ゲームをプレイするユーザまたはそのユーザの属性を判定する。本実施形態において、ユーザの属性は、タッチミスの傾向に相関し得る属性である。例えば、ユーザの属性は、ユーザの年齢層である。また、例えばユーザの属性は、ユーザが右利きか左利きかに関する利き手で分類した属性である。例えば、ユーザ判定手段51によるユーザ判定は、ゲームの開始前にユーザに要求されるユーザ登録によって記憶部に記憶されたユーザ情報に基づいて行われ得る。
【0034】
画像表示手段52は、タッチスクリーン2にゲーム画面を表示する。ゲーム画面には、ゲームの進行に応じた背景画像やユーザにとっての操作対象となるオブジェクトや仮想のボタンなどの画像などが含まれ得る。画像表示手段52は、受付画像表示手段52aを含む。受付画像表示手段52aは、領域設定手段53により設定される操作有効領域と関連付けられた操作受付画像を、ゲーム画面における所定の位置に表示する。
【0035】
領域設定手段53は、操作有効領域をゲーム画面上に設定する。操作有効領域は、ゲームをプレイするためのユーザのタッチ操作を受け付ける領域である。操作有効領域は、基本的にユーザに視認不能である。以下の説明において、操作有効領域は、単に有効領域とも称することがある。
【0036】
入力判定手段54は、接触位置が操作有効領域内にあるか否かを判定する。
【0037】
処理実行手段55は、入力判定手段54により接触位置が操作有効領域内にあると判定された場合、操作有効領域に対応するゲーム処理を実行する。
【0038】
ここで、操作有効領域Rと操作受付画像Bとを、
図3を参照して詳しく説明する。
図3は、タッチスクリーン2に表示されるゲーム画面Dの一例である。
図3に示されたゲーム画面Dは、メニュー画面である。ゲーム画面Dには、領域設定手段53により1以上の操作有効領域Rが配置されている。
【0039】
また、ゲーム画面Dには、受付画像表示手段52aにより操作有効領域Rに対応する操作受付画像Bが表示されている。操作受付画像Bは、その操作受付画像Bに対応する操作有効領域Rが配置された位置を示す画像である。操作受付画像Bは、操作有効領域Rの一部または全部と重なっている。操作有効領域Rの形状や大きさは様々である。ある操作有効領域Rは、対応する操作受付画像Bと同形同大である。また、別のある操作有効領域Rは、対応する操作受付画像Bと同形であるが、大きさは異なる。また、更に別のある操作有効領域Rは、対応する操作受付画像Bと形状も大きさも異なる。なお、
図3では、操作受付画像Bと同形同大ではない操作有効領域Rが二点鎖線で示されている。
【0040】
例えば操作受付画像Bは、画面遷移のためのボタンを示す画像であったり、仮想の二次元または三次元の空間に配置されたオブジェクトを示す画像であったり、仮想操作子を示す画像であったりする。例えば、入力判定手段54によりユーザの接触位置が画面遷移ボタンに対応する操作有効領域R内にあると判定されると、例えばメニュー画面からゲームプレイ画面に遷移するなどの画面遷移処理が処理実行手段55により実行される。また、例えば、入力判定手段54によりユーザの接触位置がオブジェクトに対応する操作有効領域Rにあると判定されると、オブジェクトを動作させたり、オブジェクトに関する情報を表示したりする処理が処理実行手段55により実行される。
【0041】
図2に戻って、タッチミス判別手段56は、入力判定手段54により接触位置が操作有効領域R内にないと判定された場合、接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定する。判別条件は、操作有効領域R内にないと判定された接触位置が、操作有効領域Rに対するユーザのタッチミスに起因したものか否かを判別する条件である。すなわち、タッチミス判別手段56は、判別条件を満たすと判定した場合、その接触位置を、操作有効領域Rに対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別する。
【0042】
領域補正手段57は、タッチミス判別手段56により判別された誤接触位置に近づくように、操作有効領域Rを補正する。なお、操作有効領域Rが誤接触位置に近づくとは、操作有効領域R内の任意の点と誤接触位置との最小距離が小さくなることを意味するものとする。
【0043】
例えば、操作有効領域Rの中心を移動させることなく、操作有効領域Rを拡大する補正を行った場合、操作有効領域Rの境界線が誤接触位置に近づく、または、操作有効領域R内に誤接触位置が含まれることになり、その結果、操作有効領域R内の任意の点と誤接触位置との最小距離が小さくなる(例えば操作有効領域R内に誤接触位置が含まれた場合、操作有効領域R内の任意の点と誤接触位置との最小距離はゼロになる)。このため、操作有効領域Rの中心を移動させることなく、操作有効領域Rを拡大する補正は、誤接触位置に近づくように操作有効領域Rを補正することに含まれる。
【0044】
誤接触情報記憶手段58は、操作有効領域Rごとに、タッチミス判別手段56により誤接触位置と判別された頻度を記憶部に記憶する。
【0045】
[ゲーム進行処理]
次に、ゲーム進行処理の流れを、
図4を参照して説明する。ゲーム進行処理は、ユーザがゲームへログインしてからログアウトするまでのゲームの進行に関する処理である。
【0046】
ゲーム進行処理では、まずユーザ判定手段51が、タッチスクリーン2に対してゲームを開始するための操作を行ったユーザを識別するためのログイン処理を実行する(ステップS1)。
【0047】
具体的には、ユーザ判定手段51は、ユーザ登録をしていないユーザに対しては、ユーザ登録を要求する。ユーザ判定手段51は、ユーザによるユーザ登録のための操作により、ユーザ情報を記憶部に記憶する。ユーザ情報は、ユーザまたはユーザの属性に関する。ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む。また、ユーザ情報は、ユーザの年齢層などに関するユーザ属性情報を含みうる。
【0048】
また、ユーザ判定手段51は、ユーザ登録済みのユーザに対しては、例えばユーザ情報と関連付けて記憶部に記憶されたセーブデータを読み込み、セーブされたところからゲームを再開させる。
【0049】
ステップS1にてゲームが開始すると、画像表示手段52は、タッチスクリーン2にゲーム画面を表示する。受付画像表示手段52aは、操作有効領域Rと関連付けられた操作受付画像Bを、ゲーム画面Dにおける所定の位置に表示し、領域設定手段53は、操作有効領域Rをゲーム画面D上に設定する(ステップS2)。
【0050】
入力判定手段54は、タッチスクリーン2に対するユーザの接触があったか否かを判定する(ステップS3)。タッチスクリーン2に対するユーザの接触があったと判定された場合(ステップS3:Yes)、入力判定手段54は、タッチスクリーン2に対するユーザの接触位置が操作有効領域R内にあるか否かを判定する(ステップS4)。入力判定手段54により接触位置が操作有効領域R内にあると判定された場合(ステップS4:Yes)、処理実行手段55は、操作有効領域Rに対応するゲーム処理を実行する(ステップS5)。
【0051】
入力判定手段54により接触位置が操作有効領域R内にないと判定された場合(ステップS4:No)、後述のタッチミス処理が実行される(ステップS6)。制御部5は、タッチスクリーン2に対してゲームを終了するためのログアウト操作が行われたか否かを判定する(ステップS7)。ログアウト操作が行われたと判定されない間(ステップS7:No)、ステップS2~S6の処理が適宜繰り返される。なお、ステップS5において、画面遷移するゲーム処理が実行されると、受付画像表示手段52aは、画面遷移後のゲーム画面Dにおいて操作受付画像Bを表示し、領域設定手段53は、画面遷移後のゲーム画面Dにおいて操作有効領域Rを設定する。
【0052】
制御部5が、ログアウト操作が行われたと判定した場合(ステップS7:Yes)、制御部5は、ログアウト処理を実行して、ゲームを終了する。
【0053】
[タッチミス処理]
次に、ステップS6のタッチミス処理の流れについて、
図5を参照して説明する。
図5は、タッチミス処理の流れの一例を示すフローチャートである。タッチミス処理では、まずミス判別処理が実行される(ステップS11)。ミス判別処理は、
図4のステップS4で有効領域R外と判定されたタッチスクリーン2に対するユーザの接触が、ある有効領域Rに対するタッチミスに起因するものか否かを判別する。ある有効領域Rに対するタッチミスと判別された場合、その有効領域Rが、次のステップS12の領域補正処理で補正される対象となる。すなわち、ミス判別処理は、補正対象となる有効領域Rを特定する処理であるとも言える。
【0054】
ステップS11で、補正対象となる有効領域Rが特定された後、領域補正処理が実行される(ステップS12)。領域補正処理は、ステップS11で、タッチミスが生じたと判別された有効領域Rを補正する処理である。なお、ステップS11で、補正対象となる有効領域Rが特定されない場合は、ステップS12はスキップされる。
【0055】
(ミス判別処理例1)
次に、ステップS11のミス判別処理の一例について、
図6および7を参照して説明する。
図6は、ミス判別処理例1に係る制御の流れを示すフローチャートである。
図7は、ミス判別処理例1を説明するための図である。
図7(A)は、ある有効領域Rと、
図4のステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pとの位置関係を示す。なお、
図7には、一例として、真円の形状の有効領域R示している。また、
図7中の点Cは、有効領域Rの中心点である。ミス判別処理例1における判別条件は、タッチスクリーン2に対する少なくとも2回の接触に係る2つ以上の接触位置Pをもとに判別する条件である。
【0056】
具体的には、タッチミス判別手段56は、ステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pを、第1接触位置P1(第1接触位置情報)として記憶部に記憶する(ステップS21)。
【0057】
次に、タッチミス判別手段56は、ステップS4の第1接触位置P1へのユーザの接触があった時点から設定時間以内に、有効領域R内へのユーザの接触操作があったか否かを判定する(ステップS22)。すなわち、ステップS21以降のステップS4において有効領域R内の接触が、第1接触位置P1へのユーザの接触があった時点から設定時間以内かが判定される。
【0058】
図7(B)は、
図7(A)に示される有効領域Rおよび第1接触位置と、有効領域R内においてユーザが接触した接触位置Pとの位置関係を示す。第1接触位置P1への接触があった時点から設定時間以内に、有効領域R内へのユーザの接触操作があったと判定した場合(ステップS22:Yes)、タッチミス判別手段56は、有効領域R内と判定された接触位置Pを、第2接触位置P2(第2接触位置情報)として記憶部に記憶する(ステップS23)。
【0059】
タッチミス判別手段56は、
図7(B)に示すような第1接触位置P1と第2接触位置P2との距離dが予め定められた設定値以下であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0060】
距離dが予め定められた設定値以下であると判定した場合(ステップS24:Yes)、タッチミス判別手段56は、第1接触位置P1を、第2接触位置P2を含む操作有効領域Rに対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別する(ステップS25)。
【0061】
誤接触情報記憶手段58は、タッチミス判別手段56により誤接触位置が判別されるたびに、操作有効領域Rの位置情報と誤接触位置の位置情報とを関連付けて誤接触情報として記憶部に記憶し、蓄積する。本実施形態では、誤接触情報記憶手段58は、ユーザ識別情報と、誤接触情報とを関連付けて記憶部に記憶する。誤接触情報は、少なくともタッチミスが生じたと判別された有効領域Rを示す情報を含む。本例では、誤接触情報は、誤接触位置を示す位置情報である第1接触位置情報と、第2接触位置P2を含む操作有効領域Rを示す情報を含む。
【0062】
ステップS22で、第1接触位置P1に対する接触があった時点から設定時間以内に、有効領域R内へのユーザの接触操作がないと判定した場合(ステップS22:No)、あるいは、ステップS24で、距離dが予め定められた設定値以下でないと判定した場合(ステップS24:No)、タッチミス判別手段56は、第1接触位置P1を、ユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置でないと判別する。
【0063】
こうして、ステップS4で有効領域R外と判定されたユーザの接触を、有効領域Rに対するタッチミスであったか否かを判別するとともに、有効領域Rに対するタッチミスであると判別する場合、どの有効領域Rに対するタッチミスであったかを判別する。
【0064】
なお、ステップS24において、タッチミス判別手段56は、第1接触位置P1と第2接触位置P2との距離dが設定値以下であるか否かを判定する代わりに、別の方法でタッチミスの判別を行ってもよい。例えば、タッチミス判別手段56は、第2接触位置P2を含む操作有効領域Rの所定の点(例えば操作有効領域Rの中心点Cなど)から第1接触位置P1までの距離が予め定められた設定値以下であるか否かを判定してもよい。
【0065】
(ミス判別処理例2)
次に、ステップS11のミス判別処理の別の例について、
図8および9を参照して説明する。
図8は、ミス判別処理例2に係る制御の流れを示すフローチャートである。
図9は、ミス判別処理例2を説明するための図である。
図9は、2つの有効領域R(R1,R2)と、
図4のステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pとの位置関係を示す。なお、
図9には、一例として、真円の形状の2つの有効領域R1,R2を示している。また、
図9中の点C1,C2は、それぞれ有効領域R1,R2の中心点である。ミス判別処理例2における判別条件は、接触位置と操作有効領域R内における所定の点の位置との距離が設定値以下であるという条件を含む。
【0066】
ミス判別処理例2では、まずタッチミス判別手段56は、ゲーム画面D上の有効領域Rの中で、ステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pに最も近い有効領域Rを特定する(ステップS31)。接触位置Pに最も近い有効領域Rを特定する方法は特に限定されない。例えばタッチミス判別手段56は、
図9に示すように、各有効領域R1,R2について、所定の点(例えば中心点C1,C2)からの距離d1,d2を算出し、算出した距離d1,d2の中で最小の距離となった有効領域R1を最も近い有効領域Rとして特定してもよい。
【0067】
次に、タッチミス判別手段56は、最も近いと特定された有効領域R1と接触位置Pとの距離d1が設定値以下か否かを判定する(ステップS32)。
【0068】
距離d1が設定値以下であると判定した場合(ステップS32:Yes)、タッチミス判別手段56は、接触位置Pを、最も近い操作有効領域R1に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別する(ステップS33)。
【0069】
誤接触情報記憶手段58は、タッチミス判別手段56により誤接触位置が判別されるたびに、操作有効領域Rの位置情報と誤接触位置の位置情報とを関連付けて誤接触情報として記憶部に記憶し、蓄積する。誤接触情報記憶手段58は、ユーザ識別情報と、誤接触情報とを関連付けて記憶部に記憶する。誤接触情報は、少なくともタッチミスが生じたと判別された有効領域Rを示す情報を含む。本例では、誤接触情報は、誤接触位置を示す位置情報と、最も近いと特定された有効領域R1を示す情報を含む。
【0070】
ステップS32で、距離d1が設定値以下でないと判定した場合(ステップS32:No)、タッチミス判別手段56は、接触位置Pを、ユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置でないと判別する。
【0071】
こうして、ステップS4で有効領域R外と判定されたユーザの接触を、有効領域Rに対するタッチミスであったか否かを判別するとともに、有効領域Rに対するタッチミスであると判別する場合、どの有効領域Rに対するタッチミスであったかを判別する。
【0072】
(ミス判別処理例3)
次に、ステップS11のミス判別処理のさらに別の例について、
図10および11を参照して説明する。
図10は、ミス判別処理例3に係る制御の流れを示すフローチャートである。
図11は、ミス判別処理例3を説明するための図である。
図11は、有効領域Rと、
図4のステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pとの位置関係を示す。なお、
図11には、一例として、真円の形状の有効領域R示している。また、
図11中の点Cは、有効領域Rの中心点である。
【0073】
ミス判別処理例3における判別条件は、接触位置が予め設定されたミス判別領域Mに含まれる位置にあるという条件を含む。すなわち、ミス判別処理例3では、有効領域Rの近傍や周りに設定されたミス判別領域Mがタッチミスの判別に用いられる。
図11には、一例として、有効領域Rの周囲を囲むように配置された環状(例えば円環状)のミス判別領域Mが一点鎖線で示されている。なお、ミス判別領域Mは、有効領域Rの周囲を囲むように配置されなくてもよく、有効領域Rの一方側に配置されてもよい。
【0074】
ミス判別処理例3が採用される場合、ミス判別領域Mは、領域設定手段53により設定される。具体的には、
図4のステップS2で、領域設定手段53は、操作有効領域Rをゲーム画面D上に設定するとともに、有効領域Rに対応するミス判別領域Mをゲーム画面D上に設定する。
【0075】
ミス判別処理例3では、まずタッチミス判別手段56は、ステップS4で有効領域R外と判定された接触位置Pが、ミス判別領域M内にあるか否かを判定する(ステップS41)。
【0076】
接触位置Pがミス判別領域M内にあると判定した場合(ステップS41:Yes)、タッチミス判別手段56は、接触位置Pを、そのミス判別領域Mに対応する有効領域Rに対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別する(ステップS42)。
【0077】
誤接触情報記憶手段58は、タッチミス判別手段56により誤接触位置が判別されるたびに、操作有効領域Rの位置情報と誤接触位置の位置情報とを関連付けて誤接触情報として記憶部に記憶し、蓄積する。誤接触情報記憶手段58は、ユーザ識別情報と、誤接触情報とを関連付けて記憶部に記憶する。誤接触情報は、少なくともタッチミスが生じたと判別された有効領域Rを示す情報を含む。本例では、誤接触情報は、誤接触位置を示す位置情報と、接触位置Pを含むミス判別領域に対応する有効領域Rを示す情報を含む。
【0078】
ステップS41で、接触位置P1がミス判別領域M内にないと判定した場合(ステップS41:No)、タッチミス判別手段56は、接触位置Pを、ユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置でないと判別する。
【0079】
こうして、ステップS4で有効領域R外と判定されたユーザの接触を、有効領域Rに対するタッチミスであったか否かを判別するとともに、有効領域Rに対するタッチミスであると判別する場合、どの有効領域Rに対するタッチミスであったかを判別する。
【0080】
(領域補正処理)
次に、ステップS12の領域補正処理の一例について、
図12を参照して説明する。
図12は、領域補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12で説明される領域補正処理では、領域補正手段57は、タッチミス判別手段56により誤接触位置と判別された頻度に基づき、操作有効領域Rの補正を実行するか否かを決定する。
【0081】
具体的には、誤接触情報記憶手段58は、有効領域Rごとに、誤接触位置が判別された回数(以下、タッチミス回数)を記憶部に記憶する(ステップS51)。
【0082】
領域補正手段57は、有効領域Rごとに、タッチミス回数が設定回数を超えたか否かを判定する(ステップS52)。
【0083】
ステップS52で、タッチミス回数が設定回数を超えたと判定した場合(ステップS52:Yes)、領域補正手段57は、タッチミス回数が設定回数を超えた操作有効領域Rを、誤接触位置に近づくように補正する(ステップS53)。なお、誤接触位置と判別された頻度に基づいて操作有効領域Rの補正を実行するか否かを決定しなくてもよい。すなわち、1回の誤接触位置と判別されたときに、ステップS51,S52なしでステップS53の補正を実行してもよい。
【0084】
図13は、領域補正の例を説明するための図である。なお、
図13では、補正前の操作有効領域Rに、符号Raを付し、操作有効領域Raに対して補正をした後の操作有効領域Rに、符号Rbを付している。
【0085】
例えば
図13(A)に示すように、領域補正手段57は、操作有効領域Rをその形状を維持したまま拡大してもよい。また、例えば
図13(B)に示すように、領域補正手段57は、操作有効領域Rをその大きさを維持したまま、接触位置Pに近づくように移動させてもよい。また、例えば
図13(C)に示すように、領域補正手段57は、円形の操作有効領域Raを、接触位置Pに近づくように楕円形に変形してもよい。この場合、領域補正手段57は、操作有効領域Rbの楕円の長軸が、接触位置Pに向かって延びるように操作有効領域Raを変形してもよい。このように、領域補正手段57は、操作有効領域Rの位置、大きさおよび形状の少なくとも1つを変更してもよい。例えば領域補正手段57は、誤接触位置と操作有効領域R内における所定の点の位置との距離に応じて、操作有効領域Rの補正の態様を変更してもよい。
【0086】
図13(A),13(B),13(C)では、誤接触位置Pが補正後の操作有効領域Rbに含まれるように操作有効領域Rが補正される例が示されたが、例えば
図13(D)に示すように、領域補正手段57は、補正後の操作有効領域Rbに誤接触位置Pが含まれなくてもよい。ただし、操作有効領域Rを、誤接触位置を含むように補正することで、補正後の操作有効領域Rに対するタッチミスを生じにくくすることができる。また、例えば
図13(D)に示すように、領域補正手段57は、円形の操作有効領域Raを、誤接触位置P側に膨出するように変形してもよい。
【0087】
例えば
図13(E)に示すように、領域補正手段57は、記憶部に記憶された複数の誤接触情報に基づいて、操作有効領域Rを補正してもよい。この場合、例えば領域補正手段57は、各誤接触位置Pと操作有効領域R内における所定の点の位置との距離に応じて、操作有効領域Rの補正の態様を変更してもよい。
【0088】
また、上記のミス判別処理例3のように、接触位置Pがミス判別領域M1内にあると判定され、接触位置Pが誤接触位置であると判別された場合には、例えば
図13(F)に示すように、領域補正手段57は、接触位置Pを含むミス判別領域M1の一部または全部を含むように、操作有効領域Rを補正してもよい。
【0089】
なお、
図13(F)に示すように、領域設定手段53は、1つの有効領域Rに対して、複数のミス判別領域M1,M2,M3,M4,M5をゲーム画面D上に設定してもよい。
図13(F)では、有効領域Rに近い側を内側、遠い側を外側と呼ぶと、ミス判別領域M2,M3,M4,M5は、ミス判別領域M1の外側に配置されている。例えば接触位置Pがミス判別領域M5内にあると判定され、接触位置Pが誤接触位置であると判別された場合には、領域補正手段57は、接触位置Pを含むミス判別領域M5と、ミス判別領域M5より内側のミス判別領域M1とを含むように、操作有効領域Rを補正してもよい。
【0090】
なお、本実施形態では、ステップS53において、受付画像表示手段52aは、領域補正手段57により操作有効領域Rが補正されるときに、誤接触位置に近づくように操作対象画像Bの表示態様を補正してもよい。つまり、領域補正処理によって、ゲーム画面DのUIデザインが自動的に変更されてもよい。例えば、領域補正手段57が、操作有効領域Rの位置、大きさおよび形状の少なくとも1つを変更する場合、受付画像表示手段52aも、補正される操作有効領域Rに対応する操作対象画像に対して、操作有効領域Rに対してなされる補正と同様の補正をしてもよい。
【0091】
本実施形態において、領域補正手段57による操作有効領域の補正に関する領域補正情報は、ユーザ識別情報を含むユーザ情報と関連付けられて記憶部に記憶される。このため、ユーザは、次回にゲームにログインした場合には、有効領域Rが補正された状態でゲームを再開できる。具体的には、
図4のステップS1において、ユーザ判定手段51は、ユーザ登録済みのユーザに対しては、例えばユーザ情報と関連付けて記憶部に記憶された領域補正情報を読み込む。ステップS2において、受付画像表示手段52aは、記憶部に記憶されたユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された操作受付画像Bを表示する。領域設定手段53は、記憶部に記憶されたユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された操作有効領域をゲーム画面D上に設定する。
【0092】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、画面を有する表示部およびユーザが接触操作した前記画面上の接触位置を検出するタッチパネルを含むタッチスクリーン2と、制御部5(コンピュータ)とを備えたゲームシステム100において、制御部5に実行させるゲームプログラムであって、制御部5を、操作有効領域Rを前記画面D上に設定する領域設定手段53、前記接触位置が前記操作有効領域R内にあるか否かを判定する入力判定手段54、前記接触位置が前記操作有効領域R内にあると判定された場合、前記操作有効領域Rに対応するゲーム処理を実行する処理実行手段55、前記接触位置が前記操作有効領域R内にないと判定された場合、前記接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定し、前記判別条件を満たすと判定した場合、前記接触位置を、前記操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別するタッチミス判別手段56、および、前記誤接触位置に近づくように前記操作有効領域Rを補正する領域補正手段57、として機能させる、ゲームプログラムである。
【0093】
本実施形態に係るゲームプログラムによれば、タッチミス判別手段56が、操作有効領域R内にないと判定された接触位置が、操作有効領域Rに対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であるかどうかを判別し、また、領域補正手段57が、誤接触位置に近づくように前記操作有効領域Rを補正する。操作有効領域Rが誤接触位置に近づくように補正されるため、補正後の操作有効領域Rに対するタッチミスが生じにくくなる。従って、タッチパネル操作に不慣れなユーザであっても、円滑にゲームを進行させることを可能にする。
【0094】
また、ミス判別処理例1を採用した場合、判別条件が、第1接触位置が操作有効領域内にないと判定された後のユーザの接触操作による画面上の第2接触位置が操作有効領域内にあるという条件を含むため、第1接触位置に係る接触操作が、どの操作有効領域に対するタッチミスかを特定しやすい。また、判別条件は、第1接触位置と第2接触位置との距離が予め定められた設定値以下であるという条件を含んでもよい。ユーザが意図せず画面に接触したことによって、有効領域が補正されることを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態によれば、タッチミス処理のミス判別処理において、誤接触情報記憶手段58が、誤接触情報をユーザ識別情報と関連付けて記憶する。そして、領域設定手段57は、記憶部に記憶されたユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された操作有効領域Rを画面D上に設定する。これにより、ユーザが、ユーザ自身に適した操作有効領域Rが設定された画面Dでゲームをプレイすることを可能にする。
【0096】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るゲームシステムについて説明する。第1実施形態では、タッチミス処理のミス判別処理において、誤接触情報記憶手段58が、誤接触情報をユーザ識別情報と関連付けて記憶したが、第2実施形態では、ミス判別処理において、誤接触情報記憶手段58が、誤接触情報をユーザ属性情報と関連付けて記憶する。
【0097】
また、第1実施形態では、誤接触情報とユーザ識別情報と関連付けて記憶される場所が、記憶部における内部ストレージ、外部ストレージ、オンラインストレージのいずれであるかが示されなかったが、第2実施形態では、誤接触情報とユーザ属性情報と関連付けて記憶される場所が、記憶部におけるオンラインストレージである。すなわち、各ゲーム装置1からサーバ装置4に、誤接触情報が送られる。サーバ装置4において、誤接触情報記憶手段58が、誤接触情報をユーザ属性情報と関連付けて記憶する。ユーザ属性情報は、例えばユーザの年齢層に関する。
【0098】
すなわち、本実施形態では、サーバ装置4に、各ユーザのゲーム装置1から誤接触情報が蓄積される。また、誤接触情報と、ユーザの年齢層に関するユーザ属性情報とが関連付けて記憶されるため、サーバ装置4において、年齢層ごとのタッチミスの傾向を把握可能となる。
【0099】
こうしてサーバ装置4に蓄積された誤接触情報を用いて、領域補正処理は、年齢層ごとに実行される。すなわち、誤接触情報記憶手段58は、有効領域Rごとで且つユーザの年齢層ごとに、誤接触位置が判別された回数(以下、タッチミス回数)を、サーバ装置4の記憶部に記憶する。
【0100】
領域補正手段57は、有効領域Rごとで且つユーザの年齢層ごとに、タッチミス回数が設定回数を超えたか否かを判定する(
図12のステップS52)。ステップS52の判定は、各ゲーム装置1で行われてもよいし、サーバ装置4で行われてもよい。
【0101】
ステップS52で、ある有効領域Rについてのユーザの年齢層におけるタッチミス回数が、設定回数を超えたと判定した場合(
図12のステップS52:Yes)、そのユーザのゲーム装置1において、領域補正手段57は、タッチミス回数が設定回数を超えた操作有効領域Rを、誤接触位置に近づくように補正する(
図12のステップS53)。
【0102】
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0103】
また、例えば、ゲーム画面D上のある有効領域が、「大人に比べて指が短い子供にとって指が届きにくい位置にあるためにタッチミスが生じやすい」といった、属性ごとにタッチミスの発生に傾向がある場合がある。本実施形態では、属性が同じユーザグループごとに、領域補正が実行される。このため、ユーザの属性に適した領域補正を実行しやすい。
【0104】
また、複数のユーザのタッチミスに係る誤接触情報に基づいて、領域補正処理が実行されるため、初めてゲームをプレイするユーザや、ゲームをプレイし始めたばかりのユーザが見るゲーム画面においても、領域補正処理の実行が可能である。
【0105】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0106】
例えば上記実施形態では、ゲームシステム100は、ゲーム装置1およびサーバ装置4を備えていたが、本発明のゲームシステムは、サーバ装置を備えない構成であってもよい。例えば本発明は、オンラインゲームだけでなく、オフラインゲームにも適用可能である。
【0107】
本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置1およびサーバ装置4の少なくとも1つのコンピュータにより実行されるものであればよい。例えば、本発明のゲームプログラムの一部が、サーバ装置に記憶され、本発明のゲームプログラムの残りは、ゲーム装置にダウンロードされたり、ゲーム装置に読み込ませるために記録媒体に記録されたりするものであってもよい。例えば、サーバ装置4の制御部5bが、記憶部42に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、機能部51~58の一部または全部として機能してもよい。この場合、本発明のゲームプログラムは、サーバ装置4に記憶され、またはゲーム装置2およびサーバ装置4に分散して記憶されたプログラムである。
【0108】
また、上記実施形態では、ゲームシステム100の制御部5が、ゲームプログラム10aまたはゲームプログラム10a,40aを実行することで、ユーザ判定手段51、画像表示手段52、領域設定手段53、入力判定手段54、処理実行手段55、タッチミス判別手段56、領域補正手段57、および誤接触情報記憶手段58として機能したが、これら機能部51~58の一部の機能を発揮しなくてもよい。
【0109】
上記実施形態で説明された各種処理の制御の流れや制御方法は、例示にすぎない。また、上記実施形態で説明された判別条件や有効領域の形状、有効領域の補正の態様なども、例示にすぎない。
【0110】
上記実施形態では、ステップS53において、領域補正手段57は、タッチミス回数が設定回数を超えた操作有効領域Rを、誤接触位置に近づくように補正したが、補正を実行するタイミングは、特に制限されない。例えば、メニュー画面から戦闘画面に遷移するためのボタンに対するタッチミスが判別されたことで、タッチミス回数が設定回数を超えた場合、次にメニュー画面が表示されたときに(例えば戦闘画面からメニュー画面に戻ったときに)領域補正手段57は、メニュー画面の画面遷移ボタンに対応する操作有効領域Rを補正してもよい。また、タッチスクリーンに対してユーザが長押し操作をしている途中で、長押し操作がタッチミスと判別された場合、領域補正手段57は、長押し操作中に操作有効領域Rを補正してもよい。また、上記第2実施時形態のように、誤接触位置が判別されたタッチミス回数が、サーバ装置4の記憶部に記憶され、サーバ装置4側の制御部5bにおいてタッチミス回数が設定回数を超えたと判定された場合、サーバ装置4側の制御部5bは、有効領域を補正するためのゲームデータを生成し、各ゲーム装置1に送ってもよい。各ゲーム装置1に有効領域を補正するためのゲームデータを送るタイミングは、ゲームのアップデートのタイミングであってもよい。
【0111】
上記実施形態では、受付画像表示手段52aが、領域補正手段57により操作有効領域Rが補正されるときに、誤接触位置に近づくように操作対象画像Bの表示態様を補正したが、領域補正手段57により操作有効領域Rが補正されるときに、操作対象画像Bはそのまま維持されてもよい。すなわち、操作有効領域Rのみが補正されてもよい。
【0112】
領域補正手段57は、誤接触位置に近づくように補正した操作有効領域Rに対して、補正後の誤接触位置の判別に応じて更に補正してもよい。例えば一度拡大した操作有効領域Rに対して、いまだにタッチミスが生じると判別されると、拡大した操作有効領域Rが更に拡大されてもよい。
【0113】
例えば、ゲームを始めたばかりのユーザは、不慣れのためタッチミスをしやすいが、ゲームに慣れてくるとタッチミスが減ることが考えられる。領域補正手段57は、補正した操作有効領域Rに対する接触位置に応じて、補正した操作有効領域Rを、あるタイミングで一度にまたは段階的に補正前の元の操作有効領域Rに戻してもよい。すなわち、領域補正手段57は、補正した操作有効領域Rを縮小することもあり得る。
【0114】
タッチミス判別手段は、ゲーム状況に応じて判別条件を変更してもよい。例えば、ゲーム状況は、タッチスクリーンに表示されるゲーム画面の種類(どのようなシーンを表示する画面か)であり得る。例えばタッチスクリーンにメニュー画面が表示されている場合、ユーザは、メニュー画面中の仮想ボタンなどを焦ることなくタッチ操作できるが、例えばタッチスクリーンに、ユーザに所定時間内のタッチ操作を要求するような戦闘画面が表示されている場合、ユーザが仮想ボタンを焦ってタッチ操作することが考えられる。このため、例えば戦闘画面が表示されている場合には、メニュー画面が表示されている場合に比べて、有効領域に対するタッチミスと判別されやすくしてもよい。例えば、戦闘画面表示中の上記のステップS24,S32の設定値を、メニュー画面表示中のものと比べて大きくしてもよい。このように、ゲーム状況に応じた判別条件とすることで、接触位置が、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因したものか否かの判別の精度を向上できる。
【0115】
また、ゲーム運営者やゲーム開発者にとって、タッチしてほしい有効領域(例えば期間限定のイベントに誘導する仮想ボタンなど)は、他の有効領域に比べてタッチミスと判別されやすくしてもよい。
【0116】
また、領域補正手段は、ゲーム状況に応じて操作有効領域の補正の態様を変更してもよい。例えば、タッチミスが起こりやすい戦闘画面上の有効領域は、メニュー画面上の有効領域に比べて、補正の程度(接触位置へ近づく度合い)を大きくしてもよい。このように操作有効領域の補正の態様をゲーム状況に応じたものとすることで、操作有効領域に対して適切な補正を実行しやすい。
【0117】
領域補正処理の実行を許可するか否かをユーザが選択できてもよい。ユーザによっては、有効領域の補正や、それに伴い発生し得るUIデザインの変更を煩わしく感じる場合があるためである。
【0118】
上記第2実施形態では、サーバ装置4に蓄積された誤接触情報を用いて、領域補正処理が、ユーザの属性(例えば年齢層)ごとに実行されたが、サーバ装置4に蓄積された誤接触情報を用いて、領域補正処理が、ユーザの属性に関係なく全ユーザに対して実行されてもよい。この場合、ゲーム画面のUIデザインを、プログラム開発者側でアップデートすることなく、自動的にUIデザインを全ユーザにとって最適なものに変更できる。
【0119】
領域補正手段は、誤接触位置が、画面を分割した複数の分割領域のうちのいずれの分割領域に含まれるかに応じて、操作有効領域の補正の態様を変更してもよい。判別条件は、誤接触位置が、画面を分割した複数の分割領域のうちの特定の分割領域に含まれるという条件を含んでもよい。これにより、接触位置が分割領域に含まれるか否かといった簡単な演算で、接触位置が、操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因したものか否かの判別ができる。
【0120】
誤接触情報記憶手段は、有効領域ごとに誤接触位置が判別されたタッチミス回数を記憶部に記憶する代わりに、画面を分割した分割領域ごとに誤接触位置が判別されたタッチミス回数を記憶部に記憶してもよい。領域補正手段は、分割領域ごとに、タッチミス回数が設定回数を超えたか否かを判定し、タッチミス回数が設定回数を超えたと判定した場合、領域補正手段57は、タッチミス回数が設定回数を超えた分割領域に配置される複数の画面における有効領域Rを、誤接触位置に近づくように補正してもよい。これにより、画面上におけるタッチミスが起こりやすい位置にある有効領域を一括で補正することが可能である。例えば、指が届きにくいなどの理由で、有効領域の配置や大きさというよりは、有効領域が配置される画面上の位置がタッチミスの要因となる場合がある。このような場合でも、タッチスクリーンに表示される画面を、縦に4つの領域に、横に6つの領域に分けることにより、計24個の領域に分割したときに、画面右上隅の分割領域について、タッチミス回数が設定値を超えたと判定した場合には、領域補正手段は、ある画面(例えばメニュー画面)の右上隅の分割領域が含む有効領域も、別のある画面(例えば戦闘画面)の右上隅の分割領域が含む有効領域も、誤接触位置に近づくように補正し得る。
【0121】
上記実施形態では、ユーザ判定手段51によるユーザ判定は、ユーザ登録によって記憶部に記憶されたユーザ情報に基づいて行われたが、タッチスクリーンに対するユーザの操作傾向からユーザの属性を判別するプログラムを実行することで行われてもよい。
【0122】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態、変形例、その他の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0123】
[開示のまとめ]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施の形態の開示である。
【0124】
[項目1]
画面を有する表示部およびユーザが接触操作した前記画面上の接触位置を検出するタッチパネルを含むタッチスクリーンと、コンピュータとを備えたゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
操作有効領域を前記画面上に設定する領域設定手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にあるか否かを判定する入力判定手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にあると判定された場合、前記操作有効領域に対応するゲーム処理を実行する処理実行手段、
前記接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された場合、前記接触位置が所定の判別条件を満たすか否かを判定し、前記判別条件を満たすと判定した場合、前記接触位置を、前記操作有効領域に対するユーザのタッチミスに起因する位置である誤接触位置であると判別するタッチミス判別手段、および、
前記誤接触位置に近づくように前記操作有効領域を補正する領域補正手段、
として機能させる、ゲームプログラム。
【0125】
[項目2]
前記判別条件は、前記接触位置である第1接触位置が前記操作有効領域内にないと判定された後のユーザの接触操作による前記画面上の第2接触位置が前記操作有効領域内にあるという条件を含む、項目1に記載のゲームプログラム。
【0126】
[項目3]
前記判別条件は、前記第1接触位置と前記第2接触位置との距離が予め定められた設定値以下であるという条件を含む、項目2に記載のゲームプログラム。
【0127】
[項目4]
前記判別条件は、前記誤接触位置が、前記画面を分割した複数の分割領域のうちの特定の分割領域に含まれるという条件を含む、項目1~3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0128】
[項目5]
前記領域補正手段は、前記誤接触位置が前記操作有効領域に含まれるように、前記操作有効領域の位置、大きさおよび形状の少なくとも1つを変更する、項目1~4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0129】
[項目6]
前記タッチミス判別手段は、ゲーム状況に応じて前記判別条件を変更する、項目1~5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0130】
[項目7]
前記領域補正手段は、ゲーム状況に応じて前記操作有効領域の補正の態様を変更する、項目1~6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0131】
[項目8]
前記ゲームシステムは、記憶部を備え、
前記記憶部には、前記操作有効領域の補正に関する1以上の領域補正情報が、ユーザまたはユーザの属性に関する1以上のユーザ情報とそれぞれ関連付けられて記憶されており、
前記領域設定手段は、前記記憶部に記憶された前記ユーザ情報の中から1のユーザ情報を特定し、特定した前記ユーザ情報に対応する領域補正情報に基づいて補正された前記操作有効領域を前記画面上に設定する、項目1~7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0132】
[項目9]
項目1~8のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、ゲームシステム。
【符号の説明】
【0133】
1 :ゲーム装置
2 :タッチスクリーン
4 :サーバ装置
5 :制御部
10a :ゲームプログラム
40a :ゲームプログラム
51 :ユーザ判定手段
52 :画像表示手段
52a :受付画像表示手段
53 :領域設定手段
54 :入力判定手段
55 :処理実行手段
56 :タッチミス判別手段
57 :領域補正手段
58 :誤接触情報記憶手段
100 :ゲームシステム