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特開2024-30933情報提供装置、ユーザ端末及び情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030933
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報提供装置、ユーザ端末及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240229BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134180
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 実
(72)【発明者】
【氏名】坂本 果穂
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB05
2F129CC15
2F129CC16
2F129EE43
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF57
5H181AA23
5H181BB04
5H181CC12
5H181EE05
5H181FF05
5H181FF14
5H181FF25
(57)【要約】
【課題】地物及びその周囲に関するより適切な情報をユーザに対して提示すること。
【解決手段】外部装置からの地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて指定された地物に関する地物関連情報を提供する情報提供装置、地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された出力情報を出力するユーザ端末、またはそれらを備える情報提供システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置からの、地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて、指定された地物に関する地物関連情報を提供する情報提供装置であって、
前記地物を識別する符号情報である地物識別情報に対応付けて、前記地物関連情報を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記地物関連情報から、前記情報提供要求に応じて前記指定された地物に関する地物関連情報を選び出す選択部と、
前記選択部で選択された情報を、前記情報提供要求を行った外部装置に対して送信する通信部と、
前記保持部に保持された前記地物関連情報の変更に係る情報を取得する更新情報取得部と、
前記更新情報取得部が取得した情報に基づいて前記保持部に保持された前記地物関連情報を更新する更新部と、
を備え、
前記地物を指定する情報は、前記地物識別情報若しくは前記地物が設置された位置を示す情報である、情報提供装置。
【請求項2】
前記地物関連情報が、期間限定の情報を含む、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
地物を識別する符号情報である地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された出力情報を出力するユーザ端末であって、
前記地物識別情報を取得する指定情報取得部と、
外部装置との通信を行う通信部と、
前記指定情報取得部が取得した情報に基づく外部装置への情報提供要求を前記通信部に対して指示し、かつ、前記通信部が前記外部装置から受信した、前記指定された地物に関する地物関連情報を用いて出力情報を準備する出力情報準備部と、
前記出力情報準備部が準備した前記出力情報を出力する出力部と、
を備える、ユーザ端末。
【請求項4】
地物読取部を更に有し、
前記地物読取部が地物に設けられたICタグに記録されたタグIDを読み取り、
前記指定情報取得部は、前記地物読取部から前記タグIDを前記地物識別情報として取得する、請求項3に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記地物に設けられたICタグはさらに周囲情報を記録していて、
前記指定情報取得部は、前記地物読取部から前記タグIDに加えて前記周囲情報を取得し、
前記出力情報準備部は、前記周囲情報にも基づいて、前記出力情報を準備する、請求項4に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記出力情報準備部は、前記周囲情報に基づいた前記出力情報の準備において前記外部装置との通信を行わずに出力情報を準備する、請求項5に記載のユーザ端末。
【請求項7】
地物を識別する符号情報である地物識別情報が記録されたICタグが設けられたICタグ付き地物と、
前記ICタグ付き地物から前記地物識別情報を取得すると共に、前記地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された、所定のサービスに関する出力情報をユーザに対して提示するユーザ端末と、
前記ユーザ端末に対して前記所定のサービスを提供するための情報を管理する管理装置と、
前記管理装置から送信される地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて、指定された地物に関する地物関連情報を前記管理装置に対して提供する情報提供装置と、
を含む、情報提供システムであって、
前記管理装置は、前記ユーザ端末から前記地物識別情報を受信すること及び前記地物を指定する情報を含む前記情報提供要求を前記情報提供装置へ送信することによって、前記情報提供装置から送信される前記指定された地物に関する地物関連情報を取得すると共に、当該地物関連情報を含む前記所定のサービスに関する情報を前記ユーザ端末に提供し、
前記情報提供装置は、
前記地物識別情報に対応付けて、前記地物関連情報を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記地物関連情報から、前記情報提供要求に応じて前記指定された地物に関する地物関連情報を選び出す選択部と、
前記選択部で選択された情報を、前記情報提供要求を行った外部装置に対して送信する通信部と、
前記保持部に保持された前記地物関連情報の変更に係る情報を取得する更新情報取得部と、
前記更新情報取得部が取得した情報に基づいて前記保持部に保持された前記地物関連情報を更新する更新部と、
を備え、
前記地物を指定する情報は、前記地物識別情報若しくは前記地物が設置された位置を示す情報である、情報提供システム。
【請求項8】
前記地物識別情報がタグIDであって、
前記地物を指定する情報がタグIDまたは前記地物が設置された位置を示す情報であって、
前記情報提供システムが道案内システムであって、
前記ICタグにさらに周囲情報が記録されており、
前記周囲情報を元にした前記出力情報の準備において前記管理装置との通信を行わずに出力情報を準備する、
請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置、ユーザ端末及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地物及びその周囲環境に関する情報は、道案内を始めとした多くのサービスの提供に有用である。この点について、特許文献1には、道路に設置され、情報格納手段を有する複数のタグと、タグリーダーと、タグリーダーからの情報を歩行者に提供する案内手段とを備える通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-309305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法においては、道路に設置された1つ1つのタグに歩行者に提供される情報が格納されているため、地物及びその周囲に関するより適切な情報をユーザに対して提示することは困難であった。
【0005】
本開示は上記を鑑みてなされたものであり、地物及びその周囲に関するより適切な情報をユーザに対して提示することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報提供装置は、外部装置からの地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて、指定された地物に関する地物関連情報を提供する情報提供装置であって、前記地物を識別する符号情報である地物識別情報に対応付けて、前記地物関連情報を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記地物関連情報から、前記情報提供要求に応じて前記指定された地物に関する地物関連情報を選び出す選択部と、前記選択部で選択された情報を、前記情報提供要求を行った外部装置に対して送信する通信部と、前記保持部に保持された前記地物関連情報の変更に係る情報を取得する更新情報取得部と、前記更新情報取得部が取得した情報に基づいて前記保持部に保持された前記地物関連情報を更新する更新部と、を備え、前記地物を指定する情報は、前記地物識別情報若しくは前記地物が設置された位置を示す情報である。
【0007】
上記の情報提供装置によれば、地物に関する地物関連情報を一元的に管理及び更新することが可能となるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0008】
ここで、前記地物関連情報は、期間限定の情報を含む態様であってもよい。
【0009】
上記のように、地物関連情報が期間限定の情報を含むことで、ユーザに提供可能な情報に期間限定の情報を含めることができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0010】
本開示の一実施形態に係るユーザ端末は、地物を識別する符号情報である地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された出力情報を出力するユーザ端末であって、前記地物識別情報を取得する指定情報取得部と、外部装置との通信を行う通信部と、前記指定情報取得部が取得した情報に基づく外部装置への情報提供要求を前記通信部に対して指示し、かつ、前記通信部が前記外部装置から受信した、前記指定された地物に関する地物関連情報を用いて出力情報を準備する出力情報準備部と、前記出力情報準備部が準備した前記出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0011】
上記のユーザ端末によれば、指定情報取得部が取得した地物識別情報によって地物を指定することで、指定した地物に関する地物関連情報を外部装置から取得して出力情報として出力することができる。したがって、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0012】
ここで、前記ユーザ端末は、地物読取部を更に有し、前記地物読取部が地物に設けられたICタグに記録されたタグIDを読み取り、前記指定情報取得部は、前記地物読取部から前記タグIDを前記地物識別情報として取得する態様であってもよい。
【0013】
上記の構成とすると、ユーザ端末は地物読取部によりICタグから非接触で読み取ったタグIDを地物識別情報として用いることで地物関連情報を外部装置から取得できる。このように、地物識別情報としてICタグに記録されたタグIDを用いることで、より簡単に地物関連情報を取得することができる。
【0014】
ここで、前記地物に設けられたICタグはさらに周囲情報を記録していて、前記指定情報取得部は、前記地物読取部から前記タグIDに加えて前記周囲情報を取得し、前記出力情報準備部は、前記周囲情報にも基づいて、前記出力情報を準備する態様であってもよい。
【0015】
上記の構成とすることで、上記ユーザ端末は地物関連情報に加えて、周囲情報に係る出力情報の出力も行うことができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0016】
ここで、前記出力情報準備部は、前記周囲情報に基づいた前記出力情報の準備において前記外部装置との通信を行わずに出力情報を準備する態様であってもよい。。
【0017】
上記の構成とすることで、ユーザ端末は停電等で外部装置との通信が行えなかったとしても、周囲情報に基づいた出力情報を出力することができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0018】
本開示の一実施形態に係る情報提供システムは、地物を識別する符号情報である地物識別情報が記録されたICタグが設けられたICタグ付き地物と、前記ICタグ付き地物から前記地物識別情報を取得すると共に、前記地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された、所定のサービスに関する出力情報をユーザに対して提示するユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して前記所定のサービスを提供するための情報を管理する管理装置と、前記管理装置から送信される地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて、指定された地物に関する地物関連情報を前記管理装置に対して提供する情報提供装置と、を含む、情報提供システムであって、前記管理装置は、前記ユーザ端末から前記地物識別情報を受信すること及び前記地物を指定する情報を含む前記情報提供要求を前記情報提供装置へ送信することによって、前記情報提供装置から送信される前記指定された地物に関する地物関連情報を取得すると共に、当該地物関連情報を含む前記所定のサービスに関する情報を前記ユーザ端末に提供し、前記情報提供装置は、前記地物識別情報に対応付けて、前記地物関連情報を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記地物関連情報から、前記情報提供要求に応じて前記指定された地物に関する地物関連情報を選び出す選択部と、前記選択部で選択された情報を、前記情報提供要求を行った外部装置に対して送信する通信部と、前記保持部に保持された前記地物関連情報の変更に係る情報を取得する更新情報取得部と、前記更新情報取得部が取得した情報に基づいて前記保持部に保持された前記地物関連情報を更新する更新部と、を備え、前記地物を指定する情報は、前記地物識別情報若しくは前記地物が設置された位置を示す情報である。
【0019】
上記の情報提供システムによれば、ユーザ端末を利用して、情報提供装置において一元的に管理及び更新することが可能な地物関連情報を用いたサービスを提供することができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0020】
ここで、前記情報提供システムは、前記地物識別情報がタグIDであって、前記地物を指定する情報がタグIDまたは前記地物が設置された位置を示す情報であって、前記情報提供システムが道案内システムであって、前記周囲情報を元にした前記出力情報の準備において前記管理装置との通信を行わずに出力情報を準備する態様であってもよい。
【0021】
上記構成とすることで、上記システムは、一元的に管理及び更新可能な地物関連情報を用いて、ユーザに対して出力情報として道案内サービスを提供することができ、かつ、停電等で管理装置とユーザ端末との通信が行えなかったとしても、周囲情報に基づいた出力情報をユーザに対して提供することができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、地物及びその周囲に関するより適切な情報をユーザに対して提示することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の一形態に係る地物情報サービス提供システムの概要を説明する図である。
図2図2(a)~図2(c)は、本開示の地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合における、ICタグ入り点字ブロックの一例を示す図である。
図3図3は、地物情報サービス提供システムの機能構成を説明する図である。
図4図4は、タグ情報の一例を示す図である。
図5図5は、タグ情報提供装置、地物読取機、ユーザ端末及びサービス管理装置のハードウェア構成を示す図である。
図6図6は、本開示の地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合の、第1動作方法を説明するシーケンス図である。
図7図7は、本開示の地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合の、第2動作方法を説明するシーケンス図である。
図8図8は、本開示の地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合の、第1動作方法及び第2動作方法を併用した道案内の一例を説明するフロー図である。
図9図9は、本開示の地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合の、第3動作方法を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
[地物情報サービス提供システムの概要]
図1は、本開示の一形態に係る地物情報サービス提供システム1(情報提供システム)の概要を説明する図である。図1では、地物情報サービス提供システム1が、視覚障碍者向けの道案内に係るサービスをユーザUに対して提供するシステムである場合について説明する。地物情報サービス提供システム1は、地物に設けられたICタグが読み取られたことに応じて、ユーザ端末を介して所定のサービスに関する出力情報をユーザUに対して提示するシステムである。地物情報サービス提供システム1は、ICタグ入り地物10、タグ情報提供装置20、地物読取機30、ユーザ端末40及びサービス管理装置50を含んで構成される。
【0026】
ICタグ入り地物10(ICタグ付き地物)は、タグID及び周囲情報が記録されたICタグを設けられた地物である。地物は、地上に存在する天然または人工のすべての物体であるが、本開示のICタグ入り地物10に係る地物としては、地物に該当するもののうち、交通施設、建物等の構造物、または構造物を構成する部材が挙げられる。交通施設としては、道路、鉄道、橋梁、トンネル、インターチェンジ等交通に関係する施設に加えて、ガードレール等の道路または鉄道に設置される案内表示等に関する構造物も含まれる。また、構造物を構成する部材としては、例えば、信号の柱、橋梁の欄干、建物内の床板等のように、建築物または構造物の一部となる部材にくわえて、ビル内に設置される案内表示など建築物等に設置される部材等も含まれる。例えば、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスである場合、地物は、例えば視覚障害者誘導用ブロック(以下では、「点字ブロック」とも表記する。)、縁石または床板であってもよい。図2を参照しながら、ICタグ入り地物10の一例として、ICタグ入り点字ブロック10Aについて説明する。ICタグ入り点字ブロック10Aは、本体部11、突起部12及びICタグ13を含んで構成される。
【0027】
本体部11は、ICタグ入り点字ブロック10Aの本体を形成する。本体部11の形状は特に限定されず、例えば底面が正方形の直方体であってもよい。本体部11は、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)等に係る日本工業規格(JIS T9251(2014))に準拠した構成であってもよい。
【0028】
突起部12は、図2に示すように、本体部11における上面(ICタグ入り点字ブロック10Aを設置した際に地面に接する面と反対側の面)から突出している。視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)等に係る日本工業規格(JIS T9251(2014))に準拠する場合、突起部12の形状及び配置は歩行方向の指示等を行う線状突起と注意を喚起する位置を示すための点状突起の2種類に大別されるが、突起部12の形状及び配置はそのいずれであってもよい。図2では、突起部12が線状突起である場合の例を模式的に示している。
【0029】
ICタグ13は、本体部11に設けられており、内部にICチップとアンテナを有している。ICタグ13のICチップにはタグID及び周囲情報が記録されている。タグIDは、ICタグごとに割り当てられた地物識別情報の一種であり、複数のICタグ13の中から特定のICタグ13を特定することが可能な情報である。地物識別情報とは、地物を識別するための符号情報であり、例えば、文字、記号等の組み合わせで表現することができる。本実施形態では、地物識別情報の一例として、数字を含む文字列によって表現されたタグIDが使用される。1つのタグIDによって1つのICタグ13が特定されるので、1つのICタグ入り地物10に1つのICタグ13を設けることとすれば、1つのタグIDにより1つのICタグ入り地物10を特定することができる。周囲情報は、ICタグ入り地物10の周囲環境に係る情報であって、サービスを提供する対象となるユーザUにとって肝要な情報である。一例として、視覚障碍者が移動する際には、ICタグ入り地物の周囲の構造物の情報が、視覚障碍者の行動に肝要な情報となる。このように、ICタグ入り地物10の周囲に関する情報のうち、サービスの利用者であるユーザUにとって、サービスと関連して肝要となると推定される情報が周囲情報としてICタグ13に記録される。視覚障碍者向けの道案内サービスの場合、周囲情報は、例えば地物の周囲に横断歩道、階段、段差、信号または踏切等が存在することを示す情報等であってもよい。上記タグID及び上記周囲情報は、RFIDリーダー等によって上記アンテナとの間で電波の送受信を行うことで、非接触の方法で保存された情報を読み取ることができ、また必要に応じて書き換えることができる。
【0030】
ICタグ13は、例えば電源の供給が必要ないICタグ(パッシブタグ)等により実現される。ICタグ13は地物に埋め込まれていてもよく、樹脂等に封入された状態で地物に設けられていてもよい。図2(b)及び図2(c)に示すように、ICタグ13は、平面視において突起部12と重ならない位置に埋め込まれていてもよい。このような構成とすることで、歩行者の歩行などによって突起部12が受ける衝撃によってICタグ13が破損することが防がれる。それぞれのICタグ入り地物10及びその周囲環境に係るより多くの情報(地物関連情報)は、タグIDに紐づけられてタグ情報提供装置20に保持されている。ICタグ13に記録されたタグID及び周囲情報は、地物読取機30により読み取られる。
【0031】
なお、ICタグ入り地物10として上記の点字ブロックとは異なる地物を用いることができる。例えば、ICタグ入り地物10が、例えばセミフラット型式、マウントアップ型式若しくはフラット型式の歩道又は路側帯等(以下では、歩道等とも記載する。)である場合、ICタグ入り地物10の本体部11が歩道等を構成するセメント又は常温アスファルト等となる。このような場合、ICタグ13は、本体部11を構成するセメント又は常温アスファルト等を設置する際に、溶解状態のセメント又は常温アスファルト等に混合して一緒に埋め込み設置してもよい。この場合、セメント及び常温アスファルト等は少量の水分を透過してしまうため、水分からICタグ13を保護する必要がある。そこで、ICタグ13の周囲を、酸及びアルカリに強い塩化ビニール系又はオレフィン系の樹脂で包囲され密封した樹脂成形体を形成し、樹脂成型体の状態でセメント又は常温アスファルト等に混合することとしてもよい。また、設置作業の効率化の観点から、ICタグ13を含む樹脂成形体を含んで構成されたセメント又は常温アスファルト等の成形体をあらかじめ作成し、該成形体を歩道等に埋め込んでICタグ入り地物10としてもよい。このようにICタグ入り地物10は種々の地物に適用することができる。また、地物情報サービス提供システム1が、視覚障碍者向けの道案内に係るサービスをユーザUに対して提供するシステムである場合に、ICタグ入り地物10として、ICタグ入り点字ブロック10Aに加えて、上述したICタグ13が設けられた歩道等も用いることにより、ユーザUは、点字ブロックの設置されていない場所を移動する際にも、歩道等に設けられたICタグ13の読み取りを介して道案内に係るサービスを継続して享受することができる。
【0032】
タグ情報提供装置20は、地物に関連する地物関連情報として、複数のタグIDそれぞれに紐づけられた状態のICタグ入り地物10及びその周囲環境に係る情報(タグ情報)を保持している。タグ情報提供装置20が保持するタグID毎に保持されるタグ情報には、ICタグ入り地物10の周辺に存在する店舗の情報のような一般的な情報に加えて、特定のサービスの提供に有用な情報や、期間限定の情報を含んでもよい。特定のサービスの提供に有用な情報としては、例えばあるICタグ入り地物10に隣接するICタグ入り地物10に設けられたICタグ13に記録されたタグID等の道案内に有用な情報が挙げられる。期間限定の情報としては、例えばイベントに係る情報等が挙げられる。また、タグ情報提供装置20が保持するタグ情報はURL等を含み、該URL等によって必要に応じて外部装置の情報、例えばICタグ入り地物10周辺の気象情報または交通情報(渋滞情報、踏切の開閉、信号の表示等)等の時間依存的に変化する情報を取り込むことができてもよい。これらのタグ情報は、必要に応じて人間が更新することができるようにしてもよく、外部装置が更新できるようにしてもよい。
【0033】
地物読取機30は、ICタグ入り地物10に設けられたICタグ13に記録されたタグID及び周囲情報を読み取る。また、地物読取機30は、ICタグ13から読み取った情報を読取情報としてユーザ端末40に送信する。地物読取機30は、ユーザ端末40と連携している、または一体となっている。地物読取機30とユーザ端末40の連携方法は、有線接続であってもよく、無線接続であってもよい。例えば、図1に示すように、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、ICタグ入り地物10はICタグ入り点字ブロック10Aであって、地物読取機30は白杖60の先端付近に取り付けられていて、1人のユーザUが互いに連携した1つの地物読取機30及び1つのユーザ端末40を所持していてもよい。この場合、視覚障碍者であるユーザUが白杖60を用いてICタグ入り地物10を確認すると、地物読取機30がICタグ13に記録されたタグID及び周囲情報を読み取り、読取情報を同一のユーザUが所持するユーザ端末40に送信する。
【0034】
ユーザ端末40は、ユーザUに対して出力情報を提供する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット等であってよい。出力情報は、ユーザUに提供される地物情報サービスの内容を含んだデータであり、例えば地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、出力情報は、道案内音声である。ユーザ端末40は、ユーザUによって入力される情報(ユーザ入力情報)を取得することができる。例えば地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、ユーザ入力情報にはサービスの利用に必要な情報、例えば、目的地情報、出発地情報または到着予定時刻等の情報が含まれうる。ユーザ端末40は、後述するサービス情報、読取情報及びユーザ入力情報に基づいて出力情報を出力する。一方、一実施形態においては、ユーザ端末40は、読取情報に含まれる情報のうちの、特に周囲情報に係る出力情報を、サービス管理装置50との情報の授受を介さず、独立して出力できるものとする。これにより、停電等の事態によりサービス管理装置50との通信が途切れたとしても、ユーザ端末40は周囲情報をユーザUに提供することができる。例えば地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、周囲情報として、横断歩道や階段が存在するため危険である等の情報を、停電等の状況下でもユーザUに対して提供することができる。
【0035】
サービス管理装置50は、ユーザUに対して提供するサービスに係る情報を提供する。サービス管理装置50は、ユーザ端末40から受信した情報を元に、タグ情報提供装置20からタグ情報を取得して、または、タグ情報提供装置20から取得したタグ情報に基づいて生成及び保持した情報を用いて、サービス情報を準備する。サービス情報とは、ユーザ端末40が出力情報を準備するための情報であり、ユーザUに対して所定のサービスに関する情報を提示する際に使用される情報である。サービス管理装置50は、上記のサービス情報を準備し、ユーザ端末40に送信する。ユーザ端末40とサービス管理装置50との間、及びタグ情報提供装置とサービス管理装置50との間は、例えば通信回線としてのインターネットを介して接続されていてもよく、通信回線はインターネットに限定されない。
【0036】
[地物情報サービス提供システム]
図3及び4を参照しながら、地物情報サービス提供システム1の各部についてさらに説明する。図3は、地物情報サービス提供システム1を構成するタグ情報提供装置20、地物読取機30、ユーザ端末40及びサービス管理装置50の機能構成を示す図である。図4は、タグ情報の一例を示す図である。
【0037】
図3に示すように、タグ情報提供装置20は、タグ情報保持部21(保持部)、タグ情報選択部22(選択部)、タグ情報通信部23(通信部)、更新部24及び更新情報取得部25を含んで構成される。
【0038】
タグ情報保持部21は、ICタグ13に記録されたタグIDに紐づけられたタグ情報を、タグID毎に保持する。タグ情報は、図4に示すように、少なくともタグIDにより選択可能な態様により保持されている。また、タグIDに加えて該タグIDが記録されたICタグ13が設けられたICタグ入り地物10の位置情報も保持しており、一実施形態においては、該位置情報によってもタグ情報を選択可能な態様でタグ情報を保持している。
【0039】
図4では、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合に使用され得るタグID毎のタグ情報を集約した地物関連情報の例を示している。図4に示す例では、タグ情報として、ICタグ入り地物10に設けられたICタグ13を特定する情報であるタグIDに紐づけて、位置情報としての緯度経度情報、経路特徴、近隣施設、隣接点字ブロック、期間限定情報、気象情報、及び交通情報が保持されている。位置情報は、地物の設置場所の緯度経度情報に代えて、住所等が用いられていてもよい。経路特徴とは、ICタグ入り地物10が設けられている場所の特徴を示す情報である。また、近隣施設とは、ICタグ入り地物10が設けられている場所の近隣施設(設備等を含む)のうち代表的なものを示す情報である。隣接点字ブロックとは、あるタグIDが記録されたICタグ13が設けられたICタグ入り地物10に隣接するICタグ入り地物10を特定する情報(当該ICタグ入り地物10におけるICタグ13が記録するタグID)を含む。隣接するICタグ入り地物10に対応するタグIDをタグ情報として含むと、道案内に係る経路を隣接するICタグ入り地物を辿る順番として生成することが容易になる。また、期間限定情報とは、地物の周辺の情報のうち、期間限定で取り扱われる情報である。期間限定情報として、例えば展示物に係る情報を含むことで、ユーザUに対して期間限定の展示についての情報に係るサービスを提供することに利用することが可能となる。また、気象情報及び交通情報は、ICタグ入り地物10が設けられている場所に関する気象情報及び交通情報である。なお、図4では、これらの情報がURLによって記述される例を示している。このように、タグ情報は、サービスにおいて特定のユーザに対して情報を提供する目的で用いられる情報、またはURL等の必要に応じて外部装置の情報を取り込むことができる情報等を含んでもよい。なお、以下の実施形態では、タグ情報に含まれてもよい情報の種類を示す情報、すなわち図4に示す経路特徴、近隣施設、隣接点字ブロック等の情報を、「カテゴリ」と記載する場合がある。
【0040】
タグ情報保持部21は、タグ情報を書き換え(更新)可能な態様により保持する。このとき、図4に示すように、気象状況や交通状況のように時間依存的な変化が大きい情報については、タグ情報としてそれらの情報を外部装置から取り込み可能なURL等を含むことによって、逐一タグ情報が更新されなくても、最新の情報に係るサービスの提供に利用することが可能となる。
【0041】
タグ情報選択部22は、タグ情報保持部21に保持された複数のタグ情報から、サービス管理装置50からの要求に応じて、タグ情報を選択して抽出する。タグ情報選択部22は、タグIDに基づいてタグ情報の抽出を行ってもよく、位置情報に基づいてタグ情報の抽出を行ってもよい。すなわち、タグIDまたは位置情報を、地物を指定する情報として利用してもよい。また、抽出するタグ情報は、タグIDまたは位置情報に加えて、さらに任意のカテゴリの情報が含まれてもよい。このとき、抽出される情報のカテゴリは、サービス管理装置50からの要求に基づいて定められてもよい。例えば、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、隣接するタグ情報は隣接するICタグ入り点字ブロック10Aに対応するタグID、及びICタグ入り点字ブロック10Aの周辺に存在する店舗の情報等を含んでもよい。
【0042】
タグ情報通信部23は、サービス管理装置50とのデータ及び要求等の送受信を行う。すなわち、タグ情報通信部23は、サービス管理装置50からの要求を受信してタグ情報選択部22に伝達する機能、及びタグ情報選択部22が抽出したタグ情報をサービス管理装置50に送信する機能を有する。
【0043】
更新部24は、タグ情報保持部21に保持された地物関連情報を、後述の25が取得する更新命令に応じて更新する。更新部24は、タグ情報保持部21に保持された地物関連情報、すなわち、タグID毎に保持されるタグ情報の追加、削除及び変更のいずれも行うことができる。タグ情報の更新の目的としては、例えば店舗の入れ替わり若しくは建て替え等による周辺環境の変化に伴うタグ情報の置換、ICタグ入り地物の新設等に伴うタグID増加によるタグ情報の増加、またはイベントの開催等に伴うカテゴリ増加によるタグ情報の増加等が挙げられる。
【0044】
更新情報取得部25は、タグ情報保持部21に保持される地物関連情報の更新命令及び更新に必要な情報、すなわち地物関連情報の変更に係る情報(更新情報)をタグ情報提供装置20の外部から取得する。更新情報取得部25が取得した更新命令は、更新部24により実行され、タグ情報保持部21に保持された地物関連情報、すなわち、タグID毎のタグ情報が更新される。更新命令及び更新情報は、人間による入力により取得されてもよく、外部装置から取得されてもよい。更新命令及び更新情報が外部装置から取得される場合、その取得は能動的な取得、すなわち例えば地物関連情報の刷新のために必要な更新情報を更新情報取得部25が定期的に取得するようプログラムされた態様の取得であってもよく、受動的な取得、すなわち例えば周囲環境に存在する店舗が変更されたことを認識した外部装置から、地物関連情報に含まれる店舗の情報を更新する命令を更新情報取得部25が順次取得するような態様の取得であってもよい。
【0045】
地物読取機30(地物読取部)は、ICタグ読取部31及び読取情報送信部32を含んで構成される。
【0046】
ICタグ読取部31は、ICタグ入り地物10に設けられたICタグ13に記録されたタグID及び周囲情報を読み取る。読み取りは非接触の方法により行われてよく、読み取りの簡便性を担保し、かつICタグ13への電源供給が必須でなくなる観点から、例えばRFIDリーダーであってもよい。ICタグ13の読み取りは、例えばICタグ読取部31がICタグ入り地物10に設けられたICタグ13を読み取り可能な距離(例えば30cm)までICタグ13と近接したことを条件に自動的に読み取りが行われてもよい。
【0047】
読取情報送信部32は、ICタグ読取部31が読み取った読取情報をユーザ端末40に接触または非接触の方法で送信する。地物読取機30とユーザ端末40は互いに連携している、または一体となっており、読取情報送信部32は、地物読取機30が連携している、または一体となっているユーザ端末40に読み取り情報を送信する。読取情報のユーザ端末40への送信は、原則として、ICタグ読取部31からの読取情報の受信後、速やかに行われる。
【0048】
ユーザ端末40は、読取情報取得部41(指定情報取得部)、ユーザ入力取得部42、サービス情報通信部43(通信部)、出力情報準備部44及び出力部45を含んで構成される。
【0049】
読取情報取得部41は、地物読取機30から送信された読取情報を受信する。
【0050】
ユーザ入力取得部42は、ユーザUが入力する情報(ユーザ入力情報)を取得する。ユーザ入力情報は、地物情報サービス提供システム1がユーザUにサービス提供するために必要な任意の情報を含んでよい。すなわち、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、例えば目的地、出発地若しくは到着予定時刻等のような道案内のために必須の情報に加えて、ユーザUの年齢、性別若しくは趣味趣向等の周囲環境の案内に有用な情報等を含んでよい。さらに、視覚障碍者向けの道案内サービスの場合であって、一実施形態においてユーザUに複数の経路の候補が提示されるときには、経路の選択に係る情報を含んでもよい。ユーザUがユーザ入力取得部42にユーザ入力情報を入力する方法は特に限定されず、例えば音声入力または文字入力であってよく、過去の入力結果を選択する方法であってもよい。
【0051】
サービス情報通信部43は、ユーザ端末40とサービス管理装置50との間で授受される情報の送受信を行う。サービス情報通信部43が送信する情報には、読取情報取得部41が受信した読取情報に含まれるタグIDが含まれ、ユーザUがユーザ入力取得部42に入力した情報が含まれうる。サービス情報通信部43が受信する情報には、サービス情報が含まれる。
【0052】
出力情報準備部44は、ユーザ端末40が取得した情報、すなわち読取情報取得部41が地物読取機30から受信した読取情報、ユーザ入力取得部42がユーザUによる入力から取得したユーザ入力情報及びサービス情報通信部43がサービス管理装置50から受信したサービス情報をもとに、ユーザUに提供される出力情報を準備する。これらの受信された情報は出力情報準備部44に集約される。地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、出力情報準備部44により準備される出力情報は、道案内音声である。出力情報準備部44は、読取情報取得部41が読取情報に含まれるタグID及びユーザ入力情報の一部について、サービス管理装置50に送信することをサービス情報通信部43に指示する。地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、出力情報準備部44からサービス管理装置50に送信するユーザ入力情報の一部として、例えば目的地、出発地若しくは到着予定時刻等のような道案内のための情報が挙げられる。
【0053】
なお、出力情報準備部44は、読取情報のうち周囲情報を用いて準備する出力情報については、サービス管理装置50との情報の授受を介さずに、周囲情報のみ、あるいは周囲情報及びユーザ入力情報に基づいて準備できるものとする。これにより、停電等の事態によりサービス管理装置との通信が途切れたとしても、ユーザ端末40は周囲情報をユーザUに提供することができる。
【0054】
出力部45は、出力情報準備部44により準備された出力情報を出力し、ユーザUに提供する。出力情報の出力方法は特に限定されず、音声による方法であってもよく、文字または画像等を含む画面表示による方法であってもよい。地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、出力部45は、道案内音声を再生する。
【0055】
サービス管理装置50は、サービス情報準備部51、準備情報保持部52、端末通信部53及びタグ情報取得部54を含んで構成される。
【0056】
サービス情報準備部51は、ユーザ端末40が出力情報を準備するために必要な情報(サービス情報)の準備、及び準備のための種々の処理を行う。例えば、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、サービス情報準備部51は、サービス情報として道案内情報を準備することに加えて、道案内情報の準備のための処理として、例えば出発地から目的地までの経路生成等も行う。
【0057】
準備情報保持部52は、サービス情報準備部51がサービス情報を準備するために必要な任意の情報を保持する。
【0058】
端末通信部53は、ユーザ端末40と情報の送受信を行う。ユーザ端末40から受信する情報には、タグIDが含まれる。また、ユーザ端末40から受信する情報には、ユーザ入力情報が含まれうる。ユーザ端末40に送信する情報には、サービス情報が含まれる。
【0059】
タグ情報取得部54は、タグ情報提供装置20からタグ情報を取得する。すなわち、タグ情報取得部54は、タグ情報提供装置20に対して、タグID及びカテゴリを指定してタグ情報を要求する機能、位置情報及びカテゴリを指定してタグ情報を要求する機能、及び、タグ情報提供装置20から要求(情報提供要求)に対するタグ情報を受信する機能を有する。このように、タグ情報取得部54は、地物を指定する情報としてタグIDまたは位置情報を用いて、タグ情報提供装置20に対して地物に関する地物関連情報を取得する機能を有する。
【0060】
サービス情報準備部51、準備情報保持部52、端末通信部53及びタグ情報取得部54は、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、例えば以下に説明する工程によって、サービス情報を準備し、ユーザ端末40に送信する。まず、端末通信部53がユーザ端末40から、タグID及びユーザ入力情報を受信する。受信された情報は、端末通信部53からサービス情報準備部51に送られる。サービス情報準備部51は、受け取った情報のうち、サービス情報の準備に必要となる情報を準備情報保持部52に保持するともに、サービス情報の準備に必要なタグ情報の要求を、選択に係るタグID及びカテゴリが特定可能な態様でタグ情報取得部54に指示する。タグ情報取得部54は、タグID及びカテゴリに関する情報を伴って、タグ情報提供装置20にタグ情報の要求に係る情報提供要求を送信する。タグ情報提供装置20から、送信した情報提供要求に対応したタグ情報を受信した後、受信したタグ情報はサービス情報準備部51に送られる。サービス情報準備部51は、受け取った情報のうち、サービス情報の準備に必要となる情報を準備情報保持部52に保持する。サービス情報準備部51は、準備情報保持部52に保持された情報を元にサービス情報を準備し、ユーザ端末40への送信を端末通信部53に指示する。そして、端末通信部53がサービス情報をユーザ端末40に送信することで、一連のサービス情報準備及び送信が完了する。これらの工程のうち、タグ情報取得部54とタグ情報提供装置20との通信は毎回行われなくてもよく、一回のタグ情報提供装置20との通信において取得され準備情報保持部52に保持されたタグ情報を元に複数回のサービス情報の準備が行われてもよい。
【0061】
[タグ情報提供装置、地物読取機、ユーザ端末及びサービス管理装置ハードウェア構成]
図5は、タグ情報提供装置20、地物読取機30、ユーザ端末40及びサービス管理装置50に用いられるコンピュータ110のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ110は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、個々の機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネルなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
【0062】
ストレージ103は、コンピュータ110をタグ情報提供装置20等の上述の各装置として機能させるためのプログラム120を記憶する。プロセッサ101がこのプログラム120を実行することで、タグ情報提供装置20等の上述の各装置の各機能モジュールが実現される。プログラム120は、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの非一時的な記録媒体に固定的に記録された上で提供されていてもよい。あるいは、プログラム120は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0063】
なお、タグ情報提供装置20等の上述の各装置は一つまたは複数のコンピュータ110によって構成されていてもよい。特にタグ情報提供装置20及びサービス管理装置50は、複数のコンピュータ110によって構成される場合が想定される。タグ情報提供装置20等が複数のコンピュータ110から構成されている場合、複数のコンピュータ110は、分散配置していてもよく、これらが相互に通信ネットワークNWを介して接続されていてもよい。このように、タグ情報提供装置20等が複数のコンピュータ110が用いられる場合には、通信ネットワークNWを介してこれらのコンピュータ110が互いに接続されることで論理的に1つのタグ情報提供装置20等が構成される。タグ情報提供装置20等として機能するコンピュータ110は限定されない。例えば、タグ情報提供装置20等は大型のコンピュータ110で構成されていてもよいし、パーソナルコンピュータなどの小型のコンピュータ110で構成されていても良い。
【0064】
コンピュータ110をタグ情報提供装置20として機能させるためのプログラムは、例えば、サービス管理装置50からタグ情報を提供する命令を受信する機能と、タグ情報を選択する機能と、タグ情報をサービス管理装置50に送信する機能と、保持されたタグ情報を更新する命令を受信する機能と、タグ情報を更新する機能と、をコンピュータに実行させる。
【0065】
[地物情報サービス提供システムの第1動作方法]
図6を参照しながら、本開示に係る地物情報サービス提供システム1の第1動作方法について説明する。ここでは、上述の視覚障碍者向けの道案内サービスをユーザUが利用する場合について説明する。具体的には、視覚障碍者であるユーザUが白杖の先端に取り付けられた地物読取機30を用いてICタグ13を読み取ることで、ICタグ13に記録されたタグIDに基づいた道案内情報がユーザ端末40からユーザUに対して提供される場合について、一連の流れを説明する。
【0066】
第1動作方法において、地物情報サービス提供システム1は、タグIDに基づいて生成された経路(タグ経路)を参照して、道案内音声の準備及び出力を行う。タグ経路は、出発地から目的地までの経路を、経路周辺に存在するICタグ入り地物10を辿る順番として規定したものである。なお、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合、ユーザUが白杖の先端に取り付けられた地物読取機30でICタグ入り地物10を読み取りながら使用されるので、ユーザUの動きについても併せて説明する。
【0067】
図6に示すように、第1動作方法は、タグ経路生成段階(ステップS01~ステップS07)と、タグ経路案内段階(ステップS08~ステップS16)の2段階により実現される。
【0068】
タグ経路生成段階において、まずユーザUは、ユーザ入力情報として、ユーザ端末40に目的地を含む情報を入力する(ステップS01)。この際の入力方法は、例えば音声入力である。また入力される情報には、目的地の他に、出発地、経由地、または到着予定時刻等が含まれてもよい。入力を受けたユーザ端末40は、目的地情報及び出発地情報を含む情報をサービス管理装置50に送信する(ステップS02)。この際に送信される出発地情報は、ステップS01でユーザにより入力された情報であってもよいし、GPS測位等の方法により決定されたユーザ端末40の位置情報等の現在地情報であってもよいし、ユーザ端末40に保存された出発地情報であってもよい。
【0069】
目的地情報及び出発地情報を含む情報の送信を受けたサービス管理装置50のサービス情報準備部51は、受信した情報を元に、出発地から目的地までの経路を生成する(ステップS03)。ここで生成される経路は、出発地と目的地の位置情報に基づいて生成される経路であり、一般的なルート探索アルゴリズムにより、地図情報等を用いて生成することができる。続いて、サービス管理装置50のタグ情報取得部54は、サービス情報準備部51の指示に基づいて、ステップS03において生成された経路を元に、経路周辺のタグ情報の提供に係る情報提供要求をタグ情報提供装置20に送信する(ステップS04)。ここで送信される情報提供要求は、位置情報及びカテゴリを指定する情報を含み、かつ要求されるタグ情報はタグIDを含む。また、ここで要求されるタグ情報には、経路上のみでなく、経路周辺(例えば、経路上の任意の地点からの最短距離が300mの範囲)に存在するICタグ入り地物10に設けられたICタグに記録されたタグID及び該タグIDに紐づけられたタグ情報も含まれてもよい。これにより、ユーザUが生成された経路外に移動し、経路外のICタグ入り地物10に設けられたICタグを読み取ったとしても、経路から一定の距離の範囲内であれば生成された経路に戻るための案内を行うことが可能となるため、経路の再生成を行うことなく、道案内を継続することができる。
【0070】
要求を受けたタグ情報提供装置20のタグ情報選択部22は、サービス管理装置50からの要求に基づいて、地物関連情報に含まれる複数のタグ情報から、サービス管理装置50へ提供するタグ情報を抽出する(ステップS05)。具体的には、タグ情報に含まれる経緯度または住所等の位置情報に基づいて、経路周辺の地点に存在するICタグ入り地物10に設けられたICタグに記録されたタグIDを選択し、該タグID、及び該タグIDに紐づけられたタグ情報のうち上記要求に伴う情報に含まれるカテゴリを指定する情報で指定されたカテゴリ(例えば周辺店舗または気象情報等)の情報を含むタグ情報を抽出する。その後、タグ情報提供装置20は、抽出したタグ情報をサービス管理装置50に送信する(ステップS06)。
【0071】
タグ情報を受信したサービス管理装置50のサービス情報準備部51は、ステップS03で生成した経路及びステップS06で受信したタグ情報に基づいて、ICタグ入り地物10を辿る順番によって規定された経路、すなわちタグ経路を生成する(ステップS07)。タグ経路の生成には、例えば、図4で示される隣接点字ブロックに係る情報が用いられる。ここで生成されるタグ経路の情報には、経路周辺に存在するICタグ入り地物10から目的地までのタグ経路に係る情報に加えて、経路周辺のICタグ入り地物10の周囲環境の情報、例えば周辺店舗または気象情報等の情報等を含んでいてもよい。
【0072】
以上により、タグ経路生成段階が完了し、サービス管理装置50上にタグ経路が生成される。なお、上述した例では、ステップS03においてサービス管理装置50が経路を生成した後にそのままステップS04においてタグ情報をタグ情報提供装置20に要求したが、ステップS03とステップS04の間に、ユーザUによる経路の承認が行われてもよい。この場合、例えば以下の工程によりユーザによる承認を実現することができる。ステップS03において経路が生成された後、サービス管理装置50はユーザ端末40に経路を送信する。ユーザ端末40の出力情報準備部44は、サービス管理装置50から送信される生成された経路に係る情報を受信した後、ユーザUに対して経路を音声等により提示するための出力情報を準備し、該出力情報が出力部45から出力される。その後、提示を受けたユーザUが音声入力等で経路を承認すると、承認の入力をユーザ入力取得部42において取得したユーザ端末40は、承認されたことを含む情報を、出力情報準備部44の指示に基づいてサービス情報通信部43からサービス管理装置50に送信する。そして、該情報を受信したサービス管理装置50は、ステップS04以降のステップを進める。
【0073】
続くタグ経路案内段階においては、まず、道案内を受けるユーザUが白杖で点字ブロックを確認しながら移動する過程において、地物読取機30でICタグ入り地物10に設けられたICタグを読み取る(ステップS08)と、地物読取機30がICタグに情報を要求し(ステップS09)、ICタグに記録されたタグID及び周囲情報を取得する(ステップS10)。その後、地物読取機30は、取得したタグID及び周囲情報をユーザ端末40に送信する(ステップS11)。
【0074】
ユーザ端末40は、受信したタグID及び周囲情報のうち、タグIDをサービス管理装置50に送信する(ステップS12)。なお、受信した周囲情報の取り扱いについては、後述する第3動作方法において説明する。
【0075】
サービス管理装置50は、ステップS07で生成したタグ経路の情報及びステップS12で受信したタグIDを元に、該タグIDが記録されたICタグが設けられたICタグ入り地物10の地点から目的地に向かうためのタグ経路に沿った移動のための道案内情報を準備する(ステップS13)。道案内情報には、さらにICタグ入り地物10の周囲環境の情報、例えば周辺店舗または気象情報等の情報を含んでいてもよい。その後、サービス管理装置50は、道案内情報をユーザ端末40に送信する(ステップS14)。
【0076】
道案内情報を受信したユーザ端末40は、受信した道案内情報を元に出力情報準備部44において道案内音声を準備し(ステップS15)、出力部45において道案内音声を出力する(ステップS16)ことで、ユーザUに道案内が提供される。道案内音声は、ユーザUが移動するべき方向の情報を含み、さらにICタグ入り地物10の周囲環境の情報、例えば周辺店舗または気象情報等の情報を含んでよい。該周囲環境の情報が含まれることで、ユーザUは目的地までの道順のみならず、目的地までの移動において有用な情報を追加で得ることができる。
【0077】
以上により、タグ経路案内段階の一連の流れ、すなわちユーザUがICタグ入り地物10を確認してから、道案内音声が出力されるまでの一連の流れが完了する。以降は、道案内音声に従ってユーザUが移動し、新たなICタグ入り地物10を確認することでステップS8~ステップS16の一連の流れが行われ、またユーザUが移動し、というサイクルを繰り返す。これにより、ユーザUはユーザ端末40から提供される道案内音声を利用して目的地に近づく方向に移動することができ、最終的に、ICタグ入り地物10を確認することで取得されたタグIDと目的地のタグIDが一致したところで、ユーザUが目的地に到着したとして、タグ経路案内段階が完了する。
【0078】
以上で説明した本開示の第1動作方法は、タグ経路に基づいて道案内を行うため、一度タグ経路を生成すれば、それ以降に逐一タグ情報提供装置20にタグ情報を要求する必要がないメリットがある一方で、当初生成したタグ経路に含まれないタグIDを記録したICタグが設けられたICタグ入り地物10が読み取られた場合、道案内できなくなるデメリットがある。
【0079】
なお、上述した例では、ステップS01でユーザUが入力するユーザ入力情報として、目的地等の経路に係る情報のみが入力される場合について説明したが、ユーザ入力情報はさらに、経路の生成に直接は関わらない情報として、例えばユーザUの趣味趣向等に係る情報を含んでもよい。この場合、ステップS04における要求に伴う情報に含まれるカテゴリを指定する情報として該趣味趣向等に係る情報が含まれることで、ステップS06において送信されるタグ情報に該趣味趣向等に係る情報により指定されたカテゴリの情報を含めることができる。そうすると、ステップS07において生成するタグ経路の情報に含まれる周囲環境の情報に該指定されたカテゴリの情報も含めることができ、ステップS13において準備される道案内情報にも該指定されたカテゴリの情報も含めることができる。これにより、ユーザ端末40は該指定されたカテゴリの情報も含んだ情報に基づく道案内音声をステップS15で準備してステップS16で出力することができ、ユーザUの趣味趣向に親和性の情報を含む道案内音声をユーザUに提供することができる。
【0080】
[地物情報サービス提供システムの第2動作方法]
続いて、図7を参照しながら、本開示に係る地物情報サービス提供システム1の第2動作方法について、視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合を例に説明する。用語の定義等は第1動作方法の説明と同様である。
【0081】
第2動作方法において、地物情報サービス提供システム1は、地物読取機30が読み取ったICタグに含まれるタグIDからユーザUの位置情報を取得し、該位置情報に基づいて生成された目的地までの経路を参照して、道案内音声の準備及び出力を行う。第2動作方法は、位置情報に基づいて生成された経路を参照して道案内を行う点において、タグIDに基づいて生成された経路を参照して道案内を行う第1動作方法と相違する。なお、第2動作方法の説明においても、第1動作方法の説明と同様に、ユーザUの動きについても併せて説明する。
【0082】
図7に示すように、第2動作方法は、目的地登録段階(ステップS21~ステップS23)と、経路案内段階(ステップS24~ステップS36)の2段階により実現される。
【0083】
目的地登録段階においては、まず、第1動作方法のステップS1及びS2と同様の方法により、ユーザUにより目的地を含む情報が入力され(ステップS21)、入力された目的地情報を含む情報がサービス管理装置50に送信される(ステップS22)。第1動作方法との相違点として、第2動作方法の目的地登録段階においてサービス管理装置50は経路生成を行わないため、ステップS22で送信される情報に出発地情報を含まなくてよい。また、送信された目的地情報を含む情報はサービス管理装置50に保存され目的地が登録される(ステップS23)に留まり、その後のタグ情報提供装置20との通信は行われなくてもよい。以上で、目的地登録段階が完了する。
【0084】
経路案内段階においては、まず、第1動作方法のステップS08~S12と同様の工程により、ユーザUが地物読取機30で確認したICタグ入り地物10に設けられたICタグに記録された情報のうち、タグIDがサービス管理装置50に送信される(ステップS24~S28)。タグIDを受信したサービス管理装置50は、受信したタグIDに紐づけられたタグ情報をタグ情報提供装置20に要求する(ステップS29)。ここで要求に伴う情報はタグID及びカテゴリを指定する情報を含む。また、ここで要求されるタグ情報は、道案内のために必須の情報である位置情報を含み、かつ、ユーザUのニーズに合わせた周囲環境の情報、例えば周辺店舗または気象情報等の情報を含んでもよい。
【0085】
要求を受けたタグ情報提供装置20は、サービス管理装置50からの要求に基づいて、複数のタグ情報から、サービス管理装置50へ提供するタグ情報を抽出する(ステップS30)。具体的には、タグ情報に含まれるタグIDに基づいて、経路周辺の地点に存在するICタグ入り地物10に設けられたICタグに記録されたタグIDを選択し、地物関連情報のうち、該タグIDに紐づけられたタグ情報から、該ICタグ入り地物の位置情報及び上記要求に伴う情報に含まれるカテゴリを指定する情報で指定されたカテゴリ(例えば周辺店舗または気象情報等)の情報を含むタグ情報を抽出する。その後、タグ情報提供装置20は、抽出したタグ情報をサービス管理装置50に送信する(ステップS31)。
【0086】
タグ情報を受信したサービス管理装置50のサービス情報準備部51は、ステップS22で登録した目的地及びステップS31で受信したタグ情報に含まれる位置情報を元に、読み取られたICタグが設けられたICタグ入り地物10の地点から目的地までの経路を生成する(ステップS32)。ここで生成される経路は、出発地と目的地の地理的な位置情報に基づいて生成される経路であり、一般的なルート探索アルゴリズムにより、地図情報等を用いて生成することができる。すなわち、ステップS32における経路の生成において、タグIDは介在しない。その後、サービス管理装置50のサービス情報準備部51は、生成した経路をユーザUに案内するための道案内情報を準備する(ステップS33)。道案内情報には、さらにICタグ入り地物10の周囲環境の情報、例えば周辺店舗または気象情報等の情報を含んでいてもよい。その後、サービス管理装置50は、道案内情報をユーザ端末40に送信する(ステップS34)。
【0087】
最後に、道案内情報を受信したユーザ端末40が、第1動作方法のステップS15及びS16と同様の方法で道案内音声を準備(ステップS35)及び出力(ステップS36)することによって、経路案内段階の一連の流れ、すなわちユーザUがICタグ入り地物10を確認してから、道案内音声が出力されるまでの一連の流れが完了する。以降は、道案内音声に従ってユーザUが移動し、新たなICタグ入り地物10を確認することでステップS24~ステップS36の一連の流れが行われ、またユーザUが移動し、というサイクルを繰り返すことで、ユーザUは目的地に近づく方向に移動することができ、最終的に、ICタグ入り地物10を確認することで取得されたタグIDと目的地に存在するICタグ入り地物10のタグIDが一致したところで、ユーザUが目的地に到着したとして、タグ経路案内段階が完了する。なお、ICタグ入り地物10を確認することで取得されたタグIDから特定できるICタグの位置情報が、目的地の位置情報と一致することに基づいて、ユーザUが目的地に到着したと判定してもよい。
【0088】
以上で説明した本開示の第2動作方法は、タグIDを元に取得したタグ情報に含まれる位置情報に基づいて、ICタグを読み取る度に経路を作成して道案内を行うため、出発地から目的地までの最短経路から大きく外れた地点にユーザUが移動した場合にも道案内が可能であるメリットがある一方で、ICタグを読み取る度にタグ情報提供装置20からのタグ情報の取得が必要となるデメリットがある。なお、ユーザUの趣味趣向等の目的地等の経路に係る情報以外の情報も用いてサービスを提供してよい点については、第1動作方法と同様である。
【0089】
[地物情報サービス提供システムの第1動作方法と第2動作方法の併用]
以上で説明した第1動作方法及び第2動作方法は、併用により両者のデメリットを互いに補うことができる。図8を参照しながら、地物情報サービス提供システム1が視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合について、第1動作方法及び第2動作方法を併用したときのサービス管理装置50における一連の流れを、道案内情報の提供を受けるユーザUが寄り道した場合を例として説明する。
【0090】
まず、サービス管理装置50は、第1動作方法のタグ経路生成段階と同様の方法により、目的地情報及び出発地情報を含む情報をユーザ端末40から受信(ステップS41)し、位置情報を元とした経路を生成(ステップS42)し、経路周辺のタグ情報をタグ情報提供装置20に要求(ステップS43)してタグ情報提供装置20から受信(ステップS44)する。そして、ステップS42で生成した経路及びステップS44で受信したタグ情報からタグ経路を生成する(ステップS45)ことをもって、タグ経路生成段階を完了する。
【0091】
続いて、ユーザUが移動を開始した後の基本的な一連の流れは、ユーザUがタグ経路に含まれるICタグ入り地物10の地点の範疇にいる限りにおいては、第1動作方法のタグ経路案内段階と同様である。すなわち、ユーザUが地物読取機30でICタグ入り地物10に設けられたICタグを読み取ると、サービス管理装置50は読取情報に含まれるタグIDを受信する(ステップS46)。以降は、第1動作方法のタグ経路案内段階と同様のサイクルを、タグIDが目的地のタグIDと一致したかの判定(ステップS47)において両者のタグIDが一致する(S47-YES)まで繰り返すが、第1動作方法のみを用いる場合と第1動作方法と第2操作方法を併用する場合の相違点は、読取情報に含まれるタグIDが目的地のタグIDと一致しないと判定(S47-NO)された後に、タグIDがタグ経路に含まれるかの判定(ステップS48)を含む点である。該判定は、サービス管理装置50のサービス情報準備部51が行う。タグIDがタグ経路に含まれる(S48-YES)場合には、サービス管理装置50は第1動作方法と同様にタグID及びタグ経路を含む情報に基づいて道案内情報を準備(ステップS49)し、ユーザ端末40に送信(ステップS50)ことで、最終的にユーザ端末40から道案内音声が出力される。
【0092】
他方、ユーザUが寄り道等の理由により、ステップS45で生成したタグ経路に含まれるICタグ入り地物10の地点の範囲外に移動したとする。この場合、ユーザUが地物読取機30でICタグ入り地物10に設けられたICタグを読み取ると、サービス管理装置50は、ステップS48においてタグIDがタグ経路に含まれないと判定(S48-NO)する。この場合、サービス管理装置50のサービス情報準備部51は、第2動作方法の経路案内段階と同様の方法により道案内情報を準備する。すなわち、サービス管理装置50はタグ情報提供装置20にタグIDを含む要求を送信し、タグ情報提供装置20から位置情報を含むタグ情報を取得(ステップS51)する。その後、サービス管理装置50は位置情報と目的地情報を元にして経路を生成(ステップS52)し、生成した経路に基づいて道案内情報を準備(ステップS53)し、ユーザ端末40に送信(ステップS53)することで、最終的にユーザ端末40から道案内音声が出力される。このステップS46~S48及びステップS51~S54のをサイクルを繰り返したのち、ステップS46で読み取ったタグIDがタグ経路に含まれると判定(S48-YES)されると、道案内は再び上述した第1操作方法のタグ経路案内段階と同様のサイクルによって行われる。そして、最終的にステップS46で読み取ったタグIDが目的地のタグIDと一致(S47-YES)すると、道案内が完了する。
【0093】
以上で説明した第1動作方法と第2動作方法の併用によれば、基本的には第1動作方法と同様の方法により一度生成したタグ経路に基づいて道案内を行うことで、全てのICタグの読み取り毎にタグ情報の取得が必要となる第2動作方法のデメリットを補うことができるとともに、タグ経路外のICタグが読み取られた場合には第2動作方法と同様の方法により位置情報に基づいて経路生成及び道案内を行うことで、タグ経路外の道案内が不可能である第1動作方法のデメリットを補うことができる。
【0094】
[地物情報サービス提供システムの第3動作方法]
続いて、図9を参照しながら、本開示に係る地物情報サービス提供システム1の第3動作方法について、視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合を例に、ICタグに記録された情報のうちの周囲情報に基づいてユーザUに周囲情報が提供される一連の流れを説明する。用語の定義等は第1動作方法の説明と同様である。
【0095】
ユーザUが、白杖で点字ブロックを確認しながら移動する過程において、地物読取機30でICタグ入り地物10を読み取る(ステップS61)と、地物読取機30がICタグに情報を要求し(ステップS62)、ICタグに記録されたタグID及び周囲情報を取得する(ステップS63)。その後、地物読取機30は、取得したタグID及び周囲情報をユーザ端末40に送信する(ステップS64)。
【0096】
ユーザ端末40は、受信したタグID及び周囲情報のうち、周囲情報に基づいて、出力情報準備部44において周囲情報音声を準備(ステップS65)し、出力部45において該周囲情報音声を出力する(ステップS66)ことで、ユーザUに周囲情報を提供する。すなわち、ユーザ端末40はサービス管理装置50との通信を行うことなく、ユーザUに周囲情報を提供することができる。
【0097】
以上に説明した第3動作方法は、ユーザ端末40とサービス管理装置50との間の通信を行うことなく、ユーザUに周囲情報を提供することができるため、停電等の状況下でも、周囲情報として、例えば横断歩道や階段が存在するため危険である等の情報を提供することができる。
なお、以上の説明では、第3動作方法は独立しており、ステップS61~S64は独立して行われるものとして説明したが、実際には第3動作方法は第1動作方法または第2動作方法と並行して行われてよく、通常並行して行われる。すなわち、ステップS61~S64はステップS08~S11またはステップS24~27と重複していてもよく、同時に行われてもよく、また、ステップS65及び66はステップS15及びS16またはステップS35及びS36と重複していてもよく、同時に行われてもよい。
【0098】
一方、第3動作方法は、第1動作方法及び第2動作方法に基づく処理をユーザ端末40が実行できないときに、ユーザ端末40の判断によって行われる構成であってもよい。例えば、第1動作方法または第2動作方法に基づいてユーザ端末40が処理を実行しようとしたものの、通信上の問題等によってユーザ端末40がサービス管理装置50との間で通信を行えなかったとする。そのような場合に、ユーザ端末40の出力情報準備部44は第3動作方法を実行すると判定し、ユーザUに対して周囲の情報を提供することのみを行う様に動作してもよい。
【0099】
[作用]
上記実施形態で示したように、情報提供装置としてのタグ情報提供装置20によれば、外部装置であるサービス管理装置50からの地物を指定する情報を含む情報提供要求に応じて、指定された地物に関する地物関連情報を提供することができる。また、タグ情報提供装置20のタグ情報保持部21に保持された地物関連情報は、更新部24によって更新可能であり、かつ更新部24が行う更新において利用する地物関連情報の変更に係る情報は更新情報取得部25が取得可能である。そのため、タグ情報提供装置20では、地物関連情報を一元的に管理及び更新することが可能である。このように、本開示に係る情報提供装置としてのタグ情報提供装置20によれば、一元的に管理及び更新可能な地物関連情報を活用した種々のサービスをユーザUに提供することができるので、例えば、地物関連情報に係る最新情報をユーザUに対して提供することが可能となることから、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザUに対して提示することが可能となる。
【0100】
また、上記地物関連情報は、期間限定の情報を含んでいてもよい。地物関連情報が期間限定の情報を含むことで、ユーザUに提供可能な情報に期間限定の情報を含めることができる。そうすると、例えば期間限定のイベントの開催に伴う展示品の案内または臨時の交通規制等の情報をユーザUに対して提供することが可能となることから、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザUに対して提示することが可能となる。
【0101】
上記実施形態で示したように、本開示に係るユーザ端末40によれば、地物識別情報によって指定された地物に関する地物関連情報を用いて作成された出力情報を出力することができる。この場合、ユーザ端末40及び地物に記録された情報が更新されなくとも、地物関連情報さえ更新されれば、例えば地物関連情報に係る最新情報をユーザUに対して提供することが可能となることから、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0102】
また、ユーザ端末40は、地物読取部を更に有し、地物読取部が地物に設けられたICタグに記録されたタグIDを読み取り、指定情報取得部としての読取情報取得部41は、地物読取部からタグIDを前記地物識別情報として取得してもよい。また、地物読取部は、地物読取機30として、ユーザ端末40とは別体に構成されていてもよい。地物読取部を有する構成とした場合、ユーザ端末40は地物読取部によりICタグに記録されたタグIDを非接触で読み取ることができ、読み取ったタグIDを地物識別情報として用いて、当該地物に関する地物関連情報を外部装置から取得できる。そのため、ユーザ端末40は、地物読取部が取得したタグIDを用いることで、より簡便に地物関連情報を外部装置から取得できるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0103】
また、ユーザ端末40は、地物に設けられたICタグがさらに周囲情報を記録していて、指定情報取得部としての読取情報取得部41が地物読取部から前記タグIDに加えて周囲情報を取得し、出力情報準備部44が周囲情報にも基づいて出力情報を準備する態様であってもよい。このような構成とすることにより、上記ユーザ端末40は地物関連情報に加えて、周囲情報に係る出力情報の出力も行うことができる。この場合、例えば、ユーザ端末は、絶えず更新される最新の地物関連情報に係る出力情報及びいかなる状況下においてもサービスの提供を受けるユーザにとって肝要な周囲情報に係る出力情報の両方をユーザに対して提示することができるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0104】
また、ユーザ端末40は、出力情報準備部44が周囲情報に基づいた出力情報の準備において外部装置との通信を行わずに出力情報を準備する態様であってもよい。このような構成とすることで、ユーザ端末40は外部装置との通信が行わなくとも、周囲情報に基づいた出力情報を出力することができる。そうすると、例えば停電等の状況下で外部装置との通信が遮断されたとしても、ユーザにとって肝要な周囲情報をユーザに対して提示することが可能となるため、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザに対して提示することが可能となる。
【0105】
上記実施形態で示したように、本開示に係る情報提供システムとしての地物情報サービス提供システム1によれば、情報提供装置としてのタグ情報提供装置20において一元的に管理及び更新可能な地物関連情報を用いて、ユーザ端末40を介してユーザUに対して出力情報として所定のサービスを提供することができる。したがって、例えば、地物関連情報に係る最新情報をユーザUに対して提供することが可能となることから、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザUに対して提示することが可能となる。
【0106】
また、情報提供システムとしての地物情報サービス提供システム1では、地物識別情報がタグIDであって、地物を指定する情報がタグIDまたは位置情報であって、情報提供システムが道案内システムであって、周囲情報を元にした出力情報の準備において管理装置との通信を行わずに出力情報を準備する態様であってもよい。このような構成とすることで、上記システムは、一元的に管理及び更新可能な地物関連情報を用いて、ユーザに対して出力情報として道案内サービスを提供することができる。また、ユーザ端末40は、管理装置としてのサービス管理装置50との通信が行わなくとも、周囲情報に基づいた出力情報を出力することができる。そうすると、上記システムは、ユーザ端末と管理装置が通信可能な状況下においては、例えば地物関連情報に係る最新情報をユーザに対して提供することが可能となるとともに、例えば停電等の状況下でユーザ端末と管理装置の通信が遮断されたとしても、ユーザにとって肝要な周囲情報をユーザに対して提示することが可能となる。したがって、上記の地物情報サービス提供システム1によれば、地物及びその周囲に関して、より適切な情報をユーザUに対して提示することが可能となる。
【0107】
[変形例]
以上、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0108】
例えば、上記実施形態では、地物情報サービス提供システムが視覚障碍者向けの道案内サービスを提供する場合について説明したが、地物情報サービスは、道案内サービスに限定されず、地物及びその周囲環境の情報を提供する情報提供に係るものであれば特に限定されない。例えば、視覚障碍者でない一般需要者が地物に設けられたICタグを読み取ることにより、ICタグ入り地物の周辺の店舗の商品情報または宣伝情報等が出力されてもよい。また、ユーザ入力取得部42が取得するユーザ入力情報がユーザの属性の情報を含んでおり、該属性の情報に合わせてサービスが提供されてもよい。また、提供するサービスの内容に応じて、タグ情報提供装置20で保持される地物関連情報が変更されてもよいし、ICタグが設けられる地物が適宜変更されてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、タグ情報に含まれる位置情報が経緯度または住所等である場合、すなわちユーザUが屋外を移動する場合について説明したが、地物情報サービスは、屋内の情報提供に利用されてもよい。この場合、タグ情報は、位置情報として施設内の位置(階層、フロア)、読み取られたICタグ入り地物の近くの売り場若しくは自動販売機等で売られている商品または最も近いレジ若しくはトイレ等の位置の情報等を含んでもよい。また、これらの情報は施設の改装や期間限定商品の販売に合わせて更新されてもよく、施設の在庫管理システム等の情報をURL等を用いて取得可能な態様で保持されてもよい。また、ICタグに記録される周囲情報として、エスカレーターの存在や、該エスカレーターが登りまたは下りのいずれか等の情報を含んでもよい。地物情報サービスが特定の施設におけるサービスである場合、ユーザ端末40は、該施設におけるサービスの提供専用の端末であってもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、ユーザUが徒歩または個別交通等の移動手段により移動する場合について説明したが、ユーザUは移動の過程で電車またはバス等の公共交通機関その他の移動手段を利用していてもよい。すなわち、サービス管理装置50が生成する経路またはタグ経路には、ユーザUの徒歩または個別交通等による移動に加え、公共交通機関による移動が含まれ、道案内及び乗換案内が複合的に行われてもよく、特に降車するタイミングにおいては新たなICタグの読み取りなく出力情報が出力されてもよい。例えばユーザUが電車を利用する場合、タグ情報は駅構内の情報に加えて、例えば電車の発着予定時刻等の情報を含んでもよい。このとき、電車の発着予定時刻はダイヤの乱れ等により変化しうるため、外部装置により更新可能な態様またはURL等を用いて随時取得可能な態様で保持されてもよい。また、電車の発着予定時刻はダイヤの乱れに合わせて、サービス管理装置50が代替の経路またはタグ経路を生成し、ユーザUに提供してもよい。また、ユーザUが電車を利用する場合、駅に設置されたICタグ入り地物に設けられたICタグは、周囲情報としてプラットホームの線路間際であるとの情報を含んでよく、該ICタグが読み取られた場合には警告音を発するなどして、線路への落下事故を防止するようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、地物読取機30とユーザ端末40が個別に取り扱われる装置である場合について説明したが、これらが一体となった端末装置が用いられてもよい。換言すると、ユーザ端末40が地物読取部を備え、地物読取部が地物に設けられたICタグに記録されたタグIDを読み取り、指定情報取得部としての読取情報取得部41は、地物読取部からタグIDを前記地物識別情報として取得する態様であってもよい。これらが一体となっていると、ユーザUの目線から見て、地物の読み取り及びユーザ端末からのサービスに関する情報の享受を1つの端末で完結させることができるため、例えばサービスに提供において上記一体となった端末をユーザUに貸し出すような場合において有用である。
【0112】
また、上記実施形態では、ユーザ端末40のサービス情報通信部43が、サービス管理装置50に読取情報を送信するとして説明したが、地物読取機30がサービス管理装置50と通信可能であって、地物読取機30が読取情報をサービス管理装置50に送信する態様であってもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、ユーザ端末40の出力情報準備部44が出力情報を準備するとして説明したが、サービス管理装置50のサービス情報準備部51が出力可能な状態の出力情報(例えば音声ファイルまたは画像ファイル等)を準備して、ユーザ端末40に送信し、該出力情報がそのまま出力部45によって出力されてもよい。このような構成とすると、地物情報サービス提供システム1が提供するサービスの提供方法等の変更(例えば、出力情報の形式の変更等)が必要となった場合に、サービス管理装置50のサービス情報準備部51の処理方法のみを変更することで提供方法等の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
U…ユーザ、1…地物情報サービス提供システム、10…ICタグ入り地物、11…本体部、12…突起部、13…ICタグ、20…タグ情報提供装置、21…タグ情報保持部、22…タグ情報選択部、23…タグ情報通信部、24…更新部、25…更新情報取得部、30…地物読取機、31…ICタグ読取部、32…読取情報送信部、40…ユーザ端末、41…読取情報取得部、42…ユーザ入力取得部、43…サービス情報通信部、44…出力情報準備部、45…出力部、50…サービス管理装置、51…サービス情報準備部、52…準備情報保持部、53…端末通信部、54…タグ情報取得部、100…制御回路、101…プロセッサ、102…メモリ、103…ストレージ、104…通信ポート、105…入出力ポート、110…コンピュータ、120…プログラム。
図1
図2
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図9