(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003094
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】膨張性バルーン及びカバー
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20231228BHJP
A61F 2/958 20130101ALI20231228BHJP
【FI】
A61M25/10 510
A61M25/10 512
A61F2/958
A61M25/10 502
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188266
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2021018118の分割
【原出願日】2014-02-21
(31)【優先権主張番号】14/185,450
(32)【優先日】2014-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/785,809
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ディーヌ ジー.カンジッカル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ジェイ.ニッカーソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジー.トリーベス
(57)【要約】
【課題】本開示は、バルーンカバー(106)などのカバーを備えた埋め込み型医療機器を説明する。
【解決手段】斯かる機器は、吸収させたポリウレタンなどのエラストマーを有する多孔質ポリマー材料(316)の層によって囲まれた、ePTFEなどの多孔質ポリマー材料(312)の第1の層を含み得る。前記カバーは、患者の体内で、ステント-グラフトなどの拡張性インプラントの展開を助けるために使用され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した管腔を有するカテーテルチューブ;
前記カテーテルチューブに結合した医療用バルーンを備えるカテーテル組立品であって、前記医療用バルーンは、バルーンを同軸上で囲む外側カバーをさらに備え、前記外側カバーは連続的に巻付けたシートから形成され、ここで前記シートは、巻付けられていない状態において、エラストマー成分が吸収されていない多孔質ポリマー層を含む非吸収区画とエラストマー成分が吸収されている多孔質ポリマー層を含む複合層を含む吸収区画とを有し、前記非吸収区画は、巻付けられていない状態において、前記吸収区画に隣接して位置し、ここで前記非吸収区画は、巻付けられている状態において、前記外側カバーを形成する前記シートの吸収区画の内側に位置する、カテーテル組立品。
【請求項2】
前記エラストマー成分が吸収されていない多孔質ポリマー層が、巻付けられている状態において、前記複合層の厚みの少なくとも2倍の厚みを有する、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項3】
前記外側カバーが、少なくとも1つのプリーツをさらに備える、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項4】
前記複合層のエラストマー成分がポリウレタンを含む、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項5】
前記多孔質ポリマーがePTFEを含む、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項6】
外側カバーの内面が医療用バルーンの外面と実質的に一致する、請求項3に記載のカテーテル組立品。
【請求項7】
前記外側カバーの外面がエラストマーを実質的に含まない、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項8】
前記外側カバーが長軸の少なくとも一部に沿って並んだ少なくとも1つのプリーツを備える、請求項1に記載のカテーテル組立品。
【請求項9】
前記医療用バルーンが外側カバーと同じ数のプリーツを有し、且つ、前記外側カバーの内面が前記医療用バルーンの外面と実質的に一致する、請求項8に記載のカテーテル組立品。
【請求項10】
前記外側カバーがePTFEを含む、請求項8に記載のカテーテル組立品。
【請求項11】
前記医療用バルーンが非従動性材料を含む、請求項9に記載のカテーテル組立品。
【請求項12】
カテーテルチューブ;
カテーテルチューブと結合され、そして、潰れた形状にあるとき少なくとも1つのプリーツを備えたバルーン;及び
巻付けられていない状態において、エラストマー成分が吸収されていない多孔質ポリマー層を含む非吸収区画とエラストマー成分が吸収されている多孔質ポリマー層を含む複合層を含む吸収区画とを含む、連続的に巻付けたシートから形成された外側カバーを備えたカテーテル組立品であって、ここで前記外側カバーは、バルーンを同軸上で囲み、そして、少なくとも1つのプリーツを備え、前記外側カバーの内面がバルーンの外面と実質的に一致する、カテーテル組立品。
【請求項13】
前記バルーンが非従動性材料を含む、請求項11に記載のカテーテル組立品。
【請求項14】
拡張性インプラントをさらに含む、請求項11に記載のカテーテル組立品。
【請求項15】
前記拡張性インプラントがステント部材を含む、請求項14に記載のカテーテル組立品。
【請求項16】
前記ステント部材が可鍛性金属を含む、請求項15に記載のカテーテル組立品。
【請求項17】
前記ステント部材が少なくとも1つの環を含む、請求項15に記載のカテーテル組立品。
【請求項18】
前記拡張性インプラントが少なくとも1つの生体適合性ポリマーグラフト部材を備える、請求項14に記載のカテーテル組立品。
【請求項19】
請求項1に記載のカテーテル組立品を製造する方法であって:
多孔質ポリマーシートの第1の面の一部にエラストマーを吸収させて吸収区画と非吸収区画を形成する工程;
該非吸収区画が該多孔質ポリマーシートの第2の面と接触して第1のポリマー層を形成するように、該多孔質ポリマーシートをマンドレルに巻付ける工程;そして、
該吸収区画が第2の面と接触して、エラストマー成分を吸収させた多孔質ポリマーを含む少なくとも1つの複合層を形成するように、該多孔質ポリマーシートをマンドレルに巻付ける工程、
を含む方法。
【請求項20】
前記多孔質ポリマーシートがePTFEを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記エラストマーがポリウレタンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記多孔質ポリマーシートがより高いマトリックス引張強度のための方向を有しており、且つ、巻付け方向が、該多孔質ポリマーシートのより高いマトリックス引張強度のための方向に対して実質的に垂直である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
第1のポリマー層と、エラストマー成分を吸収させた多孔質ポリマーを含む少なくとも1つの複合層とを熱処理してカバーを形成する工程;
該カバーを冷ます工程;
該カバーをマンドレルから取り外す工程;
バルーンを該カバーで同軸上に囲む工程;
該バルーン及びカバーを作動圧まで膨らませる工程;そして、
該バルーン及びカバーをしぼませながら、該バルーン及びカバーにプリーツを付与する工程、
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記作動圧が6psiである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して医療用バルーンに関し、より詳細には、プリーツ付き(pleated)医療用バルーン及びカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
膨張性バルーン及びカバーは介入医療処置において頻繁に使用される。例えば、膨張性バルーンは、冠状動脈又は末梢血管形成術などの血管形成術施術向けに、さらにはステント又はステント-グラフトなどの拡張性医療機器の移植を助けるために使用されることもある。膨張性バルーンは、膨張性バルーンの性能を改善するか又は特定の機能的若しくは臨床的利点を提供するために、カバーによって同軸上で囲まれていてもよい。
【0003】
一般的に、膨張性バルーン及びカバーは、バルーンカテーテルによって患者の処置部位まで血管系又はその他の体の管腔若しくは空洞を通って送達される。さらに、バルーンカテーテルは、ステント又はステント-グラフトなどの拡張性インプラントを備えていることもあり、そしてそれは膨張性バルーン及びカバーを同軸上で囲んでいる。膨張性バルーンの膨張により、患者の望まれる処置部位の組織に対抗して拡張性インプラントを拡張するのに十分な力を加えることによって、患者の処置部位において拡張性インプラントを展開できる。例えば、より低い膨張圧や拡張性インプラントのより均一な展開などの改善された膨張特徴を有する膨張性バルーン及びカバーは有益であり得る。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施形態では、本開示による医療用バルーンは、連続的に巻付けた(continuously wrapped)シートの外側カバーを備えており、該シートは、最内側の多孔質ポリマー層、及びエラストマー成分を吸収させた多孔質ポリマーを含む複合層を有する。
【0005】
他の実施形態では、本開示による医療用バルーンの外側カバーは、縦軸の少なくとも一部に沿って並んだ少なくとも1つのプリーツを備えている。
【0006】
さらに他の実施形態では、本開示によるカテーテル組立品は、カテーテルチューブ、該カテーテルチューブに結合させ、且つ潰れた形状のときには少なくとも1つのプリーツを備えたバルーン、及び少なくとも1つのプリーツを備えたバルーンを同軸上で囲む外側カバーを含んでいて、ここで、該外側カバーの内面が該バルーンの外面と実質的に一致する。
【0007】
様々な実施形態では、本開示によるカバーを形成する方法は、多孔質ポリマーシートの第1の面の一部にエラストマーを吸収させて、吸収区画と非吸収区画を形成する工程、該非吸収区画が該多孔質ポリマーシートの第2の面と接触して第1のポリマー層を形成するように、該多孔質ポリマーシートをマンドレルに巻付ける工程、そして、該吸収区画が該第2の面と接触して、エラストマー成分を吸収した多孔質ポリマーを含む少なくとも1つの複合層を形成するように、該多孔質ポリマーシートを該マンドレルに巻付ける工程、を含む。
【0008】
さらに、本開示によるカバーを形成する方法は、第1のポリマー層と、エラストマー成分を吸収させた多孔質ポリマーを含む少なくとも1つの複合層を熱処理して、カバーを形成し、該カバーを冷まし、マンドレルからカバーを取り外し、バルーンを該カバーにより同軸上で囲み、該バルーン及びカバーを作動圧まで膨らませ、そして該バルーン及びカバーをしぼませながら、該バルーン及びカバーにプリーツを付けるステップを含んでもよい。
【0009】
添付図面は、本開示をさらによく理解できるようにするためのものであり、本明細書に組み込まれてその一部を成し、本開示の実施形態を図示することで以下の説明と併せて本開示の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示による医療機器の側面図を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、本開示による医療機器に関する透視図を示す。
【0012】
【
図3】
図3は、本開示による医療機器の横断面図を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本開示による医療機器を作製するのに使用する材料を示す。
【0014】
【
図5】
図5は、本開示による医療機器の側面図を示す。 詳細な説明
【0015】
本開示のいろいろな態様は、意図した機能を実行するように構成された、いくつかの方法及びシステムによって実現できることは当業者には容易に理解されるであろう。別の言い方をすると、他の方法及びシステムを本明細書中に組み込んで意図した機能を実行することができる。また、本明細書中で言及される添付図面はすべてが同じ縮尺で描かれたものではなく、本開示のいろいろな態様を例示するために誇張されることがあり、その点に関して、図面が限定的に解釈すべきではないということに注意すべきである。
【0016】
本明細書中に使用される場合、「医療機器」としては、例えば、ステント、グラフト、ステント-グラフト、フィルタ、弁、閉塞器(occluders)、マーカー、マッピング機器、治療薬送達機器、プロテーゼ、ポンプ、心臓弁、心臓弁フレーム又はプレステント、センサー、閉塞機器(closure devices)、塞栓予防機器、アンカー、心臓又は神経刺激リード、胃腸スリーブ、及び患者の血管系又はその他の体の管腔若しくは空洞に挿入されるその他の管腔内機器又は体内プロテーゼが挙げられる。
【0017】
本明細書中に記載した医療機器、膨張性部材、バルーン、支持構造物、コーティング、及びカバーは、生体適合性であり得る。本明細書中に使用される場合、「生物適合性」とは、長期若しくは短期インプラント又は非埋込み式適用に使用される医療機器の目的及び要件に適合し、そしてそれを満たすことを意味する。長期インプラントとは、概して、約30日間を越えて埋め込まれる機器と定義される。短期的なインプラントとは、概して、約30日間以下埋め込まれる機器と定義される。
【0018】
明細書を通じて及び請求項において、「近位」という用語は、挿入されるときに、医師又は臨床医により近い、及び/又は体内プロテーゼと送達システムが通過する挿入部位により近い体内プロテーゼの位置又は部分を指す。同様に、「近位方向に」という用語は、そのような位置に向かう方向を指す。
【0019】
さらに、明細書を通じて及び請求項において、「遠位」という用語は、挿入されるときに、医師又は臨床医から遠い、及び/又は体内プロテーゼと送達システムが通過する挿入部位から遠い体内プロテーゼの位置又は部分を指す。同様に、「遠位方向に」という用語は、そのような位置から遠ざかる方向を指す。
【0020】
引き続き近位及び遠位という用語に関して、この開示は、これらの用語に関して狭義に解釈されるべきではない。むしろ、本明細書中に記載した機器及び方法は、患者の生体構造に応じて変更及び/又は調整されてもよい。
【0021】
本明細書中に使用される場合、「展開」とは、処置部位における機器の作動又は配置、例えば処置部位におけるステントの位置決定と、その後の医療用バルーンによる半径方向への拡張、又は処置部位におけるスリーブで覆われた自己拡張ステントの位置決めと、周辺組織と同格までステントを拡張させるための該スリーブの除去などを指す。展開プロセスは、例えば、拡張性機器を中間形状までに限って拘束するのに好適な形状へのスリーブの解放を含む第1段階、該機器からの完全なスリーブの除去を含む第2の段階、及び/又は医療用バルーンによる該機器の更なる拡張含む第3の段階などの段階で起こることもある。
【0022】
本開示の様々な実施形態は、患者の血管の処置部位にバルーン又はカバーを備えたバルーンを送達するために構成されたカテーテル組立品を含む。本開示の実施形態によると、前記カテーテル組立品は膨張性バルーン及びカバーを備えている。前記膨張性バルーン及びカバーは、拡張性インプラントの内面に対して圧力をかけることによって、例えばステント-グラフトなどの拡張性インプラントの展開を助けることができる。前記圧力は、インプラントを完全に拡張させ、そしてそれを血管壁にはめ合わせることができる。本開示によるカテーテル組立品の利点は、膨張圧の低下などのバルーン及び/又はカバーの作動特徴の改善、並びにバルーン又はカバーを備えたバルーンの膨張の均一性の改善による、バルーン、カバー、及び/又は拡張性インプラントの改善された展開特徴を含み得る。
【0023】
まず
図1を参照すると、本開示によるカテーテル組立品100が例示されている。カテーテル組立品100は連続した管腔104を有するカテーテルチューブ102を備えている。バルーン108を同軸上で囲むカバー106は、カテーテルチューブ102の遠位端において又は遠位端付近でカテーテルチューブ102及び連続した管腔104と結合されている。カバー106のカテーテルチューブ102への取り付けは、例えばシアノアクリレート系接着剤などの接着剤を使用してカバー106の近位端と遠位端をカテーテルチューブに接着することを含め、いろいろな方法で達成され得る。
【0024】
様々な実施形態では、バルーン108は、加圧により患者の血管内で膨らませることができる略管状バルーンを含む。例えば生体適合性流体、例えば水又は生理的食塩水などが、カテーテルチューブ102内に導入され、連続した管腔104を通過し、バルーン108の内側に位置するカテーテルチューブ102内の膨張ポート(未掲載)を通って、そしてバルーン108を加圧する。バルーン108への圧力が増強された場合、バルーン108の直径もまた増加する。
【0025】
バルーン108は、例えば非従動性(non-compliant)の、概して非弾性のバルーンを含み得る。斯かる実施形態では、バルーン108は、例えばナイロン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカプロラクタム、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド、ABSコポリマー、ポリエステル/ポリエーテルブロックコポリマー、イオノマー樹脂、液晶ポリマー、及び剛体棒ポリマーなどの、十分な加圧時にバルーン108を選択直径まで拡張させ、且つ、更なる加圧下でも破裂圧力に達するまでは設定直径又はそれに近い直径を維持するように構成される材料を含み得る。
【0026】
様々な実施形態では、バルーン108は、従動性の、比較的弾性のバルーンを含み得る。斯かる実施形態では、バルーン108は、例えばポリウレタン、ラテックス及びポリシロキサンなどのエラストマー有機シリコーンポリマーなどの、バルーン108に対する圧力が高まるほどバルーン108の直径を連続的に増大させるように構成される材料を含み得る。膨張限界に達したときには、バルーン108が破裂することもある。
【0027】
さらに他の実施形態では、バルーン108は半従動性のバルーンを含み得る。斯かる実施形態では、バルーン108は、従動性及び半従動性の属性を組み合わせた挙動をする。従動性及び非従動性の実施形態に関連して記載したが、従動性及び非従動性の挙動の組み合わせを含めて、患者の体内でバルーン108を予測可能な様式で膨らませる材料又は形状は、本開示の範囲内にある。
【0028】
図2に関して、様々な実施形態では、バルーン108は複数のプリーツ210を含み得る。プリーツ210は、例えば、概してバルーン108の長軸の少なくとも一部に沿って延びるバルーン108の材料の中に折り目又は湾曲点を含み得る。斯かる実施形態では、バルーン108は、1若しくは複数のプリーツ210を有する略管状の形状を有し得る。
【0029】
様々な実施形態では、バルーン108は、カバー106によって同軸上で囲まれ得る。カバー106は、バルーン108がしぼんだときも含めて、バルーン108とカバー106の両方が実質的に一致する外形を含むような、バルーン108の外面と実質的に一致し得る内面を備えていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、カバー106は、バルーン108と異なった外形又は形状を有していてもよい。
【0030】
様々な実施形態では、カバー106は複数のプリーツ210を含み得る。バルーン108と同様に、プリーツ210は、例えば、概して長軸の少なくとも一部に沿って延びるカバー106の材料の中に折り目又は湾曲点を含み得る。斯かる実施形態では、カバー106は、2以上のプリーツ210を有する略管状の形状を有し得る。様々な実施形態では、カバー106は、バルーン108と同じ数のプリーツ210を含む。様々な実施形態では、バルーンカバー106の作動全長の少なくとも一部又はその全体に沿って、バルーンカバー106の内面は、プリーツ付きの、潰れた形状及びプリーツなしの、膨張形状の両方でバルーン108の外面と連動する。
【0031】
プリーツ210は、カバー106とバルーン108で同時に形成されてもよい。例えば、バルーン108は、カバー106によって同軸上で囲まれ、次いで、プリーツ210が、バルーン108とカバー106の両方で形成されてもよい。
【0032】
他の実施形態では、バルーン108でプリーツ210が形成された後に、カバー106でプリーツ210が形成されてもよい。例えば、プリーツが付く前のバルーン108が、カバー106によって同軸上で囲まれてもよい。斯かる実施形態では、カバー106とプリーツが付く前のバルーン108の両方を作動圧まで一緒に膨らませることができ、その後、カバー106とバルーン108を、例えば、プリーツが付く前のバルーン108と同じ数と形状のプリーツがカバー106で形成され得る機械的プリーツ形成プロセスに供する。カバー106でプリーツ210を形成しながら、患者の体内へのデリバリーのために、カバー106とバルーン108の両方をしぼませ、そして圧縮することもできる。具体的な実施形態に記載したが、カバー106におけるプリーツ形成様式はすべて、本開示の範囲内にある。
【0033】
さらに他の実施形態では、バルーン108は複数のプリーツ210を含んでいてもよく、且つ、カバー106はプリーツ210を全く含んでいなくてもよい。斯かる実施形態では、プリーツ210がバルーン108で形成され、続いて、カバー106がバルーン108の外面の周りに同軸上に配置されてもよい。具体例(すなわち、バルーン108とカバー106の両方がプリーツを備えているか又はバルーン108だけがプリーツを備えている)に関連して記載したが、バルーン108及び/又はカバー106が複数のプリーツを備えている形状はすべて、本開示の範囲内にある。
【0034】
例えば、カバー106は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE))、修飾(例えば、高密度化)ePTFE及びPTFEの延伸コポリマーなどの、例えば延伸フルオロポリマーなどのポリマーを含んでいてもよい。様々な実施形態では、延伸フルオロポリマーはノードと原線維微細構造を含んでいてもよい。様々な実施形態では、延伸フルオロポリマーは、高度に原線維から成っていてもよい、すなわち、融合した原線維の不織布であってもよい。具体的なポリマーに関連して記載したが、患者の体内でカバー106を予測可能な様式で膨らませる材料又は形状はすべて、本開示の範囲内にある。
【0035】
様々な実施形態では、カバー106はポリマー材料の多層膜を含んでいてもよい。例えば、カバー106は、基板又はマンドレル上に連続的巻付けられて略管状部材を形成するポリマー材料を含んでいてもよい。様々な実施形態では、カバー106は、ポリマー材料の円周方向に、螺旋方向に、軸方向への配向で構成されていてもよい。本明細書中に使用される場合、「方向」とは、ポリマー材料の特性の方向性のある配向、例えば材料及び/又は材料の微細構造の強度の配向である。斯かる実施形態では、ポリマー材料は、概してマンドレル又は基板の長軸に対して垂直に巻付けられてもよい、すなわち、円周方向に巻付けられてもよい。他の実施形態では、前記材料は、マンドレル又は基板の長軸に対して
0度超~90度未満の角度で巻付けられてもよい、すなわち、螺旋状に巻付けられてもよい。さらに他の実施形態では、前記ポリマー材料は、概してマンドレル又は基板の長軸に対して平行に巻付けられてもよい、すなわち、軸方向(又は長軸方向)に巻付けられてもよい。
【0036】
様々な実施形態では、カバー106は、膨張中にカバー106及び/又はバルーン108のプリーツが広がるのを容易にする低摩擦面である内面を備えていてもよい。例えば、カバー106の内面は、ePTFEを含んでいても又は本質的にePTFEから成っていてもよい。あるいは又はそれに加えて、潤滑剤がカバー106の内面に塗布されてもよい。さらに、様々な実施形態では、カバー106は、医療機器の展開を容易にする低摩擦面である外面を備えていてもよい。例えば、カバー106の外面は、ePTFEを含んでいても又は本質的にePTFEから成っていてもよい。あるいは又はそれに加えて、乾燥潤滑性コーティング(a dry lubricious coating)などの潤滑剤がカバー106の外面に塗布されてもよい。
【0037】
他の実施形態では、カバー106は、バルーン108へのカバー106の付着を容易にするために高摩擦面である内面又は粘着性コーティングを備えていてもよい。例えば、カバー106の少なくとも一部は、カバー106の内面のバルーン108の外面への付着を助けることができる、フッ素化エチレンプロピレンなどのコーティングを含んでいてもよい。
【0038】
カバー106は、例えば無孔質ポリマーを含んでいてもよい。斯かる実施形態では、無孔質ポリマーは、カバー106を通して、患者の体内への膨張流体の漏出を低減及び/又は排除し得る。さらに、非多孔質ポリマーは、カバー106及び/又はバルーン108に入る血液を低減及び/又は排除し得る。
【0039】
様々な実施形態では、カバー106はまた、治療的有用性を患者に提供するコーティングを含んでいてもよい。例えば、カバー106は、ヘパリン、シロリムス、パクリタキセル、エベロリムス、ABT-578、ミコフェノール酸、タクロリムス、エストラジオール、酸素フリーラジカルスカベンジャー、バイオリムスA9、抗CD34抗体、PDGH受容体ブロッカー、MMP-1受容体ブロッカー、VEGF、G-CSF、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、iNOS及びeNOSの刺激薬、ACE阻害薬、ARBs、ドキシサイクリン、及びサリドマイドなどであるコーティングを含んでいてもよい。カバー106及び/又はバルーン108の展開を助け得るコーティングはすべて、本開示の範囲内にある。
【0040】
カバー106は、例えばその表面が少なくとも部分的にエラストマーを吸収している多孔質ポリマー材料を含んでいてもよい。様々な実施形態では、カバー106は、エラストマーを吸収した多孔質ポリマーの多層膜を含んでいてもよい。
図3に関して、カバー106は、最内側の多孔質ポリマー層312と少なくとも1つの複合層316を含み得る。斯かる実施形態では、複合層316は、エラストマー314を吸収した多孔質ポリマーを含み得る。
図3で例示されるように、多重複合層316は、最内側の多孔質ポリマー層312を同軸上で囲み得る。様々な実施形態では、カバー106の最外層は複合層316であり、且つ、カバー106の外面は実質的にエラストマーを含まない。
【0041】
様々な実施形態では、最内側の多孔質ポリマー層312は、少なくとも1つの複合層316を上回る厚みを有する多孔質ポリマー層を含んでいてもよい。例えば、最内側の多孔質ポリマー層312は、1若しくは複数の複合層316の少なくとも2倍の厚さの層を含み得る。
【0042】
最内側の多孔質ポリマー層312及び/又は複合層316は、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、超高分子量ポリエチレンを含んでいてもよい。しかしながら、生体適合性であり、且つ、好適なエラストマーを吸収できる多孔質ポリマーはすべて、本開示の範囲内にある。
【0043】
エラストマー314は、例えばポリウレタン(例えば、Tecothane(登録商標))を含み得る。しかしながら、好適なエラストマーはすべて、本開示の範囲内にある。
【0044】
様々な実施形態では、カバー106は、ある区画に吸収させ、そして、巻付けるプロセスによって形成される多孔質ポリマー層とエラストマーの層を含み得る。例えば、
図4に例示されているとおり、第1の面424と第2の面430を有するシート422は、ePTFEなどの多孔質ポリマー材料を含み得る。
【0045】
様々な実施形態では、シート422は、吸収区画428と非吸収区画426を含み得る。吸収区画428は、例えば、シート422の第1の面424の一部でエラストマー314などのエラストマーをシート422に吸収することによって形成され得る。吸収区画428は、例えば、「バターコーティング」又はスロットダイコーティングによって形成されてもよい。斯かる実施形態では、エラストマー314などのエラストマー材料は、吸収区画428全体にわたってシート422の表面中に吸収される。様々な実施形態では、第1の面424中へ吸収されるエラストマーは、ポリウレタンを含んでいてもよい。
【0046】
吸収区画428を調製した後に、シート422は略管状部材に形成されてもよい。様々な実施形態では、シート422は、マンドレル418に巻付けられて、略管状部材を形成してもよい。例えば、シート422の多孔質ポリマーは、シート422が特定の方向により高いマトリックス引張強度を有するように、異方性ポリマーを含んでいてもよい。そのような形状では、シート422は、より高いマトリックス引張強度の方向に対して実質的に垂直である巻付けの方向420で、シート422がマンドレル418の周りに巻付けられるように、マンドレル418に対して配向させてもよい;すなわち、より高いマトリックス引張強度を軸方向に配向させる。他の形状では、それによってシート422のより高いマトリックス引張強度を螺旋状に配向するように、シート422は、マンドレル418に対して配向され、そして、マンドレル418の周りに巻付けられてもよい。さらに他の形状では、それによってシート422のより高いマトリックス引張強度を円周方向に配向するように、シート422は、マンドレル418に対して配向され、そして、マンドレル418に巻付けられる。
【0047】
他の実施形態では、シート422は等方性の多孔質ポリマーを含んでいてもよい。斯かる実施形態では、シート422は、より高い又はより低いマトリックス引張強度の方向に関係ない方向420でマンドレル418の周りに巻付けられる。
【0048】
様々な実施形態では、そして、
図3及び4に関して、非吸収区画426の広さは最内側の多孔質ポリマー層312の所望の厚さに対応し得る。例えば、非吸収区画426は、深さd1を有し得るが、それは方向420に対応し得る。様々な実施形態では、深さd1は、最内側の多孔質ポリマー層312の所望の厚さに相当し得る。例えば、マンドレル418は、ある外周を有し得るが、深さd1はその外周に等しいか又はそれより長い。そのような形状では、第1の面424の非吸収区画426が第2の面430と接触してシート422の厚さを有する最内側の多孔質ポリマー層312を形成するように、シート422がマンドレル418に巻付けられてもよい。他の実施形態では、最内側の多孔質ポリマー層312がシート422の非吸収区画426の少なくとも2倍の厚みを有するように、深さd1はマンドレル418の外周の2倍超に等しいか又はそれより長い。
【0049】
様々な実施形態では、表面424の吸収区画428は深さd2を有する。斯かる実施形態では、深さd2は、複合層316の所望の数に対応し得る。例えば、深さd2は、マンドレル418の外周と等しくても又はそれより長くてもよく、それは、ただ一つの複合層316をもたらし得る。他の実施形態では、深さd2は、マンドレル418の外周の2倍と等しくても又はそれより長くてもよく、それは、2以上の複合層316をもたらし得る。
【0050】
様々な実施形態では、バルーン108とカバー106は、互いに熱で接着されてもよい。
斯かる実施形態では、バルーン108とカバー106の少なくとも一部は、互いに接着されてもよい。斯かる熱接着は、一時的であってもよく、且つ、バルーン108とカバー106の均一な展開を容易にし得る。バルーン108とカバー106の均一な展開のために付与される、非熱性技術を含めた接着の様式はすべて、本開示の範囲内にある。
【0051】
図5に関して、様々な実施形態では、カテーテル組立品100は拡張性インプラント540をさらに含む。斯かる実施形態では、バルーン108及び/又はカバー106が拡張性インプラント540の拡張を引き起こせるように、拡張性インプラント540は、バルーン108及び/又はカバー106の周りに同軸上に配置される。
【0052】
拡張性インプラント540は、例えばバルーン拡張性インプラントを含んでいてもよい。そのような形状では、バルーン108及び/又はカバー106の膨張は、拡張性インプラント540の拡張を引き起こすことが求められる。バルーン108及び/又はカバー106の十分な膨張は、例えば、血管壁532に対抗する拡張を拡張性インプラント540の全体又は一部で引き起こすことによって、拡張性インプラント540の展開を引き起こし得る。様々な実施形態では、拡張性インプラント540の展開後に、バルーン108及びカバー106をしぼませてもよく、そして、カテーテル組立品100が患者の体から取り除かれてもよい。
【0053】
他の実施形態では、拡張性インプラント540は、自己拡張インプラントを備えていてもよい。斯かる機器は、拘束を解かれると、半径方向に潰れている形状から半径方向に拡張した形状に広がる。そのような形状では、拡張性インプラント540は、拡張性インプラントを拘束しているあらゆる部材を取り除き、部分的に展開した形状を含めて、半径方向に拡張した形状まで該インプラントを拡張させることによって、患者の血管内で部分的に展開され得る。様々な実施形態では、バルーン108及び/又はカバー106は、部分的に展開した拡張性インプラント540の完全に展開した形状までの拡張を引き起こすために膨らませられることもある。例えば、拡張性インプラント540は、拡張性インプラント540のすべて又は一部が血管壁532と接触するように、バルーン108及び/又はカバー106によって拡張され得る。
【0054】
様々な実施形態では、拡張性インプラント540は、少なくとも1つのステント部材及び適宜グラフト部材を備えていてもよい。様々な実施形態では、少なくとも1つのステント部材は生体適合性材料を含む。例えば、ステント部材は、金属、ポリマー又は天然の材料から形成されてもよいので、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリラート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリビニルクロリド、ポリウレタン、エラストマー有機ケイ素ポリマー;ステンレス、コバルトクロム合金及びニチノールを含めた可鍛性及び非可鍛性金属、並びにウシの動脈/静脈、心膜及びコラーゲンなどの生物学的に誘導された材料などの従来の医療グレード材料を含んでいてもよい。ステント部材はまた、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸/グリコール酸)ポリマー、ポリ(ヒドロキシブチラート)及びポリ(オルトエステル)、並びに生分解性金属及び合金などの生体吸収性材料も含み得る。生体適合性であり、且つ、患者の血管に適当な支持を提供する材料はすべて、本開示に合致する。
【0055】
ステント部材は、例えば、環、接合環、カットチューブ、創傷ワイヤ(若しくはリボン)、又は管の形に巻かれた平らな型押しシートなどの様々な形状を含み得る。しかしながら、患者の血管内に移植されてもよく、且つ、患者の血管に支持を提供するステント部材の形状はすべて、本開示に合致する。
【0056】
様々な実施形態では、ステント部材は、1若しくは複数のアンカーを備えていてもよい。例えば、1若しくは複数のアンカーは、ステント部材の一端若しくは両端、又はその付近に配置されてもよい。そのような形状では、アンカーは、血管内の所望の位置に拡張性インプラント540を維持するために患者の血管にはまっているか又は付着し得る。様々な実施形態では、アンカーを血管壁532にはめ込ませるために、バルーン108及び/又はカバー106を膨らませ、そしてそのアンカーが、所望の位置で拡張性インプラント540を維持するのを助け得る。あらゆる数及び形状のアンカーの使用が、本開示の範囲内にある。
【0057】
様々な実施形態では、拡張性インプラント540はグラフト部材を備えている。グラフト部材は、例えば、血管内の血流のための管腔を提供するePTFEなどの生体適合性材料を含んでいてもよい。血管内の血流のために十分な管腔を提供するグラフト部材はすべて、本開示に合致する。
【実施例0058】
実施例1
Bacinoに対して発行されたUS5,476,589の教示に従って一般に作製されたePTFE膜を得た(前記特許文献の全体をあらゆる目的のために参照により本明細書中に援用する)。その膜を、約90mmの幅に細長く切り、ロール全長に対して平行に伸びる方向で機械を用いて巻いた。Hobsonらに対する米国特許出願公開第2008/0125710号の一般的な教示に従って、膜の一部であるロール幅の約65%(約60mm)にポリウレタン(Tecothane(登録商標)1074(Lubrizol Corporation, Wickliffe, Ohio, USA))を吸収させた(前記特許文献を参照により本明細書中に援用する)。
【0059】
吸収させた部分のポリウレタンは、下層のePTFE膜を経て途中までしか広がらず、その表面にコーティングを作り出した。吸収させた部分には約10ミクロンの厚さがあった。残りのロール幅の約35%(約30mm)は、吸収させないままにした(「テール」)。
【0060】
非吸収部分のePTFEは以下の特性を有した:厚さ=0.00635mm、密度=0.42g/cc、最も強い(機械)方向のマトリックス引張強度=18049psi、横方向(最も強い方向と直交した)マトリックス引張強度=458psi。
【0061】
局所的に吸収させたePTFEのシートをロールから切り出したが、そのシートは150mmの長さがあった。2.2mmの直径と220mmの長さを有し、ステンレスを含むマンドレルを選んだ。シートのテールを非吸収部分の上部に配置した。シートの最も強い方向をマンドレルの軸に対して平行に配向することによって、シートをマンドレルの周りに連続的に巻付けた。非吸収テールを最初にマンドレルの周りに巻付け、そして、ポリウレタンコーティング面をマンドレルの方向に向けながら、マンドレル上にシートの残り部分を巻付けるまで巻付けを続けた。合計で約13と1/3回、シートをマンドレルの周りに巻付けた。
【0062】
巻付けたマンドレルを、230℃で約3分間熱処理し、次いで、室温まで冷ました。次いで、巻付けたシートの端部を、カバーが付与されるバルーンよりわずかに長く揃えた。選択したバルーンは、カテーテル上に備え付けられたナイロンバルーン(モデル番号08GK-762C、Bavaria Medizin Technologie (BMT), D-82234 Oberpfaffenhofen, Germanyによって製造されたもの)であった。
【0063】
現在、管状部材の形である巻付けたシートを、マンドレルから取り外し、バルーンの周りに同軸上で配置した。カバーとバルーンを型打ち機で圧縮して、2つの要素の間から空気を排除した。薄層のDymax(登録商標)接着剤(モデル番号204-CTH、Dymax Corp., Torrington, CT, USA)をカバーと隣接するカテーテルシャフトの各端部に塗布し、そして、接着剤を硬化させた。四層のePTFEテープをカバーとカテーテルシャフトの各端部に巻付け、そして、追加の接着剤を塗布し、硬化させた。
【0064】
カバーとバルーンを約6気圧まで膨らませ、漏れや欠陥がないか点検した。萎ませた後に、カバーとバルーンをプリーツ加工用型打ち機にセットした。カバーとバルーンを約2気圧まで膨らませ、次いで、約-0.5気圧の真空と並行してプリーツ加工用型打ち機を使用した。次いで、カバーとバルーンを半径方向にプリーツを回転させる圧縮用型打ち機にセットした。
【0065】
ステンレス製ステント環、及びePTFEの管腔と内腔側のカバーを備えたステントグラフトを、バルーンとカバーの上に同軸上で配置し、そして、軽く圧着した。次いで、カバー、バルーン、及びステントを、患者の体内へのデリバリーのための所望のプロファイルに圧縮した。
【0066】
本開示の主旨又は範囲から逸脱することなく本開示に様々な変更と変形を加えることが可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付された特許請求の範囲とその等価物の範囲内である限り本開示へのそれらの変更や変形を包含するものである。
【0067】
同様に、以下の説明では多くの特徴や利点が、機器及び/又は方法の構造と機能の詳細と様々な代替手段を含めて記載された。本明細書の開示は単に例示を意図したものであり、したがってすべてを尽くすことは意図していない。様々な変更が、特に構造、材料、要素、成分、形、サイズ、及び部品の配置に関して、組み合わせも含めて、添付された請求項が表現される用語の広くて、一般的な意味が示す全範囲にわたって可能であることは当業者にとって明らかであろう。これらの様々な変更が添付された請求項の主旨及び範囲から逸脱しない限りにおいて、それらの変更は本開示に包含されるものとする。