(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030948
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】キャッピング装置
(51)【国際特許分類】
B67B 3/26 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B67B3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134202
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】青塚 久和
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA07
3E080CD01
3E080CF07
3E080EE10
(57)【要約】
【課題】効率的にキャッピングヘッドの交換を行えるキャッピング装置を提供する。
【解決手段】マルチキャッパ12の連結部50に係止部を設ける。キャッピングヘッド22に揺動軸を中心に揺動可能とされ、上端に係止部と係合可能な係止爪が設けられるとともに、付勢手段によって係止爪が互いに接近する方向に付勢される一対の連結アーム52を設ける。揺動軸より下方にキャッピングヘッド22の軸部から外側に突出する突出部を設ける。係止爪が係止部に係合した状態において連結アーム52の内側に挿入されて連結アーム52を押し広げる解除部材と、突出部の下方に係合して連結部50から離脱したキャッピングヘッド22を支持可能な支持部材を設ける。解除部材と支持部材を待機位置と解除位置との間で軸部34に交差する方向に沿って移動させるエアシリンダを設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源によって回転される駆動軸に連結部を介して着脱自在に連結されるとともに、キャップに係合する第1のキャッピングユニットと、
前記連結部から前記第1のキャッピングユニットを取り外すとともに、当該第1のキャッピングユニットと異なるキャップに係合する第2のキャッピングユニットを前記連結部に取り付けるユニット交換手段と、を備えたキャッピング装置において、
前記連結部には係止部が設けられており、
前記第1及び第2のキャッピングユニットの上部には、揺動軸を中心に揺動可能とされ、上端に前記係止部と係合可能な係止爪が設けられるとともに、付勢手段によって前記係止爪が互いに接近する方向に付勢された少なくとも一対の連結アームが設けられ、
前記連結アームの揺動軸より下方に前記キャッピングユニットの外周面から突出する突出部を設け、
前記キャッピングユニット交換手段は、前記係止爪が前記係止部に係合した状態において前記連結アームの内側に挿入可能とされて前記連結アームを押し広げることが可能な解除部材と、前記突出部に下方から係合することにより、前記連結部から離脱した前記キャッピングユニットを支持可能な支持部材と、前記解除部材及び支持部材を待機位置と解除位置との間で前記キャッピングユニットの軸心に交差する方向に沿って移動させる移動手段とを備える
ことを特徴とするキャッピング装置。
【請求項2】
解除位置に配置される前記支持部材に支持される前記キャッピングユニットを、解除位置と解除位置の鉛直下方のキャッピングユニット受け渡し位置との間で移動させる昇降手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のキャッピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のキャップに対応可能なマルチキャッパに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の種類のキャップに対してキャッピングを行うマルチキャッパでは、チャック等を備えるキャッパ本体の先端のキャッピングヘッドを交換可能な交換ユニットとし、取り扱われるキャップに合わせてキャッピングヘッド(交換ユニット)をキャッパ本体先端に取り付けることで異なるキャップのキャッピングに対応している(特許文献1)。特許文献1の構成では、交換ユニットの上端に位置するロッド状の接続部をキャッパ本体の連結具に設けられた下向きにバネ付勢される締結部内に挿入し、接続部の突起を締結部に係合させることで交換ユニットをキャッパ本体に連結している。また、交換ユニットを取り外すときには、バネ付勢力に抗して締結部を押し上げることで接続部と締結部の係合が解除される構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、作業者が締結部を操作して交換ユニットの着脱を行わなければならず作業効率が悪い。
【0005】
本発明は、効率的にキャッピングヘッドの交換を行えるキャッピング装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明であるキャッピング装置は、駆動源によって回転される駆動軸に連結部を介して着脱自在に連結されるとともに、キャップに係合する第1のキャッピングユニットと、前記連結部から前記第1のキャッピングユニットを取り外すとともに、当該第1のキャッピングユニットと異なるキャップに係合する第2のキャッピングユニットを前記連結部に取り付けるユニット交換手段と、を備えたキャッピング装置において、前記連結部には係止部が設けられており、前記第1及び第2のキャッピングユニットの上部には、揺動軸を中心に揺動可能とされ、上端に前記係止部と係合可能な係止爪が設けられるとともに、付勢手段によって前記係止爪が互いに接近する方向に付勢された少なくとも一対の連結アームが設けられ、前記連結アームの揺動軸より下方に前記キャッピングユニットの外周面から突出する突出部を設け、前記キャッピングユニット交換手段は、前記係止爪が前記係止部に係合した状態において前記連結アームの内側に挿入可能とされて前記連結アームを押し広げることが可能な解除部材と、前記突出部に下方から係合することにより、前記連結部から離脱した前記キャッピングユニットを支持可能な支持部材と、前記解除部材及び支持部材を待機位置と解除位置との間で前記キャッピングユニットの軸心に交差する方向に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明であるキャッピング装置は、第1の発明において、解除位置に配置される前記支持部材に支持される前記キャッピングユニットを、解除位置と解除位置の鉛直下方のキャッピングユニット受け渡し位置との間で移動させる昇降手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な構造により、効率的にキャッピングヘッドの交換を行えるキャッピング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態のキャッピング装置の容器搬送方向(X軸方向)に沿った側面図である。
【
図2】
図1のキャッピング装置のX軸方向に垂直なY軸方向から見た側面図である。
【
図3】クランプが取り付けられたクランプ保持プレートの平面図である。
【
図4】連結部近傍の構成と、連結部に連結される軸部の上端近傍の構成を示す拡大側面図である。
【
図5】解除部材が取り外され、係止爪が係止部と係合しているときの
図4のB-B断面図である。
【
図6】解除部材が連結アームと連結部の隙間に押し込まれ、連結アームがテーパ面により付勢力に抗して広げられた状態が示されるB-B断面図である。
【
図7】支持部材が装着されていない
図4のC-C断面である。
【
図8】支持部材が軸部に装着された状態での
図4のC-C断面である。
【
図9】支持部材にマグネット用いた変形例のクランプの構成を示す
図4のC-C断面である。
【
図10】クランプの支持部材をグリッパ型とした別の変形例の構成を示すC-C断面である。
【
図11】キャップとともに回転させない部材が付属されたキャップのキャッピングを行うキャッピングへッドとマルチキャッパの連結状態を示す別の変形例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1、
図2は、本発明の一実施形態であるキャッピング装置の側面図である。
図1はキャッピングされる容器Vの搬送方向(X軸方向)に沿ったキャッピング装置の側面図であり、
図2はX軸方向に垂直なY軸方向から見た側面図である。なお、図面では垂直方向をZ軸方向として表す。
【0011】
キャッピング装置10はライン式のキャッパであり、
図1に示されるように複数のマルチキャッパ12(図示例では3台)が容器搬送方向(X軸方向)に沿って所定の間隔で配置される。マルチキャッパ12の上端部は基部14に取り付けられ、基部14は
図2に示されるように、スライダ16を介してY軸方向に延在するY軸レール18から垂下される。すなわち、3台のマルチキャッパ12は、キャッピング位置とキャッピングヘッド交換位置との間でY軸方向に移動可能である。
【0012】
キャッピング位置は、マルチキャッパ12の各々が容器Vを一列に搬送する容器搬送コンベヤ20の真上に配置される位置であり、キャッピング装置10は同位置において容器Vへのキャッピングを行う。一方、キャッピングヘッド交換位置は、キャッピング位置からY軸方向にずれた位置にあり、各マルチキャッパ12のキャッピングヘッドの交換作業が行われる。なお、
図2ではキャッピング位置にあるマルチキャッパ12が破線で描かれる。
【0013】
マルチキャッパ12には、異なるキャップに対応した異なる種類のチャックを備えるキャッピングヘッド(キャッピングユニット)が着脱可能である。
図1に示すように、キャッピングヘッド交換位置には容器搬送コンベヤ20と平行して異なるキャッピングヘッドが配置される。
図1の例では、3種類のキャッピングヘッド22A、22B、22C(第1~第3キャッピングユニット)が配置される。また、本実施形態では、3台のマルチキャッパ12に対してキャッピングヘッド22A、22B、22Cの何れかを同時に着脱するため、それぞれのキャッピングヘッドが3個ずつ用意されている。
【0014】
キャッピングヘッド交換位置で待機するキャッピングヘッド22A、22B、22Cは、待機ヘッド保持装置24によって保持される。待機ヘッド保持装置24は、各キャッピングヘッド22A、22B、22Cを各々保持するヘッドスタンド26A、26B、26Cを備える。ヘッドスタンド26A、26B、26Cは、それぞれ支持部材28A、28B、28Cによって一体的に支持され、支持部材28A、28B、28Cは、ヘッドスタンド昇降装置30により、それぞれ独立して昇降可能に支持される。支持部材28A、28B、28Cはそれぞれ待機位置P1と第1受渡位置P2との間で昇降可能であり、
図1では、支持部材28A、すなわちキャッピングヘッド22Aが第1受渡位置P2まで上昇され、支持部材28B、28C、すなわちキャッピングヘッド22B、22Cが待機位置に待機された状態が示される。
【0015】
なお、以下の説明では、キャッピングヘッド22A、22B、22Cをキャッピングヘッド22、ヘッドスタンド26A、26B、26Cをヘッドスタンド26、支持部材28A、28B、28Cを支持部材28で代表させて説明を行う。
【0016】
図2には、待機位置に保持されるキャッピングヘッド22が、キャッピングヘッド交換位置のマルチキャッパ12に取り付けられるまで(あるいはマルチキャッパ12に取り付けられたキャッピングヘッド22が取り外されて待機位置に移動されるまで)の各工程における様子が示される。
【0017】
まず、キャッピングヘッド22のマルチキャッパ12への取付工程について
図2を参照して説明する。待機位置P1にある支持部材28が第1受渡位置P2にまで上昇されると、側方からY軸方向に沿ってヘッド保持部32が移動してきて、第1受渡位置P2にあるキャッピングヘッド22の軸部34を保持する。ヘッド保持部32は、軸部34を両側から把持するグリッパを備え、軸部34の側面の対応箇所にはグリッパの爪が係合する凹部34Aが設けられている。ヘッド保持部32の基端部にはグリッパを開閉するためのグリッパ開閉シリンダ32Aが設けられ、スライダ36を介してY軸方向に延在するY軸レール38に摺動自在に保持される。ヘッド保持部32は受取位置1においてキャッピングヘッド22を把持すると、Y軸レール38に沿ってマルチキャッパ12の真下に位置する第2受渡位置P3へとキャッピングヘッド22を移動する。なお、スライダ36はアクチュエータ38AによりY軸レール38に沿って往復動される。
【0018】
図1に示されるように、マルチキャッパ12が取り付けられた基部14のX軸方向の一方の端部には、本実施形態のクランプ40を昇降可能に支持するクランプ昇降装置42が設けられる。すなわち、基部14の一方の端部にはスライダ42Aを摺動自在に保持し、基部14から下方に向けてZ軸方向に延在するZ軸レール42Bと、スライダ42AをZ軸レール42Bに沿って昇降させるスライダ昇降モータ42Cが設けられる。スライダ42AにはX軸方向に延在するブラケット44が設けられブラケット44にはクランプ保持プレート46が取り付けられる。
【0019】
クランプ保持プレート46は、3台のマルチキャッパ12の側方を横切って延在し、
図3に示されるように、マルチキャッパ12側の面には各クランプ40を軸部34と干渉しない待機位置と、軸部34と係合する解除位置との間でX軸方向に進退させるエアシリンダ48が設けられる。なお、
図3はクランプ40が取り付けられたクランプ保持プレート46の平面図である。
【0020】
本実施形態のキャッピングヘッド22は、後述するように軸部34に設けられた揺動軸56に軸支され、軸部34の上端よりも上方に延出する一対の連結アーム52の先端に設けられた係止爪52Aを連結部50の係止部50Bに係合させることで軸部34を連結部50に連結する。クランプ40は、連結アーム52の連結部50との係合を解除する解除部材40Aと、揺動軸56よりも下方の軸部34に設けられた突出部34Bに係合してキャッピングヘッド22を支持する支持部材40Bとを備える。解除部材40Aは支持部材40Bの上方に配置され、それぞれエアシリンダ48からY軸方向に延出する支持板54の先端に取り付けられる。
図3では、便宜的に左端のクランプ40のみ解除部材40Aと支持部材40Bが描かれ、中央および右端のクランプ40は、それぞれ下側の支持部材40Bのみ、上側の解除部材40Aのみが描かれるが、実際には各クランプ40ともに解除部材40Aおよび支持部材40Bを備える。
【0021】
クランプ40は、クランプ昇降装置42により第2受渡位置P3でヘッド保持部32により保持されるキャッピングヘッド22の軸部34高さまで下降可能である。クランプ40が第2受渡位置P3まで下降されるとき、各クランプ40は
図3において右寄りに退避されており(退避位置)、第2受渡位置P3に達するとエアシリンダ48によりX軸方向に沿って左側の解除位置まで移動される。これによりクランプ40は、第2受渡位置P3に保持されるキャッピングヘッド22の軸部34に係合する。すなわち、解除部材40Aは後述するように連結アーム52と軸部34との間に形成される隙間(連結アーム52の内側)に挿入されて連結アーム52を開放する。また、支持部材40Bは軸部34に設けられた突出部34Bの下側に係合する。
【0022】
キャッピングヘッド22の軸部34がクランプ40と係合して支持されると、ヘッド保持部32のグリッパが開放され、クランプ40およびこれに支持されるキャッピングヘッド22は、クランプ昇降装置42によりマルチキャッパ12に向けて上昇される。後述するように、キャッピングヘッド22の軸部34の上端は、着脱位置P4においてマルチキャッパ12の連結部50に係合する。軸部34の上端が連結部50に係合すると、エアシリンダ48は各クランプ40をX軸方向に沿って退避位置にまで移動させ、解除部材40Aと支持部材40Bは軸部34から離脱する。これにより連結アーム52は閉じられ、キャッピングヘッド22の軸部34の上端がマルチキャッパ12の連結部50に固定される。
【0023】
一方、連結部50に取り付けられているキャッピングヘッド22を取り外す場合には上記工程を逆に行う。すなわち、クランプ40をクランプ昇降装置42により着脱位置P4へと移動するとともに、エアシリンダ48によりクランプ40を待機位置から解除位置へと移動し、解除部材40Aにより連結部50との連結が解除されたキャッピングヘッド22を支持部材40Bにより支持する。その後クランプ昇降装置42を駆動して解除位置の鉛直直下にある受渡位置P3へとキャッピングヘッド22を移動する。そしてヘッド保持部32により軸部34を保持するとともにクランプ40を待機位置へと移動し、Y軸レール38に沿ってキャッピングヘッド22を受渡位置P2へ移動した後、ヘッドスタンド26により待機位置P1へと移動する。
【0024】
図4は、マルチキャッパ12の連結部50近傍の構成と、連結部50に連結されるキャッピングヘッド22の軸部34の上端近傍の構成を示す拡大側面図である。
図4を参照してキャッピングヘッド22のマルチキャッパ12への取り付けおよび解除の工程をより詳細に説明する。
【0025】
キャッピングヘッド22の軸部34には、凹部34Aの少し上方にキャッピングユニット22の外周面から外側にフランジ状に突出する突出部34Bが設けられる。また、軸部34の上端近傍には、軸部34を挟むように一対の連結アーム52が揺動軸56によって軸支される。連結アーム52は軸部34の上端よりも上方にまで延出し、揺動軸56周りに揺動することにより開閉される。連結アーム52の上端には内側に折れ曲がった係止爪52Aが設けられ、連結アーム52は揺動軸56周りに巻回されたトーションばね56Aによって係止爪52Aが互いに接近する方向(閉じる方向)に付勢される。なお、トーションバネ56Aに代えて、圧縮ばねを軸部34と揺動軸56の下方に延出する連結アーム52との間に設けることで連結アーム52を閉じる方向に付勢してもよく、付勢方法は本実施形態に限定されるもものではない。
【0026】
一方、マルチキャッパ12の連結部50は、マルチキャッパ12の駆動軸58の下端に設けられる。駆動軸58はキャッピングヘッド22の下端に設けられ、キャップCの天面に押接されるキャップ当接部60(
図2参照)を回転させるための軸であり、基部14内に設けられた駆動源からの回転力をマルチキャッパ12からキャッピングヘッド22へと伝達する。連結部50の外径はキャッピングヘッド22の軸部34の外径よりも僅かに大きく、その底面には軸部34の上端部が嵌合可能である。連結部50の側面には、軸方向に沿ってキー溝50Aが形成され、軸部34の先端が連結部50に嵌合されると、キャッピングヘッド22の軸部34の上端側面に設けられたキー34Cがキー溝50Aに係合する。これにより軸部34は駆動軸58と回転方向に一体化され、駆動軸58の回転力がキャップ当接部60へと伝達される。
【0027】
また、連結部50には係止爪52Aと係合する係止部50Bが設けられる。本実施形態では連結部50の上端部が外側に延出して係止部50Bとして構成される。付勢力により連結アーム52が閉じられると、係止爪52Aが係止部50Bに係合し、軸部34が連結部50に固定される。
【0028】
より詳細には、係止部50Bは、下から上に向かって拡径するテーパ形状(円錐台形状)を呈し、軸部34の上端が連結部50に向けて押し上げられると、係止爪52Aの先端が係止部50Bのテーパ面に沿って徐々に押し広げられ、連結アーム52はトーションバネ56Aの付勢力に抗して押し広げられる。その後、軸部34の上端が連結部50に嵌合されると、係止爪52Aの先端がテーパ形状の係止部50Bを乗り越え、連結アーム52はトーションバネ56Aの付勢力によって閉じられる。これにより係止爪52Aが係止部50Bの外周縁に両側から係合し軸部34が連結部50に固定される。
【0029】
一方、クランプ40の解除部材40AはU字形状を呈し、連結アーム52と連結部50の間にその左右の先端部が挿入可能である。すなわち、解除部材40Aの先端部の内側の側辺は互いに平行であり、その距離は連結部50の外径に略一致する。解除部材40Aの先端部の外側の側辺は、先端に行くほど細くなるテーパ面41として形成される。解除部材40Aの先端は、連結アーム52が閉じているときに、揺動軸56と係止爪52Aの間にあって連結部50(キャッピングユニットの外周面)と連結アーム50の間に形成される隙間に挿入可能であり、解除部材40Aが根元まで押し込まれると、連結アーム50は押し開かれて係止爪52Aと係止部50Bの係合が解除される。
【0030】
図5は、解除部材40Aが取り外され、係止爪52Aが係止部50Bと係合しているときの
図4のB-B断面図であり、連結アーム52と連結部50の配置が示される。
図6は、解除部材40Aが連結アーム52と連結部50の隙間に押し込まれ、連結アーム52がテーパ面により付勢力に抗して広げられた状態が示されるB-B断面図である。
【0031】
一方、クランプ40の支持部材40Bは、軸部34の突出部34B下に係合するU字形を呈する部材である。支持部材40Bの内周縁は軸部34に適合する形状とされている。支持部材40Bが突出部34B下に装着され、さらに、解除部材40Aによって係止爪52Aと係止部50Bの係合が解除されると、キャッピングヘッド22が駆動軸58の連結部50から脱落する。連結部50から脱落したキャッピングヘッド22の突出部34Bは、クランプ40の支持部材40Bによって支持され、キャッピングヘッド22はクランプ40によって保持される。すなわち、キャッピングヘッドはクランプ40の支持部材40Bからぶら下がった状態で保持される。
図7に支持部材40Bが装着されていない
図4のC-C断面が示され、
図8には支持部材40Bが軸部34に装着された状態での
図4のC-C断面が示される。
【0032】
以上のように、本実施形態のキャッパによれば、解除部材40Aと支持部材40Bを備えるクランプ40を用いることでキャッピングヘッド22のマルチキャッパ12への着脱を自動で行うことができ、効率的にキャッピングヘッドの交換を行える。
【0033】
次に
図9~
図11を参照して、本実施形態のキャッパの変形例について説明する。
【0034】
図9は、本実施形態のクランプ40の支持部材40Bにマグネット用いた変形例の構成を示す。軸部34に磁性体を用いる場合、支持部材40BのU字形の基底部にマグネット62を設けることで軸部34と支持部材40Bの係合をより強固にすることができる(多少の振動によってもキャッピングヘッド22がクランプ40から脱落しない)。
【0035】
図10は、クランプ40の支持部材40Bをグリッパ型とした別の変形例の構成を示す。U字形の支持部材40Bは、アーム部と基底部に分離される。両アーム部の基端部は基底部に設けた揺動軸64に軸支され、アーム部は、例えば圧縮バネ66により閉じる方向に付勢される。圧縮バネ66は、例えば揺動軸64を挟んで先端部とは反対側に延出する基端部の間に設けられ、基端部の外側には、先端部が開きすぎることを防止するストッパ68が設けられてもよい。なお、先端部の形状は軸部34が支持部材40Bに完全に押し込まれたときに、先端部の先端が軸部34を取り囲むような形成されていてもよい。
【0036】
図11は、取り付けられるキャッピングヘッドが、ディスペンサ付きのキャップのキャッピングを行う場合など、キャップとともに回転させない部材がキャップに付属する場合に対応する変形例である。軸部34の周りには軸部34に対して回転自在であり、回転させない部材に係合する方向規制部70が配置され、方向規制部70の側面からは係合ピン72が上向に延出する。係合ピン72は、軸部34が連結部50に連結されるとき、マルチキャッパ12の固定部に取り付けられた係止部材74に係合するように構成される。これにより回転を行わない方向規制部70を設けることが可能になる。
【0037】
なお、本実施形態において連結アームは一対とされたが、連結アームを2以上設けてもよく、その場合軸部周りに回転対称に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
10 キャッピング装置
22 キャッピングヘッド(キャッピングユニット)
22A、22B、22C キャッピングヘッド(第1~第3キャッピングユニット)
34B 突出部
40 クランプ
40A 解除部材
40B 支持部材
41 テーパ面
50 連結部
50B 係止部
52 連結アーム
52A 係止爪
56 揺動軸
58 駆動軸