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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030962
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】水切りコップ
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A47G19/22 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134226
(22)【出願日】2022-08-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】521199395
【氏名又は名称】中田 駿也
(74)【代理人】
【識別番号】110002413
【氏名又は名称】弁理士法人ベリーベスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 駿也
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC05
3B001CC19
(57)【要約】
【課題】デザイン性にも優れた簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供する。
【解決手段】(A)外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、(B)前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、(C)前記突片の背面側に位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記底面部近傍で、前記第1支持部の後方に固着されている第2支持部とを有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記突片の背面により槽の縁に前記コップ本体が係止され、槽周辺の載置面に載置される場合に、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、
(B) 前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、
(C) 前記突片の背面側に位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記底面部近傍で、前記第1支持部の後方に固着されている第2支持部とを有する支持構造と、を備え、
前記支持構造は、前記突片の背面により槽の縁に前記コップ本体が係止され、槽周辺の載置面に載置される場合に、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されていることを特徴とする、水切りコップ。
【請求項2】
前記外周面の上側又は横側に固着されている把手をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の水切りコップ。
【請求項3】
前記突片は、前記外周面から斜め前方向に延出して形成され、
その先端は、前記開口より後方に位置することを特徴とする、請求項2記載の水切りコップ。
【請求項4】
前記支持構造は、前記突片と前記外周面上で前後に揃うように配置され、
前記第1支持部は、前記コップ本体を前記槽の縁に係止する係止脚が、前記突片より低く、略半球状に形成されており、
前記第2支持部は、前記第1支持部を基準に周方向で対称な角度に、前記コップ本体を支持する2つの支持脚が設けられ、それぞれテーパー状に延出して形成されていること、
を特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の水切りコップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップ開口の縁が何にも接触せず開口を斜下向きに傾けた状態で衛生的に水きりをし、垂れ落ちた水が洗面台の排水口に自然に流れていく自立式のコップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台等で使用されているコップは、使用後、開口を上向きに置いて保管されることが多いため、コップ内に付着した水滴がコップ底面部に溜まったままになるので雑菌が繁殖する虞や、コップ内に塵埃等が不用意に入り込む虞があった。一方、コップの開口を下向きに置いて保管しても、洗面台等にコップ開口の縁が接触するので雑菌が付着する虞があり、いずれの場合も衛生的に課題があった。
【0003】
この課題を解決するものとして、コップ開口の縁が何にも接触せず開口を斜下向きに傾けた状態で衛生的に水切り可能な自立式のコップが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、既存のコップを下向きに置いて保管しても、コップ開口の縁が接触することを極力避けつつ水切りをし、垂れ落ちた水を洗面台の槽の排水口に自然に流すことが可能な水切りコップ台が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
特許文献1に記載の自立式水切りコップは、コップ本体と持ち手とで構成され、持ち手を下にしてコップを載置した際に、持ち手はコップ本体を安定して支えられる形状で、かつコップ本体の開口部が斜下向きになるように形成されている。したがって、コップを持ち替えて、持ち手を下にしてコップを載置することで、カップ本体の開口部下端から内部に付着している水が下方に垂れ落ちることになる。
【0005】
特許文献2に記載の自立倒立コップは、コップ本体と取っ手と倒立足とで構成され、倒立足は取っ手に対向する外周面に取り付けられ、取っ手を上側にしてコップを載置した際に、倒立足の形状がコップ本体の開口部が斜下向きに自立するように形成されている。したがって、取っ手を持ったままコップを載置することで、カップ本体の開口部下端から内部に付着している水が下方に垂れ落ちることになる。
【0006】
特許文献3に記載の水切りコップ台は、水切りコップ台本体と凸部と水止め外周部と支柱部とで構成され、水切りコップ台本体の裏面上方部に傾斜角を付けるための支柱部を設けることで水切りコップ台の表面が傾斜面となり、水切りコップ台の表面上にコップを載置するための平行に配置されている凸部が形成され、水切りコップ台の表面外周部に排水口を除き水止め外周部が形成されている。そして、支柱部下部に設けられている吸盤で水切りコップ台の排水口が洗面台の槽の縁内部に位置するように固定しておく。既存のコップを下向きに水切りコップ台の表面上の凸部に置くことで、コップから垂れ落ちた水が溜まることなく、自然に水切りコップ台の排水口から洗面台の槽内に流れ落ちていくことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-95257号公報
【特許文献2】特開2021-41127号公報
【特許文献3】特開2007-75559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1に記載の自立式水切りコップ及び特許文献2に記載の自立倒立コップは、いずれもカップ本体の開口部下端が洗面台の槽の縁内部に位置するように設置する機構を有していないため、カップ本体の開口部下端から垂れ落ちた水により槽周縁のドライエリアや天板等の載置面に水溜まりができたり、カップ自体が槽内に滑り落ちてしまったりして、見栄えや衛生上好ましくない事態が生じる虞がある。
【0009】
一方、特許文献3に記載の水切りコップ台は、コップから垂れ落ちた水を確実に洗面台の槽内に流すことを可能とするが、事前に水切りコップ台を適切な位置に設置する手間が必要で、また水切りコップ台の表面に形成されている凸部にコップの開口縁が僅かではあるものの接触するため、コップの開口縁に雑菌が付着する虞が残り、衛生上好ましくない。
【0010】
本願出願人は、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、コップを載置面に支持する支持部とコップを槽の縁に係止する突片とを有する構造を着想し、特願2021-079735において、具体的な構造を種々提案している。
【0011】
本願出願人は、さらに水切りコップの研究開発を進める中で、どのような槽の縁形状においてもコップを確実に係止させ、転倒することなく安定して載置面に支持できるという機能面の向上だけでなく、デザイン性にも優れ、製造コストも抑えられる新たな構造を見出すに至った。
【0012】
本発明は、このような新たな知見に鑑みてなされたものであり、デザイン性にも優れた簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の水切りコップは、(A)外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、(B)前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、(C)前記突片の背面側に位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記底面部近傍で、前記第1支持部の後方に固着されている第2支持部とを有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記突片の背面により槽の縁に前記コップ本体が係止され、槽周辺の載置面に載置される場合に、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されている。
【0014】
請求項2に記載の水切りコップは、前記外周面の上側又は横側に固着されている把手をさらに備えることにより、把手を持ってコップを使用した後、コップを持ち替えることなく、槽の内側から縁に向かって把手を後ろに引けば、水切りコップは、突片の背面により槽の縁に自然に係止され、載置面に載置されるので、コップ本体の内周面に付着した水滴を開口から槽内部に自然に垂れ落ちさせることができる。
【0015】
請求項3に記載の水切りコップは、前記突片は、前記外周面から斜め前方向に延出して形成され、その先端は、前記開口より後方に位置することにより、洗面台の槽の縁が垂直な場合だけでなく、斜めに傾斜している場合にも、突片の背面によりコップを槽の縁に確実に係止でき、コップ本体の開口が槽の縁の内側上方に位置するように載置される。
【0016】
請求項4に記載の水切りコップは、前記支持構造は、前記突片と前記外周面上で前後に揃うように配置され、前記第1支持部は、前記コップ本体を前記槽の縁に係止する係止脚が、前記突片より低く、略半球状に形成されており、前記第2支持部は、前記第1支持部を基準に周方向で対称な角度に、前記コップ本体を支持する2つの支持脚が設けられ、それぞれテーパー状に延出して形成されていることにより、洗面台の槽の縁に突片の背面によりコップ本体が係止された際に、転倒することなく安定して水切りコップを載置面に支持できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、(A)外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、(B)前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、(C)前記突片の背面側に位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記底面部近傍で、前記第1支持部の後方に固着されている第2支持部とを有する支持構造とを備え、前記支持構造は、前記突片の背面により槽の縁に前記コップ本体が係止され、槽周辺の載置面に載置される場合に、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されていることにより、水切りコップを掌で把持して使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽の内側から縁に向かって掌を後ろへ引けば、水切りコップは、突片の背面により槽の縁に自然に係止され、支持構造(第1支持部及び第2支持部)が載置面に載置されるので、内周面の下側が底面部から開口に向かい下向きに傾いて、コップ本体の内周面に付着した水滴を開口から槽内部に自然に垂れ落ちさせることができ、槽周辺の載置面に水溜りができることもない。開口が槽等に触れることもないので、使い勝手がよく、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1に係る水切りコップの斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る水切りコップの図1のA-A線で切断された断面図である。
図3】本発明の実施例1に係る水切りコップの背面図である。
図4】本発明の実施例1に係る水切りコップの底面図である。
図5】本発明の実施例1に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
図6】本発明の実施例2に係る水切りコップの斜視図である。
図7】本発明の実施例2に係る水切りコップの図6のA-A線で切断された断面図である。
図8】本発明の実施例2に係る水切りコップの背面図である。
図9】本発明の実施例2に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
図10】本発明の実施例3に係る水切りコップの側面図である。
図11】本発明の実施例3に係る水切りコップの底面図である。
図12】本発明の実施例3に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
図13】本発明の実施例4に係る水切りコップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。図1から図13は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的構成及び動作は同様であるものとする。
【実施例0020】
実施例1については、図1乃至5を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る水切りコップの斜視図である。
図2は、本発明の実施例1に係る水切りコップの図1のA-A線で切断した断面図である。
図1に示す水切りコップ1は、コップ本体2と突片3と支持構造4とから構成される。
【0021】
コップ本体2は、略逆円錐台形状をしており、側面21と底面部22と開口23とから構成される。
側面21は外周面211と内周面212を有し、側面21の後面には、径の小さい円形状の底面部22が設けられ、側面21の前面には、径が底面部22より大きい円形状の開口23が開けられている。そして、外周面211の下側に突片3と支持構造4とが固着されている。
本実施例の場合、図2に示すように、コップ本体2が載置面611に載置される際に、内周面212の下側が底面部22から開口23に向かい下に傾くように構成されている。
【0022】
図3は、本発明の実施例1に係る水切りコップの背面図である。
突片3は、図3に示すように、外周面211上の真下に位置し、背面から観ると略U字形状をなし、図1に示すように外周面211から離れるように斜前方向に延出し、肉厚の根本から先端に行くに従い丸みを帯びるように形成されている。
そして、突片3の先端は、図2に示すように、前面の開口23より後方に位置している。
このような形状及び配置から、水切りコップ1を槽61の縁に載置するとき、突片3の背面が槽61の縁の内側に接し、それ以上後方に水切りコップ1を引くことができないので、開口23が確実に槽61の内側に位置することになる。すなわち、突片3は、水切りコップ1を槽61の縁に係止するストッパーの役割を果たす。
【0023】
図4は、本発明の実施例1に係る水切りコップの底面図である。
支持構造4は、第1支持部41と第2支持部42とから構成される。第1支持部41、及び第2支持部42は、外周面211上で突片3と、それぞれの中心又は中央が前後に揃うように配置されている。
第1支持部41は、突片3のすぐ背面側に位置し、図3に示すように、突片3より低く、略半球状に形成されて外周面211に固着されている。
第1支持部41は、図2に示すように、突片3の背面により水切りコップ1を槽61の縁に係止したときに、水切りコップ1が槽61内に滑り落ちないよう槽61の縁上に係止する係止脚の役割を果たす。
【0024】
第2支持部42は、図3に示すように、第1支持部41の位置(外周面211上の真下)を基準に周方向で対称な角度に2つの支持脚が設けられ、それぞれテーパー状に延出して形成されており、図4に示すように、第1支持部41の後方で底面部22近傍の外周面211に固着されている。
第2支持部42の支持脚は、図2に示すように、水切りコップ1を槽61の縁に載置する際、コップ本体2の開口23及び底面部22が載置面611に対して垂直となるように高さが設定されており、これにより、転倒することなく安定して水切りコップ1を載置面に支持することとなる。
【0025】
このような構成を採用することで、図2に示すように、水切りコップ1を槽61の縁に載置すると、内周面212の下側が底面部22から開口23に向かい、底面部22と開口23の径の差の半分に対応する角度だけ下向きに傾くので、内周面212に付着した水滴が槽61内に自然に垂れ落ちることになる。
【0026】
本実施例の場合、コップ本体2は、歯磨き後の口濯ぎや口腔内の殺菌消毒のためのうがい等に用いられるため、使い易さの観点から、一般に開口直径5.5cm~10cm、高さ5.5cm~12cm、底面直径4cm~8cmのものが好ましく、より好ましくは、開口直径7cm~8cm、高さ6cm~7cm、底面直径4cm~5cmである。
したがって、内周面212の下側の傾きは、6°~22.5°、より好ましくは9°~15°が得られることになる。
【0027】
突片3は、水切りコップ1を確実に槽61の縁に係止するという観点から、高さ0.5cm~1.5cmあればよく、より好ましくは0.8cm~1.2cmである。また、突片3の幅は、1cm~3cmあればよく、より好ましくは1.5cm~2.5cmである。
さらに突片3は、槽61の縁が垂直な場合だけでなく斜めに傾斜している場合にも確実に係止できるように、図2に示す槽61の垂直面に対して10°~30°斜前方向に傾いていることが望ましく、より好ましくは15°~25°である。
【0028】
支持構造4の第1支持部41は、突片3の高さも考慮しつつ、水切りコップ1を槽61内に滑り落ちることなく確実に載置面611に係止するという観点から、半径0.4cm~0.8cmあればよく、より好ましくは0.5cm~0.6cmである。
【0029】
第2支持部42は、コップ本体2及び第1支持部41の形状を考慮して高さが決まるが、安定して支持する観点から、概ね0.5cm~3cmが好ましく、より好ましくは1cm~1.5cmである。また、2つの第2支持部42間の角度は、60°~120°が好ましく、より好ましくは90°前後である。
【0030】
水切りコップ1の素材は、価格の観点から、主に、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの熱可塑性の安価な汎用樹脂が用いられ、加工のし易さから、射出成型で一体加工されることが多い。
汎用樹脂は、一般に疎水性であるから、上述の傾き程度で、内周面212に付着した水滴を十分に垂れ落ちさせることができる。
また素材の色は、樹脂の種類によって透明、半透明又は不透明であるが、顔料を混ぜることにより様々な色に着色することが可能である。
なおコップ本体2の底面部22及び開口23の形状は、円に限らず、楕円、三角、四角、多角形等でもよい。
【0031】
次に、上述のように構成された実施例1の水切りコップ1による使用方法例について図5を用いて説明する。
【0032】
図5は、本発明の実施例1に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
図5(A)は、水切りコップ1を洗面台6の槽61の縁に載置して保管している例である。
図5(A)に示すように、水切りコップ1を使用後、槽61の縁に載置して保管することで、水切りコップ1の内周面212に付着した水滴が槽61の内側に自然に垂れ落ちて排水口612に流れる。
【0033】
図5(B)は、図5(A)の槽61の縁付近を拡大し、水切りコップ1を具体的に載置する手順を示している。
水切りコップ1の外周面211を掌で把持して使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽61の内側から縁に向かって掌を後ろへ引けば、水切りコップ1は、突片3の背面により槽61の縁に自然に係止され、支持構造4(第1支持部41及び第2支持部42)が載置面611に載置される。
【0034】
水切りコップ1の開口23は、突片3の前方、すなわち、槽61の内側上方に位置することになるので、載置面611に水滴が垂れ落ちて水溜りができることはない。
【0035】
このように、本発明の実施例1によれば、上記構成を採用することで、簡単な構造で、容易に製造でき、使い勝手よく衛生的で、コップから垂れ落ちた水が自然に洗面台の槽内に流れ落ちていく水切りコップを提供することができる。
【実施例0036】
次に、本発明の実施例2に係る水切りコップについて図6乃至9を用いて説明する。
なお、実施例2の水切りコップの基本的な構成及び機能は、実施例1と同一であるため、それらについての説明は省略する。
【0037】
図6は、本発明の実施例2に係る水切りコップの斜視図である。
図7は、本発明の実施例2に係る水切りコップの図6のA-A線で切断された断面図である。
図8は、本発明の実施例2に係る水切りコップの背面図である。
実施例2の水切りコップ1は、外周面211の上側に把手5を有する点において、実施例1と構成の差異がある。
【0038】
実施例2の水切りコップ1は、図6に示すように側面から観て略コの字形状の把手5が、図8に示すように突片3に対向する外周面211上の真上の位置で、図7に示すように突片3よりやや後ろ寄りに固着されている。
これは、水切りコップ1を槽61の縁に係止させ、載置面611に載置させたときに槽61内に滑り落ちないように重心を考慮したものである。
把手5は、コップ本体2の形状と使い易さの観点から、幅1cm~1.5cm、長さ4.5cm~8cmあることが好ましく、より好ましくは幅1cm、長さ5cm程度である。
【0039】
図9は、本発明の実施例2に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
続いて、上述のように構成された水切りコップ1による使用方法について図9を用いて説明する。
【0040】
図9(A)は、水切りコップ1を洗面台6の槽61の縁に載置して保管している例の斜視図である。
図9(A)に示すように、水切りコップ1を使用後、槽61の縁の載置面611上に載置して保管することで、水切りコップ1の内周面212に付着した水滴が槽61の内側に自然に垂れ落ちて排水口612に流れる。
【0041】
図9(B)は、図9(A)の槽61の縁を拡大し、水切りコップ1を具体的に載置する手順を示している側面図である。
実施例1では水切りコップ1の外周面211を直接掌で把持していたので、2つの第2支持部42を両方とも載置面611に設置するためには手首で位置を調節する必要があったが、このように把手5を外周面211の真上に設けることで、把手5を持って水切りコップ1を使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽61の内側から縁に水切りコップ1を係止させるように把手5を後ろへ引けば、突片3及び支持構造4は把手5の真下に位置するので、自然に水切りコップ1の突片3の背面により係止され、第1支持部41及び2つの第2支持部42とも自然に載置面611に載置される。
【0042】
このように、本発明の実施例2によれば、上記構成を採用することで、把手5を持ってコップを使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽の内側から縁に向かって把手5を後ろに引けば、水切りコップ1は、突片3の背面により槽61の縁に自然に係止され、支持構造4(第1支持部41及び第2支持部42)が載置面611に載置されるので、コップ本体2の内周面212に付着した水滴を開口23から槽61内に自然に垂れ落ちさせることが可能な水切りコップを提供することができる。
【実施例0043】
続いて、本発明の実施例3に係る水切りコップについて図10乃至12を用いて説明する。
なお、実施例3の水切りコップの基本的な構成及び機能は、実施例1と同一であるため、それらについての説明は省略する。
【0044】
図10は、本発明の実施例3に係る水切りコップの側面図である。
図11は、本発明の実施例3に係る水切りコップの底面図である。
実施例3の水切りコップ1は、外周面211の横側に把手5を有する点において、実施例2と構成の差がある。
【0045】
実施例3の水切りコップ1は、図10に示すように、側面から観て略コの字形状の把手5が、外周面211上の真横、すなわち突片3の位置(外周面211上の真下)を基準に周方向に90°回転した位置で、実施例2と同様に突片3よりやや後ろ寄りに固着されている。
そして図11に示すように、把手5は、外周面211の両側の真横から左右対称に2つ張り出しているように形成されている。
これは、底面側から観て左側の把手5は持ち手が左手の場合、右側の把手5は持ち手が右手の場合に用いられ、デザイン性を考慮して左右対称としたもので、どちらか一方の把手5だけを有していてもよい。
【0046】
図12は、本発明の実施例3に係る水切りコップの使用方法例を示す図である。
続いて、上述のように構成された水切りコップ1による使用方法について図12を用いて説明する。
図12(A)は、水切りコップ1を洗面台6の槽61の縁に載置して保管している例の斜視図である。
図12(B)は、図12(A)の槽61の縁を拡大し、水切りコップ1を具体的に載置する手順を示している側面図である。
実施例2では外周面211の真上に設けられている把手5を上から持って、そのまま槽61の内側から縁に向かって把手5を後ろへ引けばよかったが、本実施例では、例えば左手で把手5を持って水切りコップ1を使用した後、そのまま槽61の内側から縁に向かって把手5を左横へ引けばよい。
【0047】
このように、本発明の実施例3によれば、上記構成を採用することで、実施例2と同様に、把手5を持ってコップを使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽61の内側から縁に向かって把手5を左横へ引けば、水切りコップ1は、突片3の背面により槽61の縁に自然に係止され、支持構造4(第1支持部41及び第2支持部42)が載置面611に載置されるので、コップ本体2の内周面212に付着した水滴を開口23から槽61内に自然に垂れ落ちさせることが可能なデザイン性を考慮した水切りコップを提供することができる。
【0048】
最後に、本発明の実施例4に係る水切りコップについて図13を用いて説明する。
なお、実施例4の水切りコップの基本的な構成及び機能は、実施例1と同一であるため、それらについての説明は省略する。
【0049】
図13は、本発明の実施例4に係る水切りコップの側面図である。
突片3は、斜め前方に延出して形成されているため、槽61の縁が斜めに傾斜している場合にも、確実に係止することができる。
実施例4の水切りコップ1は、開口23の中心が底面部22の中心から下側にずれ、側面21の上側が底面部22から開口23に向けて平坦になり、その分、側面21の下側の底面部22から開口23に向けての傾斜が大きくなった点において、実施例2と構成の差がある。
上記構成を採用することで、水切りコップ1を槽61の縁に載置すると、側面21の下側の傾斜が大きくなった分、コップ本体2の内周面212に付着した水滴がより早く垂れ落ちることになる。
【0050】
以上、本発明の実施例に係る水切りコップについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【0051】
例えば、本発明の実施例によれば、外周面211の上側又は横側に把手5が備わる水切りコップ1について説明してきたが、例えば、上側及び両横側の三方に把手5が備わっていてもよく、デザイン的にも面白く同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 水切りコップ
2 コップ本体
21 側面
211 外周面
212 内周面
22 底面部
23 開口
3 突片
4 支持構造
41 第1支持部
42 第2支持部
5 把手
6 洗面台
61 槽
611 載置面
612 排水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項1に記載の水切りコップは、(A)外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、(B)前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、(C)前記突片の背面側に隣接して位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記第1支持部の後方に位置し、前記外周面の後方端部に固着されている第2支持部とを有する支持構造と、を備え、前記突片、前記第1支持部及び前記第2支持部は、3つの別体としてそれぞれの位置で前記外周面に固着され、前記突片が、その背面槽の縁に係止され、前記コップ本体が、前記支持構造により、前記槽周辺の載置面に支持される場合に、前記開口が前記槽内上方に位置する状態で、前記コップ本体が前記槽内に落ちることなく係止され、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明によれば、(A)外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、(B)前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、(C)前記突片の背面側に隣接して位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記第1支持部の後方に位置し、前記外周面の後方端部に固着されている第2支持部とを有する支持構造と、を備え、前記突片、前記第1支持部及び前記第2支持部は、3つの別体としてそれぞれの位置で前記外周面に固着され、前記突片が、その背面槽の縁に係止され、前記コップ本体が、前記支持構造により、前記槽周辺の載置面に支持される場合に、前記開口が前記槽内上方に位置する状態で、前記コップ本体が前記槽内に落ちることなく係止され、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されていることにより、水切りコップを掌で把持して使用した後、そのまま持ち替えることなく、槽の内側から縁に向かって掌を後ろへ引けば、水切りコップは、突片の背面により槽の縁に自然に係止され、支持構造(第1支持部及び第2支持部)が載置面に載置されるので、内周面の下側が底面部から開口に向かい下向きに傾いて、コップ本体の内周面に付着した水滴を開口から槽内部に自然に垂れ落ちさせることができ、槽周辺の載置面に水溜りができることもない。開口が槽等に触れることもないので、使い勝手がよく、衛生的である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 外周面と内周面とを有する側面部と、後面に底面部とを有し、前面が開口されているコップ本体と、
(B) 前記外周面の下側で前記開口近傍に固着され、前記外周面から離れる方向に延出して形成されている突片と、
(C) 前記突片の背面側に隣接して位置し、前記外周面に固着されている第1支持部と、前記第1支持部の後方に位置し、前記外周面の後方端部に固着されている第2支持部とを有する支持構造と、を備え、
前記突片、前記第1支持部及び前記第2支持部は、3つの別体としてそれぞれの位置で前記外周面に固着され、
前記突片が、その背面槽の縁に係止され、前記コップ本体が、前記支持構造により、前記槽周辺の載置面に支持される場合に、前記開口が前記槽内上方に位置する状態で、前記コップ本体が前記槽内に落ちることなく係止され、前記内周面の下側が前記底面部から前記開口に向かい下向きに傾くように構成されていることを特徴とする、
水切りコップ。
【請求項2】
前記外周面の上側又は横側に固着されている把手をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の水切りコップ。
【請求項3】
前記突片は、前記外周面から斜め前方向に延出して形成され、
その先端は、前記開口より後方に位置することを特徴とする、請求項2記載の水切りコップ。
【請求項4】
前記支持構造は、前記突片と前記外周面上で前後に揃うように配置され、
前記第1支持部は、前記コップ本体を前記槽の縁に係止する係止脚が、前記突片より低く、略半球状に形成されており、
前記第2支持部は、前記第1支持部を基準に周方向で対称な角度に、前記コップ本体を支持する2つの支持脚が設けられ、それぞれテーパー状に延出して形成されていること、
を特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の水切りコップ。