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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030966
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240229BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 622D
G09G3/20 642C
G09G3/20 642E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134230
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】523290528
【氏名又は名称】JDI Design and Development 合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】小原 将紀
【テーマコード(参考)】
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD10
5C080FF11
5C080HH09
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK34
5C080KK42
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB23
5C380AB34
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC12
5C380AC16
5C380BA39
5C380BB01
5C380BD02
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC65
5C380CD015
(57)【要約】
【課題】従来よりも表示品位の低下を抑制できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、複数の画素11と、複数の画素11における互いに異なる画素行Lごとに配置され、データ電圧Vdatを書き込む画素行Lを選択するための、制御信号WS1が供給される複数の第1のゲート制御線WS1及び所定条件を満たすまでの間において、制御信号WS2が供給される複数の第2のゲート制御線WS2とを備える。複数の画素11のそれぞれは、発光素子ELと、駆動トランジスタTDと、信号線Vdatと駆動トランジスタTDのゲート電極との間に接続された第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32と、信号線Vdatから供給されたデータ電圧Vdatを保持する保持容量CSとを有し、第2の書き込みトランジスタT32は、少なくとも第1の書き込みトランジスタT31がオンしている期間にオンする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元状に配置された複数の画素と、
前記複数の画素における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行を選択するための、第1のゲート制御信号が供給される複数の第1のゲート制御線、及び、所定条件を満たすまでの間において、前記第1のゲート制御信号とは異なる第2のゲート制御信号が供給される複数の第2のゲート制御線とを備え、
前記複数の第1のゲート制御線のそれぞれ、及び、前記複数の第2のゲート制御線のそれぞれは、互いに独立して設けられ、
前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
前記データ電圧に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、
前記データ電圧を供給する信号線と前記駆動トランジスタのゲート電極との間に接続された第1の書き込みトランジスタ及び第2の書き込みトランジスタと、
前記信号線から前記第1の書き込みトランジスタ及び前記第2の書き込みトランジスタを介して供給された前記データ電圧を保持する容量素子とを有し、
前記第1の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第1のゲート制御線と接続され、
前記第2の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第2のゲート制御線と接続され、
前記第2の書き込みトランジスタは、少なくとも前記第1の書き込みトランジスタがオンしている期間にオンする
表示装置。
【請求項2】
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件を満たすまでの間、1フレームのうち前記データ電圧を前記容量素子に書き込む書き込み期間にオンし、
前記第2の書き込みトランジスタは、前記所定条件を満たすまでの間、前記1フレームのうち前記書き込み期間を含み、かつ、前記書き込み期間より長いオン期間にオンする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記オン期間は、1フレーム期間である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、前記書き込み期間にオンし、
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、前記1フレームのうち少なくとも前記書き込み期間にオンする
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の書き込みトランジスタは、前記第2の書き込みトランジスタに同期してオンする
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、1フレーム期間にわたってオンする
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記所定条件は、前記表示装置の動作時間が所定時間以上となることである
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記所定条件は、前記第1の書き込みトランジスタの閾値電圧が、所定電圧未満となることである
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1の書き込みトランジスタ及び前記第2の書き込みトランジスタの少なくとも1つは、酸化物半導体層を有する
請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自発光型表示装置に用いられる電気光学素子として、有機EL素子が知られている。有機EL素子は、有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した電気光学素子であり、有機EL素子を流れる電流値を制御することで発色の階調を得ている。そのため、有機EL素子を用いる有機EL表示装置は、有機EL素子の電流量を制御するための駆動トランジスタと、駆動トランジスタの制御電圧を保持する保持容量(キャパシタ)とを含む画素回路が画素ごとに設けられている。
【0003】
駆動トランジスタは、当該駆動トランジスタの特性バラツキにより有機EL素子の発光輝度などに影響を与え、表示品位を低下させることがある。駆動トランジスタの特性バラツキは、閾値電圧のバラツキ、移動度のバラツキなどである。そこで、特許文献1には、駆動トランジスタの閾値電圧のバラツキを補正する閾値電圧補正、及び、駆動トランジスタの移動度のバラツキを補正する移動度補正を行う表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-057947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された表示装置において、所定の表示を行うときなどに、表示品位が低下する恐れがある。
【0006】
そこで、本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る表示装置は、2次元状に配置された複数の画素と、前記複数の画素における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行を選択するための、第1のゲート制御信号が供給される複数の第1のゲート制御線、及び、所定条件を満たすまでの間において、前記第1のゲート制御信号とは異なる第2のゲート制御信号が供給される複数の第2のゲート制御線とを備え、前記複数の第1のゲート制御線のそれぞれ、及び、前記複数の第2のゲート制御線のそれぞれは、互いに独立して設けられ、前記複数の画素のそれぞれは、発光素子と、前記データ電圧に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、前記データ電圧を供給する信号線と前記駆動トランジスタのゲート電極との間に接続された第1の書き込みトランジスタ及び第2の書き込みトランジスタと、前記信号線から前記第1の書き込みトランジスタ及び前記第2の書き込みトランジスタを介して供給された前記データ電圧を保持する容量素子とを有し、前記第1の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第1のゲート制御線と接続され、前記第2の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第2のゲート制御線と接続され、前記第2の書き込みトランジスタは、少なくとも前記第1の書き込みトランジスタがオンしている期間にオンする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置によれば、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る表示装置の画素回路の構成の一例を示す回路図である。
図3図3は、実施の形態に係る画素回路の構造の一例を模式的に示す平面図である。
図4図4は、実施の形態に係る表示装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、所定条件を満たす前の、実施の形態に係る表示装置の1つのサブ画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図6図6は、所定条件を満たす前の、実施の形態に係る表示装置における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図7図7は、所定条件を満たした後の、実施の形態に係る表示装置の1つの画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図8図8は、所定条件を満たした後の、実施の形態に係る表示装置における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図9図9は、実施の形態に係る表示装置の効果を説明するための第1図である。
図10図10は、実施の形態に係る表示装置の効果を説明するための第2図である。
図11図11は、実施の形態に係る表示装置の効果を説明するための第3図である。
図12図12は、実施の形態の変形例に係る表示装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
図13図13は、所定条件を満たした後の、実施の形態の変形例に係る表示装置の1つのサブ画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図14図14は、所定条件を満たした後の、実施の形態の変形例に係る表示装置における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図15図15は、実施の形態の変形例に係る表示装置の効果を説明するための図である。
図16図16は、その他の実施の形態に係る表示装置の外観を示す斜視図である。
図17図17は、従来例に係る画素回路の構成の一例を示す回路図である。
図18A図18Aは、課題を説明するための表示パターンを示す図である。
図18B図18Bは、表示パターンが表示された画像を示す図である。
図19図19は、書き込みトランジスタのVtシフトを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
本開示の実施の形態等の説明に先立ち、本開示に至った経緯について、図17図19を参照しながら説明する。
【0011】
まずは、従来例に係る有機EL表示装置の回路構成について、図17を参照しながら説明する。図17は、従来例に係る画素回路211の構成の一例を示す回路図である。表示装置の画素のそれぞれは、画素回路211を含んで構成される。
【0012】
図17に示すように、画素回路211を構成するサブ画素回路211R、211G、211Bは、互いに同一の構成を有する。以下、画素回路211の構成について、サブ画素回路211Rに着目して説明する。
【0013】
サブ画素回路211Rは、初期化トランジスタT1、補償トランジスタT2、書き込みトランジスタT3、保持容量CS(容量素子の一例)、駆動トランジスタTD、発光素子ELを有する。また、サブ画素回路211Rは、制御信号線(初期化信号線INI、参照信号線REF、ゲート制御線WS)、参照電圧線VINI、VREF、信号線Vdat、正電源線VCC、及び、負電源線VCATHを有する。
【0014】
初期化トランジスタT1は、制御信号INIに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのソースノードを初期化電圧VINIに設定する。
【0015】
補償トランジスタT2は、制御信号REFに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのゲートノードを基準電圧Vrefに設定する。
【0016】
書き込みトランジスタT3は、制御信号WSに従ってオン状態となり、データ電圧Vdatのデータ電圧を保持容量CSに保持させる。書き込みトランジスタT3は、例えば、シングルゲートのトランジスタである。保持容量CSに保持されたデータ電圧を保持電圧とも記載する。
【0017】
駆動トランジスタTDは、保持容量CSに保持された電圧に応じて、発光素子ELに電流を供給する。これにより、発光素子ELは、データ電圧Vdatによって表される輝度で発光する。
【0018】
サブ画素回路211R、211G、211Bにおいて、同じ制御信号INI、REF、WSに従って同じタイミングでデータ電圧Vdat、Vdat、Vdatが保持され、保持されたデータ電圧Vdat、Vdat、Vdatに応じた輝度で発光素子EL、EL、ELが発光する。
【0019】
このような画素回路211を有する表示装置における課題について、図18A及び図18Bを参照しながら説明する。図18Aは、課題を説明するための表示パターンを示す図である。図18Aは、表示させたい画像を示す。図18Bは、表示パターンが表示された画像を示す図である。図18Bは、実際にユーザが視認する画像を示す。図18Bでは、黒の濃さをドット密度で示している。ドット密度が高いほど暗い表示を行っていること意味する。なお、現フレーム及び前フレームにおいて、図18Aに示す表示パターンを表示する例について説明する。前フレームは、現フレームの1つ前のフレームである。
【0020】
図18Bに示すように、従来例に係る表示装置が、図18Aに示す、背景は黒であり表示パネルの中央部に白ウィンドウの表示パターンを表示する場合、白ウィンドウの上側及び下側の黒表示を行う画素が周囲の黒表示を行う画素より明るくなる、いわゆる黒浮きが発生する。以降において、白ウィンドウの上下の黒表示を行う画素を、対象画素とも記載する。
【0021】
これは、白画素より前に黒表示を行うための書き込み動作が行われた対象画素の保持電圧が、白画素への書き込み時に変動(図18Bの場合は上昇)したことが原因である。同じ画素列に配置された対象画素及び白ウィンドウを表示する画素(白画素)へのデータ電圧Vdatの電圧の書き込み(データ書き込み)を行う信号線Vdatは、対象画素及び白画素で共通である。白画素より前に書き込み動作が行われた対象画素の保持容量CSは、白画素にデータ書き込みが行われているとき、当該黒画素の書き込みトランジスタ(例えば、書き込みトランジスタT3)により信号線Vdatと電気的に分離されている。つまり、保持電圧とデータ電圧Vdatの電圧とは、電気的に分離されている。
【0022】
しかしながら、白画素にデータ書き込みを行う際に、当該黒画素の書き込みトランジスタT3のソースドレイン電圧Vdsが所定以上となると、当該書き込みトランジスタT3がオフリークしてしまう。これにより、黒画素の保持電圧が変動(ここでは、上昇)するので、黒浮きが発生する。なお、黒画素の書き込みトランジスタT3のソースドレイン電圧Vds、及び、黒画素の書き込みトランジスタT3のソースドレイン電圧Vdsが所定以上となった場合も同様に、書き込みトランジスタT3及びT3がオフリークしてしまう。
【0023】
白ウィンドウの上側に配置された対象画素には、黒表示に応じたデータ電圧(黒表示用のデータ電圧)の書き込みが行われる。当該黒表示用のデータ電圧の書き込みが終了すると、当該データ電圧が保持容量CSに保持される。言い換えると、駆動トランジスタTDのゲートノードの電位(ゲート電位Vg)が黒表示用のデータ電圧となる。
【0024】
この状態で、当該黒画素の下側に配置されている白画素の書き込み動作が行われる。白画素の書き込み動作を行うとき、当該信号線Vdatには白表示に応じたデータ電圧(白表示用のデータ電圧)が供給されている。白表示用のデータ電圧は、黒表示用のデータ電圧に比べて高い電圧である。
【0025】
黒画素の駆動トランジスタTDは、信号線Vdatに白表示用のデータ電圧が供給されているときオフ状態であり、白表示用のデータ電圧が供給されている信号線Vdatと、当該黒画素の保持容量CSに保持されている黒表示用のデータ電圧とを電気的に分離している。
【0026】
しかし、2つのデータ電圧の電位差が大きい場合、つまり書き込みトランジスタT3のソースドレイン電圧Vdsが大きい場合、当該書き込みトランジスタT3にソースドレイン電圧Vdsに応じたオフリーク電流Ioffが流れる。ソースドレイン電圧Vdsは、保持電圧(ゲート電位Vg)と、SIG電圧Vaとの差に相当する電圧である。これにより、1フレーム内において、書き込み済みの黒画素の保持電圧が上昇してしまい、本来の黒表示より明るい表示が行われることで、黒浮きが発生する。なお、保持電圧が上昇することは、ゲート電位Vgが上昇することを意味する。また、ここでのオフリーク電流Ioffは、信号線Vdatから保持容量CSに向かうオフリーク電流である。
【0027】
また、白ウィンドウの下側に配置された対象画素には、前フレームにおいて、黒表示に応じた黒表示用のデータ電圧の書き込みが行われている。白ウィンドウの下側に配置された対象画素の駆動トランジスタTDのゲートノードの電位(ゲート電位Vg)は、現フレームにおいて黒表示用のデータ電圧となっている。
【0028】
この状態で、現フレームにおいて当該黒画素の上側に配置されている白画素の書き込み動作が行われる。このときにも、白ウィンドウの下側に配置された対象画素の書き込みトランジスタT3には、ソースドレイン電圧Vdsに応じたオフリーク電流Ioffが流れる。
【0029】
オフリーク電流Ioffが小さい場合には表示への影響は小さいが、オフリーク電流Ioffは、表示装置の使用に伴って書き込みトランジスタT3の閾値電圧が経時変化することで増加することが知られている。書き込みトランジスタT3の閾値電圧の経時変化(I-V特性の変化)について、図19を参照しながら説明する。図19は、書き込みトランジスタT3のVtシフトを説明するための図である。図19に示す実線はVtシフト前(閾値電圧の経時変化前)のI-V特性を示すグラフであり、破線はVtシフト後(閾値電圧の経時変化後)のI-V特性を示すグラフである。図19の横軸は、ゲートソース間電圧Vgsを示し、縦軸はドレインソース間電流Idsを示す。
【0030】
図19に示すように、書き込みトランジスタT3は、経時変化により実線で示されるI-V特性から点線で示されるI-V特性へと変化する。書き込みトランジスタT3のゲート電極には、1フレーム内におけるデータ書き込み期間以外の期間には負電圧が供給されているので、書き込みトランジスタT3は、長時間点灯すると、経時変化によりI-V特性が負電圧側にシフトする(図19中の「Vt負電圧側シフト」を参照)。つまり、書き込みトランジスタT3の閾値電圧が低電圧側にシフトする。
【0031】
これにより、書き込みトランジスタT3のゲート電極に書き込みトランジスタT3をオフにする電圧(図19に示す「WS_OFF電圧」)が供給されている場合のオフリーク電流Ioffが増加する。つまり、経時変化によりオフリーク電流Ioffが増加する。
【0032】
なお、図19に示すI-V特性を示すグラフが左側へ移動(例えば、実線から破線方向へ移動)することは、書き込みトランジスタT3のオフ時の性能が低下していることを意味する。ここでのオフ時の性能は、例えば、オフリーク電流Ioffが流れることを抑制する性能である。
【0033】
このように、従来の表示装置では、経時変化によりオフリーク電流Ioffが増加することで、表示品位の低下が発生する。
【0034】
そこで、本願発明者は、このような表示品位の低下を抑制することができる表示装置について、鋭意検討を行い、以下に説明する表示装置を創案した。
【0035】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態等は、いずれも本開示における一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態等で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態等における構成要素のうち、本開示における独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0036】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0037】
また、本明細書において、同じ等の要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0038】
(実施の形態)
[1.表示装置の構成]
まず、本実施の形態に係る表示装置の構成について、図1図3を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、本明細書において、簡潔のため、信号と信号を伝達する配線とを、同一の符号で参照することがある。また、回路と回路が形成される領域とを、同一の符号で参照することがある。
【0039】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御部20と、電源30とを備える。
【0040】
表示パネル10は、複数の画素11(画素回路)を2次元状(マトリクス状)に配置して構成される。つまり、表示パネル10は、複数の画素行Lを有する。各画素11は、R、G、Bの発光色にそれぞれ対応するサブ画素回路11R、11G、11B(サブ画素)を有する。本実施の形態では、複数の画素行Lを構成する複数の画素11のそれぞれは、発光素子として、有機EL素子を有する。
【0041】
2次元状の各行には、同じ行に配置される複数の画素11に接続される4本の制御信号線(第1のゲート制御線WS1、第2のゲート制御線WS2、初期化信号線INI、及び、参照信号線REF)が設けられる。つまり、各行には、第1のゲート制御線WS1、第2のゲート制御線WS2、初期化信号線INI、及び、参照信号線REFのそれぞれが、1本ずつ設けられる。第1のゲート制御線WS1、第2のゲート制御線WS2、初期化信号線INI、及び、参照信号線REFのそれぞれは、ゲートドライバ13から供給される制御信号WS1、WS2、INI及びREFのそれぞれを、画素11へ伝達する。なお、制御信号線の本数及び制御信号は一例であり、この例に限定されない。
【0042】
4本の制御信号線は、複数の画素行Lごとに配置され、映像信号に対応したデータ電圧を書き込むための画素行Lを選択するために設けられる。
【0043】
第1のゲート制御線WS1は、複数の画素11における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行(例えば、サブ画素行)を選択するための制御信号WS1が供給されるゲート制御線である。第1のゲート制御線WS1は、複数の画素11における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行(例えば、サブ画素行)を選択するための制御信号WS2が供給されるゲート制御線である。複数の第1のゲート制御線WS1のそれぞれと、複数の第2のゲート制御線WS2のそれぞれとは、互いに独立して設けられている。つまり、第1のゲート制御線WS1と第2のゲート制御線WS2とは、配線上において接触していない。
【0044】
また、初期化信号線INIは、複数の画素11における互いに異なる画素行ごとに配置され、発光素子EL、EL、ELの電位を初期化するための制御信号INIが供給される。参照信号線REFは、複数の画素11における互いに異なる画素行ごとに配置され、駆動トランジスタTD、TD、TD(後述する図2を参照)のゲート電極に参照電圧VREFを供給するための制御信号REFが供給される。
【0045】
表示パネル10は、表示部12と、ゲートドライバ13と、データドライバ14とを有する。
【0046】
表示部12は、行列状に配置された、それぞれが発光素子EL、EL、EL(後述する図2を参照)を有する複数の画素11を有する。当該行列の各行には同じ行に配置される複数の画素11に共通に接続される制御信号線(ゲート制御線)が設けられ、当該行列の各列には同じ列に配置される複数の画素11に共通に接続される信号線Vdat、Vdat及びVdatが設けられる。なお、以降において、信号線Vdat、Vdat及びVdatを区別しない場合、又は、信号線Vdat、Vdat及びVdatをまとめて信号線Vdatとも記載する。
【0047】
信号線Vdatは、1以上のサブ画素11Bを含む画素列に属する各サブ画素11Bと接続され、各サブ画素11Bにデータ電圧Vdatを供給する。なお、サブ画素11Bは、例えば、青色を発するサブ画素である。1つの信号線Vdatに接続された各サブ画素11Bにより1つのサブ画素列が構成される。
【0048】
信号線Vdatは、1以上のサブ画素11Gを含む画素列に属する各サブ画素11Gと接続され、各サブ画素11Gにデータ電圧Vdatを供給する。なお、サブ画素11Gは、例えば、緑色を発するサブ画素である。1つの信号線Vdatに接続された各サブ画素11Gにより1つのサブ画素列が構成される。
【0049】
信号線Vdatは、1以上のサブ画素11Rを含む画素列に属する各サブ画素11Rと接続され、各サブ画素11Rにデータ電圧Vdatを供給する。なお、サブ画素11Rは、例えば、赤色を発するサブ画素である。1つの信号線Vdatに接続された各サブ画素11Rにより1つのサブ画素列が構成される。
【0050】
1つの画素列は、第1のサブ画素列、第2のサブ画素列、及び、第3のサブ画素列を含んで構成される。
【0051】
このように、信号線Vdatは、複数の画素11における互いに異なるサブ画素列ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧をサブ画素11B、11G及び11Rに充電するため(書き込むため)に設けられる。なお、以降において、充電することを書き込むとも記載する。
【0052】
ゲートドライバ13は、制御信号線を介して、画素11に対し、画素11の動作を制御するための各種制御信号を供給する。ゲートドライバ13は、走査線駆動回路として機能する。
【0053】
ゲートドライバ13は、INI信号用ゲートドライバ13a、Ref信号用ゲートドライバ13b、WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13dを含んで構成される。INI信号用ゲートドライバ13a、Ref信号用ゲートドライバ13b、WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13dのそれぞれは、複数のシフトレジスタを含んで構成される。シフトレジスタは、例えば、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)回路、又は、使われている薄膜トランジスタがNチャネル又はPチャネルの何れか一方のみのポリシリコン薄膜トランジスタを含んで構成されるが、これに限定されない。
【0054】
INI信号用ゲートドライバ13aは、初期化トランジスタT1、T1及びT1(後述する図2を参照)それぞれのゲート電極と初期化信号線INIを介して接続されており、画素11が有する発光素子EL、EL及びELそれぞれの電極(例えば、アノード)の電位を初期化する初期化動作を行うためのゲートドライバである。INI信号用ゲートドライバ13aは、初期化トランジスタT1、T1及びT1のオン及びオフを制御信号INIにより制御する。
【0055】
Ref信号用ゲートドライバ13bは、補償トランジスタT2、T2及びT2(後述する図2を参照)それぞれのゲート電極と参照信号線REFを介して接続されており、駆動トランジスタTD、TD及びTDの閾値電圧を補償する閾値補償動作を行うためのゲートドライバである。Ref信号用ゲートドライバ13bは、補償トランジスタT2、T2及びT2のオン及びオフを制御信号REFにより制御する。
【0056】
WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13dは、データ電圧Vdat、Vdat、Vdatのそれぞれを保持容量CS、CS、CSのそれぞれに保持させる。
【0057】
WS1信号用ゲートドライバ13cは、第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31(後述する図2を参照)それぞれのゲート電極と第1のゲート制御線WS1を介して接続されており、当該第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31のオン及びオフのための制御信号WS1を第1のゲート制御線WS1に供給する。
【0058】
WS2信号用ゲートドライバ13dは、第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32(後述する図2を参照)それぞれのゲート電極と第2のゲート制御線WS2を介して接続されており、当該第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32のオン及びオフのための制御信号WS2を第2のゲート制御線WS2に供給する。
【0059】
このように、第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31と、第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32とは、互いに異なるゲート制御線に接続されている。第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31と、第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32とは、互いに異なるゲートドライバ(WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13d)に接続されており、個別にオン及びオフが制御可能である。
【0060】
データドライバ14は、信号線Vdatを介して、画素11に対し、発光輝度に対応するデータ電圧を供給する。データ電圧は、画素11の画像データ(表示階調)に基づく電圧信号である。データドライバ14は、信号線Vdatへデータ電圧を出力することにより、発光画素の有する回路素子を駆動する。データドライバ14は、信号線駆動回路として機能する。
【0061】
制御部20は、表示パネル10を制御する回路であり、外部から映像信号を受信し、当該映像信号で表される画像が表示部12において表示されるように、ゲートドライバ13及びデータドライバ14を制御する。また、制御部20は、タイムカウント機能を有しており、所定時点(例えば、表示装置1の使用が開始された時点)をゼロとして、タイムカウント(TC)を常に更新する。そして、制御部20は、タイムカウントが閾値(TC2)以上になったか否かを判定する。なお、閾値は、書き込みトランジスタのオフ状態のときの性能(オフ性能)が所定量低下したことを示す値であり、実験又はシミュレーションにより予め設定されており記憶部(図示しない)に記憶されている。所定量は、表示装置1の表示において許容できる限界の値である。制御部20は、タイミングコントローラとも称される。
【0062】
電源30は、表示装置1の動作用の電力を、表示装置1の各部に供給する。電源30は、例えば、表示部12、ゲートドライバ13、データドライバ14及び制御部20へ動作用の電力を供給する。また、電源30は、例えば、初期化電圧VINI、参照電圧(基準電圧)VREF、正電源電圧VCC、及び、負電源電圧VCATHを表示部12へ供給する。
【0063】
次に、複数の画素11の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る表示装置1の画素回路の構成の一例を示す回路図である。なお、サブ画素回路11Rは、従来例に係る画素回路211のサブ画素回路211Rの書き込みトランジスタT3に替えて、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32を有し、かつ、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32のそれぞれが互いに異なるゲート制御線に接続されている点が主に相違する。以下では、従来例との相違点を中心に説明し、従来例と同様の構成については従来例と同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0064】
図2に示すように、画素(画素回路)11は、サブ画素(サブ画素回路)11R、11G及び11Bを含んで構成される。サブ画素11R、11G及び11Bは、互いに同一の構成を有している。以下、画素回路の構成について、サブ画素11Rに着目して説明する。
【0065】
なお、第1のゲート制御線WS1は、第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31に共通(例えば、サブ画素11R、11G及び11Bそれぞれで共通)の制御線であり、画素行Lに含まれる2以上の画素11それぞれの第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31それぞれのゲート電極に接続される。また、第2のゲート制御線WS2は、第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32に共通(例えば、サブ画素11R、11G及び11Bそれぞれで共通)の制御線であり、画素行Lに含まれる2以上の画素11それぞれの第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32それぞれのゲート電極に接続される。
【0066】
サブ画素11Rは、初期化トランジスタT1と、補償トランジスタT2と、第1の書き込みトランジスタT31と、第2の書き込みトランジスタT32と、保持容量CSと、駆動トランジスタTDと、発光素子ELとを有する。初期化トランジスタT1と、補償トランジスタT2と、第1の書き込みトランジスタT31と、第2の書き込みトランジスタT32と、駆動トランジスタTDとは、画素11を構成する薄膜トランジスタである。また、サブ画素11Rは、制御信号線(初期化信号線INI、参照信号線REF、第1のゲート制御線WS1、第2のゲート制御線WS2)、信号線Vdat、正電源線VCC、及び、負電源線VCATHを有する。なお、初期化トランジスタT1及び補償トランジスタT2は、必須の構成要素ではない。
【0067】
初期化トランジスタT1、補償トランジスタT2、第1の書き込みトランジスタT31、第2の書き込みトランジスタT32、及び、駆動トランジスタTDの少なくとも1つは、ポリシリコン、又は、アモルファスシリコンにより形成される半導体層(チャネル層)を有する。例えば、初期化トランジスタT1、補償トランジスタT2、第1の書き込みトランジスタT31、第2の書き込みトランジスタT32、及び、駆動トランジスタTDの全ては、ポリシリコン、又は、アモルファスシリコンにより形成される半導体層を有していてもよい。
【0068】
また、初期化トランジスタT1、補償トランジスタT2、第1の書き込みトランジスタT31、第2の書き込みトランジスタT32、及び、駆動トランジスタTDの少なくとも1つは、酸化物半導体により形成される半導体層(チャネル層)を有していてもよい。例えば、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、酸化物半導体により形成される半導体層を有していてもよい。また、例えば、画素11は、ポリシリコン半導体TFT、及び、酸化物半導体TFTが混成して形成されてもよい。
【0069】
初期化トランジスタT1は、制御信号INIに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのソース電極(ソースノード)に初期化電圧VINIを供給する。初期化トランジスタT1のゲート電極は、INI信号用ゲートドライバ13aに接続されている。
【0070】
補償トランジスタT2は、制御信号REFに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのゲート電極(ゲートノード)に参照電圧VREFを供給する。これは、発光素子ELの電極(例えば、アノード)の電位を初期化することに相当する。補償トランジスタT2のゲート電極は、Ref信号用ゲートドライバ13bに接続されている。
【0071】
第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、信号線Vdatと駆動トランジスタTDのゲート電極との間で直列に配置される。第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、例えば、ダブルゲート構造のトランジスタである。第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32の両方がオン状態となる場合に、データ電圧Vdatが保持容量CSに保持される。
【0072】
第1の書き込みトランジスタT31は、制御信号WS1に従ってオン状態となり、データ電圧Vdatを保持容量CSに保持させる。第1の書き込みトランジスタT31のゲート電極は、WS1信号用ゲートドライバ13cに接続されている。
【0073】
第1の書き込みトランジスタT31は、信号線Vdatと駆動トランジスタTDのゲート電極との間に接続されている。具体的には、第1の書き込みトランジスタT31は、ソース電極及びドレイン電極の一方が信号線Vdatに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方が補償トランジスタT2のソース電極及びドレイン電極の一方、及び、駆動トランジスタTDのゲート電極に接続されている。
【0074】
第2の書き込みトランジスタT32は、少なくとも所定条件を満たすまでの間において制御信号WS1とは異なる制御信号WS2に従ってオン状態となり、データ電圧Vdatを保持容量CSに保持させる。また、第2の書き込みトランジスタT32は、少なくとも第1の書き込みトランジスタT31がオンしている期間にオンする。第2の書き込みトランジスタT32のゲート電極は、WS2信号用ゲートドライバ13dに接続されている。
【0075】
第2の書き込みトランジスタT32は、第1の書き込みトランジスタT31と駆動トランジスタTDのゲート電極との間に接続されている。具体的には、第2の書き込みトランジスタT32は、ソース電極及びドレイン電極の一方が第1の書き込みトランジスタT31のソース電極及びドレイン電極の他方に接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方が駆動トランジスタTDのゲート電極及び保持容量CSに接続されている。
【0076】
なお、画素行Lに含まれる複数の画素11それぞれの第1の書き込みトランジスタT31には共通の制御信号WS1が供給され、異なる画素行Lに含まれる画素11それぞれの第1の書き込みトランジスタT31には互いに異なる制御信号WS1が供給される。つまり、画素行Lごとに独立した制御信号WS1が供給される。また、画素行Lに含まれる複数の画素11それぞれの第2の書き込みトランジスタT32には共通の制御信号WS2が供給され、異なる画素行Lに含まれる画素11それぞれの第2の書き込みトランジスタT32には互いに異なる制御信号WS2が供給される。つまり、画素行Lごとに独立した制御信号WS2が供給される。
【0077】
なお、以降において、第1の書き込みトランジスタT31、T31及びT31を区別しない場合、又は、それらをまとめて第1の書き込みトランジスタT31とも記載する。また、以降において、第2の書き込みトランジスタT32、T32及びT32を区別しない場合、又は、それらをまとめて第2の書き込みトランジスタT32とも記載する。
【0078】
保持容量CSは、信号線Vdatから第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32を介して供給されたデータ電圧Vdatを保持する。保持容量CSは、容量素子の一例である。なお、以降において、保持容量CS、CS、CSを区別しない場合、又は、それらをまとめて保持容量CSとも記載する。
【0079】
駆動トランジスタTDは、ソース電極及びドレイン電極の一方が正電源線VCCに接続され、ソース電極及びドレイン電極の他方が発光素子ELのアノードに接続され、保持容量CSに保持されたデータ電圧Vdatに応じた電流を、発光素子ELに供給する。これにより、発光素子ELは、データ電圧Vdatに応じた輝度で発光する。なお、以降において、駆動トランジスタTD、TD及びTDを区別しない場合、又は、それらをまとめて駆動トランジスタTDとも記載する。
【0080】
発光素子ELは、自発光型の発光素子であり、本実施の形態では、有機EL発光素子(有機EL素子)である。発光素子ELのアノード電極は、駆動トランジスタTDのソース電極及びドレイン電極の一方と接続される。発光素子ELのカソード電極には、負電源線VCATHによってカソード電圧(負電源電圧)が印加されている。
【0081】
なお、以降において、発光素子EL、EL、ELを区別しない場合、又は、それらをまとめて発光素子ELとも記載する。
【0082】
なお、図2に示すゲート電位Vgは、駆動トランジスタTDのゲート電極の電位を示しており、ソース電位Vsは、駆動トランジスタTDのソース電極の電位を示している。また、図2に示すゲート電位Vgは、駆動トランジスタTDのゲート電極の電位を示しており、ソース電位Vsは、駆動トランジスタTDのソース電極の電位を示している。また、図2に示すゲート電位Vgは、駆動トランジスタTDのゲート電極の電位を示しており、ソース電位Vsは、駆動トランジスタTDのソース電極の電位を示している。
【0083】
図3は、本実施の形態に係る画素11の構造の一例を模式的に示す平面図である。
【0084】
図3に示すように、サブ画素回路11R、11G、11Bは、画素(画素回路)11を分割した3つのサブ画素領域11R、11G、11Bにそれぞれ形成されている。
【0085】
画素11は、例えば、基板上に、この順に配置された第1配線層、半導体層、第2配線層によって形成されている。第1配線層は、主に、各制御信号線、参照電圧線VINI、VREF、保持容量CS、CS、CSの一方電極、及び、各トランジスタのゲート電極として用いられる。半導体層は、各トランジスタのチャネル領域として用いられる。第2配線層は、主に、信号線Vdat、Vdat、Vdat、正電源線VCC、保持容量CS、CS、CSの他方電極、及び、各トランジスタのソース電極、ドレイン電極として用いられる。異なる層同士は、ビアにより接続される。
【0086】
画素11に含まれる発光素子EL、EL、ELは、同一の制御信号INI、REF、WS1及びWS2に従って同一のタイミングで保持容量CS、CS及びCSに保持されたデータ電圧Vdat、Vdat及びVdatに応じた輝度で発光する。
【0087】
なお、図示は省略しているが、基板、第1配線層、半導体層、第2配線層を覆うように平坦化層が設けられ、発光素子EL、EL、ELは、平坦化層上に形成される。
【0088】
なお、表示装置1は、例えば、1ライン分の画像データを格納するラインメモリ(図示しない)、又は、1フレーム分の画像データを格納するフレームメモリ(図示しない)を備えていてもよい。
【0089】
[2.表示装置の動作]
続いて、上記のように構成される表示装置1の動作について、さらに図4図8を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る表示装置1の制御部20の動作を示すフローチャートである。
【0090】
図4に示すように、表示装置1が使用開始された場合、制御部20は、第1のWS1信号用ゲートドライバ13c及び第2のWS2信号用ゲートドライバ13dの一方をゲートドライバ制御に設定し、第1のWS1信号用ゲートドライバ13c及び第2のWS2信号用ゲートドライバ13dの他方をHigh駆動制御に設定する。例えば、制御部20は、WS1信号用ゲートドライバ13cをゲートドライバ制御に設定し、WS2信号用ゲートドライバ13dをHigh駆動制御に設定する(S10)。ゲートドライバ制御とは、データ書き込み期間のみ書き込みトランジスタをオンさせる制御(パルス駆動させる制御)であり、書き込みトランジスタにおける通常の制御である。High駆動制御は、データ書き込み期間に関わらず、1フレーム期間にわたりオンさせる制御であり、本開示に特有の制御である。なお、制御部20は、表示装置1が使用開始された時点をゼロとして、タイムカウントTCのカウントを開始しているものとする。
【0091】
図5は、所定条件を満たす前の、本実施の形態に係る表示装置1の1つのサブ画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
【0092】
図5に示すように、サブ画素回路(例えば、サブ画素回路11R等)では、初期化期間、Vt補償期間及びデータ書込み期間により、当該サブ画素回路の発光輝度に関連するデータ電圧Vdatが保持容量CSに保持される。ゲートドライバ制御に設定されているWS1信号用ゲートドライバ13cは、1フレーム期間のうちデータ書き込み期間のみ第1の書き込みトランジスタT31をオンさせるための制御信号WS1を当該第1の書き込みトランジスタT31に出力する。このような制御信号WS1は、データ書き込み期間のみHigh(正)となり、他の期間はLow(負)となる電圧信号となる。つまり、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件を満たすまでの間において、1フレームのうちデータ電圧を保持容量CSに書き込む書き込み期間のみオンとなるように制御されるので、当該第1の書き込みトランジスタT31のゲート電極には、1フレーム内では主に負電圧が供給される。
【0093】
また、High駆動制御に設定されているWS2信号用ゲートドライバ13dは、データ書き込み期間を含む1フレーム期間全体にわたって第2の書き込みトランジスタT32をオンさせるための制御信号WS2を当該第2の書き込みトランジスタT32に出力する。このような制御信号WS2は、データ書き込み期間を含む1フレーム期間全体にわたってHigh(正)となる電圧信号となる。つまり、第2の書き込みトランジスタT32は、所定条件を満たすまでの間において、1フレーム期間全体にわたってオンとなるように制御されるので、第2の書き込みトランジスタT32のゲート電極には、1フレーム内では主に正電圧が供給される。第2の書き込みトランジスタT32がオンされる期間は、オン期間の一例である。本実施の形態では、オン期間は、1フレーム期間であるが、1フレームにおいて書き込み期間を含み、かつ、当該書き込み期間より長い期間であればよい。
【0094】
このような制御を行うことで、第1の書き込みトランジスタT31にVtシフト(Vt負電圧側シフト)が発生するが、第2の書き込みトランジスタT32にVtシフト(Vt負電圧側シフト)が発生することを抑制することができる。
【0095】
図5に示す動作は、例えば、画素11を構成する3つのサブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれにおいて、同じタイミングで実行される。
【0096】
図6は、所定条件を満たす前の、本実施の形態に係る表示装置1における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。図6において、信号名に付したかっこ書きの数字は、信号が供給される画素行を示している。
【0097】
図6に示すように、第1の書き込みトランジスタT31は、複数の画素行Lのそれぞれを順次オンする。制御信号WS1は、複数の画素行Lのそれぞれを順次オンさせる信号である。つまり、複数の画素行Lのそれぞれで制御信号WS1の信号波形が異なる。
【0098】
一方、第2の書き込みトランジスタT32は、全ての画素行Lにおいて、1フレーム期間にわたってオンする。制御信号WS2は、複数の画素行Lの全てを同時に1フレーム期間にわたってオンさせる信号である。つまり、複数の画素行Lのそれぞれにおいて制御信号WS2の信号波形は同じ(同一の信号)である。
【0099】
図4を再び参照して、制御部20は、タイムカウントTCが閾値TC2以上となったか否かを判定する(S20)。タイムカウントTCは、表示装置1の動作時間の一例であり、閾値TC2は、所定時間の一例である。また、タイムカウントTCが閾値TC2以上となることは、所定条件の一例である。なお、所定条件は、第1の書き込みトランジスタT31の閾値電圧が、所定電圧未満となることであってもよい。
【0100】
制御部20は、タイムカウントTCが閾値TC2以上となったと判定した場合(S20でYes)、WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13dのそれぞれをゲートドライバ制御に設定する(S30)。つまり、制御部20は、WS2信号用ゲートドライバ13dの制御を、High駆動制御からゲートドライバ制御に切り替える。
【0101】
図7は、所定条件を満たした後の、本実施の形態に係る表示装置1の1つのサブ画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
【0102】
図7に示すように、ゲートドライバ制御に切り替えられたWS2信号用ゲートドライバ13dは、1フレーム期間のうちデータ書き込み期間のみ第2の書き込みトランジスタT32をオンさせるための制御信号WS2を当該第2の書き込みトランジスタT32に出力する。このような制御信号WS2は、データ書き込み期間のみHigh(正)となり、他の期間はLow(負)となる電圧信号であり、制御信号WS1と同一の信号である。つまり、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、同じタイミング、同じ期間オンされる。第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、同期してオンするとも言える。また、所定条件を満たした後、第1の書き込みトランジスタT31は、第2の書き込みトランジスタT32に同期してオンするとも言える。
【0103】
また、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件を満たした後、1フレームのうち少なくとも書き込み期間にオンすればよい。
【0104】
このような制御を行うことで、第2の書き込みトランジスタT32にVtシフト(Vt負電圧側シフト)が発生するが、当該第2の書き込みトランジスタT32のVtシフトが発生する時点をステップS20でYesとなる時点まで遅らせることができる。
【0105】
図7に示す動作は、画素11を構成する3つのサブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれにおいて、同じタイミングで実行される。
【0106】
図8は、所定条件を満たした後の、本実施の形態に係る表示装置1における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。図8において、信号名に付したかっこ書きの数字は、信号が供給される画素行を示している。
【0107】
図8に示すように、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32は、複数の画素行Lのそれぞれを順次オンする。制御信号WS1及びWS2のそれぞれは、複数の画素行Lを順次オンさせる信号である。つまり、制御信号WS1及びWS2のそれぞれは、一の画素行Lにおいて同一の信号であり、かつ、複数の画素行Lごとに互いに異なる信号となる。
【0108】
図4を再び参照して、制御部20は、タイムカウントTCが閾値TC2以上となっていないと判定した場合(S20でNo)、ステップS20でYesと判定されるまでステップS10で設定された制御内容での制御を継続する。これにより、第2の書き込みトランジスタT32は、例えば、表示装置1の使用開始からステップS20でYesと判定されるまでの期間(例えば、第1期間)にわたりオンするように制御される。
【0109】
なお、表示装置1の使用開始からステップS20でYesと判定される前の期間は、第1期間の一例であり、ステップS20でYesと判定された後の期間は、第2期間の一例である。
【0110】
上記のような制御を行うことの効果について、図9図11を参照しながら説明する。図9は、本実施の形態に係る表示装置1の効果を説明するための第1図である。図9では、第1期間及び第2期間のそれぞれにおける、第1の書き込みトランジスタT31(図9に示す書込Tr(T31))、及び、第2の書き込みトランジスタT32(図9に示す書込Tr(T32))のオフ性能の変化、制御方法等について示している。
【0111】
図9に示すように、第1期間においては、第2の書き込みトランジスタT32は、High駆動(Highレベルに固定する駆動)により制御されるので、パネル点灯時間の経過とともにオフ性能が徐々にではあるが向上する。ここでのオフ性能の向上とは、図19に示すI-V特性が紙面の右側へシフトすること(つまり、閾値電圧が上昇すること)を意味する。なお、第2の書き込みトランジスタT32の種類によっては、High駆動により制御された場合でも、オフ性能が実質的に維持するものもある。
【0112】
一方、第1の書き込みトランジスタT31は、ゲートドライバ制御(パルス駆動させる制御)により制御されるので、パネル点灯時間の経過とともにオフ性能が低下する。点灯開始(使用開始)からオフ性能がオフ性能許容限界レベルに低下するまでの時間(図9に示す書込Tr(T31)オフ性能寿命となるまでの時間)は、第1の書き込みトランジスタT31によりオフリーク電流Ioffを許容内に抑えることができるが、当該時間の経過後は、第1の書き込みトランジスタT31のオフ特性がオフ性能許容限界レベルを下回ってしまう(図9に示すオフ特性NG)。なお、書込Tr(T31)オフ性能寿命となる時間に達することは、ステップS20でYesと判定されたことに相当する。
【0113】
そこで、書込Tr(T31)オフ性能寿命となると、オフ性能が低下していない第2の書き込みトランジスタT32をゲートドライバ制御による制御に切り替えることにより、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性がオフ性能許容限界レベルを下回ってしまう(図9に示す書込Tr(T32)オフ性能寿命となる)までの間、第2の書き込みトランジスタT32によりオフリーク電流Ioffを許容内に抑えることができる。
【0114】
これにより、表示装置1の寿命を長寿命化することができる。具体的には、従来技術(例えば、図1に示す画素回路211を有する表示装置)の寿命がL1であるのに対し、本開示の表示装置1では、L2(≧L1×2)に寿命を延ばすことができる。なお、ここでの寿命とは、書き込みトランジスタのオフ特性が所望の特性未満となることを意味する。
【0115】
また、表示装置1は、白ウィンドウの表示パターン以外の一般的な表示パターンの表示を行う場合にもメリットがある。当該メリットについて、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、本実施の形態に係る表示装置1の効果を説明するための第2図である。
【0116】
図10に示すように、表示装置1は、第2期間において、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性がオフ性能許容限界レベル以上であるので、書き込み動作後に保持容量CSに保持された保持電圧が書き込みトランジスタのオフリークにより変動することを抑制することができる。ここでのオフリーク電流Ioffは、保持容量CSから信号線Vdatに向かうオフリーク電流である。
【0117】
例えば、表示装置1は、第1期間においては、第1の書き込みトランジスタT31のオフ特性がオフ性能許容限界レベル以上であるので、第2の書き込みトランジスタT32がオン状態であっても、当該第1の書き込みトランジスタT31によりオフリーク電流Ioffが流れることを抑制することができる。また、例えば、第2期間においては、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性がオフ性能許容限界レベル以上であるので、第1の書き込みトランジスタT31のオフ特性がオフ性能許容限界レベルを下回っていても、当該第2の書き込みトランジスタT32によりオフリーク電流Ioffが流れることを抑制することができる。
【0118】
よって、表示装置1は、第1期間及び第2期間にわたって、保持電圧が変動することを抑制することができる。また、表示装置1は、保持容量CSから信号線Vdatに向かうオフリーク電流Ioffを抑制することができるので、保持容量CSの平面視における面積を小さくすることが可能となる。例えば、オフリーク電流Ioffを半分に抑制することができれば、保持容量CSの平面視における面積を半分にすることが可能となる。
【0119】
図11は、本実施の形態に係る表示装置1の効果を説明するための第3図である。図11は、第2期間における、本実施の形態に係る表示装置1と従来の表示装置との輝度変化の様子を模式的に示す図である。従来の表示装置は、図17に示す画素回路211を有する表示装置である。なお、図11では、フレーム内において最初にデータ書き込みが行われる画素行Lの白画素における当該フレーム内での輝度変化を示している。また、データ書き込みは、当該白画素に白表示に対応する電圧を書き込むことを示している。
【0120】
図11に示すように、本実施の形態に係る表示装置1と従来の表示装置とも、データ書き込み後に、輝度が低下している。これは、当該白画素のデータ書き込みの後に他の画素行Lのデータ書き込みが行順次行われるが、他の画素行Lのデータ書き込みのときに当該白画素の書き込みトランジスタにオフリーク電流Ioffが流れることにより、当該白画素の保持電圧が徐々に低下するためである。
【0121】
本実施の形態に係る表示装置1は、第1期間及び第2期間にわたってオフリーク電流Ioffの発生を抑制することができるので、従来の表示装置に比べて輝度の変化を抑制することができる。つまり、本実施の形態に係る表示装置1は、従来の表示装置に比べて表示品位が向上する。
【0122】
また、オフリーク電流Ioffは、各フレームそれぞれで発生するので、各フレームにおいて輝度が低下している。本実施の形態に係る表示装置1は、各フレームにおいて、オフリーク電流Ioffの発生を抑制することができるので、従来の表示装置に比べて各フレームで輝度の変化を抑制することができる。
【0123】
なお、図11では、フレーム内において輝度が一様に低下する例を示しているが、輝度の変化はこれに限定されず、画像によっては上昇することも起こり得る。また、輝度の変化は、フレームごとに異なることも起こり得る。
【0124】
[3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る表示装置1は、2次元状に配置された複数の画素11と、複数の画素11における互いに異なる画素行Lごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧Vdatを書き込む画素行Lを選択するための、制御信号WS1(第1のゲート制御信号の一例)が供給される複数の第1のゲート制御線WS1、及び、所定条件を満たすまでの間において、制御信号WS1とは異なる制御信号WS2(第2のゲート制御信号の一例)が供給される複数の第2のゲート制御線WS2とを備え、複数の第1のゲート制御線WS1のそれぞれ、及び、複数の第2のゲート制御線WS2のそれぞれは、互いに独立して設けられている。複数の画素11のそれぞれは、発光素子ELと、データ電圧Vdatに応じた電流を発光素子ELに供給する駆動トランジスタTDと、データ電圧Vdatを供給する信号線Vdatと駆動トランジスタTDのゲート電極との間に接続された第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32と、信号線Vdatから第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32を介して供給されたデータ電圧Vdatを保持する保持容量CS(容量素子の一例)とを有する。そして、第1の書き込みトランジスタT31のゲート電極は、第1のゲート制御線WS1と接続され、第2の書き込みトランジスタT32のゲート電極は、第2のゲート制御線WS2と接続され、第2の書き込みトランジスタT32は、少なくとも第1の書き込みトランジスタT31がオンしている期間(例えば、書き込み期間)にオンする。
【0125】
これにより、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32のオン及びオフを、それぞれ個別に制御することができる。例えば、第2の書き込みトランジスタT32が、1フレームにおいて第1の書き込みトランジスタT31がオンしている期間を含む当該期間より長い期間オンするように制御されることで、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性の低下を第1の書き込みトランジスタT31より小さくすることができる。所定条件を満たした後、第2の書き込みトランジスタT32をゲートドライバ制御で制御することで、第1の書き込みトランジスタT31のオフ特性の低下を第2の書き込みトランジスタT32が補償することができる。つまり、所定条件を満たした後においても、オフリーク電流Ioffが発生することを抑制する制御を行い得る。よって、所定条件を満たした後においてもオフリーク電流Ioffが発生することを抑制する制御が行われた場合に、従来よりもオフリーク電流Ioffに起因する表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0126】
また、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件を満たすまでの間、1フレームのうちデータ電圧Vdatを保持容量CSに書き込む書き込み期間にオンし、第2の書き込みトランジスタT32は、所定条件を満たすまでの間、1フレームのうち書き込み期間を含み、かつ、書き込み期間より長いオン期間にオンする。
【0127】
これにより、所定条件を満たすまでの間に、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性が低下してしまうことを抑制することができる。よって、所定条件を満たした後に第2の書き込みトランジスタT32がゲートドライバ制御される場合、当該所定条件を満たした後においてもオフリーク電流Ioffが発生することを抑制することができる。よって、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0128】
また、オン期間は、1フレーム期間である。
【0129】
これにより、所定条件を満たすまでの間に、第2の書き込みトランジスタT32のオフ特性が低下してしまうことを抑制することができる。また、第2の書き込みトランジスタT32の閾値電圧が、所定条件を満たすまでの間に初期値から上昇する効果も期待できる。つまり、所定条件を満たした後において、より長い期間、オフリーク電流Ioffが発生することを抑制することができる。よって、より長い期間、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0130】
また、第2の書き込みトランジスタT32は、所定条件が満たされた後、書き込み期間にオンし、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件が満たされた後、1フレームのうち少なくとも書き込み期間にオンする。
【0131】
これにより、第1の書き込みトランジスタT31のオフ特性の低下を第2の書き込みトランジスタT32が補償することができる。つまり、所定条件を満たした後においても、オフリーク電流Ioffが発生することを抑制しやすくなる。よって、オフリーク電流Ioffの発生を従来よりも抑制することができるので、従来よりもオフリーク電流Ioffに起因する表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0132】
また、第1の書き込みトランジスタT31は、第2の書き込みトランジスタT32に同期してオンする。
【0133】
これにより、所定条件が満たされた後に、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32を同期させることで、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0134】
また、例えば、所定条件は、表示装置1の動作時間が所定時間以上となることであってもよい。
【0135】
これにより、表示装置1の動作時間を計測するだけで、制御内容の切り替えを行うことができる。よって、簡易な構成で、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0136】
また、例えば、所定条件は、第1の書き込みトランジスタT31の閾値電圧が、所定電圧未満となることであってもよい。
【0137】
これにより、事前にオフ特性が許容限界レベルとなるまでの時間等のデータ取りを行うことなく、従来よりも表示品位の低下を抑制することができる表示装置1を実現することができる。
【0138】
また、第1の書き込みトランジスタT31及び第2の書き込みトランジスタT32の少なくとも1つは、酸化物半導体層を有する。
【0139】
オフ特性が低下した後にHigh(正)となる電圧を印加すると低下したオフ特性がもとのオフ特性に戻りやすい性質を酸化物半導体層が有するので、表示装置1は、より長期間にわたり従来よりも表示品位の低下を抑制することができる。
【0140】
(実施の形態の変形例)
以下では、本変形例に係る表示装置について、図12図15を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。本変形例に係る表示装置の構成は実施の形態に係る表示装置1と同じであってもよく、以下では、実施の形態で用いた符号を用いて説明する。
【0141】
図12は、本変形例に係る表示装置1の制御部20の動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートのステップS30に替えてステップS40を実行する点で相違する。
【0142】
図12に示すように、制御部20は、タイムカウントTCが閾値TC2以上となったと判定した場合(S20でYes)、WS1信号用ゲートドライバ13cをHigh駆動制御に設定し、かつ、WS2信号用ゲートドライバ13dをゲートドライバ制御に設定する(S40)。つまり、制御部20は、WS1信号用ゲートドライバ13cの制御を、ゲートドライバ制御からHigh駆動制御に切り替え、かつ、WS2信号用ゲートドライバ13dの制御を、High駆動制御からゲートドライバ制御に切り替える。制御部20は、ステップS20でYesと判定した場合、WS1信号用ゲートドライバ13c及びWS2信号用ゲートドライバ13dの制御内容を、入れ替えるとも言える。
【0143】
図13は、所定条件を満たした後の、本変形例に係る表示装置1の1つのサブ画素回路における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。図13に示す制御信号WS1の波形が図7に示す制御信号WS1の波形と相違する。
【0144】
図13に示すように、High駆動制御に切り替えられたWS1信号用ゲートドライバ13cは、データ書き込み期間を含む1フレーム期間全体にわたって第1の書き込みトランジスタT31をオンさせるための制御信号WS1を当該第1の書き込みトランジスタT31に出力する。このような制御信号WS1は、データ書き込み期間を含む1フレーム期間全体にわたってHigh(正)となる電圧信号となる。つまり、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件を満たした後において、1フレーム期間全体にわたってオンとなるように制御されるので、第1の書き込みトランジスタT31のゲート電極には、第2期間の1フレーム内において主に正電圧が供給される。
【0145】
このような制御を行うことで、第1の書き込みトランジスタT31に発生したVtシフト(Vt負電圧側シフト)の変化の少なくとも一部をキャンセルすることが可能となる。つまり、図19に示す破線のI-V特性をもとの実線のI-V特性に近づけることができる。
【0146】
図14は、所定条件を満たした後の、本変形例に係る表示装置1における駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。図14に示す制御信号WS1の波形が図8に示す制御信号WS1の波形と相違する。
【0147】
第1の書き込みトランジスタT31は、ステップS20でYesと判定されると、全ての画素行Lにおいて、1フレーム期間にわたってオンする。制御信号WS1は、複数の画素行Lの全てを同時に1フレーム期間にわたってオンさせる信号である。つまり、複数の画素行Lのそれぞれにおいて制御信号WS1の信号波形は同じ(同一の信号)である。
【0148】
図15は、本変形例に係る表示装置1の効果を説明するための図である。
【0149】
図15に示すように、書込Tr(T31)オフ性能寿命となると、オフ性能が低下していない第2の書き込みトランジスタT32をゲートドライバ制御による制御に切り替えられることに加えて、オフ性能がオフ性能許容限界レベルを下回っている第1の書き込みトランジスタT31がHigh駆動制御による制御に切り替えられる。第1の書き込みトランジスタT31には、データ書き込み期間を含む1フレーム期間全体にわたってHigh(正)となる電圧信号となる。つまり、第1の書き込みトランジスタT31のゲート電極には、主に正電圧が供給される。
【0150】
これにより、オフ性能許容限界レベルを下回っている第1の書き込みトランジスタT31のオフ性能を、回復させることができる。例えば、第2期間の経過後、再度第1の書き込みトランジスタT31をゲートドライバ制御による制御に切り替えることで、表示装置1の寿命をさらに延ばすことができる。
【0151】
以上のように、本変形例に係る表示装置1において、第1の書き込みトランジスタT31は、所定条件が満たされた後、1フレーム期間にわたってオンする。
【0152】
これにより、第1の書き込みトランジスタT31の低下しているオフ性能を回復させることができるので、表示装置1においてオフリーク電流Ioffが発生することをより長期間にわたり抑制することができる。よって、表示装置1は、長期間にわたり従来よりも表示品位の低下を抑制することができる。
【0153】
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る表示装置について、実施の形態等に基づいて説明してきたが、本開示に係る表示装置は、上記実施の形態等に限定されるものではない。実施の形態等における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態等に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本実施の形態に係る表示装置を内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【0154】
例えば、本開示に係る表示装置1は、図16に示すような薄型ディスプレイ装置として実現されてもよい。図16は、その他の実施の形態に係る表示装置1の外観を示す斜視図である。このような表示装置1は、オフリーク電流Ioffに起因する表示部12における表示輝度ズレの発生を抑制することが可能である。
【0155】
また、上記実施の形態等に係る表示装置1の用途は、特に限定されない。表示装置1は、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョンなどに使用されてもよいし、デジタルサイネージなどに使用されてもよい。
【0156】
また、上記実施の形態等におけるゲートドライバ13の各構成が表示パネル10の一方側(図1の場合、紙面の左側)に配置される例について説明したが、少なくとも1つの構成は表示パネル10の他方側(図1の場合、紙面の右側)に配置されていてもよい。例えば、表示パネル10の一方側及び他方側のそれぞれに同数のゲートドライバ(○○用ゲートドライバ)が配置されてもよい。例えば、表示パネル10の一方側にはINI信号用ゲートドライバ13a及びWS2信号用ゲートドライバ13dが配置され、表示パネル10の他方側にはRef信号用ゲートドライバ13b及びWS1信号用ゲートドライバ13cが配置されてもよい。これにより、表示装置1の左右の額縁幅を同程度にすることができる。
【0157】
また、上記実施の形態等では、表示装置1が有する発光素子ELは、有機EL素子である例について説明したが、これに限定されない。発光素子ELは、他の自発光型の発光素子であってもよい。発光素子ELは、例えば、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)を用いた発光素子であってもよい。また、表示パネル10は、非発光型のパネルであってもよく、例えば、液晶パネルであってもよい。
【0158】
また、上記実施の形態等では、第1期間において第1の書き込みトランジスタT31をゲートドライバ制御する例について説明したが、第2の書き込みトランジスタT32をゲートドライバ制御してもよい。
【0159】
また、上記実施の形態等では、信号線Vdatと駆動トランジスタTDのゲート電極との間に直列に配置される書き込みトランジスタが2つである例について説明したが、3つ以上であってもよい。
【0160】
また、上記実施の形態等における、ゲートドライバ制御時と、High駆動制御時とに供給されるHigh(正)となる電圧値は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態等において、第1の書き込みトランジスタT31の閾値電圧が所定電圧未満となることが所定条件である場合、表示パネル10の表示部12以外の領域に、第1の書き込みトランジスタT31の閾値電圧を測定するための構成が追加されてもよい。当該構成は、例えば、第1の書き込みトランジスタT31と同じ特性のトランジスタと、当該トランジスタに第1の書き込みトランジスタT31のゲートに供給される制御信号を供給するための配線と、閾値電圧測定のための部品とを含んでいてもよい。
【0162】
また、上記実施の形態等で説明した各トランジスタは、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成されてもよいし、p型の薄膜トランジスタ(p型TFT)で構成されてもよい。
【0163】
また、上記実施の形態等におけるゲートドライバ13、データドライバ14、及び、制御部20等の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、プロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。また、ICは、COG(Chip On Glass)技術により、表示パネル10のTFT基板に直接実装されていてもよいし、COF(Chip On Film)技術により、FFC(Flexible Flat Cable)又はFPC(Flexible Printed Cable)等のフレキシブル配線基板に実装されていてもよい。
【0164】
また、上記実施の形態等におけるゲートドライバ13は、1つのICで実現されてもよいし、INI信号用ゲートドライバ13a、Ref信号用ゲートドライバ13b、WS1信号用ゲートドライバ13c、及び、WS2信号用ゲートドライバ13dが互いに異なるICにより実現されてもよい。
【0165】
また、上記実施の形態等におけるデータドライバ14及び制御部20は、1つのICで実現されてもよいし、互いに異なるICにより実現されてもよい。
【0166】
また、上記実施の形態等における表示装置1は、カラー画像を表示する例について説明したが、これに限定されず、例えば、モノクロ画像を表示してもよい。
【0167】
(付記)
(技術1)
2次元状に配置された複数の画素と、
前記複数の画素における互いに異なる画素行ごとに配置され、画像データに対応したデータ電圧を書き込む画素行を選択するための、第1のゲート制御信号が供給される複数の第1のゲート制御線、及び、所定条件を満たすまでの間において、前記第1のゲート制御信号とは異なる第2のゲート制御信号が供給される複数の第2のゲート制御線とを備え、
前記複数の第1のゲート制御線のそれぞれ、及び、前記複数の第2のゲート制御線のそれぞれは、互いに独立して設けられ、
前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
前記データ電圧に応じた電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと、
前記データ電圧を供給する信号線と前記駆動トランジスタのゲート電極との間に接続された第1の書き込みトランジスタ及び第2の書き込みトランジスタと、
前記信号線から前記第1の書き込みトランジスタ及び前記第2の書き込みトランジスタを介して供給された前記データ電圧を保持する容量素子とを有し、
前記第1の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第1のゲート制御線と接続され、
前記第2の書き込みトランジスタのゲート電極は、前記第2のゲート制御線と接続され、
前記第2の書き込みトランジスタは、少なくとも前記第1の書き込みトランジスタがオンしている期間にオンする
表示装置。
【0168】
(技術2)
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件を満たすまでの間、1フレームのうち前記データ電圧を前記容量素子に書き込む書き込み期間にオンし、
前記第2の書き込みトランジスタは、前記所定条件を満たすまでの間、前記1フレームのうち前記書き込み期間を含み、かつ、前記書き込み期間より長いオン期間にオンする
技術1に記載の表示装置。
【0169】
(技術3)
前記オン期間は、1フレーム期間である
技術2に記載の表示装置。
【0170】
(技術4)
前記第2の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、前記書き込み期間にオンし、
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、前記1フレームのうち少なくとも前記書き込み期間にオンする
技術2又は3に記載の表示装置。
【0171】
(技術5)
前記第1の書き込みトランジスタは、前記第2の書き込みトランジスタに同期してオンする
技術4に記載の表示装置。
【0172】
(技術6)
前記第1の書き込みトランジスタは、前記所定条件が満たされた後、1フレーム期間にわたってオンする
技術4に記載の表示装置。
【0173】
(技術7)
前記所定条件は、前記表示装置の動作時間が所定時間以上となることである
技術1~6のいずれかに記載の表示装置。
【0174】
(技術8)
前記所定条件は、前記第1の書き込みトランジスタの閾値電圧が、所定電圧未満となることである
技術1~6のいずれかに記載の表示装置。
【0175】
(技術9)
前記第1の書き込みトランジスタ及び前記第2の書き込みトランジスタの少なくとも1つは、酸化物半導体層を有する
技術1~8のいずれかに記載の表示装置。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本開示は、表示装置に広く利用できる。
【符号の説明】
【0177】
1 表示装置
10 表示パネル
11 画素回路(画素領域、画素)
11R、11G、11B サブ画素回路(サブ画素領域、サブ画素)
12 表示部
13 ゲートドライバ
13a INI信号用ゲートドライバ
13b Ref信号用ゲートドライバ
13c WS1信号用ゲートドライバ
13d WS2信号用ゲートドライバ
14 データドライバ
20 制御部
30 電源
CS、CS、CS 保持容量(容量素子)
EL、EL、EL 発光素子
INI 初期化信号線、制御信号
Ioff オフリーク電流
L 画素行
REF 参照信号線、制御信号
T1、T1、T1 初期化トランジスタ
T2、T2、T2 補償トランジスタ
T31、T31、T31 第1の書き込みトランジスタ
T32、T32、T32 第2の書き込みトランジスタ
Va SIG電圧
Vdat、Vdat、Vdat 信号線、データ電圧
Vds、Vds、Vds ソースドレイン電圧
Vg、Vg、Vg ゲート電位
WS1 第1のゲート制御線、制御信号(第1のゲート制御信号)
WS2 第2のゲート制御線、制御信号(第2のゲート制御信号)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19