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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030974
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/63 20180101AFI20240229BHJP
   F24F 11/39 20180101ALI20240229BHJP
   F24F 1/0076 20190101ALI20240229BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20240229BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20240229BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20240229BHJP
   F24F 8/90 20210101ALI20240229BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F11/39
F24F1/0076
F24F11/61
F24F8/30
F24F8/192
F24F8/90 100
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134239
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智大
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 光
【テーマコード(参考)】
3L051
3L260
【Fターム(参考)】
3L051BC02
3L260BA34
3L260BA62
3L260CB01
3L260CB05
3L260CB23
3L260CB62
3L260DA11
3L260EA07
3L260EA27
3L260FA01
3L260FA05
3L260FC24
3L260FC28
(57)【要約】
【課題】室内熱交換器を清潔な状態にする空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機100は、室内熱交換器15と、室内ファン16と、空気清浄ユニット35と、制御部40と、を有する室内機20を備え、制御部40は、空気清浄ユニット35によって空気清浄運転を行った場合、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くする。また、空気清浄ユニット35は、室内ファン16の駆動に伴う空気の流れ方向において、室内熱交換器15の上流側に設置されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内熱交換器と、室内ファンと、空気清浄ユニットと、制御部と、を有する室内機を備え、
前記制御部は、前記空気清浄ユニットによって空気清浄運転を行った場合、前記室内熱交換器の洗浄運転の頻度を高くする、空気調和機。
【請求項2】
前記空気清浄ユニットは、前記室内ファンの駆動に伴う空気の流れ方向において、前記室内熱交換器の上流側に設置されていること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記空気清浄ユニットは、所定のイオンを発生させ、前記室内機に吸い込まれる塵埃を帯電させること
を特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記空気清浄ユニットは、前記室内熱交換器に向けて、所定のイオン又はオゾンを供給すること
を特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内ファンの駆動に伴う空気の流れ方向において、前記室内熱交換器の上流側に設置される樹脂製のフィルタを備え、
前記空気清浄ユニットは、前記空気の流れ方向において前記フィルタの上流側に設置、又は、前記フィルタと前記室内熱交換器との間に設置され、
前記空気清浄ユニットは、前記空気清浄運転において所定のイオンを発生させること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記室内熱交換器は、配線を介して接地されていること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、前記洗浄運転において、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させ、前記室内熱交換器の温度を氷点下又は空調室の露点以下にすること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記室内ファンの駆動に伴う空気の流れ方向において、前記室内熱交換器の上流側に設置される樹脂製のフィルタと、
前記フィルタの清掃を行うフィルタ清掃ユニットと、を備え、
前記空気清浄ユニットは、前記空気の流れ方向において前記フィルタの上流側に設置、又は、前記フィルタと前記室内熱交換器との間に設置され、
前記制御部は、前記洗浄運転の頻度を高くした場合でも、前記フィルタ清掃ユニットによる前記フィルタの清掃頻度を高くしないこと
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記制御部は、空調運転時間又は前記室内ファンの駆動時間を積算してなる積算値が所定値に達した場合、前記洗浄運転を開始し、
前記空気清浄運転を行った場合、前記所定値との比較に用いる計算上の前記積算値を実際の前記積算値よりも大きくすること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記制御部は、空調運転時間又は前記室内ファンの駆動時間を積算してなる積算値が所定値に達した場合、前記洗浄運転を開始し、
前記空気清浄運転を行った場合には、前記空気清浄運転を行わない場合よりも前記所定値を小さくすること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機に関して、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。すなわち、特許文献1には、室内ファンの積算駆動時間に基づき、室内熱交換器の洗浄モードを行うか否かを判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-38868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、室内機の内部の空気清浄運転が行われた場合でも、室内熱交換器の洗浄モードが適切に実行されることが望ましいが、そのような技術については特許文献1には記載されていない。
【0005】
そこで、本発明は、室内熱交換器を清潔な状態にする空気調和機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するために、本発明に係る空気調和機は、室内熱交換器と、室内ファンと、空気清浄ユニットと、制御部と、を有する室内機を備え、前記制御部は、前記空気清浄ユニットによって空気清浄運転を行った場合、前記室内熱交換器の洗浄運転の頻度を高くすることとした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室内熱交換器を清潔な状態にする空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る空気調和機の構成図である。
図2】実施形態に係る空気調和機の室外機の筐体から側板・天板を取り外した状態の斜視図である。
図3】実施形態に係る空気調和機の室内機の縦断面図である。
図4】実施形態に係る空気調和機の室内機の空気清浄ユニットを含む斜視図である。
図5】実施形態に係る空気調和機のフィルタ及びフィルタ清掃ユニットの斜視図である。
図6】実施形態に係る空気調和機の機能ブロック図である。
図7】実施形態に係る空気調和機の各運転に関するタイムチャートである。
図8】実施形態に係る空気調和機における室内熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである。
図9】実施形態に係る空気調和機の室内熱交換器の解凍中の状態を示す説明図である。
図10】実施形態に係る空気調和機の制御部が実行する処理のフローチャートである。
図11】実施形態に係る空気調和機において、空調運転の実際の積算時間と、計算上の積算時間と、の間の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪実施形態≫
<空気調和機の構成>
図1は、実施形態に係る空気調和機100の構成図である。
なお、図1の実線矢印は、暖房サイクルにおける冷媒の流れを示している。
また、図1の破線矢印は、冷房サイクルにおける冷媒の流れを示している。
空気調和機100は、冷房運転や暖房運転等の空調を行う機器である。図1に示すように、空気調和機100は、室外機30に設けられる構成として、圧縮機11と、室外熱交換器12と、室外ファン13と、膨張弁14と、四方弁17と、を備えている。また、空気調和機100は、室内機20に設けられる構成として、室内熱交換器15と、室内ファン16と、を備えている。
【0010】
圧縮機11は、低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する機器であり、駆動源である圧縮機モータ11aを備えている。なお、図1では図示を省略しているが、冷媒を気液分離するためのアキュムレータ9(図2参照)が圧縮機11の吸込側に設けられている。
室外熱交換器12は、その伝熱管12b(図2参照)を通流する冷媒と、室外ファン13から送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。室外ファン13は、室外熱交換器12に外気を送り込むファンである。室外ファン13は、駆動源である室外ファンモータ13aを備え、室外熱交換器12の付近に設置されている。
【0011】
膨張弁14は、「凝縮器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15のうちの一方)で凝縮した冷媒を減圧する弁である。膨張弁14で減圧された冷媒は、「蒸発器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15のうちの他方)に導かれる。
室内熱交換器15は、その伝熱管15b(図3参照)を通流する冷媒と、室内ファン16から送り込まれる室内空気(空調室の空気)と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。室内ファン16は、室内熱交換器15に室内空気を送り込むファンである。室内ファン16は、駆動源である室内ファンモータ16a(図6参照)を備え、室内熱交換器15の付近に設置されている。
【0012】
四方弁17は、空気調和機100の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。例えば、冷房運転時(図1の破線矢印を参照)には、冷媒回路10において、圧縮機11、室外熱交換器12(凝縮器)、膨張弁14、及び室内熱交換器15(蒸発器)を順次に介して冷媒が循環する。また、暖房運転時(図1の実線矢印を参照)には、冷媒回路10において、圧縮機11、室内熱交換器15(凝縮器)、膨張弁14、及び室外熱交換器12(蒸発器)を順次に介して冷媒が循環する。
【0013】
図2は、室外機30の筐体31から側板・天板を取り外した状態の斜視図である。
なお、図2では、膨張弁14(図1参照)や四方弁17(図1参照)の図示を省略している。図2に示すように、室外機30の筐体31には、圧縮機11やアキュムレータ9、室外熱交換器12、室外ファン13の他に、電装品ボックス32が設けられている。電装品ボックス32の内部は、室外制御回路42(図6参照)が実装された基板(図示せず)が設置されている。
【0014】
図2の例では、平面視でL字状の室外熱交換器12が筐体31の底板31aに設置されている。室外熱交換器12は、所定間隔で配置される多数のフィン12aと、これらのフィン12aを貫通する複数の伝熱管12bと、を備えている。そして、室外ファン13によって送り込まれる外気と、伝熱管12bを通流する冷媒と、の間で熱交換が行われるようになっている。
【0015】
図3は、室内機20の縦断面図である。
なお、図3では、後記する空気清浄ユニット35(図4参照)やフィルタ清掃ユニット36(図5参照)の図示を省略している。図3に示すように、室内機20は、室内熱交換器15や室内ファン16の他に、ドレンパン18と、筐体19と、フィルタ21a,21bと、を備えている。さらに、室内機20は、前面パネル22と、左右風向板23と、上下風向板24と、を備えている。
【0016】
室内熱交換器15は、複数のフィン15aと、これらのフィン15aを貫通する複数の伝熱管15bと、を備えている。別の観点から説明すると、室内熱交換器15は、室内ファン16の前側に配置される前側室内熱交換器15cと、室内ファン16の後側に配置される後側室内熱交換器15dと、を備えている。図3の例では、前側室内熱交換器15cの上端部と、後側室内熱交換器15dの上端部と、が縦断面視で逆V状に接続されている。なお、図3に示す室内熱交換器15の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0017】
室内ファン16は、例えば、円筒状のクロスフローファンであり、空気の流れ方向において室内熱交換器15の下流側に設置されている。室内ファン16は、前記した室内ファンモータ16a(図6参照)の他に、複数のファンブレード16bと、これらのファンブレード16bが設置される円環状の仕切板16cと、を備えている。ドレンパン18は、室内熱交換器15の結露水を受けるものであり、室内熱交換器15の下側に設置されている。筐体19は、室内熱交換器15や室内ファン16等を収容するものである。
【0018】
フィルタ21a,21bは、室内熱交換器15に向かう空気から塵埃を捕集するものである。フィルタ21a,21bは、室内ファン16の駆動に伴う空気の流れ方向において、室内熱交換器15の上流側に設置されている。より具体的には、一方のフィルタ21aは室内熱交換器15の前側に設置され、他方のフィルタ21bは室内熱交換器15の上側に設置されている。前面パネル22は、前側のフィルタ21aを覆うように設置されるパネルであり、下端を軸として前側に回動可能になっている。なお、前面パネル22が回動しない構成であってもよい。
【0019】
左右風向板23は、室内機20から吹き出される空気の左右方向の風向きを調整する板状部材である。左右風向板23は、室内機20の吹出風路26に配置され、風向板モータ34(図6参照)によって左右方向に回動するようになっている。
上下風向板24は、室内機20から吹き出される空気の上下方向の風向きを調整する板状部材である。上下風向板24は、室内機20の空気吹出口27に配置され、風向板モータ34(図6参照)によって上下方向に回動するようになっている。
【0020】
フィルタ21a,21bを介して吸い込まれた空気は、室内熱交換器15の伝熱管15bを通流する冷媒と熱交換し、熱交換した空気が吹出風路26に導かれる。そして、吹出風路26を通流する空気は、左右風向板23及び上下風向板24によって所定方向に導かれて、空調室に吹き出される。
【0021】
なお、室内機20に吸い込まれる塵埃の一部はフィルタ21a,21bで捕集されるが、細かい塵埃がフィルタ21a,21bを通り抜けて、室内熱交換器15に付着することがある。そこで、本実施形態では、室内熱交換器15の凍結及び解凍を順次に行うことで、室内熱交換器15の塵埃を洗い流すようにしている。このような室内熱交換器15の凍結及び解凍を含む一連の処理を「洗浄運転」という。
【0022】
図4は、室内機20の空気清浄ユニット35を含む斜視図である。
なお、図4では、室内機20において、空気清浄ユニット35が見えるように前面パネル22の一部を切り欠いた状態を示している。室内機20は、図4に示す空気清浄ユニット35を備えている。空気清浄ユニット35は、空気清浄運転において所定のイオンを発生させる装置である。本実施形態では、空気清浄ユニット35が所定のイオンを発生させ、室内機20に吸い込まれる塵埃を帯電させるようにしている。
【0023】
なお、前記した「空気清浄運転」とは、空調室及び室内機20の内部のうちの少なくとも一方の空気を清浄にする運転である。本実施形態では、室内機20の空気の吸込側に設置された空気清浄ユニット35によって、空調室や室内機20の内部の空気を清浄にするようにしている。このような空気清浄運転を特に、「室内機20の吸込側における空気清浄運転」という。
【0024】
空気清浄ユニット35は、図示はしないが、プラズマ電極を有し、このプラズマ電極に高電圧を印加することで所定のイオンを生成(又は電子を放出)させるようになっている。本実施形態では、空気清浄ユニット35がOHやO2-といったマイナスイオンを生成する場合について説明するが、イオンの種類はこれに限定されるものではない。
【0025】
空気清浄ユニット35は、室内ファン16(図3参照)の駆動に伴う空気の流れ方向において、室内熱交換器15(図3参照)の上流側に設置されている。図4の例では、一方のフィルタ21aの前側(外側)に空気清浄ユニット35が設置されている。つまり、室内ファン16(図3参照)の駆動に伴う空気の流れ方向において、フィルタ21aの上流側に空気清浄ユニット35が設置されている。
【0026】
なお、前記したプラズマ電極(図示せず)の先端は、室内機20の吸込口に臨んでいる。そして、プラズマ電極で発生したマイナスイオンが気流に逆らって、室内機20の内部から吸込口の方に飛ばされるようになっている。その結果、室内機20の吸込口の近傍や吸込口の上方の空間にマイナスイオンが放出される。これによって、帯電した塵埃が室内機20の吸込口を介して速やかに吸い込まれるため、室内熱交換器15への塵埃の吸着効果が高められる。
【0027】
そして、空気清浄ユニット35で生成されたイオンによって塵埃が帯電し、帯電した塵埃の一部がフィルタ21a,21bで捕集される他、帯電した塵埃の残りがフィルタ21a,21bの微小な隙間を通りぬけて、室内熱交換器15に付着するようになっている。室内熱交換器15に付着した塵埃は、後記する洗浄運転で洗い流される。また、空気清浄ユニット35の駆動中は、室内ファン16(図3参照)も駆動される。
【0028】
また、室内熱交換器15(図3参照)が、配線(図示せず)を介して接地されていることが好ましい。マイナスイオンによって負に帯電した塵埃が室内熱交換器15に付着し続けても、マイナスイオンの負の電荷を打ち消すように、室内熱交換器15の接地の配線(図示せず)を介して電荷が移動するからである。このように室内熱交換器15が接地されているため、負に帯電した塵埃が室内熱交換器15に付着しやすくなる。
【0029】
また、フィルタ21a,21bは、樹脂製であることが好ましい。このような樹脂として、例えば、ポリエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。なお、仮にフィルタ21a,21bが金属製である場合、ユーザがフィルタ21a,21bに触れた場合の静電気ショックが比較的大きいが、本実施形態では、前記したようにフィルタ21a,21bが金属製ではなく樹脂製であるため、静電気ショックは特に生じない。
【0030】
なお、負に帯電した塵埃がフィルタ21a,21bに付着した状態で、フィルタ21a,21bを通過する程度の細かい塵埃(帯電した塵埃)がフィルタ21a,21bに近づくと、細かい塵埃がフィルタ21a,21bの微小な隙間を通り抜けて、室内熱交換器15に導かれる。前記したように、室内熱交換器15は配線(図示せず)を介して接地されているため、室内熱交換器15では、塵埃同士の静電気的な反発力はほとんど生じない。したがって、室内熱交換器15に向かう塵埃のほとんどは、室内熱交換器15に付着する。このように本実施形態では、室内機20に吸い込まれる空気中の塵埃を帯電させた上で、塵埃の一部をフィルタ21a,21bで捕集し、残りを室内熱交換器15に付着させるようにしている。つまり、第1実施形態では、フィルタ21a,21bを通過できない程度の大きな塵埃をフィルタ21a,21bで捕集し、また、フィルタ21a,21bを通過できる程度の細かい塵埃(帯電した塵埃)をクーロン力で室内熱交換器15に付着させるようにしている。
【0031】
図5は、フィルタ21a,21b及びフィルタ清掃ユニット36の斜視図である。
室内機20は、フィルタ21a,21bの清掃を行う可動式のフィルタ清掃ユニット36を備えている。フィルタ清掃ユニット36は、支持体36aと、フィルタ清掃ブラシ36bと、フィルタ清掃用モータ(図示せず)と、を備えている。
【0032】
支持体36aは、逆L字状を呈し、フィルタ21a,21bの外側に配置されている。フィルタ清掃ブラシ36bは、フィルタ21a,21bに付着した塵埃を掻き取るためのブラシであり、支持体36aの内側に設置されている。フィルタ清掃用モータ(図示せず)は、支持体36aを左右方向に移動させるための駆動源である。そして、フィルタ清掃用モータ(図示せず)が駆動すると、支持体36aが左右方向に移動し、フィルタ21a,21bの外側の塵埃がフィルタ清掃ブラシ36bによって掻き取られるようになっている。なお、フィルタ清掃ブラシ36bで掻き取られた塵埃は、集塵ボックス(図示せず)に集められる。
【0033】
図6は、空気調和機100の機能ブロック図である。
図6に示す室内機20は、前記した各構成の他に、リモコン送受信部28と、室内温度センサ29と、室内熱交換器温度センサ33と、室内制御回路41と、を備えている。
リモコン送受信部28は、赤外線通信等によって、リモコン50との間で所定の情報をやり取りする。室内温度センサ29は、空調室の温度を検出するセンサであり、例えば、室内熱交換器15の空気吸込側に設置される。
【0034】
室内熱交換器温度センサ33は、室内熱交換器15(図3参照)の温度を検出するセンサである。室内熱交換器温度センサ33は、室内熱交換器15に設置されてもよいし、また、室内熱交換器15に接続されている所定の冷媒配管に設置されてもよい。室内温度センサ29や室内熱交換器温度センサ33の検出値は、室内制御回路41に出力される。
【0035】
室内制御回路41は、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成されている。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。
【0036】
図6に示すように、室内制御回路41は、記憶部41aと、室内制御部41bと、を備えている。記憶部41aには、所定のプログラムの他、リモコン送受信部28を介して受信したデータや各センサの検出値等が格納される。室内制御部41bは、記憶部41aのデータに基づいて、室内ファンモータ16a、風向板モータ34、空気清浄ユニット35、フィルタ清掃ユニット36等を制御する。
【0037】
室外機30は、前記した各構成の他に、室外温度センサ37と、室外制御回路42と、を備えている。室外温度センサ37は、外気の温度を検出するセンサであり、室外機30の所定箇所に設置されている。室外温度センサ37等の検出値は、室外制御回路42に出力される。
【0038】
室外制御回路42は、図示はしないが、CPU、ROM、RAM、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成され、通信線を介して室内制御回路41に接続されている。図6に示すように、室外制御回路42は、記憶部42aと、室外制御部42bと、を備えている。記憶部42aには、所定のプログラムが予め格納されている他、室外温度センサ37の検出値や、室内制御回路41から受信したデータ等が格納される。室外制御部42bは、記憶部42aのデータに基づいて、圧縮機モータ11a、室外ファンモータ13a、膨張弁14、四方弁17等を制御する。以下では、室内制御回路41及び室外制御回路42を総称して、制御部40という。
【0039】
<空気調和機における処理>
図7は、空気調和機の各運転に関するタイムチャートである(適宜、図5も参照)。
なお、図7の横軸は時刻であり、縦軸は所定の運転(例えば、空気清浄運転)のON/OFFの状態を示している。図7に示す「空調運転」とは、リモコン50の操作に基づく冷房運転や暖房運転である。また、「空気清浄運転」とは、室内ファン16を駆動させつつ、空気清浄ユニット35(図4参照)でイオンを発生させ、空気中の塵埃を帯電させる処理である。
【0040】
なお、ユーザによるリモコン50の操作に基づいて、空気清浄運転の設定オンと、空気清浄運転の設定オフと、が切り替えられるようにしてもよい。空気清浄ユニット35は、例えば、空気清浄運転の設定オンの期間において、空調運転が行われる時間帯(室内ファン16が駆動する時間帯)に空気清浄運転を行う。図7の例では、時刻t11~t22の期間において、空気清浄運転の設定オンになっている。また、空気清浄運転の設定オンの期間において、空調運転が行われた時刻t11~t12,t15~t16,t17~t18,t21~t22のそれぞれの時間帯で空気清浄運転も行われている。前記したように、空気清浄運転に伴って帯電した塵埃の一部はフィルタ21a,21b(図4参照)に付着し、残りの塵埃は室内熱交換器15(図3参照)に付着する。
【0041】
図7に示す「フィルタ清掃運転」とは、フィルタ清掃ユニット36(図5参照)によって、フィルタ21a,21bを清掃する処理である。例えば、空調運転の実行時間の積算値(逐次に和をとった値)が所定値に達した場合にフィルタ清掃運転が行われるようにしてもよい。また、例えば、室内ファン16の駆動時間の積算値が所定値に達した場合にフィルタ清掃運転が行われるようにしてもよい。フィルタ清掃運転が開始されるタイミングは、図7に示すように、空調運転が終了した直後であってもよいし、他の所定のタイミングであってもよい。
【0042】
フィルタ清掃ユニット36(図5参照)が駆動することで、フィルタ21a,21bに付着している塵埃が掻き取られる。これによって、フィルタ21a,21bを清潔な状態にすることができる。
【0043】
図7に示す「洗浄運転」とは、室内熱交換器15を着霜させた後に解凍して、室内熱交換器15の塵埃を洗い流す処理である。例えば、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算した値(逐次に和をとった値)が所定値に達した場合に洗浄運転が行われるようにしてもよい。また、リモコン50やスマートフォン、携帯電話等の操作端末をユーザが所定に操作した場合に洗浄運転が行われるようにしてもよい。
【0044】
図7では、例えば、時刻t2~t3においてフィルタ清掃運転が行われた後、時刻t3~t4の時間帯で洗浄運転が行われている。フィルタ清掃運転に伴い、フィルタ21a,21b(図5参照)の微小な隙間を介して落下した塵埃が室内熱交換器15に付着した場合でも、その後の洗浄運転によって室内熱交換器15の塵埃が洗い流される。その結果、フィルタ21a,21b及び室内熱交換器15の両方を清潔な状態にすることができる。
【0045】
図8は、室内熱交換器の洗浄運転に関するフローチャートである(適宜、図1図6も参照)。
図8のステップS101において制御部40は、室内熱交換器15を凍結させる。すなわち、制御部40は、四方弁17を冷房サイクルの状態にし、膨張弁14を所定開度に絞った上で、圧縮機11を駆動させる。すなわち、制御部40は、洗浄運転において、室内熱交換器15を蒸発器として機能させ、室内熱交換器15の温度を氷点下にする。その結果、空気中の水分が室内熱交換器15に着霜して、室内熱交換器15が凍結する。例えば、制御部40は、室内熱交換器温度センサ33(図6参照)の検出値が所定値以下の状態を所定時間以上継続させる。前記した所定値は、室内熱交換器15の凍結を終了するか否かの判定基準となる閾値であり、氷点下の温度として予め設定されている。
【0046】
なお、室内熱交換器15の凍結中、制御部40は、室内ファン16を停止状態とするか、又は室内ファン16を低速(室内ファン16の上限速度と下限速度との間の平均値よりも低い速度)で駆動させる。室外ファン13については、室内熱交換器15の凍結中に駆動されてもよいし、停止状態であってもよい。
【0047】
次に、ステップS102において制御部40は、室内熱交換器15を解凍する。例えば、制御部40は、圧縮機11を停止状態とし、膨張弁14の開度を大きくする。これによって、高圧側の室外熱交換器12から膨張弁14を介して、低圧側の室内熱交換器15に高温の冷媒が流れ込むため、室内熱交換器15が解凍される。なお、制御部40が暖房サイクルで冷媒を循環させ、室内熱交換器15を凝縮器として機能させることで、室内熱交換器15を解凍するようにしてもよい。また、制御部40が圧縮機11を停止させた状態で室内ファン16を回転させることで、室内熱交換器15を解凍するようにしてもよい。
【0048】
図9は、室内熱交換器15の解凍中の状態を示す説明図である。
室内熱交換器15の凍結後(図8のS101)、制御部40が室内熱交換器15を解凍すると(S102)、室内熱交換器15の霜61が解けて、フィン15aを伝って多量の水62がドレンパン18に流れ落ちる。これによって、室内熱交換器15に付着した塵埃63が洗い流される。
【0049】
次に、図8のステップS103において制御部40は、室内熱交換器15を乾燥させる。例えば、制御部40は、ステップS103の処理として、暖房運転及び送風運転を順次に行う。前記した暖房運転によって室内熱交換器15に高温の冷媒が流れるため、室内熱交換器15の表面の水が蒸発する。さらに、暖房運転後の送風運転によって、室内機20の内部が乾燥するため、防菌・防黴の効果が奏される。なお、暖房運転及び送風運転のうちの一方を省略することも可能である。ステップS103の処理を行った後、制御部40は、洗浄運転に関する一連の処理を終了する(END)。
【0050】
前記したように、空気清浄ユニット35(図4参照)が駆動すると、室内機20に取り込まれる空気中の塵埃が帯電するため、塵埃が静電気力で室内熱交換器15に付着しやすくなる。そこで、本実施形態では、空気清浄ユニット35によって空気清浄運転を行った場合、制御部40が、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くするようにしている。
【0051】
図10は、制御部が実行する処理のフローチャートである(適宜、図6も参照)。
図10のステップS201において制御部40は、空気清浄運転を実行したか否かを判定する。ステップS201において空気清浄運転を実行していない場合(S201:No)、制御部40の処理はステップS202に進む。
ステップS202において制御部40は、洗浄運転の頻度を第1頻度に設定する。この第1頻度は、空気清浄運転を実行していない場合の室内熱交換器15の洗浄運転の頻度であり、後記する第2頻度よりも低い値に設定されている。ステップS202の処理を行った後、制御部40の処理は「START」に戻る(RETURN)。
【0052】
また、ステップS201において空気清浄運転を行った場合(S201:Yes)、制御部40の処理はステップS203に進む。ステップS203において制御部40は、洗浄運転の頻度を第2頻度に設定する。この第2頻度は、空気清浄運転を行わない場合の洗浄運転の頻度(第1頻度)よりも高い値に設定されている。つまり、空気清浄運転を行った場合には、制御部40は、空気清浄運転を行わない場合よりも洗浄運転の頻度を高くする。ステップS203において洗浄運転の頻度を高くした後、制御部40の処理は「START」に戻る(RETURN)。次に、ステップS203の処理について、図11を用いて説明する。
【0053】
図11は、空調運転の実際の積算時間と、計算上の積算時間と、の間の関係を示す説明図である。
なお、図11の横軸は、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算した値(実際の積算時間)である。また、図11の縦軸は、前回の洗浄運転の終了時から空調運転の実行時間を積算する際の計算上の値(計算上の積算時間)である。空調運転の計算上の積算時間の閾値σLimは、室内熱交換器15の洗浄運転を制御部40が開始するか否かの判定基準となる閾値であり、予め設定されている。
【0054】
なお、図11において、空調運転の実際の積算時間が値σ1になるまでは、空気清浄運転が行われなかったものとする。このように空気清浄運転が行われない場合には、空調運転の計算上の積算時間の増加幅(例えば、ゼロから値σ1までの増加幅)が、空調運転の実際の積算時間の増加幅に一致している。一方、空気清浄運転が行われた場合、制御部40は、空調運転の計算上の積算時間を実際の積算時間よりも大きくする。つまり、制御部40は、図11に示す直線L2の傾きを直線L1の傾きよりも大きくする。
【0055】
その結果、空調運転の実際の積算時間が値σ2になったとき、空調運転の計算上の積算時間が閾値σLimに達して、室内熱交換器15の洗浄運転が開始される。すなわち、空気清浄運転が行われなかった場合(直線L1)に比べて、空気清浄運転が行われた場合(直線L2)の方が、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度が高くなっている。ちなみに、空気清浄運転が行われない場合には、空調運転の実際の積算時間が値σ3(>σ2)になったときに洗浄運転が開始される。
【0056】
このように本実施形態では、空調運転時間(又は室内ファン16の駆動時間)を積算してなる積算値が閾値σLim(所定値)に達した場合、制御部40が洗浄運転を開始するようにしている。そして、空気清浄運転を行った場合、制御部40は、閾値σLim(所定値)との比較に用いる計算上の積算値を実際の積算値よりも大きくする。これによって、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度が高められる。例えば、図7のタイムチャートでは、空気清浄運転の設定がオンになっている時刻t11~時刻t22の期間では、この期間よりも前に比べて、洗浄運転が高頻度で行われている。
【0057】
なお、制御部40が洗浄運転の頻度を高くした場合でも、フィルタ清掃ユニット36(図5参照)によるフィルタ21a,21bの清掃頻度を高くしないことが好ましい。例えば、制御部40は、洗浄運転の頻度を高くした場合でも、フィルタ清掃ユニット36によるフィルタ21a,21bの清掃頻度を維持する(又は清掃頻度を低下させる)。より具体的には、制御部40は、フィルタ清掃ユニット36を駆動させるか否かの判定基準となる空調運転時間(又は室内ファン16の駆動時間)の積算値の閾値を維持する。
【0058】
これによって、フィルタ21a,21bの清掃頻度が高くなりすぎることを抑制し、ひいては、フィルタ清掃ユニット36の駆動音に伴うユーザの不快感を低減できる。また、フィルタ21a,21bの清掃を所定の頻度で行うことで、フィルタ21a,21bを清潔な状態にすることができる。
【0059】
本実施形態によれば、空気清浄運転に伴って、帯電した塵埃が室内熱交換器15に多量に付着した場合でも、制御部40が洗浄運転の頻度を高くすることで、室内熱交換器15の塵埃を洗い流すことができる。したがって、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる。また、室内熱交換器15に付着した塵埃は、もとは空調室に存在していたものであるから、空調室の空気も清浄にすることができる。
【0060】
≪変形例≫
以上、本発明に係る空気調和機100について各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、実施形態では、空気清浄ユニット35が所定のイオンを発生させ、室内機20に吸い込まれる塵埃を帯電させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、室内機20の吸込側に設置された空気清浄ユニット35によってオゾン(O)を発生させ、上下風向板24を閉じた状態(又は水平方向よりも上向きの状態)で室内機20の内部にオゾンを充満させるようにしてもよい。これによって、室内機20の内部の除菌を行うことができる。
【0061】
また、実施形態では、空気清浄ユニット35のプラズマ電極(図示せず)の先端が室内機20の吸込口に臨んでいる構成について説明したが、これに限らない。例えば、空気清浄ユニット35のプラズマ電極(図示せず)の先端が室内熱交換器15に臨むようにしてもよい。この場合において、空気の流れ方向でフィルタ21a,21bの上流側に空気清浄ユニット35が設置されてもよいし、また、フィルタ21a,21bと室内熱交換器15との間に空気清浄ユニット35が設置されるようにしてもよい。これによって、室内熱交換器15に向けてイオンが供給されるため、帯電した塵埃が室内熱交換器15に付着しやすくなる。このような構成も、「室内機20の吸込側における空気清浄運転」に含まれる。制御部40は、空気清浄ユニット35によって、室内機20の吸込側における空気清浄運転を行った場合、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くする。これによって、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる。
なお、イオンに代えて(又はイオンとともに)、空気清浄ユニット35からオゾンが供給されるようにしてもよい。つまり、空気清浄ユニット35が、室内熱交換器15に向けて、所定のイオン又はオゾンを供給するようにしてもよい。
【0062】
また、実施形態では、空気清浄ユニット35が室内機20の空気の吸込側に設置される場合について説明したが、これに限らない。すなわち、空気清浄ユニット35が室内機20の空気の吹出側に設置されるようにしてもよい。つまり、室内機20の吹出口の付近(空気の流れ方向で室内熱交換器15の下流側)に空気清浄ユニット35が設置され、室内ファン16の駆動に伴って、所定のイオンを含む空気が室内機20から吹き出されるようにしてもよい。このような空気清浄運転を特に、「室内機20の吹出側における空気清浄運転」という。室内機20から吹き出されたイオンによって空調室の塵埃が帯電し、帯電した塵埃が室内機20に吸い込まれて、室内熱交換器15に付着する。制御部40は、空気清浄ユニット35によって、室内機20の吹出側における空気清浄運転を行った場合、室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くする。これによって、室内熱交換器15を清潔な状態にすることができる他、空調室や室内機20の内部の空気を清浄にすることができる。
なお、イオンに代えて(又はイオンとともに)、空気清浄ユニット35からオゾンが供給されるようにしてもよい。また、室内機20の吹出口及び吸込口の付近のそれぞれに空気清浄ユニット35が設置されるようにしてもよいし、吹出口の付近のみに空気清浄ユニット35が設置されるようにしてもよい。
【0063】
また、実施形態では、室内ファン16の駆動に伴う空気の流れ方向において、フィルタ21a,21bの上流側に空気清浄ユニット35(図4参照)が設置される構成について説明したが、これに限らない。すなわち、空気清浄ユニット35がフィルタ21a,21bと室内熱交換器15との間に設置されるようにしてもよい。このような構成でも、実施形態と同様の効果が奏される。
【0064】
また、実施形態では、室内熱交換器15が配線を介して接地される構成について説明したが、これに限らない。例えば、空気清浄運転の実行中、直流電源(図示せず)によって室内熱交換器15に所定の直流電圧が印加されるようにしてもよい。具体的には、空気清浄ユニット35によって負に帯電した塵埃とは逆極性の電位(正の電位)が、直流電源(図示せず)から室内熱交換器15に付与されるようにしてもよい。このような構成でも、負に帯電した塵埃が室内熱交換器15に付着しやすくなる。
【0065】
また、実施形態では、制御部40が室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くする際、空調運転時間又は室内ファン16の駆動時間の計算上の積算値を実際の積算値よりも大きくする処理について説明したが、これに限らない。例えば、空調運転時間又は室内ファン16の駆動時間を積算してなる積算値が閾値σLim(所定値)に達した場合、制御部40は洗浄運転を開始し、空気清浄運転を行った場合には、空気清浄運転を行わない場合よりも閾値σLim(所定値)を小さくするようにしてもよい。このように、閾値σLim(所定値)を小さくすることで、洗浄運転の頻度が高められる。なお、閾値σLimを小さくする際の変化幅は、予め設定されている。
【0066】
また、実施形態では、空気清浄運転を行った場合、制御部40が室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くする処理について説明したが、これに限らない。例えば、リモコン50の操作に基づいて、空気清浄運転の設定がオンになっている場合、制御部40が室内熱交換器15の洗浄運転の頻度を高くするようにしてもよい。このような処理でも、実施形態と同様の効果が奏される。
また、実施形態では、空気清浄ユニット35(図4参照)が所定のイオンを発生させることで空気清浄運転を行う場合について説明したが、空気清浄運転として他の方法が用いられてもよい。
【0067】
また、実施形態では、空調運転中に空気清浄運転が行われる場合について説明したが、これに限らない。例えば、空調運転の停止中に制御部40が空気清浄ユニット35及び室内ファン16を駆動させ、空気清浄運転を行うようにしてもよい。また、制御部40が、空調運転の一部の期間において、室内ファン16を駆動させているときに空気清浄運転を行うようにしてもよい。
【0068】
また、実施形態では、洗浄運転において、制御部40が室内熱交換器15の凍結・解凍を順次に行う場合について説明したが、これに代えて、室内熱交換器15を結露させるようにしてもよい。すなわち、制御部40が、洗浄運転において、室内熱交換器15を蒸発器として機能させ、室内熱交換器15の温度を空調室の露点以下であって、所定の凍結温度よりも高くなるように膨張弁14の開度を調整する。なお、「凍結温度」とは、室内熱交換器15の温度を低下させたとき、空気に含まれる水分が室内熱交換器15で凍結し始める温度である。これによって、室内熱交換器15の結露水で室内熱交換器15の塵埃が洗い流される。なお、室内熱交換器15の洗浄運転として、他の方法が適宜に用いられてもよい。
【0069】
また、実施形態では、空気調和機100(図1参照)が四方弁17を備える構成について説明したが、これに限らない。すなわち、空気調和機100から四方弁17を省略し、冷房専用又は暖房専用の構成にしてもよい。
また、実施形態では、室内機20(図1参照)及び室外機30(図1参照)が一台ずつ設けられる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、並列接続された複数台の室内機を設けてもよいし、また、並列接続された複数台の室外機を設けてもよい。
また、実施形態では、空気調和機100がルームエアコンである場合について説明したが、パッケージエアコンやビル用マルチエアコンにも実施形態を適用できる。
【0070】
また、実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
【符号の説明】
【0071】
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 室外熱交換器
13 室外ファン
14 膨張弁
15 室内熱交換器
16 室内ファン
17 四方弁
20 室内機
21a,21b フィルタ
30 室外機
35 空気清浄ユニット
36 フィルタ清掃ユニット
40 制御部
41 室内制御回路(制御部)
42 室外制御回路(制御部)
50 リモコン
100 空気調和機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11