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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031033
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ポンプ装置及び管理装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 15/00 20060101AFI20240229BHJP
   F04B 49/10 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F04D15/00 Z
F04D15/00 D
F04B49/10 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134324
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕大
(72)【発明者】
【氏名】冨田 成幸
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【テーマコード(参考)】
3H020
3H145
【Fターム(参考)】
3H020AA05
3H020BA18
3H020CA08
3H020EA10
3H020EA12
3H020EA16
3H145AA06
3H145AA16
3H145AA23
3H145AA42
3H145BA28
3H145CA21
3H145DA46
3H145DA47
3H145EA36
3H145EA38
3H145EA48
(57)【要約】
【課題】ポンプ毎の状態を確認するための操作の手間を軽減すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、複数のポンプを備え、前記ポンプ毎に運転を行う。前記ポンプ装置は、判定部と、表示制御部と、を備えている。前記判定部は、前記ポンプ毎に前記運転が正常状態であるか否かを判定する。前記表示制御部は、前記ポンプ毎に、前記正常状態の場合には運転情報を表示部に表示させ、前記否の場合には異常状態に関する状態情報を前記表示部に表示させる。前記表示部は、前記ポンプ毎の前記運転情報及び前記状態情報を一覧表示する。
【選択図】 図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポンプを備え、前記ポンプ毎に運転を行うポンプ装置であって、
前記ポンプ毎に前記運転が正常状態であるか否かを判定する判定部と、
前記ポンプ毎に、前記正常状態の場合には運転情報を表示部に表示させ、前記否の場合には異常状態に関する状態情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示部は、前記ポンプ毎の前記運転情報及び前記状態情報を一覧表示する、ポンプ装置。
【請求項2】
前記ポンプ毎に、前記正常状態の場合には消灯し、前記否の場合に点灯する第1ランプ、
を更に備え、
前記状態情報は、前記点灯した第1ランプに対して、前記異常状態の種類を表す文字情報である、
請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
操作者の操作に応じて、前記ポンプ毎に、前記運転を許可又は禁止する設定部と、
前記ポンプ毎に、前記運転が許可された場合に点灯し、前記禁止された場合に消灯する第2ランプと、
を更に備え、
前記表示制御部は、前記運転が禁止されたポンプ毎に、前記運転情報又は前記状態情報に代えて、運転禁止情報を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記ポンプ毎に、前記運転情報、前記状態情報及び前記運転禁止情報のいずれかを管理装置に送信する通信部、
を更に備えた請求項3に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合に、エラー情報を前記管理装置に送信する、請求項4に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、操作者の操作に応じて、前記ポンプ毎の前記運転情報及び前記状態情報を一覧表示する画面と、前記ポンプ毎に運転情報又は状態情報を個別表示する画面と、前記運転情報が一覧表示又は個別表示されたポンプの運転モードを表示する画面とを巡回的に前記表示部に表示させる、
請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項7】
前記運転モードは、前記複数のポンプが前記正常状態のポンプと前記異常状態のポンプとからなる場合、前記正常状態のポンプにおける故障代替運転を表す、
請求項6に記載のポンプ装置。
【請求項8】
前記運転モードは、前記複数のポンプが前記正常状態のポンプからなり、ポンプ内の水温を低減させるように強制運転時間に基づくエコ運転が行われている場合、前記エコ運転を表す、
請求項6に記載のポンプ装置。
【請求項9】
前記運転モードは、前記複数のポンプが前記正常状態のポンプからなり、前記ポンプ毎の積算運転時間を平滑化するように前記ポンプ毎の平滑運転が行われている場合、前記平滑運転を表す、
請求項6に記載のポンプ装置。
【請求項10】
請求項4に記載のポンプ装置に通信可能な管理装置であって、
前記ポンプ毎に、前記送信された前記運転情報、前記状態情報及び前記運転禁止情報のいずれかを前記ポンプ装置から受信する受信部と、
前記ポンプ毎に、前記受信された前記運転情報、前記状態情報及び前記運転禁止情報のいずれかと、受信時刻とをログデータとして記憶するログ記憶部と、
前記ログデータに基づき、前記運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したか否かを判定するログ判定部と、
前記継続した場合に、当該運転禁止情報の表示が継続したポンプ装置を示すエラー情報を出力する出力部と、
を備えた管理装置。
【請求項11】
前記ポンプ装置と、前記ポンプ装置の操作者に関する通知先情報を対応付けて記憶する通知先記憶部と、
前記エラー情報が示すポンプ装置に対応付けられた通知先情報を前記通知先記憶部から読み出し、当該通知先情報に基づいて、前記エラー情報に関する情報を通信端末に通知する通知部と、
を更に備えた請求項10に記載の管理装置。
【請求項12】
請求項5に記載のポンプ装置に通信可能な管理装置であって、
前記ポンプ装置と、前記ポンプ装置の操作者に関する通知先情報とを対応付けて記憶する通知先記憶部と、
前記エラー情報をポンプ装置から受信すると、前記エラー情報を送信したポンプ装置に対応付けられた通知先情報を前記通知先記憶部から読み出し、当該通知先情報に基づいて、前記エラー情報に関する情報を通信端末に通知する通知部と、
を備えた管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置及び管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のポンプを有し、ポンプ毎に運転可能なポンプ装置が広く知られている。この種のポンプ装置は、ポンプ毎に運転状態を示す運転LED(Light-Emitting Diode)と、ポンプ毎に故障を示す故障LEDと、ポンプ装置全体の運転状態又は故障種類を示す7セグメントLED及び表示パネルとを備えている。
【0003】
これにより、ポンプ装置は、いずれかのポンプが故障した際に、故障したポンプに対応する故障LEDを点灯させ、故障したポンプの故障種類を7セグメントLED及び表示パネルに表示可能としている。
【0004】
一方、故障したポンプ以外の他のポンプは運転を継続している。従って、操作者が他のポンプの運転情報を確認する場合、ポンプ装置の操作ボタン等を操作して、7セグメントLED及び表示パネルの故障表示をクリアし、表示パネルに運転情報を表示させる。このとき、表示パネルでは、故障したポンプについては運転情報をゼロ表示とし(電流、電圧、周波数をゼロ値で表示)、他のポンプについては運転情報を表示する。しかる後、操作者は、故障したポンプの故障種類を再確認する場合、ポンプ装置の操作ボタン等を操作して、故障種類を再度、表示パネルに表示させる。
【0005】
このようなポンプ装置は、特に問題ないが、本発明者の検討によれば、ポンプ毎の運転情報が示す状態と、ポンプ毎の故障種類が示す状態とを確認する際に、状態毎の操作が必要であり、操作に手間がかかる点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6845648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポンプ毎の状態を確認するための操作の手間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、複数のポンプを備え、前記ポンプ毎に運転を行う。前記ポンプ装置は、判定部と、表示制御部と、を備えている。前記判定部は、前記ポンプ毎に前記運転が正常状態であるか否かを判定する。前記表示制御部は、前記ポンプ毎に、前記正常状態の場合には運転情報を表示部に表示させ、前記否の場合には異常状態に関する状態情報を前記表示部に表示させる。前記表示部は、前記ポンプ毎の前記運転情報及び前記状態情報を一覧表示する。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、管理装置は、ポンプ装置に通信可能な装置である。前記管理装置は、受信部と、ログ記憶部と、ログ判定部と、出力部とを備えている。前記受信部は、前記ポンプ毎に、前記送信された前記運転情報、前記状態情報及び前記運転禁止情報のいずれかを前記ポンプ装置から受信する。前記ログ記憶部は、前記ポンプ毎に、前記受信された前記運転情報、前記状態情報及び前記運転禁止情報のいずれかと、受信時刻とをログデータとして記憶する。前記ログ判定部は、前記ログデータに基づき、前記運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したか否かを判定する。前記出力部は、前記継続した場合に、当該運転禁止情報の表示が継続したポンプ装置を示すエラー情報を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポンプ毎の状態を確認するための操作の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る管理システムを例示するブロック図。
図2図1の管理装置の構成例を示すブロック図。
図3図1のポンプ装置の構成例を示すブロック図。
図4図3のポンプ装置における操作パネルの一例を示す模式図。
図5】本実施形態における動作例を説明するためのフローチャート。
図6】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図7】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図8】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図9】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図10】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図11】本実施形態における動作例を説明するための模式図。
図12】本実施形態の変形例における動作例を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態に係るポンプ装置及び管理装置について説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあると共に、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることがある。
【0013】
図1は、本実施形態に係るポンプ装置及び管理装置を備えた管理システムを例示するブロック図である。図1に示すように、管理システムは、管理装置1、複数の端末3-nおよび複数のポンプ装置5-n(nはインデックス)を含む。図1では、nが2である場合の構成を示しているが、これに限定する必要はなく、nは1以上であれば幾つでもよい。以下、特に区別しないときは単に端末3およびポンプ装置5と記載することとする。管理システムは、ポンプ装置5に関して測定されるポンプ情報などを管理装置1で用いて管理するコンピュータシステムである。
【0014】
図1に示すように、管理装置1と端末3とポンプ装置5とは、ネットワークNWを介して、4G、5Gといった携帯通信網や、Wimaxなどの比較的遠距離の無線通信回線を介して接続される。すなわち、管理装置1と端末3とポンプ装置5とは、互いに通信可能となっている。また、ポンプ装置5と端末3とは、上述した無線通信回線に加え、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Filed Communication)、赤外線通信といった比較的近距離の無線通信手段により接続されることを想定する。なお、端末3とポンプ装置5とは、USB(Universal Serial Bus)やケーブルによるLAN(Local Area Network)接続といった有線通信回線を介して接続されてもよい。
【0015】
管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、表示機器、入力機器及び通信機器を有するコンピュータである。管理装置1は、複数のポンプ装置5に関する各種データを管理するためのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の大容量記憶装置を有する。当該大容量記憶装置をデータベースと呼ぶことにする。例えば、管理装置1は、ポンプ装置5に関する各種データをデータベースに記憶し、ポンプ装置5の稼働状況を管理する。
【0016】
端末3は、点検作業員等のユーザが持ち運び可能な通信端末であり、例えば、ノートPC、モバイル端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット)が挙げられる。なお、端末3は、ポンプ装置5の管理専用に構成された通信デバイスであってもよい。端末3から、ポンプ装置5を制御可能としてもよく、例えば、ポンプ装置5を制御するためのアプリケーションが搭載されてもよいし、Webブラウザからポンプ装置5を制御可能としてもよい。端末3は、通信端末の一例である。
【0017】
ポンプ装置5は、例えば、建物に給水する機械装置(給水装置)である。ポンプ装置5は、例えば、水道本管に直結され、水道本管を流れる水を直接増圧し、建物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する、いわゆる直結増圧型給水装置であるとする。なお、本実施形態に係るポンプ装置5の型としては、直結増圧型に限定されず、例えば、直結直圧型、受水槽給水型及び高架水槽給水型などといった任意の型が、適宜、使用可能となっている。
【0018】
次に、本実施形態に係る管理装置1について図2のブロック図を参照して説明する。
【0019】
管理装置1は、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、データベース14と、通信部15と、制御部16とを備える。
【0020】
操作部11は、キーボードやマウスなどであって、管理者からの要求や指示を受け付け、これを制御部16に伝達する。
【0021】
表示部12は、液晶パネルや有機EL(electroluminescence)パネル、7セグメントLED(light-emitting diode)、LEDランプなどのデバイスを用いた表示装置であって、制御部16から与えられる情報を管理者に対して視覚的に示すものである。例えば、表示部12は、制御部16からの制御により、ポンプ装置5の遠隔操作が可能な期間を更新表示してもよい。また例えば、表示部12は、制御部16からの制御により、ログデータを表示してもよい。
【0022】
記憶部13は、SDRAM(synchronous dynamic RAM)、NAND(inverted AND)フラッシュメモリやEEPROM(登録商標)(electrically erasable programmable ROM)などの半導体メモリを用いたものであって、制御部16の制御プログラムや制御データなどを記憶する。
【0023】
データベース14は、記憶部13よりも相対的に記憶容量の大きい記憶装置であり、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体を備えてもよい。データベース14は、ログデータや登録情報を記憶するために用いられる。登録情報は、ポンプ装置5と、ポンプ装置5の操作者に関する通知先情報とを対応付けて記憶している。通知先情報は、例えば、操作者に携帯される端末3(通信端末)のEメールアドレスや、操作者に対するLINE(登録商標)のトーク履歴(通信履歴情報)などとしてもよい。データベース14及び登録情報は、通知先記憶部の一例である。
【0024】
ログデータは、ポンプ装置5から受信したログデータであって、ポンプ装置5毎に集計が可能なように記憶される。ログデータは、例えば、ポンプ装置5の運転状態データや、ポンプ装置5が異常状態のときの異常通知などといった各種のデータを含んでいる。又、ログデータは、ポンプ装置5のポンプ毎に、当該ポンプ装置5から受信した運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかと、受信時刻とを含んでいる。データベース14及びログデータは、ログ記憶部の一例である。
【0025】
通信部15は、ネットワークNWを通じてポンプ装置5や端末3と通信する。通信部15は、受信部の一例である。
【0026】
制御部16は、CPUやMPU等のプロセッサや、メモリを備える。プロセッサは、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。メモリには、記憶部13から読み込んだ制御プログラムや制御データが記憶され、プロセッサが制御プログラムを実行して管理装置としての機能、例えば、管理機能、ログ判定機能、出力機能、通知機能の各機能を実現する。管理機能は、ポンプ装置5から受信したデータをログデータとしてデータベース14に保存し、ログデータに基づいて、ポンプ装置5の状態を管理する機能である。ログ判定機能は、当該ログデータに基づき、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したか否かを判定するログ判定部の一例である。出力機能は、当該継続した場合に、当該運転禁止情報の表示が継続したポンプ装置5を示すエラー情報を出力する出力部の一例である。通知機能は、出力されたエラー情報が示すポンプ装置5に対応付けられた通知先情報をデータベース14から読み出し、当該通知先情報に基づいて、エラー情報に関する情報を端末3に通知する通知部の一例である。なお、これに限らず、通知機能は、通信部15を介して、エラー情報をポンプ装置5から受信すると、エラー情報を送信したポンプ装置5に対応付けられた通知先情報をデータベース14から読み出し、当該通知先情報に基づいて、エラー情報に関する情報を端末3に通知する通知部の一例としてもよい。
【0027】
次に、本実施形態に係るポンプ装置5について図3のブロック図を参照して説明する。
【0028】
ポンプ装置5は、制御盤50とポンプ部60とを含む。ポンプ装置5は、他に、図示しない吸込配管と吐出配管とを含んでもよい。ポンプ装置5は、ポンプ部60により、吸込配管を介して一次側にある水を取り込み、吐出配管を介して二次側へ給水する。吸込配管は、例えば、水道本管から分岐された水道分管およびポンプ部60を接続する。吐出配管は、ポンプ部60とその二次側の給水先とを接続する。ポンプ部60は、複数台のポンプを含んでいる。この場合に、ポンプ装置5は、複数台のポンプを交互に駆動する交互運転、複数台のポンプを同時に駆動する並列運転などを行うことができる。なお、ポンプ装置5は、定期的に交互運転に代えて、ポンプ毎の積算運転時間を平滑化する平滑運転を行ってもよい。平滑運転の場合、ポンプ装置5は、交互運転の順番とは異なり、積算運転時間の短いポンプを連続して駆動する。
【0029】
制御盤50は、互いにバスを介して接続された近距離通信器51と、遠距離通信器52と、入力機器53と、インバータ54と、インタフェース55と、表示機器56と、記憶装置57と、プロセッサ58とを含む。
【0030】
近距離通信器51は、Bluetooth、Wi-FiまたはNFC等の無線通信の規格に準拠した無線通信モジュール511を搭載し、近距離無線通信を行なう。近距離通信器51は、USB等の有線通信の規格を用いた近距離通信を行なってもよい。近距離通信器51は、端末3との間で、近距離通信回線を介して、ポンプ装置5の運転モードの設定および各種データの送受信などを行なう。
【0031】
遠距離通信器52は、携帯通信網、WimaxおよびWi-Fi等の無線通信の規格を用いた遠距離通信を行なう。遠距離通信器52は、管理装置1または端末3との間で、遠距離通信回線を介して各種データの送受信を行なう。
【0032】
近距離通信器51および遠距離通信器52による無線接続の確立については、例えば、Bluetoothであれば、一般的なペアリング接続により無線接続が確立されればよく、Wi-Fiであれば、Wi-Fiのアクセスポイントに予め設定されたSSID(service set identifier)およびパスワードを入力することで、無線接続が確立されればよい。なお、一度、ポンプ装置5と端末3との無線接続が確立していれば、端末3の無線機能をオンにしてポンプ装置5と接近することで、自動的に無線接続が確立されるものとする。
【0033】
入力機器53は、ユーザの指示を電気信号に変換する。入力機器53としては、例えば、操作パネルやタッチパネル、キーボード、マウス、各種スイッチ等が用いられればよい。なお、入力機器53としては、音声入力装置が用いられてもよい。入力機器53からの電気信号はバスを介してプロセッサ58に供給される。このような入力機器53は、図4に示すように、操作パネル560の一部として、後述する表示機器56と共に設けられている。例えば、操作パネル560のうち、入力機器53に対応するスイッチは、水槽選択ボタン531、流入弁選択ボタン532、リセットボタン533、操作ボタン534、選択/停止ボタン535、手動運転切替えボタン536a、全停止ボタン536b、自動運転切替えボタン536cである。
【0034】
水槽選択ボタン531は、操作者の操作に応じて、受水槽を選択する信号をプロセッサ58に入力する。
【0035】
流入弁選択ボタン532は、操作者の操作に応じて、受水槽に設けられた流入弁を選択する信号を入力する。
【0036】
リセットボタン533は、異常発生時などに、操作者の操作に応じて、警報や異常表示などをリセットする信号を入力する。
【0037】
操作ボタン534は、操作者の操作に応じて、表示画面などを選択及び操作する信号を入力する。なお、操作ボタン534は、メニューボタン534a、アップダウンボタン534b、決定ボタン534c、及び、戻るボタン534dの総称である。メニューボタン534aは、操作者の操作に応じて、メニュー画面を表示させる信号を入力する。アップダウンボタン534bは、操作者の操作に応じて、データや表示画面をアップ/ダウンさせるアップダウン信号をプロセッサ58に入力する。決定ボタン534cは、操作者の操作に応じて、当該アップ/ダウンさせた結果を確定する確定信号をプロセッサ58に入力する。戻るボタン534dは、操作者の操作に応じて、遷移した表示画面を戻す信号をプロセッサ58に入力する。
【0038】
選択/停止ボタン535は、操作者の操作に応じて、ポンプ部60内のポンプ毎に、運転を許可又は禁止する信号をプロセッサ58に入力する。
【0039】
手動運転切替えボタン536aは、操作者の操作に応じて、ポンプを手動運転に切替える信号をプロセッサ58に入力する。全停止ボタン536bは、操作者の操作に応じて、全てのポンプ部60を停止させる信号をプロセッサ58に入力する。自動運転切替えボタン536cは、操作者の操作に応じて、ポンプを自動運転に切替える信号をプロセッサ58に入力する。
【0040】
図3に戻り、インバータ54は、ポンプ部60を作動する動力を発生する。具体的には、インバータ54は、ポンプ部60(の各ポンプのモータ)に所定周波数の交流電力を供給する。また、インバータ54は、プロセッサ58からインバータ制御信号を受け取る。インバータ54は、インバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータ54は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始する。また、インバータ54は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じてモータの回転数を制御する。
【0041】
具体的には、インバータ54は、図示しないコンバータ回路、平滑コンデンサ及びインバータ回路を含む。コンバータ回路は、交流電源から交流電力を取り込み整流することで直流電力に変換する。平滑コンデンサは、コンバータ回路によって出力される直流電力の電圧を平滑化し、略一定電圧の直流電力を得る。そして、インバータ回路は、ポンプ毎に設けられ、平滑コンデンサによって得られた直流電力を制御部581からのインバータ制御信号(回転数制御信号に相当)に応じた所定周波数の交流電力へと変換してポンプ毎のモータに供給する。なお、インバータ54は、制御盤50内に配置される場合に限らず、ポンプ部60内の各ポンプのモータ毎に設けられ、当該モータに一体化して実装してもよい。
【0042】
インタフェース55は、例えば、ポート等の入出力インタフェースである。インタフェース55は、例えば、制御盤50とポンプ部60とを接続し、各種信号を送受信する。
【0043】
表示機器56は、各種データを表示する。表示機器56としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等の任意のディスプレイ(表示パネル)と、LEDランプ又は豆電球等の任意のランプと、7セグメントLEDとが用いられればよい。このような表示機器56は、図4に示すように、操作パネル560の一部として、前述した入力機器53と共に設けられている。例えば、操作パネル560のうち、表示機器56に対応する部分は、7セグメントLED561、表示パネル562、受水槽LEDランプ563、流入弁LEDランプ564、電源LEDランプ565、運転LEDランプ566a、故障LEDランプ566b、選択/停止LEDランプ566c、運転切替えLEDランプ567である。
【0044】
7セグメントLED561は、プロセッサ58に表示制御され、ポンプ装置5の状態を示す4桁のコードを表示する。例えば、複数台のポンプ部60のうちのポンプ1号機が過電流(overcurrent)状態の場合、7セグメントLED561は、コード「1-oC」を表示する。また例えば、ポンプ装置5が正常状態の場合、7セグメントLED561は、コード「H 37」を表示する。
【0045】
表示パネル562は、プロセッサ58に表示制御され、各種情報を画面表示する。表示パネル562としては、例えば、液晶ディスプレイを実装したが、これに限定されない。表示パネル562は、表示部の一例である。
【0046】
受水槽LEDランプ563は、プロセッサ58に点灯制御されるLED群(満水LED、減水LED、渇水LED、水槽1LED、水槽2LED)である。受水槽LEDランプ563は、受水槽の水位(満水、減水、渇水)や、選択された受水槽(水槽1、水槽2)に対応するLEDが点灯する。
【0047】
流入弁LEDランプ564は、プロセッサ58に点灯制御されるLED群(No.1開LED、No.2開LED、手動開LED、手動閉LED、自動LED)である。流入弁LEDランプ564は、開いた流入弁(No.1開、No.2開)や、選択された流入弁の状態(手動開、手動閉、自動)に対応するLEDが点灯する。
【0048】
電源LEDランプ565は、プロセッサ58に点灯制御されるLEDであり、電源がオン状態のとき、点灯する。
【0049】
運転LEDランプ566aは、プロセッサ58に点灯制御されるLED群であり、複数台のポンプ部60のうち、ポンプ1号機の運転中に上段のLEDが点灯し、ポンプ2号機の運転中に下段のLEDが点灯する。
【0050】
故障LEDランプ566bは、プロセッサ58に点灯制御されるLED群であり、複数台のポンプ部60のうち、ポンプ1号機が異常状態の場合に上段のLEDが点灯し、ポンプ2号機が異常状態の場合に下段のLEDが点灯する。故障LEDランプ566bは、ポンプ毎に、正常状態の場合には消灯し、否の場合に点灯する第1ランプの一例である。
【0051】
選択/停止LEDランプ566cは、プロセッサ58に点灯制御されるLED群であり、複数台のポンプ部60のうち、ポンプ1号機の運転が許可された場合に上段のLEDが点灯し、ポンプ2号機の運転が許可された場合に下段のLEDが点灯する。選択/停止LEDランプ566cは、ポンプ毎に、運転が許可された場合に点灯し、禁止された場合に消灯する第2ランプの一例である。
【0052】
運転切替えLEDランプ567は、プロセッサ58に点灯制御されるLED群であり、ポンプ部60の手動運転時に左側のLEDが点灯し、ポンプ部60の全停止時に中央のLEDが点灯し、ポンプ部60の自動運転時に右側のLEDが点灯する。
【0053】
記憶装置57は、各種データを記憶するROMやRAM、HDD、SSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等のメモリ装置である。記憶装置57は、物理的に一つのメモリ装置により実現されてもよいし、ポンプ装置5内に物理的に分離された複数のメモリ装置により実現されてもよい。以下、記憶装置57を単にメモリと呼ぶことにする。
【0054】
プロセッサ58は、CPUやマイクロプロセッサ等の演算装置である。プロセッサ58は、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。プロセッサ58は、記憶装置57に保存された各種プログラムを実行することで、ポンプ装置としての機能、例えば、制御部581と、操作処理部582と、通信部583との各機能を実現する。なお、いくつかの機能は、任意の付加的事項であり、省略してもよい。例えば、通信部583は、省略してもよい。また、制御部581、操作処理部582、通信部583の各々の機能は、適宜、変更又は省略可能である。例えば、制御部581は、操作処理部582の機能を含んでもよい。同様に、制御部581は、通信部583の機能を含んでもよい。また制御部581と、操作処理部582と、通信部583との各機能は、以下のように区別して説明せずに、一括してプロセッサ58の各機能として述べてもよい。
【0055】
制御部581は、複数台のポンプ部60のうち、運転が許可されたポンプ部60を対象として、ポンプ毎に運転を行う。また、制御部581は、例えば図示しないセンサからのセンサ信号に基づいて、ポンプ毎に運転が正常状態であるか否かを判定する。また、制御部581は、判定した結果に基づき、ポンプ毎に、正常状態の場合には運転情報を表示パネル562に表示させ、否の場合には異常状態に関する状態情報を表示パネル562に表示させる。運転情報は、ポンプ毎のインバータの運転に関する情報であり、例えば、運転周波数、電圧、電流の値を含んでいる。運転情報は、モニタ情報と呼んでもよい。状態情報は、ポンプ毎の異常状態に関する情報であり、例えば、異常状態の場合に点灯する故障LEDランプ566bに対して、異常状態の種類を表す文字情報としてもよい。このとき、制御部581は、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を表示パネル562に一覧表示させる。また同様に、制御部581は、判定した結果に基づき、ポンプ装置5の状態を示すコードを7セグメントLED561に表示する。また、制御部581は、定期的にポンプ毎の積算運転時間を平滑化するようにポンプ毎の平滑運転を制御してもよい。制御部581は、判定部、表示制御部及び平滑運転制御部の一例である。
【0056】
操作処理部582は、操作パネル560に実装された入力機器53の操作に応じて、各種情報の設定や、操作パネル560に実装された表示機器56の制御を行う。例えば、操作処理部582は、操作者によるリセットボタン533の操作に応じて、ポンプ装置5の警報などをリセットすると共に、7セグメントLED561や表示パネル562の異常表示をリセットする。
【0057】
また、操作処理部582は、操作者による選択/停止ボタン535の操作に応じて、ポンプ毎に、運転を許可又は禁止する設定を行う。詳しくは、制御部581とインバータ54はシリアル通信で接続されており、制御部581が制御しうる最大のインバータ数は、初めて制御盤50に電源が投入された時、制御部581に接続されているインバータ54内の各インバータ回路の数(インバータ数)で決定する。一度決定すると、初期化され、再度、制御部581に接続されているインバータ数をカウントするまで更新されることはない。インバータ数をカウント後、カウントされた全てのインバータ回路は制御部581内で運転(制御指令の送出)が許可されているが、カウントされたインバータ回路でも個別に運転を禁止可能になっている。個別に運転を禁止する場合、各インバータ回路の運転を許可/禁止する選択/停止ボタン535がインバータ回路毎に設けられ、選択/停止ボタン535を押下することで制御部581に対して各インバータ回路に対する運転の許可/禁止を切り替える。禁止に設定されたインバータ回路は駆動されない。すなわち、制御部581は、禁止に設定されたインバータ回路へ指令を出さない。なお、運転を許可/禁止する構成は、制御指令を出すか否かに限定されない。より安全に運転を禁止する場合、ポンプ毎にインバータ54を設け、制御部581は、各インバータ54への電源供給を遮断可能に構成され、運転禁止時には電源を遮断し、許可時に通電することで更に安全に運転を禁止してもよい。また、正常状態の場合、全てのインバータ回路(による全ポンプ)の運転を許可に設定し、運用するが、メンテナンスを行う際には、メンテナンス対象のポンプの運転を禁止し、メンテナンス対象のポンプを停止させた状態でメンテナンスを行う。なお、メンテナンス後、メンテナンス対象のポンプの運転を許可に設定し直す必要がある。
【0058】
また、操作処理部582は、ポンプ毎に、運転が許可された場合に点灯し、禁止された場合に消灯するように選択/停止LEDランプ566cを制御する。また、操作処理部582は、運転が禁止されたポンプ毎に、運転情報又は状態情報に代えて、運転禁止情報を表示パネル562に表示させる。運転禁止情報としては、運転が禁止されていることを示す文字情報を含んでいればよく、例えば、「運転禁止」、「未設定」、「未選択」などの所望の文字列が使用可能となっている。また、運転禁止情報の表示態様としては、文字情報を表示する通常の態様と、文字情報を点滅表示する態様と、文字情報の背景に模様を表示する態様と、文字情報の背景の模様を点滅表示する態様と、文字情報と背景の模様との両者を点滅表示する態様と、のいずれを用いてもよい。操作処理部582は、運転禁止情報を表示パネル562に表示させることにより、操作者に対し、メンテナンス後のポンプの運転を許可に設定し直す操作を促している。
【0059】
また、操作処理部582は、操作者の操作に応じて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する画面と、ポンプ毎に運転情報又は状態情報を個別表示する画面と、運転情報が一覧表示又は個別表示されたポンプの運転モードを表示する画面とを巡回的に表示パネル562に表示させる。
【0060】
ここで、運転モードは、例えば、複数のポンプが正常状態のポンプと異常状態のポンプとからなる場合、正常状態のポンプにおける故障代替運転を表すようにしてもよい。
【0061】
また、運転モードは、例えば、複数のポンプが正常状態のポンプからなり、ポンプ内の水温を低減させるように強制運転時間に基づくエコ運転が行われている場合、当該エコ運転を表すようにしてもよい。なお、エコ運転とは、起動したポンプの運転を監視し、最適な強制運転時間で当該ポンプを停止させるモードである。強制運転時間とは、起動したポンプを一定時間強制的に動作させるインターロック(保護機構)に用いられる変数である。当該エコ運転は、起動したポンプであれば、当該ポンプが正常状態でも異常状態でも発生する。補足すると、停止流量付近の小水量での運転時では、ポンプ内の水流が小さくなってポンプ内に高温水が滞留し、メカニカルシール等の軸封部の摺動部品が過度に摩耗して軸封部の寿命が低下する場合がある。これに対し、強制運転時間を用いる保護機構は、ポンプの起動後に停止流量を検出した場合でも、当該ポンプの運転を少なくとも強制運転時間だけ継続させることにより、ポンプ内の高温水の滞留を防止して、摺動部品の摩耗を抑制する。このとき、エコ運転を行う運転モードでは、最大運転時間及び前回の運転停止時間に基づいて強制運転時間を調整することにより、余分な運転を減らして消費電力を節約する。なお、強制運転時間は、最大運転時間から前回の運転停止時間を引いた時間である。すなわち、前回の運転停止時間が短いほど、強制運転時間が長くなる。この為、前回の運転停止時間が短く、ポンプ内の熱が比較的高い状態では強制運転時間が長くなるので、ポンプ内の水の温度を低減することが可能となる。このような強制運転時間を用いてポンプ内の水の温度を低減する技術は、例えば、特許第6695466号公報に記載されている。
【0062】
また例えば、運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプからなり、ポンプ毎の積算運転時間を平滑化するようにポンプ毎の平滑運転が行われている場合、当該平滑運転を表すようにしてもよい。なお、運転モードとしては、例示した故障代替運転、エコ運転及び平滑運転などに限らず、任意のモードが、適宜、使用可能となっている。
【0063】
また例えば、操作処理部582は、操作者による手動運転切替えボタン536aの操作に応じて、手動運転モードを設定し、運転切替えLEDランプ567を点灯制御する。同様に、操作処理部582は、操作者による全停止ボタン536bの操作に応じて、全てのポンプ部60の運転を禁止する設定を行い、運転切替えLEDランプ567を点灯制御する。同様に、操作処理部582は、操作者による自動運転切替えボタン536cの操作に応じて、自動運転モードを設定し、運転切替えLEDランプ567を点灯制御する。操作処理部582は、設定部及び表示制御部の一例である。
【0064】
通信部583は、ポンプ毎に、運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかを管理装置1に送信する。また、通信部583は、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合に、エラー情報を管理装置1に送信してもよい。エラー情報としては、例えば、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したエラーに関する識別コード、当該エラーを示す文字列、又はその両方が適宜、使用可能となっている。
【0065】
なお、制御盤50を構成する基板の枚数は任意に設計可能であり、各基板が近距離通信器51、遠距離通信器52、入力機器53、インバータ54、インタフェース55、表示機器56、記憶装置57及びプロセッサ58のうちの何れの機器を物理的に装備するのかも任意に設計可能である。また、制御部581と、操作処理部582と、通信部583とは、一のプロセッサ58が担うものとしたが、物理的に分離した複数のプロセッサが分担してもよい。
【0066】
次に、本実施形態に係るポンプ装置5及び管理装置1の動作例について図5のフローチャート及び図6乃至図11の模式図を参照して説明する。
【0067】
始めに、ポンプ装置5において、通信部583は、定期的又は不定期に、ポンプ毎に、運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかを管理装置1に送信している。
【0068】
管理装置1では、通信部15により、ポンプ毎に、送信された運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかをポンプ装置5から受信する。また、管理装置1は、制御部16により、ポンプ毎に、当該受信された運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかと、受信時刻とをログデータとしてデータベース14に記憶している。
【0069】
このようなポンプ装置5において、制御部581は、ポンプ毎に運転が正常状態であるか否かを判定する。また、制御部581は、判定結果に基づき、ポンプ毎に、正常状態の場合には運転情報を表示パネル562に表示させる。例えば、正常状態で停止している場合、図6に示すように、表示パネル562は、ポンプ部60のうちのポンプ1号機の運転情報である周波数0.0Hzと、ポンプ2号機の運転情報である周波数0.0Hzとを一覧表示する。また、7セグメントLED561は、正常状態を示すコード「H 37」を表示する。また、運転LEDランプ566aは消灯しており、ポンプ1号機及びポンプ2号機の停止状態を示している。また、故障LEDランプ566bは消灯しており、ポンプ1号機及びポンプ2号機が正常状態であることを示している。また、選択/停止LEDランプ566cは点灯しており、ポンプ1号機及びポンプ2号機の運転が許可された状態を示している。
【0070】
続いて、ポンプ装置5では、ポンプ部60の運転が開始されたとする。このとき、表示パネル562には、ポンプ1号機の運転情報である周波数130.0Hzと、ポンプ2号機の運転情報である周波数130.0Hzとが一覧表示される。また、運転LEDランプ566aは点灯しており、ポンプ1号機及びポンプ2号機の運転状態(運転中)を示している。
【0071】
しかる後、ポンプ1号機に過電流が流れ、ポンプ1号機が故障したとする。このとき、制御部581は、ポンプ毎に運転が正常状態であるか否かを判定し、ポンプ1号機が過電流の異常状態である旨の判定結果を得る。また、制御部581は、ポンプ2号機が正常状態である旨の判定結果を得る。
【0072】
ステップS10では、制御部581は、ポンプ1号機が過電流の異常状態である旨の判定結果に基づき、図7に示すように、運転LEDランプ566a、故障LEDランプ566b、7セグメントLED561、表示パネル562を表示制御する。これに伴い、運転LEDランプ566aは、ポンプ1号機の異常状態(運転停止)に応じて、上段のLEDが消灯する。一方、故障LEDランプ566bは、ポンプ1号機の異常状態(運転停止)に応じて、上段のLEDが点灯する。また、7セグメントLED561は、ポンプ1号機の過電流(overcurrent)状態に応じて、コード「1-oC」を表示する。また、表示パネル562は、ポンプ1号機の過電流状態に応じて、文字情報「1号過電流」を表示する。しかる後、操作者によってリセットボタン533が操作される。
【0073】
ステップS20では、操作処理部582は、リセットボタン533の操作に応じて、7セグメントLED561及び表示パネル562の故障表示がリセットされる。これに伴い、制御部581は、図8に示すように、7セグメントLED561に正常状態のコード「H 37」を表示させると共に、ポンプ毎の状態を表示パネル562に表示させる。表示パネル562は、ポンプ1号機の状態情報として異常状態の種類(過電流)を表す文字情報「OC」と、ポンプ2号機の運転情報である「周波数130.0Hz」とを一覧表示する。
【0074】
ステップS30では、操作処理部582は、操作者の操作に応じて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する画面と、ポンプ毎に運転情報又は状態情報を個別表示する画面と、運転情報が一覧表示又は個別表示されたポンプの運転モードを表示する画面とを巡回的に表示パネル562に表示させる。具体的には例えば、操作処理部582は、操作者によるアップダウンボタン534bの操作に応じて、図9に示すように、表示パネル562の切替え表示を行う。図9中、最上段の表示パネル562は、図8の表示パネル562と同様の一覧表示を行っている。また、表示パネル562は、アップダウンボタン534bの操作毎に、最上段の一覧表示の画面と、1号機の詳細情報「OC、過電流故障停止中」の画面と、2号機の運転情報「2.34A、172V、2.34kW」の詳細画面と、2号機のインバータ54の電源電圧「200.1V」の画面と、運転モード「故障代替運転中」の画面との切替え表示を巡回的に行う。図9中、最上段の画面が一覧表示の画面に対応し、2-4段目の画面が個別表示の画面に対応する。また、最下段の画面が運転モードの画面に対応する。この例の運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプと異常状態のポンプとからなる場合、正常状態のポンプにおける故障代替運転を表している。なお、故障代替運転は、故障したポンプ1号機に代替したポンプ2号機の運転である。また、図9中、下向き三角で示すダウンボタンの操作により、一方向に画面が遷移しているが、これに限らず、上向き三角で示すアップボタンの操作により、逆方向に画面を遷移させてもよい。しかる後、故障した1号機の運転を禁止するため、操作者によって、ポンプ1号機に対応する上段の選択/停止ボタン535が操作される。
【0075】
ステップS40では、操作処理部582は、選択/停止ボタン535の操作に応じて、ポンプ毎に、運転を許可又は禁止する設定を行い、ポンプ毎の運転/停止を制御する。例えば図10に示すように、操作処理部582は、ポンプ1号機の運転禁止の設定に伴い、上段のLEDを消灯するように選択/停止LEDランプ566cを制御する。また、操作処理部582は、運転が禁止されたポンプ1号機に対し、状態情報に代えて、運転禁止情報を表示パネル562に表示させる。なお、基本的に全てのポンプの運転が許可に設定されている状態が通常状態である。すなわち、異常又は故障といった何らかの事情が無い限り、ポンプの運転が禁止に設定されることはない。従って、誤操作により禁止に設定された場合や、失念により、禁止の設定が維持された場合には、操作者に注意を促す仕組みが必要となる。運転禁止情報を表示パネル562に表示させることは、この仕組みの一例である。
【0076】
しかる後、操作処理部582は、操作者によるアップダウンボタン534bの操作に応じて、図11に示すように、表示パネル562の切替え表示を行う。図11中、最上段の表示パネル562は、図10の表示パネル562と同様の一覧表示を行っている。また、表示パネル562は、アップダウンボタン534bの操作毎に、最上段の一覧表示の画面と、1号機の詳細情報「運転禁止、選択停止ボタン押下で運転許可に変更可能」の画面と、2号機の運転情報「2.34A、172V、2.34kW」の詳細画面と、2号機のインバータ54の電源電圧「200.1V」の画面と、運転モード「エコ運転」の画面との切替え表示を巡回的に行う。この例の運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプからなり、ポンプ内の水温を低減させるように強制運転時間に基づく運転が行われている場合、当該エコ運転を表している。
【0077】
ステップS50では、操作処理部582は、運転が禁止された時点から、一定時間以上、ポンプの停止状態が継続したか否かを判定する。例えば、操作処理部582は、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したか否かを判定することにより、ポンプの停止状態が継続したか否かを判定する。具体的には例えば、操作処理部582は、運転禁止情報の表示を開始した時点からカウントを開始し、当該カウント値が閾値を超えたか否かを判定する。操作処理部582は、否の場合にはステップS60をスキップして処理を終了する。一方、操作処理部582は、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合には、ステップS60に移行する。
【0078】
ステップS60では、通信部583は、操作処理部582に制御され、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合に、エラー情報を管理装置1に通知(送信)する。
【0079】
これにより、管理装置1では、通信部15がエラー情報をポンプ装置5から受信する。管理装置1の制御部16は、エラー情報を送信したポンプ装置5に対応付けられた通知先情報をデータベース14から読み出す。管理装置1の通信部15は、当該通知先情報に基づいて、エラー情報に関する情報を操作者の端末3に通知する。エラー情報に関する情報は、例えば、エラー情報と、エラー情報への対応を促すメッセージとを含んでいる。通知方法としては、例えば、EメールやLINE等が適宜、使用可能となっている。
【0080】
端末3は、通知されたエラー情報に関する情報を表示することにより、操作者に対して、運転を禁止した設定の解除を促す。以下、操作者は、ポンプ装置5が設置された現場に戻り、選択/停止ボタンを操作し、運転が禁止されていたポンプ部60の運転を許可する設定を行う。以下、ポンプ装置5は、全てのポンプの運転が許可された状態で、ポンプ毎に運転を行う。
【0081】
上述したように本実施形態によれば、ポンプ装置5において、制御部581は、ポンプ毎に運転が正常状態であるか否かを判定する。制御部581は、ポンプ毎に、正常状態の場合には運転情報を表示パネル562に表示させ、否の場合には異常状態に関する状態情報を表示パネル562に表示させる。表示パネル562は、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する。このように、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する構成により、ポンプ毎の状態を確認するための操作の手間を軽減することができる。
【0082】
補足すると、従来のポンプ装置は、ポンプ毎の運転情報が示す状態と、ポンプ毎の故障種類が示す状態とを別々に表示している。このため、従来のポンプ装置では、ポンプ毎の運転情報が示す状態と、ポンプ毎の故障種類が示す状態とを確認する際に、状態毎の操作が必要であり、操作に手間がかかる。また、ポンプカバーを装着している場合、制御盤の操作パネルを操作するためにポンプカバーを取り外す手間もかかる。
【0083】
これに対し、本実施形態のポンプ装置5によれば、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する構成により、状態毎の操作を不要として、操作の手間を軽減できる。
【0084】
また、本実施形態によれば、ポンプ装置5において、ポンプ毎に、正常状態の場合には消灯し、否の場合に点灯する故障LEDランプ566bを更に備えている。また、状態情報は、点灯した故障LEDランプ566bに対して、異常状態の種類を表す文字情報である。従って、前述した効果に加え、故障LEDランプ566bが点灯した場合に、その内訳となる異常状態の種類を表示パネル562に表示することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、ポンプ装置5において、操作処理部582は、操作者の操作に応じて、ポンプ毎に、運転を許可又は禁止する設定を行う。選択/停止LEDランプ566cは、ポンプ毎に、運転が許可された場合に点灯し、禁止された場合に消灯する。また、操作処理部582は、運転が禁止されたポンプ毎に、運転情報又は状態情報に代えて、運転禁止情報を表示パネル562に表示させる。従って、前述した効果に加え、選択/停止LEDランプ566cと表示パネル562との各々が、運転の禁止されたポンプ部60を示す構成により、操作者が、運転禁止状態のポンプを容易に認識することができる。
【0086】
補足すると、従来のポンプ装置は、突起した指示部を有するロータリースイッチの回動操作により、「ポンプ1号機」、「ポンプ2号機」、「ポンプ1・2号機」を選択するという、外観上、運転禁止状態のポンプ部を認識し易い装置となっている。しかしながら、ロータリースイッチによる選択は、遠隔操作を考慮しておらず、遠隔操作でポンプ部の運転の許可/禁止を設定すると、実際の設定状態と、ロータリースイッチの見た目の設定状態とに乖離が発生し、現場のユーサーが混乱してしまう場合がある。
【0087】
一方、本実施形態のポンプ装置5は、略平面形状の選択/停止ボタン535を操作し、ポンプ毎の選択/停止LEDランプ566cの点灯/消灯状態によって、ポンプ毎の運転の許可/禁止を表すようにしている。これに伴い、本実施形態のポンプ装置5は、従来のロータリースイッチよりも外観上、運転禁止状態のポンプを識別しにくい装置となっている。これを考慮し、本実施形態のポンプ装置5は、選択/停止LEDランプ566cと表示パネル562との各々が、運転の禁止されたポンプを示す構成とすることで、運転禁止状態のポンプを容易に識別できるようにしている。また、ポンプ毎の運転禁止情報を表示パネル562に表示することで、通常の制御によるポンプの停止ではなく、運転禁止によるポンプの停止であることを操作者が容易に確認できる。
【0088】
また、本実施形態によれば、ポンプ装置5において、通信部583は、ポンプ毎に、運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかを管理装置1に送信する。従って、前述した効果に加え、管理装置1が、ポンプ毎に、運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかを管理することができる。補足すると、本実施形態によれば、ポンプ装置5がポンプ毎の運転禁止情報を管理装置1に送信するので、管理装置1が、ポンプ装置5のポンプ毎の運転禁止情報を管理することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、ポンプ装置5において、通信部583は、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合に、エラー情報を管理装置1に送信する。従って、前述した効果に加え、管理装置1が、ポンプ装置5側での運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したエラーを検知することができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、ポンプ装置5において、操作処理部582は、操作者の操作に応じて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する画面と、ポンプ毎に運転情報又は状態情報を個別表示する画面と、運転情報が一覧表示又は個別表示されたポンプの運転モードを表示する画面とを巡回的に表示パネル562に表示させる。これにより、前述した効果に加え、必ずしもユーザが知る必要のない運転モードを、運転情報及び状態情報の一覧表示画面よりも後の画面で表示する。従って、通常のユーザは、必ずしも知る必要のない運転モードに関する無用な疑問を持たずに済む。また、注意力の高いユーザは、必ずしも知る必要のない運転モードを、画面遷移の操作を繰り返した後で知ることができるので、当該運転モードに関するメーカへの問合せをせずに済む。
【0091】
また、本実施形態によれば、上記運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプと異常状態のポンプとからなる場合、正常状態のポンプにおける故障代替運転を表す。従って、前述した効果に加え、通常のユーザは、必ずしも知る必要のない運転モード「故障代替運転」に関する無用な疑問を持たずに済む。また、注意力の高いユーザは、当該運転モード「故障代替運転」を、画面遷移の操作を繰り返した後で知るので、当該運転モードに関するメーカへの問合せをせずに済む。
【0092】
同様に、本実施形態によれば、上記運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプからなり、ポンプ内の水温を低減させるように強制運転時間に基づくエコ運転が行われている場合、当該エコ運転を表す。従って、前述した効果に加え、通常のユーザは、必ずしも知る必要のない運転モード「エコ運転」に関する無用な疑問を持たずに済む。また、注意力の高いユーザは、当該運転モード「エコ運転」を、画面遷移の操作を繰り返した後で知るので、当該運転モードに関するメーカへの問合せをせずに済む。
【0093】
また、本実施形態によれば、管理装置1において、データベース14は、ポンプ装置5と、ポンプ装置5の操作者に関する通知先情報とを対応付けて記憶する。また、制御部16は、通信部15により、エラー情報をポンプ装置5から受信すると、エラー情報を送信したポンプ装置5に対応付けられた通知先情報をデータベース14から読み出し、当該通知先情報に基づいて、エラー情報に関する情報を端末3に通知する。これにより、前述した効果に加え、管理装置1が、ポンプ装置5側での運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したエラーを検知でき、当該エラーを操作者の端末3に通知することができる。
【0094】
補足すると、ポンプ部60の故障により、メンテナンスを行う際には、当該ポンプ部60の運転を禁止に設定し、当該ポンプ部60を動作できない状態にする。メンテナンス後、選択/停止ボタン535を操作して再度、運転を許可する必要があるが、この操作を忘れる場合がある。本実施形態のポンプ装置5では、選択/停止LEDランプ566cと表示パネル562との各々が、運転の禁止されたポンプ部60を示すことで、運転禁止の解除を促しているが、このように促しても、解除を忘れる可能性が考えられる。
【0095】
しかしながら、本実施形態の管理装置1によれば、ポンプ装置5側での運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したエラーを検知でき、当該エラーを操作者の端末3に通知する構成により、運転禁止の解除を強く促すことができる。
【0096】
(変形例)
上述した本実施形態では、例えば図8に示すように、2台のポンプについて、ポンプ毎の運転情報(130.0Hz)及び状態情報(OC)を表示パネル562に一覧表示したが、これに限定されない。例えば、3台以上のポンプについて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を表示パネル562に一覧表示してもよい。例えば6台のポンプの場合、ポンプ装置5は、アップダウンボタン534bの操作に応じて、ポンプ1号機・2号機に関する一覧表示の画面と、ポンプ3号機・4号機に関する一覧表示の画面と、ポンプ5号機・6号機に関する一覧表示の画面とを切り替え表示する。なお、表示パネル562のサイズが7行以上あれば、6台のポンプに関する一覧表示を1枚の画面で行うことができる。いずれにしても、この変形例によれば、3台以上の任意の複数のポンプについて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示することができる。
【0097】
また、本実施形態では、ポンプ装置5は、運転禁止情報の表示が一定期間以上継続した場合に、エラー情報を管理装置1に送信したが、これに限定されない。例えば、ポンプ装置5は、ポンプ毎に、運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかを管理装置1に送信する。これに加え、ポンプ装置5は、状態情報から運転禁止情報に変更した時点で当該運転禁止情報を管理装置1に送信し、運転禁止情報から運転情報に変更した時点で当該運転情報を管理装置1に送信してもよい。これらの場合、管理装置1は、通信部15により、ポンプ毎に、送信された運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかをポンプ装置5から受信する。また、管理装置1は、データベース14により、ポンプ毎に、受信された運転情報、状態情報及び運転禁止情報のいずれかと、受信時刻とをログデータとして記憶する。また、管理装置1は、制御部16により、当該ログデータに基づき、状態情報から変更された運転禁止情報の受信時刻と、運転禁止情報から変更された運転情報との受信時刻の差分を求め、当該差分から運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したか否かを判定する。また、管理装置1は、制御部16により、当該継続した場合に、当該運転禁止情報の表示が継続したポンプ装置5を示すエラー情報を出力する。このような変形例としても、管理装置1において、ポンプ装置5側での運転禁止情報の表示が一定期間以上継続したエラーを検知することができる。
【0098】
また、この変形例において、管理装置1は、データベース14により、ポンプ装置5と、ポンプ装置5の操作者に関する通知先情報とを対応付けて記憶してもよい。また同様に、管理装置1は、制御部16により、エラー情報が示すポンプ装置5に対応付けられた通知先情報をデータベース14から読み出し、当該通知先情報に基づいて、エラー情報に関する情報を端末3に通知してもよい。このような更なる変形例としても、当該検知したエラーを操作者の端末3に通知する構成により、前述同様に、運転禁止の解除を強く促すことができる。
【0099】
また、上述した本実施形態では、図9又は図11に示すように、ポンプ装置5は、操作者の操作に応じて、異常状態又は停止状態の場合の珍しい運転モード(例、故障代替運転、エコ運転)を表示パネル562に表示したが、これに限定されない。例えば、ポンプ装置5は、図12に示すように、ユーザの操作に応じて、正常状態の場合の珍しい運転モード(例、積算運転時間平滑運転)を表示パネル562に表示してもよい。言い換えると、運転モードは、複数のポンプが正常状態のポンプからなり、ポンプ毎の積算運転時間を平滑化するようにポンプ毎の平滑運転が行われている場合、平滑運転を表すものとしてもよい。例えば、ポンプ装置5は、制御部581により、定期的にポンプ毎の積算運転時間を平滑化するように、ポンプ毎の平滑運転を制御する。この場合、例えば図12の最上段に示すように、表示パネル562には、ポンプ1号機の停止に対応する運転情報「周波数0Hz」と、ポンプ2号機の運転に対応する運転情報「周波数150Hz」とが表示される。また、ポンプ装置5は、制御部581により、当該平滑運転の制御中に、ユーザによるアップダウンボタン534bの操作に応じて、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示する画面に代えて、平滑運転を表す文字情報を表示する画面を表示パネル562に表示させる。図12の最下段に示す例では、運転モードとして「積算運転時間平滑運転」を表す画面が表示パネル562に表示されている。この変形例によれば、通常、ポンプ1号機とポンプ2号機とが交互に運転されるのに対し、上記ポンプ2号機が連続運転された場合に、積算運転時間平滑運転中であることをアップダウンボタン534bの操作に応じて表示パネル562に表示できる。また、運転モードとして「積算運転時間平滑運転」を表す画面は、ポンプ毎の運転情報及び状態情報を一覧表示した画面から画面遷移を繰り返した後に表示されるので、画面遷移の操作を繰り返したユーザに対して運転モードを表示させることができる。このような変形例によれば、「積算運転時間平滑運転」のように、必ずしもユーザが知る必要のない運転モードを、運転情報及び状態情報の一覧表示画面よりも後の画面で表示する。従って、通常のユーザは、上記ポンプ2号機の連続運転に気がつかなかった場合に、必ずしも知る必要のない運転モード「積算運転時間平滑運転」を知らずに済むので、当該連続運転やその運転モードに関する無用な疑問を持たずに済む。また、注意力の高いユーザは、上記ポンプ2号機の連続運転に気がついた場合に、必ずしも知る必要のない運転モード「積算運転時間平滑運転」を、画面遷移の操作を繰り返した後で知ることができるので、当該連続運転及びその運転モードに関するメーカへの問合せをせずに済む。
【0100】
上記本実施形態及び変形例では、いくつかの処理を実行する制御部16及びプロセッサ58を説明したが、これは実装の一例に過ぎない。例えば、1つの制御部16及びプロセッサ58に実行されると説明された複数の処理が複数の別々の制御部やプロセッサに亘って実装されることもあり得る。
【0101】
上記本実施形態及び変形例において説明された種々の制御部16は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。同様に、プロセッサ58の機能は、特定の機能を実現する専用回路で実現されてもよい。
【0102】
上記本実施形態及び変形例の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD、Blu-ray(登録商標)Disc等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0104】
1・・・管理装置、3・・・端末、5・・・ポンプ装置、11・・・操作部、12・・・表示部、13・・・記憶部、14・・・データベース、15・・・通信部、16・・・制御部、50・・・制御盤、51・・・近距離通信器、52・・・遠距離通信器、53・・・入力機器、531・・・水槽選択ボタン、532・・・流入弁選択ボタン、533・・・リセットボタン、534・・・操作ボタン、535・・・選択/停止ボタン、536a・・・手動運転切替えボタン、536b・・・全停止ボタン、536c・・・自動運転切替えボタン、54・・・インバータ、55・・・インタフェース、56・・・表示機器、560・・・操作パネル、561・・・7セグメントLED、562・・・表示パネル、563・・・受水槽LEDランプ、564・・・流入弁LEDランプ、565・・・電源LEDランプ、566a・・・運転LEDランプ、566b・・・故障LEDランプ、566c・・・選択/停止LEDランプ、567・・・運転切替えLEDランプ、57・・・記憶装置、58・・・プロセッサ、60・・・ポンプ部、511・・・無線通信モジュール、581・・・制御部、582・・・操作処理部、583・・・通信部。
図1
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図12