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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031083
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】温度測定用装置
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/22 20060101AFI20240229BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240229BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01K7/22 J
H05K7/14 C
H05K7/14 K
H05K1/03 670
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134400
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】代田 雄人
(72)【発明者】
【氏名】小室 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】金山 知樹
【テーマコード(参考)】
2F056
5E348
【Fターム(参考)】
2F056QF02
2F056QF08
5E348AA03
5E348AA07
5E348AA28
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】組み立て作業を容易にすることのできる温度測定用装置を提供する。
【解決手段】ケースに30は貫通孔31が設けられると共に、押圧板50による押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置し、サーミスタ素子領域TXは、押圧板50によって弾性体40を介して押圧された状態、かつ、ケース30のうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って前記取付面とは反対側の面側に突き出た状態であることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象品に固定されるケースと、
前記ケースに取り付けられるフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる配線に電気的に接続されるサーミスタ素子と、
前記フレキシブルプリント配線板のうち前記サーミスタ素子が設けられた部分を含むサーミスタ素子領域を前記被測定対象品に向かって押圧するための押圧板と、
前記フレキシブルプリント配線板と前記押圧板との間に介在する弾性体と、
を備える温度測定用装置であって、
前記ケースには貫通孔が設けられると共に、
前記押圧板による押圧方向に見た場合に、前記サーミスタ素子領域及び前記弾性体は、前記貫通孔が設けられた範囲内に位置し、
前記サーミスタ素子領域は、前記押圧板によって前記弾性体を介して押圧された状態、かつ、前記ケースのうち前記フレキシブルプリント配線板が取り付けられた取付面側から前記貫通孔を通って前記取付面とは反対側の面側に突き出た状態であることを特徴とする温度測定用装置。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント配線板には、前記サーミスタ素子領域を挟んだ2か所に、前記ケース又は前記押圧板に設けられた突起に差し込まれることで前記フレキシブルプリント配線板が位置決めされる位置決め孔が設けられており、2か所の前記位置決め孔のうちの一方が長孔により構成されることを特徴とする請求項1に記載の温度測定用装置。
【請求項3】
前記サーミスタ素子領域を保持する保持部材を備えると共に、
前記保持部材は、前記貫通孔を通って前記取付面とは反対側の面側への抜け落ちを抑制するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の温度測定用装置。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント配線板は複数の配線を有しており、前記サーミスタ素子に接続される配線とは別に、前記被測定対象品の電圧を測定するための配線が設けられていることを特徴とする請求項1,2または3に記載の温度測定用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度測定用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車やハイブリッド車などに搭載される複数のセルを備えるバッテリにおいては、バッテリの温度を測定するための装置が設けられている。一般的に、複数のセルの電圧が正常か否かを監視するための電圧監視用の装置に、温度を測定する機能を兼備させている。このような従来技術に係る温度測定用装置について、図14を参照して説明する。図14は従来技術に係る温度測定用装置がバッテリに取り付けられた状態を示す簡略図である。図14においては、温度測定用装置については模式的断面図にて示している。
【0003】
従来技術に係る温度測定用装置は、被測定対象品であるバッテリのセル100に固定されるケース520と、ケース520に取り付けられるフレキシブルプリント配線板(以下、FPC510と称する)とを備えている。そして、FPC510に備えられる配線にはサーミスタ素子Tが電気的に接続されている。また、FPC510において、サーミスタ素子Tが設けられた部分と反対側には、セル100に接触させる接触板540が設けられている。また、FPC510とケース520との間には、FPC510のうちサーミスタ素子が設けられた部分を含むサーミスタ素子領域TXに接触する弾性体530が設けられている。
【0004】
以上の構成により、サーミスタ素子領域TXは、ケース520によって弾性体530を介して押圧されて、接触板540がセル100の表面に安定的に接触した状態が維持される。
【0005】
以上のように構成される温度測定用装置においては、ケース520に貫通孔520aが設けられている。これにより、温度測定用装置を組み立てる際には、この貫通孔520aからFPC510の先端が差し込まれて、FPC510とケース520との間に弾性体530が設けられる。このような組み立て手順の場合、組み立てロボットを用いた組み立て作業を自動化する際に、ロボットの動作が複雑化してしまい、自動化が難しかったり、コストが増加しまったりするなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-87691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、組み立て作業を容易にすることのできる温度測定用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0009】
すなわち、本発明の温度測定用装置は、
被測定対象品に固定されるケースと、
前記ケースに取り付けられるフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる配線に電気的に接続されるサーミスタ素子と、
前記フレキシブルプリント配線板のうち前記サーミスタ素子が設けられた部分を含むサーミスタ素子領域を前記被測定対象品に向かって押圧するための押圧板と、
前記フレキシブルプリント配線板と前記押圧板との間に介在する弾性体と、
を備える温度測定用装置であって、
前記ケースには貫通孔が設けられると共に、
前記押圧板による押圧方向に見た場合に、前記サーミスタ素子領域及び前記弾性体は、前記貫通孔が設けられた範囲内に位置し、
前記サーミスタ素子領域は、前記押圧板によって前記弾性体を介して押圧された状態、かつ、前記ケースのうち前記フレキシブルプリント配線板が取り付けられた取付面側から前記貫通孔を通って前記取付面とは反対側の面側に突き出た状態であることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ケースのうちフレキシブルプリント配線板が取り付けられた取付面側から、取付面とは反対側の面側にサーミスタ素子領域を容易に突き出すことができる。
【0011】
前記フレキシブルプリント配線板には、前記サーミスタ素子領域を挟んだ2か所に、前記ケース又は前記押圧板に設けられた突起に差し込まれることで前記フレキシブルプリント配線板が位置決めされる位置決め孔が設けられており、2か所の前記位置決め孔のうちの一方が長孔により構成されるとよい。
【0012】
これにより、2か所の位置決め孔を突起に差し込んだ状態で、サーミスタ領域を貫通孔を通って取付面とは反対側の面側に突き出すことができる。
【0013】
前記サーミスタ素子領域を保持する保持部材を備えると共に、
前記保持部材は、前記貫通孔を通って前記取付面とは反対側の面側への抜け落ちを抑制するストッパが設けられているとよい。
【0014】
これにより、サーミスタ素子領域の傾きを抑制することができ、また、サーミスタ領域を貫通孔を通って取付面とは反対側の面側に突き出す際に、保持部材がケースから抜け落ちてしまうことを抑制することができる。
【0015】
また、前記フレキシブルプリント配線板は複数の配線を有しており、前記サーミスタ素子に接続される配線とは別に、前記被測定対象品の電圧を測定するための配線が設けられていることも好適である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、組み立て作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の主要構成を示す平面図である。
図2図2は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の平面図の一部である。
図3図3は本発明の実施例1に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図である。
図4図4は本発明の実施例1に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の側面図である。
図5図5は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の模式的断面図である。
図6図6は本発明の実施例2に係る温度測定用装置の模式的断面図である。
図7図7は本発明の実施例3に係る温度測定用装置の概略構成図である。
図8図8は本発明の実施例4に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図である。
図9図9は本発明の実施例4に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の側面図である。
図10図10は本発明の実施例4に係る温度測定用装置の概略構成図である。
図11図11は本発明の実施例5に係る温度測定用装置の模式的断面図である。
図12図12は本発明の実施例6に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図である。
図13図13は本発明の実施例6に係る温度測定用装置の概略構成図である。
図14図14は従来技術に係る温度測定用装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下の実施例においては、温度測定用装置としての機能が、電気自動車などに搭載されるバッテリに装着される電圧監視用装置に兼ね備えられる場合を例にして説明する。ただし、本発明に係る温度測定用装置は、様々な被測定対象品の温度を測定する用途に適用され得る。
【0019】
(実施例1)
図1図5を参照して、本発明の実施例1に係る温度測定用装置について説明する。図1は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の主要構成を示す平面図である。図1では、温度測定用装置については、その構成のうち、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC10と称する。)とFPC10に固定されるコネクタ20のみを示している。なお、図1においては、温度測定用装置として機能する電圧監視用装置1が取り付けられるバッテリなどについて、電圧監視用装置1との位置関係を明確にするために、点線にて示している。図2は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の平面図の一部であり、コネクタ20付近の平面図を示している。図3は本発明の実施例1に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図であり、(a)~(d)は各構成部品の平面図を示し、(e)は各構成部品を組み立てた状態の平面図を示している。図4は本発明の実施例1に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の側面図であり、(a)~(d)は各構成部品の側面図を示し、(e)は各構成部品を組み立てた状態の側面図を示している。図5は本発明の実施例1に係る温度測定用装置の模式的断面図であり、図3(e)中のAA断面図である。
【0020】
<バッテリ及び電圧監視用装置の概略>
バッテリ、及び温度測定用装置としての機能を兼ね備える電圧監視用装置1の概略について説明する。バッテリは、複数のセル100を備えている。バッテリについては公知技術であるので、詳細な説明は省略するが、セル100の上部の両端にそれぞれ電極(一方が正極で他方が負極)が設けられている。そして、複数のセル100は、正極と負極が隣り合うように配列される。また、複数のセル100においては、隣り合う正極と負極が、バスバ110によって、それぞれ電気的に接続されることで直列に接続されるように構成される。なお、図1に示す例では、正極と負極が隣り合うように、セル100が交互に配置される場合を示している。しかしながら、並列接続される複数のセル100を1組として、各組の正極と負極が隣り合うように、複数組のセル100を交互に並べることで各組のセル100を直列接続する構成も採用し得る。
【0021】
電圧監視用装置1は、被測定対象品(本実施例においてはバッテリのセル100)に固定される樹脂製のケース30と、ケース30に取り付けられる上記のFPC10とを備え
ている。また、電圧監視用装置1は、FPC10に備えられる配線12X,12Yに電気的に接続されるサーミスタ素子Tと、ケース30に固定される押圧板50と、FPC10と押圧板50との間に介在する弾性体40とを備えている。押圧板50は、弾性体40を介してFPC10のうちサーミスタ素子Tが設けられた部分を含むサーミスタ素子領域TXを被測定対象品に向かって押圧する役割を担っている。また、FPC10において、サーミスタ素子Tが設けられた部分と反対側には、セル100に接触させる接触板60が設けられている。この接触板60は、熱伝導性の高い材料(例えば、アルミニウム)からなる板により構成され、接着剤や両面テープなどによりFPC10に貼り付けられる。
【0022】
また、FPC10の先端にはコネクタ20が取り付けられる。このコネクタ20は、バッテリを構成するセル100の電圧及び温度を測定し、かつ各種制御を行うための装置(不図示)に接続される。
【0023】
電圧監視用装置1はバッテリの上面に取り付けられる。これにより、接触板60はセル100の上面に接した状態となる。なお、バッテリにおいては、全てのセル100についての電圧が監視されるのに対して、温度については、全てのセル100の温度を監視する必要はない。従って、バッテリに備えられるセル100の個数や使用環境に応じた個数のサーミスタ素子T等が設けられる。
【0024】
<温度測定用装置>
温度測定用装置として機能する電圧監視用装置1について、より詳細に説明する。上記の通り、電圧監視用装置1は、FPC10と、ケース30とを備えている。FPC10の構造については、公知技術であるので、その詳細な説明は省略し、以下、一般的な構造の一例を簡単に説明する。FPC10は、ベースフィルムやカバーフィルムなどの樹脂製のフィルム11と、銅箔がエッチングされることで形成される複数の配線12とを備えている。なお、図1においては、配線12を透視して点線にて示している。一般的には、ベースフィルム上に銅箔が設けられた素材を用いて、銅箔をエッチングして所望の回路(配線12)を形成した後に、接着剤によってカバーフィルムがベースフィルム及び配線12上に固定される。複数の配線12は、上記のように、電圧を測定するための配線と、温度を測定するための配線として利用される。図1中の配線12X,12Yは温度を測定するための配線である。
【0025】
図1に示すように、FPC10は、複数の配線12を有する幹部10Aと、幹部10Aから分岐される複数の枝部10Bとを備えている。電圧を測定するための配線は、枝部10Bの先端で、それぞれバスバ110に電気的に接続され、温度を測定するための配線12X,12Yは、枝部10Bの先端でサーミスタ素子Tに接続される。図2中の矢印Pで示す部分は、その内部にサーミスタ素子Tが設けられた温度測定用装置としての主要構成部分を示している。以下、温度測定用装置としての主要構成部分の詳細について説明する。
【0026】
温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30と、FPC10と、弾性体40と、押圧板50である。なお、FPC10には、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tと接触板60が取り付けられる。
【0027】
ケース30には貫通孔31が設けられている。また、ケース30には、貫通孔31を挟んで両側の2か所に位置決め用の突起32も設けられている。FPC10には、サーミスタ素子領域TXを挟んだ2か所に位置決め孔13,14が設けられている。これらの位置決め孔13,14は、ケース30に設けられた2か所の突起32にそれぞれ差し込まれる。これにより、FPC10の位置決めがなされる。本実施例においては、2か所の位置決め孔13,14のうちの一方の位置決め孔14が長孔により構成される。また、FPC1
0は、サーミスタ素子領域TXが接触板60側に突出するように折り曲げ加工が施されている(図4(c)(e)及び図5参照)。なお、図4(c)中の10Xは折り曲げ加工が施された部位を示している。ただし、予め折り曲げ加工を施すのではなく、押圧板50のケース30への取り付けと同時に、FPC10に折り曲げ加工が施されるようにしてもよい。
【0028】
弾性体40は、発泡ゴム系や発泡ウレタン系のフォーム材料などにより構成される。本実施例においては、弾性体40は直方体の形状により構成され、かつ、その中央にサーミスタ素子Tを配するために貫通孔41が設けられている。押圧板50は、樹脂や金属からなる板状の部材である。本実施例に係る押圧板50は、2か所に位置決め孔51が設けられている。これらの位置決め孔51は、ケース30に設けられた2か所の突起32にそれぞれ差し込まれる。
【0029】
そして、上記の主要構成部品を組み立てた状態においては、押圧板50による押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置するように構成される。
【0030】
以上の主要構成部品については、例えば、ケース30にFPC10を取り付けた後に、弾性体40を取り付け、その後、押圧板50を取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。これにより、サーミスタ素子領域TXは、押圧板50によって弾性体40を介して押圧された状態、かつ、ケース30のうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。
【0031】
なお、上記の組立は、ケース30に対して、FPC10、弾性体40、押圧板50の順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。以上の組み立て方を採用する場合には、弾性体40は、FPC10や押圧板50に対して接着剤や両面テープなどを用いて接着させなくてもよい。ただし、各部材同士をより確実に固定するために、弾性体40とFPC10、及び弾性体40と押圧板50とを、接着剤や両面テープを用いて接着させてもよい。
【0032】
また、自動機等を用いて、予め、弾性体40とFPC10とを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30に対して、弾性体40が接着されたFPC10を取り付けた後に、押圧板50を取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。また、自動機等を用いて、予め、弾性体40と押圧板50とを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30に対して、FPC10を取り付けた後に、弾性体40が接着された押圧板50を取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。更に、自動機等を用いて、予め、弾性体40とFPC10とを接着し、かつ弾性体40と押圧板50とを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30に対して、互いに接着されて一体的となったFPC10、弾性体40及び押圧板50を取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。
【0033】
以上のいずれの組み立て方においても、ケース30に対して、各種部品を上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよいので、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。なお、押圧板50のケース30に対する固定については、例えば、押圧板50の位置決め孔51に対して、ケース30に設けられた突起32が圧入されることで固定される構成を採用することができる。この場合、突起32の外周面を、先端に向かうほど径が小さくなるテーパ面で構成すると好適
である。なお、押圧板50のケース30に対する固定については、圧入構造に限らず、各種公知の固定構造を採用することができる。
【0034】
<本実施例に係る温度測定用装置の優れた点>
本実施例に係る温度測定用装置によれば、押圧板50による押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置する。そのため、組み立て作業を容易にすることができる。つまり、ケース30に対して、各種部品を上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよいので、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。
【0035】
また、本実施例においては、FPC10に設けられた2か所の位置決め孔13,14のうちの一方の位置決め孔14が長孔により構成されている。これにより、FPC10に予め折り曲げ加工を施さない場合でも、適切に、サーミスタ素子領域TXをケース30のうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出すことができる。すなわち、FPC10に予め折り曲げ加工を施さない場合、2か所の突起32に、FPC10の位置決め孔13,14が差し込まれるようにFPC10を配置すると、図3(c)中、位置決め孔14のうち右寄りの位置に突起32が差し込まれた状態となる。その後、ケース30への押圧板50の取り付けにより、サーミスタ素子領域TXが弾性体40を介して押圧板50に押し付けられることで折り曲げ加工が施されると、FPC10のうち図3(c)中サーミスタ素子領域TXよりも左側の部分が引っ張られる。上記の通り、位置決め孔14を長孔にすることで、FPC10のうち図3(c)中サーミスタ素子領域TXよりも左側の部分は図中右側にスライド可能である。従って、適切に、サーミスタ素子領域TXをケース30のうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出すことができる。
【0036】
更に、本実施例においては、FPC10のうち、サーミスタ素子領域TXを挟んで両側に設けられた位置決め孔13,14が、それぞれケース30の突起32によって固定される。これにより、FPC10におけるサーミスタ素子領域TXの両側の部分(図5中の傾斜する部分)の張力によって、セル100の充放電時の膨張収縮に伴う変動に対しても、サーミスタ素子領域TXの傾きを抑制することができる。すなわち、接触板60のセル100に対する接触状態を安定的に維持することができ、温度の測定精度の低下を抑制することができる。
【0037】
(実施例2)
図6には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例においては、位置決め用の突起がケースに設けられる構成を示したが、本実施例においては、位置決め用の突起が押圧板に設けられる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0038】
図6は本発明の実施例2に係る温度測定用装置の模式的断面図であり、実施例1における図5と同様に、図3(e)のAA断面に相当する断面図である。
【0039】
本実施例においても、実施例1と同様に、温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30Aと、FPC10と、弾性体40と、押圧板50Aである。なお、FPC10には、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tと接触板60が取り付けられる。FPC10と弾性体40の構成は実施例1と同一である。ケース30Aについては、2か所の突起32が設けられていない代わりに、2か所に位置決め孔33が設けられている点が実施例1のケース30と異なっている。また、押圧板50Aについては、2か所の位置決め孔51が設けられていない代わりに、2か所に突起52が設けられている点が
実施例1の押圧板50と異なっている。
【0040】
また、上記実施例1と同様に、押圧板50Aによる押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置するように構成される。
【0041】
本実施例においては、ケース30Aに対して、FPC10を載置した後に、弾性体40を載置し、その後、押圧板50Aを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。これにより、サーミスタ素子領域TXは、押圧板50Aによって弾性体40を介して押圧された状態、かつ、ケース30AのうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。なお、ケース30Aに対してFPC10を載置する際に、ケース30Aに設けられた2か所の位置決め孔33とFPC10に設けられた位置決め孔13,14を位置合わせするために、位置決めピンなどの治具を用いてもよい。
【0042】
本実施例においても、上記の組立は、ケース30Aに対して、FPC10、弾性体40、押圧板50Aの順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。なお、弾性体40をFPC10や押圧板50Aに対して接着剤や両面テープなどを用いて接着してもよいし、接着しなくてもよい点は、実施例1と同様である。また、これらを接着する場合には、予め接着して一体化したものを取り付けることができる点についても、実施例1と同様である。なお、予めFPC10と押圧板50Aとを接着する場合においては、押圧板50Aに設けられた突起52を位置決め孔13,14に差し込めばよいので、これらの接着作業を容易に行うことができる。押圧板50Aとケース30Aとを固定する構造についても、実施例1で説明したように、各種の構造を採用し得る。
【0043】
以上のように構成される温度測定用装置においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
(実施例3)
図7には、本発明の実施例3が示されている。実施例1においては、押圧板が独立した部材により構成される場合を示したが、本実施例においては、押圧板がケースに一体に設けられる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0045】
図7は本発明の実施例3に係る温度測定用装置の概略構成図である。図7(a)は本実施例に係るケース30Bの一部を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のBB断面図である。また、同図(c)は本実施例に係る温度測定用装置の模式的断面図であり、実施例1における図5と同様に、図3(e)のAA断面に相当する断面図である。本実施例において、温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30Bと、FPC10と、弾性体40である。なお、FPC10には、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tと接触板60が取り付けられる。FPC10と弾性体40の構成は実施例1と同一である。
【0046】
本実施例に係るケース30Bにおいても、上記実施例1のケース30と同様に、貫通孔31と2か所の位置決め用の突起32が設けられている。そして、本実施例に係るケース30Bにおいては、貫通孔31の一部を塞ぐことができるように、押圧板34が設けられている。この押圧板34は、ヒンジ部34aによって、ケース30Bの本体部分と一体になるように連結されている。これにより、図7(b)に示すように、押圧板34を図中矢印R1方向に回転させることができる。また、上記実施例1と同様に、押圧板34による
押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置する。
【0047】
本実施例においては、貫通孔31の全体を開放させた状態で、ケース30BにFPC10を取り付けた後に、弾性体40を取り付け、その後、押圧板34を矢印R1方向に回転させることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。なお、例えば、図示のように係合突起35を設けておき、押圧板34が回転すると、押圧板34におけるヒンジ部34aとは反対側の端部が係合突起35に係合することで、押圧板34を位置決めすることができる。ただし、押圧板34を位置決めする構造については、これに限らず、各種公知の構造を採用することができる。以上のような組み立てによって、サーミスタ素子領域TXは、押圧板34によって弾性体40を介して押圧された状態、かつ、ケース30BのうちFPC10が取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。
【0048】
本実施例においては、上記の組立は、ケース30Bに対して、FPC10、弾性体40の順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けた後に、押圧板34を回転させるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。なお、弾性体40をFPC10に対して接着剤や両面テープなどを用いて接着してもよいし、接着しなくてもよい点は、実施例1と同様である。また、これらを接着する場合には、予め接着して一体化したものを取り付けることができる点についても、実施例1と同様である。
【0049】
以上のように構成される温度測定用装置においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0050】
(実施例4)
図8図10には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、FPCにおけるサーミスタ素子領域を保持する保持部材を備える場合の構成を示す。
【0051】
図8は本発明の実施例4に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図であり、(a)~(e)に各構成部品の平面図を示している。図9は本発明の実施例4に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の側面図であり、(a)~(e)に各構成部品の側面図を示している。図10は本発明の実施例4に係る温度測定用装置の概略構成図である。図10(a)は本実施例に係る温度測定用装置の一部を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のC1C1断面図であり、同図(c)は同図(a)中のC2C2断面図である。
【0052】
バッテリ、及び温度測定用装置としての機能を兼ね備える電圧監視用装置については、実施例1で説明した通りである。
【0053】
本実施例に係る温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30Cと、FPC10Cと、保持部材70と、弾性体40Cと、押圧板50Cである。なお、FPC10Cには、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tと接触板60が取り付けられる。
【0054】
本実施例に係る樹脂製のケース30Cにおいても、上記各実施例と同様に、貫通孔31が設けられている。本実施例に係るFPC10Cにおいても、基本的な構成は上記実施例1で示したFPC10と同様であり、幹部と複数の枝部を備えている。また、FPC10Cは、樹脂製のフィルムと複数の配線とを備えている。
【0055】
保持部材70は、金属や樹脂など、剛性の高い材料により構成される。この保持部材70は、FPC10Cのうちサーミスタ素子Tが設けられた部分を含むサーミスタ素子領域TXを保持する保持板部71と、保持部材70のケース30Cからの抜け落ちを抑制する4か所のストッパ72とを備えている。保持板部71の中央には、サーミスタ素子Tを配するための貫通孔が設けられている。保持部材70の保持板部71とFPC10Cのサーミスタ素子領域TXは、接着剤や両面テープなどにより接着される。なお、本実施例においては、保持板部71における下面にサーミスタ素子領域TXが接着される。この接着作業は自動機により行うことができる。
【0056】
弾性体40Cは、発泡ゴム系や発泡ウレタン系のフォーム材料などにより構成される。本実施例においては、弾性体40Cは直方体の形状により構成される。押圧板50Cは、樹脂や金属からなる板状の部材である。また、上記実施例1と同様に、押圧板50Cによる押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40Cは、貫通孔31が設けられた範囲内に位置する。
【0057】
以上の主要構成部品については、例えば、ケース30Cに、FPC10Cが接着された保持部材70を取り付けた後に、弾性体40Cを取り付け、その後、押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。押圧板50Cはケース30Cに固定される。押圧板50Cのケース30Cへの固定構造については特に限定されるものではないが、例えば、ケース30Cに係合突起37を設けることで、押圧板50Cが係合突起37に係合される構造を採用できる。この押圧板50Cのケース30Cへの取り付けに伴って、押圧板50Cによって、弾性体40Cを介して、保持部材70及びFPC10Cのサーミスタ素子領域TXが押圧される。
【0058】
以上により、サーミスタ素子領域TXは、ケース30CのうちFPC10Cが取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。なお、保持部材70にはストッパ72が設けられているので、押圧板50Cによって弾性体40Cを介して押圧されても、保持部材70がケース30Cの貫通孔31を通って取付面とは反対側の面側に抜け落ちてしまうことはない。
【0059】
なお、上記の組立は、ケース30Cに対して、FPC10Cが接着された保持部材70、弾性体40C、押圧板50Cの順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。以上の組み立て方を採用する場合には、弾性体40Cは、保持部材70や押圧板50Cに対して接着剤や両面テープなどを用いて接着させなくてもよい。ただし、各部材同士をより確実に固定するために、弾性体40Cと保持部材70、及び弾性体40Cと押圧板50Cとを、接着剤や両面テープを用いて接着させてもよい。
【0060】
また、自動機等を用いて、予め、弾性体40Cと保持部材70とを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30に対して、FPC10Cと弾性体40Cが接着された保持部材70を取り付けた後に、押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。また、自動機等を用いて、予め、弾性体40Cと押圧板50Cとを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30Cに対して、FPC10が接着された保持部材70を取り付けた後に、弾性体40Cが接着された押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。更に、自動機等を用いて、予め、弾性体40Cと保持部材70とを接着し、かつ弾性体40Cと押圧板50Cとを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30Cに対して、互いに接着されて一体的となったFPC10C、保持部材70、弾性体40C及び押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。
【0061】
以上のいずれの組み立て方においても、ケース30Cに対して、各種部品を上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよいので、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を図ることができる。
【0062】
以上のように構成される温度測定用装置においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては、保持部材70によって、サーミスタ素子領域TXの傾きを抑制することができる。
【0063】
(実施例5)
図11には、本発明の実施例5が示されている。実施例4においては、押圧板が独立した部材により構成される場合を示したが、本実施例においては、押圧板がケースに一体に設けられる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例4と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0064】
図11は本発明の実施例5に係る温度測定用装置の模式的断面図であり、実施例4における図10(b)と同様に、図10(a)中のC1C1断面に相当する断面図である。なお、図11(a)は押圧板を回転させる途中の状態を示し、同図(b)は押圧板を回転させた後の状態を示している。
【0065】
本実施例において、温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30Dと、保持部材70と、FPC10Cと、弾性体40Cである。なお、FPC10Cには、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tと接触板60が取り付けられる。保持部材70と、FPC10Cと、弾性体40Cの構成は実施例4と同一である。
【0066】
本実施例に係るケース30Dにおいても、上記実施例4のケース30Cと同様に、貫通孔31が設けられている。そして、本実施例に係るケース30Dにおいては、貫通孔31の一部を塞ぐことができるように、押圧板36が設けられている。この押圧板36は、ヒンジ部36aによって、ケース30Dの本体部分と一体になるように連結されている。これにより、図示のように、押圧板36を図中矢印R2方向に回転させることができる。また、上記実施例1と同様に、押圧板36による押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40Cは、貫通孔31が設けられた範囲内に位置する。
【0067】
本実施例においては、貫通孔31の全体を開放させた状態で、ケース30Dに対して、FPC10Cが接着された保持部材70を取り付けた後に、弾性体40Cを取り付け、その後、押圧板36を矢印R2方向に回転させることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。なお、押圧板36の固定構造については、実施例3で説明した通りである。以上のような組み立てによって、サーミスタ素子領域TXは、ケース30DのうちFPC10Cが取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。
【0068】
本実施例においては、上記の組立は、ケース30Dに対して、FPC10Cが接着された保持部材70、弾性体40Cの順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けた後に、押圧板36を回転させるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。なお、弾性体40Cを保持部材70に対して接着剤や両面テープなどを用いて接着してもよいし、接着しなくてもよい点は、実施例4と同様である。また、これらを接着する場合には、予め接着して一体化したものを取り付けることができる点についても、実施例4と同様である。
【0069】
以上のように構成される温度測定用装置においても、上記実施例4と同様の効果を得る
ことができる。
【0070】
(実施例6)
図12及び図13には、本発明の実施例6が示されている。本実施例においては、FPCにおけるサーミスタ素子領域を保持する保持部材を備える場合の構成を示す。
【0071】
図12は本発明の実施例6に係る温度測定用装置を構成する各種構成部品の平面図であり、(a)~(e)に各構成部品の平面図を示している。図13は本発明の実施例6に係る温度測定用装置の概略構成図である。図13(a)は本実施例に係る温度測定用装置の一部を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)中のD1D1断面図であり、同図(c)は同図(a)中のD2D2断面図である。
【0072】
バッテリ、及び温度測定用装置としての機能を兼ね備える電圧監視用装置については、実施例1で説明した通りである。
【0073】
本実施例に係る温度測定用装置における主要構成部品は、ケース30Cと、保持部材70と、FPC10Cと、弾性体40と、押圧板50Cである。なお、FPC10Cには、これらの部品を組み立てる前に、予め、サーミスタ素子Tが取り付けられる。
【0074】
本実施例に係る樹脂製のケース30Cにおいても、上記各実施例と同様に、貫通孔31が設けられている。本実施例に係るFPC10Cにおいても、基本的な構成は上記実施例1で示したFPC10と同様であり、幹部と複数の枝部を備えている。また、FPC10Cは、樹脂製のフィルムと複数の配線とを備えている。なお、本実施例においては、保持部材70に接触板の機能を兼備させているため、上記各実施例とは異なり、接触板60は設けられていない。
【0075】
保持部材70については、実施例4で示した構成と同様であるが、サーミスタ素子Tを配するための貫通孔が不要である点のみ、実施例4と異なっている。保持部材70の保持板部71とFPC10Cのサーミスタ素子領域TXは、接着剤や両面テープなどにより接着される。この接着作業は自動機により行うことができる。サーミスタ素子領域TXは、接触板として機能する保持板部71における被測定対象品(本実施例においてはバッテリのセル100)への接触面とは反対側に面に接着される。
【0076】
弾性体40は、発泡ゴム系や発泡ウレタン系のフォーム材料などにより構成される。本実施例においては、弾性体40は直方体の形状により構成され、かつ、その中央にサーミスタ素子Tを配するために貫通孔41が設けられている。押圧板50Cは、樹脂や金属からなる板状の部材である。
【0077】
また、上記実施例1と同様に、押圧板50Cによる押圧方向に見た場合に、サーミスタ素子領域TX及び弾性体40は、貫通孔31が設けられた範囲内に位置する。
【0078】
以上の主要構成部品については、例えば、ケース30Cに、FPC10Cが接着された保持部材70を取り付けた後に、弾性体40を取り付け、その後、押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。押圧板50Cはケース30Cに固定される。押圧板50Cのケース30Cへの固定構造については特に限定されるものではないが、例えば、ケース30Cに係合突起37を設けることで、押圧板50Cが係合突起37に係合される構造を採用できる。この押圧板50Cのケース30Cへの取り付けに伴って、押圧板50Cによって、弾性体40を介して、FPC10Cのサーミスタ素子領域TX及び保持部材70が押圧される。
【0079】
以上により、サーミスタ素子領域TXは、ケース30CのうちFPC10Cが取り付けられた取付面側から貫通孔31を通って、その取付面とは反対側の面側に突き出た状態となる。なお、保持部材70にはストッパ72が設けられているので、押圧板50Cによって弾性体40及びFPC10Cを介して押圧されても、保持部材70がケース30Cの貫通孔31を通って取付面とは反対側の面側に抜け落ちてしまうことはない。
【0080】
なお、上記の組立は、ケース30Cに対して、FPC10Cが接着された保持部材70、弾性体40、押圧板50Cの順に、上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよい。そのため、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。以上の組み立て方を採用する場合には、弾性体40は、FPC10Cや押圧板50Cに対して接着剤や両面テープなどを用いて接着させなくてもよい。ただし、各部材同士をより確実に固定するために、弾性体40とFPC10C、及び弾性体40と押圧板50Cとを、接着剤や両面テープを用いて接着させてもよい。
【0081】
また、自動機等を用いて、予め、弾性体40とFPC10Cとを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30に対して、弾性体40と保持部材70が接着されたFPC10C(互いに接着されたFPC10C、保持部材70、弾性体40)を取り付けた後に、押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。また、自動機等を用いて、予め、弾性体40と押圧板50Cとを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30Cに対して、FPC10が接着された保持部材70を取り付けた後に、弾性体40が接着された押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。更に、自動機等を用いて、予め、弾性体40とFPC10Cとを接着し、かつ弾性体40と押圧板50Cとを接着した後に、組み立て作業を行うこともできる。この場合、ケース30Cに対して、互いに接着されて一体的となったFPC10C、保持部材70、弾性体40及び押圧板50Cを取り付けることで、温度測定用装置として機能する部分を組み立てることができる。
【0082】
以上のいずれの組み立て方においても、ケース30Cに対して、各種部品を上方から下方に重ねるようにして取り付けるだけでよいので、組み立てロボットなどの自動機を用いることで、組み立て作業の自動化を容易に図ることができる。
【0083】
以上のように構成される温度測定用装置においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においては、保持部材70によって、サーミスタ素子領域TXの傾きを抑制することができる。更に、本実施例においては、保持部材70が接触板としての機能を兼備しているので、別途、接触板をFPC10Cに取り付ける必要がない。
【符号の説明】
【0084】
1:電圧監視用装置
10,10C:FPC
10A:幹部
10B:枝部
11:フィルム
12,12X,12Y:配線
13,14:位置決め孔
20:コネクタ
30,30A,30B,30C,30D:ケース
31:貫通孔
32:突起
33位置決め孔
34:押圧板
34a:ヒンジ部
35:係合突起
36:押圧板
36a:ヒンジ部
40,40C:弾性体
41:貫通孔
50,50A,50C:押圧板
51:位置決め孔
52:突起
60:接触板
70:保持部材
71:保持板部
72:ストッパ
100:セル
110:バスバ
T:サーミスタ素子
TX:サーミスタ素子領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14