(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031121
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】物品識別システム、物品識別装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240229BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G07G1/12 361E
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134469
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】伴野 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】吉村 千里
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA07
3E142EA02
3E142EA06
3E142FA31
3E142GA01
3E142GA35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる物品識別システム、物品識別装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】識別用のARマーカが夫々に設けられた複数の物品を撮影し、撮影画像内のARマーカの情報に基づき物品の価格を会計し、公知のレジスター7に出力する物品識別システム1において、識別端末の制御部は、撮影部31による撮影を行い、撮影された撮影画像からARマーカを抽出し、識別テーブルに基づき、抽出したARマーカのIDを確認し、確認したIDと、月テーブル、曜日テーブル及び時間帯テーブルの割引リストとに基づき、商品の価格を決定する。制御部はさらに、撮影画像領域に撮影画像を表示し、ARマーカに対応する商品名を撮影画像領域に表示された撮影画像に重畳して表示し、決定した商品の価格をレジスター7に出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、
表示部と、
レジスターと通信する通信部と、
前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出処理と、
前記抽出処理により抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記決定処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理と
を実行することを特徴とする物品識別システム。
【請求項2】
前記割引情報には、前記定価情報に対する割引率、割引額、及び前記割引価格の何れかが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項3】
前記割引情報は、時系列における期間ごとに設定されており、
前記制御部は、
時刻を取得する取得処理を実行し、
前記決定処理において、前記取得処理により取得された前記時刻に対応する前記期間における前記割引情報に基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項2に記載の物品識別システム。
【請求項4】
前記データベースには、前記商品の夫々と対応する前記識別子及び前記割引情報を示す割引テーブルが設定されていることを特徴とする請求項3に記載の物品識別システム。
【請求項5】
前記割引情報は、時間幅が異なる複数の前記時系列における前記期間ごとに設定されており、
前記制御部は、
前記決定処理において、前記時刻に対して、前記複数の時系列の夫々の前記期間が重畳する場合、前記夫々の期間のうち、最も前記商品の価格が低くなる前記期間に応じた前記割引情報に基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項3又は4に記載の物品識別システム。
【請求項6】
前記割引情報は、時間幅が異なる複数の前記時系列における前記期間ごとに設定されており、
前記制御部は、
前記決定処理において、前記夫々の期間で設定された複数の前記割引情報の組み合わせに基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項3又は4に記載の物品識別システム。
【請求項7】
前記割引情報は、時間幅が異なる複数の前記時系列における前記期間ごとに設定されており、
前記制御部は、
複数の前記時系列における優先順位を設定する設定処理を実行し、
前記決定処理において、前記設定処理で設定された前記優先順位に基づく前記期間に応じた前記割引情報に基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項3又は4に記載の物品識別システム。
【請求項8】
前記データベースには、前記商品の夫々に対応する前記識別子及び前記定価情報を示す定価テーブルを前記割引テーブルと別に設定されており、
前記割引テーブルには、前記識別子に代わり、前記識別子に対応し、且つ前記商品の夫々に対応する第二識別子が設定されており、
前記データベースには、前記識別子に対応する前記第二識別子が設定されていること
を特徴とする請求項4に記載の物品識別システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記抽出処理により抽出された前記識別子に基づき、前記第二識別子を生成する生成処理を実行し、
前記決定処理において、
前記生成処理により生成された前記第二識別子が前記割引テーブルに含まれるか否かを判定する識別子判定処理と
を実行することを特徴とする請求項8に記載の物品識別システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記識別子判定処理により前記第二識別子が前記割引テーブルに含まれると判定された場合に、前記決定処理を実行し、
前記識別子判定処理により前記第二識別子が前記割引テーブルに含まれないと判定された場合に、前記抽出処理により抽出された前記識別子と、前記定価テーブルの前記定価情報に基づき、前記商品の価格を決定する定価決定処理を実行し、
前記出力処理において、前記決定処理により決定された前記割引価格、又は前記定価決定処理により決定された前記価格を出力すること
を特徴とする請求項9に記載の物品識別システム。
【請求項11】
前記商品の夫々は、複数の商品群の何れかに属しており、
前記データベースには、前記識別子と、前記商品と、前記商品が属する前記商品群との関係を示す商品群テーブルが設定されていること
を特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項12】
前記商品群テーブルには、前記商品が属する前記商品群の数と、前記商品群の数に対応する前記割引情報との関係が更に設定されており、
前記制御部は、
前記商品群テーブルに基づき、前記抽出処理により抽出された前記識別子が複数の前記商品群の何れに属するかを判別する判別処理と、
夫々の前記商品群において、前記判別処理により属すると判別された前記識別子の数を計数する計数処理とを実行し、
前記決定処理において、前記商品群テーブルの前記割引情報、及び前記計数処理により計数された前記識別子の数に基づき、前記商品群に係る前記商品の前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項11に記載の物品識別システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記商品群テーブルに基づき、前記抽出処理により抽出された前記識別子が複数の前記商品群の何れに属するかを判別する判別処理と、
前記判別処理により判別された前記識別子が属する、複数の前記商品群の組み合わせが特定の組み合わせであるか判定する組み合わせ判定処理とを実行し、
前記組み合わせ判定処理により複数の前記商品群の組み合わせが前記特定の組み合わせであると判定された場合、前記決定処理において、前記特定の組み合わせである前記商品群に係る前記商品の前記割引価格を前記割引情報に基づき決定すること
を特徴とする請求項11に記載の物品識別システム。
【請求項14】
前記商品群テーブルには、夫々の前記商品群に応じた複数の前記割引情報が設定されていることを特徴とする請求項11に記載の物品識別システム。
【請求項15】
操作の入力を受け付ける受付部を備え、
前記制御部は、
前記商品群テーブルに基づき、前記抽出処理により抽出された前記識別子が複数の前記商品群の何れに属するかを判別する判別処理と、
前記判別処理により判別された前記識別子が属する前記商品群、及び当該商品群に対応する前記複数の割引情報を、前記商品群テーブルに基づき前記表示部に表示する第三表示処理と、
前記受付部を介して、前記第三表示処理により表示される前記複数の割引情報の何れが選択されたかを示す第一選択指示の入力を受け付ける割引受付処理とを実行し、
前記決定処理において、前記割引受付処理で受け付けた前記第一選択指示が示す前記割引情報に基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項14に記載の物品識別システム。
【請求項16】
操作の入力を受け付ける受付部を備え、
前記制御部は、
前記商品群テーブルに基づき、前記抽出処理により抽出された前記識別子が複数の前記商品群の何れに属するかを判別する判別処理と、
前記判別処理により判別された前記識別子が属する前記商品群を前記表示部に表示する第四表示処理と、
前記受付部を介して、前記第四表示処理により表示される前記商品群の何れが選択されたかを示す第二選択指示の入力を受け付ける群受付処理とを実行し、
前記決定処理において、前記群受付処理で受け付けた前記第二選択指示が示す前記商品群に対応する前記割引情報に基づき、前記割引価格を決定すること
を特徴とする請求項11に記載の物品識別システム。
【請求項17】
第一表示処理により表示される前記画像と、前記第二表示処理により表示される前記商品の前記情報とは、前記表示部において重畳して表示されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別システム。
【請求項18】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出処理と、
前記抽出処理により抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定処理と、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、
前記決定処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理と
を実行することを特徴とする物品識別装置。
【請求項19】
商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定ステップと、
前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、
前記決定ステップにより決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品の情報を一括で認識できる装置が知られている。特許文献1に記載の商品登録装置は、トレー上の複数の商品を撮影し、撮影画像中の商品のバーコードを一括で読み取ることで、複数の商品をまとめて認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品を販売する店舗では、時間帯や日替わりで価格の割引を行うことがある。上記商品登録装置において、価格の割引を行うためには、店舗のユーザが割引の情報を示すバーコードを商品に別途付帯する必要があり、煩雑である。
【0005】
本発明の目的は、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる物品識別システム、物品識別装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る物品識別システムは、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出処理と、前記抽出処理により抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記決定処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理とを実行することを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、物品識別システムは、商品に付帯されたARマーカから識別子を抽出し、抽出された識別子と割引情報とに基づき、商品の割引価格を決定する。これにより、ユーザが割引の情報を示すARマーカを商品に別途付帯することなく、物品識別システムは商品の価格を割引できる。よって、物品識別システムは、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。
【0008】
本発明の第二態様に係る物品識別装置は、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御する制御部を備える物品識別装置であって、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出処理と、前記抽出処理により抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定処理と、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示処理と、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示処理と、前記決定処理により決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力処理とを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の第三態様に係るプログラムは、商品、及び前記商品に付帯されたARマーカを撮影する撮影部と、表示部と、レジスターと通信する通信部と、前記ARマーカと、前記ARマーカの識別子と、前記商品と、前記商品の定価情報と、前記商品の割引情報との関係を示すデータベースを記憶する記憶部とを制御するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記撮影部が撮影した画像内の前記ARマーカに対応する前記識別子を前記データベースから抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された前記識別子と、前記割引情報とに基づき、前記商品の割引価格を決定する決定ステップと、前記撮影部が撮影した前記画像を前記表示部に表示する第一表示ステップと、前記データベースに基づき、前記撮影部が撮影した前記画像内の前記商品に対応する情報を前記表示部に表示する第二表示ステップと、前記決定ステップにより決定された前記割引価格を、前記通信部を介して前記レジスターに出力する出力ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
第二態様及び第三態様は、第一態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】物品識別システム1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93の概念図である。
【
図5】撮影画像を表示する物品識別画面50を示す図である。
【
図6】商品名表示を行う物品識別画面50を示す図である。
【
図8】
図7の続きを示す物品識別処理のフローチャートである。
【
図9】第一実施形態の会計画面80Aを表示する物品識別画面50を示す図である。
【
図10】第一実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図11】
図10の続きを示す価格決定処理のフローチャートである。
【
図13】第二実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図14】定価テーブル94及び割引テーブル95の概念図である。
【
図15】第三実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図17】第四実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図18】第五実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図19】
図18の続きを示す価格決定処理のフローチャートである。
【
図21】選択画面80Dを表示する物品識別画面50を示す図である。
【
図22】第六実施形態の価格決定処理のフローチャートである。
【
図23】
図22の続きを示す価格決定処理のフローチャートである。
【
図24】
図23の続きを示す価格決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第一実施形態>
図面を参照し、本発明の第一実施形態に係る物品識別システム1を説明する。物品識別システム1は、識別用のARマーカ28(
図6参照)が夫々に設けられた複数の物品を撮影し、撮影画像内のARマーカ28の情報に基づき物品の価格を会計し、公知のレジスター7(
図1参照)に出力するシステムである。物品識別システム1は、例えば物品を商品として販売する店舗において、会計時に複数の商品を一括して識別し、会計するシステムとして用いられる。
【0013】
<物品識別システム1の構成>
図1に示すように、物品識別システム1は、撮影台2、撮影装置3、及び識別端末4を有する。撮影台2は、撮影対象の複数の商品を配置するための台である。撮影台2には、撮影装置3による撮影範囲Sが設定されている。複数の商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されると、複数の商品は撮影範囲S内に配置される。夫々の商品は、ラベル26が貼り付けられた袋に包装されている。ラベル26には、商品名、及び商品毎に異なるARマーカ28が印刷されている。
【0014】
撮影装置3は、撮影範囲Sを撮影台2の上方から撮影する装置である。撮影装置3は、撮影台2の側方に固定されて上方に延びる柱部と、柱部の上端において撮影台2の中央上方に向けて延びる腕部と、腕部の先端部に設けられる撮影部31とを有する。撮影部31は、下方に位置する撮影台2の撮影範囲Sを撮影するように、撮影方向及び画角が調整されている。撮影部31は、撮影範囲Sの静止画又は動画を撮影する。以下説明では、静止画と動画とを特に区別しない場合、撮影画像という。
【0015】
識別端末4は、例えば周知のタブレット端末であり、物品識別システム1を統括制御する。識別端末4は、例えば公知のUSB(Universal Serial Bus)ケーブル35により、撮影装置3及びレジスター7と接続する。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続は適宜変更してもよい。例えば、識別端末4とレジスター7とは、公知のCOMポートにより接続されてもよい。識別端末4に対する、撮影装置3、レジスター7の接続は、同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。識別端末4は、図示しない販売時点情報管理(POS)システムの端末として使用してもよい。
【0016】
<物品識別システム1の電気的構成>
図2に示すように、撮影装置3は、撮影部31、制御部32、及びUSBインターフェース(以下、USBI/F)33を有する。撮影部31は、公知のCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサである。制御部32は、撮影部31が撮影した撮影画像の画像データを生成する。USBI/F33は、USB規格によるデータ通信を行う。
【0017】
識別端末4は、制御部41、記憶部42、タッチパネル43、RTC46、及びUSBI/F47を有する。制御部41は、CPU、ROM、RAMを有する。CPUは、識別端末4の制御を司る。ROMには、ブートプログラム、初期設定情報等が記憶される。RAMには、CPUが演算したデータが一時的に記憶される。記憶部42は、例えばフラッシュメモリであり、後述の物品識別プログラム、後述のデータベース9等が記憶される。
【0018】
タッチパネル43は、表示部44及び入力部45を有する。表示部44は、液晶ディスプレイである。入力部45は、表示部44の表面に設けられたタッチパネルである。RTC46は識別端末4の内部時計として現在の時刻を計時する。現在の時刻には、「月」「日」「曜日」「時」の情報が含まれる。USBI/F47は、撮影装置3及びレジスター7との間でUSB規格によるデータ通信を行う。
【0019】
<データベース9の概要>
図3、
図4を参照し、記憶部42に記憶されるデータベース9について説明する。データベース9には、識別テーブル90、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93が含まれる。
図3に示すように、識別テーブル90には、ARマーカ28(
図3では、便宜上、ARマーカ28の外観図を示す。)の夫々に対して、商品名及びID(識別子)が個別に対応付けられる。
【0020】
図4に示すように、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93には、IDの夫々に対して、商品名、商品の定価を示す定価情報、及び価格の割引の情報を示す割引情報が対応付けられる。換言すると、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93は、商品の夫々と対応するID、定価情報、及び割引情報を示す。
【0021】
より詳細に、月テーブル91には、IDリスト91A、商品リスト91B、定価リスト91C、及び割引リスト91Dが設けられる。IDリスト91Aには、IDが設定される。商品リスト91Bには、商品名が設定される。定価リスト91Cには、商品の定価が設定される。割引リスト91Dには、割引情報として、月で区分された期間(例えば、1月~6月)での、定価に対する割引額が設定される。
【0022】
曜日テーブル92には、IDリスト92A、商品リスト92B、定価リスト92C、及び割引リスト92Dが設けられる。IDリスト92A、商品リスト92B、及び定価リスト92Cは、夫々、IDリスト91A、商品リスト91B、及び定価リスト91Cに対応する構成である。割引リスト92Dには、割引情報として、曜日で区分された期間(例えば、月曜日及び火曜日)での、定価に対する割引額が設定される。
【0023】
時間帯テーブル93には、IDリスト93A、商品リスト93B、定価リスト93C、及び割引リスト93Dが設けられる。IDリスト93A、商品リスト93B、及び定価リスト93Cは、夫々、IDリスト91A、商品リスト91B、及び定価リスト91Cに対応する構成である。割引リスト93Dには、割引情報として、時間帯で区分された期間(例えば、10時~15時)での、定価に対する割引額が設定される。
【0024】
<価格の割引>
図4を参照し、商品の価格の割引について説明する。物品識別システム1は、商品に付帯されたARマーカ28に基づき、価格の割引を行う。より詳細に、物品識別システム1において、撮影装置3は、撮影した撮影画像を識別端末4に出力する。識別端末4は、撮影画像の画像解析を行い、商品に付帯されたARマーカ28を抽出する。識別端末4は、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28に対応するIDを識別する。
【0025】
識別端末4は、RTC46から現在の時刻を取得する。識別端末4は、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93に基づき、識別したIDに対応する定価と、現在の時刻での割引額とを確認する。識別端末4は、確認した定価及び割引額から商品の価格を会計し、レジスター7に出力する。
【0026】
具体的に、識別端末4は、識別したIDが「1001」であり、現在の時刻が、「8月25日」「木曜日」「17時」である場合、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93に基づき、対応する商品名「カレーパン」の定価が「200円」であると確認する。
【0027】
識別端末4は、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93に基づき、現在の時刻における割引額として、月テーブル91における割引額「30円」、曜日テーブル92における割引額「0円」、時間帯テーブル93における割引額「10円」を確認する。このように、現在の時刻が、月、曜日、時間帯における割引が行われる期間(以下、割引期間)に重畳して該当する場合、識別端末4は、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93における割引額のうち、最も割引額の大きい「30円」を適用する。識別端末4は、定価「200円」と割引額「30円」から、商品名「カレーパン」の割引後の価格を「170円」に決定する。以下、商品の割引後の価格を、割引価格という。識別端末4は、複数の商品を識別した場合、夫々の商品について、付帯されたARマーカ28に基づき価格を決定する。なお、割引価格の決定方法は、適宜変更してもよい。例えば、識別端末4は、月テーブル91における割引額「30円」と、時間帯テーブル93における割引額「10円」とを組み合わせた割引額「40円」を適用し、割引価格を「160円」と決定してもよい。このように、物品識別システム1は、時間幅が異なる複数の時系列(月、曜日、時間帯)で価格の割引が行われ、会計時に複数の割引期間が重畳する場合にも、各店舗に合わせた割引価格に決定できる。
【0028】
<物品識別処理>
図5~
図11を参照し、物品識別処理について説明する。店舗のユーザによって物品識別処理を実行するための操作が入力部45を介して行われた場合、記憶部42に記憶された物品識別プログラムを制御部41が読み出して実行することにより、物品識別処理が開始される。物品識別処理の開始時、商品を載せたトレー25が撮影台2に配置されている。
【0029】
図5、
図6を参照し、物品識別処理において表示部44に表示される物品識別画面50について説明する。物品識別画面50には、点数領域51、撮影画像領域52、商品リスト領域53、OKボタン54、及びNGボタン55が含まれる。
【0030】
点数領域51には、撮影台2に配置された商品の点数の入力の操作を受け付ける操作項目が表示される。撮影画像領域52には、撮影装置3が撮影した撮影画像が表示される。撮影画像には、撮影台2に配置された複数の商品と、夫々の商品に付帯されたARマーカ28とが表示される。商品リスト領域53には、撮影画像に表示された複数の商品の情報として、夫々の商品名、個数、及び商品の合計数が表示される。OKボタン54、NGボタン55には、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0031】
物品識別処理において使用されるフラグについて説明する。記憶部42には、月フラグ、曜日フラグ、及び時間帯フラグが記憶されている。月フラグは、RTC46から取得した現在の月が割引期間である場合に値が1に設定され、RTC46から取得した現在の月が割引期間でない場合に値が0に設定される。曜日フラグは、RTC46から取得した現在の曜日が割引期間である場合に値が1に設定され、RTC46から取得した現在の曜日が割引期間でない場合に値が0に設定される。時間帯フラグは、RTC46から取得した現在の時(時間帯)が割引期間である場合に値が1に設定され、RTC46から取得した現在の時が割引期間でない場合に値が0に設定される。物品識別処理の開始時、月フラグ、曜日フラグ、及び時間帯フラグの値は何れも0である。
【0032】
図7に示すように、制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたか否かを判定する(S1)。ユーザは、点数領域51を確認しながら入力部45を操作し、撮影台2に配置された商品の点数を制御部41に入力する。撮影台2に配置された商品の点数が入力されていないと判定した場合(S1:NO)、制御部41は処理をS1に戻す。
【0033】
制御部41は、撮影台2に配置された商品の点数が入力されたと判定した場合(S1:YES)、入力された商品の点数を記憶部42に記憶する(S2)。制御部41は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を開始する(S3)。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、画像データを取得し、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5、
図5参照)。
【0034】
制御部41は、取得した画像データからARマーカ28を抽出する(S6)。制御部41は、S6において画像解析を行い、撮影画像におけるARマーカ28としての特徴部を有するオブジェクトをARマーカ28として抽出する。制御部41は、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28のIDを確認し、確認されたIDを記憶部42に記憶する(S7)。S7では、抽出された全てのARマーカ28に対してIDの確認が行われる。
【0035】
制御部41は、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28に対応する商品名を確認する(S8)。制御部41は、撮影画像領域52に表示された撮影画像において、ARマーカ28の近傍にS8で確認した商品名を示す商品名表示29を重畳して表示する(S9、
図6参照)。
【0036】
制御部41は、S6で抽出したARマーカ28を計数する(S10)。制御部41は、S8で確認した商品名、個数、及び商品の合計数を商品リスト領域53に表示する(S11)。S11において、制御部41は、S10で計数したARマーカ28の数を商品の合計数として、商品リスト領域53に表示する。
【0037】
制御部41は、S2で記憶した商品の点数と、S10で計数したARマーカ28の数とが一致するか否かを判定する(S12)。制御部41は、商品の点数とARマーカ28の数とが一致しないと判定した場合(S12:NO)、NGボタン55に文字列「NG」を表示して(S13)、処理をS1に戻す。制御部41は、商品の点数とARマーカ28の数とが一致すると判定した場合(S12:YES)、OKボタン54に文字列「OK」を表示して(S15)、処理をS16(
図8参照)に移行する。
【0038】
図8に示すように、制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたか否かを判定する(S16)。ユーザは、OKボタン54を確認しながら入力部45を操作する。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けていないと判定した場合(S16:NO)、処理をS16に戻す。制御部41は、OKボタン54の操作を受け付けたと判定した場合(S16:YES)、表示部44に表示する画面を、物品識別画面50から会計画面80Aに切り替える(S17)。制御部41は、価格決定処理を実行する(S18)。
【0039】
図9を参照し、物品識別処理において表示部44に表示される会計画面80Aについて説明する。会計画面80Aには、商品リスト領域81A、合計領域82A、OKボタン84A、及びNGボタン85Aが含まれる。
【0040】
商品リスト領域81Aには、複数の商品の情報として、夫々の商品名、定価、割引額、割引内容、個数、及び価格が表示される。割引内容には、月、曜日、及び時間帯の何れの時系列において、価格の割引を行うかが表示される。合計領域82Aには、複数の商品の合計数、合計金額が表示される。OKボタン84A、NGボタン85Aには、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0041】
図10、
図11を参照し、物品識別処理において実行される価格決定処理(S18、
図8参照)ついて説明する。
図10に示すように、制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、月テーブル91の定価リスト91Cを確認し、S32で取得したIDに対応する商品の定価を取得する(S33)。
【0042】
制御部41は、月テーブル91の割引リスト91Dを取得する(S35)。制御部41は、S31で取得した現在の時刻と、S35で取得した割引リスト91Dとに基づき、現在の月において割引額が0円であるか否かを判定する(S36)。制御部41は、現在の月において割引額が0円であると判定した場合(S36:YES)、処理をS38に移行する。制御部41は、現在の月において割引額が0円でないと判定した場合(S36:NO)、月フラグの値を1に設定し(S37)、処理をS38に移行する。
【0043】
制御部41は、曜日テーブル92の割引リスト92Dを取得する(S38)。制御部41は、S31で取得した現在の時刻と、S38で取得した割引リスト92Dとに基づき、現在の曜日において割引額が0円であるか否かを判定する(S39)。制御部41は、現在の曜日において割引額が0円であると判定した場合(S39:YES)、処理をS45(
図11参照)に移行する。制御部41は、現在の曜日において割引額が0円でないと判定した場合(S39:NO)、曜日フラグの値を1に設定し(S40)、処理をS45に移行する。
【0044】
制御部41は、時間帯テーブル93の割引リスト93Dを取得する(S45)。制御部41は、S31で取得した現在の時刻と、S45で取得した割引リスト93Dとに基づき、現在の時間帯において割引額が0円であるか否かを判定する(S46)。制御部41は、現在の時間帯において割引額が0円であると判定した場合(S46:YES)、処理をS48に移行する。制御部41は、現在の時間帯において割引額が0円でないと判定した場合(S46:NO)、時間帯フラグの値を1に設定し(S47)、処理をS48に移行する。
【0045】
制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグの全ての値が0であるか否かを判定する(S48)。制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグの全ての値が0であると判定した場合(S48:YES)、現在の時刻が割引期間でないとして、定価適用処理(S49)を実行する。制御部41は、S49において、商品の価格としてS33で取得した定価を適用する。制御部41は、処理をS53に移行する。
【0046】
制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグの何れかの値が0でないと判定した場合(S48:NO)、現在の時刻が割引期間であると判断する。制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグの値に基づき、月、曜日、時間帯の何れか1つの時系列で割引が行われるか否かを判定する(S50)。
【0047】
制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグの何れか1つの値が1であり、現在の時刻が一の時系列(月、曜日、時間帯)における割引期間に該当すると判定した場合(S50:YES)、第1割引適用処理を実行する(S51)。制御部41は、S51において、割引期間における割引情報(割引リスト91D~93D)の割引額を、現在の時刻における割引額として適用する。制御部41は、処理をS53に移行する。
【0048】
制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、時間帯フラグのうち2つ以上の値が1であり、現在の時刻が複数の時系列における割引期間に重畳して該当していると判定した場合(S50:NO)、第2割引適用処理を実行する(S52)。制御部41は、S52において、割引期間における複数の割引情報(割引リスト91D~93D)の割引額のうち、割引額が最も大きい割引額を、現在の時刻における割引額として適用する。制御部41は、処理をS53に移行する。
【0049】
制御部41は、S33で取得した定価、及びS49、S51、S52で適用した価格の情報に基づき、商品の価格を決定する(S53)。制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。
【0050】
制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0051】
図8に示すように、価格決定処理(S18)を終了した制御部41は、価格決定処理で決定した価格に基づき、複数の商品の合計金額を精算する(S19)。制御部41は、複数の商品の合計数及び合計金額を合計領域82Aに表示する(S20)。S20において、制御部41は、S10で計数されたARマーカ28の数を商品の合計数として、S19で精算された金額を複数の商品の合計金額として、合計領域82Aに表示する(
図9参照)。
【0052】
制御部41は、OKボタン84A又はNGボタン85Aの操作を受け付けたか否かを判定する(S21)。ユーザは、表示部44において表示されたOKボタン84A又はNGボタン85Aを操作する。制御部41は、OKボタン84A及びNGボタン85Aの何れの操作も受け付けていないと判定した場合(S21:NO)、処理をS21に戻す。
【0053】
制御部41は、OKボタン84A又はNGボタン85Aの操作を受け付けたと判定した場合(S21:YES)、受け付けた操作がOKボタン84Aの操作であるか否かを判定する(S22)。制御部41は、受け付けた操作がNGボタン85Aの操作であると判定した場合(S22:NO)、物品識別処理を終了する。
【0054】
制御部41は、受け付けた操作がOKボタン84Aの操作であると判定した場合(S22:YES)、レジスター7に商品の情報、及び商品の価格の情報を出力する出力処理を実行する(S23)。レジスター7は、受信した商品の情報、及び商品の価格の情報に基づき、商品の会計を行う。制御部41は、月フラグ、曜日フラグ、及び時間帯フラグの値を0に設定する(S25)。制御部41は、表示部44に表示する画面を、会計画面80Aから物品識別画面50に切り替える(S26)。制御部41は、物品識別処理を終了する。
【0055】
<第一実施形態の作用、効果>
以上説明したように、物品識別システム1の制御部41は、撮影装置3に指示を出し、撮影部31による撮影を開始する。制御部32は、撮影された撮影画像の画像データを生成し、制御部41に出力する。制御部41は、取得した画像データからARマーカ28を抽出し、識別テーブル90に基づき、抽出したARマーカ28のIDを確認する(S7)。制御部41は、確認したIDと、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93の割引リスト91D~93Dとに基づき、商品の価格を決定する(S18)。制御部41は、取得した画像データに基づき、撮影画像領域52に撮影画像を表示する(S5)。制御部41は、抽出したARマーカ28に対応する商品名を示す商品名表示29を撮影画像領域52に表示された撮影画像に重畳して表示する(S9)。制御部41は、決定した商品の価格をレジスター7に出力する(S23)。
【0056】
このように、物品識別システム1は、商品に付帯されたARマーカ28のIDを確認し、IDと割引リスト91D~93Dとに基づき、商品の割引価格を決定する。これにより、物品識別システム1は、ARマーカ28と異なるARマーカであり、割引の情報を示すARマーカをユーザが商品に別途付帯せずとも、商品の価格を割引できる。よって、物品識別システム1は、価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。なお、商品には割引の情報を示すARマーカが別途付帯されていないので、商品の購入者は割引されているのか否かを、商品を見て把握できない。しかしながら、商品の陳列棚に割引中を示すPOP(Point Of Purchase)を配置すること、割引専用のコーナーに割引する商品を移動すること等により、商品の購入者は値引きされていることを把握できる。物品識別システム1は、商品を一つずつ割引されているか否かを確認する作業、及び割引する商品の夫々に割引をするための準備作業における時間を短縮ができる。よって、物品識別システム1は、総合的に価格の割引に伴う作業の煩わしさを低減できる。
【0057】
割引リスト91D~93Dには、定価に対する割引額が設定される。これにより、物品識別システム1は、割引リスト91D~93Dにより、商品の価格を規定したルールに基づき、決定できる。
【0058】
割引リスト91Dには、割引情報として、月で区分された期間での、定価に対する割引額が設定される。割引リスト92Dには、割引情報として、曜日で区分された期間での、定価に対する割引額が設定される。割引リスト93Dには、割引情報として、時間帯で区分された期間での、定価に対する割引額が設定される。制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、取得した現在の時刻と、割引リスト91D~93Dとに基づき、現在の時刻における割引額を適用し、商品の価格を決定する(S53)。これにより、物品識別システム1は、価格を割り引く場合において、所望の時系列での割引情報に基づき、商品の価格を決定できる。
【0059】
月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93は、商品の夫々と対応するID(IDリスト91A~93A)、定価情報(定価リスト91C~93C)、及び割引情報(割引リスト91D~93D)を示す。従来の物品識別システムでは、割引リスト91D~93Dが設定されておらず、会計時にその場で割引情報を追加する場合、会計作業が煩雑になるため、会計操作のミス、値引きミスといった作業ミスを併発しやすい。更に、会計作業に時間が掛かることで会計が混雑し、商品の購入者がストレスを感じる、売上が損失する等に繋がる可能性がある。物品識別システム1において、割引リスト91D~93Dが設定されているので、会計時にその場で割引情報を追加して入力する必要が無い。これにより、物品識別システム1は、会計作業を容易にし、会計時の作業ミスを低減できる。
【0060】
制御部41は、現在の時刻が複数の時系列(月、曜日、時間帯)における割引期間に重畳して該当していると判定した場合、複数の割引情報の割引額のうち、割引額が最も大きい割引額を、現在の時刻における割引額として適用し、商品の価格を決定する。これにより、物品識別システム1は、時間幅が異なる複数の時系列で価格の割引が行われ、会計時に割引期間が重畳する場合にも、各店舗に合わせた商品の価格に決定できる。
【0061】
制御部41は、撮影画像領域52に、撮影装置3により撮影された撮影画像と、ARマーカ28に対応する商品名とを重畳して表示する。これにより、物品識別システム1は、店舗のユーザがより正確に清算することを可能にする。
【0062】
<第一実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。識別端末4は、タブレット端末としたが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等、他のデバイスを用いてもよい。また、タブレット端末に搭載されたカメラ機能を、撮影装置3として用いてもよい。この場合、カメラ機能を有するタブレット端末は、物品識別装置として動作し、上記実施形態の物品識別システム1として単体で機能することができる。
【0063】
物品識別処理を実行させるための指令を含むプログラムは、制御部41が、対応するプログラムを実行するまでに、記憶部42等に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。制御部41が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、記憶部42に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0064】
物品識別処理は、識別端末4とは別体に設けられる、専用又は汎用の装置により実行されてもよい。例えば、識別端末4を公知のパーソナルコンピュータとした場合、パーソナルコンピュータが制御部41、記憶部42、及びUSBI/F47を有し、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータに対して外付けされるタッチパネル43との組み合わせも本発明の識別端末4に含まれる。識別端末4は、タッチパネル43の代わりに、表示部44として例えばモニタ、入力部45として例えばキーボード、マウスを有してもよい。例えば、識別端末4の代わりに、レジスター7又はPOSシステムの端末装置に撮影装置3を接続し、レジスター7の制御部又はPOSシステムの端末装置が物品識別処理を実行してもよい。
【0065】
物品識別処理の各ステップは、制御部41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。物品識別処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。物品識別処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
【0066】
制御部41は、S9において、撮影画像領域52に表示された撮影画像と、商品名表示29とを重畳して表示しなくてもよい。制御部41は、S9において、商品名以外の商品の情報(例えば、価格、製造年月日、アレルギー情報等)を表示してもよい。
【0067】
物品識別処理において、商品の点数の確認のための処理(S1、S2、S10、S12)を省略してもよい。
【0068】
制御部41は、S3において撮影装置3に動画の撮影を指示してもよい。この場合、制御部41は、S5において撮影装置3が撮影した動画の映像を表示してもよい。
【0069】
制御部41は、S17、S20の処理を省略してもよい。この場合、制御部41は、表示部44に会計画面80Aを表示せず、S23においてレジスター7に商品の価格を出力する。制御部41は、S21、S22の処理を省略してもよい。この場合、制御部41は、処理を簡略化できる。
【0070】
制御部41は、S23において、定価と割引価格を含む価格の情報のうち割引価格の情報をレジスター7に出力すればよい。この場合、レジスター7は、S23と別の処理で商品と定価の情報とを取得し、S23で出力された割引価格の情報と合わせることで会計を行ってもよい。
【0071】
制御部41は、価格決定処理のS33において、月テーブル91と異なるテーブル(曜日テーブル92、時間帯テーブル93)から定価を取得してもよい。
【0072】
制御部41は、価格決定処理において、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93の少なくとも一つから割引額を決めればよい。
【0073】
制御部41は、S52において、割引額の適用方法を適宜変更してもよい。制御部41は、複数の割引額のうち、割引額が最も大きい(即ち、割引価格が最も低くなる)割引額ではなく、割引額が最も小さい割引額を適用してもよい。制御部41は、S52において、割引額の適用方法を複数の割引額の組み合わせで適用する場合、複数の割引額の加算に限らず、乗算、除算等により適宜組み合わせてもよい。
【0074】
データベース9は、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93と異なる時間幅の時系列(例えば、「日」「分」「秒」「午前午後」「時辰」等)における、商品名、ID、定価情報、及び割引情報の対応関係を示すテーブルを含んでもよい。データベース9は、異なる時間幅の時系列を組み合わせた割引情報(例えば、8月25日10時~8月28日20時に所定の割引額)が設定されたテーブルを含んでもよい。
【0075】
割引情報は、割引額ではなく、定価に対する割引率、又は割り引いた結果である割引価格そのものでもよい。
【0076】
月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93には、商品名、ID、定価情報、及び割引情報に対応するARマーカ28が設定されてもよい。この場合、データベース9は、識別テーブル90を含まなくてもよい。月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93には、商品、ID、定価情報、及び割引情報と異なる情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)が設定されてもよい。識別テーブル90には、商品名、ID、及びARマーカ28と異なる情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)が設定されてもよい。
【0077】
商品には、ARマーカ28の他に、公知のコード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)、又は独自のマーカが別途付帯されてもよい。商品には、商品の価格以外の情報(例えば、製造年月日、アレルギー情報等)を識別するための、ARマーカ28と異なるARマーカが別途付帯されてもよい。
【0078】
識別端末4にARマーカ28を登録可能にするアプリケーションソフトをインストールし、データベース9の設定を行ってもよい。識別端末4にラベルシールの印刷が可能な印刷装置を接続し、識別テーブル90に設定されたARマーカ28、商品名をラベルシールに印刷してもよい。
【0079】
<第二実施形態>
図12、
図13を参照し、本発明の第二実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第二実施形態に係る物品識別システム1は、物品識別処理の前に、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93の割引情報のうち何れかを、価格を決定するテーブルとして設定する点で第一実施形態の物品識別システム1と異なる。第二実施形態に係る物品識別システム1のその他の構成は、第一実施形態に係る物品識別システム1と同じである。以下の各実施形態において、第一実施形態に係る物品識別システム1と共通する構成に、第一実施形態に係る物品識別システム1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0080】
図12を参照し、設定処理について説明する。設定処理は、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93の割引情報のうち何れかを、価格を決定するテーブルとして設定するための処理である。店舗のユーザによって設定処理を実行するための操作が入力部45を介して行われた場合、記憶部42に記憶されたプログラムを制御部41が読み出して実行することにより、設定処理が開始される。
【0081】
設定処理において使用されるフラグについて説明する。記憶部42には、適用フラグが記憶されている。適用フラグは、価格を決定するテーブルを月テーブル91と設定された場合に値が0に設定され、価格を決定するテーブルを曜日テーブル92と設定された場合に値が1に設定され、価格を決定するテーブルを時間帯テーブル93と設定された場合に値が2に設定される。
【0082】
制御部41は、入力部45を介してユーザの操作を受け付けたか否かを判定する(S61)。制御部41は、ユーザの操作を受け付けていないと判定した場合(S61:NO)、処理をS61に戻す。
【0083】
制御部41は、ユーザの操作を受け付けたと判定した場合(S61:YES)、受け付けた操作が終了操作であるか否かを判定する(S62)。制御部41は、受け付けた操作が終了操作でないと判定した場合(S62:NO)、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを月テーブル91に設定する操作であるか否かを判定する(S63)。制御部41は、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを月テーブル91に設定する操作であると判定した場合(S63:YES)、適用フラグの値を0に設定し(S65)、処理をS61に戻す。
【0084】
制御部41は、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを月テーブル91に設定する操作でないと判定した場合(S63:NO)、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを曜日テーブル92に設定する操作であるか否かを判定する(S66)。制御部41は、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを曜日テーブル92に設定する操作であると判定した場合(S66:YES)、適用フラグの値を1に設定し(S67)、処理をS61に戻す。
【0085】
制御部41は、受け付けた操作が価格を決定するテーブルを曜日テーブル92に設定する操作でないと判定した場合(S66:NO)、適用フラグの値を2に設定し(S68)、処理をS61に戻す。
【0086】
制御部41は、受け付けた操作が終了操作であると判定した場合(S62:YES)、設定処理を終了する。
【0087】
図13を参照し、第二実施形態の価格決定処理について説明する。制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、適用フラグの値を確認し、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93から一つを、価格を決定するテーブルとして決定する(S71)。制御部41は、S32で取得したIDとS71で決定したテーブルの定価情報(定価リスト91C~93C)に基づき、商品に対応する定価を取得する(S33)
【0088】
制御部41は、S31で取得した現在の時刻と、S71で決定したテーブルの割引情報(割引リスト91D~93D)とに基づき、現在の時刻において割引額が0円であるか否かを判定する(S72)。制御部41は、現在の時刻において割引額が0円であると判定した場合(S72:YES)、S71で決定したテーブルの定価情報(定価リスト91C~93C)が示す定価を適用し、処理をS53に移行する。制御部41は、現在の時刻において割引額が0円でないと判定した場合(S72:NO)、S71で決定したテーブルの割引情報(割引リスト91D~93D)が示す割引額を適用し、処理をS53に移行する。
【0089】
制御部41は、S33で取得した定価、及びS73、S75で適用した価格の情報に基づき、商品の価格を決定する(S53)。制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0090】
<第二実施形態の作用、効果、変形例>
制御部41は、設定処理を実行し、月テーブル91、曜日テーブル92、及び時間帯テーブル93から何れか一つを、価格を決定するテーブルとして設定する。制御部41は、価格決定処理において、設定処理で設定されたテーブルの定価情報(定価リスト91C~93C)又は割引情報(割引リスト91D~93D)に基づき(S73、S75)、商品の価格を決定する(S53)。これにより、物品識別システム1は、所望の時系列での割引情報に基づき、商品の価格を決定できる。
【0091】
制御部41は、設定処理において、複数の時系列(月、曜日、時間帯)から2以上の時系列に対応するテーブル(月テーブル91、曜日テーブル92、時間帯テーブル93)を、価格を決定するテーブルとして設定してもよい。これにより、物品識別システム1は、商品の価格を各店舗が所望する価格に決定できる。
【0092】
<第三実施形態>
図14、
図15を参照し、本発明の第三実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第三実施形態に係る物品識別システム1は、
図14に示す定価テーブル94及び割引テーブル95が含まれる点でデータベース9に第一実施形態の物品識別システム1と異なる。
【0093】
図14を参照し、データベース9に含まれる定価テーブル94及び割引テーブル95について説明する。定価テーブル94には、IDの夫々に対して、商品名及び定価情報が対応付けられる。IDは、夫々、4桁の数字であり、識別テーブル90に設定されたIDと同一の値である。
【0094】
定価テーブル94には、IDリスト94A、商品リスト94B、及び定価リスト94Cが設けられる。IDリスト94A、商品リスト94B、及び定価リスト94Cは、夫々、IDリスト91A、商品リスト91B、及び定価リスト91C(
図4参照)に対応する構成である。
【0095】
割引テーブル95は、定価テーブル94と別に設定されるテーブルである。割引テーブル95には、IDと異なる割引IDの夫々に対して、商品名、及び割引情報として、割引後の商品の価格である割引価格が対応付けられる。割引IDは、夫々、7桁の数字である。割引IDの先頭から2~5番目の4桁の数字は、定価テーブル94に設定されたIDと同一の値である。割引IDは、其の先頭から2~5番目の4桁の数字が示す商品(以下、該当商品という。)に対応する。即ち、割引IDは定価テーブル94のIDに対応する値が設定され、割引テーブル95は該当商品の夫々と対応する割引ID及び割引情報を示す。
【0096】
割引IDの先頭の数字は、割引を行う曜日を示す。例えば、割引IDの先頭の数字が「1」である場合、割引ID該当商品について月曜日に割引を行うことを示す。割引IDの先頭の数字が「0」である場合、割引ID該当商品について曜日での割引を行わないことを示す。
【0097】
割引IDの下2桁の数字は、割引を行う月を示す。例えば、割引IDの下2桁の数字が「01」である場合、割引IDは該当商品について1月に割引を行うことを示す。割引IDの下2桁の数字が「00」である場合、割引IDは該当商品について月での割引を行わないことを示す。
【0098】
割引テーブル95には、割引IDリスト95A、商品リスト95B、及び割引リスト95Cが設けられる。割引IDリスト95Aには、割引IDが設定される。商品リスト91Bには、該当商品の商品名が設定される。割引リスト95Cには、割引IDが示す期間での、割引価格が設定される。
【0099】
図15を参照し、第三実施形態の価格決定処理について説明する。制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、S31で取得した現在の時刻と、S32で取得したIDに基づき、割引IDを生成する(S81)。制御部41は、S81において、例えば現在の時刻が「8月」「木曜日」であり、取得したIDが「1001」である場合、割引IDとして「4100108」を生成する。
【0100】
制御部41は、S81で生成した割引IDが、割引テーブル95の割引IDリスト95Aに含まれているか否かを判定する(S83)。制御部41は、S81で生成した割引IDが割引IDリスト95Aに含まれていると判定した場合(S83:YES)、割引リスト95Cに基づき、商品の価格を割引価格に決定し(S85)、処理をS55に移行する。
【0101】
制御部41は、S81で生成した割引IDが割引IDリスト95Aに含まれていないと判定した場合(S83:NO)、S32で取得したIDと、定価テーブル94の定価リスト94Cとに基づき、商品の価格を定価に決定し(S87)、処理をS55に移行する。
【0102】
制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0103】
<第三実施形態の作用、効果、変形例>
データベース9には、定価テーブル94と、定価テーブル94と別に設定される割引テーブル95とが含まれる。定価テーブル94には、IDの夫々に対して、商品名及び定価情報が対応付けられる。割引テーブル95には、割引IDの夫々に対して、商品名、及び割引情報が対応付けられる。割引IDは定価テーブル94のIDに対応する値が設定された値である。定価テーブル94と、割引テーブル95とは、IDと割引IDの関係により対応付けられる。物品識別システム1において、定価情報を示す定価テーブル94と、割引情報を示す割引テーブル95とが別のテーブルで設定される。店舗のユーザは、価格の割引の設定を行う際、日常的に設定の変更のない定価テーブル94の設定を変更せず、割引テーブル95の設定を変更すればよい。このように、物品識別システム1は、店舗のユーザが価格の割引を簡単に設定できる。
【0104】
制御部41は、価格決定処理において、現在の時刻とIDとに基づき、割引IDを生成する(S81)。制御部41は、生成した割引IDが割引テーブル95の割引IDリスト95Aに含まれているか否かを判定する(S83)。物品識別システム1は、生成した割引IDが割引IDリスト95Aに含まれるか否かを判定することで、定価テーブル94及び割引テーブル95の何れに基づき価格を決定するかを判定できる。
【0105】
制御部41は、生成した割引IDが割引IDリスト95Aに含まれていると判定した場合(S83:YES)、割引リスト95Cに基づき、商品の価格を割引価格に決定する(S85)。制御部41は、生成した割引IDが割引IDリスト95Aに含まれていないと判定した場合(S83:NO)、IDと、定価テーブル94の定価リスト94Cとに基づき、商品の価格を定価に決定する(S87)。物品識別システム1は、データベース9において定価テーブル94と割引テーブル95とが別に設定されている場合にも、商品の価格を決定できる。
【0106】
IDと割引IDの関係は互いに対応関係があればよく、適宜変更してもよい。割引IDに「月」「曜日」と時間幅の長さが異なる時系列(例えば、「日」「時」「分」「秒」「午前午後」「時辰」等)を示す数字が設定されてもよい。割引IDに時間幅が異なる複数の時系列の組み合わせ(例えば、「8月」と「25日」の組み合わせ)を示す数字が設定されてもよい。割引IDにおいて、時系列を示す桁、IDとの対応関係を示す桁は適宜変更してもよい。
【0107】
<第四実施形態>
図16、
図17を参照し、本発明の第四実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第四実施形態に係る物品識別システム1は、
図16に示す価格テーブル98がデータベース9に含まれる点で第一実施形態の物品識別システム1と異なる。
【0108】
図16を参照し、データベース9に含まれる価格テーブル98について説明する。価格テーブル98には、夫々の商品がグループに区別されて情報が設定される。例えば、IDが「3001」の「カレーパン」は「第1グループ」に区別され、IDが「3003」の「BLTサンド」は「第2グループ」に区別され、IDが「3005」の「生食パン」は「第3グループ」に区別される。
【0109】
商品が属するグループには、割引数が設定される場合がある。会計時に、当該グループに属する商品の数が割引数以上である場合、所謂「まとめ買い」であるとして、当該グループに属する商品の価格に割引が適用される。
【0110】
価格テーブル98には、IDの夫々に対して、商品名、所属グループ、割引数、定価情報、及び割引情報として、定価から割引する割引額が対応付けられる。価格テーブル98には、IDリスト98A、商品リスト98B、所属グループリスト98E、割引数リスト98F、定価リスト98C、及び割引リスト98Dが設けられる。IDリスト98A、商品リスト98B、定価リスト98C、及び割引リスト98Dは、夫々、IDリスト91A、商品リスト91B、定価リスト91C、及び割引リスト91D(
図4参照)に対応する構成である。所属グループリスト98Eには、IDが示す商品が所属するグループが設定される。割引数リスト98Fには、まとめ買いを適用するための商品の数が設定される。なお、まとめ買いを適用しない第3グループに対応する割引数リスト98Fには、空白(null)が設定される。割引リスト98Dには、グループごとでまとめて割引情報が設定される。
【0111】
図17を参照し、第四実施形態の価格決定処理について説明する。制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S101)。制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、S102で判別したグループの商品数に1を加算する(S103)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S105)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S105:NO)、処理をS101に戻す。
【0112】
制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S105:YES)、S7で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、価格テーブル98に基づき、S32で取得したIDが所属するグループの商品数が、割引数リスト98Fの割引数以上であるか否かを判定する(S106)。
【0113】
制御部41は、IDが所属するグループの商品数が割引数以上であると判定した場合(S106:YES)、S32で取得したIDと、価格テーブル98の割引リスト98Dとに基づき、価格の割引額を適用し(S107)、処理をS53に移行する。
【0114】
制御部41は、IDが所属するグループの商品数が割引数未満であると判定した場合(S106:NO)、S32で取得したIDと、価格テーブル98の定価リスト98Cとに基づき、商品の価格に定価を適用し(S108)、処理をS53に移行する。
【0115】
制御部41は、定価リスト98Cが示す定価、及びS107、S108で適用した価格の情報に基づき、商品の価格を決定する(S53)。制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0116】
<第四実施形態の作用、効果、変形例>
データベース9には、価格テーブル98が含まれる。価格テーブル98には、所属グループリスト98Eが設けられる。所属グループリスト98Eには、IDが示す商品が所属するグループが設定される。価格テーブル98には、IDの夫々に対して、商品名、所属グループ、割引数、定価情報、及び割引情報が対応付けられる。割引リスト98Dには、グループごとでまとめて割引情報が設定される。よって、物品識別システム1は容易に割引情報を設定できる。
【0117】
制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、S102で判別したグループの商品数に1を加算する(S103)。制御部41は、価格テーブル98に基づき、所属するグループの商品数が、割引数リスト98Fの割引数以上であると判定する。制御部41は、所属するグループの商品数が割引数以上であると判定した場合、価格テーブル98の割引リスト98Dに基づき、価格の割引額を適用し(S107)、価格を決定する(S53)。物品識別システム1は、会計時に、グループに属する商品の数が割引数以上である場合、まとめ買いであるとして、グループに属する商品の価格に割引を適用する。よって、物品識別システム1は、各店舗に合わせた割引価格に決定できる。
【0118】
価格テーブル98において、グループに属する商品が1つあればよく、グループに属さない商品があってもよい。この場合、グループに属さない商品に対応する所属グループリスト98Eには、空白(null)が設定される。
【0119】
価格テーブル98に設けられる各リスト(価格テーブル98には、IDリスト98A、商品リスト98B、定価リスト98C、割引リスト98D、所属グループリスト98E、割引数リスト98F)は適宜変更してもよい。例えば、価格テーブル98には、IDリスト98A、商品リスト98B、割引リスト98D、所属グループリスト98Eが設けられ、価格テーブル98と異なるテーブルでIDの夫々に対応する、定価情報、割引数が設定されてもよい。
【0120】
<第五実施形態>
図16、
図18、
図19を参照し、本発明の第五実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第五実施形態に係る物品識別システム1は、価格決定処理における価格決定の態様が異なる点で第四実施形態の物品識別システム1と異なる。より詳細に、第六実施形態に係る物品識別システム1は、会計時に、判別処理(S102、
図17参照)で判別された複数のグループが特定の組み合わせである場合に、其のグループに属する商品の価格に割引を行う。以下、グループの特定の組み合わせがあり、其のグループに属する商品の価格に割引を行うことを、組み合わせ割引を行うという。第五実施形態において、特定の組み合わせとして「第1グループ」と「第2グループ」が設定される。
【0121】
図18、
図19を参照し、第五実施形態の価格決定処理について説明する。まず、第五実施形態の価格決定処理において使用されるフラグについて説明する。記憶部42には、第1グループフラグ、第2グループフラグ、及び組み合わせフラグが記憶されている。第1グループフラグは、会計時に第1グループの商品が含まれる場合に値が1に設定され、会計時に第1グループの商品が含まれない場合に値が0に設定される。第2グループフラグは、会計時に第2グループの商品が含まれる場合に値が1に設定され、会計時に第2グループの商品が含まれない場合に値が0に設定される。組み合わせフラグは、組み合わせ割引を行う場合に値が1に設定され、組み合わせ割引を行わない場合に値が0に設定される。価格決定処理の開始時、第1グループフラグ、第2グループフラグ、及び組み合わせフラグの値は何れも0である。
【0122】
図18に示すように、制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S101)。制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、S102で判別したグループが「第1グループ」であるか否かを判定する(S111)。制御部41は、S102で判別したグループが「第1グループ」であると判定した場合(S111:YES)、第1グループフラグの値を1に設定し(S112)、処理をS105に移行する。
【0123】
制御部41は、S102で判別したグループが「第1グループ」でないと判定した場合(S111:NO)、S102で判別したグループが「第2グループ」であるか否かを判定する(S113)。制御部41は、S102で判別したグループが「第2グループ」であると判定した場合(S113:YES)、第2グループフラグの値を1に設定し(S115)、処理をS105に移行する。制御部41は、S102で判別したグループが「第2グループ」でないと判定した場合(S111:NO)、処理をS105に移行する。
【0124】
制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S105)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S105:NO)、処理をS101に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S105:YES)、所属するグループの特定の組み合わせがあるか否かを判定する(S116)。制御部41は、S116において、第1グループフラグ及び第2グループフラグの値に基づき判定する。
【0125】
制御部41は、第1グループフラグ及び第2グループフラグの値が何れも1であり、所属するグループの特定の組み合わせがあると判定した場合(S116:YES)、組み合わせフラグの値を1に設定し(S117)、処理をS32(
図19参照)に移行する。制御部41は、第1グループフラグ及び第2グループフラグの値の少なくとも一方が0であり、所属するグループの特定の組み合わせがないと判定した場合(S116:NO)、処理をS32に移行する。
【0126】
図19に示すように、S7で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、価格テーブル98に基づき、S32で取得したIDが所属するグループが「第1グループ」又は「第2グループ」であるか否かを判定する(S118)。
【0127】
制御部41は、S32で取得したIDが所属するグループが「第1グループ」又は「第2グループ」であると判定した場合(S118:YES)、組み合わせフラグの値に基づき、組み合わせ割引を行うか否かを判定する(S119)。制御部41は、組み合わせフラグの値が1であり、組み合わせ割引を行うと判定した場合(S119:YES)、S32で取得したIDと、価格テーブル98の割引リスト98Dとに基づき、価格の割引額を適用し(S107)、処理をS53に移行する。
【0128】
制御部41は、S32で取得したIDが所属するグループが「第1グループ」及び「第2グループ」の何れでもないと判定した場合(S118:NO)、又は組み合わせフラグの値が0であり、組み合わせ割引を行わないと判定した場合(S119:NO)、S32で取得したIDと、価格テーブル98の定価リスト98Cとに基づき、商品の価格に定価を適用し(S108)、処理をS53に移行する。
【0129】
制御部41は、定価リスト98Cが示す定価、及びS107、S108で適用した価格の情報に基づき、商品の価格を決定する(S53)。制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0130】
<第五実施形態の作用、効果、変形例>
制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、グループの特定の組み合わせがあり、組み合わせ割引を行うか否かを判定する(S116)。制御部41は、組み合わせ割引を行う場合、「第1グループ」及び「第2グループ」の商品に対して、価格テーブル98の割引リスト98Dに基づき、価格の割引額を適用し(S107)、価格を決定する(S53)。物品識別システム1は、商品が所属するグループの組み合わせが特定の組み合わせである場合、組み合わせ割引を行うとして、グループに属する商品の価格に割引を適用する。よって、物品識別システム1は、各店舗に合わせた割引価格に決定できる。
【0131】
グループの特定の組み合わせは「第1グループ」と「第2グループ」に限らず適宜変更してもよい。特定の組み合わせは3以上のグループの組み合わせであってもよい。
【0132】
<第六実施形態>
図20~
図24を参照し、本発明の第六実施形態に係る物品識別システム1を説明する。第六実施形態に係る物品識別システム1は、各グループに応じた複数の割引情報が設定される点で第四実施形態の物品識別システム1と異なる。
【0133】
図20を参照し、データベース9に含まれる価格テーブル99について説明する。IDの夫々に対して、商品名、所属グループ、定価情報、及び複数の割引情報が対応付けられる。価格テーブル99の割引情報には、価格に対する割引率が設定される。価格テーブル99には、IDリスト99A、商品リスト99B、所属グループリスト99E、定価リスト99C、及び割引リスト99Dが設けられる。IDリスト99A、商品リスト99B、定価リスト99C、及び所属グループリスト99Eは、夫々、IDリスト98A、商品リスト98B、定価リスト98C、及び所属グループリスト98E(
図16参照)に対応する構成である。割引リスト99Dには、夫々のグループに対応する3つの割引情報が設定される。以下、夫々のグループに対応する3つの割引情報を、割引グループと総称する。
【0134】
図21を参照し、第六実施形態の価格決定処理において表示部44に表示される選択画面80Dについて説明する。選択画面80Dには、商品グループリスト領域81D、割引グループリスト領域82D、OKボタン84D、及びNGボタン85Dが含まれる。商品グループリスト領域81Dには、グループの名称が夫々ボックス内に表示される。割引グループリスト領域82Dには、割引グループの割引情報を示す名称が夫々ボックス内に表示される。OKボタン84A、NGボタン85Aには、店舗のユーザの操作を受け付ける領域が表示される。
【0135】
図22~
図24を参照し、第六実施形態の価格決定処理について説明する。制御部41は、RTC46から現在の時刻を取得する(S31)。制御部41は、S7(
図8参照)で記憶されたIDから1つ取得する(S101)。制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、S102で判別したグループを制御部41のRAMに作成する商品グループリストに追加して更新する(S121)。制御部41は、価格テーブル99に基づき、S102で判別したグループに対応する割引グループを制御部41のRAMに作成する割引グループリストに追加して更新する(S122)。
【0136】
制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S105)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S105:NO)、処理をS101に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S105:YES)、S121、S122で更新した商品グループリスト、割引グループリストに基づき、選択画面80Dを表示部44に表示する(S123)。制御部41は、処理をS125(
図23参照)に移行する。
【0137】
ユーザは入力部45を操作し、商品グループリスト領域81Dに表示されるグループの名称、及び割引グループリスト領域82Dに表示される割引グループの割引情報を示す名称を選択する。
図23に示すように、制御部41は、商品グループリスト領域81Dに表示されるグループの名称を選択する操作(以下、グループ選択操作という。)を受け付けたか否かを判定する(S125)。制御部41は、グループ選択操作を受け付けていないと判定した場合(S125:NO)、処理をS128に移行する。
【0138】
制御部41は、グループ選択操作を受け付けたと判定した場合(S125:YES)、選択画面80Dの商品グループリスト領域81Dの表示を更新する(S126)。制御部41は、S125で受け付けたグループ選択操作が示すグループを、割引を適用するグループ(以下、適用グループという。)として記憶部42に記憶する(S127)。制御部41は、処理をS128に移行する。
【0139】
制御部41は、割引グループリスト領域82Dに表示される割引情報を示す名称を選択する操作(以下、割引選択操作という。)を受け付けたか否かを判定する(S128)。制御部41は、割引選択操作を受け付けていないと判定した場合(S128:NO)、処理をS131に移行する。
【0140】
制御部41は、割引選択操作を受け付けたと判定した場合(S128:YES)、選択画面80Dの割引グループリスト領域82Dの表示を更新する(S129)。制御部41は、S128で受け付けた割引選択操作が示す割引情報を、適用する割引情報(以下、適用割引情報という。)として記憶部42に記憶する(S130)。制御部41は、処理をS131に移行する。
【0141】
制御部41は、OKボタン84Dの操作を受け付けたか否かを判定する(S131)。制御部41は、OKボタン84DではなくNGボタン85Dの操作を受け付けたと判定した場合(S131:NO)、処理をS125に戻す。制御部41は、OKボタン84Dの操作を受け付けたと判定した場合(S131:YES)、会計画面80Aを表示部44に表示し(132)、処理をS32(
図24参照)に移行する。
【0142】
図24に示すように、S7で記憶されたIDから1つ取得する(S32)。制御部41は、価格テーブル99の定価リスト99Cを確認し、S32で取得したIDに対応する商品の定価を取得する(S33)。制御部41は、S32で取得したIDが所属するグループが適用グループであるか否かを判定する(S133)。
【0143】
制御部41は、S32で取得したIDが所属するグループが適用グループでないと判定した場合(S133:NO)、S33で取得した定価を商品の価格に適用し(S135)、処理をS53に移行する。
【0144】
制御部41は、S32で取得したIDが所属するグループが適用グループであると判定した場合(S133:YES)、S130で記憶部42に記憶された適用割引情報を取得する(S136)。制御部41は、S32で取得したID、価格テーブル98の割引リスト98D、及びS136で取得した適用割引情報に基づき、価格の割引率を適用し(S137)、処理をS53に移行する。
【0145】
制御部41は、定価リスト99Cが示す定価、及びS135、S137で適用した価格の情報に基づき、商品の価格を決定する(S53)。制御部41は、商品リスト領域81Aに表示する情報を更新する(S55)。制御部41は、S7で記憶されたIDを全て取得したか否かを判定する(S56)。制御部41は、IDを全て取得していないと判定した場合(S56:NO)、処理をS32に戻す。制御部41は、IDを全て取得したと判定した場合(S56:YES)、処理を物品識別処理(
図8参照)に戻す。
【0146】
<第六実施形態の作用、効果、変形例>
データベース9には、価格テーブル99が含まれる。価格テーブル99には、所属グループリスト99E、割引リスト99Dが設けられる。所属グループリスト98Eには、IDが示す商品が所属するグループが設定される。割引リスト99Dには、夫々のグループに対応する3つの割引情報が設定される。これにより、物品識別システム1は、グループの夫々で複数の割引情報が設定できるので、各店舗に合わせた割引価格を容易に設定できる。
【0147】
制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、選択画面80Dを表示部44に表示する(S123)。制御部41は、割引選択操作を受け付けたか否かを判定する(S128)。制御部41は、割引選択操作を受け付けたと判定した場合、S128で受け付けた適用割引情報に基づき、価格の割引額を適用し(S107)、価格を決定する(S53)。物品識別システム1は、店舗のユーザが割引グループから選択した適用割引情報に基づき割引価格を決定するので、各店舗に合わせた割引価格に決定できる。
【0148】
制御部41は、判別処理を実行し、価格テーブル98に基づき、S101で取得したIDの商品が所属するグループを判別する(S102)。制御部41は、選択画面80Dを表示部44に表示する(S123)。制御部41は、グループ選択操作を受け付けたか否かを判定する(S125)。制御部41は、グループ選択操作を受け付けたと判定した場合、S125で受け付けた適用グループが属する商品に対して、価格の割引額を適用し(S107)、価格を決定する(S53)。物品識別システム1は、店舗のユーザが商品グループから選択した適用グループに対する割引価格を決定するので、各店舗に合わせた割引価格に決定できる。
【0149】
価格テーブル99の割引リスト99Dにおいて、夫々のグループに対応する割引情報の数は適宜変更してもよい。価格テーブル99の割引リスト99Dにおいて、夫々のグループに対応する割引情報の数は1つであってもよい。この場合、価格決定処理において、S128~S130、S136の処理を省略してもよい。制御部41は、ユーザによるグループ選択操作を受け付け、受け付けた適用グループに属する商品に対して、割引リスト99Dに基づき割引率を適用する。
【0150】
価格決定処理において、S125~S127、S133の処理を省略してもよい。
割引選択操作を受け付けなくてもよい。制御部41は、ユーザによるグループ選択操作を受け付け、全てのグループに属する商品に対して、複数の割引情報から受け付けた適用割引情報に基づき割引率を適用する。
【0151】
<その他>
上記実施形態において、IDは本発明の「識別子」に相当する。S7の処理は本発明の「抽出処理」に相当する。S18の処理は本発明の「決定処理」に相当する。S5の処理は本発明の「第一表示処理」に相当する。S9の処理は本発明の「第二表示処理」に相当する。S31の処理は本発明の「取得処理」に相当する。割引IDは本発明の「第二識別子」に相当する。S81の処理は本発明の「生成処理」に相当する。S83の処理は本発明の「識別子判定処理」に相当する。S87の処理は本発明の「定価決定処理」に相当する。グループは本発明の「商品群」に相当する。価格テーブル98、99が本発明の「商品群テーブル」に相当する。S102の処理は本発明の「判別処理」に相当する。S103の処理は本発明の「計数処理」に相当する。S116の処理は本発明の「組み合わせ判定処理」に相当する。入力部45は本発明の「受付部」に相当する。S123の処理は本発明の「第三表示処理」「第四表示処理」に相当する。割引選択操作は本発明の「第一選択指示」に相当する。S128の処理は本発明の「割引受付処理」に相当する。グループ選択操作は本発明の「第二選択指示」に相当する。S125の処理は本発明の「群受付処理」に相当する。
【符号の説明】
【0152】
1 物品識別システム
3 撮影装置
4 識別端末
9 データベース
28 ARマーカ
41 制御部
42 記憶部