特開 2024-31128 商品識別システム、商品識別装置、プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024031128

(43)【公開日】2024-03-07

(54)【発明の名称】商品識別システム、商品識別装置、プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/015 20230101AFI20240229BHJP

【ＦＩ】

G06Q30/02 470

【審査請求】未請求

【請求項の数】15

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022134480

(22)【出願日】2022-08-25

(71)【出願人】

【識別番号】000005267

【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100104178

【弁理士】

【氏名又は名称】山本 尚

(72)【発明者】

【氏名】伴野 貴昭

(72)【発明者】

【氏名】吉村 千里

【テーマコード（参考）】

5L049

【Ｆターム（参考）】

5L049BB63

5L049BB72

(57)【要約】

【課題】商品の販売に応じて適切なタイミングで補充する商品の識別子をラベルに印刷することができる商品識別システム、商品識別装置、プログラムを提供する。
【解決手段】識別端末４のＣＰＵは、撮影範囲Ｐ内の商品に貼付されたラベルシール２６に印刷されたＡＲマーカを識別し、撮影範囲Ｐ内の全商品の商品リストを作成して販売額の合計を演算する。商品リストはレジスター装置７に送信されて、精算が行われる。ＣＰＵは、商品リストの各商品について店頭残数を求め、残数が少ない商品を発行リストに追加する。ＣＰＵは印刷端末５に印刷指令を出力し、印刷装置６で発行リストのラベルを印刷する。印刷されたラベルはバックヤードにおいて商品に貼られ、店頭に陳列される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置に接続可能な商品識別システムであって、
所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、
情報を表示可能な表示装置と、
前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置と
前記表示装置、前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な制御装置と、
個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶装置と
を有し、
前記識別子はＡＲマーカであり、
前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、
前記制御装置は、
前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理と、
前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理と、
抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶装置から取得する取得処理と、
前記表示装置に表示指令を出力し、前記商品情報を表示する表示処理と、
前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理と、
前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理と
を実行すること
を特徴とする商品識別システム。

【請求項2】

前記制御装置は、
前記表示装置および前記撮影装置に制御指令を出力可能な第一制御装置と、
前記印刷装置に制御指令を出力可能な第二制御装置と
を含み、
前記第一制御装置は前記表示装置と一体の装置であって、前記撮影処理、前記抽出処理、前記取得処理、前記表示処理および前記送信処理を実行可能であり、
前記第二制御装置は、前記第一制御装置から前記商品情報を取得して、前記印刷処理を実行可能であること
を特徴とする請求項１に記載の商品識別システム。

【請求項3】

前記制御装置は、
前記表示処理において、前記商品情報を前記撮影画像に重畳して表示すること
を特徴とする請求項１または２に記載の商品識別システム。

【請求項4】

前記制御装置は、
前記抽出処理において前記撮影画像から抽出した前記識別子の種類数に応じた回数分、前記取得処理を繰り返し、前記種類数分の前記印刷指令を生成する生成処理と、
前記生成した前記印刷指令を前記記憶装置に一時的に記憶するスプール処理と
を実行し、
前記印刷処理では、前記記憶装置に一時的に記憶する前記種類数分の前記印刷指令をまとめて前記印刷装置に出力すること
を特徴とする請求項３に記載の商品識別システム。

【請求項5】

前記制御装置は、
前記レジスター装置に接続し、前記レジスター装置が保持する前記商品情報を取り込む取込処理と、
取り込んだ前記商品情報に基づいて、前記識別子を作成する作成処理と
作成した前記識別子と、取り込んだ前記商品情報とを対応付けて前記記憶装置に記憶する記憶処理と
を実行すること
を特徴とする請求項１に記載の商品識別システム。

【請求項6】

前記印刷処理において出力される前記印刷指令は、
前記ラベルに前記識別子の印刷を指示する識別子印刷指令と、
前記ラベル内、または前記ラベルの前および後の少なくとも一方において印刷されるラベル、もしくは前記ラベルが貼付される台紙の余白部位に、前記識別子に対応する前記商品情報が示す商品の種類を識別可能な種類情報の印刷を指示する種類情報印刷指令と
を含むこと
を特徴とする請求項１に記載の商品識別システム。

【請求項7】

前記制御装置は、
前記印刷指令を生成した場合に、前記商品情報に応じた所定条件の成立の有無を判断する条件処理
を実行し、
前記印刷処理において、前記所定条件が成立した場合に、前記印刷装置に前記印刷指令を出力すること
を特徴とする請求項１に記載の商品識別システム。

【請求項8】

前記制御装置は、
前記取得処理において前記商品情報を取得した数を所定時期以降に累積した数である売上数を、個々の商品ごとに算出する累積処理と、
前記売上数に基づき商品の前記識別子を前記ラベルに印刷する旨を報せる報知情報を表示する報知指令を前記表示装置に出力する報知処理と
を実行すること
を特徴とする請求項１に記載の商品識別システム。

【請求項9】

前記報知情報は、商品の数に関連する情報を含むこと
を特徴とする請求項８に記載の商品識別システム。

【請求項10】

前記制御装置は、
前記表示処理において前記売上数を含む前記報知情報を前記表示装置に表示した後に、操作の入力を受け付ける入力装置により前記ラベルの印刷数の入力を受け付ける印刷数入力処理
を実行し、
前記印刷処理において、前記入力装置に入力された前記印刷数を含む前記印刷指令を前記印刷装置に出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を印刷した前記ラベルを前記印刷数に応じて作成すること
を特徴とする請求項９に記載の商品識別システム。

【請求項11】

前記制御装置は、
前記累積処理において算出された前記売上数を所定の販売基準数と比較する第一比較処理
を実行し、
前記売上数が前記販売基準数を超えた場合に、前記報知処理において前記表示装置に前記報知指令を出力すること
を特徴とする請求項８に記載の商品識別システム。

【請求項12】

前記商品情報は、個々の商品ごとに、商品を売り場に陳列する数である発行数の情報を含み、
前記制御装置は、
前記発行数から前記売上数を減算した残数を演算する演算処理と、
前記売上数を所定の在庫基準数と比較する第二比較処理と
を実行し、
前記残数が前記在庫基準数以下となった場合に、前記報知処理において前記表示装置に前記報知指令を出力すること
を特徴とする請求項８に記載の商品識別システム。

【請求項13】

前記制御装置は、
操作の入力を受け付ける入力装置により前記ラベルの印刷数の入力を受け付ける印刷数入力処理
を実行し、
前記印刷処理において、前記入力装置に入力された前記印刷数を含む前記印刷指令を前記印刷装置に出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を印刷した前記ラベルを前記印刷数に応じて作成すること
を特徴とする請求項８に記載の商品識別システム。

【請求項14】

商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置と、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置とに接続可能な商品識別装置であって、
情報を表示可能な表示部と、
前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な制御部と、
個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶部と
を備え、
前記識別子はＡＲマーカであり、
前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、
前記制御部は、
前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理部と、
前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理部と、
抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶部から取得する取得処理部と、
前記表示部に前記商品情報を表示する表示処理部と、
前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理部と、
前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理部と
を備えたこと
を特徴とする商品識別装置。

【請求項15】

商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置と、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置とに接続可能であり、前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な商品識別装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記商品識別装置は、
情報を表示可能な表示部と、
個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶部と
を備え、
前記識別子はＡＲマーカであり、
前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、
前記プログラムは、
前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理と、
前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理と、
抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶部から取得する取得処理と、
前記表示部に前記商品情報を表示する表示処理と、
前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理と、
前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理と
を前記コンピュータに実行させること
を特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、複数の商品の情報を一括で識別する商品識別システム、商品識別装置、プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

複数の商品の情報を一括で認識できる装置が知られている。特許文献１に記載の商品登録装置は、トレー上の複数の商品を撮影し、撮影画像中の商品のバーコードを一括で読み取ることで、複数の商品をまとめて認識することができる。認識された商品の情報はレジスター装置に送られ、販売金額が合計されて、精算が行われる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１６－１７７４３３号広報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

販売された商品を補充する場合、販売員は、陳列棚に残る商品の残数を調べて補充数を求め、補充数分の商品のバーコードを用意する必要がある。最繁時には商品の残数を調べるのが遅くなり、欠品が生じてしまう可能性があった。

【0005】

本発明の目的は、商品の販売に応じて適切なタイミングで補充する商品の識別子をラベルに印刷することができる商品識別システム、商品識別装置、プログラムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の第一態様によれば、商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置に接続可能な商品識別システムであって、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、情報を表示可能な表示装置と、前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置と前記表示装置、前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な制御装置と、個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶装置とを有し、前記識別子はＡＲマーカであり、前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、前記制御装置は、前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理と、前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理と、抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶装置から取得する取得処理と、前記表示装置に表示指令を出力し、前記商品情報を表示する表示処理と、前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理と、前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理とを実行することを特徴とする商品識別システムが提供される。

【0007】

商品識別システムは、商品が販売されると、商品情報を示す識別子をラベルに印刷する。すなわち商品識別システムは、補充が必要となった商品の識別子を、適切なタイミングで、ラベルに印刷することができる。ユーザは、印刷されたラベルを貼り付けた商品を陳列棚に補充し、欠品を防ぐことができる。

【0008】

第一態様において、前記制御装置は、前記表示装置および前記撮影装置に制御指令を出力可能な第一制御装置と、前記印刷装置に制御指令を出力可能な第二制御装置とを含み、前記第一制御装置は前記表示装置と一体の装置であって、前記撮影処理、前記抽出処理、前記取得処理、前記表示処理および前記送信処理を実行可能であり、前記第二制御装置は、前記第一制御装置から前記商品情報を取得して、前記印刷処理を実行可能であってもよい。商品を撮影して識別子を抽出し、商品情報を対応付けてレジスター装置に送信する処理と、商品情報に基づく識別子をラベルに印刷する処理とを別々の制御装置で行うことで、商品識別システムは、制御負荷を減らし、適切なタイミングに識別子をラベルに印刷することができる。

【0009】

第一態様において、前記制御装置は、前記表示処理において、前記商品情報を前記撮影画像に重畳して表示してもよい。ユーザは、撮影画像に写る商品に重畳して表示される商品情報を一瞥し、販売する商品が商品識別システムに正しく認識されているか否かを確認することができる。故に商品識別システムは、販売した商品の数と一致する数の商品を補充するのに必要なラベルを適切なタイミングで印刷することができる。

【0010】

第一態様において、前記制御装置は、前記抽出処理において前記撮影画像から抽出した前記識別子の種類数に応じた回数分、前記取得処理を繰り返し、前記種類数分の前記印刷指令を生成する生成処理と、前記生成した前記印刷指令を前記記憶装置に一時的に記憶するスプール処理とを実行し、前記印刷処理では、前記記憶装置に一時的に記憶する前記種類数分の前記印刷指令をまとめて前記印刷装置に出力してもよい。制御装置は、撮影装置による撮影が行われる度、すなわち商品精算の度に、撮影画像に写る商品に対応する識別子の種類数分、それぞれの商品に対応する識別子を印刷するための印刷指令を生成する。印刷指令は記憶装置に記憶され、全種類の識別子のそれぞれに応じた印刷指令がまとめて印刷装置に出力される。故に商品識別システムは、販売した商品の数と一致する数の商品を補充するのに必要なラベルを適切なタイミングに効率よく印刷することができる。

【0011】

第一態様において、前記制御装置は、前記レジスター装置に接続し、前記レジスター装置が保持する前記商品情報を取り込む取込処理と、取り込んだ前記商品情報に基づいて、前記識別子を作成する作成処理と作成した前記識別子と、取り込んだ前記商品情報とを対応付けて前記記憶装置に記憶する記憶処理とを実行してもよい。制御装置は、レジスター装置が保持する商品情報を取り込んで新たに識別子を作成し、識別子と商品情報とを対応付けたデータを既存のデータに追加することができる。故に、新たな商品をレジスター装置と商品識別システムとの双方に登録しなくても済む。

【0012】

第一態様において、前記印刷処理において出力される前記印刷指令は、前記ラベルに前記識別子の印刷を指示する識別子印刷指令と、前記ラベル内、または前記ラベルの前および後の少なくとも一方において印刷されるラベル、もしくは前記ラベルが貼付される台紙の余白部位に、前記識別子に対応する前記商品情報が示す商品の種類を識別可能な種類情報の印刷を指示する種類情報印刷指令とを含んでもよい。印刷装置は、識別子が印刷されるラベル内、またはそのラベルの前後に印刷されるラベル、もしくは台紙の余白部位に、商品の種類情報を印刷する。故にユーザは、識別子が印刷されたラベルが、どの商品のものであるかを容易に把握することができ、商品を取り違えにくい。よってユーザは、商品の補充を適切に行って、欠品を防ぐことができる。

【0013】

第一態様において、前記制御装置は、前記印刷指令を生成した場合に、前記商品情報に応じた所定条件の成立の有無を判断する条件処理を実行し、前記印刷処理において、前記所定条件が成立した場合に、前記印刷装置に前記印刷指令を出力してもよい。所定条件とは、例えば、印刷指令の生成時期から所定時間が経過した場合、あらかじめ決められた時刻になった場合、バックヤードに収納する商品の数量が補充に必要な数だけ揃った場合等である。所定条件が成立したらラベルを印刷することで、ユーザは、商品の補充を適切なタイミングに行うことができる。

【0014】

第一態様において、前記制御装置は、前記取得処理において前記商品情報を取得した数を所定時期以降に累積した数である売上数を、個々の商品ごとに算出する累積処理と、前記売上数に基づき商品の前記識別子を前記ラベルに印刷する旨を報せる報知情報を表示する報知指令を前記表示装置に出力する報知処理とを実行してもよい。商品が販売された売上数に基づいて在庫を補充する必要が生ずると、表示装置に報知情報が表示されるので、ユーザは、商品の補充を適切なタイミングに行って、欠品を防ぐことができる。

【0015】

第一態様において、前記報知情報は、商品の数に関連する情報を含んでもよい。表示装置には、報知情報として印刷を行う旨を報せる情報と、陳列棚に残る商品の残数または補充を行う商品の数の情報が適切なタイミングに表示される。故にユーザは、商品の残数または補充に必要な商品の数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0016】

第一態様において、前記制御装置は、前記表示処理において前記売上数を含む前記報知情報を前記表示装置に表示した後に、操作の入力を受け付ける入力装置により前記ラベルの印刷数の入力を受け付ける印刷数入力処理を実行し、前記印刷処理において、前記入力装置に入力された前記印刷数を含む前記印刷指令を前記印刷装置に出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を印刷した前記ラベルを前記印刷数に応じて作成してもよい。表示装置に、補充を行う商品の数として売上数が表示される。ユーザは売上数を参考に、例えば時間帯などの条件を加味した印刷数を入力することができる。故にユーザは、補充に必要な商品の数に応じて適切なタイミングに適切な数の商品を補充することで、欠品を防ぐことができる。

【0017】

第一態様において、前記制御装置は、前記累積処理において算出された前記売上数を所定の販売基準数と比較する第一比較処理を実行し、前記売上数が前記販売基準数を超えた場合に、前記報知処理において前記表示装置に前記報知指令を出力してもよい。表示装置には、商品が販売された売上数が所定の販売基準数を超えた場合に、補充を行う商品の数として売上数が表示される。故にユーザは、売上数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0018】

第一態様において、前記商品情報は、個々の商品ごとに、商品を売り場に陳列する数である発行数の情報を含み、前記制御装置は、前記発行数から前記売上数を減算した残数を演算する演算処理と、前記売上数を所定の在庫基準数と比較する第二比較処理とを実行し、前記残数が前記在庫基準数以下となった場合に、前記報知処理において前記表示装置に前記報知指令を出力してもよい。表示装置には、陳列棚に残る商品の残数が所定の在庫基準数以下となった場合に、商品の残数の情報が表示される。故にユーザは、陳列棚に残る商品の残数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0019】

第一態様において、前記制御装置は、前記表示処理において前記残数を含む前記報知情報を前記表示装置に表示した後に、操作の入力を受け付ける入力装置により前記ラベルの印刷数の入力を受け付ける印刷数入力処理を実行し、前記印刷処理において、前記入力装置に入力された前記印刷数を含む前記印刷指令を前記印刷装置に出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を印刷した前記ラベルを前記印刷数に応じて作成してもよい。表示装置に、陳列棚に残る商品の残数が表示される。ユーザは残数を参考に、例えば時間帯などの条件を加味した印刷数を入力することができる。故にユーザは、商品の残数に応じて適切なタイミングに適切な数の商品を補充することで、欠品を防ぐことができる。

【0020】

本発明の第二態様によれば、商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置と、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置とに接続可能な商品識別装置であって、情報を表示可能な表示部と、前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な制御部と、個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶部とを備え、前記識別子はＡＲマーカであり、前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、前記制御部は、前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理部と、前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理部と、抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶部から取得する取得処理部と、前記表示部に前記商品情報を表示する表示処理部と、前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理部と、前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理部とを備えたことを特徴とする商品識別装置が提供される。故に商品識別装置は、請求項１に係る商品識別システムと同様の効果を奏する。

【0021】

本発明の第三態様によれば、商品に関する商品情報の入力を受け付けて、前記商品情報に基づく販売額を合計するレジスター装置と、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影装置と、前記商品情報を示す識別子をラベルに印刷可能な印刷装置とに接続可能であり、前記撮影装置および前記印刷装置に対する制御指令を出力可能な商品識別装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記商品識別装置は、情報を表示可能な表示部と、個々の商品の前記商品情報を前記識別子と対応付けて記憶する記憶部とを備え、前記識別子はＡＲマーカであり、前記撮影装置の前記撮影範囲内には、前記識別子が予め設けられた複数の商品が配置され、前記プログラムは、前記撮影装置に撮影指令を出力し、前記撮影範囲を撮影した撮影画像を取得する撮影処理と、前記撮影画像から前記識別子を抽出する抽出処理と、抽出した前記識別子に対応する前記商品情報を前記記憶部から取得する取得処理と、前記表示部に前記商品情報を表示する表示処理と、前記商品情報を前記レジスター装置に送信する送信処理と、前記印刷装置に印刷指令を出力し、前記商品情報に対応する前記識別子を前記ラベルに印刷する印刷処理とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。故にプログラムは、請求項１に係る商品識別システムと同様の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0022】

【図1】商品識別システム１の外観を示す斜視図である。

【図2】商品識別システム１の電気的構成を示すブロック図である。

【図3】商品識別画面８０の表示例である。

【図4】商品情報データベース９０の概念図である。

【図5】ラベル発行処理のフローチャートである。

【図6】ラベルシール２６の印刷例を示す図である。

【図7】商品識別処理のフローチャートである。

【図8】商品識別処理のフローチャートの続きである。

【図9】商品識別画面８０で目印表示と商品名表示を行うときの表示例である。

【図10】会計処理のフローチャートである。

【図11】会計処理のフローチャートの続きである。

【発明を実施するための形態】

【0023】

図面を参照し、本発明の一実施形態に係る商品識別システム１を説明する。商品識別システム１は、識別用のコードがそれぞれに設けられた複数の商品を撮影し、撮影画像から抽出したコードの数を提示して、商品の点数に間違いがないかが容易に確認できるようにするシステムである。商品識別システム１は、例えば商品を販売する店舗において、精算時に複数の商品を一括して識別するシステムとして用いられる。さらに、商品識別システム１は、商品が販売されて店頭在庫がなくなりそうになった場合に、バックヤードから店頭在庫が補充されるように、識別用のコードを印刷したラベルを作成するシステムを構成する。

【0024】

図１に示すように、商品識別システム１は、撮影台２、撮影装置３、識別端末４、印刷端末５、印刷装置６を備える。撮影台２は、撮影対象の複数の商品を配置する位置を示す台である。本実施形態では、複数の商品を載せるトレー２５を用意し、撮影台２上にトレー２５を配置することで、トレー２５上のすべての商品が撮影範囲Ｐ内に配置される。それぞれの商品は個別に透明な袋に包装され、予め、商品名と、商品の種類毎に異なるコードが印刷されたラベルシール２６が貼り付けられている。コードは、例えばＡＲマーカである。

【0025】

撮影装置３は、撮影台２上に予め設定された撮影範囲Ｐを撮影台２の上方から撮影する装置である。撮影装置３は、撮影台２の側方に固定されて上方へ延びる柱状部分と、柱状部分の上部において撮影台２の中央上方へ向けて延びる腕状部分と、腕状部分の下部に設けられ、下方に位置する撮影台２に撮影方向を向ける撮影部３１を有する。撮影部３１は、撮影台２の撮影範囲Ｐを撮影するように、予め撮影方向および画角が調整されて、撮影装置３に組み付けられる。

【0026】

識別端末４は、例えば周知のタブレット端末である。識別端末４は公知のＵＳＢケーブル３５を用いて撮影装置３と接続し、撮影装置３が撮影する撮影範囲Ｐの撮影画像あるいは撮影映像を取得する。なお、静止画である撮影画像と動画である撮影映像を特に区別しない場合、以下説明では、撮影画像という。識別端末４はオペレータによる操作の入力を受け付け、撮影装置３が撮影した撮影画像、撮影画像から抽出したコードの数、コードに対応する商品情報のリスト等を画面に表示する。識別端末４は、公知のレジスター装置７に設けられたハンディスキャナ用のシリアルポートに接続したシリアルケーブル７７と、識別端末４に接続するＵＳＢケーブル７５とをＵＳＢシリアル変換器７６を介して接続することで、レジスター装置７にデータを送信することができる。

【0027】

印刷端末５は、識別端末４と同様に周知のタブレット端末である。印刷端末５は無線ＬＡＮやＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の無線通信によって識別端末４と接続し、データの送受信を行う。また、印刷端末５は、ＵＳＢケーブル６５を用いて印刷装置６と接続する。印刷装置６は、例えば公知の感熱ラベル用の印刷装置である。印刷端末５から受信する印刷データに基づいて、商品名とそのコードをラベルシール２６に印刷する。なお、ラベルシール２６には、商品名とコード以外にも、商品の販売額、商品の型番、賞味期限、アレルギー情報等、その他の情報が印刷されてもよい。

【0028】

商品識別システム１が識別対象とする商品は、店頭で販売される商品であり、例えばパンである。撮影台２、撮影装置３、識別端末４およびレジスター装置７は、商品を販売する売り場に配置される。また、印刷端末５および印刷装置６は、商品を製造するバックヤードに配置される。

【0029】

図２を参照し、商品識別システム１の電気的構成について説明する。撮影装置３は、撮影部３１と制御部３２を有する。撮影部３１は、公知のＣＣＤイメージセンサあるいはＣＭＯＳイメージセンサである。制御部３２は、撮影部３１から出力されるデータを処理して撮影画像の画像データを生成し、識別端末４に出力する。撮影映像を出力する場合、制御部３２は、フレームレートに従って画像データを連続して生成し、映像データとして識別端末４に出力する。

【0030】

識別端末４は、制御部４０、記憶部４４、タッチパネル４６、ＵＳＢインターフェース４５、無線通信部４９を有する。制御部４０は、ＣＰＵ４１、ＲＯＭ４２、ＲＡＭ４３を備える。ＣＰＵ４１は識別端末４の制御を司る。ＲＯＭ４２には、ＯＳや初期設定情報が記憶される。ＲＡＭ４３には、ＣＰＵ４１が処理を実行する過程でデータが一時的に記憶される。記憶部４４は、例えばフラッシュメモリである。記憶部４４には、ＣＰＵ４１が実行するための制御プログラム、後述の商品識別プログラム、コードと商品の情報を関連付ける商品情報データベース９０等が記憶される。

【0031】

タッチパネル４６は、表示部４８と入力部４７を備える。表示部４８は液晶ディスプレイである。入力部４７は、表示部４８の表面に設けられたタッチパネルである。ＵＳＢインターフェース４５は、ＵＳＢ規格により、撮影装置３に接続し、レジスター装置７にはＵＳＢシリアル変換器７６を介してシリアル変換して接続し、データ通信を行う。無線通信部４９は、例えば無線ＬＡＮにより印刷端末５と接続し、データ通信を行う。レジスター装置７は、ＳＤカード７１の読み書き装置（図示略）を備える。レジスター装置７は、商品情報のデータベースを記憶装置（図示略）に記憶し、ＳＤカード７１に書き出すことができる。

【0032】

印刷装置６は、印刷部６１と制御部６２を備える。印刷部６１は、台紙に貼付されたラベルシール２６に商品名、ＡＲマーカ等を印刷する。制御部６２は、印刷装置６の制御を司る。印刷端末５は、制御部５０、記憶部５４、タッチパネル５６、ＵＳＢインターフェース５５、無線通信部５９を有する。制御部５０は、ＣＰＵ５１、ＲＯＭ５２、ＲＡＭ５３を備える。ＣＰＵ５１は印刷端末５の制御を司る。ＲＯＭ５２には、ＯＳや初期設定情報が記憶される。ＲＡＭ５３には、ＣＰＵ５１が処理を実行する過程でデータが一時的に記憶される。記憶部５４は、例えばフラッシュメモリである。記憶部５４には、ＣＰＵ５１が実行するための制御プログラム、後述のラベル発行プログラム等が記憶される。

【0033】

タッチパネル５６は、表示部５８と入力部５７を備える。表示部５８は液晶ディスプレイである。入力部５７は、表示部５８の表面に設けられたタッチパネルである。ＵＳＢインターフェース５５は、ＵＳＢ規格により、印刷装置６およびカードリーダ７０と接続し、データ通信を行う。カードリーダ７０はＳＤカード７１に書き込まれる商品情報のデータベースを読み込むことができる。無線通信部５９は、例えば無線ＬＡＮにより識別端末４と接続し、データ通信を行う。

【0034】

図３を参照し、識別端末４の表示部４８に表示される画面を説明する。後述する商品識別処理において、識別端末４の表示部４８には商品識別画面８０が表示される。商品識別画面８０には、点数入力領域８１、撮影画像表示領域８２、商品リスト表示領域８３、ＯＫボタン８４、ＮＧボタン８５、合計額表示領域８６、合計点数表示領域８７が含まれる。

【0035】

点数入力領域８１には、オペレータのタッチ操作により、撮影台２上に配置される商品の点数の入力を受け付けるための操作項目が表示される。一例として、オペレータがタッチ操作で選択可能な商品点数を示す１～１０の数値と、１１以上の数値を入力する場合にスワイプ操作で操作項目を表示可能であることを示す三角印が表示される。オペレータによる商品点数の入力が行われた場合、入力された点数を囲って示す丸印が表示される。

【0036】

撮影画像表示領域８２には、撮影装置３が撮影した撮影範囲Ｐの撮影画像が表示される。撮影画像には、撮影台２に配置される複数の商品と、それぞれの商品に設けられた識別用のコードも写って表示される。商品リスト表示領域８３には、撮影画像から抽出したコードに対応する商品情報が一覧表示される。商品情報は商品名と単価を含み、後述する商品情報データベース９０において、コードと対応付けられている。商品情報は、後述する商品識別処理においてＲＡＭ４３に設けられる商品リストに追加される。商品リスト表示領域８３には、商品リストに基づく商品情報の一覧が表示される。

【0037】

ＯＫボタン８４は、オペレータが入力した商品点数と、撮影画像から抽出したコードの点数が一致する場合にアクティブ化され、操作可能となるボタンである。ＮＧボタン８５は、商品点数とコード点数が不一致である場合にアクティブ化され、操作可能となるボタンである。合計額表示領域８６には、商品リスト表示領域８３に一覧表示される商品の合計金額が表示される。合計点数表示領域８７には、商品リスト表示領域８３に一覧表示される商品の合計点数が表示される。合計点数は、撮影画像から抽出したコードの点数である。

【0038】

図４を参照し、記憶部４４に記憶される商品情報データベース９０を説明する。商品情報データベース９０には、商品情報として、コード番号、コード、商品名、単価、店頭補充数、売上数、在庫基準数、および販売基準数が対応付けて記憶される。コード番号は、商品の種類ごとに割り振られた番号である。コードは、ＡＲマーカとして予め登録されたコードの特徴を表す情報（図４では便宜上、コードの外観図を示す）であり、コード番号ごとに異なる。商品名は、販売する商品の名称である。単価は、その商品の販売価格である。店頭補充数は、所定時期（例えば営業日当日の最初にラベル発行処理のアプリケーションを立ち上げた時）を基準に、当日において入荷または生産し、店頭に補充した、あるいは補充予定の商品の累積数である。売上数は、所定時期以降に販売された商品の累積数である。在庫基準数は、店頭に並べられている商品の数に基づいて商品を補充する場合に基準とする商品の残数である。在庫基準数は、店頭に並べられた商品の残数を切らさないように管理するため、商品の種類ごとに予め設定される。販売基準数は、商品のその日の販売数を累計した売上数に基づいて、その商品を補充する基準とする数である。販売基準数は、売上数が伸びた場合に、その商品を売れ筋商品として店頭における残数を確保できるように、商品の種類ごとに予め設定される。商品情報データベース９０は、識別端末４への商品識別プログラムのインストール時に、記憶部４４に記憶される。

【0039】

図５を参照し、ラベル発行処理について説明する。印刷端末５において、オペレータによってラベル発行処理のアプリケーションを起動するための操作が入力部５７を介して行われた場合、記憶部５４に記憶されたラベル発行プログラムを制御部５０のＣＰＵ５１が読み出して実行することにより、ラベル発行処理が開始される。

【0040】

制御部５０のＣＰＵ５１は、表示部５８に商品情報の編集またはラベルの発行を行う選択画面（図示略）を表示する。ＣＰＵ５１は、バックヤードのオペレータによる操作または識別端末４からラベル発行指令の受信がなければ待機する（Ｓ１：ＮＯ、Ｓ１１：ＮＯ、Ｓ１２：ＮＯ）。

【0041】

オペレータによって商品情報の編集を行う操作が行われた場合（Ｓ１：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は、識別端末４の記憶部４４に記憶された商品情報データベース９０を識別端末４から取得する（Ｓ２）。ＣＰＵ５１は、商品情報データベース９０に登録された商品の商品情報を一覧表示し、オペレータによるデータベースの編集を受け付ける（Ｓ３、Ｓ５：ＮＯ、Ｓ８：ＮＯ）。オペレータは、商品情報データベース９０に登録された商品の単価、在庫基準数、販売基準数等を設定することができる。また、オペレータは、店頭補充数を修正することができる。なお、店頭補充数は後述するラベルの発行時に、発行枚数に応じて追加されるので、ここでは店頭補充数に間違いがあった場合の修正が行われる。さらにオペレータは、レジスター装置７に記憶された商品情報のデータベースをＳＤカード７１に書き出し、それをカードリーダ７０で読み込むことで、新規商品を追加することができる（Ｓ５：ＹＥＳ、Ｓ６）。この場合、新たに読み込まれた商品情報にはコード番号が割り当てられ、ＡＲコードが作成される（Ｓ７）。オペレータがデータベースの編集を終了する操作を行うと（Ｓ８：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は、編集後の商品情報データベース９０を識別端末４に送信する（Ｓ１０）。識別端末４は、印刷端末５から受信した商品情報データベース９０を記憶部４４に上書きして更新する。ＣＰＵ５１は、待機状態に移行する。

【0042】

オペレータによってラベルを発行する操作が行われた場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ５１は、商品情報データベース９０を識別端末４から取得する（Ｓ１３）。ＣＰＵ５１は、商品情報データベース９０に登録された商品の商品情報を一覧表示し、商品の選択と、ラベルの発行枚数の入力を受け付ける（Ｓ１５）。オペレータは、店頭に並べるために用意した商品（例えば焼き上がったパン）をデータベースから選択し、用意した商品の個数をラベルの発行枚数として入力する。ＣＰＵ５１は、入力された発行枚数を、選択された商品の店頭補充数に加算して商品情報データベース９０に追加すると（Ｓ１６）、商品情報データベース９０を識別端末４に送信する（Ｓ１７）。識別端末４は、印刷端末５から受信した商品情報データベース９０を記憶部４４に上書きして更新する。

【0043】

次にＣＰＵ５１は、選択された商品の商品情報に基づき、商品名とそのコードを、発行枚数分、ラベルシール２６に印刷する印刷指令を印刷装置６に出力する印刷処理を行う（Ｓ１８）。ＣＰＵ５１は処理をＳ１に戻し、待機状態に移行する。例えば図６に示すように、カレーパンのラベルシール２６を３枚発行する場合、ＣＰＵ５１は、３枚分のラベルシール２６に商品名２３とＡＲマーカ２４を印刷する。さらに、ラベルシール２６が貼り付けられた台紙２１の余白部２２に、商品の種類情報を印刷する。種類情報が印刷される余白部２２は、最初に発行されるラベルシール２６の近傍か、最後に発行されるラベルシール２６の近傍であることが望ましい。種類情報は、例えば商品名であり、発行枚数を含む。なお、ラベルシール２６は、余白部２２を残して予め所定の大きさに型抜きされ、余白部分が取り除かれていないダイカットラベルを用いて作成される。オペレータは、印刷されたラベルシール２６を商品に貼り付け、売り場に運び、店頭に陳列する。

【0044】

なお、印刷端末５は、後述する識別端末４からラベル発行指令を受信する場合がある（Ｓ１１：ＹＥＳ）。この場合、ＣＰＵ５１はＳ１６～Ｓ１８を実行して、ラベル発行指令とともに受信する商品リストに含まれる商品情報に基づき、商品情報データベース９０の店頭補充数を加算し、商品名とそのコードを、発行枚数分、ラベルシール２６に印刷する。

【0045】

図７～図１１を参照し、商品識別処理について説明する。識別端末４において、店頭のオペレータによって商品識別処理のアプリケーションを起動するための操作が入力部４７を介して行われた場合、記憶部４４に記憶された商品識別プログラムを制御部４０のＣＰＵ４１が読み出して実行することにより、商品識別処理が開始される。

【0046】

制御部４０のＣＰＵ４１は、表示部４８に初期状態の商品識別画面８０を表示する。図３に示す商品識別画面８０では、初期状態において、点数入力領域８１がアクティブ化され、タッチ操作による商品点数の入力（選択）が可能な状態となる。商品点数は、オペレータが目視で数えた撮影台２上の商品の数である。なお、撮影画像表示領域８２、商品リスト表示領域８３、合計額表示領域８６、合計点数表示領域８７には項目以外に何も表示されず、ＯＫボタン８４、ＮＧボタン８５は非アクティブの状態である。

【0047】

図７に示すように、ＣＰＵ４１は商品点数の入力待ちを行う（Ｓ２１：ＮＯ）。オペレータのタッチ操作によって商品点数の入力を受け付けると（Ｓ２１：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、入力された商品点数を記憶部４４に記憶する（Ｓ２２）。ＣＰＵ４１は、商品識別画面８０の点数入力領域８１において、入力された商品点数を示す数値を囲む位置に、丸印を表示する（Ｓ２３）。

【0048】

ＣＰＵ４１は撮影装置３に撮影指令を出し、撮影部３１による撮影範囲Ｐの撮影を開始する（Ｓ２５）。撮影範囲Ｐの撮影は映像により行われる。ＣＰＵ４１は撮影装置３の制御部３２から映像データを受信し、表示部４８の撮影画像表示領域８２への表示を開始する（Ｓ２６）。

【0049】

ＣＰＵ４１は、映像データから撮影画像を取得して、取得した撮影画像に対するコード抽出処理を行う（Ｓ２７）。コード抽出処理では、撮影画像においてＡＲマーカとしての特徴部を有するオブジェクトがＡＲオブジェクトとして抽出される。なお、商品の包装が他の商品のコードと重なって配置される場合があるが、包装が透明であれば、ＡＲオブジェクトを抽出する処理への影響は生じにくい。

【0050】

ＣＰＵ４１は、撮影画像表示領域８２に表示する撮影画像に対し、コード抽出処理で抽出したＡＲオブジェクトのそれぞれに対し、識別対象として抽出したことを示す目印の表示を行う（Ｓ２８）。図９に示すように、ＡＲオブジェクトとして抽出されたオブジェクトを示す目印２８が、撮影画像に重ねて表示される。目印２８は、例えば、ＡＲオブジェクトの輪郭部を縁取る緑色の枠体である。

【0051】

図７に示すように、ＣＰＵ４１は、記憶部４４の商品情報データベース９０に照会し、コード抽出処理で抽出したＡＲオブジェクトが示すコードに対応する商品情報を検索する（Ｓ３１）。コード照会は、商品情報データベース９０に登録された全ての商品情報に対して行われる。抽出したコードに対応する商品情報が見つかると、ＣＰＵ４１は商品情報データベース９０から商品情報を読み込み、ＲＡＭ４３に作成する商品リストに追加して記憶する（Ｓ３３）。すべての商品情報に対するコード照会が完了しないうちは（Ｓ３７：ＮＯ）、ＣＰＵ４１はＳ３１に戻り、コード照会を継続する。全てのコードに対するコード照会が完了した場合（Ｓ３７：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、処理をＳ４１に進める。

【0052】

図８に示すように、ＣＰＵ４１は、商品リストを記憶部４４に記憶する（Ｓ４１）。ＣＰＵ４１は、商品識別画面８０の商品リスト表示領域８３に、商品リストを表示する（Ｓ４２）。次にＣＰＵ４１は、撮影画像表示領域８２に表示する撮影画像（映像）に写るコードの近傍に、コードに対応する商品名を表示する（Ｓ４３）。図９に示すように、コード抽出処理において抽出されたＡＲオブジェクトの位置の近傍に、ＡＲオブジェクトが示すコードに対応する商品情報から取得された商品名２９が、撮影画像に重ねて表示される。

【0053】

図８に示すように、ＣＰＵ４１は、商品リストに含まれる商品の単価と個数をそれぞれ掛け合わせ、各商品の金額を足し合わせた合計金額を算出する。また、全商品の個数を足し合わせた商品点数を算出する（Ｓ４５）。商品点数は、すなわち、コード抽出処理において抽出されたコードの点数である。ＣＰＵ４１は、算出した合計金額を合計額表示領域８６に表示し、算出したコード点数を、合計点数表示領域８７に表示する（Ｓ４６）。

【0054】

ＣＰＵ４１は、Ｓ２２で記憶した商品点数と、Ｓ４５で算出したコード点数を比較する。商品点数とコード点数が一致する場合（Ｓ５１：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、ＯＫボタン８４をアクティブ化し（Ｓ５２）、オペレータのタッチ操作によるＯＫボタン８４の操作の入力待ちを行う（Ｓ５３：ＮＯ）。ＯＫボタン８４が操作されると（Ｓ５３：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は撮影装置３に指示を出し、撮影部３１による撮影範囲Ｐの撮影を終了する。また、表示部４８の撮影画像表示領域８２には、撮影映像の最後のフレームにおいて表示された撮影画像（静止画）を表示する（Ｓ５５）。ＣＰＵ４１は、後述する会計処理へ、処理を移行する（Ｓ５６）。

【0055】

例えば、商品が他の商品と重なって配置され、撮影画像において、コードの画像部分がＡＲオブジェクトとして抽出されず、コード点数が商品点数と異なってしまう場合がある。Ｓ５１の判断処理において、商品点数とコード点数が一致しなかった場合（Ｓ５１：ＮＯ）、ＣＰＵ４１は、ＮＧボタン８５をアクティブ化する（Ｓ６１）。ＣＰＵ４１は、オペレータのタッチ操作によるＮＧボタン８５の操作の入力待ちと（Ｓ６２：ＮＯ）、商品点数の入力待ちを行う（Ｓ６５：ＮＯ）。

【0056】

オペレータは、商品点数とコード点数が異なる場合、撮影台２上の商品の数を数え直す。先に入力した商品点数が実際の商品の数と異なり、数え間違いであった場合、オペレータは、点数入力領域８１にて正しい商品点数の再入力を行う。

【0057】

ＣＰＵ４１は、オペレータのタッチ操作によって商品点数の入力を受け付けると（Ｓ６５：ＹＥＳ）、処理をＳ２２に戻し、入力された商品点数を記憶部４４に記憶して（Ｓ２２）、商品点数を示す丸印を点数入力領域８１に表示する（Ｓ２３）。以降は商品識別処理のＳ２５以降の処理を、上記同様に実行する。

【0058】

Ｓ５１の判断処理において商品点数とコード点数が一致せず、撮影台２上の商品の数を数え直しても、数え間違いではなかった場合、オペレータは、商品のラベルシール２６が重なったり、商品が撮影部３１に対して斜めに配置されたりして、コードが正しく抽出されなかったと判断する。この場合、オペレータは、撮影台２上の商品を並べ直してから、ＮＧボタン８５を操作する。

【0059】

ＣＰＵ４１は、オペレータのタッチ操作によってＮＧボタン８５が操作されると（Ｓ６２：ＹＥＳ）、商品識別画面８０の表示状態を初期状態に戻し（Ｓ６３）、処理をＳ２３に戻す。ＣＰＵ４１は、記憶部４４に記憶された商品点数を示す丸印を点数入力領域８１に表示する（Ｓ２３）。以降は商品識別処理のＳ２５以降の処理を、上記同様に実行する。

【0060】

次に、図１０、図１１を参照し、会計処理について説明する。前述したように、ＣＰＵ４１は、商品識別処理において商品の商品点数とコード点数が一致し、オペレータがＯＫボタン８４を操作した場合に移行する（図８、Ｓ５６）。図１０に示すように、ＣＰＵ４１は、商品リストをレジスター装置７に送信する（Ｓ７１）。表示部４８には初期状態の商品識別画面８０が表示される。

【0061】

レジスター装置７は、予め商品情報のデータベースを記憶する。商品リストに含まれる商品情報に基づき、販売された商品の商品名をデータベースから読み込み、商品リストから販売数、販売額等を取得して合計金額を算出し、レジスター装置７の表示部に表示する。オペレータはカスタマーから商品の代金を受け取り、販売された商品の商品名、販売数、販売額、合計金額等が印刷されたレシートを発行する。

【0062】

ＣＰＵ４１は、商品リストに含まれる商品の１つを選択して対象商品とし、そのコード番号と、商品リスト中に含まれる対象商品の数を、販売数として取得する（Ｓ７２）。そして、商品情報データベース９０の売上数に、販売数を加算する（Ｓ７３）。また、ＣＰＵ４１は、商品情報データベース９０から、対処商品に対応付けられた販売基準数と、販売数が加算された売上数を取得する（Ｓ７５）。

【0063】

ＣＰＵ４１は、売上数と販売基準数を比較する（Ｓ７６）。売上数が販売基準数以上である場合（Ｓ７６：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、記憶部４４に設けられる発行リストに、対象商品を追加する（Ｓ８０）。発行リストは、ラベルの発行対象を一次記憶するリストである。ＣＰＵ４１は、商品リストに未選択の商品がある場合（Ｓ８１：ＹＥＳ）、処理をＳ７２に戻し、上記同様、未選択の商品の１つを対象商品にして、売上数を加算し、売上数と販売基準数を取得する（Ｓ７２～Ｓ７５）。

【0064】

売上数が販売基準数未満の場合（Ｓ７６：ＮＯ）、ＣＰＵ４１は、商品情報データベース９０から、対処商品に対応付けられた店頭補充数、売上数および在庫基準数を取得する（Ｓ７７）。ＣＰＵ４１は、店頭補充数から売上数を減算した数と、在庫基準数を比較する（Ｓ７８）。店頭補充数から売上数を減算した数は、すなわち店頭における商品の残数である。残数が在庫基準数より多い場合（Ｓ７８：ＮＯ）、対象商品のラベル発行は必要ないと判断してＳ８１に移行する。残数が在庫基準数以下である場合（Ｓ７８：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、発行リストに対象商品を追加する（Ｓ８０）。ＣＰＵ４１は、商品リストに未選択の商品がなくなれば（Ｓ８１：ＮＯ）、処理をＳ８２に移行する。

【0065】

図１１に示すように、ＣＰＵ４１は、Ｓ８０で発行リストに商品が追加されてなければ（Ｓ８２：ＮＯ）、会計処理を終了して商品識別処理のＳ２１に戻り、次の会計のため、商品点数の入力待ちに移行する。発行リストに商品が追加されている場合（Ｓ８２：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、発行リストの商品について、売れ行きが好調であること、あるいは店頭の残数が少なくなったことから、ラベルを発行して商品の補充を促す警告表示８８を表示部４８に表示する（Ｓ８３）。図９に示すように、警告表示８８は、例えば「売り切れ間近の商品あり」との表示が点数入力領域８１の余白部分に表示される。ＣＰＵ４１は、商品識別画面８０に警告表示８８を表示した状態で、オペレータの入力を待機する（Ｓ８５：ＮＯ、Ｓ８６：ＮＯ）。オペレータのタッチ操作によって商品点数の入力を受け付けると（Ｓ８６：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は処理をＳ２２に移行して、次の会計のための商品識別処理が開始される。

【0066】

オペレータが警告表示８８をタップした場合（Ｓ８５：ＹＥＳ）、ＣＰＵ４１は、発行リストの商品を一覧表示し、それぞれのラベルについて発行枚数を選択する画面（図示略）を表示部４８の商品リスト表示領域８３に表示する（Ｓ８７）。発行枚数の選択画面には、発行リストに商品情報が追加された商品の商品名と残数が表示され、発行枚数の入力部が表示される。オペレータの操作によって、各商品に対するラベルの発行枚数、すなわち店頭在庫の補充数が入力されると（Ｓ８８）、表示部４８にはラベルの発行時期を設定する画面（図示略）が表示される（Ｓ９０）。ラベルの発行時期として、例えばパンの焼き上がり時刻、ランチ直前の時刻等が設定される。もしくは直ちに発行する設定がなされる。ラベルの発行時期が設定されると、表示部４８に、ラベル発行ボタン（図示略）とキャンセルボタン（図示略）が表示される。オペレータがキャンセルボタンを操作した場合（Ｓ９１：ＮＯ）、ＣＰＵ４１は、ラベルの発行は行わず、処理をＳ８３に戻し、初期状態の商品識別画面８０に警告表示８８を表示した状態で、オペレータの入力を待機する（Ｓ８３、Ｓ８５：ＮＯ、Ｓ８６：ＮＯ）。

【0067】

オペレータがラベル発行ボタンを操作した場合（Ｓ９１：ＹＥＳ）、Ｓ９０で直ちに発行する設定がなされていれば（Ｓ９２：ＹＥＳ）。ＣＰＵ４１は、印刷端末５にラベル発行指令と発行リストを送信する（Ｓ９３）。ＣＰＵ４１は会計処理を終了して商品識別処理のＳ２１に戻り、商品点数の入力待ちに移行する。印刷端末５のＣＰＵ５１は商品リストに含まれる商品情報に基づき、商品情報データベース９０の店頭補充数を加算し、商品名とそのコードを、発行枚数分、ラベルシール２６に印刷する。

【0068】

一方、ラベルの発行時期が後ほどに設定された場合（Ｓ９２：ＮＯ）、ＣＰＵ４１は、設定された時期に印刷端末５にラベル発行指令を出力するタスクをタスクマネージャに登録する（Ｓ９５）。ＣＰＵ４１は会計処理を終了して商品識別処理のＳ２１に戻り、商品点数の入力待ちに移行する。タスクマネージャは、識別端末４のＯＳによって提供される機能であってもよいし、商品識別プログラムとともに別途インストールされるプログラムによって提供される機能であってもよい。タスクマネージャは、設定された時期になると、ラベル発行指令と商品リストを印刷端末５に出力する。

【0069】

以上説明したように、商品識別システム１は、商品が販売されると、商品情報を示すＡＲマーカをラベルシール２６に印刷する。すなわち商品識別システム１は、補充が必要となった商品のＡＲマーカを、適切なタイミングで、ラベルシール２６に印刷することができる。バックヤードのオペレータは、印刷されたラベルシール２６を貼り付けた商品を陳列棚に補充し、欠品を防ぐことができる。

【0070】

商品を撮影してＡＲマーカを抽出し、商品情報を対応付けてレジスター装置７に送信する商品識別処理と、商品情報に基づくＡＲマーカをラベルシール２６に印刷するラベル発行処理とを別々の制御装置、すなわち識別端末４および印刷端末５で行うことで、商品識別システム１は、制御負荷を減らし、適切なタイミングにＡＲマーカをラベルシール２６に印刷することができる。

【0071】

店頭のオペレータは、撮影画像に写る商品に重畳して表示される商品名２９を一瞥し、販売する商品が商品識別システム１に正しく認識されているか否かを確認することができる。故に商品識別システム１は、販売した商品の数と一致する数の商品を補充するのに必要なラベルシール２６を適切なタイミングで印刷することができる。

【0072】

識別端末４は、撮影装置３による撮影が行われる度、すなわち商品精算の度に、撮影画像に写る商品に対応するＡＲマーカの種類数分、それぞれの商品に対応するＡＲマーカを印刷するための発行リストを生成する。発行リストは記憶部４４に記憶され、全種類のＡＲマーカのそれぞれに応じた印刷指令がまとめて印刷端末５に出力される。故に商品識別システム１は、販売した商品の数と一致する数の商品を補充するのに必要なラベルシール２６を適切なタイミングに効率よく印刷することができる。

【0073】

印刷端末５は、レジスター装置７が保持する商品情報のデータベースを取り込んで新たにＡＲマーカを作成し、ＡＲマーカと商品情報とを対応付けたデータを既存の商品情報データベース９０に追加することができる。故に、新たな商品をレジスター装置７と商品識別システム１との双方に登録しなくても済む。

【0074】

印刷装置６は、ＡＲマーカが印刷されるラベルシール２６内、またはそのラベルシール２６の前後に印刷されるラベルシール２６、もしくは台紙の余白部２２に、商品の種類情報を印刷する。故にオペレータは、ＡＲマーカが印刷されたラベルシール２６が、どの商品のものであるかを容易に把握することができ、商品を取り違えにくい。よってオペレータは、商品の補充を適切に行って、欠品を防ぐことができる。

【0075】

商品識別処理では、所定条件が成立した場合に、印刷装置６に印刷指令が出力される。所定条件とは、例えばこれからパンを焼く場合に焼き上がりにかかる時間など、発行リストの生成時期から所定時間が経過した場合、例えばランチ直前の時期など予め決められた時刻になった場合、例えば予めパンの焼き上がりの時刻が決められている等、バックヤードに収納する商品の数量が補充に必要な数だけ揃った場合等である。所定条件が成立したらラベルシール２６を印刷することで、オペレータは、商品の補充を適切なタイミングに行うことができる。

【0076】

商品が販売された売上数に基づいて在庫を補充する必要が生ずると、表示部４８にラベルを発行して商品の補充を促す警告表示が表示されるので、オペレータは、商品の補充を適切なタイミングに行って、欠品を防ぐことができる。

【0077】

表示部４８には、ラベルの発行を行う旨を報せる情報と、陳列棚に残る商品の残数または補充を行う商品の数の情報が適切なタイミングに表示される。故にオペレータは、商品の残数または補充に必要な商品の数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0078】

表示部４８に、補充を行う商品の数として売上数が表示される。オペレータは売上数を参考に、例えば時間帯などの条件を加味した印刷数を入力することができる。故にオペレータは、補充に必要な商品の数に応じて適切なタイミングに適切な数の商品を補充することで、欠品を防ぐことができる。

【0079】

表示部４８には、商品が販売された売上数が所定の販売基準数を超えた場合に、補充を行う商品の数として売上数が表示される。故にオペレータは、売上数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0080】

表示部４８には、陳列棚に残る商品の残数が所定の在庫基準数以下となった場合に、商品の残数の情報が表示される。故にオペレータは、陳列棚に残る商品の残数を正しく把握し、その数に応じて適切なタイミングに商品の補充を行うことで、欠品を防ぐことができる。

【0081】

表示部４８に、陳列棚に残る商品の残数が表示される。オペレータは残数を参考に、例えば時間帯などの条件を加味した印刷数を入力することができる。故にオペレータは、商品の残数に応じて適切なタイミングに適切な数の商品を補充することで、欠品を防ぐことができる。

【0082】

上記実施形態において、表示部４８は、本発明の「表示装置」に相当する。ラベルシール２６は、本発明の「ラベル」に相当する。制御部４０，５０は、本発明の「制御装置」に相当する。記憶部４４，５４は、本発明の「記憶装置」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ２５の処理は、本発明の「撮影処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ２７の処理は、本発明の「抽出処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ３１の処理は、本発明の「取得処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ４２の処理は、本発明の「表示処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ７１の処理は、本発明の「送信処理」に相当する。ＣＰＵ５１が実行するＳ１８の処理は、本発明の「印刷処理」に相当する。

【0083】

識別端末４の制御部４０は、本発明の「第一制御装置」に相当する。印刷端末５の制御部５０は、本発明の「第二制御装置」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ７２～Ｓ８０の処理は、本発明の「生成処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ８０の処理は、本発明の「スプール処理」に相当する。ＣＰＵ５１が実行するＳ６の処理は、本発明の「取込処理」に相当する。ＣＰＵ５１が実行するＳ７の処理は、本発明の「作成処理」に相当する。ＣＰＵ５１が実行するＳ１０の処理は、本発明の「記憶処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ８７、Ｓ９０の処理は、本発明の「条件処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ７３の処理は、本発明の「累積処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ８２の処理は、本発明の「報知処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ８５の処理は、本発明の請求項１０における「印刷数入力処理」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ７６の処理は、本発明の「第一比較処理」に相当する。店頭補充数は、本発明の「発行数」に相当する。ＣＰＵ４１が実行するＳ７８の処理は、本発明の「演算処理」および「第二比較処理」に相当する。ＣＰＵ５１が実行するＳ１５の処理は、本発明の請求項１３における「印刷数入力処理」に相当する。

【0084】

本発明は上記実施形態から変更できる。コードはＡＲマーカを例に説明したが、公知のバーコード、ＱＲコード（登録商標）等をコードとして用いてもよいし、独自に開発したマーカをコードとして用いてもよい。識別端末４にＡＲマーカを登録可能とするアプリケーションソフトをインストールし、商品情報データベース９０への商品の登録を行えるようにしてもよい。商品情報は商品名と単価の他に、原材料、製造年月日、アレルギー情報など、その他の情報を含んでもよい。

【0085】

識別端末４は、印刷端末５を兼ねてもよい。この場合、Ｓ２，Ｓ１３でデータベースを取得する処理は、記憶部４４の商品情報データベース９０から読み出す処理とし、Ｓ１０，Ｓ１７でデータベースを更新する処理は、記憶部４４の商品情報データベース９０に書き込む処理とすればよい。

【0086】

識別端末４および印刷端末５はタブレット端末としたが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等、他のデバイスを用いてもよい。パーソナルコンピュータを使用する場合、タッチパネル機能を搭載したディスプレイを用いてオペレータによる操作の入力を行うとよい。また、タブレット端末に搭載するカメラ機能を、撮影装置３として使用してもよい。この場合、カメラ機能を有するタブレット端末は、商品識別装置として動作し、印刷端末５も兼ねることで、本実施形態の商品識別システム１として単体で機能することができる。

【0087】

識別端末４と印刷端末５との接続は無線に限らず、ＵＳＢ等の有線接続により行ってもよい。ラベルシール２６の余白部２２に印刷した種類情報は、余白部２２に限らず、１枚のラベルシール２６の印刷面に印刷されてもよい。また、ラベルシール２６がダイカットラベルでない場合、種類情報は、商品名２３およびＡＲマーカ２４とともに、先頭もしくは最終のラベルシール２６の印刷面の例えば片隅に小さく印刷されてもよい。種類情報は商品名に限らず、商品を表すイラストであってもよい。

【符号の説明】

【0088】

１ 商品識別システム
３ 撮影装置
６ 印刷装置
７ レジスター装置
２６ ラベルシール
４０，５０ 制御部
４１，５１ ＣＰＵ
４４ 記憶部
４７，５７ 入力部
４８ 表示部
９０ 商品情報データベース
Ｐ 撮影範囲

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】