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特開2024-31132故障シミュレーション装置、故障シミュレーション方法および故障シミュレーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031132
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】故障シミュレーション装置、故障シミュレーション方法および故障シミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240229BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01R31/28 F
G06F11/22 673F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134486
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一
【テーマコード(参考)】
2G132
5B048
【Fターム(参考)】
2G132AA12
2G132AC10
2G132AD06
2G132AG14
2G132AG15
2G132AL09
5B048DD16
(57)【要約】
【課題】トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加を抑制する故障シミュレーション装置、故障シミュレーション方法および故障シミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】故障シミュレーション装置の演算部は、複数のトランジスタを含むアナログ回路15についての情報を取得する。また、演算部は、アナログ回路の少なくとも一部100、200、300、400、500、600をデジタル回路とみなすことにより、アナログ回路を検証回路に変換する。さらに、演算部は、検証回路における正常パターンを検証する。また、演算部は、デジタル回路とみなされた回路が故障した場合と正常パターンとを比較することにより、検証回路における故障パターンを検証する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得する取得部(S100)と、
前記アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、前記アナログ回路を検証回路に変換する変換部(S102)と、
前記検証回路における正常パターンを検証する正常検証部(S106)と、
前記変換部によりデジタル回路とみなされた回路が故障した場合と前記正常パターンとを比較することにより、前記検証回路における故障パターンを検証する故障検証部(S108)と、
を備える故障シミュレーション装置。
【請求項2】
前記アナログ回路は、第1トランジスタ(101)、第2トランジスタ(102)、第3トランジスタ(103)および第4トランジスタ(104)を含み、
前記第1トランジスタは、第1制御端子と、前記第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第1端子および第2端子とを有し
前記第2トランジスタは、第2制御端子と、前記第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第3端子および第4端子とを有し、
前記第3トランジスタは、第3制御端子と、前記第3制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第5端子および第6端子とを有し、
前記第4トランジスタは、第4制御端子と、前記第4制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第7端子および第8端子とを有し、
前記第1端子は、正電源ライン(VDD)および前記第3端子と接続されており、
前記第2端子は、前記第4端子および前記第5端子と接続されており、
前記第1制御端子は、前記第3制御端子と接続されており、
前記第2制御端子は、前記第4制御端子と接続されており、
前記第6端子は、前記第7端子と接続されており、
前記第8端子は、グランドライン(VSS)と接続されており、
前記変換部は、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタにて構成された回路をNAND回路とみなす請求項1に記載の故障シミュレーション装置。
【請求項3】
前記アナログ回路は、第1トランジスタ(307)、第2トランジスタ(308)、第3トランジスタ(309)および第4トランジスタ(310)を含み、
前記第1トランジスタは、第1制御端子と、前記第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第1端子および第2端子とを有し
前記第2トランジスタは、第2制御端子と、前記第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第3端子および第4端子とを有し、
前記第3トランジスタは、第3制御端子と、前記第3制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第5端子および第6端子とを有し、
前記第4トランジスタは、第4制御端子と、前記第4制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第7端子および第8端子とを有し、
前記第1端子は、正電源ライン(VDD)と接続されており、
前記第2端子は、前記第3端子と接続されており、
前記第1制御端子は、前記第3制御端子と接続されており、
前記第4端子は、前記第5端子および前記第7端子と接続されており、
前記第2制御端子は、前記第4制御端子と接続されており、
前記第6端子は、グランドライン(VSS)と接続されており、
前記第8端子は、前記グランドラインと接続されており、
前記変換部は、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタにて構成された回路をNOR回路とみなす請求項1に記載の故障シミュレーション装置。
【請求項4】
前記アナログ回路は、第1トランジスタ(205、411、513、615)および第2トランジスタ(206、412、514、616)を含み、
前記第1トランジスタは、第1制御端子と、前記第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第1端子および第2端子とを有し
前記第2トランジスタは、第2制御端子と、前記第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる第3端子および第4端子とを有し、
前記第1端子は、正電源ライン(VDD)と接続されており、
前記第2端子は、前記第3端子と接続されており、
前記第1制御端子は、前記第2制御端子と接続されており、
前記第4端子は、グランドライン(VSS)と接続されており、
前記変換部は、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタにて構成された回路をNOT回路とみなす請求項1に記載の故障シミュレーション装置。
【請求項5】
複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得すること(S100)と、
前記アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、前記アナログ回路を検証回路に変換すること(S102)と、
前記検証回路における正常パターンを検証すること(S106)と、
デジタル回路とみなされた回路が故障した場合と前記正常パターンとを比較することにより、前記検証回路における故障パターンを検証すること(S108)と、
を行う故障シミュレーション方法。
【請求項6】
故障シミュレーション装置を、
複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得する取得部(S100)、
前記アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、前記アナログ回路を検証回路に変換する変換部(S102)、
前記検証回路における正常パターンを検証する正常検証部(S106)、および、
前記変換部によりデジタル回路とみなされた回路が故障した場合と前記正常パターンとを比較することにより、前記検証回路における故障パターンを検証する故障検証部(S108)として、機能させる故障シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、故障シミュレーション装置、故障シミュレーション方法および故障シミュレーションプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、故障シミュレーション装置を用いて、アナログ素子を含む回路モデルに対して、回路モデルを構成する素子の故障解析を行う故障シミュレーションが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6193038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者の検討によれば、特許文献1に記載された故障シミュレーションでは、トランジスタ等の素子毎に故障の検証がされるため、素子の数の増加に伴って、故障シミュレーションによる検証時間が増加する。
【0005】
本開示は、トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加を抑制する故障シミュレーション装置、故障シミュレーション方法および故障シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得する取得部(S100)と、アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、アナログ回路を検証回路に変換する変換部(S102)と、検証回路における正常パターンを検証する正常検証部(S106)と、変換部によりデジタル回路とみなされた回路が故障した場合と正常パターンとを比較することにより、検証回路における故障パターンを検証する故障検証部(S108)と、を備える故障シミュレーション装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得すること(S100)と、アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、アナログ回路を検証回路に変換すること(S102)と、検証回路における正常パターンを検証すること(S106)と、デジタル回路とみなされた回路が故障した場合と正常パターンとを比較することにより、検証回路における故障パターンを検証すること(S108)と、を行う故障シミュレーション方法である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、故障シミュレーション装置を、複数のトランジスタを含むアナログ回路(15)についての情報を取得する取得部(S100)、アナログ回路の少なくとも一部(100、200、300、400、500、600)をデジタル回路とみなすことにより、アナログ回路を検証回路に変換する変換部(S102)、検証回路における正常パターンを検証する正常検証部(S106)、および、変換部によりデジタル回路とみなされた回路が故障した場合と正常パターンとを比較することにより、検証回路における故障パターンを検証する故障検証部(S108)として、機能させる故障シミュレーションプログラムである。
【0009】
これにより、故障シミュレーションの検証が行われる対象の数を、トランジスタに対する故障数とする必要がなくなり、複数のトランジスタを含んだデジタル回路とみなされた回路の数とすることができる。このため、各トランジスタに対して検証を行うことが抑制される。したがって、トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加が抑制される。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の故障シミュレーション装置のブロック図。
図2】故障シミュレーション装置の演算部の処理を示すフローチャート。
図3】変換表による回路の変換を示す図。
図4】変換表による回路の変換を示す図。
図5】変換表による回路の変換を示す図。
図6】演算部により故障シミュレーションされるアナログ回路の例を示す図。
図7】演算部により変換された回路を示す図。
図8】演算部により変換された回路の論理表。
図9】MOSFETの故障モデルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
図1に示す本実施形態の故障シミュレーション装置5は、後述するように、図6に示すような複数のトランジスタを含むアナログ回路15の故障解析を行う。具体的には、故障シミュレーション装置5は、記憶部7および演算部10を備える。
【0014】
記憶部7は、ROMおよびフラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを含む。また、記憶部7には、後述の変換表および複数のトランジスタを含むアナログ回路15の情報が記憶されている。
【0015】
演算部10は、CPU等を含む。また、演算部10は、記憶部7に記憶されたプログラムを実行する。これにより、演算部10は、記憶部7に記憶された複数のトランジスタを含むアナログ回路15の故障シミュレーションを行う。この故障シミュレーションの詳細については後述する。
【0016】
以上のように、故障シミュレーション装置5は、構成されている。この故障シミュレーション装置5では、故障シミュレーションが行われる。次に、故障シミュレーション装置5の演算部10のプログラムの実行による故障シミュレーションについて、図2のフローチャートを参照して説明する。なお、この演算部10のプログラムは、例えば、操作者によって故障シミュレーション装置5が起動されたとき、実行される。
【0017】
ステップS100において、演算部10は、後述の変換表および複数のトランジスタを含むアナログ回路15の情報を記憶部7から取得する。
【0018】
続いて、ステップS102において、演算部10は、ステップS100にて取得した情報が示す変換表を用いて、ステップS100にて取得した情報が示すアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなす。これにより、演算部10は、そのアナログ回路15を検証回路に変換する。なお、演算部10は、変換表を用いないで、ステップS100にて取得した情報が示すアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなすことに限定されない。演算部10は、故障シミュレーション装置5の操作者の操作に応じて、ステップS100にて取得した情報が示すアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなしてもよい。例えば、故障シミュレーション装置5の操作者の操作により、演算部10は、アナログ回路15のデジタル的な動作、すなわち、電圧レベルがハイレベルおよびローレベルの信号を入出力とする機能として動作するトランジスタ群をデジタル回路とみなしてもよい。
【0019】
ここで、上記変換表について説明する。変換表は、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなすために用いられる表である。
【0020】
例えば、図3に示すように、第1PチャネルMOSFET901のソースが正電源ラインVDDと接続されているとする。また、第1PチャネルMOSFET901のゲートが第1入力装置951と接続されているとする。さらに、第1PチャネルMOSFET901のドレインが第1出力部961と接続されているとする。
【0021】
また、第2PチャネルMOSFET902のソースが正電源ラインVDDおよび第1PチャネルMOSFET901のソースと接続されているとする。さらに、第2PチャネルMOSFET902のゲートが第2入力装置952と接続されているとする。また、第2PチャネルMOSFET902のドレインが第1出力部961および第1PチャネルMOSFET901のドレインと接続されているとする。
【0022】
さらに、第1NチャネルMOSFET911のドレインが第1出力部961、第1PチャネルMOSFET901のドレインおよび第2PチャネルMOSFET902のドレインと接続されているとする。また、第1NチャネルMOSFET911のゲートが第1入力装置951および第1PチャネルMOSFET901のゲートと接続されているとする。
【0023】
さらに、第2NチャネルMOSFET912のドレインが第1NチャネルMOSFET911のソースと接続されているとする。また、第2NチャネルMOSFET912のゲートが第2入力装置952および第2PチャネルMOSFET902のゲートと接続されているとする。さらに、第2NチャネルMOSFET912のソースがグランドラインVSSと接続されているとする。
【0024】
また、第1入力装置951によって、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が、第1PチャネルMOSFET901のゲートおよび第1NチャネルMOSFET911のゲートに入力される。さらに、第2入力装置952によって、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が、第2PチャネルMOSFET902のゲートおよび第2NチャネルMOSFET912のゲートに入力される。また、第1出力部961からハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が出力される。そして、この回路構成は、後述するように、変換表により、NAND回路とみなされる。
【0025】
また、例えば、図4に示すように、第3PチャネルMOSFET903のソースが正電源ラインVDDと接続されているとする。さらに、第3PチャネルMOSFET903のゲートが第3入力装置953と接続されているとする。
【0026】
また、第4PチャネルMOSFET904のソースが第3PチャネルMOSFET903のドレインと接続されているとする。さらに、第4PチャネルMOSFET904のゲートが第4入力装置954と接続されているとする。また、第4PチャネルMOSFET904のドレインが第2出力部962と接続されているとする。
【0027】
さらに、第3NチャネルMOSFET913のドレインが第2出力部962、第4PチャネルMOSFET904のドレインおよび第4PチャネルMOSFET904のドレインと接続されているとする。また、第3NチャネルMOSFET913のゲートが第3入力装置953および第3PチャネルMOSFET903のゲートと接続されているとする。さらに、第3NチャネルMOSFET913のソースがグランドラインVSSと接続されているとする。
【0028】
また、第4NチャネルMOSFET914のドレインが第2出力部962、第4PチャネルMOSFET904のドレインおよび第3NチャネルMOSFET913のドレインと接続されているとする。さらに、第4NチャネルMOSFET914のゲートが第4入力装置954および第4PチャネルMOSFET904のゲートと接続されているとする。また、第4NチャネルMOSFET914のソースがグランドラインVSSと接続されているとする。
【0029】
さらに、第3入力装置953によって、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が、第3PチャネルMOSFET903のゲートおよび第3NチャネルMOSFET913のゲートに入力される。また、第4入力装置954によって、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が、第4PチャネルMOSFET904のゲートおよび第4NチャネルMOSFET914のゲートに入力される。また、第2出力部962からハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が出力される。そして、この回路構成は、後述するように、変換表により、NOR回路とみなされる。
【0030】
さらに、例えば、図5に示すように、第5PチャネルMOSFET905のソースが正電源ラインVDDと接続されているとする。また、第5PチャネルMOSFET905のゲートが第5入力装置955と接続されているとする。
【0031】
さらに、第5NチャネルMOSFET915のドレインが第3出力部963および第5PチャネルMOSFET905のドレインと接続されているとする。また、第5NチャネルMOSFET915のゲートが第5入力装置955および第5PチャネルMOSFET905のゲートと接続されているとする。さらに、第5NチャネルMOSFET915のソースがグランドラインVSSと接続されているとする。
【0032】
また、第5入力装置955によって、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が、第5PチャネルMOSFET905のゲートおよび第5NチャネルMOSFET915のゲートに入力される。さらに、第3出力部963からハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧レベルの電圧が出力される。そして、この回路構成は、後述するように、変換表により、NOT回路とみなされる。
【0033】
以上のように、変換表は、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなすために用いられる。次に、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の構成例について説明する。
【0034】
アナログ回路15は、図6に示すように、例えば、電流制御回路とされており、正電源ラインVDD、グランドラインVSS、第1入力部21、第2入力部22および第3入力部23を備える。また、アナログ回路15は、第1回路100、第2回路200、第3回路300、第4回路400、第5回路500、第6回路600、第7回路700、入力端子80および出力端子85を備える。
【0035】
第1入力部21、第2入力部22および第3入力部23は、図示しない電圧制御回路にて構成されている。第1入力部21は、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧を後述の第1回路100および第4回路400に出力する。第2入力部22は、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧を後述の第1回路100に出力する。第3入力部23は、ハイレベルおよびローレベルのどちらかの電圧を後述の第3回路300に出力する。
【0036】
第1回路100は、第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、第3トランジスタ103および第4トランジスタ104を含む。
【0037】
第1トランジスタ101は、PチャネルMOSFETである。また、第1トランジスタ101のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第1トランジスタ101のゲートは、第1入力部21と接続されている。
【0038】
第2トランジスタ102は、PチャネルMOSFETである。また、第2トランジスタ102のソースは、第1トランジスタ101のソースと接続されている。さらに、第2トランジスタ102のゲートは、第2入力部22と接続されている。
【0039】
第3トランジスタ103は、NチャネルMOSFETである。また、第3トランジスタ103のドレインは、第1トランジスタ101のドレインおよび第2トランジスタ102のドレインと接続されている。さらに、第3トランジスタ103のゲートは、第1入力部21および第1トランジスタ101のゲートと接続されている。
【0040】
第4トランジスタ104は、NチャネルMOSFETである。また、第4トランジスタ104のドレインは、第3トランジスタ103のソースと接続されている。さらに、第4トランジスタ104のゲートは、第2入力部22および第2トランジスタ102のゲートと接続されている。また、第4トランジスタ104のソースは、グランドラインVSSと接続されている。
【0041】
第2回路200は、第5トランジスタ205および第6トランジスタ206を含む。第5トランジスタ205は、PチャネルMOSFETである。また、第5トランジスタ205のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第5トランジスタ205のゲートは、第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレインおよび第3トランジスタ103のドレインと接続されている。
【0042】
第6トランジスタ206は、NチャネルMOSFETである。また、第6トランジスタ206のドレインは、第5トランジスタ205のドレインと接続されている。さらに、第6トランジスタ206のゲートは、第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレイン、第3トランジスタ103のドレインおよび第5トランジスタ205のゲートと接続されている。
【0043】
第3回路300は、第7トランジスタ307、第8トランジスタ308、第9トランジスタ309および第10トランジスタ310を含む。
【0044】
第7トランジスタ307は、PチャネルMOSFETである。また、第7トランジスタ307のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第7トランジスタ307のゲートは、第3入力部23に接続されている。
【0045】
第8トランジスタ308は、PチャネルMOSFETである。また、第8トランジスタ308のソースは、第7トランジスタ307のドレインと接続されている。さらに、第8トランジスタ308のゲートは、第5トランジスタ205のドレインおよび第6トランジスタ206のドレインと接続されている。
【0046】
第9トランジスタ309は、NチャネルMOSFETである。また、第9トランジスタ309のドレインは、第8トランジスタ308のドレインと接続されている。さらに、第9トランジスタ309のゲートは、第3入力部23および第7トランジスタ307のゲートと接続されている。
【0047】
第10トランジスタ310は、NチャネルMOSFETである。また、第10トランジスタ310のドレインは、第8トランジスタ308のドレインおよび第9トランジスタ309のドレインと接続されている。さらに、第10トランジスタ310のゲートは、第5トランジスタ205のドレイン、第6トランジスタ206のドレインおよび第8トランジスタ308のゲートと接続されている。
【0048】
第4回路400は、第11トランジスタ411および第12トランジスタ412を含む。第11トランジスタ411は、PチャネルMOSFETである。また、第11ドランジスタのソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第11トランジスタ411のゲートは、第1入力部21と接続されている。
【0049】
第12トランジスタ412は、NチャネルMOSFETである。また、第12トランジスタ412のソースは、グランドラインVSSと接続されている。さらに、第12トランジスタ412のドレインは、第11トランジスタ411のドレインと接続されている。また、第12トランジスタ412のゲートは、第1入力部21および第11トランジスタ411のゲートと接続されている。
【0050】
第5回路500は、第13トランジスタ513および第14トランジスタ514を含む。第13トランジスタ513は、PチャネルMOSFETである。また、第13トランジスタ513のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第13トランジスタ513のゲートは、第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレインおよび第3トランジスタ103のドレインと接続されている。
【0051】
第14トランジスタ514は、NチャネルMOSFETである。また、第14トランジスタ514のソースは、グランドラインVSSと接続されている。さらに、第14トランジスタ514のドレインは、第13トランジスタ513のドレインと接続されている。また、第14トランジスタ514のゲートは、第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレイン、第3トランジスタ103のドレインおよび第13トランジスタ513のゲートと接続されている。
【0052】
第6回路600は、第15トランジスタ615および第16トランジスタ616を含む。第15トランジスタ615は、PチャネルMOSFETである。また、第15トランジスタ615のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第15トランジスタ615のゲートは、第8トランジスタ308のドレイン、第9トランジスタ309のドレインおよび第10トランジスタ310のドレインと接続されている。
【0053】
第16トランジスタ616は、NチャネルMOSFETである。また、第16トランジスタ616のソースは、グランドラインVSSと接続されている。さらに、第16トランジスタ616のドレインは、第15トランジスタ615のドレインと接続されている。また、第16トランジスタ616のゲートは、第8トランジスタ308のドレイン、第9トランジスタ309のドレイン、第10トランジスタ310のドレインおよび第15トランジスタ615のゲートと接続されている。
【0054】
第7回路700は、第17トランジスタ717、第18トランジスタ718、第19トランジスタ719、第20トランジスタ720および第21トランジスタ721を含む。また、第7回路700は、第22トランジスタ722、第23トランジスタ723、第24トランジスタ724、第25トランジスタ725および第26トランジスタ726を含む。
【0055】
第17トランジスタ717は、NチャネルMOSFETである。また、第17トランジスタ717のドレインは、後述の入力端子80と接続されている。
【0056】
第18トランジスタ718は、NチャネルMOSFETである。また、第18トランジスタ718のドレインは、第17トランジスタ717のソースと接続されている。さらに、第18トランジスタ718のゲートは、第17トランジスタ717のゲートと接続されている。また、第18トランジスタ718のソースは、グランドラインVSSと接続されている。
【0057】
第19トランジスタ719は、PチャネルMOSFETである。また、第19トランジスタ719のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。
【0058】
第20トランジスタ720は、NチャネルMOSFETである。また、第20トランジスタ720のドレインは、第19トランジスタ719のドレインと接続されている。さらに、第20トランジスタ720のゲートは、第17トランジスタ717のゲートおよび第18トランジスタ718のゲートと接続されている。また、第20トランジスタ720のソースは、グランドラインVSSと接続されている。
【0059】
第21トランジスタ721は、PチャネルMOSFETである。また、第21トランジスタ721のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第21トランジスタ721のゲートは、第11トランジスタ411のドレインおよび第12トランジスタ412のドレインと接続されている。
【0060】
第22トランジスタ722は、PチャネルMOSFFETである。また、第22トランジスタ722のソースは、第21トランジスタ721のドレインと接続されている。さらに、第22トランジスタ722のゲートは、第19トランジスタ719のゲートおよび第20トランジスタ720のドレインと接続されている。また、第22トランジスタ722のドレインは、後述の出力端子85と接続されている。
【0061】
第23トランジスタ723は、PチャネルMOSFFETである。また、第23トランジスタ723のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第23トランジスタ723のゲートは、第13トランジスタ513のドレインおよび第14トランジスタ514のドレインと接続されている。
【0062】
第24トランジスタ724は、PチャネルMOSFFETである。また、第24トランジスタ724のソースは、第23トランジスタ723のドレインと接続されている。さらに、第24トランジスタ724のゲートは、第19トランジスタ719のゲート、第20トランジスタ720のドレインおよび第22トランジスタ722のゲートと接続されている。また、第24トランジスタ724のドレインは、後述の出力端子85と接続されている。
【0063】
第25トランジスタ725は、PチャネルMOSFETである。また、第25トランジスタ725のソースは、正電源ラインVDDと接続されている。さらに、第25トランジスタ725のゲートは、第15トランジスタ615のドレインおよび第16トランジスタ616のドレインと接続されている。
【0064】
第26トランジスタ726は、PチャネルMOSFETである。また、第26トランジスタ726のソースは、第25トランジスタ725のドレインと接続されている。さらに、第26トランジスタ726のゲートは、第19トランジスタ719のゲート、第20トランジスタ720のドレイン、第22トランジスタ722のゲートおよび第24トランジスタ724のゲートと接続されている。また、第26トランジスタ726のドレインは、後述の出力端子85と接続されている。
【0065】
入力端子80は、電気抵抗等を介して図示しない電源に接続されている。出力端子85は、図示しない外部装置に接続されている。
【0066】
以上のように、複数のトランジスタを含むアナログ回路15は、構成されている。次に、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなすことについて説明する。
【0067】
アナログ回路15の各回路構成を上記変換表と照らし合わせると、第1回路100の第1トランジスタ101は、第1PチャネルMOSFET901に対応する。第2トランジスタ102は、第2PチャネルMOSFET902に対応する。第3トランジスタ103は、第1NチャネルMOSFET911に対応する。第4トランジスタ104は、第2NチャネルMOSFET912に対応する。第1入力部21は、第1入力装置951に対応する。第2入力部22は、第2入力装置952に対応する。第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレインおよび第3トランジスタ103のドレインと接続された配線は、第1出力部961に対応する。したがって、演算部10は、図7に示すように、第1回路100をNAND回路とみなす。
【0068】
また、第2回路200の第5トランジスタ205は、第5PチャネルMOSFET905に対応する。第6トランジスタ206は、第5NチャネルMOSFET915に対応する。第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレインおよび第3トランジスタ103のドレインと接続された配線が第5入力装置955に対応する。第5トランジスタ205のドレインおよび第6トランジスタ206のドレインと接続された配線は、第3出力部963に対応する。よって、演算部10は、第2回路200をNOT回路とみなす。
【0069】
さらに、第3回路300の第7トランジスタ307は、第3PチャネルMOSFET903に対応する。第8トランジスタ308は、第4PチャネルMOSFET904に対応する。第9トランジスタ309は、第3NチャネルMOSFET913に対応する。第10トランジスタ310は、第4NチャネルMOSFET914に対応する。第3入力部23は、第3入力装置953に対応する。第5トランジスタ205のドレインおよび第6トランジスタ206のドレインと接続された配線が第4入力装置954に対応する。第8トランジスタ308のドレイン、第9トランジスタ309のドレインおよび第10トランジスタ310のドレインと接続された配線が第2出力部962に対応する。したがって、演算部10は、第3回路300をNOR回路とみなす。
【0070】
また、第4回路400の第11トランジスタ411は、第5PチャネルMOSFET905に対応する。第12トランジスタ412は、第5NチャネルMOSFET915に対応する。第1入力部21は、第5入力装置955に対応する。第11トランジスタ411のドレインおよび第12トランジスタ412と接続された配線は、第3出力部963に対応する。よって、演算部10は、第4回路400をNOT回路とみなす。
【0071】
さらに、第5回路500の第13トランジスタ513は、第5PチャネルMOSFET905に対応する。第14トランジスタ514は、第5NチャネルMOSFET915に対応する。第1トランジスタ101のドレイン、第2トランジスタ102のドレインおよび第3トランジスタ103のドレインと接続された配線が第5入力装置955に対応する。第13トランジスタ513のドレインおよび第14トランジスタ514のドレインと接続された配線は、第3出力部963に対応する。したがって、演算部10は、第5回路500をNOT回路とみなす。
【0072】
また、第6回路600の第15トランジスタ615は、第5PチャネルMOSFET905に対応する。第16トランジスタ616は、第5NチャネルMOSFET915に対応する。第8トランジスタ308のドレイン、第9トランジスタ309のドレインおよび第10トランジスタ310のドレインと接続された配線が第5入力装置955に対応する。第15トランジスタ615のドレインおよび第16トランジスタ616のドレインと接続された配線は、第3出力部963に対応する。よって、演算部10は、第6回路600をNOT回路とみなす。
【0073】
以上のように、演算部10は、ステップS100にて取得した情報が示す変換表を用いて、ステップS100にて取得した情報が示す複数のトランジスタを含むアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなす。
【0074】
ステップS102に続くステップS104において、演算部10は、デジタル回路とみなした回路数を故障対象数として算出する。したがって、ここでは、デジタル回路とみなされた故障対象数は、6である。なお、故障対象数は、演算部10によってデジタル回路とみなされた回路数であるところ、これに限定されないで、第7回路700の各トランジスタの数を含めてもよい。
【0075】
続いて、ステップS106において、演算部10は、ステップS104にてみなした回路についての正常パターンを検証する。
【0076】
ここで、図7に示すように、入力端子80から第17トランジスタ717および第18トランジスタ718を経由してグランドラインVSSに流れる電流を入力電流I_inとする。また、検証の説明を簡易にするため、入力電流I_inが0.5mAであるとする。さらに、第20トランジスタ720のサイズが第18トランジスタ718のサイズの2倍であるとする。また、第19トランジスタ719、第21トランジスタ721、第22トランジスタ722および第23トランジスタ723は、第18トランジスタ718のサイズと同じとする。さらに、第24トランジスタ724、第25トランジスタ725、第26トランジスタ726のサイズは、第18トランジスタ718のサイズと同じとする。また、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に流れる電流を第1電流I1とする。さらに、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に流れる電流を第2電流I2とする。また、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725および第26トランジスタ726に流れる電流を第3電流I3とする。さらに、出力端子85に流れる電流を出力電流I_outとする。また、出力端子85が第22トランジスタ722、第24トランジスタ724および第26トランジスタ726と並列接続されているため、出力電流I_outは、第1電流I1、第2電流I2、第3電流I3の和となる。
【0077】
また、上記したように、第17トランジスタ717のゲート、第18トランジスタ718のゲートおよび第20トランジスタ720のゲートが互いに接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。さらに、第20トランジスタ720のサイズが第18トランジスタ718のサイズの2倍である。したがって、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流は、入力電流I_inの2倍の1mAとなる。
【0078】
さらに、ここで、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。なお、図8において、第1入力部21、第2入力部22および第3入力部23の電圧レベルがローレベルであるときが0で示されている。また、第1入力部21、第2入力部22および第3入力部23の電圧レベルがハイレベルであるときが1で示されている。
【0079】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0080】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。このため、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0081】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。このため、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725および第26トランジスタ726に電流が流れる。また、第25トランジスタ725のドレインが第26トランジスタ726のソースと接続されているとともに、第25トランジスタ725のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第3電流I3は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0082】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3が1mAであるため、出力電流I_outは、2mAとなる。そして、演算部10は、このときのパターンを、ステップS104にてみなした回路についての正常パターンとして記憶する。
【0083】
続いて、ステップS108において、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NAND回路とみなされた第1回路100が故障したとして、NAND回路とみなされた第1回路100から出力される電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0084】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0085】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。しかし、NAND回路とみなされた第1回路100は、故障しているため、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。このため、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オフされる。したがって、第2電流I2は、ゼロである。
【0086】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、故障しているため、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。このため、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。したがって、第3電流I3は、ゼロである。
【0087】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2がゼロであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、ゼロとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。なお、演算部10は、故障パターンの検証を行う際、その故障パターンの出力電流I_outが正常パターンの出力電流I_outの2mAと同じであるとき、この故障パターンが正常パターンに対して影響がないと判定する。また、ここでの「同じ」は、誤差範囲を含む。
【0088】
続いて、ステップS110において、演算部10は、ステップS108における故障パターンの検証を実施した回数である検証数を算出する。具体的には、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。初期状態の検証数がゼロであるため、ここでは、検証数は、1である。
【0089】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。検証数が故障対象数と一致するとき、故障パターンの検証が完了したため、演算部10の処理は、ステップS114に移行する。また、検証数が故障対象数と一致しないとき、故障パターンの検証が完了していないため、演算部10の処理は、ステップS108に移行することで、一故障パターンの検証が継続される。そして、ここでは、ステップS110にて算出された検証数が1であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致しない。したがって、故障パターンの検証が完了していないことから、演算部10の処理は、ステップS108に戻る。
【0090】
ステップS112に続くステップS108において、前回の一故障パターンとは異なる一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NOT回路とみなされた第2回路200が故障したとして、NOT回路とみなされた第2回路200から出力される電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0091】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0092】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。このため、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0093】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。しかし、NOT回路とみなされた第2回路200は、故障しているため、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0094】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。
【0095】
続いて、ステップS110において、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。前回の検証数が1であるため、ここでは、検証数は、2である。
【0096】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。ステップS110にて算出された検証数が2であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致しない。したがって、故障パターンの検証が完了していないことから、演算部10の処理は、ステップS108に戻る。
【0097】
ステップS112に続くステップS108において、前回の一故障パターンとは異なる一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NOR回路とみなされた第3回路300が故障したとして、NOR回路とみなされた第3回路300から出力される電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0098】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0099】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0100】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。しかし、NOR回路とみなされた第3回路300は、故障しているため、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0101】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。
【0102】
続いて、ステップS110において、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。前回の検証数が2であるため、ここでは、検証数は、3である。
【0103】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。ステップS110にて算出された検証数が3であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致しない。したがって、故障パターンの検証が完了していないことから、演算部10の処理は、ステップS108に戻る。
【0104】
ステップS112に続くステップS108において、前回の一故障パターンとは異なる一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NOT回路とみなされた第4回路400が故障したとして、NOT回路とみなされた第4回路400から出力される電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0105】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。しかし、NOT回路とみなされた第4回路400は、故障しているため、電圧レベルがローレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に電流が流れる。また、第21トランジスタ721のドレインが第22トランジスタ722のソースと接続されているとともに、第22トランジスタ722のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第1電流I1は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0106】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0107】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725および第26トランジスタ726に電流が流れる。また、第25トランジスタ725のドレインが第26トランジスタ726のソースと接続されているとともに、第25トランジスタ725のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第3電流I3は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0108】
よって、このとき、第1電流I1が1mAであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3が1mAであるため、出力電流I_outは、3mAとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。
【0109】
続いて、ステップS110において、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。前回の検証数が3であるため、ここでは、検証数は、4である。
【0110】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。ステップS110にて算出された検証数が4であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致しない。したがって、故障パターンの検証が完了していないことから、演算部10の処理は、ステップS108に戻る。
【0111】
ステップS112に続くステップS108において、前回の一故障パターンとは異なる一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NOT回路とみなされた第5回路500が故障したとして、NOT回路とみなされた第5回路500から出力される電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0112】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0113】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。しかし、NOT回路とみなされた第5回路500は、故障しているため、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オフされる。このため、第2電流I2は、ゼロである。
【0114】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725および第26トランジスタ726に電流が流れる。また、第25トランジスタ725のドレインが第26トランジスタ726のソースと接続されているとともに、第25トランジスタ725のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第3電流I3は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0115】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2がゼロであって、第3電流I3が1mAであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。
【0116】
続いて、ステップS110において、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。前回の検証数が4であるため、ここでは、検証数は、5である。
【0117】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。ステップS110にて算出された検証数が5であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致しない。したがって、故障パターンの検証が完了していないことから、演算部10の処理は、ステップS108に戻る。
【0118】
ステップS112に続くステップS108において、前回の一故障パターンとは異なる一故障パターンの検証を行う。例えば、上記正常パターンのときと同様に、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、NOT回路とみなされた第6回路600が故障したとして、NOT回路とみなされた第6回路600から出力される電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0119】
このとき、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0120】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0121】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。しかし、NOT回路とみなされた第6回路600は、故障しているため、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0122】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。したがって、この故障パターンの出力電流I_outは、正常パターンの出力電流I_outの2mAとは異なる。このため、演算部10は、この故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定する。これにより、演算部10は、一故障パターンの検証を行う。
【0123】
続いて、ステップS110において、演算部10は、前回算出した検証数に1を加算することにより、今回の検証数を算出する。前回の検証数が5であるため、ここでは、検証数は、6である。
【0124】
続いて、ステップS112において、演算部10は、ステップS110にて算出した検証数がステップS104にて算出した故障対象数と一致するか否かを判定する。ステップS110にて算出された検証数が6であり、ステップS104にて算出された故障対象数が6であるため、検証数が故障対象数と一致する。したがって、故障パターンの検証が完了したため、演算部10の処理は、ステップS114に移行する。
【0125】
ステップS112に続くステップS114において、演算部10は、ステップS108にて故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定した回数を、ステップS104にて算出した故障対象数で除算する。これにより、演算部10は、検証率DCを算出する。ここでは、ステップS108にて故障パターンが正常パターンに対して影響があると判定した回数が6であり、故障対象数が6であることから、検証率DCは、100%である。この検証率DCの算出後、演算部10の処理は、終了する。
【0126】
以上のように、演算部10は、故障シミュレーションを行う。そして、本実施形態の故障シミュレーション装置5では、トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加が抑制される。次に、トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加が抑制されることについて説明する。
【0127】
ここで、トランジスタの1つであるMOSFETの故障シミュレーションを行う際、例えば、1つのMOSFETに対して、図9に示すモデルを用いて検証がされる。このため、トランジスタの数が増加することに伴って故障シミュレーションによる検証の数が倍増するため、故障シミュレーションによる検証時間が大幅に増加する。
【0128】
これに対して、本実施形態の故障シミュレーション装置5の演算部10は、ステップS100にて、複数のトランジスタを含むアナログ回路15についての情報を取得する取得部としての役割を果たす。また、演算部10は、ステップS100にて取得したアナログ回路15の少なくとも一部をデジタル回路とみなすことにより、そのアナログ回路15を検証回路に変換する変換部としての役割を果たす。例えば、演算部10は、図6に示すアナログ回路15の一部の第1回路100を、図7に示すように、NAND回路とみなす。さらに、演算部10は、図6に示すアナログ回路15の一部の第3回路300を、図7に示すように、NOR回路とみなす。また、演算部10は、図6に示すアナログ回路15の一部の第2回路200、第4回路400、第5回路500および第6回路600を、図7に示すように、NOT回路とみなす。さらに、演算部10は、ステップS106にて、図7に示す検証回路における正常パターンを検証する正常検証部としての役割を果たす。また、演算部10は、ステップS108にて、デジタル回路とみなした第1回路100、第2回路200、第3回路300、第4回路400、第5回路500および第6回路600のそれぞれが故障した場合と正常パターンとを比較する。これによって、演算部10は、検証回路における故障パターンを検証する故障検証部としての役割を果たす。
【0129】
これにより、故障シミュレーションの検証が行われる対象の数を、トランジスタに対する故障数とする必要がなくなり、複数のトランジスタを含んだデジタル回路とみなされた回路の数とすることができる。このため、各トランジスタに対して検証を行うことが抑制される。したがって、トランジスタの数が増加しても故障シミュレーションによる検証時間の増加が抑制される。
【0130】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0131】
本開示に記載の取得部、変換部、正常検証部、故障検証部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の取得部、変換部、正常検証部、故障検証部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の取得部、変換部、正常検証部、故障検証部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0132】
上記実施形態では、演算部10は、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の一部を、NAND回路、NOR回路またはNOT回路とみなす。これに対して、演算部10は、複数のトランジスタを含むアナログ回路15の一部を、NAND回路、NOR回路またはNOT回路とみなすことに限定されないで、AND回路やOR回路等とみなしてもよい。
【0133】
上記実施形態では、各トランジスタは、MOSFETである。これに対して、各トランジスタは、MOSFETであることに限定されないで、例えば、IGBT等であってもよい。
【0134】
上記実施形態では、第1回路100は、第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、第3トランジスタ103および第4トランジスタ104を含む。第1トランジスタ101のソースは、第1端子に対応する。第1トランジスタ101のドレインは、第2端子に対応する。第1トランジスタ101のゲートは、第1制御端子に対応する。また、第1端子および第2端子には、第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第2トランジスタ102のソースは、第3端子に対応する。第2トランジスタ102のドレインは、第4端子に対応する。第2トランジスタ102のゲートは、第2制御端子に対応する。また、第3端子および第4端子には、第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第3トランジスタ103のドレインは、第5端子に対応する。第3トランジスタ103のソースは、第6端子に対応する。第3トランジスタ103のゲートは、第3制御端子に対応する。また、第5端子および第6端子には、第3制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第4トランジスタ104のドレインは、第7端子に対応する。第4トランジスタ104のソースは、第8端子に対応する。第4トランジスタ104のゲートは、第4制御端子に対応する。また、第7端子および第8端子には、第4制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。
【0135】
また、第3回路300は、第7トランジスタ307、第8トランジスタ308、第9トランジスタ309および第10トランジスタ310を含む。第7トランジスタ307のソースは、第1端子に対応する。第7トランジスタ307のドレインは、第2端子に対応する。第7トランジスタ307のゲートは、第1制御端子に対応する。また、第1端子および第2端子には、第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第8トランジスタ308のソースは、第3端子に対応する。第8トランジスタ308のドレインは、第4端子に対応する。第8トランジスタ308のゲートは、第2制御端子に対応する。また、第3端子および第4端子には、第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第9トランジスタ309のドレインは、第5端子に対応する。第9トランジスタ309のソースは、第6端子に対応する。第9トランジスタ309のゲートは、第3制御端子に対応する。また、第5端子および第6端子には、第3制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第10トランジスタ310のドレインは、第7端子に対応する。第10トランジスタ310のソースは、第8端子に対応する。第10トランジスタ310のゲートは、第4制御端子に対応する。また、第7端子および第8端子には、第4制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。
【0136】
さらに、第2回路200は、第5トランジスタ205および第6トランジスタ206を含む。第4回路400は、第11トランジスタ411および第12トランジスタ412を含む。第5回路500は、第13トランジスタ513および第14トランジスタ514を含む。第6回路600は、第15トランジスタ615および第16トランジスタ616を含む。第5トランジスタ205、第11トランジスタ411、第13トランジスタ513および第15トランジスタ615のソースは、第1端子にそれぞれ対応する。第5トランジスタ205、第11トランジスタ411、第13トランジスタ513および第15トランジスタ615のドレインは、第2端子にそれぞれ対応する。第5トランジスタ205、第11トランジスタ411、第13トランジスタ513および第15トランジスタ615のゲートは、第1制御端子にそれぞれ対応する。また、第1端子および第2端子には、第1制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。第6トランジスタ206、第12トランジスタ412、第14トランジスタ514および第16トランジスタ616のドレインは、第3端子にそれぞれ対応する。第6トランジスタ206、第12トランジスタ412、第14トランジスタ514および第16トランジスタ616のソースは、第4端子にそれぞれ対応する。第6トランジスタ206、第12トランジスタ412、第14トランジスタ514および第16トランジスタ616のゲートは、第2制御端子にそれぞれ対応する。また、第3端子および第4端子には、第2制御端子の電圧に基づいて電流が流れる。
【0137】
上記実施形態では、正常パターンは、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであり、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであって、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるときである。これに対して、正常パターンは、このときに限定されない。
【0138】
例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0139】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがローレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に電流が流れる。また、第21トランジスタ721のドレインが第22トランジスタ722のソースと接続されているとともに、第22トランジスタ722のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第1電流I1は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0140】
また、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0141】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725に電流が流れる。また、第25トランジスタ725のドレインが第26トランジスタ726のソースと接続されているとともに、第25トランジスタ725のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第3電流I3は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0142】
よって、このとき、第1電流I1が1mAであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3が1mAであるため、出力電流I_outは、3mAとなる。
【0143】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0144】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0145】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0146】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第25トランジスタ725に電流が流れる。また、第25トランジスタ725のドレインが第26トランジスタ726のソースと接続されているとともに、第25トランジスタ725のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第3電流I3は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0147】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3が1mAであるため、出力電流I_outは、2mAとなる。
【0148】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがローレベルであるとする。
【0149】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがローレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に電流が流れる。また、第21トランジスタ721のドレインが第22トランジスタ722のソースと接続されているとともに、第22トランジスタ722のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第1電流I1は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0150】
また、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オフされる。このため、第2電流I2は、ゼロである。
【0151】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0152】
よって、このとき、第1電流I1が1mAであり、第2電流I2がゼロであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。
【0153】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0154】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0155】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0156】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0157】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。
【0158】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第2入力部22からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第3入力部23からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0159】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがローレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に電流が流れる。また、第21トランジスタ721のドレインが第22トランジスタ722のソースと接続されているとともに、第22トランジスタ722のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第1電流I1は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0160】
また、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0161】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0162】
よって、このとき、第1電流I1が1mAであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、2mAとなる。
【0163】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがローレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0164】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがハイレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オフされる。このため、第1電流I1は、ゼロである。
【0165】
また、第1入力部21は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがローレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第23トランジスタ723および第24トランジスタ724に電流が流れる。また、第24トランジスタ724のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。よって、第2電流I2は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0166】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0167】
よって、このとき、第1電流I1がゼロであり、第2電流I2が1mAであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。
【0168】
また、例えば、図8に示すように、第1入力部21からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。また、第2入力部22からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。さらに、第3入力部23からの電圧のレベルがハイレベルであるとする。
【0169】
このとき、図7に示すように、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第4回路400に出力する。これにより、NOT回路とみなされた第4回路400は、電圧レベルがローレベルの電圧を第21トランジスタ721のゲートに出力する。第21トランジスタ721がPチャネルMOSFETであるため、第21トランジスタ721は、オンされる。このため、正電源ラインVDDから第21トランジスタ721および第22トランジスタ722に電流が流れる。また、第21トランジスタ721のドレインが第22トランジスタ722のソースと接続されているとともに、第22トランジスタ722のゲートが第19トランジスタ719のゲートと接続されていることから、カレントミラー回路が構成されている。したがって、第1電流I1は、正電源ラインVDDから第19トランジスタ719および第20トランジスタ720を経由してグランドラインVSSに流れる電流と同じであって、1mAである。
【0170】
また、第1入力部21は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。さらに、第2入力部22は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NAND回路とみなされた第1回路100に出力する。したがって、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第5回路500に出力する。したがって、NOT回路とみなされた第5回路500は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第23トランジスタ723のゲートに出力する。第23トランジスタ723がPチャネルMOSFETであるため、第23トランジスタ723は、オフされる。このため、第2電流I2は、ゼロである。
【0171】
また、NAND回路とみなされた第1回路100は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第2回路200に出力する。このため、NOT回路とみなされた第2回路200は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。さらに、第3入力部23は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、NOR回路とみなされた第3回路300に出力する。したがって、NOR回路とみなされた第3回路300は、電圧レベルがローレベルの電圧を、NOT回路とみなされた第6回路600に出力する。よって、NOT回路とみなされた第6回路600は、電圧レベルがハイレベルの電圧を、第25トランジスタ725のゲートに出力する。第25トランジスタ725がPチャネルMOSFETであるため、第25トランジスタ725は、オフされる。このため、第3電流I3は、ゼロである。
【0172】
よって、このとき、第1電流I1が1mAであり、第2電流I2がゼロであって、第3電流I3がゼロであるため、出力電流I_outは、1mAとなる。以上のように、正常パターンは、上記したパターンであってもよい。
【符号の説明】
【0173】
5 故障シミュレーション装置
7 記憶部
10 演算部
15 アナログ回路
100 第1回路
200 第2回路
300 第3回路
400 第4回路
500 第5回路
600 第6回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9