(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031146
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】浄水用フロック形成装置及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
B01D 21/01 20060101AFI20240229BHJP
C02F 1/52 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
B01D21/01 H
B01D21/01 D
B01D21/01 G
C02F1/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134507
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】森 康輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雄斗
(72)【発明者】
【氏名】板山 倫也
【テーマコード(参考)】
4D015
【Fターム(参考)】
4D015BA21
4D015BA28
4D015CA14
4D015EA07
4D015EA08
4D015EA32
(57)【要約】
【課題】フロック形成を確実に且つ効率よく行うことができ、且つ設備の小型化を図ることもできる浄水用フロック形成装置及びその運転方法を提供すること。
【解決手段】前処理設備からの被処理水を流入する流入室20と、流入室20に流入した被処理水を撹拌する撹拌機40と、撹拌を行った被処理水を迂流板61によって迂流しながら流下させる迂流室60と、迂流室60から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室80と、を備える浄水用フロック形成装置1である。流入室20と流出室80を近接して配置する。迂流室60を流入室60から流入した被処理水が折返して流出室80に流下する折返し構造とする。流入室20と流出室80を繋ぐ循環用開口31を設けることで、被処理水の一部が流入室20、迂流室60、流出室80を循環する循環流路を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置において、
前処理設備からの被処理水を流入する流入室と、
前記流入室に流入した被処理水を撹拌する撹拌機と、
前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、
前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、
を備え、
前記流入室と前記流出室を近接して配置し、
前記迂流室を、前記流入室から流入した被処理水が折返して前記流出室に流下する折返し構造としたことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記流入室と前記流出室を繋ぐ循環用開口を設けることで、被処理水の一部が流入室、迂流室、流出室を循環する循環流路を形成したことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記循環用開口には、循環流量調節用の開度調整手段を設置したことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記循環用開口には、前記流入室から前記流出室への短絡流を防止する逆流防止ゲートを設置したことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項5】
請求項2に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記循環用開口には、循環流量調節用の開度調整手段と、前記流入室から前記流出室への短絡流を防止する逆流防止ゲートの両方を設置したことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の浄水用フロック形成装置であって、
当該浄水用フロック形成装置で処理する被処理水水量の状態を測定する流入状態測定部と、
前記流入状態測定部によって測定した被処理水水量の状態に応じて前記撹拌機の運転状態を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記制御部は、前記被処理水水量が減少すると、前記撹拌機を稼働または回転速度を増加させることを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項8】
請求項2又は3に記載の浄水用フロック形成装置であって、
前記撹拌機によるポンプ作用によって前記流出室から前記流入室に循環される被処理水の水量を、当該撹拌機の回転速度の増減によって制御する制御部を備えることを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【請求項9】
浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置の運転方法において、
前記浄水用フロック形成装置は、
前処理設備からの被処理水が流入する流入室と、
前記流入室に流入した被処理水を撹拌する撹拌機と、
前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、
前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、
を備え、
前記流入室に流入する被処理水の水量に応じて前記撹拌機の運転状態を変更することを特徴とする浄水用フロック形成装置の運転方法。
【請求項10】
請求項9に記載の浄水用フロック形成装置の運転方法であって、
前記被処理水の水量が減少した際は、前記撹拌機を稼働または回転速度を増加させることを特徴とする浄水用フロック形成装置の運転方法。
【請求項11】
請求項9に記載の浄水用フロック形成装置の運転方法であって、
前記浄水用フロック形成装置には、前記流入室と前記流出室を繋ぐ循環流路が形成されており、
前記撹拌機によるポンプ作用によって前記流出室から前記流入室に循環される被処理水の水量を、当該撹拌機の回転速度を増減することで調整することを特徴とする浄水用フロック形成装置の運転方法。
【請求項12】
浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置において、
前処理設備からの被処理水を流入する流入室と、
前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、
前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、
を備え、
前記流入室と前記流出室を近接して配置すると共に、
前記迂流室を、前記流入室から流入した被処理水が折返して前記流出室に流下する折返し構造とすることで、これら流入室と流出室と迂流室とをユニット化したことを特徴とする浄水用フロック形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水処理の凝集沈殿処理工程におけるフロック形成処理に用いて好適な浄水用フロック形成装置及びその運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水(浄水・用水)処理においては、河川水や湖沼水などの水道原水から水道水質を満足する上水を得るために、凝集沈殿処理やろ過処理、消毒処理を行う。凝集沈殿処理は、凝集剤薬品を用いて水中の懸濁物質を凝集し、沈殿池で固液分離可能となるよう処理を行う操作である。凝集沈殿処理設備は、注入した凝集剤を原水中に速やかに分散して荷電中和を行って懸濁物質同士の反発力(斥力)を減ずる混和池と、混和池で荷電中和した懸濁物質を、後段の沈殿池で固液分離可能なように粗大化するフロック形成装置とを具備する。フロック形成装置での撹拌方式は、機械式撹拌と迂流式撹拌の2つに大別される。
【0003】
上記機械式撹拌は、専用の撹拌機を用いて撹拌を行うものである。この機械式撹拌は、流量変動に対する追従性は良いものの、撹拌機の補修や交換を定期的に実施する必要があり、さらに撹拌機を駆動するための駆動エネルギーが必要になる。
【0004】
一方、上記迂流式撹拌は、水の持つ水頭(位置エネルギー)を撹拌に利用する方法である。このため迂流式撹拌は、駆動部を含む機械的な故障や部品交換が必要なく、位置エネルギー(自然エネルギー)を有効活用できるが、処理水量の増減が避けられない浄水場において当該水量変動への追随性に難がある。即ち、迂流式撹拌の場合、水量が減少すると撹拌力も減少し、フロック同士の接触機会が減少するためフロックが良好に成長できなくなる虞がある。しかし昨今の自然エネルギーの有効活用の観点から、低LCC(ライフサイクルコスト)な装置として注目されている。
【0005】
特許文献1には、迂流式混合槽の内部で無機系凝集剤と有機系高分子凝集剤を2段添加し、場合によっては凝集剤拡散用の撹拌機を用いて凝集処理を行う雨水混入下水の処理方法及び装置が開示されている。また特許文献2には、混和槽などにおいて凝集剤や凝集助剤を注入し撹拌機などによって分散した後、迂流水路を有するフロック形成槽においてフロックを生成する固液分離システムが開示されている。また特許文献3には、迂流式流路内において、無機系凝集剤と有機系高分子凝集剤を2段添加して凝集処理を行う雨水混入下水の処理方法及び装置が開示されている。非特許文献1には、フロック形成装置の基本的な設計指針が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-344778号公報
【特許文献2】特開2013-49057号公報
【特許文献3】特開2005-177602号公報
【非特許文献1】「水道施設設計指針2012」(社団法人日本水道協会)P.186「5.4.3フロック形成池」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2,3,非特許文献1においては、何れも迂流式撹拌について開示されているが、上述したように、処理水量の増減が避けられない浄水場においては、当該水量変動への追随性に難があり、水量が減少すると撹拌力も減少し、フロックが良好に成長できなくなる虞があった。またフロックの形成をより良好にするために迂流水路を長くすると、コンパクト化が図れなくなる虞もあった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、処理水量の増減に関わらず、フロック形成を確実且つ効率よく行うことができ、且つ設備のコンパクト化を図ることもできる浄水用フロック形成装置及びその運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置において、前処理設備からの被処理水を流入する流入室と、前記流入室に流入した被処理水を撹拌する撹拌機と、前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、を備え、前記流入室と前記流出室を近接して配置し、前記迂流室を、前記流入室から流入した被処理水が折返して前記流出室に流下する折返し構造としたことを特徴としている。
前処理設備としては、薬品混和池(急速混和池)などがある。後段設備としては、沈殿池などがある。
本発明によれば、迂流室を折り返し構造にして流入室と流出室を近接して配置する構成としたので、設備の小型化・コンパクト化が図られると同時に、迂流水路を長くすることができてフロックの良好な成長を促すことができる。
また上述のように、浄水場においては処理水量の増減が避けられないが、処理水量が減少したときに撹拌機によって流入室に流入した被処理水を撹拌することでG値(撹拌強度を表す値)を与え、これによって迂流室におけるフロック形成能力を向上させることができる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記流入室と前記流出室を繋ぐ循環用開口を設けることで、被処理水の一部が流入室、迂流室、流出室を循環する循環流路を形成したことを特徴としている。
本発明によれば、前処理設備から流入する被処理水と、流出室から循環してくるフロック成長済みの被処理水とを接触させる接触凝集によってフロック形成作用をさらに向上させることができる。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記循環用開口には、循環流量調節用の開度調整手段を設置したことを特徴としている。
本発明によれば、流出室から流入室に循環させる被処理水の循環流量を、フロック形成に適する流量に容易に調節することができる。
【0012】
また本発明は、上記特徴に加え、前記循環用開口には、前記流入室から前記流出室への短絡流を防止する逆流防止ゲートを設置したことを特徴としている。
本発明によれば、前処理設備から流入室に流入した被処理水がそのまま流出室へ流出する短絡流の流れを確実に防止することができる。
【0013】
また本発明は、上記特徴に加え、前記循環用開口には、循環流量調節用の開度調整手段と、前記流入室から前記流出室への短絡流を防止する逆流防止ゲートの両方を設置したことを特徴としている。
本発明によれば、流出室から流入室へ循環させる被処理水の循環流量を、フロック形成に適する流量に容易に調節することができると同時に、流入室から流出室への短絡流を確実に防止することができる。
【0014】
また本発明は、上記特徴に加え、当該浄水用フロック形成装置で処理する被処理水水量の状態を測定する流入状態測定部と、前記流入状態測定部によって測定した被処理水水量の状態に応じて前記撹拌機の運転状態を制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、被処理水の水量に応じて撹拌機の運転状態を制御するので、被処理水に与えるG値をフロック形成に適する値に調節することができる。
【0015】
また本発明は、上記特徴に加え、前記制御部は、前記被処理水水量が減少すると、前記撹拌機を稼働または回転速度を増加させることを特徴としている。
本発明によれば、被処理水の水量が減少した場合でも、被処理水に与えるG値を大きくすることで、フロック形成に適する状態にすることができる。また、撹拌機回転数を調整することで、流出室から流入室へ循環させる被処理水の循環流量を調整することもできるので、循環流量は、撹拌機回転数の調整と、前記循環用開口の開度調整手段による開度調整の何れか一方または両者によって行うことができる。
【0016】
また本発明は、上記特徴に加え、前記撹拌機によるポンプ作用によって前記流出室から前記流入室に循環される被処理水の水量を、当該撹拌機の回転速度の増減によって制御する制御部を備えることを特徴としている。
本発明によれば、撹拌機の回転速度を制御することによって、流出室から流入室に循環してくる被処理水の水量を制御し、これによって前処理設備から流入する被処理水と流出室から循環してくる被処理水の接触凝集によるフロック形成作用を効果的に向上させることができる。
流出室から流入室に循環される被処理水の水量は、この撹拌機回転数の制御と、前記循環用開口の開度調整手段による開度制御の何れか一方または両者によって行うことができる。
【0017】
また本発明は、浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置の運転方法において、前記浄水用フロック形成装置は、前処理設備からの被処理水が流入する流入室と、前記流入室に流入した被処理水を撹拌する撹拌機と、前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、を備え、前記流入室に流入する被処理水の水量に応じて前記撹拌機の運転状態を変更することを特徴としている。
本発明によれば、被処理水の水量に応じて撹拌機の運転状態を変更するので、被処理水に与えるG値をフロック形成に適する値に調節することができる。
【0018】
また本発明は、上記特徴に加え、前記被処理水の水量が減少した際は、前記撹拌機を稼働または回転速度を増加させることを特徴としている。
本発明によれば、被処理水の水量が減少した際に撹拌機を稼働または回転速度を増加させることで被処理水に与えるG値をフロック形成に適する値に調節することができる。
【0019】
また本発明は、上記特徴に加え、前記浄水用フロック形成装置には、前記流入室と前記流出室を繋ぐ循環流路が形成されており、前記撹拌機によるポンプ作用によって前記流出室から前記流入室に循環される被処理水の水量を、当該撹拌機の回転速度を増減することで調整することを特徴としている。
本発明によれば、撹拌機に、被処理水に与えるG値を調節する機能の他、流出室から流入室に循環される被処理水の水量を調整する機能を持たせることができる。即ち、撹拌機に、水量が減少したときの被処理水にG値を与える効果と、前処理設備から流入する被処理水と流出室から循環してくる被処理水の接触凝集によるフロック形成作用を向上させる効果とを併せ持たせることができる。
【0020】
また本発明は、浄水処理の凝集沈殿処理工程でフロック形成処理に用いられる浄水用フロック形成装置において、前処理設備からの被処理水を流入する流入室と、前記流入室から流入した被処理水を迂流板によって迂流しながら流下させる迂流室と、前記迂流室から流入した被処理水を後段設備へ流出させる流出室と、を備え、前記流入室と前記流出室を近接して配置すると共に、前記迂流室を、前記流入室から流入した被処理水が折返して前記流出室に流下する折返し構造とすることで、これら流入室と流出室と迂流室とをユニット化したことを特徴としている。
本発明によれば、装置全体をユニット化したので、例えば既存、既設のフロック形成槽内に、容易に収納し設置することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、処理水量の増減に関わらず、フロック形成を確実且つ効率よく行うことができ、且つ設備のコンパクト化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】浄水用フロック形成装置1の概略平面図である。
【
図4】フロック形成装置1の制御手段を示す制御ブロック図である。
【
図5】循環用開口31部分の拡大縦断面概略図である。
【
図6】従来のフロック形成装置200からフロック形成装置1へ取り換える際の取換方法説明図である。
【
図7】従来のフロック形成装置200からフロック形成装置1へ取り換える際の取換方法説明図である。
【
図8】従来のフロック形成装置200からフロック形成装置1へ取り換える際の取換方法説明図である。
【
図9】浄水用フロック形成装置1-2の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
浄水用フロック形成装置は、上述したように、凝集沈殿処理設備(凝集沈殿処理工程)の一部であり、原水中に凝集剤を注入・分散して荷電中和を行う薬品混和池の後段に接続され、薬品混和池で荷電中和した懸濁物質を粗大化する装置である。フロック形成装置の後段には、粗大化したフロックを沈殿させる沈殿池が設置される。
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる浄水用フロック形成装置1の概略平面図、
図2は
図1のA-A概略断面図、
図3は
図1のB-B断面矢視図である。これらの図に示すように、浄水用フロック形成装置(以下単に「フロック形成装置」と記載する場合もある)1は、前処理設備である薬品混和池(急速混和池)からの被処理水を通過させる整流板10と、整流板10を通過した被処理水を導入する流入室20と、流入室20内に設置され流入室20に流入する被処理水を必要に応じて撹拌する撹拌機40と、流入室20の流出口27から被処理水を導入する迂流室60と、流入室20に隣接して設置され、迂流室60から流出してくる被処理水を流入口81から流入させる流出室80と、流出室80の流出口83から流出した被処理水を整流させて後段設備である沈殿池に流出する整流板100とを具備して構成されている。
【0025】
整流板10は、
図3に示すように、多数の貫通孔11を設けることで前処理設備である薬品混和池から流入してくる被処理水を整流するものである。同図では整流用の貫通孔11を示しているが、他の各種構造の整流板であっても良い。
【0026】
図1に示すように、流入室20と迂流室60と流出室80は、矩形状の箱形にユニット化されており、一対の整流板10,100の間に設置できるように構成されている。
【0027】
流入室20は、
図2,
図3に示すように、当該流入室20を上下に仕切る仕切板21を設置し、仕切板21より上部20Aの整流板10側の側壁21に流入口23を設け、また仕切板21より上部20Aの迂流室60側の側壁25の上部に流出口27を設け、また仕切板21のほぼ中央に上下に貫通する流通口29を設けている。
【0028】
流入室20の仕切板21より下部20Bの迂流室60側の側壁25の下部(流出室80に対向する面、仕切壁)には、この流入室20と流出室80とを連通する略矩形状に貫通する循環用開口31が形成されている。
【0029】
図5は循環用開口31部分の拡大縦断面概略図である。同図に示すように、循環用開口31は、その流入室20側に逆流防止ゲート33を設置し、その流出室80側に開度調整扉35を設置している。
【0030】
逆流防止ゲート33は循環用開口31を塞ぐ寸法形状に形成され、上辺がヒンジ機構331によって側壁25に回動自在に取り付けられ、これによって逆流防止ゲート33は流入室20側の方向(
図5の矢印E方向)のみに回動自在となっている。即ち逆流防止ゲート33は、流出室80側から流入室20側に向かう被処理水の移動は可能であるが、その逆方向に向かう移動は阻止されるように動作する。
【0031】
開度調整扉35は、循環用開口31を塞ぐ寸法形状であって且つその上辺に棒状の駆動部材37を取り付け、さらにその上部に駆動部材37を上下方向に駆動させる開閉手段駆動部39を取り付けて構成されている。そして開閉手段駆動部39を駆動することで、開度調整扉35を上下動し、これによって循環用開口31の開度を調整する。これら開度調整扉35と駆動部材37と開閉手段駆動部39全体を、開度調整手段ということにする。
【0032】
図1~
図3に戻って、撹拌機40は、その上面に回転駆動軸41を取り付け、さらに回転駆動軸41の上部にこの回転駆動軸41を回転駆動する撹拌機駆動部43を取り付けて構成されている。撹拌機40は、
図3では羽根が中央から放射状に配列された構造の撹拌機40を示しているが、実際には、揚水性を加味し、
図11(a),(b)に示すような遠心ポンプで使用されるインボリュート羽根形状の羽根車からなる撹拌機40を用いることがより望ましい。そして撹拌機駆動部43を駆動すれば撹拌機40が回転する。この撹拌機40は、遠心力で被処理水に圧力をかけることで、流入室20の流入口23から流入してくる被処理水にG値を与えて迂流室60へ流出していく被処理水に対する撹拌力を増加させてフロック同士の接触機会を増加する機能(撹拌機能)と、前記循環用開口31から吸い込んだ被処理水を流通口29を通してその上方に吸い上げて回転駆動軸41に垂直な面方向に向けて吐き出す機能(循環機能)とを併せ持っている。もちろん他の各種構造の撹拌機を用いても良い。循環機能の点からいうと、撹拌翼を有する撹拌機40は、循環翼を有する循環機ということもできる。
【0033】
迂流室60は、多数枚の迂流板61を、上流から下流に向けて流れる被処理水を迂流させるように設置して構成されている。各迂流板61はその面が被処理水の流れに交差するように設置され、またその上辺や下辺や左右両側辺などに、所望の切り欠きや貫通孔からなる被処理水挿通部63を設けている。隣接する迂流板61の被処理水挿通部63の位置を異ならせることで、被処理水が下流に向けて流下する際に撹拌を行い、フロック形成作用が効果的に生じるようにしている。なお迂流板61の設置位置や被処理水挿通部63の形状や設置位置などに種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0034】
そしてこの実施形態にかかる迂流室60においては、流入室20から流入した被処理水が、流入室20から離れる方向に向かって流下した後、折返し部65において折り返し、流入室20に隣接して設けた流出室80に近づいていく方向に向かって流下する構造、即ち迂流構造の流路を隔壁67で仕切って折り返す折返し構造としている。
【0035】
流出室80は、最後の迂流板61の下流側端部に形成された部屋である。流出室80と前記流入室20との間は側壁(仕切壁)25によって仕切られている。この流出室80は、前記迂流室60から被処理水を流入させる流入口81と、整流板100側に流出させる流出口83と、流入室20に被処理水の一部を循環させる前記循環用開口31とを有している。なお流出口83には、その下辺の高さが上下動できる流出壁高可変構造を設けることで、流出室80内の水位を制御・維持できる構成としても良い。
【0036】
整流板100は、前記流出室80の流出口83から流出した被処理水を整流して後段設備である沈殿池に向けて流出するものであり、多数の貫通孔111を設けることで流出室80から流入してくる被処理水を整流するものである。
【0037】
図4は、上記フロック形成装置1の制御手段を示す制御ブロック図である。同図に示すようにフロック形成装置1の制御手段は、制御部120と、流入状態測定部121と、開度検出部123と、前記撹拌機駆動部43と、前記開閉手段駆動部39とを具備して構成されている。
【0038】
流入状態測定部121は、前処理設備である薬品混和池からフロック形成装置1に流入する被処理水の流入状態(この例の場合は流入量)を測定する装置(この例の場合は流量計)である。流入状態測定部121は、図示はしないが例えば薬品混和池とフロック形成装置1の間の所定の位置に設置されて被処理水の流量を測定し、その測定値を制御部120に出力する。また流入状態測定部121は、流入量を測定する代わりに、迂流室60内やその他の箇所の水位を測定することで流入量の過不足を測定しても良いし、流出口83から流出する水量を測定する構成でも良い。さらに迂流室60内で成長するフロックの成長状態を検出することで、流入状態の良否を判断しても良い。要は迂流室60への被処理水の流入状態の過不足が検出できるものであればよい。
【0039】
開度検出部123は、循環用開口31の開度を検出するものであり、図示はしないが例えば水面よりも上方の位置にある駆動部材37の上下方向の位置を測定することなどによって開度を検出し、その測定値を制御部120に出力する。もちろん他の各種構造の開度検出部であっても良い。
【0040】
制御部120は、流入状態測定部121から入力した被処理水の流入状態と、開度検出部123から入力した循環用開口31の開度とを用いて、撹拌機駆動部43と開閉手段駆動部39とに制御信号を出力し、撹拌機40の回転数と、循環用開口31の開度とを調整する。
【0041】
次にフロック形成装置1の運転方法の一例を説明する。
図示しない前処理設備である薬品混和池において凝集剤などが添加され、場合によっては撹拌機で撹拌することで前記凝集剤などを分散して懸濁物質を荷電中和した被処理水を、整流板10の各貫通孔11を通して整流する。
【0042】
整流板10を通過した被処理水は、流入口23を通して流入室20に流入する。流入室20に流入した被処理水は、流出口27を通して迂流室60に流入する。
【0043】
流入室20から迂流室60に流入した被処理水は、自然流下によって下流に向かって流下してゆき、途中で折り返して流出室80に向かって流下していく。当該流下の間に、被処理水は迂流板61によって上下左右に蛇行を繰り返すことで撹拌され、フロック同士が効果的に接触し、成長・粗大化していく。
【0044】
粗大化したフロックを有する被処理水は、流入口81から流出室80に流入した後、流出口83から整流板100側に流出し、整流板100の各貫通孔111を通過して整流された後、後段設備である図示しない沈殿池に導入され、粗大化したフロックを沈殿させる。
【0045】
上記フロック形成工程において、薬品混和池から流入する被処理水の流量が少ない場合(少ないことを流入状態測定部121が検出した場合)、制御部120は撹拌機40をその流量に応じた回転速度で回転させる(停止状態から稼働する場合や回転状態からその回転速度を速くする場合がある)。回転速度は被処理水の水量が減少すればするほど速くしていく。これによって被処理水は撹拌され、迂流室60に流下していく被処理水にG値を印可することができ、迂流室60内を流下する被処理水の流量が少ないことによってフロック同士の接触回数が低下することを防止する。これによってたとえ被処理水の流量が少ない場合でも、良好なフロック形成を維持することが可能になる。
【0046】
一方、被処理水の流量の多少とは別に、撹拌機40を回転駆動することで、当該回転する撹拌機40のポンプ作用によって、迂流室60から流出室80に流入した被処理水の一部を、循環用開口31を介して流入室20の下部20Bに流入させ、さらに前記下部20Bに流入した被処理水を流通口29を通して上部20Aに導入し、前記流入口23から流入してくる被処理水と合流させながら、流出口27から迂流室60に流出させていく。
【0047】
このように、フロック生成が進んでいない前処理設備から流入する被処理水と、迂流室60において既にフロックを生成して流出室80から循環してくる被処理水とを混合して接触させることにより、すでに生成されているフロックを用いた接触凝集を図り、これによって迂流室60におけるフロック形成をより効果的に進めることができる。
【0048】
流出室80から流入室20に循環させる被処理水の水量の調節は、撹拌機40の回転速度、及び開度調整扉35の開度の調整によって行う。例えば前処理設備の薬品混和池から流入する被処理水の流量が多い場合は、それに見合う循環流量を付与するため、開度調整扉35の開度を大きくし、撹拌機40の回転速度も速くする。一方、前処理設備の薬品混和池から流入する被処理水の流量が少ない場合は、上述のように撹拌機40の回転速度は被処理水に強いG値を与えるため速くするが、循環流量を少なくするため開度調整扉35の開度を小さくする。
【0049】
即ち、撹拌機40は、流入水量が少ないときに被処理水にG値を付与してフロックの成長を促す機能と、流出室80側から循環させる被処理水の循環流量を増減させる機能(ポンプ機能、循環機能)とを有するので、両機能が同時に効果的に発揮できるよう、撹拌機40の運転状態(及び開度調整扉35の開度)を変更・制御する。
【0050】
なお、撹拌機40を停止させたような場合、流入口23から流入してきた被処理水が、流通口29を逆流し、循環用開口31から流出室80側に短絡(逆流、短絡流)して流出しようとするが、この実施形態では、逆流防止ゲート33を設置しているので、当該逆流は生じない。
【0051】
なお、逆流防止ゲート33を設置していないような場合は、撹拌機40の駆動を開始する前に開度調整扉35を開くと被処理水が逆流するため、撹拌機(循環機)40を先に起動した後に開度調整扉35を開放するように運用すればよい。
【0052】
以上説明したように、浄水用フロック形成装置1は、迂流室60を折り返し構造にして流入室20と流出室80を近接して配置する構成としたので、設備の小型化・コンパクト化を図ることができると同時に、迂流水路を長くとることができてフロックの良好な成長を促すことができる。また上述のように、浄水場においては処理水量の増減が避けられないが、処理水量が減少したときに撹拌機40によって流入室20に流入した被処理水を撹拌することでG値を与え、これによって迂流室60におけるフロック形成能力を向上させることができる。
【0053】
また流入室20と流出室80を繋ぐ循環用開口31を設けることで、被処理水の一部が流入室20、迂流室60、流出室80を循環する循環流路を形成したので、前処理設備から流入する被処理水と、流出室80から循環してくるフロック成長済みの被処理水とを接触させる接触凝集によってフロック形成作用をさらに向上させることができる。
【0054】
また循環用開口31に、開度調整扉35や駆動部材37や開閉手段駆動部39などからなる開度調整手段を設置したので、流出室80から流入室20に循環させる被処理水の循環流量を、フロック形成に適する流量に容易に調節することができる。
【0055】
また循環用開口31に流入室20から流出室80への短絡流を防止する逆流防止ゲート33を設置したので、前処理設備から流入室に流入した被処理水が、そのまま流入室20から流出室80へ流出する短絡流の流れを確実に防止することができる。
【0056】
迂流式撹拌による凝集の場合、流量低下時には、一般的に機械式撹拌による凝集に比べて、フロック形成能力が低下するが、本実施形態にかかるフロック形成装置1では、例え流量低下時でも撹拌・循環羽根を回転することでG値を与え、且つフロック形成後の被処理水の一部を上流に循環して接触凝集させているので、上記機械式撹拌による凝集に比べても、フロック形成能力が向上する。即ち、原水性状(濁度、TOC)と水量の変化への追従性が向上する。
【0057】
図6乃至
図8は従来のフロック形成装置200から本実施形態に係るフロック形成装置1へ取り換える際の取換方法説明図である。
図6に示す従来のフロック形成装置200は、複数(この例では4段)のフロック形成装置200を被処理水の流れ(矢印E方向)に向かって直列に連結して構成されている。各フロック形成装置200は、機械式撹拌を行うことでフロックを形成する装置であり、各フロック形成装置200のフロック形成槽201の内部には撹拌機203が設置されている。各フロック形成槽201の間には、上記本実施形態にかかるフロック形成装置1で示したと同様の多数の貫通孔を有する整流板210が設置されている。そして前処理設備から流れてきた被処理水は、整流板210で仕切られた各フロック形成装置200に流入し、緩やかに回転する撹拌機203によって撹拌されることで微小フロックをより大きなフロックに成長させていく。そして全てのフロック形成装置200を通過してフロックが成長した被処理水は後段設備である沈殿池に導入される。
【0058】
このフロック形成装置200を本実施形態に係るフロック形成装置1に取り換えるには、まずフロック形成槽201内の撹拌機203などの機械部品を取り除く。次に、
図7に示すように上記ユニット化された本実施形態にかかるフロック形成装置1を用意し、
図8に示すように収納する。これによってフロック形成装置1の設置が終了する。
【0059】
本実施形態にかかるフロック形成装置1は、流入室20と流出室80を近接して配置すると共に、迂流室60を流入室20から流入した被処理水が折返して流出室80に流下する折返し構造とすることで、これら流入室20と流出室80と迂流室60の装置全体をユニット化したので、既存、既設のフロック形成槽に、内部の装置を入れ替えるだけで、容易に設置することが可能になる。
【0060】
本実施形態にかかるフロック形成装置1は、上述のように、従来のフロック形成装置200よりもフロック形成能力が向上しているので、従来のフロック形成装置200ではこれを2~4列(複数列)設置して凝集していたが、本実施形態にかかるフロック形成装置1では1列で十分なフロック形成が実現できる。それに伴い、駆動装置も機器点数も設置面積も少なくでき、また更新工事においては土木費も削減できる。さらに駆動部を従来よりも減らせる分、駆動部関連のメンテナンス頻度が低減する。またこの実施形態では撹拌機40が懸垂型であるため、槽内にメンテナンス項目がなく、この点からもメンテナンス性が向上する。即ち、小型化、低LCC化を図ることができる。
【0061】
図9は本発明の他の実施形態にかかる浄水用フロック形成装置1-2の概略平面図、
図10は
図9のC-C概略断面図である。これらの図に示す浄水用フロック形成装置1-2において、前記
図1~
図8に示す実施形態にかかる浄水用フロック形成装置1と同一又は相当部分には同一符号(但し各符号に「-2」の添え字を付す)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図8に示す実施形態と同じである。
【0062】
この浄水用フロック形成装置1-2において、上記浄水用フロック形成装置1と相違する主な点は、流入室20-2と流出室80-2の配置と、流出室80-2の流出口83-2に整流機構100-2を設置したことである。即ちこの浄水用フロック形成装置1-2においては、隔壁67-2の延長線上に流入室20と流出室80間を仕切る仕切壁26-2を設けている。仕切壁26-2には、前記浄水用フロック形成装置1と同様の循環用開口31-2や逆流防止ゲート33-2や開度調整手段(開度調整扉35-2など)が設置されている。
【0063】
本実施形態の場合も、前記フロック形成装置1の場合と同様に、流入室20-2と流出室80-2を近接して配置し、迂流室60-2を折返し構造としているので、設備の小型化・コンパクト化を図ることができ、同時に、迂流水路を長くとることができてフロックの良好な成長を促すことができる。また処理水量が減少したときに撹拌機40-2によって流入室20-2に流入した被処理水を撹拌することでG値を与え、これによって迂流室60-2におけるフロック形成能力を向上することや、流出室80-2からの循環流による接触凝集によってフロック形成を促進することも前記フロック形成装置1の場合と同様である。
【0064】
また整流機構100-2は流出口83-2に多数の貫通孔を設けた板体を取り付けることなどによって構成されている。流出口83-2に整流機構100-2を設置することで、流出室80-2に整流機能を兼用させれば、上記フロック形成装置1で設けた整流板100を設置する必要がなくなり、装置のコンパクト化や部品点数の削減をさらに図ることができる。なお同様に流入室20の流入口23に整流機構を設置し、上記整流板10を省略しても良い。
【0065】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記各実施形態では、迂流室における自然流下方向の折返しを1往復としたが、2往復以上の複数回折り返してその両端の流入室と流出室が近接する位置となるように構成しても良い。また迂流板の配置間隔(迂流流路ピッチ)は、徐々に撹拌強度を小さくしてフロックを大きくしていくため(テーパードフロキュレーション)、下流側ほど迂流板の配置間隔を広くする構成とすることがより望ましい。
【0066】
また上記各実施形態では、仕切壁の両側に直接流入室と流出室を配置したが、場合によっては両者間を配管や水路などで繋ぐ構成としても良く、要は流入室と流出室を近接して配置する構成であればよい。また上記各実施形態ではフロック形成装置で処理する被処理水の水量を測定・制御する制御手段を設けたが、人の目視や手作業によってフロック形成装置の運転を行っても良い。また上記各実施形態では、撹拌羽根(循環羽根)を用いて被処理水を循環させたが、その代わりに、ポンプや配管などにより被処理水を流出側から流入側に循環させる方法を用いても良い。また状況に応じて、循環経路を省略したり、撹拌機の設置を省略したりなどしても良い。
【0067】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0068】
1 浄水用フロック形成装置(フロック形成装置)
10 整流板
20 流入室
31 循環用開口
33 逆流防止ゲート
35 開度調整扉(開度調整手段)
37 駆動部材(開度調整手段)
39 開閉手段駆動部(開度調整手段)
40 撹拌機
60 迂流室
61 迂流板
80 流出室
100 整流板
120 制御部
121 流入状態測定部