(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031170
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】骨格挿入用防水シートおよび骨格内蔵防水シート
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20240229BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E04H9/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134555
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】506419179
【氏名又は名称】株式会社くればぁ
(74)【代理人】
【識別番号】100180057
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】中河原四郎
【テーマコード(参考)】
2E139
2E239
【Fターム(参考)】
2E139AA08
2E139AC19
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 使用しない時はコンパクトに折り畳むことができ、張設が比較的容易な防水シートとその部品を提供する。
【解決手段】 シート本体の面上に互いに平行に形成された両端開口袋体を有する骨格挿入用防水シート、および、シート本体2と、当該シート本体2の面5上に互いに平行に形成された袋体4と、上記袋体4内に封入された支柱7とを備えた、骨格内蔵防水シート1である。さらに前記袋体4と交差しない位置において、前記袋体4に対して垂直な方向に延びる第2の袋体6を有し、当該第2の袋体6内に可変長オモリ9が封入されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体の面上に互いに平行に形成された両端開口袋体を有する骨格挿入用防水シート。
【請求項2】
両端開口袋体と交差しない位置において、両端開口袋体と垂直な方向に延びる第2の両端開口袋体を有する請求項1に記載の骨格挿入用防水シート。
【請求項3】
シート本体と、当該シート本体の面上に互いに平行に形成された袋体と、前記袋体内に封入された骨格構造とを備えた、骨格内蔵防水シート。
【請求項4】
前記骨格構造が、1本の棒を折り曲げた支柱である請求項3に記載の骨格内蔵防水シート。
【請求項5】
さらに前記袋体と交差しない位置において、前記袋体に対して垂直な方向に延びる第2の袋体を有し、当該第2の袋体内に可変長オモリが封入されている請求項3または請求項4に記載の骨格内蔵防水シート。
【請求項6】
前記可変長オモリが、両端にリボンを有し、当該リボンがシート本体および第2の袋体と一体化されているチェーンである請求項5に記載の骨格内蔵防水シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨格挿入用防水シートおよび骨格内蔵防水シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の異常気象により、豪雨災害が日本各地で多発している。とりわけ浸水災害は、工場・公共施設において機械設備を故障させ、商店において商品価値を失わせ、一般家屋においても家財に多くの損害をもたらすため、これを効果的に防止する必要がある。
【0003】
玄関やシャッターの前を覆うようにシートを配して、その上端に粘着シートを貼ることにより、浸水の防止を図ることは従来行われている(特許文献1)。
【0004】
本出願人も、ろ過メッシュフィルターとして使用していた軽量シートに表面加工を施して防水シートとし、浸水防止領域を取り囲むように配して粘着シートを四隅に貼ることにより防水性能を高める提案をし、自治体や企業から多くの反響を得ている(非特許文献1)。
【0005】
粘着シートを貼付する作業は、防水シートを建物の壁面上に押し当てた状態で保持する人、ガムテープを所定長さに切って防水シートと壁面の境界に貼る人、最低でも2人がかりとなる。強風が吹いている中の作業ではシートがばたつき風をはらむため、さらに人数を要する場合もある。浸水を防ぐべき開口部は通常1つの建物に複数箇所あり、急激な増水が短時間で起きる昨今の豪雨災害の状況に照らせば、1開口部につきなるべく少人数で短時間に張設が可能な構造を防水シートが有していることが望ましい。
【0006】
そこで、三角柱状に骨組みを配したテント式止水装置(特許文献2)、両側辺に沿って磁石を配したシート式防水装置(特許文献3)が提案されている。これらはいずれも1人で防水シートの張設が可能ではあるが、特許文献2は組み立て作業に手間と時間がかかるデメリットがあり、特許文献3は設置作業が簡便であるが、設置箇所が磁石の付く箇所に限定されるというデメリットがある。
【0007】
折り畳み自在に連結された一対の第1パネル及び第2パネルの各々の外縁に 矩形形状のリング状の枠体を備え、当該枠体に水密性を有するシートを張った防水扉が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-151856号公報
【特許文献2】特開2017-222997号公報
【特許文献3】特開2021-031982号公報
【特許文献4】特開2013-238007号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「梅雨入り前にこそ再確認! 災害に備える大切さ。」、2022年4月28日、PR TIMES(URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000008834.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、枠体は折り畳めるものの、コンパクトさには欠け、決まった寸法での販売となるため、汎用性に乏しいという欠点がある。
【0011】
上記現状に鑑み、本発明は、使用しない時はコンパクトに折り畳むことができ、張設作業が比較的容易な防水シートとその部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の1つの側面は、シート本体の面上に互いに平行に形成された両端開口袋体を有する骨格挿入用防水シートである。斯かる構成であると、両端開口袋体内に支柱を挿入して適宜封入することにより、防水シートに一定程度の姿勢安定化作用を持つ骨格が形成され、強風時でもシートが翻らず、張設作業が比較的容易になる。また使用しない時はコンパクトに折り畳むことができる。
【0013】
上記骨格挿入用防水シートは、両端開口袋体と交差しない位置において、両端開口袋体と垂直な方向に延びる第2の両端開口袋体を有するものであることが好ましい。ここで第2の両端開口袋体について「袋体と交差しない位置」とは、第2の両端開口袋体の周縁部をシート本体と一体化した際に、両端開口袋体内を横断して縫い合わせることにならない位置を意味する。斯かる構成であると、第2の両端開口袋体内にオモリを挿入して適宜封入することにより、床面すれすれで正面から来る突風によってシートが床面から大きくめくれ上がって風をはらむのを防止し、張設作業が比較的容易になる。また使用しない時はコンパクトに折り畳むことができる。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の側面は、シート本体と、当該シート本体の同一面上で互いに平行に形成された袋体と、上記袋体内に封入された骨格構造とを備えた、骨格内蔵防水シートである。斯かる構成であると、防水シートに一定程度の姿勢安定化作用が得られる結果、強風時でもシートが翻らず、張設作業が比較的容易になる。また使用しない時はコンパクトに折り畳むことができる。なお、「骨格内蔵」とは、防水シートの骨格構造が露出していないことを意味する。したがって、骨格構造が直接水に触れることがなく、骨格構造の劣化が抑制されるほか、直接設置者の体に触れることもないので、怪我をしにくい。
【0015】
上記防水シートは、骨格構造が、1本の棒を折り曲げた支柱か、または、2本の棒をチューブジョイント関節で連結した支柱であることが好ましい。斯かる構成であると、壁面に立てかけたときに、骨格が床面と壁面双方から支持されることで、防水シートに略L字形の骨格が形成され、姿勢が安定化し、少人数での設置がさらに容易になる。またシート内に支柱が平行に配されているだけなので、使用しない時はシートに骨格を入れたまま束ねるだけでコンパクトに畳むことができる。
【0016】
上記防水シートは、上記袋体と交差しない位置において、上記袋体と垂直な方向に延びる第2の袋体を有し、当該第2の袋体に可変長オモリが封入されていることが好ましい。ここで第2の袋体について「袋体と交差しない位置」とは、第2の袋体の周縁部をシート本体と一体化した際に、袋体内を横断して縫い合わせることにならない位置を意味する。また「可変長オモリ」とは、長さを調整可能なオモリを意味する。斯かる構成により、床面すれすれで正面から来る突風によってシートが床面から大きくめくれ上がって風をはらむのを防止し、正面からの急激な水流浸入をある程度抑制することができるほか、可変長オモリに長さ方向の遊びがあることで、壁面に接しているシートにひだやシワが生じた場合、底面にもひだやシワをつくることができる。
【0017】
上記防水シートは、可変長オモリが、両端にリボンを有し、当該リボンがシート本体および第2の袋体と一体化されているチェーンであることが好ましい。リボンがあることで、第2の袋体内でチェーンの両端を固定することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使用しない時はコンパクトに畳むことができ、張設作業が比較的容易な骨格内蔵防水シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る骨格内蔵防水シートの一実施形態の模式図。
【
図4】両端に布リボンを結わえたチェーンの模式図。
【
図5】実施例1に係る放水テスト前の骨格内蔵防水シートの戸口への設置状態を示す写真。
【
図6】実施例1に係る放水テスト後の粘着テープ近傍の拡大写真。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について以下に適宜図面を参照して説明する。
以下、「骨格挿入用防水シート」と「骨格内蔵防水シート」に共通する事項について言及する場合は、単に「防水シート」と表現する。
【0021】
図1、
図2および
図3に示す本発明の防水シート1は、シート本体2と、当該シート本体2の同一面5上に互いに平行になるように等間隔で4本形成した袋体4、当該袋体4を形成した面5とは反対側の面3上、袋体4と交差しない位置において袋体4に対して垂直な方向に延びる第2の袋体6を備えている。
【0022】
シート本体2は、耐水圧性を有し、おもて面3が撥水性、裏面5は親水性を有する厚さ0.1mmのポリエステル樹脂シートからなる。本実施形態では、屋外に設置することを想定し、シート本体2のおもて面3を外部浸水が直接接する側の面にし、シート本体2の裏面5を後述するドア12(開き戸、引き戸、自動ドアの別を問わない)、ドア枠14、戸口壁面16および床面8に接する側の面にしている。
【0023】
シート本体2の縦横長さは現場に応じて任意に設定可能であるが、通常、戸口幅が900mm程度であることから、これを覆えるように幅に相当する横の長さを1000mmに設定している。
【0024】
袋体4は、略長方形の短冊シートの周縁をシート本体2の裏面5にミシンで縫い付けることによって形成されている。短冊シートの材質としては、特に限定されないが、本実施形態ではシート本体2と同一の材料を親水性面が露出するように使用している。縫い糸10としては、防水加工を施した糸を用いている。本実施形態では、シート本体2と袋体4との一体化の方法としてミシン縫いを採用したが、縫い目からの水の浸入を防ぎ、防水性を一層高める観点から、超音波ミシンによる加熱融着を使用してもよい。
【0025】
袋体4の長手方向の長さと位置は、後で支柱7が入るとその部分だけシート本体2が張ることを想定して、シート本体2の周縁部が垂れすぎず、ドア12または戸口壁面16の複雑な凹凸形状にも適合しうるような長さと位置に設定する。
【0026】
第2の袋体6は、袋体4よりも幅が大きい略長方形の短冊シートの周縁をシート本体2のおもて面3と一体化することによって形成されている。短冊シートの材質としては、ドアおよび床面に接する側の面であり撥水性は特に求められないが、骨格支柱としてさびやすい材質を使用する場合は、防水性がある方が好ましく、本実施形態ではシート本体2と同一の材料を撥水性面が露出するように使用している。シート本体2と第2の袋体6との一体化の方法としては、袋体4について上述した方法を採用することができる。
【0027】
骨格内蔵防水シート1には、
図3に示すように袋体4内に各々、1本の棒を略直角に折り曲げた支柱7が骨格構造として封入されている。支柱7の材質は、さび止め塗料を塗布した曲げ加工が容易な軟鉄を採用している。支柱の太さは、軽量性と形状保持機能との両立を考慮し、直径5.5mmに設定している。支柱の断面形状は、
図2に示すように円形を採用しているが、四角形でもよく、特に限定されない。
【0028】
支柱7は、その折り曲げ位置によって防水シートの高さを変えることができる。支柱の垂直方向と水平方向との長さの比率は、想定する浸水の深さや戸口の屋外側の床面の広さによっても変わるが、姿勢の安定性の観点から、2:1に設定している。
【0029】
骨格内蔵防水シート1は、第2の袋体6内に、チェーン9が封入されている。チェーン9の封入方法としては、
図4に示すような両端に布リボン11を結わえたチェーンを用意し、当該布リボン部分においてシート本体と第2の袋体に一体化する方法を採用している。これにより、第2の袋体内でのチェーンの長さは一定の範囲で変動するものの、両端部が中に入り込まないようになっている。
【0030】
骨格内蔵防水シートの設置場所と設置方法について説明する。
骨格内蔵防水シートの設置場所は、
図5に示すように、粘着テープ13が接着可能な床面8ならびにドア枠14および/または戸口壁面16を有する場所である。なかでも、略平坦な床面8を有する建物の出入口の屋外側や車庫等のシャッター周縁部に好適に設置できる。
骨格内蔵防水シートは、上記設置場所において、ドア12とドア当接面19とが形成するコーナー部15、ドア12と床面8とが形成するコーナー部17に支柱7の屈曲部を沿わせて設置する。これにより、支柱7を比較的安定的に自立させることができる。次に、粘着テープの粘着面の半分の領域をシート本体2の周縁部に貼り、残りの半分の領域を床面8ならびにドア枠14および/または戸口壁面16に貼る。粘着テープの材質としては、防水性と床面への粘着性を兼ね備えたテープを採用することができ、市販品としては例えば、ゴリラテープ(呉工業社製)、気密粘着テープ(No.740、積水化学社製)、気密粘着テープ(アスクル社製)、養生テープ等を使用することができる。
【0031】
同一面上に互いに平行な両端開口袋体を形成した骨格挿入用防水シートもまた、本発明に包含される。骨格挿入用防水シートは、骨格支柱を後から挿入できるように、袋体や第2の袋体の両端が開口している点で、骨格内蔵防水シートと異なる。骨格内蔵防水シートが耐用期間を過ぎたり、直射日光による劣化等が原因で破れたりした時に、交換用防水シートとして購入し、支柱やチェーンだけを再利用することができる。袋体や第2の袋体の両端開口部には、その内壁面の全部または一部にアイロン接着剤、アイロン両面接着シート等が貼付または適用されている。袋体や第2の袋体に骨格構造、チェーン等を収容した後、アイロン接着剤、アイロン両面接着シート等の貼付・適用部分にアイロンがけする方法により、密封することができる。
【実施例0032】
(製造例1 骨格内蔵防水シートの製造手順)
おもて面に撥水加工、うら面に親水加工を施した縦1400mm×横1000mmの市販の防水シート(くればぁ社製)をシート本体として、当該シート本体のうら面に縦1240mm×横50mmの短冊シート状に裁断した同一材料のシート3枚を互いに450mm間隔になるように平行に載置し、短冊シートの側辺を防水シート本体と超音波エンボス溶着することにより、上端と下端に開口を有する3本の袋体を形成した。両端開口袋体には、いずれも長さにして垂直方向800mm×水平方向400mmに折り曲げたL字形の軟鉄製支柱(直径5mm、さび止め加工済み)を挿入し、上下開口端を超音波ミシンでエンボス溶着することによりL字形の支柱を封入した。
次に、シート本体のおもて面上、袋体と交差しない位置かつ袋体と垂直な方向に縦50mm×横940mmの短冊シートを載置して、短冊シートの上下辺を防水シート本体と超音波ミシンでエンボス溶着することにより第2の袋体を形成した。次に、第2の袋体に挿入するため、両端に布リボンを結びつけた幅30mmで最長900mmの金属チェーンを用意した。次いで第2の袋体の一端を上に来るように持ち上げ、その開口部から重力を使って金属チェーンを通し、短冊シートの左右開口端を布リボンと一緒に防水シート本体に超音波ミシンで接合することにより、両端を固定した状態で第2の袋体内に金属チェーンを封じた。
以上によって得られた骨格内蔵防水シートについて、袋体を形成した側を壁面や床面に接する側として設置した。
【0033】
(実施例1 放水テスト)
図5に示すように、手前に向かって若干沈下したコンクリート床面を屋外入口に有する自動ドア12および戸口周縁部に、製造例1で得られた骨格内蔵防水シート1を設置した。このとき支柱7は、ドア12とドア当接面19とが形成するコーナー部15、および、ドア12とドア枠14の境界線21に沿わせて、その屈曲部をドア12と床面8とが形成するコーナー部17に沿わせて設置した。当該シート1の周縁部を防水補修テープ13(品名:ゴリラテープ、呉工業社製)でドア枠14と入口床面8に貼り付けた。所要時間は2人がかりでおよそ10分であった。次に、骨格内蔵防水シートで覆った戸口全体に放水テストを行った。その結果、
図6に示すように、粘着テープの外側の露出したコンクリート床面に浸透した水が毛細管現象によって粘着テープ下部に浸入する現象が観察されたものの、粘着テープは接着力を維持し、テープとコンクリート床面とのすき間からの浸水はなかった。またテープより内側の領域まで水が浸入することはなかった。
【0034】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、また、上記実施形態に説明される構成のすべてが本発明の必須要件であるとは限らない。本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当該技術的範囲に属する限り種々の改変等の形態を採り得る。
【0035】
上記実施形態において防水シートにおいて袋体を形成する面は同一面としたが、両面に任意の順序で形成してもよく、例えば、隣り合う袋体同士が交互に異なる面上に形成されるようにしてもよい。
【0036】
上記実施形態において袋体(支柱)の数は4つとしたが、1つ以上の数で任意であり、
図1における中央の2本を1本にしてもよい。
【0037】
上記実施形態において第2の袋体にはチェーンを封入したが、これに代えて伸縮棒、伸縮ゲート、蛇腹等の可変長オモリ、高吸水性高分子ビーズ等のオモリを封入してもよい。
【0038】
上記実施形態において第2の袋体を形成することなく、別途用意した水嚢袋に水を入れて防水シートの裾の部分に並べてもよい。
【0039】
上記実施形態において支柱の折り曲げ角度を略直角としたが、設置する床面の水平面からの傾斜角度、ドア表面と床面とがなす角度に応じて任意の角度に変えてもよい。
【0040】
骨格内蔵防水シートは、骨格構造として支柱間を所定距離に離間させる梁構造を有していてもよいし、支柱に代えて、または、支柱とともに、四角形の枠体構造を有していてもよい。また支柱間を所定距離に離間させるためのスペーサをシートの外側から支柱に嵌め込んでもよい。
【0041】
防水シートは、シート本体の裏面側両側辺に図示しないオスボタンを備える一方、ドア枠15または戸口壁面16上、オスボタンの対になる位置にメスボタンを備えていてもよい。予め嵌め合うボタンを設けておけば、粘着テープを周縁部に貼る前に、シート本体をドア枠15または戸口壁面16に仮止めができることから、張設作業がさらに容易になる。
【0042】
防水シートは、シート本体の裏面側周縁部に強力両面粘着テープを貼付したものであってもよい。
本発明の防水シートは、豪雨による浸水災害の影響が大きい工場・公共施設、商店、一般家屋等の財物を収容する建物のあらゆる出入り口に手早く設置することができ、産業上の利用可能性は大である。