(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031177
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ディスプレイ・セットシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240229BHJP
G06Q 50/26 20240101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134572
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】522340233
【氏名又は名称】野口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】野口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】山岸 篤生
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC12
5L049CC17
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】観光や建物等の観光案内情報を紹介するために、利用者からの入力をセパレート式のタッチパネルで受け付けて、画像や映像をモニタに表示するディスプレイ・セットシステムを提供する。
【解決手段】ディスプレイ・セットシステム1は、利用者からの入力操作を受け付けず、画像表示を行う第1表示装置2と、第1表示装置2よりも比較的小型で、複数の選択肢を示すアイコン等を列挙して表示し、タッチ操作で所定のアイコンの入力を受け付ける第2表示装置3と、を備え、前記第2表示装置3に対する利用者の入力操作に応じて、前記第1表示装置2の画面表示を切替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの入力操作を受け付けず、画像表示を行う第1表示装置と、
前記第1表示装置よりも比較的小型で、複数の選択肢を示すアイコン等を列挙して表示し、タッチ操作で所定のアイコンの入力を受け付ける第2表示装置と、を備え、
前記第2表示装置に対する利用者の入力操作に応じて、前記第1表示装置の画面表示を切替えるディスプレイ・セットシステム。
【請求項2】
前記第1表示装置は、静止画像又は文字の領域と、当該静止画像又は文字に関連した動画の領域と、から構成される請求項1に記載のディスプレイ・セットシステム。
【請求項3】
前記画面表示のコンテンツが、観光、建築物案内、店舗、防災に関するコンテンツである請求項1に記載のディスプレイ・セットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報をモニタに表示するディスプレイ・セットシステムに関し、特に、観光や建物等の観光案内情報を紹介するために、利用者からの入力をセパレート式のタッチパネルで受け付けて、画像や映像をモニタに表示するディスプレイ・セットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
観光客が集まる観光案内所等には、その近隣エリアの観光案内情報を大型モニタに表示することによって、観光案内を提供している。
【0003】
観光案内情報には、例えば、観光地を各エリアに分けたエリアガイド、アトラクションや文化・歴史、観光施設等の建物、温泉、ショッピング、グルメ等の見どころ等の情報が含まれる。
【0004】
近年、観光案内所等には、大型タッチパネルディスプレイを設置され、利用者はタッチパネルを操作することによって、利用者の欲しい情報が提供されている(特許文献1)。また、近年の観光案内所等において、利用者の視線を集めて案内所内に誘導するための大型モニタと、利用者が欲しい情報にアクセスするためのタッチパネルが設置されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“デジタルサイネージお客様導入事例”,[online],2019年12月,リコージャパン株式会社,[2022年7月25日検索],インターネット<URL:https://www.ricoh.co.jp/-/Media/Ricoh/Sites/co_jp/case/2002_f-kankou/download.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および非特許文献1においては、大型モニタによって、視認性は高いが、設置方法や設置場所に制約が出てしまうため、必要なスペースが限定され、導入ができない場合がある。また、大型モニタは、拭き掃除等、メンテンナスも手間がかかる。
【0008】
また、特許文献1においては、利用者がタッチパネルの操作によって、表示される情報は、大型のタッチパネルディスプレイであることから、利用者が操作中に、他人に観られてしまう恐れがある。
【0009】
さらに、非特許文献1においては、タッチパネルと大型モニタは近接して設置されているものの、タッチパネルからアクセスする情報は、タッチパネルで表示されるにすぎず大型モニタには表示されない。このため、タッチパネルのアイコンメニューを階層的に切り替えながら、利用者が欲しい情報をモニタで確認することができない。
【0010】
本発明は、観光や建物等の観光案内情報を紹介するために、利用者からの入力をセパレート式のタッチパネルで受け付けて、画像や映像をモニタに表示するディスプレイ・セットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、利用者からの入力操作を受け付けず、画像表示を行う第1表示装置と、
前記第1表示装置よりも比較的小型で、複数の選択肢を示すアイコン等を列挙して表示し、タッチ操作で所定のアイコンの入力を受け付ける第2表示装置と、を備え、
前記第2表示装置に対する利用者の入力操作に応じて、前記第1表示装置の画面表示を切替えるディスプレイ・セットシステムを提供する。
【0012】
本発明によれば、利用者からの入力操作を受け付けず、画像表示を行う第1表示装置と、
前記第1表示装置よりも比較的小型で、複数の選択肢を示すアイコン等を列挙して表示し、タッチ操作で所定のアイコンの入力を受け付ける第2表示装置と、を備え、
前記第2表示装置に対する利用者の入力操作に応じて、前記第1表示装置の画面表示を切替える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、観光や建物等の観光案内情報を紹介するために、利用者からの入力をセパレート式のタッチパネルで受け付けて、画像や映像をモニタに表示するディスプレイ・セットシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の概要図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の全体構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1が実行する画面表示処理のフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1における第1表示装置2のホーム画面と第2表示装置3のメインメニューの表示例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の別の態様の概要図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の別の態様において、第1表示装置2及び第2表示装置3の画面切替後の表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の概要図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の全体構成図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1が実行する画面表示処理のフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1で生成されるデータログテーブル600を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0016】
[第1実施形態の概要]
本発明の第1実施形態について、
図1に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態のディスプレイ・セットシステム1の概要を説明するための図である。ディスプレイ・セットシステム1は、第1表示装置2と第2表示装置3から構成され、観光や建物等の観光案内情報を紹介するためのディスプレイ・セットシステムである。
【0017】
[ディスプレイ・セットシステム1の概要]
本発明の第1実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1の概要を説明するための図である。ディスプレイ・セットシステム1は、第1表示装置2と第2表示装置3とから構成され、観光や建物等の観光案内情報を表示するディスプレイ・セットシステムである。
【0018】
第1表示装置2は、第1表示領域25を備え、文字や画像等を表示するモニタであるが、利用者からの入力操作は受け付ける機能は備えていない。第1表示装置2は、表示する文字や画像等のデータは、外部装置等から予め取得しておくものとする。外部装置の設置について、オンプレミス環境またはクラウド環境等、設置環境は問わないものとする。取得する方法については、ストレージデバイスから直接取得してもよいし、通信網を介して取得してもよい。また、表示する文字や画像等のデータは、そのデータ形式については問わない。
【0019】
第2表示装置3は、第1表示装置2より比較的小型のタッチパネルであり、利用者からの入力操作を受け付けるアイコン等を表示し、タッチ操作により、入力操作を受け付ける。第2表示装置3に表示するアイコン等はメニューを構成し、メニューを動作させるためのアプリケーションプログラムは、予め取得しておくものとする。取得する方法については、ストレージデバイスから直接取得してもよいし、通信網を介して取得してもよい。アプリケーションプログラムは、その実行形式については問わない。
【0020】
第1表示装置2と第2表示装置3は、データ通信可能に接続され、通信網等を介して、必要なデータや情報の送受信を実行する。これにより、第2表示装置3が受け付けた利用者のアイコンのタッチ操作に応じて、第1表示装置2の画面表示が切り替わることが可能となる。
【0021】
第1表示装置2および第2表示装置3は、端末装置、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。
【0022】
次に、ディスプレイ・セットシステム1が実行する処理の概要について説明する。
【0023】
はじめに、第1表示装置2は、第1表示領域25にホーム画面を表示する(ステップS01)。ホーム画面には、テキストおよび/または静止画や動画等の画像が含まれ、データ形式については問わない。
【0024】
また、第2表示装置3は、メインメニューを表示する(ステップS02)。第2表示装置3は、予め取得しておいたアプリケーションプログラムによって、メインメニューを表示する。メインメニューには、テキストおよび/または静止画等の画像で表現されたアイコンが含まれ、メインメニューの実行形式については問わない。
【0025】
次に、第2表示装置3は、利用者からのタッチ操作を受け付ける(ステップS03)。利用者は、メインメニューの任意のアイコンをタッチすることによって、第1表示装置2に表示したいコンテンツを選択し、第2表示装置3は、利用者からの選択を受け付ける。
【0026】
次に、第2表示装置3は、画面表示切替指示を第1表示装置2に送信する(ステップS04)。第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に基づく画面表示切替指示を第1表示装置2に送信する。
【0027】
次に、第1表示装置2は、画面表示切替指示を第2表示装置3から受信する(ステップS05)。第1表示装置2は、第2表示装置3から送信された画面表示切替指示を受信する。
【0028】
第1表示装置2は、受信した画面表示切替指示に応じて、画面表示を切り替える(ステップS06)。第1表示装置2は、第2表示装置3が受け付けた利用者の選択に基づいて、テキストおよび/または静止画や動画を含むコンテンツを表示する。これにより、第1表示装置2は、利用者が所望するコンテンツを表示することになる。
【0029】
第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に応じて、サブメニューがある場合には、サブメニューに切り替える(ステップS07)。サブメニューは、メインメニュー同様、予め取得しておいたアプリケーションプログラムによって表示される。サブメニューには、メインメニュー同様、テキストおよび/または静止画などの画像で表現されたアイコンが含まれ、サブメニューの実行形式については問わない。
【0030】
尚、別の態様として、
図5に示すように、第1表示装置2は、第1表示領域25のほかに、第2表示領域26をさらに備えてもよい。この場合、第1表示領域25には、静止画像又は文字を表示し、第2表示領域26には、第1表示領域25に表示した静止画像又は文字に関連した動画が表示される。例えば、
図6に示すように、第1表示領域25には文字が表示され、第2表示領域26には、第1表示領域25に表示した文字に関連する動画が表示されている。
【0031】
以上が、ディスプレイ・セットシステム1が実行する処理の概要である。
【0032】
[ディスプレイ・セットシステム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態であるディスプレイ・セットシステム1のシステム構成を示す図である。
図2において、ディスプレイ・セットシステム1は、第1表示装置2と第2表示装置3から構成され、観光や建物等の観光案内情報を表示するディスプレイ・セットシステムである。
【0033】
ディスプレイ・セットシステム1の第1表示装置2は、文字や画像等を表示するディスプレイである。ディスプレイには、ブラウン管、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、ビデオプロジェクタ等が含まれるが、その種類については問わない。第1表示装置2は、利用者からの入力操作は受け付ける機能は備えていない。
【0034】
ディスプレイ・セットシステム1の第2表示装置3は、第2表示装置3より比較的小型のタッチパネルであり、タッチパネルは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等の表示機能とタッチパッドのような入力機能を備えているものであり、その種類や構成については問わない。尚、第2表示装置3は、複数あってよい。
【0035】
第1表示装置2及び第2表示装置3は、観光案内所や公共交通機関等の駅、観光施設等に設置されているが、観光客の目に触れやすい場所であれば、あらゆる場所に設置してもよい。
【0036】
第1表示装置2と第2表示装置3は、データ通信可能に接続され、通信網等を介して、必要なデータや情報の送受信を実行する。これにより、第2表示装置3が受け付けた利用者のアイコンのタッチ操作に応じて、第1表示装置2の画面表示が切り替わることが可能となる。
【0037】
第1表示装置2は、第1制御部30として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0038】
第1表示装置2は、第1表示部31として、第1表示装置2からデータを出力するために必要な機能を備えるものとする。第1表示装置2で出力を実現するための例として、ブラウン管、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、ビデオプロジェクタ等の表示の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0039】
また、第1表示装置2は、第1通信部32として、第2表示装置3や他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。
【0040】
第2表示装置3は、第2制御部40として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0041】
第2表示装置3は、第2表示部41として、第2表示装置3からデータを出力するために必要な機能を備えるものとする。第2表示装置3で出力を実現するための例として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等の表示の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0042】
また、第2表示装置3は、第2通信部42として、第1表示装置2や他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。
【0043】
また、第2表示装置3は、入力部43として、第2表示装置3の画面表示を切り替えるために必要な機能を備えるものとする。入力を実現するための例として、タッチパッド等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0044】
第1表示装置2において、第1制御部30が所定のプログラムを読み込むことにより、第1表示部31と協働して、ホーム画面表示モジュール300、画面表示切替モジュール320を実現する。
【0045】
また、第1表示装置2において、第1制御部30が所定のプログラムを読み込むことにより、第1通信部32と協働して、画面表示切替指示受信モジュール310を実現する。
【0046】
第2表示装置3において、第2制御部40が所定のプログラムを読み込むことにより、第2表示部41と協働して、メインメニュー表示モジュール400、サブメニュー表示モジュール430を実現する。
【0047】
また、第2表示装置3において、第2制御部40が所定のプログラムを読み込むことにより、第2通信部42と協働して、画面表示切替指示送信モジュール420を実現する。
【0048】
また、第2表示装置3において、第2制御部40が所定のプログラムを読み込むことにより、入力部43と協働して、タッチ操作受付モジュール410を実現する。
【0049】
[画面表示処理]
図3に基づいて、ディスプレイ・セットシステム1が実行する画面表示処理について説明する。
図3は、第1表示装置2と第2表示装置3が実行する処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0050】
はじめに、第1表示装置2は、第1表示領域25にホーム画面を表示する(ステップS20)。ホーム画面には、テキストおよび/または静止画や動画等の画像が含まれ、データ形式については問わない。
【0051】
また、第2表示装置3は、メインメニューを表示する(ステップS30)。第2表示装置3は、予め取得しておいたアプリケーションプログラムによって、アイコンで構成されたメインメニューを表示する。
【0052】
図4は、第1表示装置2のホーム画面と第2表示装置3のメインメニューの表示例を示す。
図4に示すように、第1表示装置2は、第1表示領域25にホーム画面を表示し、
ホーム画面には、テキストおよび/または静止画や動画等の画像が含まれ、データ形式については問わない。また、第2表示装置3は、メインメニューを表示し、テキストおよび/または静止画などの画像で表現されたアイコンが含まれ、メインメニューの実行形式については問わない。
【0053】
図3に戻り、第2表示装置3は、利用者からのタッチ操作を受け付ける(ステップS31)。利用者は、メインメニューの任意のアイコンをタッチすることによって、第1表示装置2に表示したいコンテンツを選択し、第2表示装置3は、利用者からの選択を受け付ける。
【0054】
次に、第2表示装置3は、画面表示切替指示を第1表示装置2に送信する(ステップS04)。第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に基づく画面表示切替指示を第1表示装置2に送信する。具体的には、
図4に示す第2表示装置3が表示する「AA区」、「BB区」、「CC区」、「DD区」で示すアイコンの何れかを利用者がタッチすることによって、第2表示装置3は、利用者の選択入力を受け付ける。
【0055】
第1表示装置2は、画面表示切替指示を第2表示装置3から受信する(ステップS32)。第1表示装置2は、第2表示装置3から送信された画面表示切替指示を受信する。
【0056】
第1表示装置2は、受信した画面表示切替指示に応じて、画面表示を切り替える(ステップS22)。第1表示装置2は、第2表示装置3が受け付けた利用者の選択に基づいて、予め取得しておいたテキストおよび/または静止画や動画を含むコンテンツを第1表示領域25に表示する。これにより、第1表示装置2は、利用者が所望するコンテンツを表示することになる。
【0057】
第2表示装置3が複数台ある場合、第2表示装置3に対し優先順位を付与してもよい。2台以上の第2表示装置3からの画面表示切替指示を同時に受信した場合、この優先順位に基づいて、第1表示装置2は、画面表示を切り替えてもよい。
【0058】
第1表示装置2は、画面表示を切り替える場合、自身の画面表示にかかわらず、画面表示を切り替える。これにより、第2表示装置3でメニューのアイコンを選択することによって、第1表示装置2に動画や映像が表示されている最中でも、異なる画面を表示することが可能である。
【0059】
第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に応じて、サブメニューがあるかどうか判断する。(ステップS33)。サブメニューは、メインメニュー同様、予め取得しておいたアプリケーションプログラムによって表示される。サブメニューには、メインメニュー同様、テキストおよび/または静止画などの画像で表現されたアイコンが含まれ、サブメニューの実行形式については問わない。
【0060】
第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に応じて、サブメニューがないと判断した(ステップS33 NO)場合は、処理を終了する。
【0061】
第2表示装置3は、受け付けた利用者の選択に応じて、サブメニューがあると判断した(ステップS33 YES)場合は、そのサブメニューに切り替える(ステップS34)。サブメニューは、メインメニュー同様、予め取得しておいたアプリケーションプログラムによって表示される。サブメニューには、メインメニュー同様、テキストおよび/または静止画等の画像で表現されたアイコンが含まれ、サブメニューの実行形式については問わない。
【0062】
図6は、
図4が示す第2表示装置3が表示するメインメニューにおいて、利用者により「AA区」が選択した後に画面が切り替わった例を示す。
図6に示す画面切替後の画面には、第1表示領域25にテキストおよび/または静止画が表示され、第2表示領域26に、第1表示領域25に表示したテキストおよび/または静止画に関連する動画が表示されるが、データ形式については問わない。さらに、「AA区」のアイコンが選択された後に、「観光地A」、「観光地B」、「観光地C」、「観光地D」のアイコンで構成されるサブメニューが表示される。これは、「AA区」というエリアに「観光地A」、「観光地B」、「観光地C」、「観光地D」の選択肢があるということである。
【0063】
第2表示装置3が、利用者からのタッチ操作が一定時間ない場合は、第1表示装置2は、ステップS20に戻り、ホーム画面を表示してもよい。この際、第2表示装置3は、ステップS30に戻りメインメニューを表示してもよい。
【0064】
尚、第1表示装置2に表示するコンテンツは、観光(風景、史跡、風物等)、建築物案内(博物館や観光イベント会場等)、店舗(土産店や飲食店等)、防災(地震や津波、豪雨や大雪、竜巻等)に関するコンテンツである。防災に関するコンテンツは、利用者がタッチ操作中であっても第1表示装置2に緊急的に表示してもよい。
【0065】
このように、表示装置を複数利用するセパレート式のディスプレイ・セットシステムを利用することで、例えば、観光案内の用いられるパンフレット等の大きさ(A3、B2サイズ等)で、省スペースに設置が可能である。また、タッチ操作で利用者が欲しい情報を選択して収集することが可能である。さらには、表示装置を2台以上利用するセパレート式であることから、メニューを選択して、動画や映像が表示されている最中でも、異なる情報を選択することが可能である。さらには、利用者がメニューを選択することによって、利用者はプル式で所望する情報を得ることが可能である。
【0066】
以上が、画面表示処理である。
【0067】
[第2実施形態の概要]
本発明の第2実施形態について、
図7に基づいて説明する。
図7は、第2実施形態のディスプレイ・セットシステム1の概要を説明するための図である。ディスプレイ・セットシステム1は、第1表示装置2、第2表示装置3、コンピュータ4から構成され、観光や建物等の観光案内情報を紹介するためのディスプレイ・セットシステムである。なお、第1実施形態と同一の機能および構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1表示装置2と第2表示装置3のほかに、コンピュータ4を備え、コンピュータ4が、データログテーブル600を生成し、第2表示装置3が受け付けた利用者の選択を操作履歴としてデータログテーブル600に格納し、データログテーブル600に格納されるデータを分析し、分析した内容を広告主に提供する点である。
【0068】
第1表示装置2は、第1実施形態同様、文字や画像等を表示するモニタである。
【0069】
第2表示装置3は、第1実施形態同様、第1表示装置2より比較的小型のタッチパネルであり、複数あってよい
【0070】
第1表示装置2と第2表示装置3は、第1実施形態同様、データ通信可能に接続され、通信網等を介して、必要なデータや情報の送受信を実行し、端末装置、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。
【0071】
次に、ディスプレイ・セットシステム1が実行する処理の概要について説明する。ただし、ステップS01-S07は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0072】
第2表示装置3は、ステップS03で利用者からのタッチ操作を受け付けた後、タッチ操作履歴をコンピュータ4に送信する(ステップS08)。具体的には、第2表示装置3は、自身の端末の識別情報、利用者によりタッチ操作されたタイムスタンプ、利用者がタッチしたアイコンの識別情報やカテゴリ、利用者の属性等をコンピュータ4に通知する。
【0073】
コンピュータ4は、タッチ操作履歴をデータログテーブル600に記録する(ステップS09)。コンピュータ4は、予めデータログテーブル600を生成し、第2表示装置3から送信されたタッチ操作履歴をデータログテーブル600に格納する。
【0074】
コンピュータ4は、データログテーブル600に基づいて、データ分析をする(ステップS10)。具体的には、タッチ操作したアイコンの順番や、次のタッチ操作までの間隔等を分析する。この際、コンピュータ4は、AIを用いて利用者毎のデータ分析を行ってもよい。
【0075】
コンピュータ4は、分析結果に基づいて、利用者の属性期待値を判定する(ステップS10)。具体的には、コンピュータ4は、第1表示装置2に表示した動画の再生時間率に基づき、利用者の興味度をカテゴリ毎に分析する。この際、コンピュータ4は、AIを用いて判定してもよい。また、利用者が選択した使用言語毎の属性期待値を判定してもよい。
【0076】
コンピュータ4は、ステップS09で分析した分析結果とステップS10で判定した属性期待値を広告主に提供する(ステップS11)。具体的には、コンピュータ4は、分析結果として、第1表示装置2に表示した動画の再生時間の分布図や、エリア毎の属性期待値等に基づいて、観光客の回遊性を高めるルートを広告主に提供する。この際、コンピュータ4は、AIを用いて判定してもよい。
【0077】
以上が、ディスプレイ・セットシステム1が実行する処理の概要である。
【0078】
[ディスプレイ・セットシステム1のシステム構成]
図8に基づいて、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1のシステム構成について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態であるディスプレイ・セットシステム1のシステム構成を示す図である。ディスプレイ・セットシステム1は、第1表示装置2、第2表示装置3、コンピュータ4から構成され、観光や建物等の観光案内情報を表示するほかに、データログテーブル600を生成し、第2表示装置3が受け付けた利用者の選択を操作履歴としてデータログテーブル600に格納し、データログテーブル600に格納されるデータを分析し、分析した内容を広告主に提供するディスプレイ・セットシステムである。第2実施形態のディスプレイ・セットシステム1における第1表示装置2は、第1実施形態と同様であるため、
図8においてはその記載を省略し、以下の説明においても省略する。
【0079】
第2表示装置3は、第1実施形態同様、第2表示装置3より比較的小型のタッチパネルであり、第1実施形態同様、第2制御部40、第2表示部41、第2通信部42、入力部43を備える。
【0080】
第2表示装置3において、第1実施形態同様にして、メインメニュー表示モジュール400、タッチ操作受付モジュール410、画面表示切替指示送信モジュール420、サブメニュー表示モジュール430を実現するほかに、第2制御部40が所定のプログラムを読み込むことにより、第2通信部42と協働して、タッチ操作履歴送信モジュール440を実現する。
【0081】
なお、ディスプレイ・セットシステム1には、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。例えば、広告主毎に別のコンピュータ4を利用してもよく、この場合、ディスプレイ・セットシステム1は、後述する各処理を、コンピュータ4と、その他の含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組合せにより実行することになる。
【0082】
また、ディスプレイ・セットシステム1のコンピュータ4は、例えば、1台の端末装置で実現されてもよいし、複数の端末装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように仮想的な装置で実現されてもよい。
【0083】
コンピュータ4は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末等である。
【0084】
コンピュータ4は、第3制御部50として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0085】
また、コンピュータ4は、第3通信部52として、第1表示装置2や他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。
【0086】
コンピュータ4は、記録部53として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージを備える。データの保存先は、クラウドサービスやデータベース等であってもよい。
【0087】
コンピュータ4において、第3制御部50が所定のプログラムを読み込むことにより、第3通信部52と記録部53と協働して、タッチ操作履歴記録モジュール500を実現する。
【0088】
また、コンピュータ4において、第3制御部50が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部53と協働して、データログ分析モジュール510、属性期待値判定モジュール520、分析結果提供モジュール530を実現する。
【0089】
[データログ処理]
図9に基づいて、ディスプレイ・セットシステム1が実行するデータログ処理について説明する。
図9は、第2表示装置3とコンピュータ4が実行する処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0090】
第2表示装置3は、ステップS31で利用者からのタッチ操作を受け付けた後、タッチ操作履歴をコンピュータ4に送信する(ステップS311)。具体的には、第2表示装置3は、自身の端末の識別情報、利用者によりタッチ操作されたタイムスタンプ、利用者がタッチしたアイコンの識別情報やカテゴリ、利用者の属性等をコンピュータ4に通知する。
【0091】
コンピュータ4は、第2表示装置3から受信したタッチ操作履歴を、予め生成しておいたデータログテーブル600に格納する。
図10は、データログテーブル600を模式的に表した図である。データログテーブル600のデータ項目として、「端末ID」、「タイムスタンプ」、「アイコンID」、「カテゴリ」、「利用者属性」等が含まれる。「アイコンID」は、「カテゴリ」、「利用者属性」等が関連付けられている。「端末ID」は、第2表示装置3に一意的に割り付けられる識別子である。「タイムスタンプ」は、利用者がアイコンをタッチ操作した日時である。「アイコンID」は、アイコンに一意的に割り付けられる識別子である。「カテゴリ」は、アイコンが分類されるジャンル等の種類等を示す。「利用者属性」は、利用者の性別や年齢等を示す。
【0092】
「利用者属性」については、撮像装置で利用者を撮影した画像から、利用者属性を推測してもよい。この場合、第1表示装置2または第2表示装置3に内蔵または近傍に設置されるカメラ等の撮像装置で撮影した画像を解析し、利用者の性別や年齢等の属性を推測してもよい。
【0093】
格納されたデータログテーブル600は、外部装置等に転送することによって回収されてもよい。データログテーブル600は、CSVファイル等の形式で格納されるが、格納ファイル形式については、特に限定されない。
【0094】
図9に戻り、コンピュータ4は、格納したデータログテーブル600に含まれるデータ分析を行う(ステップS42)。具体的には、タッチ操作したアイコンの順番や、次のタッチ操作までの間隔等を分析する。この際、コンピュータ4は、AIを用いて利用者毎のデータ分析を行ってもよい。例えば、同一アイコンが押された回数を収集したり、利用者が操作の途中で「戻る」アイコンをタッチしたことに基づいて、利用者が興味のない内容を分析したりしてもよい。また、すぐに「戻る」アイコンをタッチした場合は、「操作ミス」と分析してもよい。
【0095】
コンピュータ4は、分析結果に基づいて、利用者の属性期待値を判定する(ステップS43)。具体的には、コンピュータ4は、第1表示装置2に表示した動画の再生時間率に基づき、利用者のカテゴリ毎の興味度を判定する。例えば、利用者がアイコンをタッチして動画を再生したものの、一定の再生率(例えば20%)以下しか再生せずに、途中で別のアイコンを選択した場合は、その動画については興味はないと分析する。この際、コンピュータ4は、AIを用いて判定してもよい。また、利用者が選択した使用言語毎に属性期待値を判定してもよい。
【0096】
コンピュータ4は、ステップS42で分析した分析結果とステップS43で判定した属性期待値を広告主に提供する(ステップS44)。コンピュータ4は、分析結果として、第1表示装置2に表示した動画の再生時間の分布図や、エリア毎の属性期待値等に基づいて、観光客の回遊性を高めるルートを作成して、広告主に提供してもよい。この際、コンピュータ4は、AIを用いて判定してもよい。
【0097】
このように、利用者のタッチ操作履歴をデータログとして記録して分析し、属性期待値を判定することによって、利用者のコンテンツに対する興味度を定量的に判定することが可能となり、広告主は分析結果や属性期待値の提供を受けることによって、利用者がさらに興味を示すようなコンテンツを作成する機会を得ることが可能である。
【0098】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROM等)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAM等)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0100】
1 ディスプレイ・セットシステム
2 第1表示装置
3 第2表示装置
4 コンピュータ