(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031178
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】システム、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20240229BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q20/10
G06Q20/40 300
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134574
(22)【出願日】2022-08-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】518391959
【氏名又は名称】株式会社エンペイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森脇 潤一
(72)【発明者】
【氏名】金山 健介
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA24
5L055AA73
(57)【要約】 (修正有)
【課題】口座振替による支払いを滞りなく行うシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】口座振替支援システムは、事業者情報およびユーザ情報を取得し、ユーザ情報及び事業者情報を用いて、口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行う第1類の処理と、ユーザへの費用請求を、事業者が使用する事業者端末から受け付け、費用請求に基づいて、振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、ユーザが使用するユーザ端末に通知する第2類の処理と、収納代行サーバに対して、予定情報に基づき、引き落としの実行を申請する第3類の処理と、収納代行サーバから受領した、引き落としの実績を示す実績情報を、ユーザ端末に通知する第4類の処理と、を含む処理を実行する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記プロセッサに、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップと、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップと、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップと、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップと、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請するステップと、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記プロセッサに、さらに、
前記実績情報に基づいて、前記事業者に対して、引き落とされた前記費用請求に相当する額の費用の入金を行うステップを実行させ、
前記費用の入金を行うステップでは、
同一の前記事業者から複数の前記費用請求がある場合に、複数の前記費用請求に係る費用の少なくとも一部を合算して、前記事業者に対して入金する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記実績情報を、前記ユーザ端末に通知するステップでは、
当該引き落としが不能であった場合に、その旨を、代替決済手段を用いた支払いの依頼とともに、前記ユーザ端末に対して通知し、
前記費用の入金を行うステップでは、
前記代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の前記事業者からの複数の請求に係る費用として合算する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記引き落としの実行を申請するステップでは、
同一の前記ユーザに対して、複数の前記費用請求がある場合に、複数の前記費用請求の額の少なくとも一部を統合して、前記引き落としを申請する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられる方法であって、
前記プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップと、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップと、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップと、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップと、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請するステップと、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知するステップと、を実行する方法。
【請求項6】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータを備えたシステムであって、
前記プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得する手段と、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行う手段と、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付ける手段と、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知する手段と、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請する手段と、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知する手段と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、プログラム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、事業者から商品又は役務の提供を受けるユーザが、口座振替を利用して商品又は役務の対価を支払うことが広く行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、口座振替の契約に伴う事務処理を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の口座振替では、一度設定された引き落としの内容をユーザが失念してしまうことがあり、引き落としの際に振替口座が残高により引き落としが不能となることがあった。これにより、口座振替による支払いが滞ることがあった。
また、予定されていた引き落としが適切に行われたかどうかを把握するには、ユーザが残高を確認する必要があり、確認作業に手間がかかっていた。
【0006】
本開示では、ユーザにとって利便性に優れ、口座振替による支払いを滞りなく行うことができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられるプログラムであって、プロセッサに、事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される口座振替について、事業者に関する事業者情報と、口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップと、ユーザ情報、および事業者情報を用いて、口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップと、ユーザへの費用請求を、事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップと、費用請求に基づいて、振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップと、収納代行サーバに対して、予定情報に基づき、引き落としの実行を申請するステップと、収納代行サーバから受領した、引き落としの実績を示す実績情報を、ユーザ端末に通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示のシステムでは、口座振替による支払いを滞りなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の口座振替支援システムの概要を示す図である。
【
図2】
図1に示すユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示す管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】事業者データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】ユーザデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】請求データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】入金データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】口座振替支援システムにおける第1類の処理のフローを示す図である。
【
図12】口座振替支援システムにおける第2類の処理のフローを示す図である。
【
図13】口座振替支援システムにおける第3類の処理のフローを示す図である。
【
図14】口座振替支援システムにおける第4類の処理のフローを示す図である。
【
図15】口座振替支援システムにおける第5類の処理のフローを示す図である。
【
図16】変形例に係る管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図17】変形例に係る請求データベースおよび予定データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の口座振替支援システム1(以下、単にシステム1という)の概要を説明する図である。
図1に示すように、システム1は、事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される口座振替を支援するシステムである。以下の説明では、まずシステム1の構成について説明した後に、システム1を用いた処理について詳述する。
【0012】
<1.全体構成、および各デバイスのハードウェア構成>
本実施形態に係るシステム1の全体構成について説明する。
図1に示すように、システム1は、ユーザ端末10と、管理サーバ20と、を含む。
ユーザ端末10および管理サーバ20は、ネットワーク80を介して相互に通信可能であり、収納代行サーバ30、事業者端末40、および金融機関サーバ50と、通信接続されている。ネットワーク80は、有線又は無線のネットワークにより構成される。
【0013】
ここで、事業者とは、何らかの事業を営む団体を指す。事業者には、例えば、保育園、幼稚園、学童保育、小学校、学習塾、各種習い事、社会人スクール、トレーニングジム等のように、ユーザであるユーザに対して商品又は役務を提供する主体が含まれる。システム1は、複数の事業者により使用される。
ユーザは、事業者から何らかの商品又は役務の提供を受け、提供を商品又は役務の対価としての費用を、当該事業者に対して支払うものを指す。
【0014】
ユーザ端末10は、各ユーザが操作する装置である。ユーザ端末10には、例えば、移動体通信システムに対応したスマートフォン等の携帯端末、又はタブレット端末が含まれる。ユーザ端末10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPCなどであってもよい。
【0015】
ユーザ端末10は、ネットワーク80を介して管理サーバ20と通信可能に接続される。ユーザ端末10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
【0016】
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0017】
通信IF12は、ユーザ端末10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。
【0018】
出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0019】
記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0020】
図1に示す管理サーバ20は、ユーザおよび事業者に関する情報を用いて口座振替の申請を行い、口座振替の処理に関する情報を、関係先に通知することで、口座振替の利用をサポートする装置である。管理サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0021】
図3は、管理サーバ20のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、管理サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0022】
通信IF22は、管理サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0023】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0024】
図1に示す収納代行サーバ30は、収納代行業者が管理するサーバ装置である。収納代行サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
収納代行サーバ30は、管理サーバ20と同様のハードウェア構成を備えている。すなわち、収納代行サーバ30は、通信IF(Interface)と、入力装置と、メモリと、記憶部と、プロセッサとを備える。これらの構成は、ユーザ端末10と同じであるため、図示および詳細の説明を省略する。
【0025】
収納代行サーバ30は、収納代行業者の操作端末と通信接続され、金融機関に対して口座引き落としに関する情報の連携を行い、引き落とし結果を金融機関から受け付けて、管理サーバ20に送信する機能を主に有する。
【0026】
図1に示す事業者端末40は、事業者が事業の会計情報の管理において使用する端末であり、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPCなどである。事業者端末40は、スマートフォン等の携帯端末、又はタブレット端末であってもよい。
【0027】
事業者端末40は、ユーザ端末10と同様のハードウェア構成を備えている。すなわち、事業者端末40は、通信IF(Interface)と、入力装置と、出力装置と、メモリと、記憶部と、プロセッサとを備える。これらの構成は、ユーザ端末10と同じであるため、図示および詳細の説明を省略する。
【0028】
図1に示す金融機関サーバ50は、銀行などの金融機関が管理するサーバ装置である。金融機関サーバ50は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
金融機関サーバ50は、管理サーバ20と同様のハードウェア構成を備えている。すなわち、収納代行サーバ30は、通信IF(Interface)と、入力装置と、メモリと、記憶部と、プロセッサとを備える。これらの構成は、ユーザ端末10と同じであるため、図示および詳細の説明を省略する。
【0029】
収納代行サーバ30は、金融機関の操作端末と通信接続され、収納代行サーバ30から送信された引き落としに関する情報に基づいて、口座引き落としを実行し、その結果を収納代行サーバ30に送信する機能を主に有する。
【0030】
<2.ユーザ端末10の機能的構成>
図4は、システム1を構成するユーザ端末10の機能的な構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ユーザ端末10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、入力受付部130(キーボード131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、カメラ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。
【0031】
ユーザ端末10は、
図4では特に図示していない機能および構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図4に示すように、ユーザ端末10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0032】
アンテナ111は、ユーザ端末10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0033】
アンテナ112は、ユーザ端末10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0034】
第1無線通信部121は、ユーザ端末10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、ユーザ端末10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、ユーザ端末10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0035】
入力受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、入力受付部130は、キーボード131と、ディスプレイ132とを含む。なお、入力受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0036】
キーボード131は、ユーザ端末10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0037】
ディスプレイ132は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。すなわち、ディスプレイ132は、ユーザに対して情報を出力する出力部としても機能する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0038】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。
音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声をユーザ端末10の外部へ出力する。
【0039】
カメラ150は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ150は、例えば、カメラ150から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0040】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、ユーザ端末10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0041】
ユーザ情報161は、ユーザ端末10を使用してシステム1を利用するユーザの情報である。ユーザ情報161としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザが使用するメッセージアプリのアカウント情報、ユーザのメールアドレス等の連絡先に関する情報等が含まれる。
【0042】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、ユーザ端末10の動作を制御する。制御部170は、例えば予めユーザ端末10にインストールされているアプリケーションプログラムである。
制御部170は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、表示処理部174としての機能を発揮する。
【0043】
操作受付部171は、キーボード131等の入力装置13に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0044】
送受信部172は、ユーザ端末10が、管理サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0045】
データ処理部173は、ユーザ端末10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0046】
表示処理部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。表示処理部174は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ150に発生させる処理等を行う。
【0047】
<3.管理サーバ20の機能的構成>
図5は、システム1を構成する管理サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図5に示すように、管理サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0048】
通信部201は、管理サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0049】
記憶部202は、管理サーバ20が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部202は、事業者データベース2021、ユーザデータベース2022、請求データベース2023、入金データベース2024を少なくとも記憶している。
【0050】
事業者データベース(DB)2021は、システム1を利用する事業者に関する情報を記憶するデータベースである。事業者DB2021のデータ構造については後述する。
【0051】
ユーザデータベース(DB)2022は、システム1を利用するユーザに関する情報を記憶するデータベースである。ユーザDB2022のデータ構造については後述する。
【0052】
請求データベース(DB)2023は、システム1を介した口座振替により支払われる費用について、事業者からユーザへの支払いの請求に関する情報(請求情報)を記憶するデータベースである。請求DB2023のデータ構造については後述する。
【0053】
入金データベース2024は、システム1を介した口座振替により引き落とされた費用を、事業者に入金するための入金情報を記憶するデータベースである。入金DB2024のデータ構造については後述する。
【0054】
図5に示す制御部203は、管理サーバ20のプロセッサ29が、プログラムに従って処理を行うことにより、機能モジュールとして、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、登録申請モジュール2033、請求集計モジュール2034、引き落とし申請モジュール2035、実績集計モジュール2036、通知モジュール2037、および入金モジュール2038としての機能を発揮する。
【0055】
<3-1.制御部203の機能>
受信制御モジュール2031は、管理サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0056】
送信制御モジュール2032は、管理サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0057】
登録申請モジュール2033は、ユーザDB2022に記録されたユーザ情報、および事業者DB2021に記録された事業者情報を用いて、収納代行サーバ30に対して、新たな口座振替の登録の申請を行う。
【0058】
請求集計モジュール2034は、請求DB2023に記録された請求情報を集計して、引き落としの予定を示す予定情報を生成する。
【0059】
引き落とし申請モジュール2035は、作成した予定情報を用いて、収納代行サーバ30に対して、引き落としの申請を行う。
【0060】
実績集計モジュール2036は、収納代行サーバ30から送信された引き落としの実績に関する情報を用いて、請求DB2023における引き落としのステータスを更新する。
【0061】
通知モジュール2037は、引き落としの予定情報および実績情報を、ユーザ端末10および事業者端末40に対して通知する。実績情報には、以下の情報が含まれる。
・引き落としが正常に実行された旨を示す情報
・引き落としが不能であった旨を示す情報
また、通知モジュール2037は、引き落としが不能となった請求について、ユーザに対して代替決済手段とともに、支払いの依頼として、追徴の連絡を通知する。代替の決済手段としては、例えばクレジットカード支払いやコンビニエンスストアでの支払等の決済代行システムと連携をするオンライン決済システムがあげられる。
【0062】
オンライン決済システムは、ユーザ端末10に表示する案内に従って、ユーザに、追加支払いに係る入金手段として、クレジットカード決済又はコンビニエンスストアでの支払いを選択させる。オンライン決済システムは、当該追加支払いに用いるクレジットカードの情報を入力する入力フォーム、又はコンビニエンスストアで支払う際に用いる支払番号等の情報を提供する。なお、オンライン決済システムは、二次元コードでの決済のような、その他の決済システムと連携をしてもよい。
【0063】
入金モジュール2038は、引き落としの実績情報に基づいて、入金DB2024を作成する。入金モジュール2038は、入金DB2024に記録された入金情報に基づいて、金融機関サーバ50に事業者への入金に係る振込指示を送信する。これにより、入金モジュール2038は、事業者に対して、引き落とされた費用請求に相当する額の費用の入金を行う。入金モジュール2038は、事業者への入金が複数予定されている場合には、複数の入金額を合算して、一括して入金依頼を行う。入金モジュール2038の処理の詳細は後述する。入金モジュール2038は、入金した事実に基づいて、入金DB2024を更新する。
【0064】
<3-2.各データベースの構造>
次に、記憶部202に記憶される各データベースについて、それらの構造の一例を説明する。
【0065】
<3-2―1.事業者DB2021>
図6は、事業者DB2021のデータ構造の一例を示す図である。
図6は、に示すように、事業者DB2021の各レコードは、項目「事業者ID」と、項目「事業者名称」と、項目「住所」と、項目「代表者名」と、項目「連絡先」と、を含む。なお、事業者DB2021は、他の管理項目に相当するカラムを備えていてもよい。
【0066】
項目「事業者ID」は、事業者を識別するための情報である。事業者IDは各事業者に対して付与される。
【0067】
項目「事業者名称」は、事業者IDに対応する事業者の名称を示す情報である。
【0068】
項目「所在地」は、事業者IDに対応する事業者の所在地を示す情報である。
【0069】
項目「代表者名」は、事業者IDに対応する事業者の代表者を示す情報である。
【0070】
項目「連絡先」は、事業者IDに対応する事業者の連絡先を示す情報である。
【0071】
項目「入金口座」は、事業者IDに対応する事業者に対して入金を行う際に用いられる口座に関する情報である。
【0072】
事業者DB2021の各レコードは、口座振替の登録について、システム1を利用した手続を事業者が採用した際に、事業者から入力された情報に基づいて記録される。なお、事業者DB2021の各レコードは事業者の必要に応じて変更することができる。
【0073】
<3-2―2.ユーザDB2022>
図7は、ユーザDB2022のデータ構造の一例を示す図である。
図7に示すように、ユーザDB2022の各レコードは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ氏名」と、項目「住所」と、項目「連絡先」と、項目「振替口座」と、を含む。なお、ユーザDB2022は、他の管理項目に相当するカラムを備えていてもよい。
【0074】
項目「ユーザID」は、口座振替により事業者に対して費用の支払いを行うユーザを識別するための情報である。ユーザIDは各ユーザに対して付与される。
【0075】
項目「連絡先」は、ユーザIDに対応するユーザの連絡先に関する情報である。連絡先に関する情報としては、電話番号、メールアドレス、メッセージシステム又はSNSのアカウント情報などが含まれる。
【0076】
項目「振替口座」は、ユーザIDに対応するユーザの名義で開設された金融機関の口座の情報であって、口座振替の原資とする口座の情報である。振替口座は、1ユーザに対して複数設定してもよい。
【0077】
ユーザDB2022の各レコードは、新たに振替口座を利用するユーザを登録する際に、ユーザから入力された情報に基づいて記録される。
なお、ユーザDB2022の各レコードは、ユーザの必要に応じて変更することができる。
また、ユーザDB2022には、例えば以下の管理項目を含んでもよい。
・年齢、性別、生年月日、国籍のようなユーザの出生に関するその他の情報
・職業、勤め先、収入証明のようなユーザの支払い能力を示唆する情報
・マイナンバー又は運転免許証番号のようなユーザを識別する公的に付与された番号
【0078】
<3-2―3.請求DB2023>
図8は、請求DB2023のデータ構造の一例を示す図である。
図8に示すように、請求DB2023の各レコードは、項目「請求ID」と、項目「請求月」と、項目「請求元事業者ID」と、項目「請求先ユーザID」と、項目「請求額」と、項目「引き落とし日」と、項目「振替ステータス」と、項目「追徴ステータス」と、項目「入金ID」と、を含む。
なお、請求DB2023は、他の管理項目に相当するカラムを備えていてもよい。
【0079】
項目「請求ID」は、事業者からユーザへの費用請求を識別するための情報である。
【0080】
項目「請求月」は、請求IDに対応する請求に係る請求書が発行された月を示す情報である。
【0081】
項目「請求元事業者ID」は、請求IDに対応する請求の請求元となる事業者を識別する情報である。
【0082】
項目「請求先ユーザID」は、請求IDに対応する請求の請求先となるユーザを識別する情報である。
【0083】
項目「請求額」は、請求IDに対応する請求の請求額を示す情報である。
【0084】
項目「引き落とし日」は、請求IDに対応する請求に係る費用が引き落とされる日を示す情報である。引き落とし日は、例えば毎月26日に設定されている。引き落とし日は任意に設定することができる。
【0085】
項目「振替ステータス」は、請求IDに対応する請求について、引き落としのステータスを示す情報である。振替ステータスには、例えば以下が含まれる。
・未:未だ引き落とし予定日を迎えていない状態
・済:引き落とし予定日を迎え、正常に引き落としが済んだ状態
・不能:引き落とし予定日を迎えたが、残高不足などにより、正常に引き落としができなかった状態
【0086】
項目「追徴ステータス」は、請求IDに対応する請求について、引き落としが不能であった場合に、代替の決済手段による追徴のステータスを示す情報である。追徴ステータスには、例えば以下が含まれる。
・N/A:引き落としが正常に済み、代替手段による支払いを必要としない状態
・済:必要な代替手段による支払いが、既に行われた状態
・未:必要な代替手段による支払いが、未だ行われていない状態
【0087】
項目「入金ID」は、請求IDに対応する請求について、引き落とし後に事業者に対して入金する際の手続きの識別情報である。入金IDは、本実施形態では、事業者単位で発行される。すなわち、例えば同じ月に一つの事業者から複数の費用の請求がある場合は、当該複数の請求に係る引き落とし額の合算値について、一つの入金手続により入金が行われる。
【0088】
請求DB2023の各レコードは、事業者から発行される請求情報に基づいて記録される。
【0089】
<3-2―4.入金DB2024>
図9は、入金DB2024のデータ構造の一例を示す図である。
図9に示すように、入金DB2024の各レコードは、項目「入金ID」と、項目「入金先事業者ID」と、項目「入金先口座」と、項目「入金額」と、項目「入金日」と、を含む。なお、入金DB2024は、他の管理項目に相当するカラムを備えていてもよい。例えば、入金DB2024において、システム1の利用、すなわち、口座振替の仲介に関する手数料の管理が行われてもよい。
【0090】
項目「入金ID」は、引き落とし結果を事業者に対して支払う入金手続の識別情報を指す。
【0091】
項目「入金先事業者ID」は、入金IDに対応する入金手続において、入金先となる事業者の識別情報である。
【0092】
項目「入金先口座」は、入金IDに対応する入金手続において、入金先となる事業者の口座情報である。
【0093】
項目「入金額」は、入金IDに対応する入金手続の入金額を示す情報である。
【0094】
項目「入金日」は、入金IDに対応する入金手続が実際に行われた日を示す情報である。
【0095】
入金DB2024の各レコードは、入金モジュール2038による引き落としの実績情報の集計により、新たなレコードが記録される。
【0096】
<4.システム1の処理>
次に、システム1の処理について説明する。まず、システム1が使用されるサービスのスキームについて説明する。
図10はシステム1によるサービスのスキームを説明する図である。
【0097】
<4-1.システム1によるサービスの概要>
図10に示すように、システム1によるサービスは、口座振替に関する新たな登録から、口座振替により引き落とされた費用の事業者への入金までの一連の処理について、以下の5つの処理に大別することができる。
・第1類の処理:新たな口座振替の登録申請に関する処理
・第2類の処理:事業者からの請求に基づいて、引き落としの予定を通知する処理
・第3類の処理:引き落としを申請し、その結果を受領する処理
・第4類の処理:引き落としの実績をユーザに通知する処理(追徴を含む)
・第5類の処理:引き落としの実績に基づいて、事業者に入金を行う処理
システム1では、これらの処理を実行することでユーザおよび事業者の利便性を図り、口座振替の利用を支援する。これらの大別された各類に属する処理の詳細について、以下に順番に詳述する。
【0098】
<4-2.第1類の処理>
第1類の処理では、新たな口座振替の登録申請に関する処理が行われる。
図11は、第1類の処理を示すフローである。
図11に示すように、新たな口座振替の登録申請では、まず、ユーザ端末10にユーザ情報が入力される(ステップS111)。
具体的には、ユーザは、ユーザ端末10に対して、振替口座の情報を含むユーザ情報を入力する。ユーザ端末10は、入力されたユーザ情報を管理サーバ20に送信する。
【0099】
ステップS111の後に、管理サーバ20は、ユーザ情報を取得する(ステップS121)。
具体的には、管理サーバ20の受信制御モジュール2031は、受信したユーザ情報を取得し、ユーザDB2022の新たなレコードとして記憶部202に記憶させる。
【0100】
ステップS121の後に、ユーザ端末10に事業者情報が入力される(ステップS112)。
具体的には、ユーザは、ユーザ端末10に対して、口座振替による支払先となる事業者の情報を入力する。この際、例えばユーザは、事業者から提示された事業者情報を含む二次元コードをユーザ端末10のカメラ150で撮影することで、事業者情報をユーザ端末10に入力してもよい。ユーザ端末10は、入力された異業者情報を管理サーバ20に送信する。
【0101】
ステップS112の後に、管理サーバ20は、事業者情報を取得する(ステップS122)。
具体的には、管理サーバ20の受信制御モジュール2031は、受信した事業者情報を取得し、事業者DB2021の新たなレコードとして記憶部202に記憶させる。
【0102】
ステップS122の後に、管理サーバ20は、口座振替登録の申請を行う(ステップS123)。
具体的には、管理サーバ20の登録申請モジュール2033は、ユーザDB2022に記憶されたユーザ情報、および事業者DB2021に記憶された事業者情報を用いて、収納代行サーバ30に対して口座振替の登録に関する申請情報を送信する。申請情報には、ユーザ情報および事業者情報の他、月次振替日に関する情報、口座振替を開始する時期に関する情報などが含まれる。
【0103】
ステップS123の後に、収納代行サーバ30は、管理サーバ20から送信された口座振替登録の申請情報を受領する(ステップS131)。
具体的には、収納代行サーバ30は、申請情報に含まれるユーザ情報および事業者情報を取得する。
【0104】
ステップS132の後に、収納代行サーバ30は、口座振替の登録を行う(ステップS132)。
具体的には、収納代行サーバ30は、申請情報に含まれるユーザ情報および事業者情報に不足や不備がないことに応答して、新たな口座振替の契約を登録する。
【0105】
ステップS132の後に、収納代行サーバ30は、登録完了の通知を行う(ステップS133)。
具体的には、収納代行サーバ30は、新たな口座振替の契約を登録した旨を、管理サーバ2030に対して送信する。
【0106】
ステップS133の後に、管理サーバ20は、登録通知を受領する(ステップS124)
具体的には、管理サーバ20の受信制御モジュール2031は、収納代行サーバ30から送信された登録完了の通知を取得する。
【0107】
ステップS124の後に、管理サーバ20は、登録通知をユーザ端末10に対して連絡する(ステップS125)。
具体的には、管理サーバ20は、収納代行サーバ30から送信された登録完了の通知を、ユーザ端末10に対して送信する。
【0108】
ステップS125の後に、ユーザ端末10は、登録通知を受領する(ステップS114)。
具体的には、ユーザ端末10は新たな口座振替の契約が登録された旨を取得し、ディスプレイ132に表示することで、ユーザに対して提示する。
以上により、新たな口座振替の登録申請に関する処理が終了する。
【0109】
<4-3.第2類の処理>
第2類の処理では、事業者からの請求に基づいて、引き落としの予定を通知する処理が行われる。
図12は、第2類の処理を示すフローである。
図12に示すように、事業者からの請求に基づいて、引き落としの予定を通知する処理では、まず、事業者端末40が管理サーバ20に対して費用請求を行う(ステップS41)。
具体的には、事業者端末40は、事業者からユーザへの費用請求に係る請求情報を、管理サーバ20に対して送信する。請求情報の管理サーバ20への送信は、予め設定された頻度(例えば月1回等)で行われてもよい。
【0110】
ステップS241の後に、管理サーバ20は、費用請求を受領する(ステップS222)。具体的には、管理サーバ20の受信制御モジュール2031は、事業者端末40から送信された請求情報を取得し、請求DB2023の新たなレコードとして記憶部202に記憶させる。
【0111】
ステップS222の後に、管理サーバ20は、予定情報を作成する(ステップS222)。
具体的には、管理サーバ20の請求集計モジュール2034は、請求DB2023を参照して、請求情報ごとに、引きおとしの予定となる予定情報を作成する。
【0112】
ステップS222の後に、管理サーバ20は、予定情報の通知を行う(ステップS223)。
具体的には、管理サーバ20の通知モジュール2037は、作成した予定情報について、ユーザ端末10に対して送信する。予定情報には、事業者に関する情報、引き落とし額に関する情報、引き落とし時期に関する情報が含まれる。なお、予定情報の通知は、事業者端末40に対して行ってもよい。
【0113】
ステップS223の後に、ユーザ端末10は、予定情報を受領する(ステップS211)。
具体的には、ユーザ端末10は、管理サーバ20の通知モジュール2037から送信された予定情報を受信する。ユーザ端末10は、受信した予定情報をディスプレイ132に表示することで、直近で予定されている引き落としに関する情報をユーザに対して提示する。これにより、ユーザは、直近で予定されている引き落としに備えて、振替口座の残高を確認したり、心当たりのない引き落としが予定されていないかを確認したりすることができる。
以上により、事業者からの請求に基づいて、引き落としの予定を通知する処理が終了する。
【0114】
<4-4.第3類の処理>
第3類の処理では、引き落としを申請し、その結果を受領する処理が行われる。
図13は、第3類の処理を示すフローである。
図13に示すように、引き落としを申請し、その結果を受領する処理では、まず、管理サーバ20が、引き落としの申請を行う(ステップS321)。
具体的には、管理サーバ20の引き落とし申請モジュール2035は、引き落としが予定されている予定情報に基づいて、引き落としの申請を収納代行サーバ30に対して送信する。
【0115】
ステップS321の後に、収納代行サーバ30は、引き落としの申請を受領する(ステップS331)。
具体的には、収納代行サーバ30は、引き落としの申請に含まれる予定情報を取得する。
【0116】
ステップS331の後に、収納代行サーバ30は、引き落とし請求情報を送付する(ステップS332)。
具体的には、収納代行サーバ30は、引き落としの申請情報が登録された口座振替と齟齬がないことを確認したうえで、金融機関サーバ50に対して引き落としに関する情報を含む引き落とし請求情報を送信する。引き落とし請求情報には、引き落とし予定日、引き落とし額、振替口座情報、収納代行業者の口座情報などが含まれる。
【0117】
ステップS332の後に、金融機関サーバ50は、引き落とし請求情報を受領する(ステップS351)。
具体的には、金融機関サーバ50は、引き落とし請求情報に含まれる各種のデータを受領する。
【0118】
ステップS351の後に、金融機関サーバ50は、引き落としを実行する(ステップS352)。
具体的には、金融機関サーバ50は、引き落とし請求情報に含まれる各種の情報を用いて、指定された振替口座から収納代行業者に向けて、指定された請求額に相当する資金を移転する。仮に振替口座に請求額に相当する資金がない場合には、引き落としは不能となる。
【0119】
ステップS352の後に、金融機関サーバ50は、引き落としの結果を収納代行サーバ30に対して通知する。(ステップS353)
具体的には、金融機関サーバ50は、引き落としが正常に澄んだ場合は、その旨を、引き落としを実行した日時に関する情報とともに収納代行サーバ30に対して通知する。一方、金融機関サーバ50は、引き落としが不能となった場合には、その旨を、引き落としの実行を試みた日時に関する情報とともに収納代行サーバ30に対して通知する。なお、金融機関サーバ50は、引き落としが不能となった場合に、引き落としの請求額と、振替口座の残高と、を併せて通知してもよい。
【0120】
ステップS353の後に、収納代行サーバ30は、引き落とし結果を受領する(ステップS333)。
具体的には、収納代行サーバ30は、金融機関サーバ50から送信された、引き落としが正常に済んだかどうかについての情報を受領する。
【0121】
ステップS333の後に、収納代行サーバ30は、引き落とし結果を管理サーバ20に対して送信する(ステップS334)。
具体的には、収納代行サーバ30は、金融機関サーバ50から送信された、引き落としが正常に済んだかどうかについての情報を管理サーバ20に対して送信する。
【0122】
ステップS334の後に、管理サーバ20は、引き落としの結果を受領する(ステップS322)。
具体的には、管理サーバ20の受信制御モジュール2031は、引き落としが正常に済んだかどうかについての情報を取得し、請求DB2023における振替ステータスを更新する。
以上により、引き落としを申請し、その結果を受領する処処理が終了する。
【0123】
<4-5.第4類の処理>
第4類の処理では、引き落としの実績をユーザに通知する処理が行われる。
図14は、第4類の処理を示すフローである。
図14に示すように、引き落としの実績をユーザに通知する処理では、まず、管理サーバ20が、実績情報を集計する(ステップS421)。
具体的には、管理サーバ20の実績集計モジュール2036は、請求DB2023を参照し、請求ごとの振替ステータスの情報を集計する。
【0124】
ステップS421において、振替ステータスが済みとなっており、引き落とし不能に該当しない場合(ステップS422のNo)には、管理サーバ20は引き落とし実績をユーザ端末10に対して通知する(ステップS423)。
具体的には、管理サーバ20の通知モジュール2037は、請求IDに係る引き落としが正常に実行された旨をユーザ端末10に対して送信する。この際、仮に複数の引き落としが予定されている場合には、通知モジュール2037は、請求IDごとに複数の引き落としに関する実績をユーザ端末10に対して送信する。
【0125】
ステップS423の後に、ユーザ端末10は引き落とし実績を受領する(ステップS411)。
具体的には、ユーザ端末10は、管理サーバ20の通知モジュール2037から送信された引き落としが正常に実行された旨を取得する。ユーザ端末10は、取得した情報をディスプレイ132に表示することでユーザに対して提示する。
【0126】
一方、ステップS421において、振替ステータスが不能となっている場合(ステップS422のYes)には、管理サーバ20は追徴額の計算を行う(ステップS424)。
具体的には、管理サーバ20の実績集計モジュール2036は、引き落としが実行できなかった請求IDに相当する引き落とし予定について、追徴に係る費用を計算する。費用の計算に際しては、事業者とユーザとの間であらかじめ設定されている追徴額に適用される追徴手数料に関する情報を参照する。
【0127】
ステップS424の後に、管理サーバ20は引き落とし不能の通知を行う(ステップS425)。
具体的には、管理サーバ20の通知モジュール2037は、以下の情報をユーザ端末10に対して送信する。
・請求IDに相当する引き落としが不能であった旨
・振替口座の口座残高と引き落とし予定額との差額
・実績集計モジュール2036が計算した追徴額および支払い期限
・代替の決済手段を用いた支払いの依頼
【0128】
ステップS425の後に、ユーザ端末10は、引き落としの不能の通知を受領する(ステップS412)。
具体的には、ユーザ端末10は、管理サーバ20から送信された引き落とし不能の通知に含まれる各種の情報を取得する。ユーザ端末10は引き落とし不能の通知に含まれる各種の情報をディスプレイ132に表示することで、ユーザに対して提示する。
【0129】
ステップS412の後に、ユーザ端末10は代替決済手段による支払いを実行する(ステップS413)。
具体的には、ユーザ端末10は、代替決済手段に含まれるオンライン決済システムに対するユーザの入力を受け付けることで、オンライン決済システムを介して追徴費用の支払いを実行する。
以上により、引き落としの実績をユーザに通知する処理が終了する。
【0130】
<4-6.第5類の処理>
第5類の処理では、引き落としの実績に基づいて、事業者に入金を行う処理が行われる。
図15は、第5類の処理を示すフローである。
図15に示すように、引き落としの実績に基づいて、事業者に入金を行う処理では、まず、収納代行サーバ30が引き落とし代金の振り込みを実行する(ステップS531)。
具体的には、収納代行サーバ30は、引き落としにより引き落とされた資金について、管理サーバ20を管理・運営し、口座振替の支援事業を営むシステム管理者の口座への振り込みを実行する。
【0131】
ステップS531の後に、管理サーバ20は、振り込まれた代金を受領する(ステップS521)
具体的には、管理サーバ20は、収納代行サーバ30から送信された引き落とし代金を取得し、請求IDにおける請求額との突合を行う。
【0132】
ステップS531の後に、管理サーバ20は、入金額を計算する(ステップS522)。
具体的には、管理サーバ20の入金モジュール2038は、請求DB2023を参照して事業者ごとに採番された入金IDに基づいて、入金DB2024を作成する。入金モジュール2038は、同一の事業者から複数の請求があった場合に、請求額を統合した一括での入金情報を作成する。
【0133】
例えば、
図8に示す請求DB2023では、以下の入金IDが設定されている。
・入金ID:N0001…事業者B0001からの請求(C0001、C0003)
・入金ID:N0002…事業者B0002からの請求(C0002、C0004)
・入金ID:N0003…事業者B0003からの請求(C0005)
・入金ID:N0004…事業者B0004からの請求(C0006)
【0134】
このため、入金モジュール2038は、
図9に示すように、入金IDを主キーとして、入金DB2024を作成する際に、同一の入金IDに相当する費用請求の額を合算して、入金IDに相当する入金額として設定する。
図9では、入金額は以下の通り算出されている。
・入金ID:N0001…入金額P+R(C0001およびC0003の合算請求額)
・入金ID:N0002…入金額Q+S(C0002およびC0004の合算請求額)
・入金ID:N0003…入金額T(C0005の請求額)
・入金ID:N0004…入金額U(C0006の請求額)
すなわち、同一の入金IDに対応する請求が一つの場合には、当該請求に係る請求額を入金額とする。
【0135】
なお、入金モジュール2038は、複数の費用請求に係る費用の全部を合算してもよいし、一部を合算してもよい。また、入金モジュール2038は、例えば以下のルールに従って複数の費用請求に係る入金額の合算を行うことができる。
・事業者が指定した共通する費目に関する請求費用を合算する。
・事業者が指定した請求を合算する。
【0136】
また、入金モジュール2038は、請求DB2023を参照して、振替ステータスおよび追徴ステータスの値により、合算する請求額を判断する。具体的には、
図8に示す請求ID:C0004において、振替ステータスは不能となっており、追徴ステータスは支払い済みとなっている。すなわち、請求ID:C0004に係る費用の支払いは、口座引き落としはできなかったが、その後にユーザ(U0003)が、代替決済手段により決められた期間内に適切に支払いを行ったことが確認される。この場合には、入金モジュール2038は、代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の請求に係る費用として合算する。
【0137】
一方、入金モジュール2038は、振替ステータスが不能であり、追徴ステータスも未払いである場合には、当該請求IDに係る引き落としは未だ完了していないものとし、当該請求IDに相当する請求額については合算することなく、入金額を算出する。
【0138】
ステップS522の後に、管理サーバ20は入金を通知する(ステップS522)。
具体的には、管理サーバ20の入金モジュール2038は、入金DB2024を参照して、入金の予定について事業者端末40に送信する。また入金モジュール2038は入金DB2024に記憶された入金予定に基づいて、入金に係る費用の振り込みを金融機関サーバ50に対して送信する。
【0139】
ステップS523の後に、事業者端末40は入金通知を受領する(ステップS541)。
具体的には、事業者端末40は、管理サーバ20の入金モジュール2038から送信された入金の予定を取得する。事業者端末40は、入金の予定を出力装置に表示することで、事業者に対して提示する。
以上により、引き落としの実績に基づいて、事業者に入金を行う処理が終了する。
【0140】
<5.小括>
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1では、引き落としの予定情報をユーザに対して通知する。このため、ユーザが引き落としの予定に合わせて振替口座の資金の確認を行うことができる。
また、システム1では、引き落としの実績情報をユーザに対して通知する。このため、引き落としが登録した内容で手続に行われたことをユーザが把握することができる。
このように、システム1では、引き落としの予定と実績の双方をユーザに対して通知するので、ユーザにとって利便性に優れ、口座振替による支払いを滞りなく行うことができる。
【0141】
また、システム1では、引き落とされた費用の入金を行う際に、同一の事業者から複数の費用請求がある場合に、複数の費用請求に係る費用の少なくとも一部を合算して、前記事業者に対して入金する。このため、複数の請求ごとに入金を行う場合と比較して、入金に係る取引の件数を少なくすることが可能となり、入金手続に要する手数料の負担を削減することができる。また、複数の請求について合算した請求額で入金を行うため、事業者における入金の消込みの確認作業を省力化することができる。
【0142】
また、引き落とした費用の入金を行うステップでは、代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の請求に係る費用として合算する。このため、仮に引き落とし予定の一部が引き落とし不能となった場合でも、その後にユーザが代替決済手段による支払いに対応した場合には、追徴した費用をまとめて、一度にユーザに対して入金することができる。
【0143】
<6.変形例>
次に、システム1の変形例について説明する。
変形例に係るシステム2では、引き落としの予定情報の作成が、前述した実施形態とは異なっている。具体的には、システム2では、同一のユーザに対して、複数の費用請求がある場合に、複数の費用請求の額の少なくとも一部を統合して、引き落としを申請する。このような変形例に係るシステム1について詳述する。
【0144】
図16は、システム2における管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
図17は、システム2の請求DB2023および予定DB2025のデータ構造の一例を示す図である。なお、以下の説明において前述した実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
【0145】
図16に示すように、システム2における管理サーバ20は、さらに予定データベース(DB)2025を備えている。予定データベース2025は、請求情報に基づいて申請される引き落としの予定に関する情報を記憶するデータベースである。予定DB2025のデータ構造については後述する。
【0146】
図17に示すように、請求DB2023Bは、項目「予定ID」をさらに備えている。予定IDは、同時期の引き落としについて、ユーザごとに割り振られた識別番号である。請求DB2023Bにおいて、同じ時期の引き落としについて同じユーザへの複数の費用請求がある場合には、当該ユーザに対して同じ予定IDが登録される。ここで、同じユーザへの複数の費用請求については、同じ事業者からの異なる費目に関する複数の請求であってもよいし、異なる事業者からの複数の請求であってもよい。
【0147】
例えば、
図17の請求DB2023Bの例では、以下のように予定IDが設定されている。
・ユーザID:U0001に該当するユーザに対して予定ID:S0001
・ユーザID:U0002に該当するユーザに対して予定ID:S0002
・ユーザID:U0003に該当するユーザに対して予定ID:S0003
なお、請求DB2023Bでは、項目「振替ステータス」と、項目「追徴ステータス」と、が管理されていない。
【0148】
図17に示すように、予定DB2025の各レコードは、項目「予定ID」と、項目「振替口座」と、項目「引き落とし額」と、項目「振替予定日」と、項目「振替ステータス」と、項目「追徴ステータス」と、を含む。なお、予定DB2025は、他の管理項目に相当するカラムを備えていてもよい。
【0149】
項目「予定ID」は、口座振替による引き落としの予定を識別する識別情報である。予定IDはシステム1を介して行われる引き落としの処理ごとに固有の値が採番される。
【0150】
項目「振替口座」は、予定IDに対応する引き落としの原資となる振替口座の口座情報を指す。
【0151】
項目「引き落とし額」は、予定IDに対応する引き落としの額を示す情報である。
【0152】
項目「振替ステータス」は、予定IDに対応する請求について、引き落としのステータスを示す情報である。
【0153】
項目「追徴ステータス」は、予定IDに対応する請求について、引き落としが不能であった場合に、代替の決済手段による追徴のステータスを示す情報である。
【0154】
そしてシステム2では、請求集計モジュール2034が予定情報を作成する際(
図12に示すステップS222)に、請求DB2023における予定IDを参照して、同じ予定IDとなる複数の請求に係る請求額を統合して、引き落とし額を設定し、予定DB2025が作成される。図示の例では、引き落とし額は以下の通りである。
・予定ID:S0001について、請求額P(C0001)と、請求額Q(C0002)と請求額T(C0005)の合算値である請求額P+Q+T
・予定ID:S0002について、請求額R(C0003)と、請求額U(C0006)の合算値である請求額R+U
・予定ID:S0003について、請求額S(C0004)
【0155】
なお、請求集計モジュール2034は、同一のユーザに対する複数の費用請求について、すべてを統合してもよいし、その一部を統合してもよい。例えば、請求集計モジュール2034は、同じ月に発行された複数の請求のうち、予め設定されていた引き落とし日が共通する費用請求のみを、統合してもよい。その他、請求集計モジュール2034は以下のルールに従って複数の費用請求に係る請求額の合算を行うことができる。
・ユーザが指定した複数の事業者からの請求を合算する
・事業者が指定した請求を合算する
・同じ事業者からの異なる費目について合算する
【0156】
システム2では、予定情報に複数の引き落とし予定が含まれているため、ユーザ端末10に通知される予定情報にも、合算した引き落とし額とともに。複数の請求に関する情報が内訳として含まれている。
そして、管理サーバ20の引き落とし申請モジュール2035は、ユーザごとに統合された引き落としに関する予定情報を用いて、前述した引き落とし申請の処理(
図13におけるステップS321)を実行する。
【0157】
以上説明したように、同一のユーザに対して、複数の費用請求がある場合に、複数の費用請求の額の少なくとも一部を統合して、引き落としを申請する。このため、請求ごとに引きおとし予定を行う場合と比較して、引き落としの取引の件数を少なくすることが可能となり、入金手続に要する手数料の負担を削減することができる。また、複数の請求について合算した請求額で引き落としの予定を通知することができるため、予定情報を確認するユーザの利便性を確保することができる。
【0158】
<7.その他の変形例>
次に、システム1およびシステム2のその他の変形例について説明する。
例えば、システム1および2では、すでに登録された口座振替に係るユーザ情報を、新しく登録する口座振替において引き継ぐことができる。この場合には、ユーザIDを用いて他の事業者に対する口座振替の申請を行うことで、すでにユーザDB2022に登録されたユーザ情報を転用することができる。
【0159】
また、システム1および2では、すでに登録された口座振替に係る事業者を、新しく登録する口座振替において引き継ぐことができる。この場合には、事業者IDを用いて他のユーザに対する口座振替の申請を行うことで、すでに事業者DB2021に登録された事業者情報を転用することができる。
【0160】
また、システム1および2では、ユーザは複数の振替口座を用いることができる。例えば、ユーザは、ユーザ情報として複数の振替口座に関する情報を予め登録しておき、口座振替登録の申請に先立って、当該申請に係る口座振替に使用する振替口座を選択してもよい。この場合には、システム2における予定IDの付与は、同一のユーザの同一の振替口座に対して、共通したIDが付与されることとなる。
【0161】
また、システム1および2では、事業者は複数の入金口座を用いることができる。例えば、事業者は、事業者情報として複数の入金口座に関する情報を予め登録しておき、口座振替登録の申請に先立って、当該申請に係る口座振替に使用する入金口座を選択してもよい。この場合には、システム1および2における入金IDの付与は、同一の事業者の同一の入金口座に対して、共通したIDが付与されることとなる。
【0162】
また、システム1および2は、他のサービスとの連携を行うことができる。具体的には、システム1および2は、他のサービルにおける既存の請求書データを取り寄せて、請求DB2023を作成してもよい。この場合には、事業者からの請求と、他のサービスからの請求とを併合した請求書を作成することもできる。具体的には、保育園に導入された保育サポートツールを保護者が利用する場合に、保育サポートツールの費用と、保育園の費用とを併合した請求情報を作成することができる。これにより、請求書の数量を減らし、支払者の支払いの手間を削減することができる。
【0163】
また、上記の各実施形態では、管理サーバ20で、ユーザ端末10から入力された情報を受け付けて、必要な演算を行ったうえでユーザ端末10に表示させる構成としているが、このような構成に限られない。
例えば、上記の機能の一部又はすべてについて、ユーザ端末10で入力を受け付けてユーザ端末10内で処理を行い、ユーザ端末10のディスプレイ132に表示させる構成としてもよい。このような構成にするため、ユーザは、ユーザ端末10を介して管理サーバ20へアクセスし、管理サーバ20が提供するプログラムをユーザ端末10へインストールさせ、ユーザ端末10内で処理を行う構成にしてもよい。この場合、管理サーバ20は、その機能として、制御部203が備える各機能モジュールの一部又はすべてを備えなくてもよい。
【0164】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る同一の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態および変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、その一部を省略又は組み合わせ可能である。
【0165】
<8.付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0166】
(付記1)
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられるプログラムであって、
プロセッサに、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される口座振替について、事業者に関する事業者情報と、口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップ(ステップS121、S122)と、
ユーザ情報、および事業者情報を用いて、口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップ(ステップS123)と、
ユーザへの費用請求を、事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップ(ステップS221)と、
費用請求に基づいて、振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップ(ステップS223)と、
収納代行サーバに対して、予定情報に基づき、引き落としの実行を申請するステップ(ステップS321)と、
収納代行サーバから受領した、引き落としの実績を示す実績情報を、ユーザ端末に通知するステップ(ステップS423、S425)と、を実行させるプログラム。
【0167】
(付記2)
プロセッサに、さらに、
実績情報に基づいて、事業者に対して、引き落とされた費用請求に相当する額の費用の入金を行うステップを実行させ、
費用の入金を行うステップでは、
同一の事業者から複数の費用請求がある場合に、複数の費用請求に係る費用の少なくとも一部を合算して、事業者に対して入金する、請求項1に記載のプログラム。
【0168】
(付記3)
実績情報を、ユーザ端末に通知するステップ(ステップS425)では、
当該引き落としが不能であった場合に、その旨を、代替決済手段を用いた支払いの依頼とともに、ユーザ端末に対して通知し、
費用の入金を行うステップでは、
代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の請求に係る費用として合算する、請求項2に記載のプログラム。
【0169】
(付記4)
引き落としの実行を申請するステップ(ステップS321)では、
同一のユーザに対して、複数の費用請求がある場合に、複数の費用請求の額の少なくとも一部を統合して、引き落としを申請する、請求項1に記載のプログラム。
【0170】
(付記5)
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられる方法であって、
プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される口座振替について、事業者に関する事業者情報と、口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップ(ステップS121、S122)と、
ユーザ情報、および事業者情報を用いて、口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップ(ステップS123)と、
ユーザへの費用請求を、事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップ(ステップS221)と、
費用請求に基づいて、振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップ(ステップS223)と、
収納代行サーバに対して、予定情報に基づき、引き落としの実行を申請するステップ(ステップS321)と、
収納代行サーバから受領した、引き落としの実績を示す実績情報を、ユーザ端末に通知するステップ(ステップS423、S425)と、を実行する方法。
【0171】
(付記6)
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータを備えたシステムであって、
プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される口座振替について、事業者に関する事業者情報と、口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得する手段と、
ユーザ情報、および事業者情報を用いて、口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行う手段と、
ユーザへの費用請求を、事業者が使用する事業者端末から受け付ける手段と、
費用請求に基づいて、振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、ユーザが使用するユーザ端末に通知する手段と、
収納代行サーバに対して、予定情報に基づき、引き落としの実行を申請する手段と、
収納代行サーバから受領した、引き落としの実績を示す実績情報を、ユーザ端末に通知する手段と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0172】
1 口座振替支援システム
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
202 記憶部
203 制御部
2031 受信制御モジュール
2032 送信制御モジュール
2033 登録申請モジュール
2034 請求集計モジュール
2035 引き落とし申請モジュール
2036 実績集計モジュール
2037 通知モジュール
2038 入金モジュール
30 収納代行サーバ
40 事業者端末
50 金融機関サーバ
【手続補正書】
【提出日】2023-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記プロセッサに、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップと、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップと、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップと、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップと、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請するステップと、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知するステップと、
前記実績情報に基づいて、前記事業者に対して、引き落とされた前記費用請求に相当する額の費用の入金を行うステップと、を実行させ、
前記実績情報を前記ユーザ端末に通知するステップでは、前記引き落としが不能であった場合に、その旨を、代替決済手段を用いた支払いの依頼とともに、前記ユーザ端末に対して通知し、
前記費用の入金を行うステップでは、同一の前記事業者から複数の前記費用請求がある場合に、入金を行う際に既に前記代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の前記費用請求における他の請求に係る費用と合算して入金する、プログラム。
【請求項2】
前記プロセッサに、前記予定情報を前記ユーザ端末に通知するステップに先立って、前記事業者端末から受け付けた前記費用請求について、当該請求の主体である前記事業者、および前記費用請求を受ける前記ユーザそれぞれの識別情報を、前記費用請求に関する情報が管理される請求データベースに、前記費用請求の識別情報と紐づけて記録するステップを実行させ、
前記費用の入金を行うステップでは、前記請求データベースを参照して、同一の前記事業者から複数の前記費用請求がある場合に、複数の前記費用請求に係る費用の少なくとも一部を合算した前記事業者ごとの入金情報が管理される入金データベースを作成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記引き落としの実行を申請するステップでは、
同一の前記ユーザに対して、複数の前記費用請求がある場合に、複数の前記費用請求の額の少なくとも一部を統合して、前記引き落としを申請する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータに用いられる方法であって、
前記プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得するステップと、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行うステップと、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付けるステップと、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知するステップと、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請するステップと、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知するステップと、
前記実績情報に基づいて、前記事業者に対して、引き落とされた前記費用請求に相当する額の費用の入金を行うステップと、を実行し、
前記実績情報を前記ユーザ端末に通知するステップでは、前記引き落としが不能であった場合に、その旨を、代替決済手段を用いた支払いの依頼とともに、前記ユーザ端末に対して通知し、
前記費用の入金を行うステップでは、同一の前記事業者から複数の前記費用請求がある場合に、入金を行う際に既に前記代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の前記費用請求における他の請求に係る費用と合算して入金する、方法。
【請求項5】
プロセッサを有し、口座振替の利用を支援するコンピュータを備えたシステムであって、
前記プロセッサが、
事業者の商品又は役務の費用に関するユーザからの支払いに利用される前記口座振替について、前記事業者に関する事業者情報と、前記口座振替に用いられる振替口座の情報を含むユーザ情報と、を取得する手段と、
前記ユーザ情報、および前記事業者情報を用いて、前記口座振替の登録の申請を収納代行業者が管理する収納代行サーバに対して行う手段と、
前記ユーザへの費用請求を、前記事業者が使用する事業者端末から受け付ける手段と、
前記費用請求に基づいて、前記振替口座からの引き落としの予定を示す予定情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に通知する手段と、
前記収納代行サーバに対して、前記予定情報に基づき、前記引き落としの実行を申請する手段と、
前記収納代行サーバから受領した、前記引き落としの実績を示す実績情報を、前記ユーザ端末に通知する手段と、
前記実績情報に基づいて、前記事業者に対して、引き落とされた前記費用請求に相当する額の費用の入金を行う手段と、を備え、
前記実績情報を前記ユーザ端末に通知する手段は、前記引き落としが不能であった場合に、その旨を、代替決済手段を用いた支払いの依頼とともに、前記ユーザ端末に対して通知し、
前記費用の入金を行う手段は、同一の前記事業者から複数の前記費用請求がある場合に、入金を行う際に既に前記代替決済手段を用いて支払われた追徴額を、同一の事業者からの複数の前記費用請求における他の請求に係る費用と合算して入金する、システム。