(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031189
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及び情報処理プログラム、並びに、食事指導用座標図
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240229BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134592
(22)【出願日】2022-08-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠
(72)【発明者】
【氏名】牛田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 豪太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 食事指導の迅速さ及び正確さを両立することである。
【解決手段】 情報処理システム1を構成するのは、出力装置40、及び、情報処理装置
50である。情報処理装置50で制御されるのは、出力装置40又はその出力内容であり
、その際に用いられるのは、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値である。それによっ
て、出力装置40で出力されるのは、座標面101及び検体座標102である。座標面1
01を構成するのは、ナトリウム‐カリウム比軸101a及び野菜摂取値軸101bであ
る。検体座標102が位置するのは、座標面101である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、それを構成するのは、少なくとも、以下である:
出力装置、及び、
情報処理装置:これで制御されるのは、前記出力装置であり、それによって出力される
のは、座標面及び検体座標であり、その際に用いられるのは、ナトリウム‐カリウム比及
び野菜摂取値であり、かつ、
前記座標面を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値
軸であり、かつ、
前記検体座標が位置するのは、前記座標面である。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、
前記出力装置で更に出力されるのは、以下のうち少なくとも一方である:
ナトリウム‐カリウム比判定線:これで示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾
値であり、及び、
野菜摂取値判定線:これで示されるのは、野菜摂取値の閾値である。
【請求項3】
請求項1のシステムであって、
前記出力装置で更に出力されるのは、以下のうち少なくとも一方である:
第1の判定領域:これで示されるのは、塩分摂取過多であり、及び、
第2の判定領域:これで示されるのは、野菜摂取不足である。
【請求項4】
請求項1又は2のシステムであって、それを更に構成するのは、以下である:
入力装置:これで入力されるのは、前記ナトリウム‐カリウム比、及び、前記野菜摂取
値である。
【請求項5】
請求項1又は2のシステムであって、それを更に構成するのは、以下である:
ナトリウム‐カリウム比測定装置:これで測定されるのは、前記ナトリウム‐カリウム
比であり、及び、
野菜摂取値測定装置:これで測定されるのは、前記野菜摂取値である。
【請求項6】
情報処理装置であって、それを構成するのは、少なくとも、以下である:
記憶部:これで記憶されるのは、情報処理プログラムであり、
処理部:これで読み出されるのは、前記情報処理プログラムであり、それによって実行
されるのは、以下の処理である:
出力:これで出力されるのは、座標面及び検体座標であり、その際に用いられるのは
、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値であり、かつ、
前記座標面を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取
値軸であり、かつ、
前記検体座標が位置するのは、前記座標面である。
【請求項7】
請求項6の情報処理装置であって、
前記処理で更に出力されるのは、以下のうち少なくとも一方である:
ナトリウム‐カリウム比判定線:これで示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾
値であり、及び、
野菜摂取値判定線:これで示されるのは、野菜摂取値の閾値である。
【請求項8】
請求項6の情報処理装置であって、
前記処理で更に出力されるのは、以下の少なくとも一方である。
第1の判定領域:これで示されるのは、塩分摂取過多であり、及び、
第2の判定領域:これで示されるのは、野菜摂取不足である。
【請求項9】
情報処理プログラムであって、それによって処理部が実行するのは、以下の処理である
:
出力:これで出力されるのは、座標面及び検体座標であり、その際に用いられるのは、
ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値であり、かつ、
前記座標面を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値
軸であり、かつ、
前記検体座標が位置するのは、前記座標面である。
【請求項10】
請求項9のプログラムであって、前記処理で更に出力されるのは、以下のうち少なくと
も一方である:
ナトリウム‐カリウム比判定線:これで示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾値
であり、及び、
野菜摂取値判定線:これで示されるのは、野菜摂取値の閾値である。
【請求項11】
請求項9のプログラムであって、前記処理で更に出力されるのは、以下の少なくとも一
方である:
第1の判定領域:これで示されるのは、塩分摂取過多であり、及び、
第2の判定領域:これで示されるのは、野菜摂取不足である。
【請求項12】
食事指導用座標図であって、それを構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム
比軸及び野菜摂取値軸である。
【請求項13】
請求項12の食事指導用座標図であって、それを構成するのは、以下のうち少なくとも
一方である:
ナトリウム‐カリウム比判定線:これで示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾値
であり、及び、
野菜摂取値判定線:これで示されるのは、野菜摂取値の閾値である。
【請求項14】
請求項12の食事指導用座標図であって、それを構成するのは、以下のうち少なくとも
一方である:
第1の判定領域:これで示されるのは、塩分摂取過多であり、及び、
第2の判定領域:これで示されるのは、野菜摂取不足である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関係するのは、情報処理システム、情報処理装置及び情報処理プログラム、並
びに、食事指導用座標図である。
【背景技術】
【0002】
高血圧の予防及び改善の重要性は、広く認識されている。なぜなら、高血圧者の有病率
が高いからである。例示すると、高血圧は、脳卒中及び循環器疾患の危険因子の一つであ
る。
【0003】
高血圧の予防及び改善で採用する代表的な方法は、食塩摂取量の制限(以下、「減塩」
ということもある。)である。減塩を具現化する方法は、様々であり、例示すると、減塩
食品の喫食や減塩指導などである。
【0004】
ところが、減塩指導は、必ずしも奏功していない。食塩の推奨摂取量及び日本人の食塩
摂取量は、未だに大きく乖離している。日本高血圧学会で推奨する1日当たり食塩摂取量
は、6.0g未満である。これに対して、過去10年間で、日本人の1日当たりの食塩摂
取量は、減少しているものの、9.2g(女性)から11.0g(男性)である。減塩指
導不奏功の要因は、様々である。例えば、味が薄くて、美味しさが感じられないため、満
足感が得られない等の不満が生じるなどである。
【0005】
そこで、高血圧の予防及び改善で採用されるのは、尿中におけるカリウム濃度に対する
ナトリウム濃度の値(本項目では、「尿中Na/K」という。)である。なぜなら、カリ
ウムを摂取すると、ナトリウムを排出するからである。非特許文献1及び2で報告されて
いるのは、尿中Na/Kと収縮期血圧とが有意に相関する点である。ここで、尿中Na/
Kに反映されるのは、食事のNa/Kである。非特許文献3に開示されているのは、食事
指導の一例である。この食事指導で用いるのは、尿中Na/K計測器及びナックカウント
表である。
【0006】
食事指導で用いるのが尿中Na/K比であることの利点は、食事指導の迅速さである。
すなわち、食事指導が実施されるのは、採尿当日である。尿中Na/Kを測定するのに用
いられるのは、採取1回分の尿だからである。
【0007】
他方で、食事指導の欠点は、食事指導の不正確さである。すなわち、尿中Na/Kの高
値で示唆されるのは、塩分摂取過多及び野菜摂取不足の双方の可能性である。仮に、被検
者の状態が野菜摂取不足であっても、当該被検者が受けうるのは、減塩指導である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Park J et al., The Effect of the Sodium to Potassium Ratio on Hypertension Prevalence: A Propensity Score Matching Approach. Nutrients. 2016 8(8): 482.
【非特許文献2】Tabara Y et al., Descriptive epidemiology of spot urine sodium-to-potassium ratio clarified close relationship with blood pressure level: the Nagahama study. J Hypertens. 2015 33(12):2407-13.
【非特許文献3】桑原和代ら著「職域におけるナトカリ計を用いた効果的な保健指導手法の開発」(立石科学技術振興財団女性研究成果集第26号,1-5頁,2017年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、食事指導の迅速さ及び正確さの両立である。すなわ
ち、採尿当日であっても、塩分摂取過多の被検者が特定され、その者に指導されるのは、
減塩である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上を踏まえて、本願発明者が鋭意検討して見出したのは、カリウムイオン濃度及びナ
トリウムイオン濃度の比率に加えて、野菜摂取値を採用することである。野菜摂取値に相
関するのは、カリウムイオン濃度である。そのように推定されるカリウム濃度が高い場合
、前記比率の高値で示唆されるのは、塩分摂取過多である。この観点から、本発明を定義
すると、以下のとおりである。
【0011】
<情報処理システム>
情報処理システムを構成するのは、少なくとも、出力装置、及び、情報処理装置である
。前記情報処理装置で制御されるのは、前記出力装置であり、それによって出力されるの
は、座標面及び検体座標であり、その際に用いられるのは、ナトリウム‐カリウム比及び
野菜摂取値である。前記座標面を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸
及び野菜摂取値軸である。前記検体座標が位置するのは、前記座標面である。
【0012】
<情報処理装置>
情報処理装置を構成するのは、少なくとも、記憶部及び処理部である。前記記憶部で記
憶されるのは、情報処理プログラムである。前記処理部で読み出されるのは、前記情報処
理プログラムであり、それによって実行されるのは、出力処理である。前記出力処理によ
って出力装置で出力されるのは、座標面及び検体座標である。その際に、前記処理部で用
いられるのは、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値である。前記座標面を構成するの
は、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値軸である。前記検体座標が位
置するのは、前記座標面である。
【0013】
<情報処理プログラム>
情報処理プログラムによって処理部が実行するのは、出力処理である。前記出力処理に
よって、出力装置で出力されるのは、座標面及び検体座標である。その際に、前記処理部
で用いられるのは、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値である。前記座標面を構成す
るのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値軸である。前記検体座標
が位置するのは、前記座標面である。
【0014】
<食事指導用座標図>
食事指導用座標図を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂
取値軸である。
【発明の効果】
【0015】
本発明が可能にするのは、食事指導の迅速さ及び正確さの両立である。すなわち、採尿
当日であっても、塩分摂取過多の被検者が特定され、その者に指導されるのは、減塩であ
る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理システムの一実施の形態の構成である。
【
図2】第1のユーザインタフェース(UI)仕様である。
【
図11】食事指導座標図の一実施の形態の構成である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<情報処理システム>
情報処理システムとは、装置又は器具の組合せであって、その用途が情報処理であるも
のをいう。情報処理システムを構成するのは、少なくとも、出力装置、及び、情報処理装
置である。
図1で示すのは、情報処理システムの一実施の形態の構成である。情報処理シ
ステム1を構成するのは、ナトリウム‐カリウム(Na‐K)比測定装置10、野菜摂取
値測定装置20、入力装置30、出力装置40、及び、情報処理装置50である。これら
の装置を直接的又は間接的に接続しているのは、有線又は無線の通信路又は通信網である
。情報処理プログラム60が組み込まれ、或いは、追加的に実装される先は、情報処理装
置50である。
【0018】
<ナトリウム‐カリウム比測定装置>
ナトリウム‐カリウム比測定装置とは、装置であって、その用途がナトリウム‐カリウ
ム比の測定であるものをいう。ナトリウム‐カリウム比測定装置10は、市販されており
、例示すると、「オムロン ナトカリ計(研究用機器)、品番:HEU‐001F Na
+K+scan」(製造元:オムロンヘルスケア株式会社)等である。参考のために本明
細書に取り込まれるのは、特許第6565564号(発明の名称:尿成分分析装置および
尿成分分析方法)の内容である。
【0019】
<ナトリウム‐カリウム比>
ナトリウム‐カリウム比とは、除算の結果値であって、除数がカリウムイオン濃度及び
ナトリウムイオン濃度の一方であり、かつ、被除数がカリウムイオン濃度及びナトリウム
イオン濃度の他方であるものをいう。ナトリウム‐カリウム比を例示すると、尿中におけ
るカリウムイオン濃度に対するナトリウムイオン濃度の値、血中におけるカリウムイオン
濃度に対するナトリウムイオン濃度の値などである。ナトリウム‐カリウム比の表現形式
は、不問であるが、例示すると、数値である。
【0020】
<野菜摂取値測定装置>
野菜摂取値測定装置とは、装置であって、その用途が野菜摂取値の測定であるものをい
う。野菜摂取値測定装置20は、市販されており、例示すると、「ベジチェック(登録商
標)」(提供元:カゴメ株式会社)や「Quick Test」(製造元:biozoo
m services社)等である。参考のために本明細書に取り込まれるのは、特許第
6846084号の内容及び独国特許出願公開第102012005583号明細書の内
容である。
【0021】
<野菜摂取値>
野菜摂取値とは、値であって、そこに反映されるのが野菜摂取の状況であるものをいう
。当該野菜摂取値に相関するのは、カリウムイオン濃度である。野菜摂取値を例示すると
、血中のカロテノイド値、野菜摂取推定量などである。野菜摂取値の表現形式は、不問で
あるが、例示すると、数値である。
【0022】
<入力装置>
入力装置とは、装置であって、その用途が入力であるものをいう。入力装置30は、汎
用されており、例示すると、キーボード、ポインティングデバイス、コードリーダ、IC
リーダ、OCRやマイクロホン等である。入力装置10で入力されるのは、少なくとも、
ナトリウム‐カリウム比、及び、野菜摂取値であり、その入力先は、終局的には、情報処
理装置50である。
【0023】
<出力装置>
出力装置とは、装置であって、その用途が出力であるものをいう。出力に含まれるのは
、表示、投影、印刷、その他これらに類する態様である。出力装置40は、汎用されてお
り、例示すると、ディスプレイモニタ、プリンタ、プロジェクタ等である。出力装置40
で出力されるのは、座標面及び検体座標である。
【0024】
<情報処理装置>
情報処理装置とは、装置であって、その用途が情報処理であるものをいう。情報処理装
置50が実現するのは、後述する出力である。情報処理装置50を構成するのは、入出力
部、補助記憶部、主記憶部、及び、処理部である。これらの部品を接続するのは、システ
ムバスである。
【0025】
<入出力部>
入出力部とは、部品であって、そこで各種データが入出力されるものをいう。前記入出
力部を例示すると、I/Oポート、シリアルインタフェース(例えば、USB、LAN、
シリアルATAなど)、パラレルインタフェース(例えば、SCSI、IDE、パラレル
ケーブルなど)赤外線インタフェース(例えば、IrDAなど)、電波式インタフェース
(例えば、Bluetoothなど)等である。前記入出力部に接続されるのは、ナトリ
ウム‐カリウム比測定装置10、野菜摂取値測定装置20、入力装置30、及び、出力装
置40である。必要に応じて、前記入出力部に接続されるのは、回線通信装置(図示せず
)である。
【0026】
<補助記憶部>
補助記憶部とは、部品であって、そこで恒常的に記憶されるのが各種データであるもの
をいう。前記補助記憶部を例示すると、ROM、SSD、HDD等である。各種データを
例示すると、情報処理プログラム60等である。
【0027】
<主記憶部>
主記憶部とは、部品であって、そこで一時的に記憶されるのが各種データであるものを
いう。前記主記憶部を例示すると、RAM等である。各種データを例示すると、ナトリウ
ム‐カリウム比、野菜摂取値、情報処理プログラム60等である。
【0028】
<処理部>
処理部とは、部品であって、その用途が制御及び演算であるものをいう。前記処理部を
具現化するのは、MPUやCPU等である。前記処理部で読み出されるのは、情報処理プ
ログラム60であり、それによって実行されるのは、出力処理である。
【0029】
<出力処理>
出力処理とは、処理であって、その目的が出力であるものをいう。具体的には、入力さ
れたナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値が処理されることで出力されるのは、座標面
及び検体座標である。すなわち、情報処理装置50で処理されるのは、ナトリウム‐カリ
ウム比及び野菜摂取値である。その結果、出力装置40で出力されるのは、座標面及び検
体座標である。
【0030】
<座標面>
座標面とは、平面であって、それを構成するのが、少なくとも、ナトリウム‐カリウム
比軸及び野菜摂取値軸であるものをいう。ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値軸は
、互いに、直交している。
【0031】
<ナトリウム‐カリウム比軸>
ナトリウム‐カリウム比軸とは、座標軸であって、それで示されるのがナトリウム‐カ
リウム比であるものをいう。ナトリウム‐カリウム比は、前述のとおりである。
【0032】
<野菜摂取値軸>
野菜摂取値軸とは、座標軸であって、それで示されるのが野菜摂取値であるものをいう
。野菜摂取値は、前述のとおりである。
【0033】
<検体座標>
検体座標とは、座標値であって、それで示されるのが被検者のナトリウム‐カリウム比
及び野菜摂取値であるものをいう。この検体座標が位置するのは、前記座標面である。
【0034】
<出力例>
情報処理システム1、情報処理装置50,及び、情報処理プログラム60で実現される
のは、以下の出力である。当該出力が許容するのは、種々の改変である。
【0035】
<第1の仕様>
第1の仕様で実現するのは、食事指導の迅速さ及び正確さである。すなわち、食事指導
の実施は、測定当日である。また、減塩指導の対象者は、絞り込まれる。
【0036】
<UI>
図2で示すのは、第1のユーザインタフェース(UI)仕様である。第1のUI仕様で
要求されるのは、座標面101及び検体座標102である。
【0037】
座標面101を構成するのは、尿中のナトリウム‐カリウム比(例えば、カリウムイオ
ン濃度に対するナトリウムイオン濃度の値(Na/K)であり、以下同じ。)軸101a
、及び、野菜摂取値軸101bである。本仕様では、Na/K軸101aが縦軸であり、
野菜摂取値軸101bが横軸であるが、その逆も許容される。Na/K軸101a及び野
菜摂取値軸101bが有するのは、共通の原点であるが、原点の相違も許容される。
【0038】
検体座標102が位置する場所は、座標面101である。検体座標102で示されるの
は、被検者の尿中におけるナトリウム‐カリウム比及び被検者の野菜摂取値である。
【0039】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数又はメソッド(以下、関数及びメソッドを纏めて
「関数」という。)である。情報処理プログラム60を実行するのは、前記処理部である
。当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおりである。
【0040】
座標面101を記憶するのは、前記補助記憶部である。座標面101が読み出される先
は、前記主記憶部である。
【0041】
検体座標102を一時的に記憶するのは、前記主記憶部である。前述のとおり、検体座
標102で示されるのは、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値である。これらの測定
値が入力され、一時的に記憶される先は、前記主記憶部である。当該測定値を入力する手
段は、ナトリウム‐カリウム比測定装置10及び野菜摂取値測定装置20、又は、入力装
置30である。
【0042】
<第2の仕様>
第2の仕様で実現するのは、出力内容の視認性向上である。すなわち、被検者の状態が
直観的に把握される。
【0043】
<UI>
図3で示すのは、第2のUI仕様である。第2のUI仕様で要求されるのは、第1のU
I仕様に加えて、ナトリウム‐カリウム比判定線103、及び、野菜摂取値判定線104
である。
【0044】
ナトリウム‐カリウム比判定線103で示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾値
(y1)である。前記閾値を上回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多
である。前記閾値を定めるにあたり、開発者が参照するのは、医学及び健康保健領域の研
究結果である。
【0045】
野菜摂取値判定線104で示されるのは、野菜摂取値の閾値(x1)である。前記閾値
を下回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多である。前記閾値を定める
にあたり、開発者が参照するのは、医学及び健康保健領域の研究結果である。
【0046】
ナトリウム‐カリウム比判定線103及び野菜摂取値判定線104は、互いに直交して
いる。その結果、座標面101は、4分割されている。
【0047】
4分割された領域のうち上半分の領域では、ナトリウム‐カリウム比の閾値(y1)を
上回っており(Na/K≧y1)、被検者の状態は、塩分摂取過多かつ野菜摂取不足、塩
分摂取適正かつ野菜摂取不足、又は、塩分摂取過多かつ野菜摂取適正である。
【0048】
上半分の領域のうち、右の領域(4分割された領域のうち右上の領域:Na/K≧y1
、かつ、野菜摂取値≧x1)では、野菜摂取値の閾値を上回っており(野菜摂取値≧x1
)、野菜摂取不足ではない。つまり、被検者の状態は、塩分摂取過多である。当該被検者
に指導されるのは、減塩である。
【0049】
上半分の領域のうち、左の領域(4分割された領域のうち左上の領域:Na/K≧y1
、かつ、野菜摂取値<x1)では、野菜摂取値の閾値を下回っており(野菜摂取値<x1
)、野菜摂取不足である。つまり、被検者の状態は、塩分摂取過多かつ野菜摂取不足、又
は塩分摂取適正かつ野菜摂取不足である。この場合、ナトリウム‐カリウム比(Na/K
)を低減(改善)するため、減塩指導及び野菜摂取指導の双方が有効である。仮に、減塩
指導が既に為され、かつ、その効果が確認されていなければ、当該被検者に指導されるの
は、野菜摂取である。
【0050】
4分割された領域のうち下半分の領域では、ナトリウム‐カリウム比の閾値(y1)を
下回って(Na/K<y1)いる。つまり、高血圧及びそれに起因する疾患の危険度は、
相対的に低い。
【0051】
下半分の領域のうち、左の領域(4分割された領域のうち左下の領域:Na/K<y1
、かつ、野菜摂取値<x1)では、野菜摂取値の閾値を下回っており(野菜摂取値<x1
)、野菜摂取不足である。当該被検者に指導されるのは、野菜摂取である。
【0052】
下半分の領域のうち、右の領域(4分割された領域のうち右下の領域:Na/K<y1
、かつ、野菜摂取値≧x1)では、野菜摂取値の閾値(x1)を上回っており(野菜摂取
値≧x1)、被検者の状態は、野菜摂取充足である。つまり、被検者の状態は、塩分摂取
適正かつ野菜摂取充足である。当該被検者に指導されるのは、現状維持である。
【0053】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおり
である。
【0054】
ナトリウム‐カリウム比判定線103を記憶するのは、前記補助記憶部である。ナトリ
ウム‐カリウム比判定線103が読み出される先は、前記主記憶部である。
【0055】
野菜摂取値判定線104を記憶するのは、前記補助記憶部である。野菜摂取値判定線1
04が読み出される先は、前記主記憶部である。
【0056】
<第3の仕様>
第3の仕様で実現するのは、出力内容の視認性向上である。すなわち、被検者の状態が
直観的に把握される。
【0057】
<UI>
図4で示すのは、第3のUI仕様である。第3のUI仕様で要求されるのは、第1のU
I仕様に加えて、第1の判定領域105a、第2の判定領域105b、第3の判定領域1
05c、及び、第4の判定領域105dである。これらの領域は、互いに接している。前
記領域が位置するのは、座標面101である。
【0058】
第1の判定領域105a(Na/K≧y1、かつ、野菜摂取値≧x1)では、被検者の
状態は、塩分摂取過多である。当該被検者に指導されるのは、減塩である。
【0059】
第2の判定領域105b(Na/K≧y1、かつ、野菜摂取値<x1)では、被検者の
状態は、塩分摂取過多かつ野菜摂取不足、又は塩分摂取適正かつ野菜摂取不足である。こ
の場合、ナトリウム‐カリウム比(Na/K)を低減(改善)するため、減塩指導及び野
菜摂取指導の双方が有効である。仮に、減塩が既に指導され、かつ、その効果が確認され
ていなければ、当該被検者に指導されるのは、野菜摂取である。
【0060】
第3の判定領域105c(Na/K<y1、かつ、野菜摂取値<x1)では、被検者は
、ナトリウム‐カリウム比が低いことから、高血圧及びそれに起因する疾患の危険度は、
相対的に低い。他方で、被検者の状態は、野菜摂取不足である。当該被検者に指導される
のは、野菜摂取である。
【0061】
第4の判定領域105d(Na/K<y1、かつ、野菜摂取値≧x1)では、被検者の
状態は、塩分摂取適正かつ野菜摂取充足である。当該被検者に指導されるのは、現状維持
である。
【0062】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。
【0063】
当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおりである。
(1)第1の判定領域105aを記憶するのは、前記補助記憶部である。第1の判定領域
105aが読み出される先は、前記主記憶部である。
(2)第2の判定領域105bを記憶するのは、前記補助記憶部である。第2の判定領域
105bが読み出される先は、前記主記憶部である。
(3)第3の判定領域105cを記憶するのは、前記補助記憶部である。第3の判定領域
105cが読み出される先は、前記主記憶部である。
(4)第4の判定領域105dを記憶するのは、前記補助記憶部である。第4の判定領域
105dが読み出される先は、前記主記憶部である。
【0064】
<第4の仕様>
第4の仕様で実現するのは、出力内容の視認性向上である。すなわち、被検者の状態が
直観的に把握される。
【0065】
<UI>
図5で示すのは、第4のUI仕様である。第4のUI仕様で要求されるのは、第1のU
I仕様に加えて、ナトリウム‐カリウム比判定線103、野菜摂取値判定線104、第1
の判定領域105a、第2の判定領域105b、第3の判定領域105c、及び、第4の
判定領域105dである。これらは、既に説明されたとおりである。
【0066】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、前述のとおり
である。
【0067】
<第5の仕様>
第5の仕様で実現するのは、食事指導の効率化である。すなわち、指導者が居なくても
、被検者の状態及び食事指導内容は、自動的に説明される。
【0068】
<UI>
図6で示すのは、第5のUI仕様である。第5のUI仕様で要求されるのは、第4のU
I仕様に加えて、説明窓106である。
【0069】
説明窓106で示されるのは、説明である。前記説明を例示すると、被検者の状態、食
事指導内容等である。説明窓106が位置するのは、座標面101である。説明窓106
が出力される条件は、各判定領域105又はその座標が選択されることである。前記説明
に対応付けられているのは、各判定領域105である。例えば、被検者の状態「塩分摂取
過多」及び食事指導内容「減塩」に対応付けられているのは、第1の判定領域105aで
ある。被検者の状態「野菜摂取不足」及び食事指導内容「野菜摂取量増」に対応付けられ
ているのは、第2の判定領域105bである。被検者の状態「塩分摂取適正、野菜摂取充
足」及び食事指導内容「現状維持」に対応付けられているのは、第4の判定領域105d
である。
【0070】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の領域内外判定関数及び描画関数である。情報処理プログラ
ム60を実行するのは、前記処理部である。当該処理部で用いられ、或いは参照されるの
は、説明窓106及びその中の説明である。これらの値を記憶するのは、前記補助記憶部
である。説明窓106及びその中の説明が読み出される先は、前記主記憶部である。
【0071】
<第6の仕様>第6の仕様で実現するのは、被検者の行動変容である。すなわち、食生
活の改善状況の出力で動機付けられた被検者がより一層取り組むのは、食生活の改善であ
る。
【0072】
<UI>
図7で示すのは、第6のUI仕様である。第6のUI仕様で要求されるのは、第1のU
I仕様に加えて、複数の検体座標102a、102b、及び被検者107である。複数の
検体座標102a、102bで示されるのは、検体座標102の推移である。
【0073】
検体座標102aで示されるのは、特定の被検者の過去の尿中におけるナトリウム‐カ
リウム比及び検体の野菜摂取値、並びに、これらの値の測定日である。
【0074】
検体座標102bで示されるのは、前記被検者の現在の尿中におけるナトリウム‐カリ
ウム比及び検体の野菜摂取値、並びに、これらの値の測定日である。
被検者107で示されるのは、被検者の属性である。被検者の属性を例示すると、氏名
、管理番号、性別、年齢などである。
【0075】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。
【0076】
当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおりである。
(1)検体座標102a及び被検者107を記憶しているのは、前記補助記憶部である。
検体座標102a及び被検者107が読み出される先は、前記主記憶部である。
(2)検体座標102b及び被検者107が入力され、一時的に記憶される先は、前記主
記憶部である。これらの値を入力する手段は、ナトリウム‐カリウム比測定装置10及び
野菜摂取値測定装置20、又は、入力装置30である。その後、検討座標102b及び被
検者107が記憶されるのは、前記補助記憶部である。
【0077】
<第7の仕様>
第7の仕様で実現するのは、被検者の行動変容である。すなわち、食生活状況の対比で
動機付けられた被検者がより一層取り組むのは、食生活の改善である。
【0078】
<UI>
図8で示すのは、第7のUI仕様である。第7のUI仕様で要求されるのは、第1のU
I仕様に加えて、参考検体座標108である。
【0079】
参考検体座標108で示されるのは、他の被検者の尿中におけるナトリウム‐カリウム
比及び検体の野菜摂取値である。参考検体座標108に任意に対応付けられるのは、集団
属性である。集団属性を例示すると、所属組織、年齢群、性別群等である。
【0080】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。当該処理部で用いられ、或いは参照される値は、参考検体座標10
8である。参考検体座標108を記憶しているのは、前記補助記憶部である。参考検体座
標108が読み出される先は、前記主記憶部である。前記集団属性についても、同様であ
る。
【0081】
<第8の仕様>
第8の仕様で実現するのは、被検者の行動変容である。すなわち、食生活状況の共有で
動機付けられた被検者がより一層取り組むのは、食生活の改善である。
【0082】
<UI>
図9で示すのは、第8のUI仕様である。第8のUI仕様で要求されるのは、第7のU
I仕様に加えて、共有検体座標109及び会話窓110である。
【0083】
共有検体座標109で示されるのは、他の被検者の尿中におけるナトリウム‐カリウム
比及び検体の野菜摂取値である。共有検体座標109と相違するのは、参考検体座標10
8である。両者の相違点は、会話窓110の出力有無である。
【0084】
会話窓110で示されるのは、会話である。前記会話を例示すると、励まし、賞賛、助
言、被検者の状態等である。会話窓110が位置するのは、座標面101である。会話窓
110が出力される条件は、共有検体座標109が選択されること、又は、会話が受信さ
れることである。
【0085】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用のチャットワーク関数及び描画関数である。情報処理プログ
ラム60を実行するのは、前記処理部である。
【0086】
当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおりである。
(1)共有検体座標109及び会話が最終的に入力され、一時的に記憶される先は、前記主記
憶部であり、その入力手段は、回線通信装置(不図示)である。その後、共有検体座標1
09及び会話が任意的に記憶されるのは、前記補助記憶部である。
(2)会話窓110を記憶するのは、前記補助記憶部である。会話窓110が読み出される先
は、前記主記憶部である。
【0087】
<第9の仕様>
第9の仕様で実現するのは、食事指導方針の精緻化、及び、融資利率又は保険料の個別
最適化である。塩分摂取過多の者が選別されることで、高血圧者又はその予備軍が明確化
される。その結果、団体構成員の食事指導方針は、正確に定まる。また、団体構成員向け
融資利率及び団体構成員向け保険料は、個別に算出され、最適化される。
【0088】
<UI>
図10で示すのは、第9のユーザインタフェース(UI)仕様である。第9のUI仕様
で要求されるのは、座標面201、集団検体座標202、ナトリウム‐カリウム比判定線
203、野菜摂取値判定線204、ナトリウム‐カリウム比ヒストグラム211、及び、
野菜摂取値ヒストグラム212である。
【0089】
座標面201を構成するのは、尿中のナトリウム‐カリウム比(例えば、カリウムイオ
ン濃度に対するナトリウムイオン濃度の値(Na/K)であり、以下同じ。)軸202a
、及び、野菜摂取値軸202bである。本仕様では、Na/K軸202aが縦軸であり、
野菜摂取値軸202bが横軸であるが、その逆も許容される。Na/K軸202a及び野
菜摂取値軸202bが有するのは、共通の原点であるが、原点の相違も許容される。
【0090】
集団検体座標202が位置する場所は、座標面201である。集団検体座標202で示
されるのは、集団の各被検者の尿中におけるナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値であ
る。
【0091】
ナトリウム‐カリウム比判定線203で示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾値
(y1)である。前記閾値を上回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多
である。前記閾値を定めるにあたり、開発者に参照されるのは、医学及び健康保健領域の
研究結果である。
【0092】
野菜摂取値判定線204で示されるのは、野菜摂取値の閾値(x1)である。前記閾値
を下回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多である。前記閾値を定める
にあたり、開発者に参照されるのは、医学及び健康保健領域の研究結果である。
【0093】
ナトリウム‐カリウム比ヒストグラム211で示されるのは、ナトリウム‐カリウム比
毎の被検者の分布である。各階級の幅を定めるにあたり、開発者に参照されるのは、医学
及び健康保健領域の研究結果である。
【0094】
野菜摂取値ヒストグラム212で示されるのは、野菜摂取値毎の被検者の分布である。
各階級の幅を定めるにあたり、開発者に参照されるのは、医学及び健康保健領域の研究結
果である。
【0095】
ナトリウム‐カリウム比判定線203及び野菜摂取値判定線204は、互いに直交して
いる。その結果、座標面201は、4分割されている。
【0096】
右上の領域(Na/K≧y1、かつ、野菜摂取値≧x1)で示されるのは、塩分摂取過
多である。この領域の説明が倣うのは、第2の仕様の説明である。最も多くの被検者が属
するのが当該右上の領域である場合、その団体に指導されるのは、減塩である。また、当
該団体が抱えるのは、脳卒中及び循環器疾患の危険である。当該団体に適用されるのは、
相対的に高い融資利率及び相対的に高い保険料である。
【0097】
左上の領域(Na/K≧y1、かつ、野菜摂取値<x1)で示されるのは、野菜摂取不
足である。この領域の説明が倣うのは、第2の仕様の説明である。最も多くの被検者が属
するのが当該左上の領域である場合、その団体に指導されるのは、野菜摂取である。また
、当該団体が抱えるのは、各種疾患(例えば、各種がん、消化器系疾患、メタボリックシ
ンドローム(肥満症、高血圧、高血糖、高脂血症)、循環器疾患、糖尿病、認知症等)の
危険である。当該団体に適用されるのは、相対的に高い融資利率及び相対的に高い保険料
である。
【0098】
左下の領域(Na/K<y1、かつ、野菜摂取値<x1)で示されるのは、野菜摂取不
足である。この領域の説明が倣うのは、第2の仕様の説明である。最も多くの被検者が属
するのが当該左下の領域である場合、その団体に指導されるのは、野菜摂取である。また
、当該団体が抱えるのは、各種疾患(例えば、各種がん、消化器系疾患、メタボリックシ
ンドローム(肥満症、高血圧、高血糖、高脂血症)、循環器疾患、糖尿病、認知症等)の
危険である。当該団体に適用されるのは、相対的に高い融資利率及び相対的に高い保険料
である。
【0099】
右下の領域(Na/K<y1、かつ、野菜摂取値≧x1)で示されるのは、塩分摂取適
正かつ野菜摂取充足である。この領域の説明が倣うのは、第2の仕様の説明である。最も
多くの被検者が属するのが当該左下の領域である場合、その団体に指導されるのは、現状
維持である。また、当該団体が抱えるのは、許容される範囲の危険である。当該団体に適
用されるのは、相対的に低い融資利率及び相対的に低い保険料である。
【0100】
<内部処理>
当該外部仕様を実現するのは、情報処理プログラム60である。当該プログラムに組み
込まれているのは、公知公用の描画関数である。情報処理プログラム60を実行するのは
、前記処理部である。当該処理部で用いられ、或いは参照されるデータは、以下のとおり
である。
【0101】
座標面201を記憶するのは、前記補助記憶部である。座標面101が読み出される先
は、前記主記憶部である。
【0102】
集団検体座標202を一時的に記憶するのは、前記主記憶部である。前述のとおり、集
団検体座標202を構成するのは、ナトリウム‐カリウム比及び野菜摂取値である。これ
らの測定値が入力され、一時的に記憶される先は、前記主記憶部である。当該測定値を入
力する手段は、ナトリウム‐カリウム比測定装置10及び野菜摂取値測定装置20、又は
、入力装置30である。その後、当該測定値が書き込まれるのは、前記補助記憶装置であ
る。
【0103】
ナトリウム‐カリウム比判定線203を記憶するのは、前記補助記憶部である。ナトリ
ウム‐カリウム比判定線203が読み出される先は、前記主記憶部である。
【0104】
野菜摂取値判定線204を記憶するのは、前記補助記憶部である。野菜摂取値判定線2
04が読み出される先は、前記主記憶部である。
【0105】
ナトリウム‐カリウム比ヒストグラム211を一時的に記憶するのは、前記主記憶部で
ある。ナトリウム‐カリウム比ヒストグラム211を描画するにあたり用いられるのは、
集団検体座標202のナトリウム‐カリウム比である。この値を記憶するのは、前記補助
記憶装置であり、かつ、読み出される先は、前記主記憶装置である。
【0106】
野菜摂取値ヒストグラム212を一時的に記憶するのは、前記主記憶部である。野菜摂
取値ヒストグラム212を描画するにあたり用いられるのは、集団検体座標202の野菜
摂取値である。この値を記憶するのは、前記補助記憶装置であり、かつ、読み出される先
は、前記主記憶装置である。
【0107】
<食事指導用座標図>
食事指導用座標図とは、座標図であって、その用途が食事指導であるものをいう。食事
指導用座標図を構成するのは、少なくとも、ナトリウム‐カリウム比軸及び野菜摂取値軸
である。食事指導用座標図の形態で不問なのは、有体物(例えば、紙や樹脂など)か無体
物(例えば、電子画像など)かである。
【0108】
図11で示すのは、食事指導用座標図の一実施の形態の構成である。食事指導用座標図
300を構成するのは、座標面301、ナトリウム‐カリウム比判定線303、野菜摂取
値判定線304、第1の判定領域305a、第2の判定領域305b、第3の判定領域3
05c、及び、第4の判定領域305dである。ナトリウム‐カリウム比判定線303及
び野菜摂取値判定線304は、互いに直交している。その結果、座標面301は、4分割
されている。各判定領域305は、互いに接している。当該判定領域305が位置するの
は、座標面101である。
【0109】
座標面301を構成するのは、尿中のナトリウム‐カリウム比軸301a、及び、野菜
摂取値軸301bである。本仕様では、Na/K軸301aが縦軸であり、野菜摂取値軸
301bが横軸であるが、その逆も許容される。Na/K軸301a及び野菜摂取値軸3
01bが有するのは、共通の原点であるが、原点の相違も許容される。
【0110】
ナトリウム‐カリウム比判定線303で示されるのは、ナトリウム‐カリウム比の閾値
(y1)である。前記閾値を上回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多
である。前記閾値を定めるにあたり、開発者に参照されるのは、医学及び健康保健領域の
研究結果である。
【0111】
野菜摂取値判定線304で示されるのは、野菜摂取値の閾値(x1)である。前記閾値
を下回ると、被検者の状態は、野菜摂取不足又は塩分摂取過多である。前記閾値を定める
にあたり、開発者に参照されるのは、医学及び健康保健領域の研究結果である。
【0112】
第1の判定領域305aで示されるのは、塩分摂取過多である。この領域の説明が倣う
のは、第2の仕様又は第3の仕様の説明である。つまり、被検者の状態は、塩分摂取過多
である。当該被検者に指導されるのは、減塩である。
【0113】
第2の判定領域305bで示されるのは、野菜摂取不足である。この領域の説明が倣う
のは、第2の仕様又は第3の仕様の説明である。つまり、被検者の状態は、塩分摂取過多
ではなく、野菜摂取不足である。当該被検者に指導されるのは、野菜摂取である。
【0114】
第3の判定領域305cで示されるのは、野菜摂取不足である。この領域の説明が倣う
のは、第2の仕様又は第3の仕様の説明である。つまり、被検者の状態は、塩分摂取適正
かつ野菜摂取不足である。当該被検者に指導されるのは、野菜摂取である。
【0115】
第4の判定領域305dで示されるのは、塩分摂取適正かつ野菜摂取充足である。この
領域の説明が倣うのは、第2の仕様又は第3の仕様の説明である。つまり、被検者の状態
は、塩分摂取適正かつ野菜摂取充足である。当該被検者に指導されるのは、現状維持であ
る。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明が有用な分野は、健康指導事並びに金融業及び保険業である。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理システム
10 ナトリウム‐カリウム(Na‐K)比測定装置
20 野菜摂取値測定装置
30 入力装置
40 出力装置
50 情報処理装置
60 情報処理プログラム
101 座標面
101a ナトリウム‐カリウム比軸
101b 野菜摂取値軸
102 検体座標
103 ナトリウム‐カリウム比判定線
104 野菜摂取値判定線
105a 第1の判定領域
105b 第1の判定領域
300 食事指導用座標図
301 座標面
303 ナトリウム‐カリウム比判定線
304 野菜摂取値判定線
305a 第1の判定領域
305b 第2の判定領域
305c 第3の判定領域
305d 第4の判定領域