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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031193
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】背負いカバン
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A45F3/04 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134598
(22)【出願日】2022-08-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000102304
【氏名又は名称】エース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】馬場 安彦
(72)【発明者】
【氏名】若生 然太
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181BA03
2E181BD01
(57)【要約】
【課題】使用者の歩行中だけでなく、より速く歩いても、カバン本体の揺れを抑え、肩、背中上部への負担をより効果的に軽減できるとともに、衣服の傷みを抑えることができる背負いカバンを提供することを目的とする。
【解決手段】
カバン本体(10)と、前記カバン本体(10)における本体上部(10a)と本体下部(10b)との間に掛け渡される背負ベルト(20)と、前記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11)に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側において一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状又は紐状の可動部(30)と、前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能である腰当部(40)を備える背負いカバンにより解決することができた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバン本体(10)と、
前記カバン本体(10)における本体上部(10a)と本体下部(10b)との間に掛け渡される背負ベルト(20)と、
前記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11)に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側において一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状又は紐状の可動部(30)と、
前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能である腰当部(40)を備えることを特徴とする背負いカバン。
【請求項2】
前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設された板部(50)と、
前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に突設され、前記可動部(30)の一部を覆い、前記板部(50)と摺接する摺接部(41)を備えることを特徴とする請求項1に記載の背負いカバン。
【請求項3】
前記背胴部(11)に設けられ、前記可動部(30)の前記本体上部(10a)側を覆設し、使用者の背中に当接可能である覆設部(12)を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項4】
前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に固設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項5】
前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に一箇所で縫着又は鋲着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項6】
前記摺接部(41)が、前記摺接部(41)の前記背胴部(11)側に張り出した曲面部(41a)にて前記板部(50)と摺接することを特徴とする請求項2に記載の背負いカバン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背負いカバンに関し、特に、使用者の腰に当接しうる腰当を備える、リュックサック、バックパック等の背負いカバンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行中におけるカバン本体の揺れを抑え、使用者の肩、背中上部への負担を軽減できるとともに、衣服の傷みを抑えることができる背負いカバンが知られている。
【0003】
例えば、特許出願人より出願された特許文献1には、カバン本体と、カバン本体おける本体上部と本体下部との間に掛け渡される背負ベルトと、腰に当接可能にカバン本体の背胴部に配設されるランバーパッドと、カバン本体に対し左右方向に移動可能に背胴部に連結されるスライダを有してランバーパッドを背胴部に固定する固定部を備える背負いカバンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-3284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の背負いカバンにおいては、ランバーパッドが、ランバーパッドに設けられた凸部と回動自在に設けられた凹部を備えるスライダと一体となり、背胴部に固設されたベースに対して、左右方向に移動することができるため、歩行時の骨盤の動きに追従しながら背中と腰の間の相対変位を吸収してカバン本体の揺れを抑えることができるものの、パーツ点数が多く重量が重くなるのに加え、背負カバンを背負う際には、ランバーパッドが前回の使用時に移動していることにより、その位置を確認して又は所定の位置に戻して正しく背負う必要があった。
【0006】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、パーツを単純化することで背負いカバンを軽量化することができ、また使用していないときには使用者の腰に当接する腰当部が所定の位置におおそよ戻ることで使用するときに背負いやすく、さらに、背中と腰の間の相対変位を吸収してカバン本体の揺れを抑えることで衣服の傷みを抑えることができる背負いカバンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔1〕本発明は、カバン本体(10)と、前記カバン本体(10)における本体上部(10a)と本体下部(10b)との間に掛け渡される背負ベルト(20)と、前記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11)に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側において一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状又は紐状の可動部(30)と、前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能である腰当部(40)を備えることを特徴とする背負いカバンである。
【0008】
〔2〕そして、前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設された板部(50)と、前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に突設され、前記可動部(30)の一部を覆い、前記板部(50)と摺接する摺接部(41)を備えることを特徴とする請求項1に記載の背負いカバンである。
【0009】
〔3〕そして、前記背胴部(11)に設けられ、前記可動部(30)の前記本体上部(10a)側を覆設し、使用者の背中に当接可能である覆設部(12)を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバンである。
【0010】
〔4〕そして、前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に固設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバンである。
【0011】
〔5〕そして、前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に一箇所で縫着又は鋲着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバンである。
【0012】
〔6〕そして、前記摺接部(41)が、前記摺接部(41)の前記背胴部(11)側に張り出した曲面部(41a)にて前記板部(50)と摺接することを特徴とする請求項2に記載の背負いカバンである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の背負いカバンによれば、パーツを単純化することで背負いカバンを軽量化することができ、また使用していないときには使用者の腰に当接する腰当部が所定の位置におおそよ戻ることで使用するときに背負いやすく、さらに、背中と腰の間の相対変位を吸収してカバン本体の揺れを抑えることで衣服の傷みを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る背負いカバンを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る背負いカバンにおいて、第一状態の背負いカバンを示す正面図である。
図3図2におけるA-A線断面図である。
図4図3においける腰当部40近傍の拡大図である。
図5】第二状態の背負いカバンを示す正面図である。
図6】本発明の実施形態に係る背負いカバンにおいて、腰当部40を背胴部11側から見た背面図である(図2及び図5に示された腰当部40の反対側の面)。
図7】本発明の実施形態に係る背負いカバンにおいて、背胴部11に設けられた板部50を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る背負いカバンを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0016】
〔実施形態〕
図1から図7を参照して、本発明の実施形態に係る背負いカバンを説明する。図1は、実施形態に係る背負いカバンを示す斜視図である。図2は、実施形態に係る背負いカバンにおいて第一状態を示す正面図である。図3は、図2におけるA-A線断面図である。図4は、図3における腰当部40近傍の拡大図である。図5は、第二状態の背負いカバンを示す正面図である。図6は、腰当部40を背胴部11側から見た背面図である(すなわち、図2及び図5に示された腰当部40の反対側の面)。図7は、背胴部11に設けられた板部50を示す正面図である。
【0017】
図1図2に示すように、本実施形態に係る背負いカバンは、リュックサック、バックパック等の背負いカバンであり、カバン本体10、背負ベルト20、可動部30、腰当部40、板部50などを具備する。可動部30に設けられた腰当部40が、左右方向X1に揺動可能となっている。
【0018】
カバン本体10は、使用者の背中に対向する背胴部11などを有し、内部に物品を収納することができる部材である。本実施形態において、カバン本体10は左右方向X1に比べて上下方向X2に長い略直方状の外形を有しており、左右側部及び上端部に亘って設けられた図示しない線ファスナを操作することによって、開閉可能であるため、内部にて物品を収納したり内部から物品を取り出したりすることできる。背胴部11は、単一の材料で構成されていてもよいし又は緩衝材を内包したりして樹脂や布など複数の材料を組み合わされて構成されていてもよい。
【0019】
覆設部12は、背胴部11に設けられ、可動部30の本体上部10a側を覆設し、使用者の背中に当接可能である部材である。覆設部12により、可動部30の本体上部10a側が使用者の背中に対して直接的に接触しないので、歩行時において可動部30の動きによる異物感を防ぐことができ、さらに、使用者の衣服の摩耗による傷みを抑止することができる。そして、本実施形態において、覆設部12は、図1から図5に示すように、背胴部11における腰当部40よりも上側に位置する可動部30をおおよそ覆っている平坦な部材である。そして、覆設部12の下端側において左右方向X1の中央から左右に2箇所所定の距離だけ離れて、図1から図3及び図5などに示すように、覆設部12と背胴部11を縫った縫合部12aが設けられているため、可動部30は、左右の縫合部12aの間において揺動可能であり、換言すると、縫合部12aにより左右方向X1における揺動量が制限されている。縫合部12aが設けられていることにより、カバン本体10が必要以上に可動部30及び腰当部40に対して動かないために、歩行時にカバン本体10が大きく揺れ動いて歩きにくくなることを防止している。
【0020】
また、本実施形態において、本体下部10b側において着設される他端側を覆う底部覆設部13が設けられている。底部覆設部13は、カバン本体10の底部14に位置する可動部30をおおよそ覆っている平坦な部材であり、図1から図5などに示すように、底部覆設部13が底部14の左右方向X1よりも短い長さで底部14に固設されているために、可動部30の左右方向X1における揺動量が制限されている。また、底部覆設部13により、底部14に位置する可動部30の一部に他の部材に引っ掛からないようにもしている。本実施形態において、左右方向X1に長い底部覆設部13は、図1図2図5などに示すように、2本の可動部30が交錯しないように、2本の可動部30の間に位置する中央近傍において底部14に縫合により固設されている。
【0021】
背負ベルト20は、カバン本体10における本体上部10aと本体下部10bとの間に掛け渡されている部材である。背負いベルト20により、使用者は肩に掛けてカバン本体10を背負うことができる。また、背負ベルト20は、長さを調整する部材が備えられたり、使用者の肩の押圧を軽減する緩衝材が内包されていたりするなど複数の部材からなるベルトであることが好ましい。本実施形態において、背負いベルト20は、図1に示すように、カバン本体10の左右一対として合計2本設けられているが、他の実施形態において、使用者がたすき掛けできるように、1本から構成され、本体上部10aと本体下部10bとの間に斜めに掛け渡されていてもよい。
【0022】
可動部30は、カバン本体10の背胴部11側に位置し、伸縮性又は背胴部11に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、本体上部10a側において一端側が着設され、本体下部10b側において他端側が着設される帯状又は紐状の部材である。可動部30が背胴部11に対して左右方向X1に動くことにより、可動部30に設けられた腰当部40が左右方向X1に自在に動くことができるため、背負いカバンとしての全体の構造が単純化されることで軽量化することができる。本実施形態において、可動部30は、背胴部11に対する所定のたるみを有するようにして、本体上部10a側である背胴部11の上端側において一端が着設されており、本体下部10b側であるカバン本体10の底部14において他端が着設されている。換言すると、可動部30は、背胴部11に着設された両端を結ぶ最短経路である測地線として配設されているわけではなく、背胴部11に着設された両端を結ぶ測地線に対して好ましくは101~150%の長さ、さらに好ましくは105~120%の長さとなるようにたるみを有している。また、他の実施形態において、可動部30は、ゴムなどの伸縮性を有する素材からなり、本実施形態と同様に両端が着設され、その両端の最短経路である測地線として配設されてもよい。可動部30が伸縮性を有すると所定のたるみを有していなくても左右方向X1に動くことができる。そして、本実施形態において、可動部30は、2本の帯状の部材であるが、他の実施形態において、2本の紐状の部材とすることもできる。さらに、本実施形態において、可動部30は、図1から図6に示すように、背胴部11の左右方向X1に2本並んで設けられているが、他の実施形態において、背胴部11の左右方向X1の中央近傍に配置された1本として設けられていてもよいし、左右方向X1に略平行に並んで配置された3本以上の複数本として設けられていてもよい。また、可動部30が2本以上の複数本のとき、帯状の部材と紐状の部材を組み合わして用いることもできる。
【0023】
腰当部40は、可動部30に設けられ、使用者の腰に当接可能である部材である。腰当部40は、帯状又は紐状の可動部30に設けられているため、背負いカバンとしての全体の構造が単純化されることで軽量化され、また、使用者が使用していないときには自重などにより可動部30を介して背胴部11に対して所定の位置に戻るため、使用するときに背負いやすいとともに、背中と腰の間の相対変位を吸収してカバン本体の揺れを抑えることで左右方向X1に使用者の衣服が背胴部11に擦れることにより生じる衣服の傷みを抑えることができる。特に、本実施形態において、腰当部40は、2本の可動部30に固設されることにより背胴部11の左右方向X1における中央近傍に位置していることから、使用者が使用していないときには自重により可動部30を介して所定の位置である背胴部11の中央近傍に戻るために、使用者は次に使用するときには特許文献1に記載の背負いカバンに比べて腰当部40の位置を調整する必要がないために背負いやすくなっている。また、腰当部40は、可動部30の着設された一端を中心に緩やかな円弧状に、背胴部11に対して左右方向X1に動くことができる。
【0024】
腰当部40は、本実施形態において、可動部30に固設されており、図3図4図6などに示すように、より具体的には腰当部40の上部側の一箇所で2本それぞれの可動部30と縫合により逢着されている。腰当部40が可動部30に固設されていることにより、通常の速さで歩くときでなくより速く歩いても、腰当部40がずり下がることなく常に腰当部40が使用者の腰にフィットしている。さらには、腰当部40の上部側の一箇所で可動部30に固設されていることにより、腰当部40が背胴部11の平面内で傾斜可能となり、使用者の腰の動きに追従しやすくなる。本実施形態において、腰当部40は、可動部30に逢着により固設されているが、他の実施形態において、可動部30に鋲などの固定手段によって鋲着などのように固設されていてもよい。また、本実施形態において、腰当部40は、可動部30に固設されているが、他の実施形態において、摺接部41などの部材で可動部30を挟持することにより可動部30に設けられていてもよい。すなわち、腰当部40は、可動部30に対して、全く動かないように固定して設けられておらず、非常に強い力を加えることにより多少動くように設けられていてもよい。
【0025】
腰当部40は、本実施形態において、図1から図5などに示すように、使用者の腰と当接する箇所の中央下部側に凹状の窪みが形成されている。当該窪みにより、使用者がズボンを穿いているときに、ズボンの後ろ側のベルトループと腰当部40が接触しないようにしており、ベルトループが使用者の腰を押圧することなどを低減又は抑止することができる。
【0026】
腰当部40には、摺接部41が設けられている。具体的には、摺接部41は、腰当部40の背胴部11側に突設され、可動部30の一部を覆い、板部50と摺接する部材である。摺動部41により、背胴部11側との接触面積が減るために、腰当部40が背胴部11に対して動きやすくなる。本実施形態において、摺接部41は、図6などに示すように、左右両端が腰当部40の背胴部11側に固設されており、左右方向X1に切断したときに断面が細長い略Eの字状であることから腰当部40の背胴部11側との間に2つの間隙が存在しそれぞれの間隙に2本の可動部30がそれぞれ挿通されているため、帯状の可動部30の一部を覆っている。このため、2本の可動部30は、互いに交錯することなく、腰当部40及び摺接部41に対して揺動することができる。なお、本実施形態において、摺接部41は、左右方向X1に切断したときに断面が細長い略Eの字状であるが、他の実施形態において、可動部30を挿通する間隙を形成する又は間隙を有する限りにおいて、同様の断面が略C字状、略U字状、略M字状、略B字状、略O字状などの形状としてもよい。そして、本実施形態において、摺接部41は、図2から図6に示すように、上下方向X2に略平行に並んで配置された2本の棒状の部材であるが、腰当部40が背胴部11や板部50に接触しないように配置されていればよく、他の実施形態において、腰当部40の上下方向X2の中央近傍に配置され本実施形態の摺接部41よりも上下方向X2に高い所定の高さを有した1本として設けられていてもよいし、上下方向X2に略平行に並んで配置された3本以上の複数本として設けられていてもよい。
【0027】
摺接部41は、図3図4図6に示すように、摺接部41の背胴部11側に張り出したドーム状の曲面部41aを有していることが好ましい。摺接部41において背胴部11側に張り出したドーム状の曲面部41aにより、背胴部11側との接触面積がさらに減って点接触となるために、腰当部40が背胴部11に対してさらに動きやすくなる。本実施形態において、ドーム状の曲面部41aは、図6に示すように、左右方X1において曲率半径が大きく上下方向X2において曲率半径が小さくなるように湾曲している左右方向X1に長い曲面であるが、他の実施形態において、背胴部11側と点接触することができる限りにおいて、左右方向X1に長い弓形の板状又は柱状や左右方向X1に長い半円の板状又は柱状、1個又は2個以上の球体、半球体などの形状を有する曲面部とすることができる。また、半円又は弓形の板状のときには、補強のために上下方向X2に略扇形や三角形状のリブが複数設けられていてもよい。
【0028】
板部50は、背胴部11の本体下部10b側に固設され、摺接部41と摺接する板状の部材である。板部50により、摺接部41を具備する腰当部40が背胴部11に対してより滑らかに動きやすくなり、そして、摺接部41によって背胴部11が摩耗により劣化することを防止することができる。板部50は、摺接部41との摺接により摩耗しにくいように、ABS、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリカーボネートなどの樹脂やステンレス、アルミ合金などの金属により形成されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0029】
10・・・カバン本体
10a・・・本体上部
10b・・・本体下部
11・・・背胴部
12・・・覆設部
12a・・・縫合部
13・・・底部覆設部
14・・・底部
20・・・背負ベルト
30・・・可動部
40・・・腰当部
41・・・摺接部
41a・・・曲面部
50・・・板部
X1・・・左右方向
X2・・・上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバン本体(10)と、
前記カバン本体(10)における本体上部(10a)と本体下部(10b)との間 に掛け渡される背負ベルト(20)と、
前記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11 )に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側にお いて一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状 又は紐状の可動部(30)と、
前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能である腰当部(40)と、 前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設された板部(50)と、
前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に設けられ、前記板部(50)と摺接す る摺接部(41)を備えることを特徴とする背負いカバン。
【請求項2】
カバン本体(10)と、
前記カバン本体(10)における本体上部(10a)と本体下部(10b)との間 に掛け渡される背負ベルト(20)と、
前記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11 )に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側にお いて一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状 又は紐状の可動部(30)と、
前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能である腰当部(40)と、 前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設された板部(50)と、
前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に突設され、前記可動部(30)の一部 を覆い、前記板部(50)と摺接する摺接部(41)を備えることを特徴とする背負 いカバン。
【請求項3】
前記背胴部(11)に設けられ、前記可動部(30)の前記本体上部(10a)側 を覆設し、使用者の背中に当接可能である覆設部(12)を備えることを特徴とする 請求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項4】
前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に固設されていることを特徴とする請 求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項5】
前記腰当部(40)は、前記可動部(30)に一箇所で縫着又は鋲着されているこ とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の背負いカバン。
【請求項6】
前記摺接部(41)が、前記摺接部(41)の前記背胴部(11)側に張り出した 曲面部(41a)にて前記板部(50)と摺接することを特徴とする請求項1又は請 求項2に記載の背負いカバン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
〔1〕本発明は、カバン本体(10)と、前記カバン本体(10)における本体上部 (10a)と本体下部(10b)との間に掛け渡される背負ベルト(20)と、前記 カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11)に 対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側において 一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状又は 紐状の可動部(30)と、前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能で ある腰当部(40)と、前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設され た板部(50)と、前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に設けられ、前記板 部(50)と摺接する摺接部(41)を備えることを特徴とする背負いカバンである 。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
〔2〕そして、カバン本体(10)と、 前記カバン本体(10)における本体上 部(10a)と本体下部(10b)との間に掛け渡される背負ベルト(20)と、前 記カバン本体(10)の背胴部(11)側に位置し、伸縮性又は前記背胴部(11) に対する所定のたるみの少なくとも一方を有して、前記本体上部(10a)側におい て一端側が着設され、前記本体下部(10b)側において他端側が着設される帯状又 は紐状の可動部(30)と、前記可動部(30)に設けられ、使用者の腰に当接可能 である腰当部(40)と、前記背胴部(11)の前記本体下部(10b)側に固設さ れた板部(50)と、前記腰当部(40)の前記背胴部(11)側に突設され、前記 可動部(30)の一部を覆い、前記板部(50)と摺接する摺接部(41)を備える ことを特徴とする背負いカバンである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
〔6〕そして、前記摺接部(41)が、前記摺接部(41)の前記背胴部(11)側 に張り出した曲面部(41a)にて前記板部(50)と摺接することを特徴とする 記〔1〕又は前記〔2〕に記載の背負いカバンである。