(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031200
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20240229BHJP
H04L 69/08 20220101ALI20240229BHJP
【FI】
H04L12/66
H04L69/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134613
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 聡
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HD01
5K030KA05
5K030LB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】通信システ10において、SRNW20は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部450と、少なくとも一のIPv6プレフィクスがSRNWの変換部のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、一のIPv6プレフィクスが少なくとも1つの無線基地局のアドレスを包含する経路情報として登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶するテーブル記憶部と、を備える。変換部は、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び一のIPv6プレフィクスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに一のIPv6プレフィクスが包含する無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
SRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットに変換する変換部と、
少なくとも一のIPv6プレフィクスが前記情報処理装置の前記変換部のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、前記一のIPv6プレフィクスが少なくとも1つの無線基地局のアドレスを包含する経路情報として登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶するテーブル記憶部と
を備え、
前記変換部は、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び前記一のIPv6プレフィクスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに前記一のIPv6プレフィクスが包含する前記無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記GTP関連情報は、TEID(Tunnel Endpoint IDentifier)及びQFI(QoS Flow Identifier)を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記GTP関連情報は、前記宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionに含まれる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記パケットの前記宛先アドレス及び送信元アドレスをバッファに記憶し、前記パケットから前記IPv6ヘッダ及び拡張ヘッダを除去し、GTPヘッダ及び新たなIPv6ヘッダを付与し、前記バッファから読み出した前記宛先アドレス及び前記送信元アドレスを設定し、前記宛先アドレスの前記Args.Mob.Sessionのビットをゼロに上書きし、前記バッファの前記宛先アドレスの前記Args.Mob.Sessionから取得した前記GTP関連情報を前記GTPヘッダに設定して前記転送パケットを生成する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記テーブル記憶部は、前記SRルーティングテーブルを親ルーティングテーブルとして記憶し、前記基地局ルーティングテーブルをVRFのルーティングテーブルとして記憶する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置がカバーするN3ネットワークのプレフィクスをBGP MUP-SAFIを用いてInterwork Segment Discovery Routeとして広告する場合に、前記変換部のSID Locator/Function情報を付与して広告する広告部
を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置を経由して前記無線基地局にパケットを送信するルータと
を備えるシステムであって、
前記ルータは、
前記情報処理装置から受信したInterwork Segment Discovery Routeに付与された前記変換部のSID Locator/Functionと、コントローラから受信したBGP MUP-SAFI Type1 Session Transformed経路情報に含まれるgNB N3インタフェースアドレス情報、及びGTP関連情報から生成したArgs.Mob.Sessionから、前記変換部のSIDを生成する生成部
を備える、システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットに変換する変換部と、少なくとも一のIPv6プレフィクスが前記情報処理装置の前記変換部のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、前記一のIPv6プレフィクスが少なくとも1つの無線基地局のアドレスを包含する経路情報として登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶するテーブル記憶部とを有し、
前記変換部が、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び前記一のIPv6プレフィクスが包含する前記無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに前記一のIPv6プレフィクスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階
を備える、情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置であって、
SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、
前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部と
を備え、
前記変換部は、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する、情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置であって、
SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、
前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部と
を備え、
前記変換部は、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する、情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項10又は11に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部とを有し、
前記変換部が、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階
を備える、情報処理方法。
【請求項14】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部とを有し、
前記変換部が、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階
を備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、SRv6(Segment Routing IPv6)、SR-MPLS(Multi-Protocol Label Switching)などのプロトコルを使用して転送処理を行う転送装置について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-174231号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部を備えてよい。前記情報処理装置は、少なくとも一のIPv6プレフィクスが前記情報処理装置の前記変換部のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、前記一のIPv6プレイフィクスが少なくとも1つの無線基地局のアドレスを包含する経路情報として登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶するテーブル記憶部を備えてよい。前記変換部は、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び前記一のIPv6プレフィクスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに前記一のIPv6プレフィクスが包含する前記無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送してよい。
【0004】
前記情報処理装置において、前記GTP関連情報は、TEID(Tunnel Endpoint IDentifier)及びQFI(QoS Flow Identifier)を含んでよい。前記GTP関連情報は、前記宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionに含まれてよい。前記変換部は、前記パケットの前記宛先アドレス及び送信元アドレスをバッファに記憶し、前記パケットから前記IPv6ヘッダ及び拡張ヘッダを除去し、GTPヘッダ及び新たなIPv6ヘッダを付与し、前記バッファから読み出した前記宛先アドレス及び前記送信元アドレスを設定し、前記宛先アドレスの前記Args.Mob.Sessionのビットをゼロに上書きし、前記バッファの前記宛先アドレスの前記Args.Mob.Sessionから取得した前記GTP関連情報を前記GTPヘッダに設定して前記転送パケットを生成してよい。
【0005】
前記いずれかの情報処理装置において、前記テーブル記憶部は、前記SRルーティングテーブルを親ルーティングテーブルとして記憶し、前記基地局ルーティングテーブルをVRFのルーティングテーブルとして記憶してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理装置は、前記情報処理装置がカバーするN3ネットワークのプレフィクスをBGP MUP-SAFIを用いてInterwork Segment Discovery Routeとして広告する場合に、前記変換部のSID Locator/Function情報を付与して広告する広告部を備えてよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、前記情報処理装置から受信したInterwork Segment Discovery Routeに付与された前記変換部のSID Locator/Functionと、コントローラから受信したBGP MUP-SAFI Type1 Session Transformed経路情報に含まれるgNB N3インタフェースアドレス情報、及びGTP関連情報から生成したArgs.Mob.Sessionから、前記変換部のSIDを生成する生成部を備えてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置によって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットに変換する変換部と、少なくとも一のIPv6プレフィクスが前記情報処理装置の前記変換部のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、前記一のIPv6プレフィクスが少なくとも1つの無線基地局のアドレスを包含する経路情報として登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶するテーブル記憶部とを備えてよい。前記情報処理方法は、前記変換部が、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び前記一のIPv6プレフィクスが包含する前記無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに前記一のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階を備えてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部を備えてよい。前記変換部は、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6ヘッダと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送してよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部を備えてよい。前記変換部は、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送してよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置によって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部とを備えてよい。前記情報処理方法は、前記変換部が、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階を備えてよい。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置によって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理装置は、SRv6に準拠したパケットをGTPに準拠したパケットに変換する変換部と、前記情報処理装置の前記変換部の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブルを記憶するテーブル記憶部とを備えてよい。前記情報処理方法は、前記変換部が、宛先アドレスに前記変換部の前記複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、前記対応テーブルを参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する転送段階を備えてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】通信システム10の構成の一例を概略的に示す。
【
図2】従来のGTP6.Eによるパケット転送について説明するための説明図である。
【
図3】GTP6.E.Redとして機能する変換部450によるパケット転送について説明するための説明図である。
【
図4】基地局アドレスフォーマット500及びSIDフォーマット520の一例を概略的に示す。
【
図5】変換部450による処理の流れを説明するための説明図である。
【
図6】Discovery Routeの広告について説明するための説明図である。
【
図7】SRGW400の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】SRGW400を経由してgNB130にパケットを送信するルータ600の、SRGW400を経由してgNB130にパケットを送信する機能に関係する機能構成の一例を概略的に示す
【
図9】変換部450による他のパケット転送手法について説明するための説明図である。
【
図10】SRGW400の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図11】SRGW400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
SRv6を用いたモバイルネットワークにおいて、SRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットを変換するEnd.M.GTP6.Eという機能が知られている。End.M.GTP6.Eは、例えば、SRH(SR Header)のLastSIDに格納されたgNB(gNodeB)アドレスを用いて、パケットのヘッダをSRv6からGTP-U/IPv6に変換することができる。しかし、End.M.GTP6.Eを実装するPE(Provider Edge)ルータのハードウェア能力の制限によっては、SRHのLastSIDに格納されたgNBアドレスを取り出すことが困難で、GTP-Uパケットの宛先IPv6アドレスを構成することができない場合がある。
【0018】
それに対して、本実施形態に係る通信システム10においては、例えば、SRHが必要なEnd.M.GTP6.Eに対して、SRHを必要としないSRv6からGTP-Uへの変換機能を実現する。このような変換機能を、End.M.GTP6.E.Reduced(省略する場合は、GTP6.E.Red)と記載する場合がある。GTP6.E.Redは、IPv6ヘッダの宛先アドレスのみからGTP-Uパケットの宛先IPv6アドレスを構成可能とするため、例えば、gNBのN3インタフェースに用いるIPv6プレフィクスを、GTP6.E.Red SIDのLocatorプレフィクスに含める。GTP6.E.Red SID Argumentには、gNB IPv6アドレスのInterface IDの一部を含めることが可能である。
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、通信システム10の構成の一例を概略的に示す。通信システム10は、N4BGPC(N4 Border Gateway Protocol Controller)300及びSRGW(Segment Routing Gateway)400を備える。N4BGPC300は、コントローラの一例であってよい。N4BGPC300及びSRGW400は、SRNW(Segment Routing Network)20内に配置されてよい。SRGW400は、PEルータと呼ばれる場合もある。SRGW400は、情報処理装置の一例であってよい。
【0021】
SRGW400は、IPネットワークから受信したSRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットに変換する機能を有してよい。SRGW400は、モバイルネットワークから受信したGTP-Uに準拠したパケットをSRv6に準拠したパケットに変換する機能を有してよい。
【0022】
N4BGPC300は、SRGW400を制御する。N4BGPC300は、SRGW400の経路制御に関する処理を実行してよい。
【0023】
図1に示す例において、SRNW20には、VRF(Virtual Routing and Forwarding)202、VRF204、VRF206、VRF208、VRF210、及びVRF220が配置されている。なお、各VRFが実現されるルータの図示を省略している。SRGW400は、VRF210を含んでもよい。SRGW400は、VRF220を含んでもよい。SRGW400は、VRF210及びVRF220両方を含んでもよい。
【0024】
VRF202は、SMF(Session Management Function)110に接続されている。VRF204、VRF206、及びVRF208は、UPF(User Plane Function)120に接続されている。VRF210は、gNB130に接続されている。
図1に示す例において、複数のVRF210のそれぞれが複数のgNB130に接続されている。VRF220は、DN(Data Network)30に接続されている。
図1に示す例において、複数のVRF220のそれぞれが複数のDN30に接続されている。
【0025】
N4BGPC300は、SMF110からモバイルネットワークに関する情報を取得する。N4BGPC300は、例えば、UE40のPFCP(Packet Forwarding Control Protocol)セッション情報をSMF110から取得する。
【0026】
PFCPセッション情報は、例えば、UE40のアドレスを含む。PFCPセッション情報は、例えば、UE40を収容しているgNB130のアドレスを含む。PFCPセッション情報は、例えば、UE40に対応するUPF120のアドレスを含む。PFCPセッション情報は、例えば、UE40に対応するネットワークインスタンスを含む。ネットワークインスタンスは、例えば、アクセスネットワークインスタンスとして、モバイルネットワークにおいてUE40に対応するスライスを識別可能なスライス識別情報に対応する情報である。スライス識別情報は、例えば、S-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)である。PFCPセッション情報は、アクセスネットワークインスタンスを含んでよい。PFCPセッション情報は、コアネットワークインスタンスを含んでよい。コアネットワークインスタンスは、例えば、DNを識別可能なDN識別情報に対応する情報である。
【0027】
SRGW400は、変換部410及び変換部450を備える。変換部410は、GTP-Uに準拠したパケットをSRv6に準拠したパケットに変換する機能を有する。変換部410は、GTP4.Dの機能を有してよい。変換部410は、GTP6.Dの機能を有してよい。
【0028】
変換部450は、SRv6に準拠したパケットをGTP-Uに準拠したパケットに変換する機能を有する。変換部450は、GTP4.Eの機能を有してよい。変換部450は、GTP6.Eの機能を有してよい。本実施形態において、変換部450は、GTP6.E.Redとして機能してよい。
【0029】
本実施形態において、N4BGPC300は、gNB130に接続されているUE(User Equipment)40と、DN30に接続されている通信相手との通信を中継するための経路設定を実行する。UE40の通信相手は、例えば、インターネット上の任意のサーバ等の、任意の通信装置であってよい。
【0030】
図2は、従来のGTP6.Eによるパケット転送について説明するための説明図である。従来は、SRGW宛のGTP6.Eを宛先アドレスとして含むIPv6ヘッダと、宛先である基地局のIPv6アドレスを含むSRHとを含むパケットがGTP6.Eに到達すると、GTP6.Eにおいて、当該パケットから基地局のIPv6アドレスと、GTPヘッダを再構成するための情報とが抽出される。GTP6.Eは、パケットから抽出した基地局のIPv6アドレスを宛先アドレスとして含むGTPのためのIPv6ヘッダと、パケットから抽出した情報から再構成したGTPヘッダとを付したパケットを転送する。
【0031】
ここで、上述したように、GTP6.Eを実装するSRGW(PEルータ)のハードウェアの能力によっては、SRHに格納された基地局のアドレスを取り出すことが困難な場合がある。例えば、SRGWの物理的な回路数が充分でない場合、アドレスを取り出すことが出来なかったり、非常に時間がかかってしまったりする場合がある。SRGWによるパケット転送には高速処理が要求され、パケット転送チップは高速に動作しなければならないところ、アドレスを取り出す処理の負荷によって、パケット転送が適切に行えなくなる場合もあり得る。
【0032】
図3は、GTP6.E.Redとして機能する変換部450によるパケット転送について説明するための説明図である。
【0033】
本実施形態に係るSRGW400は、SRv6のルーティングテーブルであるSRルーティングテーブル454と、基地局向けのルーティングテーブルである基地局ルーティングテーブル456とを記憶する。SRGW400は、SRルーティングテーブル454を親ルーティングテーブルとして記憶してよく、基地局ルーティングテーブル456をVRFのルーティングテーブルとして記憶してよい。
【0034】
SRGW400は、同一のIPv6プレフィクスを宛先とする経路情報を、SRルーティングテーブル454と基地局ルーティングテーブル456とのそれぞれに登録する。例えば、SRGW400は、「A::/64」をSRGW400の変換部450のSIDとしてSRルーティングテーブル454に登録し、同じ「A::/64」を無線基地局のアドレスとして基地局ルーティングテーブル456に登録する。このように、変換部450のSIDとして登録するルーティングテーブルと、基地局のアドレスとして登録するルーティングテーブルとを別々にすることによって、別ドメインとして扱うことができ、ルールに準拠した形で、1つのIPv6プレフィクスを宛先とする経路情報に2つの意味を持たせることが出来る。
【0035】
本実施形態に係る通信システム10では、ある取り決めに従って、基地局のアドレスを決定するようにする。基地局のアドレスは、
図4の基地局アドレスフォーマット500に示すように、プレフィクスとして64ビット、インタフェースIDとして64ビットが利用されていた。通信システム10における取り決めでは、64~104ビットの部分502に、意味のあるビットを使用しないようにする。すなわち、基地局のアドレスを、最初の64ビットと最後の24ビットで表すようにする。これにより、インタフェースIDとして用いることができるビット数は減少することになるが、24ビットはインタフェースIDとして利用でき、1600万個以上を利用できることになるので、十分であると考えられる。
【0036】
基地局のアドレスを88ビットで表すことによって、40ビットを他の用途に用いることができる。通信システム10においては、
図4のSIDフォーマット520に従って、パケットを送信する側が、宛先である基地局のアドレスを最初の64ビットと最後の24ビットに設定し、これらの間の40ビットに、GTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報を設定するようにする。パケットを送信する側は、最初の64ビットと最後の24ビットの間の、Args.Mob.SessionにGTP関連情報を設定してよい。GTP関連情報は、TEID及びQFIを含んでよい。
【0037】
SIDフォーマット520においては、
図4に例示するようにPSID(Prefix Set ID)部を設けてよく、これにより、例えば、複数のgNB N3インタフェースを、1つのGTP6.E.Red Locator/Functionでカバーすることが可能となる。GTP6.E.Red Locator/Function+PSID部は、基地局アドレスフォーマット500のプレフィクスと一致することになる。例えば、SRGW400は、「A::/56」をSRGW400の変換部450のSIDとしてSRルーティングテーブル454に登録することで、基地局ルーティングテーブル456に登録している「A::/64」から「A:0:0:FF::/64」までの256個の無線基地局のプレフィクスを一つのSIDへ集約することができる。
【0038】
SRGW400の変換部450は、例えば、SIDフォーマット520に従ったパケットを受信した場合に、
図5に示す流れでパケットを転送する。
【0039】
具体的には、変換部450は、受信パケットの宛先アドレス及び送信元アドレスをバッファに記憶し、受信パケットからIPv6ヘッダ及び拡張ヘッダを除去し、GTPヘッダ及び新たなIPv6ヘッダを付与し、バッファから読み出した宛先アドレス及び送信元アドレスを設定し、宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionのビットをゼロに上書きし、パケット長、DSCP(Differentiated Services Code Point)、TTL(Time To Live)、次ヘッダ番号を設定し、バッファの宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionから取得したGTP関連情報をGTPヘッダに設定して、転送する。
【0040】
これにより、SRHのLastSIDに格納されたgNBアドレスを取り出す処理を不要とすることができ、SRGW400の負荷を低減し、SRGW400のハードウェア能力によってパケット転送が実行できないという事態が発生する可能性を低減することができる。
【0041】
SRGW400は、カバーするN3ネットワークのプレフィクスをBGP MUP-SAFIを用いてInterwork Segment Discovery Routeとして広告する場合に、
図6に示すように、GTP6.E.Red SID Locator/Function情報を付与し、GTP6.E.Red SIDのArgument部のPSID、Arg.Mob.Session、IPv6IIDをゼロで埋めておく。GTP6.E.Red SID Locator/Function情報は、BGP Prefix-SID属性のService-SIDとして格納してよい。
【0042】
SRGW400において、GTP6.E.Redを行うPEを経由して、gNBへパケットを送信するSRv6 PEは、N4BGPC300から受信したBGP MUP-SAFI経路情報(Type-1 Session Transformed Route)に含まれるgNB N3インタフェースアドレス情報、GTP-U情報(TEID、QFI、RQI等)、及びGTP6.E.Redを行うPEから受信したBGP MUP-SAFI経路情報(Interwork Segment Discovery Route)に付与されているGTP.E.Red SID Locator/Function情報から、GTP.E.Red SIDを生成する。
【0043】
また、N4BGPC300が、GTP6.E.Redを行うPEから受信したBGP MUP-SAFI経路情報(Interwork Segment Discovery Route)から、GTP6.E.Red SIDのLocator/Functionを取り出し、該当するBGP MUP-SAFI経路情報(Type-1 Session Transformed Route)に付与して広告してもよい。gNBへパケットを送信するSRv6 PEは、N4BGPC300から受信したBGP MUP-SAFI経路情報(Type-1 Session Transformed Route)に付与されたGTP6.E.Red SID Locator/Functionを用いてGTP6.E.Red SIDを生成してもよい。
【0044】
図7は、SRGW400の機能構成の一例を概略的に示す。ここでは、変換部450に関連する機能構成について主に説明し、他の機能についての説明は省略する。SRGW400は、変換部410、変換部450、テーブル記憶部452、及び広告部460を備える。
【0045】
テーブル記憶部452は、少なくとも一のIPv6プレフィクスがSRGW400の変換部450のSIDとして登録されたSRルーティングテーブルと、当該一のIPv6プレフィクスが1つ以上の無線基地局を包含するIPv6プレフィクスとして登録された基地局ルーティングテーブルとを記憶する。SRルーティングテーブルには、複数のIPv6プレフィクスがSRGW400の変換部450のSIDとして登録されてよく、基地局ルーティングテーブルには、当該複数のIPv6プレフィクスが無線基地局のプレフィクスとして登録されてよい。
【0046】
テーブル記憶部452は、SRルーティングテーブルを親ルーティングテーブルとして記憶してよい。テーブル記憶部452は、基地局ルーティングテーブルをVRFのルーティングテーブルとして記憶してよい。
【0047】
変換部450は、宛先アドレスにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報及び一のIPv6プレフィクスを含むIPv6ヘッダを有するパケットを受信した場合に、宛先アドレスに一のIPv6プレフィクスが包含する無線基地局のIPv6アドレスを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する。GTP関連情報は、TEID及びQFIを含んでよい。
【0048】
GTP関連情報は、パケットのArgs.Mob.Sessionに含まれてよい。Args.Mob.Sessionは、例えば、QFIと、RQI(Reflective QoS Indication)と、PDU Session IDとを含む。PDU Session IDは、TEIDと等価であってよい。
【0049】
変換部450は、受信パケットの宛先アドレス及び送信元アドレスをバッファに記憶し、受信パケットからIPv6ヘッダ及び拡張ヘッダを除去し、GTPヘッダ及び新たなIPv6ヘッダを付与し、バッファから読み出した宛先アドレス及び送信元アドレスを設定し、宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionのビットをゼロに上書きし、バッファの宛先アドレスのArgs.Mob.Sessionから取得したGTP関連情報をGTPヘッダに設定して転送パケットを生成してよい。
【0050】
広告部460は、SRGW400がカバーするN3ネットワークのプレフィクスをBGP MUP-SAFIを用いてInterwork Segment Discovery Routeとして広告する場合に、変換部450のSID Locator/Function情報を付与して広告する。
【0051】
図8は、SRGW400を経由してgNB130にパケットを送信するルータ600の、SRGW400を経由してgNB130にパケットを送信する機能に関係する機能構成の一例を概略的に示す。
【0052】
受信部602は、N4BGPC300から各種情報を受信する。例えば、受信部602は、N4BGPC300から、BGP MUP-SAFI経路情報(Type-1 Session Transformed Route)を受信する。
【0053】
受信部602は、SRGW400から各種情報を受信する。例えば、受信部602は、広告部460によって広告された情報を受信する。受信部602は、BGP MUP-SAFI経路情報(Interwork Segment Discovery Route)を受信してよい。
【0054】
生成部604は、受信部602が広告部460から受信したInterwork Segment Discovery Routeに付与された変換部450のSID Locator/Functionと、受信部602がN4BGPC300から受信したBGP MUP-SAFI Type1 Session Transformed経路情報に含まれるgNB N3インタフェースアドレス情報及びGTP関連情報から生成したArgs.Mob.Sessionから、変換部450のSIDを生成する。
【0055】
図9は、変換部450による他のパケット転送手法について説明するための説明図である。
図9に示す例において、SRGW400は、SRGW400の変換部450の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブル480を記憶する。当該複数のSIDは、いずれによっても、SRGW400の変換部450を特定可能とする。
【0056】
変換部450は、対応テーブル480に登録された複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、対応テーブル480を参照して、当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する。具体例として、変換部450は、SID_Aを含むIPv6ヘッダとGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、対応テーブル480を参照して、アドレスAを特定し、宛先アドレスにアドレスAを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する。
【0057】
これにより、対応テーブル480を生成したり管理したりする必要はあるものの、SRHのLastSIDに格納されたgNBアドレスを取り出す処理を不要とすることができ、SRGW400の負荷を低減し、SRGW400のハードウェア能力によってパケット転送が実行できないという事態が発生する可能性を低減することができる。
【0058】
SRGW400は、SRGW400の変換部450の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブル480を記憶してもよい。変換部450は、宛先アドレスに変換部450の複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、対応テーブル480を参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送してもよい。
【0059】
図10は、SRGW400の機能構成の一例を概略的に示す。ここでは、
図7に示すSRGW400とは異なる点を主に説明する。SRGW400は、変換部410、変換部450、及びテーブル記憶部452を備える。
【0060】
テーブル記憶部452は、SRGW400の変換部450の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のアドレスのそれぞれとを対応付けた対応テーブル480を記憶する。
【0061】
変換部450は、変換部450の複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTP関連情報とを有するパケットを受信した場合に、対応テーブル480を参照して、当該SIDに対応する無線基地局のアドレスを特定し、宛先アドレスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送する。
【0062】
テーブル記憶部452は、SRGW400の変換部450の複数のSIDのそれぞれと、複数の無線基地局のプレフィクスのそれぞれとを対応付けた対応テーブル480を記憶してもよい。この場合、変換部450は、宛先アドレスに変換部450の複数のSIDのいずれかに対応するIPv6プレフィクスと、Args.Mob.SessionにGTPヘッダの再構成に用いるGTP関連情報、及びgNB N3インタフェースアドレス情報とを有するパケットを受信した場合に、対応テーブル480を参照して当該SIDに対応する無線基地局のプレフィクスを特定し、宛先プレフィクスに当該無線基地局のアドレスを含むIPv6ヘッダと、前記GTP関連情報を用いて生成したGTPヘッダとを含む転送パケットを生成して転送してよい。
【0063】
図11は、N4BGPC300、SRGW400、又はルータ600として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0064】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0065】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0066】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0067】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0068】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0069】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0070】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0071】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0072】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0073】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0074】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0075】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0076】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 通信システム、20 SRNW、30 DN、40 UE、110 SMF、120 UPF、130 gNB、202、204、206、208、210、220 VRF、300 N4BGPC、400 SRGW、410 変換部、450 変換部、452 テーブル記憶部、454 SRルーティングテーブル、456 基地局ルーティングテーブル、460 広告部、480 対応テーブル、500 基地局アドレスフォーマット、520 SIDフォーマット、600 ルータ、602 受信部、604 生成部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ