(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031242
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】インジケーターカバー
(51)【国際特許分類】
B66B 1/46 20060101AFI20240229BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B66B1/46 Z
B66B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134671
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輔
【テーマコード(参考)】
3F304
3F502
【Fターム(参考)】
3F304BA01
3F502HB15
3F502MA28
(57)【要約】
【課題】インジケーターパネルを外した状態で行う作業において、作業中に、異物のボックスの内部への侵入を抑制することができるインジケーターカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係るインジケーターカバー1は、建屋壁面に設けられているインジケーターボックス160の開口部を塞ぐインジケーターパネル116が開口部から外れた状態で、インジケーターボックス160に取り付けられる支持体と、支持体に吊り下げられるカバー30と、を備え、支持体は、第1支持部を有しており、支持体がインジケーターボックス160に取り付けられている状態では、第1支持部がインジケーターボックス160の外部に位置しており、第1支持部に吊り下げられたカバー30が開口部の少なくとも一部を覆う。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に設けられているインジケーターボックスの開口部を塞ぐインジケーターパネルが前記開口部から外れた状態で、前記インジケーターボックスに取り付けられる支持体と、
前記支持体に吊り下げられるカバーと、
を備え、
前記支持体は、第1支持部を有しており、
前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部が前記インジケーターボックスの外部に位置しており、前記第1支持部に吊り下げられた前記カバーが前記開口部の少なくとも一部を覆うインジケーターカバー。
【請求項2】
前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部が前記インジケーターボックスの外部であって、かつ前記開口部の上側にある前記壁に沿って位置している、
請求項1に記載のインジケーターカバー。
【請求項3】
前記インジケーターパネルが前記開口部から外れた状態では、前記インジケーターパネルがインジケーターステーを介して前記インジケーターボックスに保持可能になっており、
前記カバーは、第1カバー部と第2カバー部とを有しており、
前記インジケーターパネルが前記インジケーターステーを介して前記インジケーターボックスに保持され、かつ前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部に吊り下げられた前記第1カバー部が前記開口部の少なくとも一部を覆い、かつ前記第1支持部に吊り下げられた前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆う、
請求項1に記載のインジケーターカバー。
【請求項4】
前記第2カバー部は、互いに対向する表側覆い部と裏側覆い部とを有しており、
前記表側覆い部の上端の端部の少なくとも一部は、接続部を介して前記裏側覆い部の上端の端部の少なくとも一部に繋がっており、
前記第2カバー部は、前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆っている状態では、前記表側覆い部と前記裏側覆い部との間に前記インジケーターパネルを挟んで前記インジケーターパネルを覆う、
請求項3に記載のインジケーターカバー。
【請求項5】
前記接続部以外の前記表側覆い部の端部であり、かつ上下方向に沿った前記表側覆い部の端部の少なくとも一部は、対応する前記裏側覆い部の端部に着脱可能である、
請求項4に記載のインジケーターカバー。
【請求項6】
前記表側覆い部には、透明な窓部材で塞がれた開口である窓部が形成されており、
前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆っている状態では、前記第2カバー部の外部から前記表側覆い部を見たとき、前記インジケーターパネルの表示部が前記窓部の範囲内に位置している、
請求項4に記載のインジケーターカバー。
【請求項7】
前記支持体は、前記第1支持部に連結されている第2支持部を更に有しており、
前記第2支持部は、前記表側覆い部と前記裏側覆い部との間に配置されている、
請求項4に記載のインジケーターカバー。
【請求項8】
前記第2支持部は、前記第1支持部に回転自在に連結されており、
前記支持体は、前記第1支持部に対する前記第2支持部の回転により折り畳み可能になっている、
請求項7に記載のインジケーターカバー。
【請求項9】
前記支持体は、前記第1支持部に連結された取付部を更に有しており、
前記第1支持部は、前記取付部を介して、前記インジケーターボックスの内部に取り付けられている、
請求項1に記載のインジケーターカバー。
【請求項10】
前記取付部は、前記第1支持部に連結されたアーム部と、前記アーム部の前記第1支持部に連結された端部とは反対側の端部に連結された取付部本体と、
を有しており、
前記取付部本体には、貫通孔である取付孔が形成されており、
前記インジケーターボックスの内の天井壁面には、前記天井壁面から下側に突出する突起部が設けられており、
前記突起部を前記取付孔に挿入した状態で、前記突起部を前記取付部本体に固定することで、前記第1支持部が前記インジケーターボックスに取り付けられる、
請求項9に記載のインジケーターカバー。
【請求項11】
前記取付部は、前記第1支持部に回転自在に連結されており、
前記支持体は、前記第1支持部に対する前記取付部の回転により折り畳み可能になっている、
請求項10に記載のインジケーターカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターのインジケーターカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベーターでは、エレベーターの乗り場ボタンに対する誤操作を防止するために、乗り場ボタンがカバーによって覆われていることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーターでは、インジケーターのボックスの内部に収容されている機器と、ボックスの開口部を塞ぐインジケーターパネルとを利用して保守作業を行うことがある。この場合、保守作業といった作業は、インジケーターパネルを外した状態で行う。従って、従来のカバーによってインジケーターを覆ったとしても、保守作業を行うときにはカバーを外す必要がある。このため、インジケーターパネルを外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のボックスの内部への侵入が防げないという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、インジケーターパネルを外した状態で行う作業において、作業中に、異物のボックスの内部への侵入を抑制することができるインジケーターカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るインジケーターカバーは、壁に設けられているインジケーターボックスの開口部を塞ぐインジケーターパネルが開口部から外れた状態で、インジケーターボックスに取り付けられる支持体と、支持体に吊り下げられるカバーと、を備え、支持体は、第1支持部を有しており、支持体がインジケーターボックスに取り付けられている状態では、第1支持部がインジケーターボックスの外部に位置しており、第1支持部に吊り下げられたカバーが開口部の少なくとも一部を覆う。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るインジケーターカバーによれば、インジケーターパネルを外した状態で行う作業において、作業中に、異物のボックスの内部への侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1によるインジケーターカバーが適用されるエレベーターを示す側面図である。
【
図2】
図1の建屋壁面に設置されたインジケーターを示す正面図である。
【
図3】
図2のインジケーターパネルを建屋壁面から取り外した状態を示す概略図である。
【
図4】
図3のインジケーターパネルがインジケーターステーに掛けられた状態を示す概略図である。
【
図5】実施の形態1のインジケーターカバーを示す斜視図である。
【
図6】
図5のインジケーターカバーの支持体を示す斜視図である。
【
図7】
図5のインジケーターカバーをインジケーターボックスに取り付けた状態を示す概略図である。
【
図8】
図5の支持体がボルトに固定された状態を示す概略図である。
【
図9】
図5のインジケーターカバーを用いた作業中の状態を示す概略図である。
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるインジケーターカバー1が適用されるエレベーター100を示す側面図である。
【0010】
エレベーター100が設置されたビル150には、昇降路151が設けられている。
【0011】
エレベーター100は、乗客が乗ることができるかご101と、釣り合い錘103とを有している。かご101及び釣り合い錘103は、昇降路151内に上下方向へ移動可能に設置されている。
【0012】
エレベーター100は、巻上機104と、かご吊り車105と、釣り合い錘吊り車106と、主ロープ107と、図示しないエレベーター制御装置と、複数のインジケーター115と、を更に有している。
【0013】
巻上機104、及びエレベーター制御装置は、昇降路151内の上部に配置されている。巻上機104は、図示しない駆動綱車を有している。
【0014】
かご101の下部には、かご吊り車105が配置されている。釣り合い錘103の上部には釣り合い錘吊り車106が配置されている。
【0015】
主ロープ107の両端部は、ビル150に固定されている。主ロープ107は、主ロープ107の一方の端部から主ロープ107の他方の端部まで、釣り合い錘吊り車106、駆動綱車、及びかご吊り車105に順に巻き掛けられている。
【0016】
かご101及び釣り合い錘103は、巻上機104の駆動力によって、昇降路151の内部を上下方向に移動することができる。
【0017】
各階の乗り場には、インジケーター115が設置されている。エレベーター制御装置は、各インジケーター115からの信号に基づいて、巻上機104を制御して、かご101の運行を制御する。エレベーター100の乗客は、インジケーター115を操作することで乗客の待つ乗り場階までかご101を移動させることができる。
【0018】
ビル150の屋上には、屋上建屋153が設置されている。
図1では、かご101が屋上の乗り場に対応する停止位置に停止している状態が示されている。かご101は、屋上建屋153の内部に入り込んで停止している。
【0019】
屋上建屋153には、屋上建屋153に対応する停止位置に停止している状態のかご101の内部と屋上の乗り場とを往来することができる図示しない通路開口部が形成されている。屋上建屋153には、通路開口部を閉じることができる図示しないエレベータードアが設置されている。
【0020】
通路開口部が形成されている屋上建屋153の建屋壁面153aには、インジケーター115が設置されている。
【0021】
図2は、
図1の建屋壁面153aに設置されたインジケーター115を示す正面図である。
図3は、
図2のインジケーターパネル116を建屋壁面153aから取り外した状態を示す概略図である。
図3では、XYZ直交座標系を用いて表示されている。
【0022】
XYZ直交座標系では、建屋壁面153aに平行な面をXZ平面とする。ビルの高さ方向に沿った座標軸をZ軸とする。また、Z軸に直交し、かつ建屋壁面153aに平行な軸をX軸とする。更に、X軸及びZ軸のいずれにも直交する座標軸をY軸とする。
【0023】
インジケーター115は、インジケーターパネル116と、かご101の位置情報といった情報を表示する表示部117と、エレベーター100を操作することができる操作ボタン118と、インジケーターボックス160と、を有している。
【0024】
インジケーターパネル116は、建屋壁面153aから着脱自在にインジケーターボックス160に支持されている。インジケーターパネル116は、長方形の平板状の部材である。インジケーター115が壁面に設置された状態でインジケーター115の正面から見たときに、インジケーターパネル116の周囲の縁は、対向する一対の長辺縁と、対向する一対の短辺縁とで構成されている。
【0025】
一対の長辺縁のそれぞれは、鉛直方向に沿っており、一対の短辺縁のそれぞれは水平方向に沿っている。インジケーター115が建屋壁面153aに取り付けられた状態において、鉛直方向の上方側を、インジケーター115、インジケーターパネル116、及びインジケーターボックス160の上側とする。
【0026】
表示部117と操作ボタン118とは、インジケーターパネル116の表面に取り付けられている。インジケーター115が、建屋壁面153aに取り付けられた状態では、表示部117と操作ボタン118とは、外部に対して露出している。
【0027】
インジケーターパネル116の裏面には、表示部117と操作ボタン118とに電気的に接続されている複数の配線が束ねられた電線119が接続されている。電線119の各配線は、対応する端子台に電気的に接続されている。
【0028】
インジケーター115は、インジケーター取付部としての一対の爪部材120と、インジケーター保持部である一対のフック部材121とを更に有している。一対の爪部材120と一対のフック部材121とは、インジケーターパネル116の裏面に設けられている。
【0029】
各爪部材120は、板状の部材である。各爪部材120には、一方の表面側に膨らむように曲がっている曲部120aが形成されている。一対の爪部材120の内の一方は、インジケーターパネル116の上側の短辺縁に沿って配置されている。一対の爪部材120の内の他方は、インジケーターパネル116の下側の短辺縁に沿って配置されている。
【0030】
上側の短辺縁に配置された爪部材120は、曲部120aが上側に向って膨らむ姿勢でインジケーターパネル116に配置されている。下側の短辺縁に配置された爪部材120は、曲部120aが下側に向って膨らむ姿勢でインジケーターパネル116に配置されている。上側の短辺縁に配置された爪部材120には、切り欠き部120bが形成されている。
【0031】
各フック部材121は、L字型に折り曲げられた板状部材である。各フック部材121は、インジケーターパネル116の長辺縁に沿って配置されている。各爪部材120は、一方の端部がインジケーターパネル116に取り付けられており、他方の端部が下側に向っている。一対のフック部材121は、インジケーターパネル116に対して同一の高さ位置に配置されている。
【0032】
例えば、水平に配置された棒状部材に各フック部材121を引っ掛けて、インジケーターパネル116を棒状部材に保持させることができる。
【0033】
インジケーターボックス160は、壁である建屋壁面153aに設けられている。インジケーターボックス160は、建屋壁面153aに形成された凹部である。インジケーターボックス160の形状は、直方体形状である。
【0034】
インジケーターボックス160は、建屋壁面153aに形成された長方形形状の開口部160aと、開口部160aの辺に沿って形成された天井壁面160b、底壁面160c、第1壁面160d、第2壁面160e、及び背面壁面160fで囲まれた空間である。
【0035】
天井壁面160bと底壁面160cとのそれぞれは、水平面に平行な面であり、互いに対向している。第1壁面160dと第2壁面160eとのそれぞれは、垂直面に平行な面であり、互いに対向している。背面壁面160fは、垂直面に平行な面であり、かつ建屋壁面153aと平行な面である。
【0036】
インジケーターボックス160には、機器161が配置されている。機器161は、図示しないエレベーター100の制御装置に接続されているコネクタ161aを有している。機器161は、信号用端子、電源用端子といった数々の電機機器も更に有している。
【0037】
機器161には、複数の配線を束ねた制御側電線162の各配線が電気的に接続されている。制御側電線162は、制御装置といったエレベーター100の対応する機器に電気的に接続されている。
【0038】
インジケーターボックス160の第1壁面160dには、インジケーターステー165が更に配置されている。インジケーターステー165は、板状部材である。インジケーターステー165は、収納位置と保持位置との間を移動可能にインジケーターボックス160内に支持されている。
【0039】
収納位置とは、インジケーターステー165が、インジケーターボックス160の内部に収容される位置である。保持位置とは、インジケーターステー165がインジケーターボックス160の外側に向って突出している位置である。
【0040】
インジケーターステー165が保持位置にあるときは、インジケーターステー165は、建屋壁面153aの法線方向に突出している。
図3では、インジケーターステー165は収納位置に位置している状態を示している。インジケーターステー165の移動については、後に説明をする。
【0041】
インジケーターボックス160の天井壁面160bには、突起部であるボルト166が設けられている。ボルト166は、天井壁面160bから下側に突出している。ボルト166は、軸線を持っている。ボルト166は、ボルト166の軸線が鉛直方向に沿って配置されている。ボルト166の外周面にはネジ山が形成されている。
【0042】
インジケーターパネル116は、一対の爪部材120によってインジケーターボックス160に取り付けられている。インジケーターパネル116をインジケーターボックスに取り付けた状態では、インジケーターパネル116の上側に配置されている爪部材120の曲部120aは、天井壁面160bに、インジケーターパネル116の下側に配置されている爪部材120の曲部120aは、底壁面160cに接している。
【0043】
インジケーターパネル116をインジケーターボックス160に取り付けると、各爪部材120は、対応するインジケーターボックス160の壁面に接し、弾性変形をする。各爪部材120には、弾性変形することで、曲部120aを対応する壁面に押し付ける力が発生する。
【0044】
各爪部材120による曲部120aを対応する壁面に押し付ける力によって、インジケーターパネル116は、インジケーターボックス160に取り付けられている。これによって、インジケーターパネル116は、建屋壁面153aに設置されている状態を維持している。
【0045】
インジケーターパネル116が建屋壁面153aに配置されている状態では、ボルト166は、爪部材120に形成された切り欠き部120bに嵌まり込んでいる。
【0046】
インジケーターパネル116の大きさは、開口部160aよりも大きい。従って、インジケーター115が建屋壁面153aに配置されている状態では、インジケーターパネル116は、開口部160aと、開口部160aの周囲にある建屋壁面153aの一部を覆っている。
【0047】
インジケーターパネル116をインジケーターボックス160から取り外すには、インジケーターパネル116をインジケーターボックス160から引き出して取り外す。
【0048】
図4は、
図3のインジケーターパネル116がインジケーターステー165に掛けられた状態を示す概略図である。第1壁面160dには、第1壁面160dの法線方向に突出するステー軸165aが設けられている。
【0049】
ステー軸165aは軸線を持っている。インジケーターステー165は、ステー軸165aの軸線回りに回転可能にステー軸165aに支持されている。インジケーターステー165は、ステー軸165aの軸線回りに回転移動することで、収納位置と保持位置との間を移動することができる。
【0050】
第1壁面160dには、インジケーターステー165が収納位置、及び保持位置に位置する状態を維持することができるストッパー機構が更に設けられている。ストッパー機構は、例えば、収納位置に位置するインジケーターステー165、及びに保持位置に位置するインジケーターステー165のそれぞれに引っ掛かりそれぞれの位置に停止させることができるフック状の部材であってもよい。
【0051】
即ち、ストッパー機構を解除することで、インジケーターステー165は、収納位置と保持位置との間を回転移動することができる。
図4は、インジケーターステー165が保持位置に位置している状態を示している。
【0052】
取り外されたインジケーターパネル116は、保持位置にあるインジケーターステー165に一対のフック部材121を掛けることで、インジケーターステー165に保持されている。
【0053】
図5は、実施の形態1のインジケーターカバー1を示す斜視図である。インジケーターカバー1は、支持体10と、支持体10に取り付けられたカバー30とを備えている。
【0054】
まず、支持体10を
図6に沿って説明する。
図6は、
図5のインジケーターカバー1の支持体10を示す斜視図である。
【0055】
支持体10は、第1支持部11と、第2支持部15と、取付部16と、を有している。第1支持部11、及び第2支持部15とは、棒状の部材である。ここで、XYZ直交座標系を用いる。
【0056】
XYZ直交座標系では、第1支持部11の軸線方向に沿った座標軸をX軸とする。また、X軸に直交し、かつ鉛直方向に沿った座標軸をZ軸とする。更に、X軸及びZ軸のいずれにも直交する座標軸をY軸とする。
【0057】
第1支持部11には、第2支持部取付部11aが形成されている。第2支持部取付部11aは、第1支持部11から突出した部分である。第2支持部取付部11aには、第2支持部15が回転可能に支持されている。
【0058】
第2支持部15は、突出位置と突出収納位置との間を回転移動可能である。突出位置に第2支持部15が位置している場合には、第2支持部15の軸線と第1支持部11の軸線とは直交している。即ち、突出位置に第2支持部15が位置している状態では、第2支持部15の軸線方向は、Y軸に沿った方向である。
【0059】
突出収納位置に第2支持部15が位置している場合には、第2支持部15の軸線と第1支持部11の軸線とは、平行である。即ち、突出収納位置に第2支持部15が位置している状態では、第2支持部15の軸線方向は、X軸に沿った方向である。第2支持部15は、Z軸周りに回転可能である。
【0060】
第2支持部取付部11aには、図示しない突出部材停止機構が設けられいる。突出部材停止機構は、第2支持部15を突出位置、又は突出収納位置に位置する状態を維持することができる。支持体10は、第1支持部11に対する第2支持部15の回転により折り畳み可能になっている。
【0061】
取付部16は、棒状の部材である取付第1部材16aと、棒状の部材である取付第2部材16bと、円盤状の部材である取付部本体16cとを有している。取付部本体16cには、中心に貫通孔である取付孔16dが形成されている。
【0062】
取付第1部材16aの一方の端部は、第1支持部11に対して回転可能に取り付けられている。取付第1部材16aの軸線は、Z軸に沿っている。取付第1部材16aは、第1支持部11に対してZ軸周りに回転可能である。
【0063】
取付第1部材16aの他方の端部には、取付第2部材16bが取り付けられている。取付第2部材16bの軸線と、取付第1部材16aの軸線とは、直交している。即ち、取付第1部材16aと取付第2部材16bとは、L字形状となるように互いに接続されている。取付第1部材16aと取付第2部材16bとは、アーム部を構成している。
【0064】
接続された取付第1部材16aと取付第2部材16bのそれぞれは、それぞれの軸線がYZ平面に沿って配置されている。従って、アーム部は、平面に沿って形成されている。
【0065】
取付第2部材16bの端部であって、取付第1部材16aが取り付けられている端部とは反対側の端部には、取付部本体16cが取り付けられている。取付孔16dの軸線は、Z軸方向に沿っている。
【0066】
取付部16は、取付位置と取付収納位置との間を取付第1部材16aの軸線周りに回転移動可能である。取付位置に取付部16が位置している状態では、アーム部が沿って形成されている平面は、YZ平面と平行となっている。即ち、取付位置に取付部16が位置している状態では、アーム部が沿って形成されている平面と、第1支持部11の軸線とは、直交している。
【0067】
取付収納位置に取付部16が位置している状態では、アーム部が沿って形成されている平面は、XZ平面と平行となっている。即ち、取付収納位置に取付部16が位置している状態では、アーム部が沿って形成されている平面と、第1支持部11の軸線とは、平行である。
【0068】
第1支持部11には、図示しない取付部停止機構が設けられている。取付部停止機構は、取付部16を取付位置、又は取付納位置に位置する状態を維持することができる。支持体10は、第1支持部11に対する取付部16の回転により折り畳み可能になっている。
【0069】
図5に戻り、説明を続ける。カバー30は、シート状のカバー本体31と、カバー連結部材32とを有している。
【0070】
カバー本体31の上端部には、支持体取付部31aが形成されている。支持体取付部31aは、第1支持部11を巻き込んだ状態で縫製されている。これにより、支持体取付部31aは、第1支持部11と連結されている。なお、支持体取付部31aと第1支持部11とを連結させるためには、他の周知な構成を用いてもよい。
【0071】
カバー本体31は、布、ビニール、といった素材で構成されている。カバー本体31は、第1カバー部33と第2カバー部34とを有している。第1カバー部33は、XZ平面に沿って配置されている。
【0072】
第2カバー部34は、第1カバー部33の中間から突出するように配置されている。第2カバー部34は、YZ平面に沿って配置されている。即ち、第2カバー部34は、第1カバー部33の表面における法線に平行な直線を含む平面に沿って配置されている。
【0073】
第1カバー部33は、同一平面に沿って互いに並んで配置されている開口部カバー部33aと、壁面カバー部33bとを有している。第2カバー部34は、互いに対向する表側覆い部34aと裏側覆い部34bとを有している。
【0074】
開口部カバー部33aと表側覆い部34aとは、隣り合って配置されている。隣り合ったZ軸に沿った開口部カバー部33aの端部とZ軸に沿った表側覆い部34aの端部とは、互いに繋がっている。
【0075】
壁面カバー部33bと裏側覆い部34bとは、隣り合って配置されている。隣り合ったZ軸に沿った壁面カバー部33bの端部とZ軸に沿った裏側覆い部34bの端部とは、互いに繋がっている。
【0076】
表側覆い部34aの上側の端部と裏側覆い部34bの上側の端部とは、互いに繋がっている。表側覆い部34aの上側の端部と裏側覆い部34bの上側の端部とが繋がっている部分は、接続部34cである。
【0077】
第2カバー部34の内側、即ち、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとの間には、接続部34cに対応するように、第2支持部15が配置されている。
【0078】
Z軸に沿った第2カバー部34の端部であって、第1カバー部33に繋がっていない端部には、スリット31dが形成されている。即ち、開口部カバー部33aの端部と繋がっていないZ軸に沿った表側覆い部34aの端部と、壁面カバー部33bの端部と繋がっていないZ軸に沿った裏側覆い部34bの端部とは、繋がっておらず、スリット31dが形成されている。
【0079】
スリット31dが形成されている表側覆い部34aの端部と、裏側覆い部34bの端部とには、カバー連結部材32が配置されている。カバー連結部材32は、面ファスナーである。即ち、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとの互いに対向する面には、面ファスナーが配置されている。これにより、スリット31dが形成されている表側覆い部34aの端部と、裏側覆い部34bの端部とが着脱可能となっている。
【0080】
第2カバー部34は、窓部材35を更に有している。窓部材35は、ビニールといった透明な素材で構成されている。表側覆い部34aには、開口である窓部34dが形成されている。窓部材35は、窓部34dを塞いでいる。
【0081】
インジケーターカバー1は、使用していないときは、折り畳み可能である。第1支持部11の軸線に沿うように、第2支持部15、及び取付部16を回転移動させる。即ち、第2支持部15を突出収納位置に位置させ、取付部16を取付収納位置に位置させる。
【0082】
第2支持部15、及び取付部16が第1支持部11に沿って配置された状態では、カバー30を第1支持部11、第2支持部15、及び取付部16を巻きつけることができる。
【0083】
カバー30は、第1支持部11に取り付けられたままの状態で、第1支持部11、第2支持部15、及び取付部16に巻きつけることができる。これにより、インジケーターカバー1は、折り畳まれた状態となる。
【0084】
図7は、
図5のインジケーターカバー1をインジケーターボックス160に取り付けた状態を示す概略図である。
図7では、インジケーターボックス160、インジケーターステー165、インジケーターパネル116、及び制御装置接続用ケーブル200を破線で表現している。
【0085】
制御装置接続用ケーブル200は、インジケーターボックス160内に配置された機器161のうちの1つであるコネクタ161aに接続可能なケーブルである。
【0086】
図7では、インジケーターパネル116がインジケーターステー165に保持されており、かつ制御装置接続用ケーブル200がインジケーターボックス160の内部から外部に引き出されている状態が示されている。
【0087】
インジケーターカバー1は、インジケーターパネル116がインジケーターステー165に保持され、かつ制御装置接続用ケーブル200がインジケーターボックス160の内部から外部に引き出されている状態において、インジケーターボックス160に取り付けられる。
【0088】
図8は、
図5の支持体10がボルト166に固定された状態を示す概略図である。
図8では、インジケーターカバー1のカバー30、インジケーターボックス160内の機器161、及びインジケーターステー165に保持されたインジケーターパネル116の図示を省略している。
【0089】
インジケーターカバー1をインジケーターボックス160に取り付けるには、
図8に示されるように、取付部16をボルト166に固定する必要がある。
【0090】
支持体10は、ボルト166に取付孔16dが嵌まるように配置されている。取付孔16dを貫通したボルト166の先端には、インジケーター固定部材である蝶ネジ201が締め込まれている。取付部本体16cは、蝶ネジ201と天井壁面160bとの間に挟まれて固定されている。
【0091】
インジケーターボックス160内部に固定された取付部本体16cにL字形状のアーム部を介して接続された、第1支持部11は、インジケーターボックス160の外側であって、インジケーターボックス160の上側の建屋壁面153aに沿って配置されている。
【0092】
図7に戻り、説明を続ける。支持体10がインジケーターボックス160のボルト166に取り付けられている状態では、第1支持部11は、インジケーターボックス160の外部に位置している。第1支持部11に吊り下げられたカバー30は、開口部160aを覆っている。
【0093】
インジケーターカバー1がインジケーターボックス160に取り付けられている状態では、第1カバー部33は、開口部160aと、開口部160aの周辺の建屋壁面153aを覆っている。また、第2カバー部34は、インジケーターステー165に保持されたインジケーターパネル116を覆っている。
【0094】
インジケーターパネル116は、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとに挟み込まれるように覆われている。即ち、カバー30は、開口部160a、開口部160aの周囲の建屋壁面153a、及びインジケーターパネル116を覆っている。
【0095】
インジケーターボックス160内のコネクタ161aに接続された制御装置接続用ケーブル200は、インジケーターボックス160内から、スリット31dを通って外部に延びている。スリット31dは、制御装置接続用ケーブル200を挟み込むようにして、カバー連結部材32によって、閉じられている。
【0096】
図9は、
図5のインジケーターカバー1を用いた作業中の状態を示す概略図である。
図9では、インジケーターボックス160、機器161、制御装置接続用ケーブル200、操作ボタン118の一部、及びインジケーターパネル116の外郭を破線で表現している。
【0097】
保守作業といった作業では、インジケーターボックス160の内部にあるコネクタ161aに図示しない携帯用端末を接続し、コネクタ161aを介してエレベーター100の制御装置を制御する。従って、作業者は、インジケーターパネル116を建屋壁面153aから取り外し、インジケーターボックス160内部にアクセスできる様態を確保する。
【0098】
インジケーターパネル116が建屋壁面153aから取り外された状態であっても電線119の各配線は、対応する機器161に電気的に接続された状態を維持している。
【0099】
作業者は、携帯用端末で制御装置に指令を与え、巻上機104の運転、及びかご101の運行といったものを制御する。巻上機104、及びエレベーター100のその他の機器の状態は、表示部117に表示される。このため、作業者は、インジケーターステー165にインジケーターパネル116を保持させ、表示部117を確認しながら、作業を実施する。
【0100】
従って、保守作業といった作業中には、建屋壁面153aから取り外されたインジケーターパネル116がインジケーターステー165に保持されている。また、コネクタ161aに接続された制御装置接続用ケーブル200がインジケーターボックス160から引き出されている。この状態でインジケーターカバー1は、使用される。
【0101】
インジケーターカバー1を使用するには、折り畳まれた状態から使用する状態にする必要がある。インジケーターカバー1の使用する状態は、支持体10に巻かれていたカバー30が解かれ、第2支持部15が回転移動により突出位置に配置され、取付部16を回転移動により取付位置に配置されている状態である。
【0102】
使用する状態となったインジケーターカバー1の支持体10は、インジケーターボックス160に取り付けられている。支持体10は、ボルト166と蝶ネジ201とで固定されている。これにより、カバー30は、開口部160a、開口部160aの周辺の建屋壁面153a、及びインジケーターステー165に掛けられたインジケーターパネル116を覆っている。
【0103】
制御装置接続用ケーブル200は、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとの間を通って、インジケーターカバー1の外部に出されている。スリット31dは、制御装置接続用ケーブル200を挟み込みながら閉じられている。スリット31dは、カバー連結部材32によって、閉じられている。
【0104】
表示部117の表示は、窓部34dを覆う窓部材35を通して見える状態となっている。即ち、第2カバー部34がインジケーターパネル116を覆っている状態では、第2カバー部34の外部から表側覆い部34aを見たとき、インジケーターパネル116の表示部117が窓部34dの範囲内に位置している。
【0105】
このように、インジケーターカバー1は、保守作業といった作業中に使用することができる。
【0106】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、建屋壁面153aに設けられているインジケーターボックス160の開口部160aを塞ぐインジケーターパネル116が開口部160aから外れた状態で、支持体10がインジケーターボックス160に取り付けられる。また、支持体10がインジケーターボックス160に取り付けられている状態では、支持体10の第1支持部11がインジケーターボックス160の外部に位置しており、第1支持部11に吊り下げられたカバー30が開口部160aの少なくとも一部を覆う。これにより、保守作業といった作業中に、インジケーターカバー1で開口部160aの少なくても一部を覆うことができる。従って、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。
【0107】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、支持体10がインジケーターボックス160に取り付けられている状態では、第1支持部11がインジケーターボックス160の外部に位置している。また、第1支持部11が開口部160aの上側にある建屋壁面153aに沿って位置している。これにより、カバー30は、インジケーターボックス160の外部であって、開口部160aの鉛直方向上側から吊り下がっている。従って、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、上方から降り注ぐ雨のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。よって、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。
【0108】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、インジケーターパネル116が開口部160aから外れた状態では、インジケーターパネル116がインジケーターステー165を介してインジケーターボックス160に保持可能である。また、カバー30は、第1カバー部33と第2カバー部34とを有している。また、インジケーターパネル116がインジケーターステー165を介してインジケーターボックス160に保持され、かつ支持体10がインジケーターボックス160に取り付けられている。また、この状態では、第1支持部11に吊り下げられた第1カバー部33が開口部160aの少なくとも一部を覆う。また、第1支持部11に吊り下げられた第2カバー部34がインジケーターパネル116を覆う。これにより、開口部160aを第1カバー部33で覆い、インジケーターボックス160のインジケーターステー165に保持されたインジケーターパネル116を第2カバー部34で覆うことができる。従って、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターパネル116への付着を低減することができる。また、インジケーターパネル116に付着した埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。
【0109】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、第2カバー部34は、互いに対向する表側覆い部34aと裏側覆い部34bとを有している。また、表側覆い部34aの上端の端部の少なくとも一部は、接続部34cを介して裏側覆い部34bの上端の端部の少なくとも一部に繋がっている。また、第2カバー部34は、第2カバー部34がインジケーターパネル116を覆っている状態では、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとの間にインジケーターパネル116を挟んでインジケーターパネル116を覆っている。これにより、第2カバー部34でインジケーターパネル116を覆う際に、第2カバー部34とインジケーターパネル116との間に形成される隙間が小さくなる。従って、隙間が小さくなったことから、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。
【0110】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、接続部34c以外の表側覆い部34aの端部であり、かつ上下方向に沿った表側覆い部34aの端部の少なくとも一部は、対応する裏側覆い部34bの端部に着脱可能である。これにより、表側覆い部34aの端部と裏側覆い部34bの端部との少なくとも一部を互いに着けることができる。従って、表側覆い部34aの端部と裏側覆い部34bの端部と間に発生する隙間を小さくすることができる。従って、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。また、これにより、インジケーターカバー1の取付作業においては、表側覆い部34aの端部と裏側覆い部34bの端部とを離して作業することができる。従って、インジケーターカバー1の取付作業の効率が向上する。更に、表側覆い部34aの端部と裏側覆い部34bの端部とを離して作業することで、インジケーターカバー1越しにインジケーターボックス160の内部の目視確認、及び作業が実施し易くなる。従って、作業効率を向上することができる。
【0111】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、表側覆い部34aには、透明な窓部材35で塞がれた開口である窓部34dが形成されている。また、第2カバー部34がインジケーターパネル116を覆っている状態では、第2カバー部34の外部から表側覆い部34aを見たとき、インジケーターパネル116の表示部117が窓部34dの範囲内に位置している。これにより、者業者は、作業中に、インジケーターカバー1の外側から表示部117の表示内容を確認することができる。従って、作業効率を向上することができる。また、これにより、インジケーターパネル116の表示部117を確認するために、カバー本体31をめくる必要がない。従って、インジケーターパネル116を外した状態で行う作業において、作業中に、埃、水といった異物のインジケーターボックス160の内部への侵入を抑制することができる。また、インジケーターカバー1を使用することで、降雨中での保守作業といった作業を実施できる。
【0112】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、支持体10は、第1支持部11に連結されている第2支持部15を更に有している。また、第2支持部15は、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとの間に配置されている。これにより、表側覆い部34aと裏側覆い部34bとは、第2支持部15によって支えられている。従って、第2カバー部34が自重により倒れることによるインジケーターパネル116への干渉を防ぐことができる。また、第2カバー部34が風により煽られることによるインジケーターパネル116への干渉を防ぐことができる。
【0113】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、第2支持部15は、第1支持部11に回転自在に連結されており、支持体10は、第1支持部11に対する第2支持部15の回転により折り畳み可能になっている。これにより、搬送時、及び保管時にインジケーターカバー1を小型化することができる。従って、作業者の移動時の作業負担の低下を図ることができる。
【0114】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、支持体10は、第1支持部11に連結された取付部16を更に有しており、第1支持部11は、取付部16を介して、インジケーターボックス160の内部に取り付けられている。これにより、取付構造体を別途用意する必要がない。従って、作業者がインジケーターカバー1を手軽に使用することができる。従って、作業者の移動時の作業負担の低下を図ることができる。
【0115】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、取付部16は、第1支持部11に連結された取付第1部材16aと、取付第1部材16aに連結された取付第2部材16bとを有している。また、取付部16は、取付第2部材16bの取付第1部材16aに連結された端部とは反対側の端部に連結された取付部本体16cと、をさらに有している。また、取付部本体16cには、貫通孔である取付孔16dが形成されている。また、インジケーターボックス160の内の天井壁面160bには、天井壁面160bから下側に突出するボルト166が設けられている。ボルト166を取付孔16dに挿入した状態で、ボルト166を取付部本体16cに固定することで、第1支持部11がインジケーターボックス160に取り付けられる。これにより、インジケーターカバー1をインジケーターボックス160に簡単に取り付けることができる。従って、作業者がインジケーターカバー1を手軽に使用することができる。従って、作業者の移動時の作業負担の低下を図ることができる。
【0116】
実施の形態1のインジケーターカバー1によれば、取付部16は、第1支持部11に回転自在に連結されており、支持体10は、第1支持部11に対する取付部16の回転により折り畳み可能になっている。これにより、搬送時、及び保管時にインジケーターカバー1を小型化することができる。従って、作業者の移動時の作業負担の低下を図ることができる。
【0117】
なお、実施の形態1では、支持体10は、第2支持部15を有している。しかし、これに限られたものではない。例えば、支持体10は、第2支持部15を有していなくてもよい。第2支持部15がなかったとしても、第2カバー部34は、インジケーターステー165に保持されたインジケーターパネル116を覆うことができる。
【0118】
また、実施の形態1では、カバー本体31は、第2カバー部34を有している。しかし、これに限られたものではない。しかし、これに限られたものではない。例えば、カバー本体31は、第2カバー部34を有していなくてもよい。例えば、第1カバー部33を大きくして、第1カバー部33のみで開口部160a、開口部160aの周囲の建屋壁面153a、及びインジケーターステー165に保持されたインジケーターパネル116を覆ってもよい。
【0119】
また、実施の形態1では、支持体10の取付部16は、取付部本体16cに形成された取付孔16dに挿入したボルト166を蝶ネジ201で締め付けることで、建屋壁面153aに配置されている。しかし、これに限られたものではない。取付部16の構成は、適宜選択することができる。例えば、取付部16に、突っ張り棒の構成を使用してもよい。取付部16が有する一対の押し部材のそれぞれがインジケーターボックス160の対向する第1壁面160d、及び第2壁面160eを押すことで、支持体10を固定してもよい。また、例えば、取付部16に磁石を設けてもよい。取付部16に設けられた磁石の磁力により、支持体10は、取付部16を介してインジケーターボックス160に固定されてもよい。
【0120】
また、実施の形態1では、第2支持部15、及び取付部16は、第1支持部11に対して回転可能である。しかし、これに限られたものではない。例えば、第2支持部15、及び取付部16が第1支持部11に対して折り曲げ可能であってもよい。即ち、第2支持部15、及び取付部16が第1支持部11に対して変位して、第1支持部11に第2支持部15、及び取付部16が沿えればよい。これによって、第2支持部15、及び取付部16が沿った第1支持部11にカバー30を、かさばることなく巻きつけることができる。
【0121】
また、実施の形態1では、第1支持部11、及び第2支持部15は、棒状の部材である。しかし、これに限られたものではない。第1支持部11、及び第2支持部15は、適宜な形状を呈する構造体でもよい。
【0122】
また、実施の形態1では、インジケーター115は、インジケーター取付部としての一対の爪部材120を有している。しかし、これに限られたものではない。インジケーター取付部には、適宜な構成を使用することができる。更に、インジケーター取付部のインジケーターパネル116に対する取り付け位置は、適宜設定してもよい。
【0123】
また、実施の形態1では、カバー連結部材32は、面ファスナーである。しかし、これに限られたものではない。カバー連結部材32には、適宜な構成を使用することができる。
【0124】
また、実施の形態1では、インジケーターカバー1は、開口部160a、開口部160aの周囲の建屋壁面153a、及びインジケーターパネル116を覆っている。しかし、これに限られたものではない。カバー30は、開口部160aの少なくとも一部を覆ってもよい。例えば、インジケーターカバー1が開口部160aの下部を覆わないようにしてもよい。これにより、インジケーターボックス160内への上方からの雨の侵入を防ぎながら、インジケーターボックス160内部への目視を可能が可能となる。
【0125】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0126】
(付記1)
壁に設けられているインジケーターボックスの開口部を塞ぐインジケーターパネルが前記開口部から外れた状態で、前記インジケーターボックスに取り付けられる支持体と、
前記支持体に吊り下げられるカバーと、
を備え、
前記支持体は、第1支持部を有しており、
前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部が前記インジケーターボックスの外部に位置しており、前記第1支持部に吊り下げられた前記カバーが前記開口部の少なくとも一部を覆うインジケーターカバー。
(付記2)
前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部が前記インジケーターボックスの外部であって、かつ前記開口部の上側にある前記壁に沿って位置している、
付記1に記載のインジケーターカバー。
(付記3)
前記インジケーターパネルが前記開口部から外れた状態では、前記インジケーターパネルがインジケーターステーを介して前記インジケーターボックスに保持可能になっており、
前記カバーは、第1カバー部と第2カバー部とを有しており、
前記インジケーターパネルが前記インジケーターステーを介して前記インジケーターボックスに保持され、かつ前記支持体が前記インジケーターボックスに取り付けられている状態では、前記第1支持部に吊り下げられた前記第1カバー部が前記開口部の少なくとも一部を覆い、かつ前記第1支持部に吊り下げられた前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆う、
付記1または付記2に記載のインジケーターカバー。
(付記4)
前記第2カバー部は、互いに対向する表側覆い部と裏側覆い部とを有しており、
前記表側覆い部の上端の端部の少なくとも一部は、接続部を介して前記裏側覆い部の上端の端部の少なくとも一部に繋がっており、
前記第2カバー部は、前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆っている状態では、前記表側覆い部と前記裏側覆い部との間に前記インジケーターパネルを挟んで前記インジケーターパネルを覆う、
付記3に記載のインジケーターカバー。
(付記5)
前記接続部以外の前記表側覆い部の端部であり、かつ上下方向に沿った前記表側覆い部の端部の少なくとも一部は、対応する前記裏側覆い部の端部に着脱可能である、
付記4に記載のインジケーターカバー。
(付記6)
前記表側覆い部には、透明な窓部材で塞がれた開口である窓部が形成されており、
前記第2カバー部が前記インジケーターパネルを覆っている状態では、前記第2カバー部の外部から前記表側覆い部を見たとき、前記インジケーターパネルの表示部が前記窓部の範囲内に位置している、
付記4または付記5に記載のインジケーターカバー。
(付記7)
前記支持体は、前記第1支持部に連結されている第2支持部を更に有しており、
前記第2支持部は、前記表側覆い部と前記裏側覆い部との間に配置されている、
付記4から付記6のいずれか一項に記載のインジケーターカバー。
(付記8)
前記第2支持部は、前記第1支持部に回転自在に連結されており、
前記支持体は、前記第1支持部に対する前記第2支持部の回転により折り畳み可能になっている、
付記7に記載のインジケーターカバー。
(付記9)
前記支持体は、前記第1支持部に連結された取付部を更に有しており、
前記第1支持部は、前記取付部を介して、前記インジケーターボックスの内部に取り付けられている、
付記1から付記8のいずれか一項に記載のインジケーターカバー。
(付記10)
前記取付部は、前記第1支持部に連結されたアーム部と、前記アーム部の前記第1支持部に連結された端部とは反対側の端部に連結された取付部本体と、
を有しており、
前記取付部本体には、貫通孔である取付孔が形成されており、
前記インジケーターボックスの内の天井壁面には、前記天井壁面から下側に突出する突起部が設けられており、
前記突起部を前記取付孔に挿入した状態で、前記突起部を前記取付部本体に固定することで、前記第1支持部が前記インジケーターボックスに取り付けられる、
付記9に記載のインジケーターカバー。
(付記11)
前記取付部は、前記第1支持部に回転自在に連結されており、
前記支持体は、前記第1支持部に対する前記取付部の回転により折り畳み可能になっている、
付記10に記載のインジケーターカバー。
【符号の説明】
【0127】
1 インジケーターカバー、10 支持体、11 第1支持部、11a 第2支持部取付部、15 第2支持部、16 取付部、16a 取付第1部材(アーム部)、16b 取付第2部材(アーム部)、16c 取付部本体、16d 取付孔、30 カバー、31 カバー本体、31a 支持体取付部、31d スリット、32 カバー連結部材、33 第1カバー部、33a 開口部カバー部、33b 壁面カバー部、34 第2カバー部、34a 表側覆い部、34b 裏側覆い部、34c 接続部、34d 窓部、35 窓部材、100 エレベーター、103 釣り合い錘、104 巻上機、105 かご吊り車、106 釣り合い錘吊り車、107 主ロープ、115 インジケーター、116 インジケーターパネル、117 表示部、118 操作ボタン、119 電線、120 爪部材(インジケーター取付部)、120a 曲部、120b 切り欠き部、121 フック部材(インジケーター保持部)、150 ビル、151 昇降路、153 屋上建屋、153a 建屋壁面(壁)、160 インジケーターボックス、160a 開口部、160b 天井壁面、160c 底壁面、160d 第1壁面、160e 第2壁面、160f 背面壁面、161 機器、161a コネクタ、162 制御側電線、165 インジケーターステー、165a ステー軸、166 ボルト(突起部)、200 制御装置接続用ケーブル、201 蝶ネジ(インジケーター固定部材)。