(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031253
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 13/06 20060101AFI20240229BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F04D13/06 F
F04D29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134692
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 孝成
(72)【発明者】
【氏名】坂東 隆哲
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AA14
3H130AB23
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA95A
3H130BA97A
3H130CA22
3H130CA27
3H130DB15Z
3H130DC06Z
3H130DC07Z
3H130DD04X
3H130DJ07X
3H130EA06A
3H130EA06C
3H130EB01A
3H130EC17A
3H130ED01A
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ステータとロータとを精度高く位置決めすることが容易なポンプを提供する。
【解決手段】ポンプ1は、上ケーシング10と、下ケーシング20と、キャン部材40と、インペラ30と、モータ50とを備える。上ケーシング10は、流体が吸入される吸入口部11、及び、流体が吐出される吐出口部12を備える。下ケーシング20は、上ケーシング10の下方に配置される。キャン部材40は、下ケーシング20内に収容される。インペラ30は、上ケーシング10内に収容される。モータ50は、インペラ30と接続されたロータ51及びステータ52を備える。ロータ51は、キャン部材40内に収容される。ステータ52は、下ケーシング20の内周面とキャン部材40の外周面との間に配置される。キャン部材40は、外周面から径方向に突出する突出部41を備える。突出部41の下端とステータ52の上端とが接触する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が吸入される吸入口部、及び、前記流体が吐出される吐出口部を備える上ケーシングと、
前記上ケーシングの下方に配置される下ケーシングと、
前記下ケーシング内に収容されたキャン部材と、
前記上ケーシング内に収容されるインペラと、
前記インペラと接続されたロータ及びステータを備えるモータと
を備え、
前記ロータは、前記キャン部材内に収容され、
前記ステータは、前記下ケーシングの内周面と前記キャン部材の外周面との間に配置され、
前記キャン部材は、前記外周面から径方向に突出する突出部を備え、
前記突出部の下端と前記ステータの上端とが接触する、ポンプ。
【請求項2】
前記ロータ及び前記インペラと接続されたシャフトを回転可能に保持する軸受け部と、
前記軸受け部を保持する軸受保持部と
を更に備え、
前記キャン部材の内周面と前記軸受保持部の外周面とが対向し、
前記キャン部材の内周面と前記軸受保持部の外周面との間には、封止部材が配置される、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記ステータは、環状体及びステータティースを備え、
前記ステータティースは、
前記環状体の内周面から径方向に突出する巻線部と、
前記巻線部の先端に配置された先端部と
を備え、
前記突出部の下端と前記先端部の上端とが接触する、請求項1に記載のポンプ。
【請求項4】
周方向において、前記巻線部の位置と前記突出部の位置とが重なる、請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記ステータは、複数個の前記ステータティースを備え、
前記キャン部材は、複数個の前記突出部を備え、
前記複数個のステータティースは、周方向に沿って第1間隔DAで並べられ、
前記複数個の突出部のうちの一つの突出部と、前記複数個の突出部のうちの他の突出部とが、周方向に沿って第2間隔DBで並べられ、
DBは、DAの倍数でない、請求項3に記載のポンプ。
【請求項6】
前記複数個の突出部は、周方向に沿って前記第2間隔DBで並べられている、請求項5に記載のポンプ。
【請求項7】
前記キャン部材は、フランジ部を更に備え、
前記フランジ部は、前記キャン部材の外周面に配置され、
前記突出部は、軸方向に沿って延びており、
前記突出部の上端と前記フランジ部の下端とは、接続されている、請求項1に記載のポンプ。
【請求項8】
前記下ケーシングの内周面と前記キャン部材の外周面との間には、合成樹脂が注入されている、請求項1に記載のポンプ。
【請求項9】
径方向において、前記インペラの最大径は、前記キャン部材の最大径より小さい、請求項1に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプは、ケーシングと、固定子と、回転子を有する羽根車と、ブラケットとを備える(例えば、特許文献1)。ブラケットは、ケーシング内に収容されるとともに、内側に羽根車が収容される。固定子は、ケーシング内に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のポンプでは、固定子(ステータ)と回転子(ロータ)との位置決めの精度が低かった。その結果、ステータとロータとの位置関係にばらつきが生じ、ロータの回転効率が悪いものが生産される懸念があった。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステータとロータとを精度高く位置決めすることが容易なポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的なポンプは、上ケーシングと、下ケーシングと、キャン部材と、インペラと、モータとを備える。上ケーシングは、流体が吸入される吸入口部、及び、前記流体が吐出される吐出口部を備える。前記下ケーシングは、前記上ケーシングの下方に配置される。前記キャン部材は、前記下ケーシング内に収容される。前記インペラは、前記上ケーシング内に収容される。前記モータは、前記インペラと接続されたロータ及びステータを備える。前記ロータは、前記キャン部材内に収容される。前記ステータは、前記下ケーシングの内周面と前記キャン部材の外周面との間に配置される。前記キャン部材は、前記外周面から径方向に突出する突出部を備える。前記突出部の下端と前記ステータの上端とが接触する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本開示によれば、ステータとロータとを精度高く位置決めすることが容易なポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態のポンプの全体断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るキャン部材の全体斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る蓋部の全体斜視図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のポンプの断面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るステータ及びキャン部材の斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るステータ及びキャン部材の平面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るステータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書では、理解の容易のため、互いに直交する第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yを適宜記載している。ここでは、下ケーシングから上ケーシングに向かう方向を「第1方向Z」と称する。また、第1方向Zに対して直交する方向を「第2方向X」と称する。更に、第1方向Z及び第2方向Xに対して直交する方向を「第3方向Y」と称する。
【0010】
また、第1方向Zの一方側の方向を「第1方向一方側(+Z方向)」、他方側の方向を「第1方向他方側(-Z方向)」と称する。第2方向Xの一方側の方向を「第2方向一方側(+X方向)」、他方側の方向を「第2方向他方側(-X方向)」と称する。そして、第3方向Yの一方側の方向を「第3方向一方側(+Y方向)」、他方側の方向を「第3方向他方側(-Y方向)」と称する。
【0011】
また、本願では、便宜上、第1方向Zを上下方向として説明する場合がある。例えば、第1方向Zの一方側(+Z方向)は上方向を示し、第1方向Zの他方側(-Z方向)は下方向を示す。ただし、上下方向、上方向及び下方向は、説明の便宜上定めるものであり、鉛直方向に一致する必要はない。また、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義するのにすぎず、本開示に係るポンプの使用時の向きを限定しない。なお、本明細書において「直交する方向」とは、厳密な意味での直交を表すのではなく、例えば本開示における効果を奏する程度に直交である場合を含む。
【0012】
本開示の例示的な本実施形態のポンプ1について説明する。
図1は、本実施形態のポンプ1の全体断面図である。
図1に示すように、ポンプ1は、上ケーシング10と、下ケーシング20と、キャン部材40と、蓋部80と、インペラ30と、シャフト31と、モータ50とを備える。
【0013】
上ケーシング10は、筐体13と吸入口部11と吐出口部12とを備える。吸入口部11の形状は、例えば円筒形状である。吸入口部11は、筐体13の上方に配置される。吸入口部11は、第1方向Zに沿って配置されている。吐出口部12の形状は、例えば円筒形状である。吐出口部12は、筐体13の側方に配置される。吐出口部12は、第2方向Xに沿って配置されている。
【0014】
吸入口部11では、流体が吸入される。吐出口部12では、流体が吐出される。流体として、例えば、エチレングリコール水溶液或いはプロピレングリコール水溶液のような不凍液、又は、純水等が挙げられる。
【0015】
下ケーシング20は、上ケーシング10の下方に配置される。具体的には、下ケーシング20は、円形状の底壁21と、円筒形状の側壁22とを備える。
【0016】
ここで
図1及び
図2を参照して、キャン部材40について説明する。
図2は、本実施形態に係るキャン部材40の全体斜視図である。
図1及び
図2に示すように、キャン部材40は、半球状の底壁43と、円筒形状の側壁44とを備える。底壁43の直径は、底壁21の直径より小さい。側壁44の高さは、側壁22の高さより小さい。キャン部材40は、下ケーシング20内に収容される。
【0017】
キャン部材40は、突出部41を更に備える。具体的には、キャン部材40は、複数個の突出部41を更に備える。複数個は、例えば6個である。6個の突出部41の各々は、側壁44の外周面から径方向に突出する。更に、6個の突出部41の各々は、軸方向に沿って延びている。なお、突出部41は、1個であってもよく、周方向に沿って延びていてもよい。更に、突出部41は、複数個であってもよく、複数個の突出部41の各々の形状は、立方体であってもよい。
【0018】
ここで
図1~
図3を参照して、蓋部80について説明する。
図3は、本実施形態に係る蓋部80の全体斜視図である。
図1~
図3に示すように、蓋部80は、下ケーシング20の上端に配置された板状体81を備える。蓋部80の形状は、例えば円環形状である。蓋部80は、キャン部材40の外周面と径方向に対向する。その結果、流体は、上ケーシング10とキャン部材40とで形成された空間に流入する。一方、流体は、下ケーシング20とキャン部材40とで形成された空間に侵入が困難となる。
【0019】
蓋部80は、板状体81を貫通する貫通孔82を更に備える。その結果、蓋部80を配置した後、後述する合成樹脂60を貫通孔82から注入できる。なお、蓋部80は、複数個の貫通孔82を備えてもよい。
【0020】
インペラ30は、上ケーシング10内に収容される。具体的には、インペラ30は、吸入口部11の下方に配置される。インペラ30は、吐出口部12の側方に配置される。インペラ30は、キャン部材40の上方に配置される。
【0021】
また、径方向において、インペラ30の最大径は、キャン部材40の最大径より小さい。その結果、ポンプ1を小型化できる。
【0022】
モータ50は、ロータ51とステータ52とを備える。ロータ51の形状は、例えば、円柱形状である。ロータ51の高さは、側壁44の高さより低い。また、ロータ51の直径は、側壁44の内径と略同一である。ロータ51は、キャン部材40内に収容される。詳細には、ロータ51は、キャン部材40の所定位置に配置される。具体的には、ロータ51は、インペラ30の下方に配置される。ロータ51は、インペラ30と接続される。具体的には、ロータ51は、シャフト31を介してインペラ30と接続される。これにより、ロータ51が回転すると、インペラ30は回転する。流体は、インペラ30の回転により、吸入口部11から吐出口部12に流れる。
【0023】
ステータ52の形状は、円筒形状である。ステータ52の高さは、ロータ51の高さと略同一である。また、ステータ52の内径は、側壁44の外径と略同一である。ステータ52の外径は、側壁22の内径と略同一である。ステータ52は、下ケーシング20の内周面とキャン部材40の外周面との間に配置される。詳細には、キャン部材40の突出部41の下端とステータ52の上端とが接触する。その結果、突出部41によって、ステータ52に対してキャン部材40の位置が決められる。よって、キャン部材40とステータ52との位置関係の精度が向上する。換言すれば、キャン部材40の所定位置に配置されたロータ51とステータ52との位置関係の精度が向上する。また、ステータ52とロータ51とを精度高く位置決めすることが容易であり、ステータ52とロータ51との位置関係に生じるばらつきを抑制でき、ロータ51の回転効率が悪くなることを抑制できる。
【0024】
下ケーシング20の内周面とキャン部材40の外周面との間には、合成樹脂60が注入されている。合成樹脂60は、例えば硬化する。また、合成樹脂60は、例えば耐水性を有する。合成樹脂60は、ステータ52をコーティングできればよく、下ケーシング20の内周面とキャン部材40の外周面との間で隙間なしに充填されてもよい。その結果、流体が下ケーシング20の内周面とキャン部材40の外周面との間に侵入した場合にも、ステータ52を保護できる。
【0025】
続けて、ポンプ1の製造方法について説明する。まず、下ケーシング20を準備する。次に、下ケーシング20の所定位置にステータ52を収容する。次に、下ケーシング20にキャン部材40を収容する。キャン部材40の突出部41の下端とステータ52の上端とが接触する。その結果、突出部41によって、ステータ52に対してキャン部材40の位置が決められる。
【0026】
次に、下ケーシング20の上端に蓋部80を配置する。次に、貫通孔82から合成樹脂60を注入する。換言すれば、蓋部80を配置した後、合成樹脂60を貫通孔82から注入できる。次に、合成樹脂60が硬化する。次に、キャン部材40に、インペラ30と接続されたロータ51を収容する。最後に、下ケーシング20の上方に上ケーシング10を配置する。その結果、本実施形態のポンプ1が完成する。
【0027】
続けて
図1及び
図4を参照して、ポンプ1について詳細に説明する。
図4は、本実施形態のポンプ1の断面図である。
図4に示すように、ポンプ1は、軸受け部32と、軸受保持部90とを更に備える。
【0028】
軸受け部32は、シャフト31を回転可能に保持する。軸受け部32は、例えばベアリングである。軸受け部32の形状は、円筒形状である。軸受け部32にシャフト31が収容されている。
【0029】
軸受保持部90は、軸受け部32を保持する。具体的には、軸受保持部90は、筒状部91と板状部92とを備える。筒状部91の形状は、円筒形状である。筒状部91に軸受け部32が収容されている。板状部92の形状は、円環形状である。板状部92は、上ケーシング10と蓋部80との間に配置される。
【0030】
キャン部材40の内周面と軸受保持部90の外周面とが対向する。キャン部材40の内周面と軸受保持部90の外周面との間には、封止部材70が配置される。封止部材70は、例えばO-リング又はメタルガスケットである。具体的には、キャン部材40の内周面と筒状部91の外周面との間には、複数個の封止部材70が配置される。複数個の封止部材70は、例えば第1のO-リング71と、第2のO-リング72とを含む。第1のO-リング71は、第2のO-リング72より上方に配置される。その結果、キャン部材40内の流体が漏れることを抑制できる。
【0031】
続けて
図5~
図7を参照して、ステータ52について詳細に説明する。
図5は、本実施形態に係るステータ52及びキャン部材40の斜視図である。
図6は、本実施形態に係るステータ52及びキャン部材40の平面図である。
図7は、本実施形態に係るステータ52の斜視図である。
図5~
図7に示すように、ステータ52は、環状体53と、ステータティース54とを備える。
【0032】
具体的には、ステータ52は、複数個のステータティース54を備える。複数個は、例えば9個である。9個のステータティース54の各々は、巻線部54aと、先端部54bと備える。
【0033】
巻線部54aは、環状体53の内周面から径方向に突出する。巻線部54aには、導線が巻き付けられている。先端部54bは、巻線部54aの先端に配置される。先端部54bは、周方向に沿って延びている。換言すれば、先端部54bの形状は、円弧形状である。突出部41の下端と先端部54bの上端とが接触する。その結果、巻線部54aに影響を与えずに、ステータ52に対してキャン部材40の位置が決められる。
【0034】
周方向において、巻線部54aの位置と突出部41の位置とが重なる。具体的には、周方向において、少なくとも1個の巻線部54aの位置と、少なくとも1個の突出部41の位置とが重なる。その結果、突出部41の下端とステータ52の上端とが接触しても、突出部41の下端は巻線部54aの先端に接触し、突出部41の下端が先端部54bと接触する場合と比べてステータ52の変形を抑制できる。
【0035】
9個のステータティース54は、周方向に沿って等間隔で並べられる。具体的には、9個のステータティース54は、周方向に沿って第1間隔DAで並べられる。換言すれば、ステータティース54は、40°毎に配置されている。
【0036】
一方、6個の突出部41のうちの一つの突出部41と、6個の突出部41のうちの他の突出部41とが、周方向に沿って第2間隔DBで並べられる。第2間隔の大きさDBは、第1間隔の大きさDAの倍数でない。その結果、ステータ52とキャン部材40とを位置合わせせずに、突出部41の下端とステータ52の上端とが接触できる。具体的には、3個の突出部41の下端と、3個のステータ52の上端とが接触する。
【0037】
6個の突出部41は、周方向に沿って等間隔で並べられている。具体的には、6個の突出部41は、周方向に沿って第2間隔DBで並べられている。換言すれば、ステータティース54は、60°毎に配置されている。その結果、ステータ52の変形を、より抑制できる。
【0038】
キャン部材40は、フランジ部42を更に備える。フランジ部42は、キャン部材40の外周面に配置される。具体的には、フランジ部42は、側壁44の上端の外周面に配置される。フランジ部42の形状は、円環形状である。
【0039】
6個の突出部41の各々の上端とフランジ部42の下端とは、接続されている。その結果、キャン部材40の剛性を上げて、キャン部材40の変形を抑制できる。
【0040】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、上記実施形態は、本開示の例示にすぎず、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。実施形態の構成は、本開示の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、実施形態は、可能な範囲で組み合わせて実施されてもよい。
【0041】
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
【0042】
(1)流体が吸入される吸入口部、及び、前記流体が吐出される吐出口部を備える上ケーシングと、
前記上ケーシングの下方に配置される下ケーシングと、
前記下ケーシング内に収容されたキャン部材と、
前記上ケーシング内に収容されるインペラと、
前記インペラと接続されたロータ及びステータを備えるモータと
を備え、
前記ロータは、前記キャン部材内に収容され、
前記ステータは、前記下ケーシングの内周面と前記キャン部材の外周面との間に配置され、
前記キャン部材は、前記外周面から径方向に突出する突出部を備え、
前記突出部の下端と前記ステータの上端とが接触する、ポンプ。
【0043】
(2)前記ロータ及び前記インペラと接続されたシャフトを回転可能に保持する軸受け部と、
前記軸受け部を保持する軸受保持部と
を更に備え、
前記キャン部材の内周面と前記軸受保持部の外周面とが対向し、
前記キャン部材の内周面と前記軸受保持部の外周面との間には、封止部材が配置される、(1)に記載のポンプ。
【0044】
(3)前記ステータは、環状体及びステータティースを備え、
前記ステータティースは、
前記環状体の内周面から径方向に突出する巻線部と、
前記巻線部の先端に配置された先端部と
を備え、
前記突出部の下端と前記先端部の上端とが接触する、(1)又は(2)に記載のポンプ。
【0045】
(4)周方向において、前記巻線部の位置と前記突出部の位置とが重なる、(3)に記載のポンプ。
【0046】
(5)前記ステータは、複数個の前記ステータティースを備え、
前記キャン部材は、複数個の前記突出部を備え、
前記複数個のステータティースは、周方向に沿って第1間隔DAで並べられ、
前記複数個の突出部のうちの一つの突出部と、前記複数個の突出部のうちの他の突出部とが、周方向に沿って第2間隔DBで並べられ、
DBは、DAの倍数でない、(1)から(4)のいずれか1項に記載のポンプ。
【0047】
(6)前記複数個の突出部は、周方向に沿って前記第2間隔DBで並べられている、(5)に記載のポンプ。
【0048】
(7)前記キャン部材は、フランジ部を更に備え、
前記フランジ部は、前記キャン部材の外周面に配置され、
前記突出部は、軸方向に沿って延びており、
前記突出部の上端と前記フランジ部の下端とは、接続されている、(1)から(6)のいずれか1項に記載のポンプ。
【0049】
(8)前記下ケーシングの内周面と前記キャン部材の外周面との間には、合成樹脂が注入されている、(1)から(7)のいずれか1項に記載のポンプ。
【0050】
(9)前記キャン部材の外周面と径方向に対向する蓋部を更に備え、
前記蓋部は、
前記下ケーシングの上端に配置された板状体と、
前記板状体を貫通する貫通孔と
を備える、(1)から(8)のいずれか1項に記載のポンプ。
【0051】
(10)径方向において、前記インペラの最大径は、前記キャン部材の最大径より小さい、(1)から(9)のいずれか1項に記載のポンプ。
【符号の説明】
【0052】
1・・・ポンプ
10・・・上ケーシング
11・・・吸入口部
12・・・吐出口部
20・・・下ケーシング
30・・・インペラ
40・・・キャン部材
41・・・突出部
50・・・モータ
51・・・ロータ
52・・・ステータ