(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031267
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】つぼ刺激用テープ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/06 20060101AFI20240229BHJP
A61F 13/02 20240101ALI20240229BHJP
A61F 13/0246 20240101ALI20240229BHJP
A61H 39/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A61F13/06 M
A61F13/02 310T
A61F13/02 310J
A61H39/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134721
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】508374656
【氏名又は名称】寺田 公男
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】寺田 公男
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101BB03
4C101BC02
4C101BD26
(57)【要約】
【課題】足における親指と人差し指の間のつぼを刺激するための、つぼ刺激用テープを実現する。
【解決手段】つぼ刺激用テープ10は、第1方向における中央部に位置して足5における親指6と人差し指7との間に貼り付けられる幅狭部11と、第1方向において幅狭部11を挟むように幅狭部11と一体形成され幅狭部11の幅よりも幅が広く、一方が足5の表側に貼り付けられ、他方が足5の裏側に貼り付けられる一対の幅広部12,13とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
つぼ刺激用テープであって、
第1方向における中央部に位置して、足における親指と人差し指との間に貼り付けられる幅狭部と、
前記第1方向において前記幅狭部を挟むように前記幅狭部と一体形成され、前記幅狭部よりも幅が広く、一方が足の表側に貼り付けられ、他方が足の裏側に貼り付けられる一対の幅広部とを備えている、つぼ刺激用テープ。
【請求項2】
前記各幅広部の幅の最大値は、前記幅狭部の幅の最小値の2倍以上である、請求項1に記載のつぼ刺激用テープ。
【請求項3】
当該つぼ刺激用テープの断面視において、足に貼り付けられた際に表側に露出する基材層と、前記基材層の裏側に設けられて接着剤又は粘着剤により構成された接着層とを備え、
前記接着層が、前記基材層の裏面の全面に亘って設けられている、請求項1又は2に記載のつぼ刺激用テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体のつぼを刺激するためのつぼ刺激用テープに関する。
【背景技術】
【0002】
人体のつぼを刺激するためのつぼ刺激用テープが知られている。特許文献1には、この種のテープとして、細幅の基材の一面に粘着剤層が形成された粘着テ-プが記載されている。また、非特許文献1には、この種のテープとして、楕円形のテープが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ファイテン株式会社のメタックステープの販売サイト,[online],[令和4年8月17日検索],インターネット<URL:https://www.phiten-store.com/item/0116PT730000.html?argument=4UEubPxe&dmai=tsubo03&_ebx=4o5o14p9v9.1649660902.7mittjz>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本願発明者は、足における親指と人差し指の間に、テープで刺激すると効果的なつぼの存在を見出した。しかし、特許文献1に記載のものは、全体が細幅のテープであるため歩行時に剥がれやすい。また、非特許文献1に記載のテープは、形状的に足における親指と人差し指に貼ることが難しい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、足における親指と人差し指の間のつぼを刺激するための、つぼ刺激用テープを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、つぼ刺激用テープであって、第1方向における中央部に位置して、足における親指と人差し指との間に貼り付けられる幅狭部と、第1方向において幅狭部を挟むように幅狭部と一体形成され、幅狭部よりも幅が広く、一方が足の表側に貼り付けられ、他方が足の裏側に貼り付けられる一対の幅広部とを備えている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、各幅広部の幅の最大値は、幅狭部の幅の最小値の2倍以上である。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、つぼ刺激用テープの断面視において、足に貼り付けられた際に表側に露出する基材層と、基材層の裏側に設けられて接着剤又は粘着剤により構成された接着層とを備え、接着層が、基材層の裏面の全面に亘って設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のつぼ刺激用テープでは、第1方向における中央部にある幅狭部を挟むように、一対の幅広部が、幅狭部と一体形成されている。つぼ刺激用テープを使用する際は、足における親指と人差し指との間に幅狭部が貼り付けられ、足の表側と裏側に対し、一対の幅広部が貼り付けられる。各幅広部の幅は幅狭部の幅よりも広い。そのため、足における親指と人差し指との間の狭い部分に対し幅狭部を適正に貼り付けつつ、足の表裏に対し一対の幅広部を強固に固定することができる。本発明によれば、足における親指と人差し指の間のつぼを刺激するための、つぼ刺激用テープを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1(a)は、実施形態に係るつぼ刺激用テープの平面図であり、
図1(b)は、
図1(a)のつぼ刺激用テープの断面図(A-A断面図)である。
【
図2】
図2は、
図1(a)のつぼ刺激用テープの使用状態を示す図であり、
図2(a)は、つぼ刺激用テープが貼り付けられた足の表側を示し、
図2(b)は、つぼ刺激用テープが貼り付けられた足の裏側の図を示す。
【
図3】
図3は、実施例として行った回旋時の角度測定の方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、その他の実施形態に係るつぼ刺激用テープの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0013】
本実施形態は、足5における親指6と人差し指7との間のつぼ(厥陰肝経 行間(こうかん))を刺激するための、つぼ刺激用テープ10である。ここで、足5における親指6と人差し指7の間とは、具体的に、親指6の付け根と人差し指7の付け根との間の部分8で、「第1指間腔」と呼ぶ場合がある。
【0014】
[つぼ刺激用テープの構成]
つぼ刺激用テープ10は、
図1(a)に示す平面視において、第1方向(
図1(a)のテープ10の長手方向)における中央部に位置する幅狭部11と、第1方向において幅狭部11を挟むように幅狭部11と一体形成された一対の幅広部12,13とを備えている。
図1(a)には、幅狭部11と各幅広部12,13の境界位置を破線で示す。なお、本実施形態に係るつぼ刺激用テープ10は、第1方向の中心に対しても、第1方向に直交する第2方向の中心に対しても線対称な形状である。但し、つぼ刺激用テープ10は、このような形状に限定されない。
【0015】
幅狭部11は、足5における親指6と人差し指7との間の部分8に貼り付けられる。幅狭部11は、第1方向に延びる帯状に形成されている。幅狭部11では、第1方向の両端部が、各幅広部12,13との取合い部11tになっている。幅狭部11では、取合い部11tを除いて、第1方向において幅(第2方向の寸法)が一定である。なお、幅狭部11の幅は、幅広部12,13との境界位置に近づくに従って徐々に広がるようにしてもよい。また、幅狭部11において取合い部11tを設けなくてもよい。
【0016】
一対の幅広部12,13の各々は、平面視において、第2方向に延びる帯状に形成されている。各幅広部12,13では、第2方向の両端部が少し丸みを帯びている。なお、この丸みは設けなくてもよい。
【0017】
一方の幅広部12は、幅狭部11の一端側(
図1(a)の上側)に配置され、足5の表側に貼り付けられる。他方の幅広部13は、幅狭部11の他端側(
図1(a)の下側)に配置され、足5の裏側に貼り付けられる。足5の表側でも裏側でも、幅広部12,13は、親指6と人差し指7の各付け根の近傍に貼り付けられる。なお、幅広部12を足5の裏側に貼り付け、幅広部13を足5の表側に貼り付けてもよい。すなわち、一対の幅広部12,13においてどちらを表側又は裏側に貼り付けてもよい。
【0018】
各幅広部12,13では、第1方向における中央部の位置で、上述の丸みによって幅が最大になっている。幅広部12,13の幅W2は、取合い部11tを除く幅狭部11の幅W1よりも大きい。ここで、取合い部11tを除く幅狭部11の幅とは、幅狭部11のうち取合い部11tを除く部分での幅の最大値を言い、幅広部12,13の幅とは、幅広部12,13における幅の最大値を言う。また、幅広部12,13の幅の最大値W2は、例えば、幅狭部11の幅の最小値W1(本実施形態では、W1は、取合い部11tを除く部分での幅の最大値でもある。)の2倍以上とすることができる。
【0019】
つぼ刺激用テープ10は、足5における親指6と人差し指7との部分8に貼り付けるのに適した大きさを有する。具体的に、大人用のつぼ刺激用テープ10の場合、つぼ刺激用テープ10の第1方向の寸法L1は40mm以上100mm以下、幅狭部11の長さL2は20mm以上80mm以下(好ましくは50mm以下)、幅狭部11の幅W1は例えば7mm以上12mm以下、幅広部12の幅W2は14mm以上60mm以下(好ましくは25mm以上50mm以下)、にすることができる。子供用のつぼ刺激用テープ10の場合、つぼ刺激用テープ10の第1方向の寸法L1は20mm以上60mm以下、幅狭部11の長さL2は8mm以上30mm以下、幅狭部11の幅W1は例えば4mm以上10mm以下、幅広部12の幅W2は10mm以上40mm以下(好ましくは15mm以上35mm以下)、にすることができる。
【0020】
つぼ刺激用テープ10は、
図1(b)に示す断面視において、足に貼り付けられた際に表側に露出する基材層21と、基材層21の裏側に設けられて接着剤又は粘着剤により構成された接着層22と、接着層22を被覆する剥離シート23とを備えている。幅狭部11と一対の幅広部12,13とでは、基材層21が同一素材により構成されている。また、接着層22は、基材層21の裏面の全面に亘って設けられている。基材層21の裏側には、皮膚の薬(水虫薬など)は塗布されていない。
【0021】
基材層21には、足5における貼付箇所の形状に追従するように、柔軟性がある素材が用いられている。基材層21には、織布、不織布、又は樹脂シートなどを用いることができる。また、接着層22には、人体の皮膚に貼り付けるために一般的に使用されている接着剤又は粘着剤を用いることができる。基材層21と接着層22の一方には、例えばマイナスイオン効果を奏する鉱石などを含有させてもよい。また、剥離シート23には、シール用として一般的に使用されている剥離紙などを用いることができる。
【0022】
[つぼ刺激用テープの使用方法]
つぼ刺激用テープ10は、剥離シート23を剥がして、足5に貼り付けられる。具体的に、つぼ刺激用テープ10を使用する際は、足5における親指6と人差し指7との間の部分8に幅狭部11が貼り付けられ、足5の表側と裏側に対し、一対の幅広部12,13が貼り付けられる。各幅広部12,13の幅は、幅狭部11の幅よりも広い。そのため、足5における親指6と人差し指7との間の狭い部分8に対し幅狭部11を適正に貼り付けつつ、足5の表裏に対し一対の幅広部12,13を強固に固定することができる。
【実施例0023】
本発明に係るつぼ刺激用テープ10の使用による効果の検証結果について説明する。なお、本発明は、その主旨を超えない限り、本実施例に限定されるものではない。
【0024】
つぼ刺激用テープ10の使用による柔軟性の変化を調査するために、つぼ刺激用テープ10を貼り付けていない状態(テープ未貼付)と、つぼ刺激用テープ10を貼り付けた状態(テープ貼付)のそれぞれで、被験者が立った状態で行う立位体前屈測定と、
図3に示すように被験者が体を回転させた時の回転角度の測定(回旋時の角度測定)とを行った。回旋時の角度測定では、被験者が両足の位置及び向きを固定させて、
図3に示すように両手を前に伸ばした状態で、上半身主導で体を回転させた時の回転角度θの最大値を計測した。これらの測定結果を表1に示す。
【0025】
【0026】
表1によれば、立位体前屈測定でも回旋時の角度測定でも、全ての被験者においてつぼ刺激用テープ10の貼り付けにより柔軟性が向上した。つぼ刺激用テープ10は、柔軟性を高める効果が得られることを確認できた。
【0027】
別の調査として、11名の被験者に対し、つぼ刺激用テープ10の貼り付けによる次の効果の有無をアンケートした。アンケート結果を表2に示す。表2では、改善されたとの回答は「1」、分からないとの回答は「2」、改善されない(変わらない)との回答は「3」を記入した。
・項目1:身体が温かくなったか否か
・項目2:背中や腰のハリや痛みが軽減したか否か
・項目3:前屈姿勢で下方に伸ばした両手を組んだ状態で、両手に他の人の荷重が作用した時に耐える力が増したか否か
・項目4:脚が軽くなったか否か
【0028】
【0029】
表2によれば、1人の被験者を除き、全ての項目で改善されたとの回答を得た。また、その1人についても項目3-4で改善されたとの回答を得た。つぼ刺激用テープ10は、身体を温めたり、背中や腰のハリや痛みを軽減させたり、荷重に対する耐力が向上したり、脚が軽くなる効果が得られることを確認できた。
【0030】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、幅狭部11と各幅広部12,13は帯状に形成されているが、つぼ刺激用テープ10は、
図4に示すように、幅狭部11と各幅広部12,13を帯状に形成しなくてもよい。また、つぼ刺激用テープ10は、他の形状であってもよい。
【0031】
上述の実施形態において、一対の幅広部12,13で、面積又は幅が異なっていてもよい。この場合、面積又は幅が小さい方の幅広部12が足5の表側に貼り付けられ、面積又は幅が大きい方の幅広部13が足5の裏側に貼り付けられる。