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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031280
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】除塵装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240229BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20240229BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20240229BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20240229BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20240229BHJP
【FI】
F24F7/06 C
B01D46/00 F
A61L9/16 F
F24F11/74
F24F11/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134735
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【テーマコード(参考)】
3L058
3L260
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
3L058BE08
3L058BF04
3L058BG03
3L058BG04
3L260AA06
3L260AB20
3L260BA07
3L260CA03
3L260CB68
3L260EA07
3L260FA07
3L260FC04
3L260FC23
3L260HA06
4C180AA02
4C180BB15
4C180DD09
4C180DD11
4C180HH05
4C180KK04
4C180LL11
4D058JA58
4D058KC02
4D058QA01
4D058QA05
4D058QA11
4D058QA15
4D058SA20
4D058TA07
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】対象者から除去された粉塵を効果的に集塵することが可能な除塵装置を提供する。
【解決手段】対象者が通過可能な通過部Tを形成する本体10と、前記本体10に設けられ、前記通過部Tを通過する前記対象者を検知した場合、前記通過部Tに向かって空気を吐出することで前記対象者に付着した粉塵を除去する除去部(送風機20及び吐出口30)と、前記本体10の上部に設けられ、前記通過部Tの空気を循環させながら当該空気中の粉塵を集める空気循環装置40と、前記除去部の動作と連動して、前記空気循環装置40の動作を制御する制御部と、を具備する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が通過可能な通過部を形成する本体と、
前記本体に設けられ、前記通過部を通過する前記対象者を検知した場合、前記通過部に向かって空気を吐出することで前記対象者に付着した粉塵を除去する除去部と、
前記本体の上部に設けられ、前記通過部の空気を循環させながら当該空気中の粉塵を集める集塵部と、
前記除去部の動作と連動して、前記集塵部の動作を制御する制御部と、
を具備する除塵装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通過部を通過する前記対象者を検知して前記除去部が作動した場合、前記集塵部の風量を増加させる、
請求項1に記載の除塵装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通過部を通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間の間、前記集塵部の運転を継続させる、
請求項2に記載の除塵装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記通過部を通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間経過後に、前記除去部及び前記集塵部を作動させる、
請求項1に記載の除塵装置。
【請求項5】
前記本体は、
前記通過部の上方に配置された天井部を具備し、
前記集塵部は、
前記天井部に設けられる、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者に付着した粉塵を除去する除塵装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象者に付着した粉塵を除去することが可能な除塵装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、空気を吐出することによって対象者に付着した粉塵を除去する噴射ノズルと、装置の下部に形成された吸引口(窪み部)と、吸引口のすぐ上方に配置されたプレフィルタと、プレフィルタのすぐ上方に配置された吸引ファンと、を具備する除塵装置(エアシャワー装置)が開示されている。このような除塵装置において、吸引ファンが作動すると、吸引口から空気が吸引され、プレフィルタによって粉塵が除去される。これによって除塵装置は、対象者から粉塵を除去すると共に、当該粉塵を集めて空気を浄化することができる。
【0004】
ここで、一般的な除塵装置では、特許文献1の技術のように、ある程度重量のある吸引ファンは装置の下部に配置される。この場合、同じく装置の下部に形成された吸引口から吸引ファンの音が漏れ出し、騒音が発生することが懸念される。そこで、吸引口からの騒音を低減するための対策として、吸引口を吸引ファンから離れた装置の上部に形成することが考えられる。
【0005】
しかしながら、吸引口を装置の上部に形成すると、噴射ノズルからの空気で除去した粉塵を吸引口で吸引する(集塵する)ことが困難になるおそれがある点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-147810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、対象者から除去された粉塵を効果的に集塵することが可能な除塵装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、対象者が通過可能な通過部を形成する本体と、前記本体に設けられ、前記通過部を通過する前記対象者を検知した場合、前記通過部に向かって空気を吐出することで前記対象者に付着した粉塵を除去する除去部と、前記本体の上部に設けられ、前記通過部の空気を循環させながら当該空気中の粉塵を集める集塵部と、前記除去部の動作と連動して、前記集塵部の動作を制御する制御部と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記制御部は、前記通過部を通過する前記対象者を検知して前記除去部が作動した場合、前記集塵部の風量を増加させるものである。
【0011】
請求項3においては、前記制御部は、前記通過部を通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間の間、前記集塵部の運転を継続させるものである。
【0012】
請求項4においては、前記制御部は、前記通過部を通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間経過後に、前記除去部及び前記集塵部を作動させるものである。
【0013】
請求項5においては、前記本体は、前記通過部の上方に配置された天井部を具備し、前記集塵部は、前記天井部に設けられるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、対象者から除去された粉塵を効果的に集塵することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る除塵装置の全体的な構成を示した斜視図。
図2】同じく、背面図。
図3】除塵装置の制御に関する構成を示したブロック図。
図4】制御部による集塵制御の内容を示したフローチャート。
図5】(a)空気循環装置が弱運転を行っている様子を示した図。(b)送風機の作動中に、空気循環装置が強運転を行っている様子を示した図。
図6】(a)送風機の停止後に、空気循環装置が強運転を継続している様子を示した図。(b)送風機を再度作動させ、空気循環装置が強運転を行っている様子を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。まず、本発明の一実施形態に係る除塵装置1について説明する。
【0017】
本実施形態に係る除塵装置1は、一例として、ホテルなどの宿泊施設やショッピングモールなどの商業施設のエントランスに配置することを想定している。除塵装置1は、当該除塵装置1を通過するホテル等の利用客に対して空気を吹き付けることで、当該利用客に付着した粉塵を除去することができる。これによって、ホテル等の建物内に粉塵が侵入するのを防止することができる。
【0018】
図1から図3までに示す除塵装置1は、対象となる人や物(便宜上、以下では「対象者」と称する)に付着した粉塵を除去するものである。ここで、粉塵とは、花粉等の空気中に浮遊する粒子を指す。粉塵には、花粉の他に砂塵や微小なホコリ、PM2.5(粒径2.5μm以下の粒子状物質)等の粒子が含まれる。除塵装置1は、主として本体10、送風機20、吐出口30、空気循環装置40、通過検知用センサ50、近接検知用センサ60及び制御部70を具備する。
【0019】
図1及び図2に示す本体10は、除塵装置1の外郭を成す部材である。本体10は、主として一対の側面部11及び天井部12を具備する。
【0020】
側面部11は、本体10の側面を形成する部分である。側面部11は、中空の直方体状に形成される。側面部11は、互いに対向するように、左右一対設けられる。
【0021】
天井部12は、本体10の天井を形成する部分である。天井部12は、中空の直方体状に形成される。天井部12は、一対の側面部11の上端を接続するように設けられる。天井部12によって一対の側面部11を接続することによって、除塵装置1の耐震性を向上させることができる。
【0022】
このように本体10は、対象者が内側(一対の側面部11の左右内側、かつ、天井部12の下方)を通過可能な門型に形成されている。なお、以下では対象者が通過可能な本体10の内側を通過部Tと称する場合がある。
【0023】
送風機20は、空気にエネルギーを与えて気流を発生させる装置である。送風機20としては、各種の方式(遠心送風機、軸流送風機等)の装置を用いることができる。送風機20は、側面部11内の下部に設けられる。送風機20は、外気を吸引して、後述する吐出口30へと圧送することができる。本実施形態では、送風機20は、所定の風量で作動する状態と、停止した状態と、を切り替えることができる。
【0024】
吐出口30は、送風機20から圧送されてきた空気を、側面部11の通過部Tに向かって吐出するための開口部である。吐出口30は、側面部11のうち、左右内側を向いた側面に形成される。吐出口30は、互いに適宜の間隔を空けて複数形成される。本実施形態では、吐出口30は、上下に3列、前後に2列並ぶように、計6つ形成された例を示している(図1等参照)。吐出口30は、斜め下方に向かって空気を吐出するように配置されている。なお、吐出口30の空気の吐出方向は、任意に調整できるように構成することも可能である。
【0025】
本実施形態では、送風機20と、当該送風機20から圧送される空気を吐出する吐出口30等によって、対象者に付着した粉塵を除去する除去部が構成されている。
【0026】
空気循環装置40は、本体10の通過部Tの空気を循環させると共に、当該空気に含まれる粉塵を集める(集塵)ことが可能なものである。空気循環装置40は、本体10の上部(吐出口30よりも上方)に配置される。本実施形態では、空気循環装置40は、天井部12に配置される。
【0027】
空気循環装置40は、空気を吸引する吸引口、空気を吐出する吐出口、前記吸引口から空気を吸引して前記吐出口から吐出する送風機、流通する空気を浄化する浄化装置等を具備する。空気循環装置40の吸引口及び吐出口は、天井部12の下面から下方(通過部T)に露出するように配置される。空気循環装置40の浄化装置としては、例えば空気中の粉塵を除去することが可能な粉塵フィルタ、空気中の臭いを除去することが可能な脱臭フィルタ、放電空間内を流通する空気中の粉塵を除去することが可能な放電除去装置等を用いることが可能である。
【0028】
空気循環装置40を作動させることで、除塵装置1の通過部T(天井部12の下方)の空気を吸引し、当該空気の除塵を行い、浄化された空気を再び除塵装置1の通過部Tへと吐出することができる。本実施形態では、空気循環装置40は、高い風量で作動する状態(以下、「強運転」とも称する)と、低い風量で作動する状態(以下、「弱運転」とも称する)と、停止した状態とを切り替えることができる。
【0029】
図3に示す通過検知用センサ50は、除塵装置1を通過する対象者を検知可能なセンサである。通過検知用センサ50としては、例えば赤外線センサ、超音波センサ等を用いることができる。通過検知用センサ50は、対象者を検出することができるものであれば、その検出方式は限定するものではない。通過検知用センサ50は、例えば本体10の内側の適宜の位置に設けられ、本体10の通過部Tに進入してきた対象者を検出することができる。
【0030】
近接検知用センサ60は、除塵装置1の付近の人や物を検知可能なセンサである。近接検知用センサ60としては、例えば上述の通過検知用センサ50と同様のセンサを用いることが可能であが、その検出方法は特に限定するものではない。近接検知用センサ60は、例えば本体10の前後両側面の適宜の位置に設けられ、周囲から除塵装置1に近接してきた人や物を検出することができる。
【0031】
制御部70は、除塵装置1に関する制御を行うものである。制御部70は、CPU等の演算処理装置、RAMやROM、HDD等の記憶装置等により構成される。制御部70は、本体10の内部や外部など、任意の場所に配置することができる。
【0032】
制御部70は、通過検知用センサ50及び近接検知用センサ60に接続され、各センサの検出結果を取得することができる。また、制御部70は、送風機20及び空気循環装置40に接続され、送風機20及び空気循環装置40の動作を制御することができる。
【0033】
以下では、制御部70による制御態様について説明する。制御部70は、除塵装置1を通過する対象者に空気を吹き付けて、対象者に付着した粉塵を除去する「除塵制御」と、対象者から除去された粉塵を集める(集塵する)「集塵制御」と、を実行することができる。制御部70は、例えば除塵装置1の電源が入れられると、「除塵制御」及び「集塵制御」を行して実行する。以下、「除塵制御」及び「集塵制御」について具体的に説明する。
【0034】
まず「除塵制御」について説明する。制御部70は、通過検知用センサ50によって対象者を検知すると、送風機20(除去部)を作動させる。これによって、図5(b)に示すように、吐出口30から空気が吐出され、除塵装置1を通過する対象者に空気を吹き付けることができる。対象者に空気を吹き付けることで、対象者に付着した粉塵を除去することができる。
【0035】
また制御部70は、通過検知用センサ50によって対象者が検知されなくなると、送風機20を停止させる。具体的には、制御部70は、通過検知用センサ50によって対象者が検知されなくなってから所定時間(例えば、10秒)が経過すると、送風機20を停止させる。
【0036】
このように制御部70は、「除塵制御」を実行することで、除塵装置1を通過する対象者に対して空気を吹き付けて、対象者に付着した粉塵を除去することができる。
【0037】
次に、図4のフローチャートを用いて「集塵制御」について説明する。
【0038】
ステップS101において、制御部70は、空気循環装置40を弱運転で作動させる(図5(a)参照)。このように制御部70は、基本的には、空気循環装置40を弱運転で作動させることで、除塵装置1の通過部Tの空気の循環、及び、集塵を行う。制御部70は、ステップS101の処理を実行した後、ステップS102に移行する。
【0039】
ステップS102において、制御部70は、送風機20が作動しているか否かを判定する。すなわち制御部70は、現在、「除塵制御」によって対象者の除塵を行っているか否かを判定する。制御部70は、送風機20が作動していると判定した場合、ステップS103に移行する。一方、制御部70は、送風機20が作動していないと判定した場合、ステップS102の処理を繰り返し行う。
【0040】
ステップS103において、制御部70は、空気循環装置40を強運転で作動させる(図5(b)参照)。このように制御部70は、対象者の除塵を行っている最中には、空気循環装置40を強運転させることで、対象者から除去された粉塵を積極的に集めて、粉塵による除塵装置1の通過部Tの空気の汚染を抑制することができる。制御部70は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
【0041】
ステップS104において、制御部70は、送風機20が停止して所定時間(本実施形態では、1分間)経過したか否かを判定する。ここで、送風機20が停止するということは、「除塵制御」において対象者が除塵装置1を通過した後に送風機20が停止されることを意味する。制御部70は、送風機20が停止して所定時間経過したと判定した場合、ステップS105に移行する。
【0042】
一方、制御部70は、送風機20が停止して所定時間経過していないと判定した場合、ステップS104の処理を繰り返し行う。このように制御部70は、送風機20が停止してから所定時間が経過するまでは、ステップS103で作動させた空気循環装置40を強運転で作動させ続ける(図6(a)参照)。これによって、対象者が除塵装置1を通過した後も、対象者から除去された粉塵を空気循環装置40で積極的に集めて、粉塵による除塵装置1の通過部Tの空気の汚染を抑制することができる。
【0043】
ステップS105において、制御部70は、送風機20を作動させる(図6(b)参照)。これによって、吐出口30から吐出された空気によって、床に落下した粉塵を舞い上げ、当該粉塵を空気循環装置40で積極的に集めることができる。特に本実施形態では、吐出口30が下方に向けられているため、床に落下した粉塵を効果的に舞い上がらせることができる。
【0044】
なお、ステップS105では、複数の吐出口30のうち、一部の吐出口30からのみ空気を吐出させるように構成してもよい。例えば、複数の吐出口30のうち、床に空気を吹き付け易い下部の吐出口30(例えば、一番下に位置する吐出口30)のみから空気を吐出させることも可能である。これによって、粉塵を効率的に舞い上がらせることができる。
【0045】
なお、このように一部の吐出口30のみから空気を吐出させる構成としては、例えば、各吐出口30に開閉可能な弁を設け、下部の吐出口30の弁のみを開放する構成や、各吐出口30に個別に送風機20を設け、下部の吐出口30に接続された送風機20のみを作動させる構成等を採用することができる。
【0046】
制御部70は、ステップS105の処理を実行した後、ステップS106に移行する。
【0047】
ステップS106において、制御部70は、除塵装置1付近の人や物を検知したか否かを判定する。具体的には、制御部70は、近接検知用センサ60によって人や物を検知したか否かを判定する。近接検知用センサ60が人等を検知した場合、当該人等が除塵装置1を通過する可能性があると考えられる。制御部70は、除塵装置1付近の人や物を検知した場合、ステップS107に移行する。一方、制御部70は、除塵装置1付近の人や物を検知しない場合、ステップS108に移行する。
【0048】
ステップS106から移行したステップS107において、制御部70は、送風機20を停止させる。これによって制御部70は、近接してきた人が除塵装置1を通過する際の「除塵制御」に備えて、一旦送風機20を停止させて、対象者の通過まで待機することができる。制御部70は、ステップS107の処理を行った後、ステップS101に移行する。
【0049】
一方、ステップS106から移行したステップS108において、制御部70は、ステップS105で送風機20を作動させてから所定時間(本実施形態では、10秒)経過したか否かを判定する。制御部70は、所定時間経過したと判定した場合、ステップS107に移行する。一方制御部70は、所定時間経過していないと判定した場合、ステップS108の処理を繰り返し行う。
【0050】
ステップS108から移行したステップS107において、制御部70は、送風機20を停止させる。これによって制御部70は、送風機20を所定時間作動させた後で停止させることができる。制御部70は、ステップS106の処理を行った後、ステップS101に移行する。
【0051】
このように本実施形態では、除去部(送風機20及び吐出口30)の動作に応じて(連動して)空気循環装置40の動作を制御することで、効果的に集塵を行うことができる。
【0052】
以上の如く、本実施形態に係る除塵装置1は、
対象者が通過可能な通過部Tを形成する本体10と、
前記本体10に設けられ、前記通過部Tを通過する前記対象者を検知した場合、前記通過部Tに向かって空気を吐出することで前記対象者に付着した粉塵を除去する除去部(送風機20及び吐出口30)と、
前記本体10の上部に設けられ、前記通過部Tの空気を循環させながら当該空気中の粉塵を集める空気循環装置40(集塵部)と、
前記除去部の動作と連動して、前記空気循環装置40の動作を制御する制御部70と、
を具備するものである。
このように構成することによって、対象者から除去された粉塵を効果的に集塵することができる。
【0053】
また、前記制御部70は、
前記通過部Tを通過する前記対象者を検知して前記除去部が作動した場合(ステップS102でYES)、前記空気循環装置40の風量を増加させる(ステップS103)ものである。
このように構成することによって、除去部により対象者から除去された粉塵を、空気循環装置40で効率的に集塵することができる。
【0054】
また、前記制御部70は、
前記通過部Tを通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間の間、前記空気循環装置40の運転を継続させる(ステップS104)ものである。
このように構成することによって、除去部(送風機20)の停止後も集塵を継続することで、空気を効果的に浄化することができる。
【0055】
また、前記制御部70は、
前記通過部Tを通過する前記対象者が検知されなくなって前記除去部が停止した後、所定時間経過後に(ステップS104でYES)、前記除去部及び前記空気循環装置40を作動させる(ステップS105)ものである。
このように構成することにより、除去部(吐出口30)からの風によって、床に落下した粉塵を舞い上げ、空気循環装置40によって効果的に集塵を行うことができる。
【0056】
また、前記本体10は、
前記通過部Tの上方に配置された天井部12を具備し、
前記空気循環装置40は、
前記天井部12に設けられるものである。
このように構成することにより、空気循環装置40の配置場所として、天井部12を有効活用することができる。
【0057】
なお、本実施形態に係る送風機20及び吐出口30は、本発明に係る除去部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る空気循環装置40は、本発明に係る集塵部の実施の一形態である。
【0058】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0059】
本実施形態で例示した除去部(送風機20等)と空気循環装置40との連動方法(図4参照)は一例であり、任意に変更することが可能である。
【0060】
例えば、本実施形態では、通常、空気循環装置40は弱運転を行う(ステップS102)ものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、通常、空気循環装置40を停止させ、必要に応じて弱運転又は強運転で作動させるように構成することも可能である。
【0061】
また、本実施形態では、送風機20が停止した後も空気循環装置40の運転を継続させる例(ステップS103、ステップS104)を示したが、この際、空気循環装置40の風量を変更することも可能である。例えば、送風機20が停止した後に空気循環装置40の風量を低下させる(弱運転に変更する)ことで、空気循環装置40の消費電力を抑制しながらも集塵を行うことができる。また送風機20が停止した後に空気循環装置40の風量を増加させる(強運転よりさらに増加させる)ことで、空気中に浮遊している粉塵を素早く集めることができ、より効果的に集塵を行うことができる。
【0062】
また、同様に、送風機20を再度作動させた後(ステップS105)の空気循環装置40の風量も、任意に変更することが可能である。
【0063】
また、本実施形態において例示した除塵装置1の構成は一例であり、各部の個数、配置、形状等は任意に変更することが可能である。
【0064】
例えば本実施形態では、側面部11と天井部12を具備する門型の除塵装置1を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、除塵装置1を任意の構成とすることが可能である。例えば、天井部12を設けず、一対の側面部11、又は、左右一方のみの側面部11からなる除塵装置1とすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態では、空気循環装置40を天井部12に設けた例を示したが、空気循環装置40の配置はこれに限るものではない。例えば、空気循環装置40を側面部11の上部に設けることも可能である。
【0066】
また、本実施形態で例示した通過検知用センサ50及び近接検知用センサ60の配置は特に限定するものではなく、任意の場所に配置することが可能である。例えば、除塵装置1の本体10だけでなく、本体10の外部(本体10から離れた場所)に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 除塵装置
10 本体
12 天井部
20 送風機
30 吐出口
40 空気循環装置
70 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6